JP2015107136A - 釣り糸用ガイド及び釣り竿 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モーメントを受けた場合にも、保持部や脚部、及び、脚部と足部との境界部位にある屈曲接続部において、亀裂の発生や折損等を起こし難い釣り糸用ガイド及び釣り竿を提供する。
【解決手段】 釣り糸挿通用の挿通孔6Aを形成しているガイドリング6と、そのガイドリング6を保持する金属製のガイド本体7とで構成する。ガイドリング6を保持する保持部7aと、竿体に装着される足部7cと、保持部7aと足部7cとの間に脚部7bを形成してガイド本体7を構成する。脚部7bと足部7cとを連結する屈曲接続部7dの曲率中心側に向かう内側表面に、ガイド本体7より引張弾性率の高い強化繊維に樹脂を含浸させて形成した繊維強化樹脂製の補強体8を施してある。
【選択図】 図3

Description

本発明は、リールから繰り出された釣り糸をガイドする釣り糸用ガイド及び釣り竿に関する。
釣り糸用ガイドのガイドリングを取り付けるガイド本体は、例えば、チタンやアルミ等の金属板にプレスによる打ち抜き加工成形を行って、釣り糸をガイドするガイドリングを保持する保持部、竿体に取付られる足部、及び、保持部と足部とを連結する脚部を形成した後に、脚部と足部との境界部位に曲げ加工を施して屈曲接続部を形成し、作られていた(特許文献1)。
特開2009−273443号公報(段落番号〔0017〕)
釣り糸用ガイドは、釣り場においては、常に塩水等や炎天に晒される環境の悪さもさりながら、釣り糸からガイドリングを通して錘や針掛かりした魚の荷重による力を受けている為に、足部を竿体から剥離しようとする荷重によって、曲げモーメントや握りモーメントを受けている。
このモーメントは、脚部と足部との境界部位にある屈曲接続部に集中し、その屈曲接続部に大きな応力が作用し、その部分に亀裂が入ったり、折損等することによって、釣り糸用ガイドの付け替え等が必要になり、その部分の強化を図ることが検討されている。
また、ガイドリングを保持する保持部にはガイドリングを通して直接釣り糸からの荷重が作用して大きな応力を発生し、ガイドリング保持部位等から亀裂の発生等も十分あり得、かつ、その保持部を支える脚部にも十分な支持能力が要求されている。
本発明の目的は、上記したようなモーメントを受けた場合にも、保持部や脚部、及び、脚部と足部との境界部位にある屈曲接続部において、亀裂の発生や折損等を起こし難い釣り糸用ガイド及び釣り竿を提供する点にある。
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、釣り糸挿通用の挿通孔を形成しているガイドリングと、そのガイドリングを保持する金属製のガイド本体とで構成し、前記ガイドリングを保持する保持部と、竿体に装着される足部と、前記保持部と前記足部との間に脚部を形成してガイド本体を構成し、前記脚部と前記足部とを連結する屈曲接続部の曲率中心側に向かう内側表面に、繊維強化樹脂製の補強体を施してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用〕
つまり、屈曲接続部の曲率中心側に向かう内側表面に、繊維強化樹脂製の補強体を施すことによって、それらの部分での断面係数の増加を図って機械的強度の強化を図っている。
例えば、機械的強度を図る手段としては、それらの部分の板厚等の増大を図ることや、強度の高い金属等に変更することも考えられるが、板厚を厚くすれば重量増が大きく、かつ、強度の高い金属等に変更する場合には製造コスト面で割高となる欠点がある。
これに対して、本発明においては、繊維強化樹脂によって補強体を形成しているので、板厚を厚くする場合に比べて軽量化が図れ、かつ、強度の高い金属等に変更する場合に比べて、その金属の強度に近い強度を維持しながら製造コスト面では易くできるという利点がある。
〔効果〕
