JP2015110236A - ろう付構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の第1実施形態に係るろう付構造体の製造方法の一例について図1〜図2を用いて説明する。なお、図中に示す矢印UPは、鉛直方向の上方を示す。
ろう付構造体10は、図1(D)に示されるように、一対の金属板26、28(金属部材の一例)と、この一対の金属板26、28を接合する複合ろう材12とを含んで構成されている。
図2(A)(B)に示されるように、金属板26は、金属板28に対して上方に配置され、金属板26の一方向(図中左右方向)の両端側の部分は、下方に向けて折り曲げられ、折り曲げ部27が形成されている。これに対して、金属板28の一方向(図中左右方向)の両端側の部分は、上方に向けて折り曲げられ、折り曲げ部29が形成されている。
複合ろう材12は、金属粉末14と夫々の金属板26、28に拡散して固着する接合ろう材16とを含んで構成されている。
ろう付構造体の製造方法についは、一対の金属板26、28の接合部24に金属粉末14の集合体の一例としての粉末集合体18等を配置する配置工程と、金属板26と金属板28とを接合する接合工程と、によって説明する。
配置工程では、図1(A)(B)に示されるように、一対の金属板26、28を接合させる接合部24に金属粉末14の粉末集合体18(一例として厚さ90〔μm〕)が配置される(粉末配置工程)。さらに、図1(C)に示されるように、この粉末集合体18と接するように隣りに、接合ろう材16となる液状のスラリー22(接合ろう材16とバインダ(一例として、有機系溶剤水系媒体)とが体積比50%の割合で混合された液状の部材)が金属板26の板面27Aに配置(塗布)される(ろう材配置工程)。
接合工程では、粉末集合体18及びスラリー22が予め決められた位置に配置された状態で、これを図示せぬ加熱炉内に配置し、スラリー22に含まれる接合ろう材16を溶融させる。なお、加熱炉内の温度については、接合ろう材16は溶融するが、金属板26、28は溶融しないように設定されている(例えば、1100°C)。
以上説明したように、配置工程において、予め決められた接合部24に金属粉末14の粉末集合体18が配置され、接合工程において、金属粉末14の粉末間にスラリー22が吸引され、金属粉末14にスラリー22に含まれるバインダが蒸発する。さらに、スラリー22に含まれる接合ろう材16が金属粉末14に含浸して金属粉末14の表面に接合ろう材16が共晶結合する。そして、一対の金属板26、28が接合される際に、粉末集合体18を構成する金属粉末14が、支柱となる支柱効果(スペーサ効果)を発揮するため、複合ろう材12が、一対の金属板26、28を予め決められた接合部24において接合することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るろう付構造体の製造方法の一例について図3を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。また、第1実施形態と異なる部分を主に説明し、他の部分の説明は省略する。
ろう付構造体30は、図3(D)に示されるように、一対の金属板36、38(金属部材の一例)と、この一対の金属板36、38を接合する複合ろう材32とを含んで構成されている。
図3(A)に示されるように、金属板36は、金属板38に対して図中左側に配置され、鉛直方向に対して傾斜した傾斜部36Aと、傾斜部36Aの下端から下方に延びる鉛直部36Bと、鉛直部36Bの下端から金属板38側に向かうように水平方向に延びる水平部36Cと、を有している。これに対して、金属板38は、鉛直面に対して金属板36と対称形状とされ、傾斜部38A、鉛直部38B、及び水平部38Cを有し、金属板38の水平部38Cの先端と金属板36の水平部36Cの先端とは、対向している。
複合ろう材32は、第1実施形態に係る複合ろう材12と同様の構成とされ、金属粉末14と接合ろう材16とを含んで構成されている。
ろう付構造体の製造方法は、一対の金属板36、38の接合部34に金属粉末14の集合体の一例としての粉末集合体42が配置され、さらに、接合ろう材16となる液状のスラリー22が粉末集合体42の隣りに配置(塗布)される配置工程(図3(A)(B)(C)参照)と、金属板36と金属板38とが接合される接合工程と、を備えている。
