JP2015104806A - 積層体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、第1圧着部による積層体の収縮量に適応させた第2圧着部の処理を行なうことにより、高品質な積層体の製造を能率よく行う積層体の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】複数のフィルム状基材を第1圧着部8で加熱圧着送りをした積層体5を、屈曲送り経路を形成し張り長さを可変自在に張り支持する制御ローラ39と、その張り位置を検知する検知装置46とからなる張り制御部9によって、該張り制御部9が積層体5の適正張り長さより大きいことを検知したとき、第2圧着部10の圧着送り速度を上げると共に、適正張り長さより小さいことを検知したとき、第2圧着部10の圧着送り速度を下げるように制御することにより、第1圧着部8による1次圧着処理後の積層体5の収縮量に適応させた第2圧着部10による2次圧着処理を行なうことを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のシートやフィルム状の基材を加熱圧着して積層体を形成する積層体の製造方法及び製造装置に関するものである。
従来、プラズマ表面処理された複数のフィルム(基材)を、リールから繰出し3層構造に重ねながら一対のロールに供給し、所定の圧力と温度によって一体的に積層・圧着することにより、接着剤を使用することなく3層の積層体を製造する方法は既に公知である(例えば特許文献1参照)。
また複数の基材を一対のロールを備える第1圧着部に供給して1次圧着処理をした積層体を、加熱圧着機能を有する一対のロールからなる第2圧着部に供給して2次圧着処理を行ない積層体を製造する方法も既に公知である(例えば特許文献2参照)。
尚、上記プラズマ表面処理とは、真空又は種々の雰囲気中で直流、交流又は高周波を用いた化学プラズマ表面処理によって各種フィルムやシート等の基材表面を改質することであり、接着剤を用いることなく複数のフィルムを樹脂接着性を高めて加熱圧着して積層体の形成を可能にする方法として周知技術である。
特許第4402734号公報 特許第4423713号公報
上記特許文献1で示される積層体の製造方法は、プラズマ表面処理されたアラミド紙の表面と裏面にプラズマ表面処理されたPPSフィルムを重ねながら、一対のロールによって圧着処理をして3層の積層体を接着剤を用いることなく簡単に製造することができる。
しかし、上記のようなフィルムの他に多種のフィルム基材を複数組合せて積層体を製造しようとするときは、単に1次圧着処理をするだけでは品質のよい積層体を安定的に製造することが難しい等の課題がある。
一方、特許文献2で示される積層体の製造方法は、アクリル系樹脂板の表面と裏面にフィルム状基材を加熱機能を有しない第1圧着部によって1次圧着処理をした積層体に対し、加熱機能を有する第2圧着部の2次圧着処理によって加熱圧着送りをして積層体を製造することができる。しかし、この製造方法では複数の薄いフィルム状基材を積層接着する場合には、加熱機能を備えていない第1圧着部での加熱圧着はできない欠点がある。
これに対し、第1圧着部にも加熱機能を設けて複数のフィルム基材を1次圧着処理によって加熱圧着送りを行い、形成される積層体に対し第2圧着部の2次圧着処理によって加熱圧着送りをしようとすると、各基材は1次圧着処理時の基材特性毎に異なる収縮を生じて送り出されるため、縮みを生じて短くなっている積層体に対する、第2圧着部の圧着送り速度の設定並びに調整が困難である。従って、第2圧着部への圧着送り速度や積層体の収縮量の変化に対する制御等の対応手段を備えていないものでは、第1圧着部と第2圧着部の間で積層体が大きく引っ張られたり弛みを伴うことになるので、2次圧着処理時に傷や皺並びに気泡等を生じて高品質な積層体を能率よく製造することが困難になる。
本発明は係る課題を解決するために、第1に、複数のフィルム状基材を第1圧着部8に供給し一対のロール21,22によって加熱圧着送りをする1次圧着処理により形成した積層体5を、第2圧着部10に供給して一対のロール21,22によって加熱圧着送りをする2次圧着処理を行い積層体5を製造する積層体の製造方法において、
