JP2015105673A - パイプクランプ - Google Patents

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宏輔 小林
Hirosuke Kobayashi
宏輔 小林
晋治 下川
Shinji Shimokawa
晋治 下川
利信 日比
Toshinobu Hibi
利信 日比
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Abstract

【課題】パイプに作用するスラスト力や回転力に対してクランプ状態を良好に維持できるパイプクランプを提供する。
【解決手段】パイプクランプ10は、車両の被取付部に取り付けられ、一対の側壁と底壁とを備えたクランプ部12と、一方の側壁12Aに設けられた円弧状のパイプ支持部22と、他方の側壁12Bからパイプ支持部22へ向かって延びて、パイプ支持部22へ支持されるパイプ100に撓み変形されパイプ100をパイプ支持部22側へ付勢する付勢手段18と、パイプ支持部22から他方の側壁12B側へ突出したリブ20と、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、パイプクランプに関する。
車両の被取付部に取り付けられてパイプをクランプするパイプクランプとして、特許文献1には、一対の側壁と底壁とで形成されたクランプ部と、一対の側壁から底壁へ向かって斜めに延びる一対の第1弾性保持片と、第1弾性保持片の下方に設けられた一対の第2弾性保持片と、第2弾性保持片の下方に設けられた第3弾性保持片と、を備えたパイプクランプが開示されている。
特開2012−141031号公報
しかしながら、上記特許文献1では、クランプ部へ収容されたパイプは、第1弾性保持片、第2弾性保持片、及び第3弾性保持片と点接触した状態でクランプされるので、パイプの軸方向に作用するスラスト力やパイプの周方向に作用する回転力(トルク)に対してクランプ状態を良好に維持するためには改善の余地がある。
本発明は、上記を考慮し、パイプに作用するスラスト力や回転力に対してクランプ状態を良好に維持できるパイプクランプを提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係るパイプクランプは、車両の被取付部に取り付けられ、一対の側壁と底壁とを備えたクランプ部と、一方の前記側壁に設けられた円弧状のパイプ支持部と、他方の前記側壁から前記パイプ支持部へ向かって延びて、前記パイプ支持部へ支持されるパイプに撓み変形され該パイプを前記パイプ支持部側へ付勢する付勢手段と、前記パイプ支持部から他方の前記側壁側へ突出したリブと、を有する。
請求項1に記載の本発明に係るパイプクランプによれば、クランプ部を構成する一方の側壁には、円弧状のパイプ支持部が設けられており、他方の側壁には、パイプ支持部に向かって付勢手段が延びている。ここで、付勢手段は、パイプに撓み変形され、その反力でパイプをパイプ支持部へ付勢する。また、パイプ支持部には、他方の側壁側へリブが突出しており、パイプ支持部側へ付勢されたパイプにリブが食い込んでパイプをクランプする。これにより、リブが形成されていない場合と比較して、クランプ状態を良好に維持できる。
以上説明したように、本発明に係るパイプクランプは、パイプに作用するスラスト力や回転力に対してクランプ状態を良好に維持できるという優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係るパイプクランプを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るパイプクランプを示す正面図である。 本発明の実施形態に係るパイプクランプに大径のパイプ及び小径のパイプが取り付けられた状態を示す正面図である。
以下、図1〜図3を用いて、本発明に係るパイプクランプの実施形態について説明する。
(パイプクランプの構成)
本実施形態に係るパイプクランプ10は、例えば、車両のボディパネルなどに取り付けられてパイプのような長尺部材をクランプする部材であり、樹脂材料で一体成型されている。
図1及び図2に示されるように、パイプクランプ10は、主として、クランプ部12、14と、第一弾性保持片16と、第二弾性保持片18と、リブ20とを含んで構成されている。ここで、本実施形態に係るパイプクランプ10は、一例として、パイプクランプ10に二つのクランプ部12、14が一体に設けられているが、これに限らず、三つ以上のクランプ部を設けて三本以上のパイプをクランプできる構成としてもよい。また逆に、クランプ部を一つのみ設けた構成としてもよい。なお、クランプ部12及びクランプ部14は同様の構成であるため、一方(図中左側)のクランプ部12の構成を以下に説明し、他方のクランプ部14の説明を適宜省略する。