したがって、繊維強化樹脂製の補強体を屈曲接続部の曲率中心側に向かう内側表面に施すことによって、重量増を来たすことなく、かつ、製造コスト増を抑制しながら、従来に比べて、ガイドリングを保持する保持部にガイドリングを通して直接釣り糸からの荷重が作用して大きな応力を発生する場合にも、ガイドリング保持部位等から亀裂の発生等を抑制することができ、かつ、その保持部を支える脚部にも十分な支持能力を与える強化を図り、折損等の少ない釣り用ガイドを提供出来るに至った。
〔構成〕
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記繊維強化樹脂製の補強体を、前記屈曲接続部に対して圧着成形によって装着固定している点にある。
〔構成〕
請求項3に係る発明の特徴構成は、前記屈曲接続部の前記補強体装着面に、細かい条溝又はローレット溝を形成してある点にある。
〔構成〕
請求項4に係る発明の特徴構成は、前記繊維強化樹脂がプリプレグである点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
これによって、釣り糸用ガイドが竿素材と同様の材料で構成されることとなり、材料の兼用化が可能になり、製造上も効果は大である。
〔構成〕
請求項5に係る発明の特徴構成は、前記ガイドリングが炭化ケイ素製である点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
ガイドリングが炭化ケイ素製の、摩耗に強いセラミック等を使用しているので、釣り糸から摺動作用を受けて、摩耗磨滅が少ない。
〔構成〕
請求項6に係る発明の特徴構成は、前記繊維強化樹脂製の補強体を、前記屈曲接続部に対して真空成型によって装着固定している点にある。
〔構成〕
請求項7に係る発明の特徴構成は、請求項1〜6のうちのいずれかー項に記載の釣り糸用ガイドを備えた釣り竿である点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
釣り糸用ガイドは、プリプレグで製作されることによって金属製に比べて軽量化が達成でき、かつ、プリプレグと金属との複合化によって、スムースな曲がりを呈する、捌き易い釣り竿とできた。
トラウトロッドを示す側面図である。 釣り糸用ガイドを穂先竿に取付た状態を示す斜視図である。 (a)釣り糸用ガイドを竿尻側から見た状態を示す背面図、(b)釣り糸用ガイドの縦断側面図である。 ガイド本体の屈曲接続部にプリプレグ製の補強体を施した状態を示す縦断側面図である。 (a)釣り糸用ガイドを竿尻側から見た状態を示し、釣り糸用挿通孔の周縁に配置される強化繊維の配向状態を六角形に設定した状態を示す背面図、(b)金属製のガイド本体を示す背面図、(c)釣り糸用ガイドの縦断側面図である。 真空成形する前の外装部を示す背面図である。 釣り糸用ガイドの製造工程を示し、図5(b)に示す金属製のガイド本体に使用するチタンバネ材と外装部を形成するプリプレグシートとを重ね合わせたものを、真空型内に設置して接着一体化する加工を施している状態を示し、かつ、真空成型した加工物を硬化炉において加熱焼成する状態を示す構成図である。 足部が二股になっている釣り用ガイドの別実施構造を示す縦断側面図である。
〔第1実施形態〕
ヤマメや岩魚等を釣る際に使用される釣り竿aについて説明する。図1に示すように、釣り竿Aは、穂先竿1の先端にトップガイド2を取り付けるとともに、穂先竿1の中間位置に釣り糸用ガイド3を取付固定し、竿元側に並継式に継合された元竿4を配置し、元竿4にスピンニングリールBを装着するリールシート5を取り付けて、構成してある。
尚、釣り竿Aを構成する穂先竿及び元竿は次のように製作される。つまり、炭素繊維等の強化繊維を一方向に引き揃え、その引き揃え強化繊維群にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂(又は熱可塑性樹脂)を含浸させて、プリプレグシートを形成する。このプリプレグシートを所定の形状に裁断したものをマンドレルに巻回し、複数層に形成したものをマンドレルに巻回した状態で炉に入れて焼成し、焼成後マンドレルを脱芯して円筒状の竿素材を取り出しその竿素材を所定長に裁断して、仕上加工を施し竿体とする。