前記第1圧着部8と第2圧着部10との間に、積層体5の屈曲送り経路を形成して張り長さを可変自在に張り支持する制御ローラ39と、該制御ローラ39の張り位置を検知する検知装置46とからなる張り制御部9を設け、該張り制御部9が積層体5の適正張り長さより大きいことを検知したとき、第2圧着部10の圧着送り速度を上げると共に、適正張り長さより小さいことを検知したとき、第2圧着部10の圧着送り速度を下げるように制御することにより、第1圧着部8による1次圧着処理後の積層体5の収縮量に適応させた第2圧着部10による2次圧着処理を行なうことを特徴としている。
第2に、供給される複数のフィルム状基材を、加熱圧着送りをする一対のロール21,22を有する第1圧着部8と、該第1圧着部8の1次圧着処理により形成した積層体5を加熱圧着送りをする一対のロール21,22を有する第2圧着部10とを備えた積層体製造装置1において、
前記第1圧着部8と第2圧着部10との間に、第1圧着部8によって形成された積層体5を、前後方向の支持間隔を有して支持する前ローラ37と後ローラ37aと、両者の間で積層体5を一側に向けて押接する制御ローラ39と、該制御ローラ39の位置を検知して第2圧着部10のロール21,22の圧着送り速度を制御する検知装置46とからなる張り制御部9を設けたことを特徴としている。
第3に、前記第1圧着部8と第2圧着部10とが有する上側のロール21,22に対し、下側のロール22,21を、該下側のロール22,21を軸支する軸支部材27をその中央部に機台6側から設置される進退作動用の主シリンダ28によって昇降自在に支持すると共に、上記軸支部材27の両端側を主シリンダ28の両側に設置される微小進退作動用の補助シリンダ29によって上下動自在に支持することを特徴としている。
第4に、前記一対のロール21,22の軸端にロール径より小径のギヤ21a,22aを設けると共に、該ギヤ21a,22aに係脱自在に同時噛合させるカウンタギヤ31を設けることを特徴としている。
第5に、前記一対のロール21,22を、駆動回転させるロール21の加圧面をゴム製にすると共に、積層体5を介して従動回転させるロール22の加圧面を金属製にすることを特徴としている。
第6に、前記第1圧着部8のロール21,22によって形成される圧着部の前方に、基材を圧着部に向けて供給する供給姿勢と、基材を供給姿勢から圧着部のロール接線側に押動して支持する非供給姿勢とに切換える圧着中断支持具19を設けることを特徴としている。
以上のように構成される本発明は、以下のような効果を奏する。
(1)この発明の方法によれば、第1圧着部と第2圧着部との間に、前記積層体を屈曲送り経路を形成して張り長さを可変自在に張り支持する制御ローラと、該制御ローラの張り位置を検知する検知装置とからなる張り制御部を設け、該張り制御部が積層体の適正張り長さより大きいことを検知したとき、第2圧着部の圧着送り速度を上げると共に、適正張り長さより小さいことを検知したとき、第2圧着部の圧着送り速度を下げるように制御し、第1圧着部による1次圧着処理後の積層体の収縮量に適応させた第2圧着部による2次圧着処理を行なう製造方法にしたことにより、複数の基材を重ね合せて加熱圧着する1次圧着処理時に第1圧着部から収縮量を異ならせて送り出される積層体を、張り制御部の屈曲送り経路を介して第2圧着部が引っ張り過ぎたり緩み過ぎたりさせることなく張り支持しながら、第2圧着部による2次圧着処理を適正な圧着送り速度によって行うので、皺や気泡を生じさせることのない加熱圧着送りを可能にして高品質な積層体の製造を能率よく行うことができる。
(2)また、この発明の装置によれば、第1圧着部と第2圧着部との間に、第1圧着部によって形成された積層体を、前後方向の支持間隔を有して支持する前ローラと後ローラと、両者の間で積層体を一側に向けて押接する制御ローラと、該制御ローラの位置を検知して第2圧着部のロールの圧着送り速度を制御する検知装置とからなる張り制御部を設けたことにより、複数の基材を重ね合せて加熱圧着する1次圧着処理時に基材毎に異なる収縮量を与えられて送り出される積層体を、張り制御部の屈曲送り経路を介して第2圧着部が引っ張り過ぎたり緩み過ぎたりさせることなく張り支持しながら、第2圧着部による2次圧着処理を適正な圧着送り速度によって行うので、皺や気泡を生じさせることのない加熱圧着送りを可能にして高品質な積層体の製造を能率よく行うことができる。
また1次圧着処理後の積層体は張り制御部の屈曲送り経路によって接着を安定化した状態で第2圧着部に送ることができるので、第2圧着部による2次圧着処理を効率よく行なうことができると共に、多様な基材に対する圧着処理も汎用性を高めて行うことができる。