クランプ部12は、互いに対向する一対の側壁12A及び側壁12Bと、側壁12Aの下端部と側壁12Bの下端部とを連結する側壁12Cとを備えており、上方が開口した略U字形状に形成されている。
ここで、クランプ部12を構成する一方の側壁12Aの下部には、パイプ支持部22が設けられている。図2に示されるように、パイプ支持部22は、側壁12Aを略円弧状に湾曲させて形成されており、他方の側壁12Bの下端部及び側壁12Cと共に、半円より円に近い略円弧状の湾曲面を構成している。
また、パイプ支持部22には、側壁12B側へ向かってリブ20が突出している。リブ20は、側壁12Aの内面の幅方向中央部に形成されており、側壁12Aの上端部からパイプ支持部22にかけて直線状に延びている。また、リブ20の側壁12Aからの突出量は、パイプ支持部22から側壁12Aの上端部へ向かって徐々に小さくなっており、パイプをパイプ支持部22へ支持させる際に妨げとならない形状に形成されている。
なお、本実施形態では、図1に示されるように、リブ20を側壁12Aの内面の幅方向中央部に形成しているが、これに限らず、他の位置に形成してもよい。また、複数のリブ20を形成してもよい。例えば、側壁12Aの内面の幅方向両端部に別途リブ20を設けて三つのリブ20を備えた構成としてもよい。
側壁12Aと対向する他方の側壁12Bには、凹部24が形成されている。凹部24は、側壁12Bの内面の幅方向両端部に形成されており、それぞれの凹部24は、側壁12Bの全幅の三分の一程度の幅で形成されている。また、図2に示されるように、凹部24によって側壁12B及び側壁12Cの一部の肉厚が薄くなっており、後述する第一弾性保持片16及び第二弾性保持片18の撓み代を確保している。
ここで、側壁12Bには、第一弾性保持片16が設けられている。第一弾性保持片16は、図1に示されるように、側壁12Bの内面の幅方向両端部にそれぞれ設けられており、側壁12Bの上端部からパイプ支持部22へ向かって斜め下方へ延びている。
第一弾性保持片16は、板ばね形状の部材であり、第一弾性保持片16の先端部は、下方へ凸となる肉厚形状とされてパイプ支持部22へ支持されるパイプを押さえるような形状に形成されている。なお、本実施形態では、一例として、第一弾性保持片16を側壁12Bと一体に形成しているが、これに限らず、別体に形成してもよい。後述する第二弾性保持片18についても同様である。
第一弾性保持片16の下方には、付勢手段としての第二弾性保持片18が形成されている。第二弾性保持片18は、第一弾性保持片16と同様に、側壁12Bの内面の幅方向両端部にそれぞれ設けられており、第一弾性保持片16と略同一の幅で側壁12Bからパイプ支持部22へ向かって斜め下方へ延びている。
第二弾性保持片18は、板ばね形状の部材であり、先端部が上方へ凸となる肉厚形状とされている。ここで、第一弾性保持片16及び第二弾性保持片18は、撓み変形可能に形成されており、外力が加えられると、側壁12Bとの連結部を基点として撓み変形する。なお、クランプ部14は、クランプ部12と略同一の形状に形成されており、側壁14Aにはパイプ支持部22及びリブ20が設けられ、側壁14Bには第一弾性保持片16及び第二弾性保持片18が設けられている。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態のパイプクランプ10の作用並びに効果について図3を参照して説明する。なお、図3では、クランプ可能な最大径のパイプ100と、パイプ100より小径のパイプ102とをクランプ部12及びクランプ部14にクランプした状態を示しているが、これに限らず、クランプ部12及びクランプ部14に同じ外径のパイプをクランプしてもよい。
図3に示されるように、クランプ部12には、パイプ100がクランプされている。ここで、クランプ部12にパイプ100をクランプするには、パイプ100をクランプ部12の上方から押し込んでクランプする。このとき、パイプ100は、初めに第一弾性保持片16に接触し、第一弾性保持片16を下方へ撓み変形させながら更に下方へ押し込まれる。
続いて、パイプ100は、第二弾性保持片18に接触し、第二弾性保持片18を下方へ撓み変形させながらパイプ支持部22まで押し込まれる。このとき、パイプ100に撓み変形された第一弾性保持片16は、復元して元の位置へ戻り、パイプ100の上部に当接してパイプ100がクランプ部12から抜け出るのを抑制する。