プリプレグを構成する強化繊維としては、具体的には、炭素繊維以外にガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維等が使用でき、樹脂としては、エポキシ樹脂の他に、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂やPV(E)等の熱可塑性樹脂が使用できる
。また、プリプレグとしては、織り物に樹脂を含浸させて構成したものであってもよい。
釣り糸用ガイド3について説明する。図2〜図4に示すように、釣り糸用ガイド3は、釣糸挿通用の挿通孔6Aを形成しているガイドリング6と、そのガイドリング6を保持するガイド本体7とで構成してある。
ガイド本体7は金属製であり、板状部材からプレス打ち抜き加工及び曲げ加工を経て作成される。使用される部材は、ステンレス、アルミニュウム、チタン等の金属材料から構成される。それらの表面には、アルマイト加工等の防食加工を施してもよい。
ガイド本体7は、ガイドリング6の周囲に配置されてそのガイドリング6を保持する円盤状の保持部7aと、保持部7aから細幅の状態に延出される脚部7bと、脚部7bと同じ横幅で延出される足部7cとで構成される。
穂先竿1の外周面に載置される足部7cに対して、図3に示すように、略100°〜110°の角度(鈍角)αで脚部7bと保持部7aが折り曲げ形成されており、竿体より外向きに突出される脚部7bと保持部7aとを、釣り糸が絡み付き難く、かつ、絡み付いても摺り抜け易い角度に設定してある。
保持部7aには、ガイドリング6を圧入装着する為の取付用孔7Fが形成してある。
ガイドリング6は、外形として円形を呈するフランジ部6Bとそのフランジ部6Bより小径で軸線方向に沿って延出された筒状ボス部6Cとを備えている。
ガイドリング6としては、セラミックが主として使用され、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア等が材料として選定され、サーメット等の金属とセラミックの合成物も使用される。耐摩耗性の高い材料であれば使用可能である。
サーメットは、金属炭化物や金属窒化物などの硬質化合物の粉末を金属の結合材と混合して焼結した複合材料であり、耐熱性や耐摩耗性が高い。これらに対するネジの刻設作業は、機械加工、型成形等によって行われる。
上記したセラミック以外に、アルミニュウムやチタン等の軽量金属も使用できる。アルミニュウム等に対しては、耐摩耗性を高める為に、釣り糸を誘導する挿通用孔の表面等にアルマイト処理等を施すことが好ましい。
図2〜図3に示すように、脚部7bと足部7cとを連結する屈曲接続部7dの竿尻側に向かう表面に繊維強化樹脂製の補強体8を施してある。補強体8は、繊維強化樹脂製であり、プリプレグで作成される。
前記したように、プリプレグを構成する強化繊維としては、具体的には、炭素繊維以外にガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維等が使用でき、樹脂としては、エポキシ樹脂の他に、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂やPV(E)等の熱可塑性樹脂が使用できる。また、プリプレグとしては、織り物に樹脂を含浸させて構成したものであってもよい。
これらのプリプレグを複数枚重ね合わせて矩形状に形成し、金属製のガイド本体7に圧着成形か真空成型によって装着される。また、図示はしていないが、金属製のガイド本体7に対する補強体8の密着性を向上させる為に、ガイド本体7の屈曲接続部7dの表面に細かい条溝を多数平行に又は交差する状態で、設けることがよい。場合によっては、ローレット加工を施してよい
〔第1実施形態の別実施形態〕
(1)補強体8としては、次のような構成を採ってもよい。図4に示すように、補強体8を繊維強化樹脂が、引張弾性率の異なる複数の繊維層を積層したものであり、複数の繊維層において、屈曲接続部7dの表面に装着される内側繊維層8Aに比べて外側に積層される外側繊維層8Bの方が、高い引張弾性率の繊維を備えているように構成してもよい。