(3)前記第1圧着部と第2圧着部とが有する上側のロールに対し、下側のロールを、該下側のロールを軸支する軸支部材を機台側から中央部に設置される進退作動用の主シリンダによって昇降自在に支持し、上記軸支部材の両端側を主シリンダの両側に設置される微小進退作動用の補助シリンダによって上下動自在に支持することにより、主シリンダによって下側のロールの昇降動作が無理なく速やかに行われる。さらに左右の補助シリンダの選択作動によって、基材に圧着ムラを生じさせない適正圧着位置への位置決め作業を簡単に行うことができる。
また積層体製造装置の運転停止をする際に、各下側のロールを主シリンダによって下降させ速やかに圧着開放間隔を形成してロール熱による基材や積層体の変形等を防止する。運転再開時には主シリンダ及び補助シリンダによって元の製造作業状態に速やかに復帰させるため、積層体の製造を能率よく行うことができる。
(4)一対のロールの軸端にロール径より小径のギヤを設けると共に、該ギヤに係脱自在に同時噛み合させるカウンタギヤを設けることにより、一対のロールが圧着開放間隔を形成する圧着中断時に、一方のロールが備えるロールモータを駆動し、カウンタギヤを介して他方のロールを回転させることができるので、装置の運転停止時にロール回転を停止させることなく一対のロールを簡単に回転させることができると共に、回転継続によってロールの熱変形を防止し、ロールの冷却を促進さることができる。
(5)前記一対のロールを、駆動回転させるロールの加圧面をゴム製にすると共に、積層体を介して従動回転させるロールの加圧面を金属製にすることにより、ゴム製のロールが積層体を金属製のロールとの間で、弾性と摩擦力によって基材表面での回転スリップを防止しながら確実に加熱圧着送りをする。また各基材に対し1次圧着処理と2次圧着処理とを行なうとき、圧着送り駆動をするゴム製のロールと従動回転する金属製のロールとを第1圧着部と第2圧着部とに各別に配設し、各基材を一側と他側から同様の加熱圧着処理をすることが容易になるため、積層体を圧着ムラなく接着することができる。
(6)前記第1圧着部のロールによって形成される圧着部の前方に、基材を圧着部に向けて供給する供給姿勢と、基材を供給姿勢から圧着部のロール接線側に押動して支持する非供給姿勢とに切換え自在な圧着中断支持具を設けることにより、積層体製造装置の運転停止をする際に、圧着中断支持具を供給姿勢から非供給姿勢に切換えて、基材を押動して圧着部のロール接線側に支持してロールから離間することができるので、第1圧着部の圧着中断時にロール熱による基材の変形等の影響を防止することができる。また運転再開時には基材の支持を解除して元の製造作業状態に速やかに復帰させるので、積層体を能率よく製造することができる。
積層体製造装置の側面図である。 積層体製造装置の平面図である。 第1圧着部の構成を示す背面図である。 図3の平面図である。 第1圧着部の左側面図である。 第1圧着部の下側ロールを下降させた状態を示す左側面図である。 図(A)は圧着中断回転機構の側面図であり、図(B)はカウンタギヤの構成を示す平面図である。 張り制御部の構成を示す左側面図である。 図8の背面図である。 図8の平面図である。 張り制御部の適正制御状態を示す側面図である。 張り制御部の制御状態を示す側面図である。 張り制御部の制御状態を示す側面図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1,図2において符号1は、フィルム状の第1基材2と第2基材と第3基材4等の複数の基材を層状に貼り合せて(貼合)一体化させた積層体5を製造する積層体製造装置である。この積層体製造装置1は、本発明による積層体製造方法によって層状をなす各基材に無理な負荷を生じさせることなく積層・接着し、皺や歪を生じない積層体5を連続的に製造する。この実施形態で示す積層体製造装置1に使用する各基材は、いずれも貼合面に対して予めプラズマ表面処理が行われており、第1基材2の表面側に第2基材3を、裏面側に第3基材4を各貼合する際に、接着剤を使用することなく1次圧着処理と2次圧着処理による加熱圧着して一体化させた3層の積層体5を製造する例を示している。
