JP2016044736A - 配線・配管材支持具 - Google Patents

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Abstract

【課題】一対又は1本の被取着部材を備えた配線・配管材支持具の幅方向の寸法を小さくすることにより、配線・配管のスペースを小さくする。【解決手段】一対のボルト軸(被取着部材)22に管体Pを支持する支持体S1が取着され、当該支持体S1は、上面に挿入開口1が形成されて、管体Pを下方から支持する支持本体部2と、当該支持本体部2の周方向の両端から延出された第1及び第2の各延出部E1,E2とから成り、前記挿入開口1を形成すべく、前記第1延出部E1の先端を第2延出部E2の先端から離間させた際に、第1延出部E1が離間側のボルト軸22と干渉するのを回避すべく、当該第1延出部E1は、第1及び第2の各撓み連結部16,17を備えた閉塞片4を備え、当該閉塞片4は、基端部のほぼ直上に上端部が位置するように弾性変形可能な構成とする。【選択図】図6

Description

本発明は、配線・配管材を支持する支持体と、当該支持体を取着する一対又は1本の被取着部材とから成る配線・配管材支持具に関するものである。
配線・配管材支持具の基本構成は、配線・配管材を支持する支持体が一対の取着部を介して一対の被取着部材に取着され、前記支持体は、配線・配管材を下方から支持する断面円弧状の支持本体部と、当該支持本体部の上部に形成された配線・配管材の挿入開口を閉塞するために、当該支持本体部の周方向の一端部に開閉可能に連結された断面円弧状の閉塞部とから成る。配線・配管材を支持した状態では、支持本体部の挿入開口を閉塞する閉塞部は、当該支持本体部に対して一体に連結された状態となる。
特許文献1に開示の配線・配管材支持具は、複数本の横枝管(配線・配管材)8を並列配管させるものであって、所定間隔をおいてベースプレート1に固定された一対の起立ボルト(被取着部材)2に可動プレート(取着部)3が、上下の各ナット(取着部)21により配置高さを調整自在にして支持され、半割パイプ状をした一対のバンド片41の周方向の一端部がヒンジ42で連結されて、各バンド片41の周方向の他端部は締着片43がそれぞれ設けられ、上方のバンド片(閉塞部)41を開いて、下方のバンド片(支持本体部)41に横枝管8を挿入した状態で、上方のバンド片41を閉じて、両締着片43をボルト46及びナット45により締着している。なお、下方のバンド片41は、可動プレート3に溶着等により固定されている。
しかし、特許文献1において、下方のバンド片(支持本体部)41に横枝管8を挿入するために開口を形成するには、上方のバンド片(閉塞部)41を側方に大きく傾斜させる必要がある。このため、1本の横枝管8を配管するために必要な配管方向と直交する水平方向に沿った長さ、即ち、1本の横枝管8の占有幅が広くなって、1本の横枝管(配線・配管材)8の配管のための占有空間が大きくなる不具合があった。
このため、複数本の横枝管(配線・配管材)8を並列配管させる場合には、1本の横枝管8の占有幅が総和されるために、上記した不具合が顕著に現れる。
特開2005−54901号公報
本発明は、配線・配管材の挿入開口幅を確保したうえで、配線・配管材を支持する支持体と、当該支持体を取着する一対又は1本の被取着部材とから成る配線・配管材支持具の幅方向の寸法を小さくすることで、配線・配管のスペースを小さくしたことを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、一対の被取着部材と、当該一対の被取着部材の間で配線・配管材を支持すべく、当該一対の被取着部材に取着される支持体とを備えた配線・配管材支持具であって、前記支持体は、当該支持体を前記一対の被取着部材に取着させるための一対の取着部と、当該一対の取着部を跨いだ状態で、下方から前記配線・配管材を支持するための支持本体部と、当該支持本体部の周方向の両端部から、それぞれ延出長が異なった状態で前記配線・配管材の周方向に延出されて、前記支持本体部とで配線・配管材の全周を取り囲む第1及び第2の各延出部とを備え、前記第1及び第2の各延出部の先端部には、互いに係合して配線・配管材の締込み支持を維持する係合部及び被係合部がそれぞれ形成され、長さの長い側の前記第1延出部には、前記配線・配管材の外周面に当接する当接面が延出方向の少なくとも一部に設けられ、当該第2延出部の先端から離間させることで、前記支持本体部の上面に配線・配管材の挿入を可能とする挿入開口が形成され、前記挿入開口を形成すべく、前記第1延出部の先端を第2延出部の先端から離間させた際に、前記一対の被取着部材のうち前記第1延出部の離間方向に存在する被取着部材との干渉を回避する干渉回避手段を備えていることを特徴としている。