引張弾性率としては、内側繊維層8Aが24トン/mm(2.35×10MPa)以下の低弾性繊維を使用し、望ましくは6トン/mm(5.97×10MPa)〜20トン/mm(1.96×10MPa)の引張弾性率を採り、外側繊維層8Bが30トン/mm(2.94×10MPa)以上の中高弾性繊維を使用し、望ましくは35トン/mm(3.43×10MPa)〜45トン/mm(4.41×10MPa)の引張弾性率を採る。
(2)内側繊維層8Aに使用される繊維と外側繊維層8Bに使用される繊維の種類は同一でも異なる種類のものでもよい。
(3)内側繊維層8Aに使用される繊維と外側繊維層8Bに使用される繊維の配向方向は、同一方向に引き揃えたものでもよく、また、交差する方向に配向してもよい。
〔第2実施形態〕
図5に示すように、保持部7aのみにプリプレグ製の外装部7Aを被覆し、外装部7Aより突出する脚部7bと足部7cとには外装部7Aを施すことのない形態について説明する。
この第2実施形態においては、図5(a)(c)に示すように、ガイド本体7の脚部7bと足部7cを、プリプレグ製の外装部7Aより更に延出し、その延出部分を足部7cに構成する。
穂先竿1の外周面に載置される足部7cに対して、図5(c)に示すように、略100°〜110°の角度(鈍角)αで脚部7bと保持部7aが折り曲げ形成されており、竿体より外向きに突出される脚部7bと保持部7aとを、釣り糸が絡み付き難く、かつ、絡み付いても摺り抜け易い角度に設定してある。
なお、足部7cの表面側に凹入部7fが形成してあり、この凹入部7fに取付用の糸aが嵌り込んで、取付用の糸aの位置ズレが少なくなるとともに、足部7cが凹入部7fを設けることによって変形しやすくなり、足部7cを竿素材の外周面に載置した際に、その外周面に馴染みやすい。
ただし、この凹入部7fについては特に設けなくともよい。足部7cを一定の厚みで形成してもよい。
金属製のガイド本体7としては、チタンバネ材をプレス等で打ち抜き加工して製造される。図5(b)に示すように、ガイド本体7は、円形状の保持部7aを備えており、この保持部7aに釣り糸用挿通孔7hを形成し、釣り糸用挿通孔7hの縁部にガイドリング6を樹脂製の接着剤やカシメ処理を施して固着する構成である。
なお、チタンバネ材は、耐食性に優れ、かつ、環境に優しい金属である。機械的強度としては、JIS2種基準で、引っ張り強さが340〜510N/mmであり、曲げ強度にも優れる。ただし、鉄鋼のように明確な降伏点を持ってはいないので、0.2%耐力を測定すると215N/mm以上あるので、弾性限度が十分高いものであり、釣り糸用ガイドとして、大きな荷重を受けても元の姿勢に復帰する弾性力が大きい。
一方、ガイド本体7に使用される金属は、チタンバネ板以外に、前記したようにアルミニュウム、ステンレスであってもよい。アルミニュウムの場合には、表面処理を施す。アルマイト加工、メッキ加工で表面処理を行い、塗装を施してもよい。
外装部7Aは繊維強化樹脂の一例であるプリプレグ製であり、前記した竿素材を形成するプリプレグと同様のものである。前記した炭素繊維等の強化繊維cを繊維の長手方向に沿って配置し、その炭素繊維群にエポキシ等の熱硬化性樹脂を含浸させて、プリプレグシートを形成する。このプリプレグシートを積層することにより外装部7Aを形成する。
外装部7Aの中心位置には、ガイドリング6を装着する為の装着孔7eが形成してある。
ガイドリング6は、外形として円形のものが使用されるが、楕円形のものであってもよい。セラミックが主として使用され、炭化ケイ素、アルミナ等が材料として選定され、サーメット等の金属とセラミックも使用される。耐摩耗性の高い材料であれば使用可能である。前記したようにガイド芯材部7Bだけでなく、外装部7Aの挿通孔7dの縁部で支持する形態にしてもよい。
サーメットは、金属炭化物や金属窒化物などの硬質化合物の粉末を金属の結合材と混合して焼結した複合材料であり、耐熱性や耐摩耗性が高い。
