JP2015105814A - 燃焼装置 - Google Patents

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【課題】仕切部材を冷却する空気案内部材を設けてもバーナの燃焼を悪化させることがなく、フィン閉塞の検出精度や仕切部材の冷却効果を維持できるようにする。【解決手段】缶体内を仕切る下仕切部材31の両側に、分布板38から供給される燃焼用空気を下仕切部材31に沿った上向き方向に案内する空気案内部材49を、バーナ11の燃焼面以下の高さでそれぞれ設けると共に、各空気案内部材49に、各空気案内部材49の内側空間を隣接する燃焼室と連通させる隙間50をそれぞれ設けた。【選択図】図3

Description

本発明は、単一の缶体内に、仕切部材を挟んで2つの燃焼室を形成し、各燃焼室の下部にバーナを、上部に熱交換器をそれぞれ配設して、各バーナの燃焼ガスによって各熱交換器を通過する流体をそれぞれ個別に加熱可能とした燃焼装置に関する。
特許文献1に開示されるように、単一の缶体内に、一対のバーナと一対の熱交換器とを横方向に並べて設けると共に、左右のバーナ及び熱交換器との間を仕切り壁等の仕切部材で区画し、缶体の下部に分布板で仕切られた給気室から燃焼ファンによる燃焼用空気を供給するようにして、各バーナの燃焼ガスによって各熱交換器を通過する流体をそれぞれ個別に加熱可能とした複合熱源機が知られている。特にここでは、熱源機を大型化することなく仕切部材の耐熱性を確保するために、分布板上に、仕切部材より幅広で中空の空気案内部材を配置してその内部空隙を給気室に連通させて、空気案内部材の上端から吹き出す空気によって仕切部材を冷却するようにしている。
特許第4718593号公報 特開2012−78035号公報
しかし、特許文献1の発明では、空気案内部材の内部に流れる空気とバーナ側を流れる空気とが独立しているため、圧力差が生じやすく、仕切部材とバーナとの間で流れが乱れてバーナの火炎が仕切部材側へ寄ってしまうことがある。仕切部材には、特許文献2に開示のように熱交換器のフィンの目詰まりを検出するために温度センサが配置される場合があるが、このように仕切部材近傍でのバーナの燃焼が悪くなると、温度センサの検出温度が安定せず、フィン閉塞の検出精度が低下することになる。
また、空気案内部材の上面に形成した空気吹き出し孔が熱交換器から発生したドレンによって塞がれるおそれがあり、空気吹き出し孔が閉塞されると空気案内部材内に空気が流れなくなり、仕切部材の冷却効果が失われる上、隣接するバーナの燃焼用空気が不足して燃焼が悪くなってしまう。
そこで、本発明は、空気案内部材を設けてもバーナの燃焼を悪化させることがなく、フィン閉塞の検出精度や仕切部材の冷却効果を維持できる燃焼装置を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、単一の缶体内に、仕切部材を挟んで2つの燃焼室を形成し、各燃焼室の下部にバーナを、上部に熱交換器をそれぞれ配設すると共に、2つの燃焼室の下方に、複数の透孔を形成した分布板で仕切られる給気室を形成し、給気室に接続された給気ファンによって燃焼用空気を給気室から分布板を介して燃焼室に供給可能として、各バーナの燃焼ガスによって各熱交換器を通過する流体をそれぞれ個別に加熱可能とした燃焼装置であって、仕切部材の両側に、分布板から供給される燃焼用空気を仕切部材に沿った上向き方向に案内する空気案内部材を、バーナの燃焼面以下の高さでそれぞれ設けると共に、各空気案内部材に、各空気案内部材の内側空間を隣接する燃焼室と連通させる連通部をそれぞれ設けたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、連通部を、空気案内部材の下端を分布板と非接触として当該下端と分布板との間に設けた隙間としたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2の構成において、空気案内部材の少なくとも下端を、隣接する燃焼室側へ傾斜する傾斜部としたことを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、空気案内部材の内側空間を隣接する燃焼室と連通させる連通部を設けたことで、空気案内部材を設けてもバーナの燃焼を悪化させることがなく、フィン閉塞の検出精度や仕切部材の冷却効果を維持できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、隙間によって連通部が簡単に形成できる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、分布板から吹き出される空気を傾斜部によって空気案内部材内へスムーズに導くことができ、空気の流れが安定する。