支持体を構成する支持本体部に配線・配管材の挿入開口を形成すべく、第1延出部の先端を第2延出部の先端から離間させた状態において、当該第1延出部は、一対の被取着部材のうち前記第1延出部の離間方向に存在する被取着部材が側方に配置されているため、当該被取着部材と干渉して、支持本体部に対して配線・配管材の挿入が不能となる。請求項1の発明では、前記挿入開口を形成すべく、前記第1延出部の先端を第2延出部の先端から離間させて、当該第1延出部を起立姿勢にした際に、前記一対の被取着部材のうち前記第1延出部の離間方向に存在する被取着部材との干渉を回避する干渉回避手段を備えているために、当該干渉を生ずることなく、第1延出部の先端を第2延出部の先端から離間させられて、前記挿入開口が形成される。
よって、起立姿勢の第1延出部との干渉を回避させるために、一対の被取着部材の間隔を広くする必要がなくなるため、支持本体部の上面に、配線・配管材の挿入が可能な挿入開口の幅を確保したうえで、一対の被取着部材の間隔を狭くできるので、配線・配管材の1本当たりの配線・配管のスペースを小さくでき、複数の配線・配管材を並列配管させる場合には、配線・配管のスペースを小さくできる効果は顕著となる。
なお、配線・配管材を支持するには、支持本体部の上面に形成された挿入開口を通して、当該支持本体部に配線・配管材を挿入した後に、第2延出部の先端から離間している第1延出部を変形させて、第1及び第2の各先端部を互いに重ね合せることで、当該各先端部に設けられた係合部と被係合部とを互いに係合させることで、支持本体部により下方から支持されている配線・配管材の全周を、当該支持本体部と第1及び第2の各延出部とで取り囲んだ状態で締め込むと、支持本体部と第1及び第2の各延出部とによって、配線・配管材が支持される。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記干渉回避手段は、第1延出部の延出方向の途中に設けられた関節状の弾性変形部であることを特徴としている。
請求項2の発明によれば、配線・配管材を支持した状態において円弧状となっている第1延出部は、当該第1延出部の延出方向の途中に設けられた関節状の弾性変形部によって、前記延出方向に沿って複数に分割された形状となっていて、弾性変形部により分割された部分を弾性変形させることで、直線に近いわん曲形状に引き伸ばすことが可能となって、一対の被取着部材のうち前記第1延出部の離間方向に存在する被取着部材との干渉を回避することができる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記第1延出部の先端部は、自身の基端部のほぼ直上の位置まで移動させられる構成であることを特徴としている。
請求項3の発明によれば、第1延出部は、第2延出部の先端から離間させて、延出方向の途中に設けられた弾性変形部により分割された部分を関節状に弾性変形させることで、自身の基端部の直上にほぼ起立された形状となるので、前記干渉を一層に確実に回避できる。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記干渉回避手段は、第1延出部の延出方向に設けられた切欠き孔であることを特徴としている。
請求項4の発明によれば、第1延出部を起立させることで、自身の延出方向に形成された切欠き孔に被取着部材が入り込むことで、両者の干渉が回避される。
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記干渉回避手段は、前記支持体に支持される配線・配管材の長手方向に沿って前記第1及び第2の各延出部が前記一対の被取着部材に対してずれた構成であることを特徴としている。
請求項5の発明によれば、第1及び第2の延出部は、支持体に支持される配線・配管材の長手方向に沿って一対の被取着部材に対してずれた位置に配置されているため、挿入開口の形成のために第1延出部を起立させても、当該起立側に存在する被取着部材とは干渉しない。
