JP4206367B2 - 配管等固定具 - Google Patents
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Description
他方、サドル部材65には、逆U字形状の本体部の両脚部先端部を水平方向に折曲して形成した取付部66、66(係合部)が形成され、これらの取付部66のそれぞれには固定用のビス62が挿通するビス挿通孔67が設けられている。かかるビス挿通孔67と前記ビス孔64の位置が一致することにより、ビス62によってサドル部材65がベース部材60に螺着され、管体69がサドル部材65の逆U字形状の本体部に固定されることとなる。
この配管固定金具は、ベース部材70と、これに係合され、固定されるサドル部材75とから構成される。ベース部材70は、平面視略矩形形状で、底面開口の箱体形状のものからなり、固定される管体69を一定の高さに維持して固定することができる。また、その中央部には、ベース部材70を壁面等に固定するビス挿通孔73が設けられ、その両端部側には下方に突出する係合突起74、74が形成されている。
他方、サドル部材75には、逆U字形状の本体部の両脚部先端部を水平方向に折曲して形成した係合部76、76が形成され、これらの係合部76のそれぞれには前記ベース部材70に設けられた係合突起74と係合する係合凹部77が設けられている。
以上の構成により、固定される管体69をベース部材70の中央位置に直交するように載置し、その後、サドル部材75の逆U字形状の本体部を管体69に沿わせて、またがるようにして、係合部76、76をベース部材70の嵌入口72,72に向けて近づけて行き、この嵌入口72、72内に係合部76、76を嵌め入れて行き、サドル部材の本体部の両脚部を順次ベース部材70に設けられた係合孔部78、78(係合受部)に嵌入して行く。そして、ベース部材70に設けられた係合突起74、74とサドル部材75の係合部76の上面に形成された係合凹部77、77とが合致し、係合することにより管体69が固定されることとなる。従って、この配管固定金具においては、螺子等の固定手段が不要となる。
この配管固定金具においては、ベース部材とサドル部材の構成が、前記従来例と少し相違する。即ち、そのベース部材は、上面が長手方向に直線状に開口(係合受部)したC型チャンネル材を利用したレール状のものであり、他方サドル部材としても逆U字形状の両脚部先端に水平方向に折曲する前記従来例のような取付部又は係合部の存在はなく、両脚部の先端に細幅部からなる係合部が存在しているのみで、この細幅部からなる係合部が前記レール状のベース部材の上面開口縁部と係合して、両者が結合されるのものである。
また、配管の固定方向は、ベース部材と直行する方向のみであり、配管が敷設される方向に合致させるようにベース部材を壁面等に固定しなければならない。
上記第2の従来例(特許文献1に記載のもの)においては、上記第1の従来例における螺着作業の簡略化には寄与するものの、やはりベース部材と直交する方向にしか管体を固定することができないという問題は依然として残っている。
上記第3の従来例(特許文献2に記載のもの)においては、ベース部材の上面に開口部が一方端から他方端までの全体に渡り設けられていることから、サドル部材の位置をこの開口部の何れの位置にも配置することができるが、即ち、開口部が設けられている方向に位置を変更することが可能であるが、やはり、ベース部材と直行する方向にしか管体を固定することができない。
次に、本発明では、従来のものよりもより弾力的にサドル部材の両端脚部係合部がベース部材と係合でき、その結果固定される管体をより弾力的に固定できるものを提供することもその課題としている。
更に、配管は複数本を並列させて配管することもあり、これに簡単に対応できるような固定具を提供すること、また、壁面のコーナー部等の角部に対応できるもの、併せて、一本のみの管体等にも容易に対応できるものを提供することもその課題である。
従って、ベース部材を壁面等に固定する際に、サドル部材の固定方向を考慮することなく、自由な方向にベース部材を壁面に固定することができるし、曲管を固定する際にも、その方向を考慮せずに簡単にベース部材を壁面等に固定することができる。
また、ベース部材に設けられた押圧部がサドル部材の脚部先端に設けられた係合部の表面を押圧でき、サドル部材と弾性的又は弾力的に係合するため、これにより固定される管体をやはり同時に弾性的又は弾力的に保持し、固定することができる。
図1が本発明に係る配管等固定具の第1の実施形態を図示する分解斜視説明図である。この配管等固定具は、ベース部材80とこのベース部材80と係合するサドル部材81と両者を固定する螺子88とから構成される。