燃焼装置の分解斜視図である。 燃焼装置の断面図である。 下仕切部材部分の拡大断面図である。 変更例の下仕切部材部分の拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、給湯器に組み込まれる燃焼装置の一例を示す分解斜視図、図2は燃焼装置の断面図で、燃焼装置1は、下方から、バーナユニット2、一次熱交換器3、二次熱交換器4の順に設けられており、バーナユニット2の下ケーシング5の上部に、一次熱交換器3の中ケーシング6を組み付け、中ケーシング6の上部に、二次熱交換器4の上ケーシング7を組み付けることで、内部が連通する単一の缶体8を形成している。
まず、バーナユニット2では、第1バーナ群9と第2バーナ群10とが左右方向に並設される。各バーナ群9,10は、上端面に炎孔を形成した扁平なバーナ11,11・・を複数左右方向に並べてなり、各バーナ11の下部に設けた混合管12の後端に、ガス供給管に接続される図示しないノズルを臨ませて、ガスと共に燃焼用一次空気が供給されるようになっている。ここでは第1バーナ群9が給湯用、第2バーナ群10が風呂の追い焚き用となっており、能力の大きい第1バーナ群9のバーナ11の数を第2バーナ群10よりも多くしている。
次に、一次熱交換器3では、第1バーナ群9の上方に位置する給湯側一次熱交換器13と、第2バーナ群10の上方に位置する風呂側一次熱交換器14とが左右方向に並設される。各熱交換器13,14は、前後方向に所定間隔をおいて複数枚積層したフィン15,15・・と、各フィン15を蛇行状に貫通する伝熱管16とからなる。
そして、二次熱交換器4においても、給湯側一次熱交換器13の上方に位置する給湯側二次熱交換器17と、風呂側一次熱交換器14の上方に位置する風呂側二次熱交換器18とが左右方向に並設される。各熱交換器17,18は、螺旋状に巻回される複数の伝熱管19,19・・からなる。上ケーシング7には、一次熱交換器3を通過した燃焼ガスを下部から後部に案内して上ケーシング7の後面から流出させる排気案内路20が形成されて、上ケーシング7の正面には、排気口21が形成されている。
ここでは給湯側二次熱交換器17の伝熱管19の流入口22に、図示しない給水管が接続され、伝熱管19の流出口は、図示しない配管によって給湯側一次熱交換器13の流入口23に接続されて、給湯側一次熱交換器13の伝熱管16の流出口24は、図示しない出湯管に接続されている。
一方、風呂側二次熱交換器18の伝熱管19の流入口25に、浴槽からの図示しない配管が接続され、伝熱管19の流出口26は、図示しない配管によって風呂側一次熱交換器14の伝熱管16の流入口27に接続されて、風呂側一次熱交換器14の伝熱管16の流出口28は、図示しない配管によって浴槽に接続されている。
そして、缶体8内は、下ケーシング5内において第1バーナ群9と第2バーナ群10との間に位置する下仕切部材31と、中ケーシング6内において給湯側一次熱交換器13と風呂側一次熱交換器14との間に位置する中仕切部材32と、上ケーシング7内において排気案内路20から給湯側二次熱交換器17と風呂側二次熱交換器18との間に位置する上仕切部材33とからなる仕切部材30によって、第1バーナ群9と給湯側一次熱交換器13と給湯側二次熱交換器17とが配置される第1燃焼室34と、第2バーナ群10と風呂側一次熱交換器14と風呂側二次熱交換器18とが配置される第2燃焼室35とに仕切られている。
また、下ケーシング5の下部には、給気室36が形成されて、その下端に図示しない給気ファンが接続されている。第1バーナ群9及び第2バーナ群10と給気室36との間を仕切る区画板37には、複数の透孔39,39・・を穿設した分布板38が取り付けられて、給気ファンから送られる空気を、透孔39を介して第1、第2燃焼室34,35に供給可能としている。
ここで、下仕切部材31の上端には、断面U字状の受け部40が形成され、金属板を折り返して形成した中仕切部材32の下端には、V字状の差込部41が形成されて、バーナユニット2と一次熱交換器3との組み付け状態で、下仕切部材31の受け部40に中仕切部材32の差込部41が挿入されて、両仕切部材31,32が連結されるようになっている。また、上仕切部材33は、板状体で、一次熱交換器3と二次熱交換器4との組み付け状態で、中仕切部材32の上端に上仕切部材33の下端が当接可能となっている。