この実施形態の第1基材2は、ポリエステルフィルム(PET)であり、厚さ50〜25μ程度で幅500mmとしている。第2基材3はポリフェレンサルファイドフィルム(PPS)であり、厚さ12〜20μ程度で幅500mmとしている。第3基材4はポリフェレンサルファイドフィルム(PPS)であり、厚さ12〜20μ程度で幅500mmとしている。これにより製造される積層体5は、厚さ10〜50μ程度で幅500mm程度である。また製造される積層体5の用途は、主として電気絶縁材料として、電動モータのスロットル、ウェッジ、キャップ等に使用されるが、これらに限定されるものではない。
先ず、積層体製造装置1の全体構成について説明する。この積層体製造装置1は、平面視で方形状をなす機台6の前部側(処理方向上流側)から後部側(処理方向下流側)に対し、各基材を上下方向に3層のサンドイッチ構造に重ねるように供給する基材供給部7と、供給される各基材を3層に1次圧着処理する第1圧着部8と、1次圧着処理された積層体5を下流側で張り支持する張り制御部9と、該張り制御部9から供給される積層体5を制御速度によって2次圧着処理する第2圧着部10とからなる圧着処理装置11と、圧着処理完了後の積層体5を回収する回収部12を、各ユニット構造によって着脱自在に設置している。これにより積層体製造装置1は、本発明による製造方法によって、前記第1基材2の表面(上面)と裏面(下面)に、それぞれ第2基材3と第3基材4とを加熱圧着して所定の積層体5を能率よく製造することができる。
以下、上記各部の構成及び作用について詳述する。先ず、基材供給部7は、機台6から立設される左右の縦フレーム13に、各基材をロール状に巻付けたリール14を上中下段に着脱自在に軸支すると共に、左縦フレーム13側に設置されて各リール14を繰出し送り方向とは逆向きの左回転駆動をさせるモータ14aを備える基材支持装置16と、左右の縦フレーム13の間で上中下段に配設されて、繰出される各基材を下流側に送り案内する基材ガイド機構17を有する基材ガイド装置18とから構成している。そして、基材供給部7の基材ガイド装置18と第1圧着部8との間の基材供給路には、横向き杆状の支持部19aを有する圧着中断支持具19を上下に対向させて設けている。
この圧着中断支持具19は、積層体製造装置1の運転開始時や停止時及び製造作業を一時的に中断するとき等、つまり各基材を圧着形成しない圧着中断時に、第2基材3と第3基材4とを、それぞれ供給姿勢と非供給姿勢(非圧着形成姿勢)とに切換えて支持する。 即ち、図1,図2に示すように圧着中断支持具19は、基材ガイド装置18の左右で上部と下部に突設した筒状のホルダ18aに、支持部19aの両端に形成される縦杆を上下調節自在に取付けている。これにより支持部19aは、図1に実線で示す前記基材供給路から退避した供給姿勢と、点線で示す非供給姿勢とに簡単に切換えることができる。従って、圧着中断支持具19は供給姿勢から非供給姿勢に操作されるとき、上下に対設される支持部19aが、それぞれ第2基材3と第3基材4を第1圧着部8の圧着部のロール接線側に向けて押動移動し、各ロールから離間させ接触しない位置に支持するため、圧着中断時におけるロール熱による各基材の加熱変形等を防止することができる。
次に、図1,図2及び図3〜図13を参照し圧着処理装置11について説明する。先ず、第1圧着部8は、機台6から立設される左右の縦フレーム20に、上下一対のロール21,22を後述する支持構造によって設け、両者間で各基材を内向き回転によって圧着する所定の加圧幅を有する圧着部を形成するように軸支している。上側のロール21は、ロール外周の加圧面をゴム製とし内部に温度調節自在な加熱構造を有して、左縦フレーム20側に取付けられる回転制御用のロールモータ23によって駆動する。下側のロール22は、加圧面をロール本体と同じ金属製で滑らかな表面とし内部に上記と同様な加熱構造を有して、図3に示すような軸間調節機構24によってロール21との圧着間隔(軸間)を調節自在とするように遊転(従動)自在に軸支している。尚、上記ゴム製のロール21は、在来のものと同様な構成によって金属製のロール本体の外周に合成ゴム又はプラスッチック材からなる加圧面を形成している。
これにより第1圧着部8において、上側に位置して駆動回転するゴム製のロール22は、加圧面特有の弾性と優れた摩擦力によって基材表面での回転スリップを防止しながら、下側の金属製のロール21との間で積層体5を確実に加熱圧着送りをする。またロール21は処理方向下流側に向けて移動される積層体5の下層を形成する第3基材4との接触によって内向きに転接回転(従動回転)をする。このとき各基材は基材支持装置16の各リール14と第1圧着部8との間で、ロール21,22による挟持送りと前記各モータ14aによる左回転によって緊張状態で張り支持されながら、各リール14から皺や弛みを生ずることなく繰り出されることになる。