次に、釣り糸用ガイド3の製造について説明する。
(1)図5(b)に示すように、チタンバネ材からプレス加工で打ち抜き及び曲げ加工を施してガイド本体7を形成する。ガイド本体7は切削加工によって製作してもよい。
(2)ガイド本体7にガイドリング6を前記した方法によって装着する。
(3)図6に示すように、複数枚の半硬化状態のプリプレグシート9を外装部7Aの形状に裁断する。
(4)図7に示すように、複数枚の外装部形状に裁断した半硬化状態のプリプレグシート9を重ね合せ、その内部にチタンバネ材製のガイド本体7を挟み込み、かつ、プリプレグ製の補強体8を所定位置に装着して成形前の釣り用ガイド体3Cを形成する。成形前の釣り用ガイド体3Cを第1型11Aと第2型11Bとからなる真空型11内に装入し、補強体8、プリプレグシート9とガイド本体7との密着強度を向上させる一次成形を施す。
この際に、空気を巻き込まないように、ポンプPによって真空引きを行う。
(5)図7に示すように、一次成形を施された釣り用ガイド体3Cを硬化炉10内に投入して、加熱硬化する。この場合にも、真空引きは継続する。
(6)所定時間経過後で十分に冷却して成形品を取り出す。成形後は研削研磨加工等を行うことができる。
(7)以上のように、ガイドリング保持部7aにプリプレグ製の外装部7Aを施してあるので、上記したように、外装部7Aのプリプレグを硬化させる際にガイドリング6をプリプレグで固定することが可能になり、他の取付手段を必要としない。したがって、プリプレグの硬化を利用してガイドリング6を取り付ける方法を採ってもよい。
以上のように成形された釣り糸用ガイド3においては、図5(a)に示すように、プリプレグによる強化繊維cの向きが、ガイドリング6の周りを巡るような状態に配向されており、引張応力に対抗する状態に配向されている。この場合には、強化繊維cの向きが、六角形を描くように配向されている。
釣り糸用ガイド3は、足部7cを所定位置に載置して、取付具としての取付用の糸aによって、竿素材に取付固定される。取付用の糸aの上から樹脂塗料(図示してはいない)を塗布して、取付状態が固定される。
〔第3実施形態〕
第1実施形態から第2実施形態までは、足部7cは外装部7Aから一方側にのみ延出されて形成されていたが、ここでは、図8に示すように、二方向、つまり、竿先側と竿元側とに張り出す二股式の足部7cを備えた釣り糸用ガイド3を形成する。このように足部7cを二股状とすることによって、竿素材への取付状態が一層安定する。
上記した構成においては、ガイド本体7を第2実施形態と同様の形態に形成しているが、第1実施形態に示したように、外装部7Aを被覆していない、金属製のガイド本体7単独のものにも、適用できる。
竿先側と竿尻側とに延出された足部7cにおける中間位置に設けた凹入部7jは、足部7cが竿体表面に密着しやすくする為に設けたものであり、竿先側と竿尻側とに延出された足部7cの全面を竿体表面に載置するように形成するよりも、足部7cが変形しやすく密着しやすい。
勿論、このように凹入部7jを形成することなく、足部7cの全面を竿体表面に載置する構成を採ってもよい。
補強体8を施す部位は、屈曲接続部7dの竿尻側に施すことにするが、図8の二点鎖線で示すように、屈曲接続部7dの竿先側にも施してもよい。このように、補強体8を屈曲接続部7dの竿先側に施した場合には、釣り竿を釣り場に載置する際に、釣り糸用ガイド3が圧縮荷重を受けた場合にもその荷重に耐え得る構造とすることができる。
〔別実施形態〕
(1)補強体8を施す部位について、屈曲接続部位7dについて説明したが、図示はしていないが、保持部7a、又は、脚部7bに施してもよい。この場合に、それら部位の竿先側または竿尻側の少なくともいずれか一方の面に施されていればよい。