そして、下仕切部材31は、図3にも示すように、左右方向の中央に位置する中板42と、中板42の左側に位置する左側板43と、中板42の右側に位置する右側板44とで形成される。まず中板42は、中仕切部材32の差込部41よりも下方に上端を有し、下端が分布板38上に固定される平面板である。左側板43及び右側板44は、それぞれ中板42との間に所定の隙間をおいて平行に配置され、上端は、それぞれ受け部40の片側部分を形成しており、中板42の上端近傍で感熱棒45を保持している。この感熱棒45には、下ケーシング5の正面に取り付けられた温度センサ(例えばサーミスタ)46が挿入されている。この温度センサ46は、両バーナ群9,10の燃焼制御を行う図示しないコントローラに接続される。
また、左側板43及び右側板44の下部は、隣接するバーナ11の上端面(燃焼面)と同じ高さでそれぞれ中板42から離れる方向へ折曲されて横板部47を形成した後、バーナ11の側面と平行となるように下向きに折曲されて縦板部48を形成することで、上部よりも中板42との間隔が広い空気案内部材49を一体に形成している。縦板部48の下端は、分布板38より上方位置にとどまって、分布板38との間に連通部としての隙間50を形成している。空気案内部材49の横板部48には、複数の通気口51,51・・が形成されて、分布板38から空気案内部材49に供給された燃焼用空気を通気口51から上向きに排出可能としている。一方、空気案内部材49の縦板部48には、隣接するバーナ11と当接する凸部52が形成されて、当該バーナ11と各縦板部48との間に、分布板38から供給される燃焼用空気が通過可能な隙間を形成している。
以上の如く構成された燃焼装置1においては、出湯管に設けられた給湯栓を開栓して装置内に通水させると、給水管からの水が、給湯側二次熱交換器17の伝熱管19を通過した後、給湯側一次熱交換器13の伝熱管16を通過する。一方、コントローラが第1バーナ群9に点火すると共に、給気ファンを回転させて給気室36から分布板38を介して第1バーナ群9に燃焼用空気を供給する。第1バーナ群9の燃焼ガスは、第1燃焼室34内で給湯側一次熱交換器13、給湯側二次熱交換器17の順に通過することで、給湯側一次熱交換器13では主に顕熱が回収され、給湯側二次熱交換器17では主に潜熱が回収されて、出湯管から所定温度の湯が出湯される。
一方、コントローラに設けられた追い炊きスイッチをON操作すると、コントローラが浴槽との間の循環路に設けられたポンプを駆動させて第2バーナ群10に点火すると共に、給気ファンを回転させて給気室36から分布板38を介して第2バーナ群10に燃焼用空気を供給する。浴槽からの湯は、風呂側二次熱交換器18の伝熱管19を通過した後、風呂側一次熱交換器14の伝熱管16を通過し、第2バーナ群10の燃焼ガスは、第2燃焼室35内で風呂側一次熱交換器14、風呂側二次熱交換器18の順に通過する。よって、風呂側一次熱交換器14では主に顕熱が回収され、風呂側二次熱交換器18では主に潜熱が回収されて、浴槽内の湯が循環しながら追い焚きされる。
この燃焼用空気は、下仕切部材31側において、分布板38を介して空気案内部材49内に入り、空気案内部材49内を通過して通気口51から排出される。これにより、左右側板43,44が冷却されるため、感熱棒45及び温度センサ46が過熱することがない。特にここでは、空気案内部材49が隙間50を介して燃焼室34,35と連通しているので、バーナ群9,10を通る空気と空気案内部材49内の空気との圧力が同じになり、空気の流れが安定してバーナ11の良好な燃焼が維持される。また、二次熱交換器4で発生したドレンが落下して通気口51を塞ぐことがあっても、空気案内部材49内の空気は隙間50を介して燃焼室34,35側へ流れることができる。よってバーナ11の燃焼用空気が確保されて良好な燃焼が維持される。
そして、燃焼生成物が一次熱交換器13,14のフィン15間に付着してフィン15に目詰まりが生じると、空気案内部材49からの空気がフィン15間を通過することができず、左右側板43,44の冷却作用が低下して左右側板43,44の温度が上昇し、感熱棒45及び温度センサ46が過熱される。こうして温度センサ46の検出温度が設定された判定温度に到達すると、フィン閉塞が生じたとしてコントローラがバーナ群9,10の燃焼を停止させることになる。ここでは空気案内部材49からの空気によって下仕切部材31近傍でのバーナ11の燃焼が維持されることで、温度センサ46の検出温度は安定し、フィン閉塞の検出精度が確保できる。