また上記各一対のロール21,22は、共にロール本体内に流体を温度調節設定自在に内蔵しており、制御盤側から流体を製造適正温度に設定操作することにより、内部加熱によって各ロール21,22を製造温度に設定するように構成されている。尚、実施形態においてロール21,22は、圧着面の幅を700mm程度とし、外形を200mm程度とし、重量は150kg程度としている。また各ロール21,22の圧着面の加熱温度は、加熱構造によって常温から300℃程度であり、実施形態の場合の製造温度は200℃〜250℃に設定している。またロールモータ23によるロール最大回転数は15rpm程度としており、実施形態の製造設定回転数は3〜8rpm程度にしている。
軸間調節機構24は図3,図4,図5で示すように、ロール22の両端を左右の縦フレーム20内で上下方向にスライド自在に嵌合させた各軸支ガイド26に軸支しており、左右の軸支ガイド26は下部を軸支部材27によって横方向に連結している。そして、軸支部材27はその中央部を径大な2段伸縮作動型の主シリンダ(大口径シリンダ)28によって、また軸支部材27の両端部を径小な補助シリンダ(小口径シリンダ)29を介して、機台6に昇降調節自在に支持にしている。これにより軸間調節機構24は図示を省略する制御盤の操作によってエアーを供給制御し、主シリンダ28を縮動させてロール22を下降すると、図3に実線で示すように機台6側のストッパ6aに接当支持させた下降位置(圧着中断位置)において、上側のロール21と下側のロール22との間に圧着部を上下方向に大きく離間させて開放する圧着開放間隔を速やかに形成することができる。尚、各補助シリンダ29は主シリンダ28に追動可能に制御される。
そして、軸間調節機構24は主シリンダ28を伸動させると、軸支部材27を介し下側のロール22を圧着作業位置に上昇させることができ、次いで左右の補助シリンダ29を択一的に伸動することにより、ロール22を図3に2点鎖線で示すセット上昇位置(圧着位置)に補正上昇させて、各基材に左右方向の圧着ムラを生じさせない適正圧着位置に位置決めすることができる。即ち、この積層体製造装置1の第1圧着部8と後述する第2圧着部10は、軸支部材27の中央部に設ける主シリンダ28の大出力によって、下側のロール22,(21)の昇降動作を無理なく速やかに行うと共に、左右の補助シリンダ29の選択作動によって適正圧着位置への精度の高い位置決め作業を簡単且つ容易に行うことができる。
尚、ロール22の位置決め作業は製造運転に先立ち、ロール21とロール22によって形成される圧着間隔内に、例えばロール長さと同等の幅を有する感圧紙等のサンプルシートを挿入して第1圧着部8を試し回転させ、該サンプルシートが圧着によって発色表示する状況等を外観して圧着ムラや皺並びに浮き等を判断し、当該圧着ムラ等を解消する方向の補助シリンダ29を伸動してロール22の適正圧着位置を設定すると共に、第2圧着部10に対しても同様な位置決め作業を行う。そして、前記圧着中断支持具19を図1の実線で示す供給姿勢にした状態で積層体製造装置1による積層体製造試し運転を行いながら、下側のロール22,(21)の最終の適正圧着位置を位置決めすることによって製造運転を行う。尚、上記ロール22の適正圧着位置は、補助シリンダ29によって設定保持するので、運転停止や緊急停止時にロール22を下降したのち再上昇させたときの再設定は不要である。
また図3〜図5に示すように第1圧着部8は、ロール21,22の左軸端側に取付けたロール径より小径のギヤ21a,22aと、左縦フレーム20側に位置決め用の支持具30を介して設けられるカウンタギヤ31等からなる圧着中断回転機構32を設置することにより、圧着中断時に下降動作したロール22をロール21からカウンタギヤ31を介して回転駆動する。この圧着中断回転機構32は、上記支持具30に前後方向に進退移動自在に支持される軸支杆33の先端にカウンタギヤ31を設けている。これにより図7に示すように圧着中断時において、ギヤ21aと下降動作したロール22のギヤ22aとにカウンタギヤ31を噛合させロールモータ23を駆動すると、ロール21のギヤ21aからカウンタギヤ31とギヤ22aを介してロール22を容易に回転駆動することができる。