(2)ガイドリング6の材料としてセラミック等を使用することについて説明したが、チタンやアルミ等の金属を使用してもよい。一方、ガイドリング6をガイド本体7と別個に形成するのではなく、一体で形成するものであってもよい。具体的には、図4及び図7に示すように、金属製のガイド本体7に釣り糸用挿通孔7hを形成し、その釣り糸用挿通孔7hの縁部に耐摩耗性処理を施して、ガイドリング6としての機能を持たせるように構成してもよい。これによって、セラミック等のガイドリング6を別個に装着する場合に比べて、金属による軽量化を図ることができる。
耐摩耗性を付与する製法としては、金属、セラミック、サーメット等を溶射、又は、PVD、CVDによる薄膜成形技術が推奨される。または、薄膜を形成するのではなく、直接、釣り糸用挿通孔7gの縁部に耐摩耗性処理を施す方法でもよい。例えば、窒化処理等を施すことが可能である。
(3)ガイド本体7の材料として、チタンバネ材やアルミ材等を挙げたが、形状記憶合金を使用してもよい。釣り糸用ガイド3に想定以上の荷重が掛かった場合に、ガイド本体7が変形してその荷重を吸収し、荷重が取り除かれた状態では元の姿勢に復帰するので、芯材として適切である。
(4)外装部7Aを構成するプリプレグにおける強化繊維の配向方向としては、強度的に弱い部分を補強するように配向すべきであり、前記したようにガイドリング6の周りを巡るような配向方法に限定されない。
(5)取付具として取付用の糸aで行っているが、取付用の糸aの代わりに樹脂テープを利用してもよい。更に、取付固定力を強力にするには、強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグをテープ状に形成したプリプレグテープを使用してもよい。
(6)足部7cに対して脚部7b、及び、保持部7aが、角度αで斜め前方に傾斜する姿勢に形成してあるが、足部7cに対して垂直な姿勢であってもよい。
(7)プリプレグ製の外装部7Aと、その外装部7Aを被着する金属製のガイド本体7とで構成するに、外装部7Aをガイド本体7の竿先側及び竿尻側の両面に被覆する状態で施す形態について説明してきたが、竿先側か竿尻側の一方の面だけに施してもよい。
本願発明は、ヤマメ釣り等に使用される、所謂、トラウトロッドと呼ばれているものについて説明したが、ルアー竿、及び、磯竿、その他金属製の釣り糸用ガイドを繊維強化樹脂製の補強体で補強する必要のあるすべての竿等にも適用できる。
3 釣り糸用ガイド
6 ガイドリング
6A 釣り糸挿通用の挿通孔
7 ガイド本体
7A 外装部
7a 保持部
7b 脚部
7c 足部
7d 屈曲接続部
8 補強体
8A 内側繊維層
8B 外側繊維層
a 取付具
c 強化繊維

Claims (7)

  1. 釣り糸挿通用の挿通孔を形成しているガイドリングと、そのガイドリングを保持する金属製のガイド本体とで構成し、前記ガイドリングを保持する保持部と、竿体に装着される足部と、前記保持部と前記足部との間に脚部を形成してガイド本体を構成し、前記脚部と前記足部とを連結する屈曲接続部の曲率中心側に向かう内側表面に、繊維強化樹脂製の補強体を施してある釣り糸用ガイド。
  2. 前記繊維強化樹脂製の補強体を、前記屈曲接続部に対して圧着成形によって装着固定している請求項1記載の釣り糸用ガイド。
  3. 前記屈曲接続部の前記補強体装着面に、細かい条溝又はローレット溝を形成してある請求項1又は2記載の釣り糸用ガイド。
  4. 前記繊維強化樹脂がプリプレグである請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の釣り糸用ガイド。
  5. 前記ガイドリングは炭化ケイ素製である請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の釣り糸用ガイド。
  6. 前記繊維強化樹脂製の補強体を、前記屈曲接続部に対して真空成型によって装着固定している請求項1、3〜5のうちのいずれか一項に記載の釣り糸用ガイド。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の釣り糸用ガイドを備えた釣り竿。
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