請求項6の発明は、1つの被取着部材と、当該被取着部材の間で配線・配管材を支持すべく、当該被取着部材に取着される支持体とを備えた配線・配管材支持具であって、前記支持体は、当該支持体を前記被取着部材に取着させるための取着部と、当該取着部を跨いだ状態で、下方から前記配線・配管材を支持するための支持本体部と、当該支持本体部の周方向の両端部から、それぞれ延出長が異なった状態で前記配線・配管材の周方向に延出されて、前記支持本体部とで配線・配管材の全周を取り囲む第1及び第2の各延出部とを備え、前記第1及び第2の各延出部の先端部には、互いに係合して配線・配管材の締込み支持を維持する係合部及び被係合部がそれぞれ形成され、長さの長い側の前記第1延出部には、前記配線・配管材の外周面に当接する当接面が延出方向の少なくとも一部に設けられ、当該第2延出部の先端から離間させることで、前記支持本体部の上面に配線・配管材の挿入を可能とする挿入開口が形成され、前記挿入開口を形成すべく、前記第1延出部の先端を第2延出部の先端から離間させた際に、前記被取着部材との干渉を回避する干渉回避手段を備えていることを特徴としている。
請求項6の発明は、支持体を取着する被取着部材が1つの場合であって、例えば、天井面に取り付けられた1つの被取着部材に対して支持体を取着する場合において、前記第1延出部の先端を第2延出部の先端から離間させて、前記被取着部材の側に近接させた場合においても、干渉回避手段によって、当該第1延出部と前記被取着部材とが干渉しないので、配線・配管材の1本当たりの占有幅が小さくなって、占有スペースを小さくできる。
本発明によれば、配線・配管材の挿入開口を形成すべく、第1延出部の先端を第2延出部の先端から離間させて、当該第1延出部を起立姿勢にした際に、一対の被取着部材のうち前記第1延出部の離間方向に存在する被取着部材との干渉を回避する干渉回避手段を備えているために、当該干渉を生ずることなく、第1延出部の先端を第2延出部の先端から離間させられて、前記挿入開口が形成される。よって、起立姿勢の第1延出部との干渉を回避させるために、一対の被取着部材の間隔を広くする必要がなくなって、支持本体部の上面に、配線・配管材の挿入が可能な挿入開口の幅を確保したうえで、一対の被取着部材の間隔を狭くできるので、配線・配管材の1本当たりの配線・配管のスペースを小さくでき、複数本の配線・配管材を並列配管する場合には、配線・配管のスペースが小さくできる効果が顕著となる。
管体Pを支持していない状態の実施例1の配線・配管材支持具D1 の斜視図である。 支持本体部2により管体Pを支持している状態の実施例1の配線・配管材支持具D1 の正面図である。 支持体S1 を下方から見た斜視図である。 一対の取着部5を介して支持体S1 が一対のボルト軸22に取着された状態の一方側の縦断面図である。 管体Pの外周面と支持体S1 の第2延出部E2 の内面との間に形成される閉塞片挿入隙間11を示す図である。 支持本体部2の外部に配置された閉塞片4を引き起こすことで、当該支持本体部2の上面に管体Pの挿入開口1が形成された状態を示す正面図である。 挿入開口1から支持本体部2の内部に管体Pを挿入している状態を示す正面図である。 (a),(b)は、それぞれ閉塞片41を引き起こして挿入開口1が形成された状態の実施例2の配線・配管材支持具D2 の斜視図、及び一部を破断した正面図である。 (a),(b)は、それぞれ閉塞片51を引き起こして挿入開口1が形成された状態の実施例3の配線・配管材支持具D3 の斜視図、及び平面図である。 閉塞片4を引き起こして挿入開口1が形成された状態の実施例4の配線・配管材支持具D4 の正面図である。
以下、複数の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