また、パイプ100に撓み変形された第二弾性保持片18からパイプ100へ反力が作用し、パイプ100を側壁12A側、すなわち、パイプ支持部22側へ付勢してクランプする。ここで、パイプ100の曲率は、パイプ支持部22の湾曲面の曲率と略同一となっているので、パイプ100がパイプ支持部22に面接触した状態でクランプされる。
また、パイプ支持部22に付勢されたパイプ100には、パイプ支持部22から突出したリブ20が食い込んでいる。これにより、リブ20が形成されていない場合と比較して、パイプ100の軸方向に作用するスラスト力や周方向に作用する回転力(トルク)に対するクランプ力が向上する。すなわち、クランプ状態を良好に維持することができる。特に、本実施形態では、側壁12Bの幅方向両端部に第二弾性保持片18を設けているので、パイプ100のリブ20の両側に位置する部分を側壁12Aへ押し付けることができる。これにより、クランプ力を向上できる。
一方、クランプ部14には、パイプ100より小径のパイプ102がクランプされており、パイプ102は、側壁14Bに設けられた第二弾性保持片18により側壁14A側へ付勢されている。ここで、パイプ102は、パイプ100より外径が小さいため、第二弾性保持片18の復元力によって底壁14Cから持ち上げられた状態でパイプ支持部22に付勢されている。また、パイプ102の上部には第一弾性保持片16が当接しているので、パイプ102は、第一弾性保持片16及び第二弾性保持片18で上下方向に挟み込まれ、且つ、パイプ支持部22へ押し付けられている。
また、パイプ102にはリブ20が食い込んでいるので、スラスト力や回転力(トルク)に対してクランプ力を良好に維持することができる。さらに、第二弾性保持片18によってパイプ102を側壁14A側へ付勢するため、パイプ100より小径のパイプ102であっても、クランプ力を良好に維持することができる。これにより、クランプ部12とクランプ部14とを同形状に形成した場合であっても、異径のパイプをクランプすることができる。
ここで、既存のパイプクランプの場合、異径のパイプをクランプするために、クランプ部を構成する一対の側壁の両方に長さの異なる弾性保持片を設けた構成が採用されている。このため、上下にスライドする上下スライド金型を用いて成形する必要があるが、本実施形態に係るパイプクランプ10では、側壁12Bのみに第一弾性保持片16及び第二弾性保持片18を設けているので、下スライダ金型が不要となる。これにより、例えば、パイプクランプ10の下面に車両の被取付部に取り付けるための取付部を形成することができ、汎用性の高いパイプクランプを形成できる。また、クランプ部12とクランプ部14の間隔を自由に設定できる。
なお、パイプ100より大径のパイプをクランプする場合や、第二弾性保持片18で付勢できないような外径の小さいパイプをクランプする場合は、パイプの径に応じてクランプ部12、14の形状を適宜変更すればよい。クランプするパイプの外径としては、例えば、φ6.7〜φ7.2mm、φ8.3〜φ8.8mm、φ9.9〜φ10.4mm、φ11.9〜φ12.4mm、φ13.9〜φ14.4mm、のものなどがあり、パイプ100にリブ20を食い込ませるため、樹脂被覆されたパイプを用いるのが好ましい。
また、要求性能に応じて第二弾性保持片18の形状を設定してもよい。例えば、第二弾性保持片18の材質、厚さ、幅、長さ、側壁12Bに対する傾斜角度、及び第二弾性保持片18の先端から側壁12Aまでの距離などを設定することで、パイプクランプ10の性能を調整することができる。さらに、リブ20の厚み、突出量、及び先端形状などを設定してパイプクランプ10の性能を調整してもよい。
以上、本発明の実施形態に係るパイプクランプ10について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
10 パイプクランプ
12 クランプ部
12A 側壁
12B 側壁
12C 底壁
14 クランプ部
14A 側壁
14B 側壁
14C 底壁
18 第二弾性保持片(付勢手段)
20 リブ
22 パイプ支持部
100 パイプ
102 パイプ

Claims (1)

  1. 車両の被取付部に取り付けられ、一対の側壁と底壁とを備えたクランプ部と、
    一方の前記側壁に設けられた円弧状のパイプ支持部と、
    他方の前記側壁から前記パイプ支持部へ向かって延びて、前記パイプ支持部へ支持されるパイプに撓み変形され該パイプを前記パイプ支持部側へ付勢する付勢手段と、
    前記パイプ支持部から他方の前記側壁側へ突出したリブと、
    を有するパイプクランプ。
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