ベース部材80は、平面視円形形状を有する金属製のものからなり、その周縁部全体の下縁には下方向に延長する起立部82が形成され、固定される管体を一定の距離を保って壁面等に固定することができる。
また、ベース部材80には、その中央を中心点として所定直径(後に説明するサドル部材の両脚部間の距離と略同一)の円周上に複数の係合受部としての螺子穴84、84、・・・を円環状に形成している。
これらベース部材80の螺子穴84、84、・・・とサドル部材81の係合部に設けられた長孔87とを合致させ、螺子88によって、両者を螺着固定することができる。これにより、サドル部材81の両脚部85に設けられた係合部86の長孔87をベース部材80の螺子穴84の任意の位置に固定して、配管等を任意角度に固定でき、任意の方向に配管できることとなる。
ベース部材80及びサドル部材81の何れも固定される配管等の外径に応じて、所望の大きさに設定することができる。
ベース部材80の平面視外形形状は、円形形状でなく、正方形形状でも、長方形形状であってもよい。後述する図8に示す形態で実施する場合には、四角形とする必要がある。
起立部82の高さは自由に設定することができる。
螺子穴84の個数も自由に設計することができるが、サドル部材81の長孔87の円周方向の長さ(この長さも自由に設定可能)を考慮してその間隔を決定することができ、これによりサドル部材81の取り付け位置を360度の何れの角度又は方向にも設定することができることとなる。
サドル部材81は、逆U字形状のものを使用しているが、後に説明する第3の実施形態におけるサドル部材や2ピースからなるサドル部材を使用することも可能である。
この配管等固定具は、ベース部材90とこのベース部材90と係合するサドル部材91と両者を固定する1本の螺子99とから構成される。
ベース部材90は、平面視円形形状を有する金属製のものからなり、その周縁部全体の下縁には下方向に延長する起立部92が形成され、固定される管体を一定の距離を保って壁面等に固定することができる。
また、ベース部材90には、その中央を中心点として所定直径(後に説明するサドル部材の両脚部間の距離と略同一)の円周上に複数の係合受部としての螺子穴94、94、・・・と、1つの円弧形状の円弧状長孔95を円環状に形成している。
また、上記起立部97kを設けたのは、この実施形態に係る配管等固定具を取付施工する際に、ベース部材90を壁面等に固定したときに、サドル部材91をベース部材90の円弧状長孔95に引っ掛けておくことができるようにするためである。即ち、係合部97に起立部97kを設けることにより、係合部97の部分(厳密には脚部96と係合部97と起立部97k)の横断面が略コ字形状となり、この起立部97kをベース部材90の円弧状長孔95の開口縁部に引っ掛けておくことが出来るのである。その後、サドル部材91を回転すると同時に起立部97k及び係合部97を円弧状長孔95内に嵌入させ、他方の脚部96に形成されている係合部97をサドル部材90の螺子穴94に適合させ、螺子99により螺着することが出来るのである。尚この起立部97kは任意のものであり、これを設けずに実施することも当然可能である。
例えば、ベース部材の係合受部として円弧状長孔を2本円環状に形成し、サドル部材の一方の脚部には水平方向に延長する係合部を設け、他方の脚部の先端には、水平方向に延長する係合部を設けず、その先端部に穴部を形成し、この穴部と係合するベース部材の円弧状長孔の縁部に突起を列設しておくことにより、前記穴部を何れかの突起に係合させることによってワンタッチでサドル部材をベース部材に係合することもできる。
また、係合受部は、ベース部材に円環状に形成するが、その円環状の全ての範囲に設けずに、その一部の範囲にのみ設けて実施することも当然可能なことである。
ベース部材20は、平面視円形形状を有する金属製のものからなり、その周縁部全体の下縁には起立部21が形成され、固定される管体を一定の距離を保って壁面等に固定することができる。
また、ベース部材20には、その中央を中心点として所定直径(後に説明するサドル部材の両脚部間の距離と略同一)の円周上に2本の係合孔部24,24を形成している。それぞれの係合孔部24は、円周の略半分の長さを有し、一定の間隔をもって分断され、中心点を基準として点対称の位置に形成されている。係合孔部24の幅は、後に説明するサドル部材10の脚部が回動できる幅としている。
更に、係合孔部24のそれぞれには、係合孔部24から外向き半径方向に嵌入口25を設けており、それぞれの嵌入口25は、ベース部材(円周状の係合孔部)の中心点を基準として点対称の位置に配置されている。この嵌入口25、25に後に説明するサドル部材10の両脚部の先端部に形成されている係合部が嵌入することとなるのである。