最初に、図1〜図5を参照して、実施例1の配線・配管材支持具D1 について説明する。管体Pの全周に取り囲んで支持する支持体S1 は、上面開口が管体Pの挿入開口1となっていて、当該管体Pを下方から支持する支持本体部2と、当該支持本体部2の周方向の両端部から延出長が異なるように延出されることで、前記支持本体部2とで管体Pの全周を取り囲んで閉塞する第1及び第2の各延出部E1 ,E2 とから成る。前記支持本体部2は、中心角がほぼ180°であって、殆ど変形しない剛性を有している。第1延出部E1 は、外方に僅かに弾性変形可能なように、前記支持本体部2の周方向の一端部に接続された弾性変形部3と、当該弾性変形部3の先端部に延出されて起立変形可能な閉塞片4とから成る。第2延出部E2 は、片持支持状となっていて、外方に僅かに弾性変形可能である。支持本体部2の外側の相対向する部分には、ベース板21に立設された一対のボルト軸22に着脱可能に取着される一対の取着部5が一体に設けられ、支持本体部2の外側に一対の取着部5が一体に設けられる構造によっても、支持本体部2の剛性は高められている。支持本体部2の外面における一対の取着部5の間には、剛性を高めるためのリブ6が周方向に沿って連続して設けられ、片持ち状の第2延出部E2 の基端部を除く残りの部分には、前記第2延出部E2 の閉塞片4の先端部を挿入可能とする閉塞片挿入隙間11(図5参照)を内側に形成するために半径方向に沿った寸法が、前記支持本体部2及び第1延出部E1 の弾性変形部3の各内周面の半径方向に沿った寸法よりも僅かに大きくなっている。第1延出部E1 の弾性変形部3には、先端部を除く残りの部分に周方向に沿って補強用のリブ7が形成されていると共に、第2延出部E2 には、その基端部のみの外側に周方向に沿って補強用のリブ8が形成されることで、支持本体部2に対して管体Pを挿入可能な範囲において、第1延出部E1 の弾性変形部3及び第2延出部E2 の曲げ強度は高められている。第1延出部E1 の弾性変形部3は、その曲げ強度は、第2延出部E2 の曲げ強度よりも大きくなっていて、相対的に第2延出部E2 よりも曲げにくくなっている。
第1延出部E1 の弾性変形部3には、支持本体部2に支持された管体Pのほぼ上半部を覆うことで、結果的に支持本体部2の挿入開口1を閉塞するための管体Pの外径に倣った円弧短帯状をした閉塞片4が一体に連結されている。閉塞片4の先端部の外面には、周方向に沿って係合部9が形成されていると共に、第2延出部E2 の内面には、閉塞片4の係合部9に対応する被係合部10が周方向に沿って形成されている。係合部9及び被係合部10は、いずれも縦断面が鋸刃状に形成されていて、管体Pの外径のばらつきを吸収可能とすべく、周方向に沿って異なる締め込み位置で互いに係合可能となっている。
第2延出部E2 の下面の幅方向の両端部には、支持本体部2に支持された管体Pの外周面に当接することで、当該第2延出部E2 の下面との間で閉塞片挿入隙間11(図5参照)を形成するための一対の当接突起12,13が形成されている。各当接突起12,13は、前記閉塞片挿入隙間11に閉塞片4の先端部4aを挿入し易くするために、周方向(長手方向)に沿ってずれて形成されている。第1延出部E1 の閉塞片4の外面の係合部9の後方の部分、及び第2延出部E2 の外面の先端部には、それぞれ全幅に亘って背丈の低い板状の突起板部14,15が設けられている。各突起板部14,15は、支持本体部2に管体Pが支持された状態で、前記閉塞片挿入隙間11に閉塞片4の先端部4aを挿入して、前記係合部9と被係合部10とを係合させることで、当該閉塞片4を締め込む際に、ペンチ(図示せず)の両先端部を引っ掛けて互いに引き寄せたり、或いは前記係合部9と被係合部10とを係合を解除させて、支持本体部2から管体Pを取り出す際に、ドライバー(図示せず)の先端部を押し当てると共に、当該ドライバーの引起こし回動の支点とすることで、第2延出部E2 を引き起こし易くするためのものである。更に、各突起板部14,15の上端の両端部には、幅方向に突出した引掛け部14a,15aがそれぞれ設けられ、管体Pが締込み支持された状態において、各突起板部14,15の引掛け部14a,15aを番線等で結ぶことで、管体Pの締め込みの緩みを防止できる構造になっている。
図2に示されるように、第1延出部E1 の閉塞片4の先端部4aを第2延出部E2 の下方に配置させて、当該閉塞片4の先端部4aの外面の係合部9と第2延出部E2 の内面の被係合部10とを係合させて、互いに一部が重なりあった状態(一部重合状態)において、当該閉塞片4は、自身の有する外方への弾発力により、当該「一部重合状態」を維持する構成となっている。即ち、図5で2点鎖線で示されるように、上記した「一部重合状態」が解除され、閉塞片4の先端部4aが支持本体部2の外部に配置された状態において、当該閉塞片4は、弾発力を消失している。このような弾発力を閉塞片4に付与するには、閉塞片4の先端部4aが第2延出部E2 の先端部に対して外側に所定間隔をおいて配置されるように、支持体S1 を射出成形し、しかも当該閉塞片4と弾性変形部3との連結部を、他の部分よりも関節状をした薄肉の第1撓み連結部16とすることで実現できる。