このように、上記形態の燃焼装置1によれば、下仕切部材31の両側に、分布板38から供給される燃焼用空気を下仕切部材31に沿った上向き方向に案内する空気案内部材49を、バーナ11の燃焼面以下の高さでそれぞれ設けると共に、各空気案内部材49に、各空気案内部材49の内側空間を隣接する燃焼室と連通させる連通部(隙間50)をそれぞれ設けたことで、空気案内部材49を設けてもバーナ11の燃焼を悪化させることがなく、フィン閉塞の検出精度や仕切部材30の冷却効果を維持できる。
特にここでは、連通部を、空気案内部材49の下端を分布板38と非接触として当該下端と分布板38との間に設けた隙間50としたことで、連通部が簡単に形成可能となる。
なお、上記形態では、空気案内部材49を形成する縦板部48を平面としているが、この場合、分布板3から吹き出る空気が縦板部48の下端に当接して流れが安定しないおそれがあるため、例えば図4に示すように、縦板部48の下端に、外側へ傾斜状に折り曲げた傾斜部53を形成してもよい。このようにすれば、分布板38から吹き出される空気を矢印で示すように傾斜部53によって空気案内部材49内へスムーズに導くことができ、空気の流れが安定する。この傾斜部は、曲面状であってもよいし、空気案内部材と別体の部材で形成してもよい。また、縦板部48の下端を部分的に折り曲げる場合に限らず、縦板部48の全体を外側へ傾斜させて傾斜部とすることも可能である。
また、上記形態では空気案内部材の連通部を縦板部と分布板との間の隙間としているが、縦板部の下端を分布板に当接するまで延ばして、縦板部の下部に、連通部として、空気案内部材の内部空間と燃焼室とを連通させる透孔や切欠きを形成してもよい。
さらに、上記形態では仕切部材を形成する左右側板に空気案内部材を一体に形成しているが、仕切部材と別体の板体を仕切部材と平行に設置する等して空気案内部材を仕切部材と独立して形成することもできる。
その他、バーナ群のバーナの数や仕切部材の形態、缶体の構造等は適宜設計変更可能で、風呂側一次、二次熱交換器が風呂の追い焚き用に限らず、床暖房の暖房回路等に組み込まれるものや、潜熱回収用の二次熱交換器を設けないものであっても本発明は適用可能である。
1・・燃焼装置、2・・バーナユニット、3・・一次熱交換器、4・・二次熱交換器、5・・下ケーシング、6・・中ケーシング、7・・上ケーシング、8・・缶体、9・・第1バーナ群、10・・第2バーナ群、11・・バーナ、13・・給湯側一次熱交換器、14・・風呂側一次熱交換器、15・・フィン、16,19・・伝熱管、17・・給湯側二次熱交換器、18・・風呂側二次熱交換器、30・・仕切部材、31・・下仕切部材、32・・中仕切部材、33・・上仕切部材、34・・第1燃焼室、35・・第2燃焼室、36・・給気室、38・・分布版、39・・透孔、42・・中板、43・・左側板、44・・右側板、47・・横板部、48・・縦板部、49・・空気案内部材、50・・隙間、51・・通気口、53・・傾斜部。

Claims (3)

  1. 単一の缶体内に、仕切部材を挟んで2つの燃焼室を形成し、各燃焼室の下部にバーナを、上部に熱交換器をそれぞれ配設すると共に、前記2つの燃焼室の下方に、複数の透孔を形成した分布板で仕切られる給気室を形成し、前記給気室に接続された給気ファンによって燃焼用空気を前記給気室から前記分布板を介して前記燃焼室に供給可能として、各バーナの燃焼ガスによって各熱交換器を通過する流体をそれぞれ個別に加熱可能とした燃焼装置であって、
    前記仕切部材の両側に、前記分布板から供給される燃焼用空気を前記仕切部材に沿った上向き方向に案内する空気案内部材を、前記バーナの燃焼面以下の高さでそれぞれ設けると共に、各前記空気案内部材に、各前記空気案内部材の内側空間を隣接する前記燃焼室と連通させる連通部をそれぞれ設けたことを特徴とする燃焼装置。
  2. 前記連通部は、前記空気案内部材の下端を前記分布板と非接触として当該下端と前記分布板との間に設けた隙間であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
  3. 前記空気案内部材の少なくとも下端を、隣接する前記燃焼室側へ傾斜する傾斜部としたことを特徴とする請求項2に記載の燃焼装置。
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