サドル部材10の頂部中央部には逆V字形状の折曲弾性部16が形成され、その折曲弾性部16には、略水平方向に螺子孔17,17が形成され、固定手段としての螺子5をこれら螺子孔17,17に螺着することにより、固定される管体等を固定することができる。
この図5及び先に説明した図3及び図4を用いて、管体等を固定する手順について以下説明する。
まず、螺子等を用いてベース部材20に設けられた螺子挿通孔22を介してベース部材20を壁面等に固定する。この際、管体の配管方向を特に留意する必要なく、任意の向きにベース部材20を壁面等に固定することができる。
次に、サドル部材10の両係合部14,14をベース部材20に形成されている嵌入部25、25に嵌入する。
この際、管体69は、予めサドル部材をまたがらせた状態で回動させてもよいし、サドル部材10の位置決めをした後に、管体69をサドル部材10に挿通させてもよい。
最後に、サドル部材10の頂部中央に位置する折曲弾性部16を螺子5によって締着して、管体69を固定すると同時に、サドル部材10は、ベース部材20に固定されることとなる。
この際、サドル部材10の両先端に設けられた起立部15、15と係合部14及び両脚部12の弾性、折曲弾性部16の弾性等により、管体69は一定の金属弾性力をもって固定されることとなる。
サドル部材30のその他の構成は、前記サドル部材10と同様である。即ち、その本体部の両脚部12,12の下方先端部には、水平方向に係合部14、14が設けられ、係合部14の先端部にはそれぞれ上方に起立する起立部15が形成されている。
この起立部15、15は、形成しなくとも実施可能である。
このベース部材40においては、前記第3の実施形態に係るベース部材20とほぼ同様の構成を有するが、唯一、押圧部44,44が存在する点で異なっている。
即ち、この実施形態に係るベース部材40においては、係合孔部24のそれぞれの外側に、係合孔部24に沿って、略コ字形状の切り込み43を設け、この切り込みを下方に押圧して、押圧部44形成している。
これに組み合わされるサドル部材は、上記第3の実施形態のものでも、図6に図示したものでも何れのものでもよい。
この実施形態に係るベース部材は、上記第3の実施形態に係るベース部材20において、その平面形状を略正方形形状として、その一辺で他の同一のベース部材と連結する連結部55を有し、一列に複数個連結したものである。連結する個数は、必要に応じて自由に設定することができる。
また、個々のベース部材50は、その連結する方向と直行する方向の側縁部に起立部51を有している。
また、図には表現されていないが、この湾曲部56は、1.0mm以下の(望ましくは0.6mm程度の)薄い板厚の金属製のものから構成し、何度も折曲を繰り返すことにより、この湾曲部56で分割して、切り離すこともできる。
従って、この実施形態に係るベース部材においては、管体を複数本並列に配管する場合に用いることができ、しかも、その複数の管体を所望角度で並列配管することができる。即ち、壁面のコーナー部に複数配管する際にも、ベース部材の適宜連結部55をコーナー部の角度に合わせて折曲し、壁面のコーナー部に取り付けることもできる。
更に、一本のみ配管するときには、連結されたベース部材の1個を分割、切り離して使用することも容易に出来ることとなる。
まず、本発明は、電線管用の金属製の固定金具として開発されたものであるが、その素材は、金属製ばかりでなく、合成樹脂製のものとしても実施することが可能である。
その大きさ、寸法及び形状等も全く自由であって、上記実施形態には限られない。
サドル部材の配管方向から見た形状も上記実施形態に限られず、より正確な逆U字形状(両脚部が垂直に起立するような逆U字形状)或いは下方開口の略コ字形状として角型のものでもよく、管体を有効に保持できる形状であれば自由に設計することができる。
尚、サドル部材は、下方部が開口していないものとしても実施できる。即ち、管体が挿通し、これを支持できる閉鎖した環状枠体の下端から下方に一本の脚部が延長し、その脚部の下端が更に水平方向の両反対方向に延長する2本の脚部として実施することもできるものである。
サドル部材を2ピースとした場合には、固定手段としてビスで固定する以外に、ワンタッチ方式で、相互に嵌合して結合するタイプの従来の固定手段を利用することも出来る。
サドル部材をワンピースとすることも当然自由である。
サドル部材の両脚部先端に形成される係合部の構成も全く自由であって、上記実施形態のような水平方向に折曲された係合部として実施するばかりでなく、水平方向に折曲せずに、単なる細幅部として係合部を構成し、この細幅部をベース部材の係合孔部と係合させ、サドル部材をベース部材と結合するように構成することもできる。但し、この場合には、ベース部材の起立部の高さを上記実施形態の場合よりも高く設定しなければならないし、このタイプの場合には上記押圧部を利用することはできない。