閉塞片4は、支持本体部2の挿入開口1から内部に管体Pを挿入する際に、当該閉塞片4を大きく回動させることなく、当該回動方向に存在する後述のボルト軸22との干渉を回避すべく、長手方向に沿った途中に関節状をした薄肉の別の第2撓み連結部17が設けられている。これにより、図5で実線で示されるように、閉塞片4は、第1及び第2の各撓み連結部16,17の部分で屈曲状態で弾性変形させることができて、わん曲形状の閉塞片4をほぼ直線状に伸ばして起立させることができ、この結果、前記ボルト軸22に対して閉塞片4が干渉することなく、支持本体部2の上面に管体Pの挿入開口1を形成できる。
支持体S1 は、支持本体部2の外側に対向して設けられた一対の取着部5を介してベース板21に所定間隔をおいて立設された一対のボルト軸22に解除可能に取着されるが、当該支持体S1 の取着構造は、当該支持体S1 を構造物等に取着する構造の単なる一例であって、取着構造自体は、本発明を構成していないので、簡単に説明する。
各取着部5のフランジ板部23の外側には、断面割円状の一対の突出部24が外方に突設され、一対の突出部24の外側には、雄螺子25が形成され、各突出部24の間の空間は、後述の係合体31の移動空間26を構成している。各取着部5における前記フランジ板部23の内側(支持本体部2の配置側)には、前記ボルト軸22を挿通するためのボルト軸挿通孔27が上下に貫通して形成されている。有底円筒状の螺着体28の内周面には、前記一対の突出部24の外周面の雄螺子25に螺合される雌螺子29(図4参照)が形成され、係合体31の一部が前記螺着体28の内部に収容されて、当該係合体31は、背面側の連結部31aを介して螺着体28の底板部28aに空回り可能に連結されている。
係合体31は、正面視で縦長の長方形状をなしていて、その前面の横断面が半円弧状の凹部には、前記ボルト軸22の雄螺子溝22aに係合する部分雌螺子31bが形成されている。一対の突出部24の外周面の雄螺子25に対して螺着体28を螺着させて正逆両方向に回動させると、螺着体28に空回り可能に連結された係合体31は、一対の突出部24の内側の相対向する各案内面24aに案内されることで、回動されることなく起立姿勢を維持したままで、前進・後退する。螺着体28の螺回動の最終部において、当該螺着体28を押圧状態で螺回動させることで、係合体31の部分雌螺子31bがボルト軸22の外周面の雄螺子溝22aに押圧状態で係合されて、支持体S1 は、左右一対の取着部5を介して一対のボルト軸22に取着される。当該取着の解除は、螺着体28を上記と逆方向に回動させて行う。なお、図2に示されるように、左右一対の螺着体28の螺回動軸心C1 は、同一直線上に存在しており、支持本体部2で支持された管体Pの軸心C0 よりも下方に配置されている。
上記のようにして、管体Pを支持する支持体S1 は、支持本体部2の両側に一体に設けられた一対の取着部5を介してベース板21に立設された一対のボルト軸22に取着される。なお、ベース板21は、一対のボルト(図示せず)を介して床面K1 (図2参照)に固定される。
そして、一対のボルト軸22に支持された支持体S1 により管体Pを支持するには、図6で2点鎖線で示されるように、支持本体部2の外側に円弧状となって配置されている第1延出部E1 の第1撓み連結部16の部分で、当該第1延出部E1 の全体を外方に弾性変形させてを引き起こすと共に、当該第1延出部E1 の途中の部分において、当該第2延出部E2 で二分された先端側の部分を基端側の部分に対して更に外方に弾性変形させると、図6で実線で示されるように、上記のように変形移動させられる前には円弧状となっていた第1延出部E1 は、起立側のボルト軸22と干渉することなく、正面視でほぼ直線状となって起立されることで、当該第1延出部E1 の先端部は、自身の基端部のほぼ直上に配置されて、支持本体部2の上面に管体Pの挿入開口1が形成される。