次に、本発明の第3実施形態に係るろう付構造体の製造方法の一例について図4を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。また、第1実施形態と異なる部分を主説明し、他の部分の説明は省略する。
ろう付構造体50は、図4(D)に示されるように、一対の金属板56、58(金属部材の一例)と、この一対の金属板56、58を接合する複合ろう材52とを含んで構成されている。
図4(A)に示されるように、金属板56は、金属板58に対して上方に配置され、湾曲状とされている。これに対して、金属板58は、金属板56の湾曲度合と同様の湾曲度合によって湾曲状とされている。
複合ろう材52は、第1実施形態に係る複合ろう材12と同様の構成とされ、金属粉末14と接合ろう材16とを含んで構成されている。
ろう付構造体の製造方法は、一対の金属板56、58の接合部54に金属粉末14の集合体の一例である粉末集合体62が配置され、接合ろう材16となる液状のスラリー22が、粉末集合体62の隣りに配置(塗布)される配置工程(図4(A)(B)(C)参照)と、金属板56と金属板56とを接合する接合工程と、を備えている。
次に、本発明の第4実施形態に係るろう付構造体の製造方法の一例について図5を用いて説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。また、第1実施形態と異なる部分のみ説明し、他の部分の説明は省略する。
ろう付構造体70は、図5(D)に示されるように、一対の金属板76、78(金属部材の一例)と、この一対の金属板76、78を接合する複合ろう材72とを含んで構成されている。
図5(A)に示されるように、一対の金属板76、78は、平板状とされ、金属板76が、金属板78に対して上方に配置されている。
複合ろう材72は、第1実施形態に係る複合ろう材12と同様の構成とされ、金属粉末14と接合ろう材16とを含んで構成されている。
ろう付構造体の製造方法は、一対の金属板76、78の接合部74に金属粉末14の集合体である粉末集合体82が配置され、接合ろう材16となる液状のスラリー22が、粉末集合体82の両隣りに配置(塗布)される配置工程(図5(A)(B)(C)参照)と、金属板76と金属板78とを接合する接合工程と、を備えている。
12 複合ろう材
14 金属粉末
16 接合ろう材
18 粉末集合体(集合体の一例)
24 接合部
26 金属板(金属部材の一例)
28 金属板(金属部材の一例)
30 ろう付構造体
32 複合ろう材
34 接合部
36 金属板(金属部材の一例)
38 金属板(金属部材の一例)
42 粉末集合体(集合体の一例)
50 ろう付構造体
52 複合ろう材
54 接合部
56 金属板(金属部材の一例)
58 金属板(金属部材の一例)
62 粉末集合体(集合体の一例)
76 金属板(金属部材の一例)
78 金属板(金属部材の一例)
82 粉末集合体(集合体の一例)
Claims (5)
- 一対の金属部材の接合部に金属粉末の集合体を配置する工程と、
配置された前記集合体の隣りに、前記金属部材に拡散して前記金属部材と固着する接合ろう材を配置する程と、
加熱することで、前記接合部に配置される前記集合体の前記金属粉末に前記接合ろう材を含浸させて複合ろう材とし、前記複合ろう材により一対の前記金属部材を接合する工程と、
を備えるろう付構造体の製造方法。 - 前記接合ろう材には、前記金属粉末の表面と共晶結合可能なろう材が用いられ、加熱することで、前記金属粉末に前記接合ろう材を含浸させる工程では、前記金属粉末の表面に前記接合ろう材が共晶結合する請求項1に記載のろう付構造体の製造方法。
- 前記接合部に前記集合体が配置される工程では、前記金属粉末の粉末同士を接着させるバインダと前記金属粉末が混合された前記集合体が前記接合部に配置される請求項1又は2に記載のろう付構造体の製造方法。
- 前記接合部に前記集合体が配置される工程では、前記金属粉末を圧粉又は焼結させることで固まった状態の前記集合体が前記接合部に配置される請求項1又は2に記載のろう付構造体の製造方法。
- 前記集合体の隣りに前記接合ろう材を配置する工程では、前記集合体を構成する前記金属粉末に対する、前記接合ろう材の体積比は、25%以上50%以下とされる請求項1〜5の何れか1項に記載のろう付構造体の製造方法。
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