また、係合部を横断面コ字形状として、ベース部材の表面部を挟み込むような形状とすることもでき、この場合には係合部の上から螺子等により締め付けて、サドル部材をベース部材に固定できるように構成することも可能である。
サドル部材の両脚部先端の起立部は、これを設けずに実施することも可能である。
ベース部材の平面視外形形状は、既に述べたとおり、円形形状又は正方形形状、その他各種の外形形状を採用することができる。
また、嵌入口を設ける位置は、上記実施形態においては、それぞれの係合孔部の一方の端部に形成していたが、その位置は、一方端部でなく、係合孔部の何れの位置でもよく、
一方をその任意の位置に設けた場合は、他方の嵌入口をそれと点対称の位置に設ければよいのである。更に、係合孔部の両端部にそれぞれ嵌入口を設けて、2対形成することもできる。嵌入口は、係合穴部の内側に形成することもできる。
ベース部材に設けられた押圧部の位置も、上記の実施形態では、係合孔部の外側に配設したが、その係合孔部と平行にその内側に設けることもできる。
また、押圧部は、下方に膨出する複数のものとして、係合孔部に沿って形成することもできるし、上記実施形態における押圧部に更に複数の下方突出部を列設することも自由である。
押圧部を形成するための切り込みも略コ字形状ではなく、平行な2本の切り込みによってその中央部を最大に下方に膨出して側面視弓形形状に形成することも出来るし、切り込みを設けずに押圧部を形成することも当然可能なことである。
更に、連結部は、上記実施形態において、連結されているベース部材の1辺の全体に形成したが、その一部であってもよく、その中央部分のみ、両端部分のみ、或いは、梯子段状に断続的に形成することもできるものである。
以上、実施の形態については特許請求の範囲内において種々設計変更することが可能である。
Claims (3)
- 壁面等に固定されるベース部材(80)と、ベース部材(80)に結合して各種管体等を固定することができるサドル部材(81)とからなり、サドル部材(81)の両脚部(85,85)の先端部分に形成された係合部(86,86)がベース部材(80)に設けられた係合受部と係合することによりサドル部材(81)がベース部材(80)と結合され、管体等を固定することができる配管等固定具において、
ベース部材(90)に設けられた係合受部を平面視円環状に列設した複数の螺子穴(84,84,...)と円弧状長孔(95)とから形成し、円弧状長孔(95)にはサドル部材(91)の一方の脚部先端部分で略水平方向に延設された係合部(97)を係合させ、サドル部材(91)の他方の脚部先端部分で略水平方向に延設された係合部(97)には螺子挿通孔(98)を設け、この螺子挿通孔(98)をベース部材(90)の螺子穴(94)に合致させて螺子(99)等の固定手段によって両者を固定することにより、管体等を任意の角度に固定できることを特徴とする配管等固定具。 - 壁面等に固定されるベース部材(20)と、ベース部材(20)に結合して各種管体等を固定することができるサドル部材(10)とからなり、サドル部材(10)の両脚部(12,12)の先端部分に形成された係合部(14,14)がベース部材(20)に設けられた係合受部と係合することによりサドル部材(10)がベース部材(20)と結合され、管体等を固定することができる配管等固定具において、
ベース部材(20)に設けられている係合受部を平面視円環状に列設した2本の係合孔部(24,24)から形成し、これら円環状に形成された2本の係合孔部(24,24)の適宜位置で、それぞれ点対称の位置に、サドル部材(10)の両端の係合部(14,14)を嵌入しうる嵌入口(25,25)を形成し、
上記円環状に形成された2本の係合孔部(24,24)の近傍で、且つ係合孔部(24,24)に沿うように、ベース部材(20)の表面部から下方に膨出する押圧部(44,44)を形成し、かかる押圧部(44,44)がサドル部材(10)の係合部(14,14)の表面を押圧することができ、
上記両嵌入口(25,25)にサドル部材(10)の係合部(14,14)をそれぞれ嵌入し、その後サドル部材(10)を適宜角度回動させて管体等を任意の角度に固定できることを特徴とする配管等固定具。 - 請求項1又は2において、ベース部材(50)の複数を連結部(55)を介して一列に連結し、かかる連結部(55)が塑性変形部(56)を有し、これによりそれぞれの塑性変形部(56)を任意の角度に屈曲して塑性変形させ、隣接するベース部材(50,50)を任意の角度に設定することができ、且つこの塑性変形部(56)を分割、分離できることを特徴とする配管等固定具。
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