次に、支持本体部2の上面に形成された挿入開口1から、当該支持本体部2の内部に管体Pを挿入するには、図7に示されるように、当該管体Pの外周面が第1延出部E1 の第1撓み連結部16及び第2延出部E2 の先端部の各内面に当接した後に、更に管体Pを押し下げると、第1延出部E1 の弾性変形部3及び第2延出部E2 の全体が、それぞれ外方に弾性変形されて、挿入開口1が拡げられることで、支持本体部2の内部に管体Pが挿入される。
その後に、第1延出部E1 の第1及び第2の各撓み連結部16,17の部分で、当該第1延出部E1 を原形状の円弧状に戻して、第2延出部E2 を構成する閉塞片4の先端部4aを、管体Pの外周面と第2延出部E2 の先端部の内面との間に形成される閉塞片挿入隙間11に挿入し、必要に応じて、ペンチを使用して各突起板部14,15を互いに引き寄せると、閉塞片4の先端部4aの外面の係合部9と、第2延出部E2 の先端部の内面の被係合部10とが互いに係合されることで、第2延出部E2 に対して閉塞片4が締め込まれる。これにより、管体Pは、支持本体部2、第1及び第2の各延出部E1 ,E2 により全周が取り囲まれて、この状態が維持されることで、支持体S1 に対して管体Pが支持される。なお、支持体S1 を備えた配線・配管材支持具D1 は、管体Pの軸方向に沿って所定間隔をおいて設けられ、管体Pは、一定間隔をおいた複数箇所で配線・配管材支持具D1 により支持される。
このように、実施例1においては、第1延出部E1 を構成する閉塞片4が、正面視でほぼ直線状となって起立するために、起立側のボルト軸22と干渉しない。この結果、一対のボルト軸22の間隔Lを狭くすることができ、1本の管体の幅方向の占有幅が狭くなって、配線・配管材の1本当たり占有スペースを小さくできる。
また、図4に明瞭に図示されているように、閉塞片4における第1及び第2の各撓み連結部16,17の間、及び第2撓み連結部17と当該閉塞片4の先端との間は、ほぼ全体に亘って管体Pの外周面に当接するように、当該管体Pの外周面に沿った円弧状に形成されている。
図8に、本発明の実施例2の配線・配管材支持具D2 が示されており、重複説明を避けて、同一部分には同一符号を付し、上記した実施例1と異なる部分についてのみ説明する。実施例2の支持体S2 は、実施例1の支持体S1 に対して第1延出部E1'を構成する閉塞片41の部分が異なる。即ち、閉塞片41は、管体Pのサイズ(直径)に対応した円弧状に形成されて、第1撓み連結部16を介して弾性変形部3に連結されていて、第1延出部E1'の側のボルト軸22との干渉を回避するための切欠き孔42が延出方向に沿って形成されている。
よって、支持本体部2の上面に管体Pの挿入開口1を形成するために、第1撓み連結部16の部分において閉塞片41を外方に回動させると、当該閉塞片41の切欠き孔42の部分にボルト軸22が入り込むことで、両者の干渉が回避される。実施例2においても、閉塞片41を起立させて、支持本体部2の上面に管体Pの挿入開口1を形成する際に、閉塞片41とボルト軸22との干渉が回避されるために、一対のボルト軸22の間の距離Lを短くできて、配線・配管材の1本当たり占有スペースを小さくできる。
図9に、本発明の実施例3の配線・配管材支持具D3 が示されている。実施例3は、支持体S3 の第1延出部E1'' を構成する閉塞片51及び第2延出部E2'' の全体を、支持本体部2に対して管体Pの軸方向にずれ長Jだけずらすことで、第1延出部E1'' とボルト軸22との干渉を回避させたものである。閉塞片51とボルト軸22との間には、管体Pの軸方向に沿って僅かの隙間が形成されている。実施例3においても、閉塞片51を起立させて、支持本体部2の上面に管体Pの挿入開口1を形成する際に、閉塞片51とボルト軸22との干渉が回避されるために、一対のボルト軸22の間の距離Lを短くできて、配線・配管材の1本当たり占有スペースを小さくできる。
図10に、本発明の実施例4の配線・配管材支持具D4 が示されている。実施例4は、天井面K2 にベース板61を介してボルト軸62が垂設され、当該ボルト軸62に支持体S4 が片持ち状となって取着部5を介して取付けられている。支持体S4 は、支持本体部63の支持端側の周方向の一端部に、実施例1と同一構成の第1延出部E1 が延出され、支持本体部63の自由端側の周方向の他端部に第2延出部E2 が延出された構成である。
実施例4においても、閉塞片4は、第1及び第2の各撓み連結部16,17の部分において外側に弾性変形させることで、ほぼ直線状に変形させて、起立状態にでき、しかも第2延出部E2 の側には、ボルト軸が設けられていないために、1本当たりの管体Pの占有スペースは、一層に小さくできる。
上記各実施例1〜4では、支持体S1 〜S4 が取着される被取着部材は、いずれもボルト軸22であるが、当該ボルト軸22に限定されず、軸方向に沿った複数箇所に支持体を固定状態で取着可能な被取着部が設けられた棒状体であってもよい。
1 〜D4 :配線・配管材支持具
1,E1', E1'' :第1延出部
2,E2', E2'' :第2延出部
J:閉塞片及び第2延出部のずれ長(干渉回避手段)
1 〜S4 :支持体
1:挿入開口
2,63:支持本体部
4,41,51:閉塞片
5:取着部
9:係合部
10:被係合部
16:第1撓み連結部(干渉回避手段)
17:第2撓み連結部(干渉回避手段)
22,62:ボルト軸(被取着部材)
42:切欠き孔(干渉回避手段)

Claims (6)

  1. 一対の被取着部材と、当該一対の被取着部材の間で配線・配管材を支持すべく、当該一対の被取着部材に取着される支持体とを備えた配線・配管材支持具であって、
    前記支持体は、
    当該支持体を前記一対の被取着部材に取着させるための一対の取着部と、当該一対の取着部を跨いだ状態で、下方から前記配線・配管材を支持するための支持本体部と、当該支持本体部の周方向の両端部から、それぞれ延出長が異なった状態で前記配線・配管材の周方向に延出されて、前記支持本体部とで配線・配管材の全周を取り囲む第1及び第2の各延出部とを備え、
    前記第1及び第2の各延出部の先端部には、互いに係合して配線・配管材の締込み支持を維持する係合部及び被係合部がそれぞれ形成され、
    長さの長い側の前記第1延出部には、前記配線・配管材の外周面に当接する当接面が延出方向の少なくとも一部に設けられ、当該第2延出部の先端から離間させることで、前記支持本体部の上面に配線・配管材の挿入を可能とする挿入開口が形成され、
    前記挿入開口を形成すべく、前記第1延出部の先端を第2延出部の先端から離間させた際に、前記一対の被取着部材のうち前記第1延出部の離間方向に存在する被取着部材との干渉を回避する干渉回避手段を備えていることを特徴とする配線・配管材支持具。
  2. 前記干渉回避手段は、第1延出部の延出方向の途中に設けられた関節状の弾性変形部であることを特徴とする請求項1に記載の配線・配管材支持具。
  3. 前記第1延出部の先端部は、自身の基端部のほぼ直上の位置まで移動させられる構成であることを特徴とする請求項2に記載の配線・配管材支持具。
  4. 前記干渉回避手段は、第1延出部の延出方向に設けられた切欠き孔であることを特徴とする請求項1に記載の配線・配管材支持具。
  5. 前記干渉回避手段は、前記支持体に支持される配線・配管材の長手方向に沿って前記第1及び第2の各延出部が前記一対の被取着部材に対してずれた構成であることを特徴とする請求項1に記載の配線・配管材支持具。
  6. 1つの被取着部材と、当該被取着部材の間で配線・配管材を支持すべく、当該被取着部材に取着される支持体とを備えた配線・配管材支持具であって、
    前記支持体は、
    当該支持体を前記被取着部材に取着させるための取着部と、当該取着部を跨いだ状態で、下方から前記配線・配管材を支持するための支持本体部と、当該支持本体部の周方向の両端部から、それぞれ延出長が異なった状態で前記配線・配管材の周方向に延出されて、前記支持本体部とで配線・配管材の全周を取り囲む第1及び第2の各延出部とを備え、
    前記第1及び第2の各延出部の先端部には、互いに係合して配線・配管材の締込み支持を維持する係合部及び被係合部がそれぞれ形成され、
    長さの長い側の前記第1延出部には、前記配線・配管材の外周面に当接する当接面が延出方向の少なくとも一部に設けられ、当該第2延出部の先端から離間させることで、前記支持本体部の上面に配線・配管材の挿入を可能とする挿入開口が形成され、
    前記挿入開口を形成すべく、前記第1延出部の先端を第2延出部の先端から離間させた際に、前記被取着部材との干渉を回避する干渉回避手段を備えていることを特徴とする配線・配管材支持具。
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