従って、第1圧着部8は、積層体5の製造を停止又は一時的に休止させる非作業時並びに作業開始時等の圧着中断時において、ロールモータ23を駆動することにより、加熱状態にある各ロール21,22の回転を停止させることなく回転駆動することができるため、回転停止に伴う加熱ムラによって惹き起こされるロールの熱変形や、周囲を局所的に過熱させる不具合並びに積層体5の過熱等を防止することができる。また作業運転停止時における、ロール自身の自然冷却を万遍なく行わせることができる等の特徴がある。
また第1圧着部8は図1,図2,図5に示すように、第2基材3と第3基材4とをそれぞれ圧着部に向けて誘導案内する案内ローラ34,34aを配設している。この案内ローラ34,34aは、それぞれ縦フレーム20の内側に揺動回動自在に軸支されるアーム36,36aの先端に軸支し、且つ図5に示すアーム36,36aを水平姿勢から上方に向けて略60度の角度範囲内で位置決め設定自在に支持している。これにより案内ローラ34,34aは、平面視で各ロール21,22と平行に支持した状態で、基材の特性や送り速度に対応した適正位置に調節固定することができる。そして、案内ローラ34,34aは、第2基材3と第3基材4とに対し所定の供給(送り)角度を保持させて各ロール21,22のロール熱を伝え適正余熱を行いながら、第1圧着部8の圧着部にスムーズに誘導案内して適正な加熱圧着を可能にする。
次に、第2圧着部10について説明する。第2圧着部10は前記第1圧着部8のロール配置構造に対し、ロール21,22を図1に示すように上下に反転させて設置している点で異にしており、他の構成については同様の構造にしている。従って、軸間調節機構24及び圧着中断回転機構31並びにその作用等の重複する説明は省略する。即ち、第2圧着部10は、その上流側に案内ローラ34,34aを除去した状態で張り制御部9を配置している。また第2圧着部10は、左右の縦フレーム20に金属製のロール22を軸支すると共に、ロールモータ23を有するゴム製のロール21を軸間調節機構24によって昇降自在に支持して両者間で圧着部を形成している。
これにより第2圧着部10は、第1圧着部8で形成され張り制御部9から供給される積層体5を、ゴム製のロール21が第3基材4側を支持し金属製のロール22が第2基材3側に接して転動(従動)し、第1基材2を挟んで圧着処理をしながら下流側の回収部12に送り出す。従って、圧着処理装置11は、各基材に対し第1圧着部8のゴム製のロール21による上側送り駆動による第1段階の1次圧着処理と、第2圧着部10のゴム製のロール21による下側送り駆動による第2段階の2次圧着処理とを一連に行い積層体5を所定の製品にすることができる。
即ち、上記一対のロール21,22は、前記加熱構造にしていることから、積層体製造に適正な温度を例えば230℃に設定した場合に、金属製のロール21の表面温度は略230℃になる。一方、ゴム製のロール22の表面温度は、熱伝導等の要因によって215℃程度になり、温度差を有した状態で加熱圧着送りをして1次圧着処理を行うことになる。そこで、圧着処理装置11は、各基材に対し第1圧着部8による1次圧着処理と第2圧着部10による2次圧着処理とを行なうとき、ゴム製のロール21による圧着送り駆動の位置を上下に異ならせて配設することにより、プラズマ表面処理された各基材を一側(表面)から1次圧着処理したのち他側(裏面)から2次圧着処理を行ない、積層体5の全体を圧着ムラなく確実に接着して製造できる。
つまり、積層体5は1次圧着処理において、表面温度215℃程度のゴム製のロール22による延伸作用で基材分子の縦横の延伸配向が行われるとき、積層体5の表面側はやや接着不足の現象を生じながら、第2圧着部10に至る間に冷却降温して結晶化が進行され熱収縮した状態になる。次いで、上記積層体5は2次圧着処理において、金属製のロール22(表面温度230℃程度)による加熱圧着送りに伴う延伸作用により基材分子の延伸配向が行われ、次いで回収部12に送り出されて冷却作用により結晶の安定化等が行われ前記接着不足が解消される。また積層体5の裏面側も上記のような1次圧着処理と2次圧着処理とが行なわれて接着される。これにより積層体5は、皺や気泡並びに弛みのない高品質な製品として製造される。
また積層体製造装置1は運転時に、第1圧着部8のロールモータ23の回転数を、複数の基材を適正に1次圧着処理する基準回転(1次処理速度)に設定すると共に、上記基準回転による1次圧着処理時に積層体5が熱収縮によって縮む長さ(収縮量)を勘案したスムーズな2次圧着処理を行うように、第2圧着部10のロールモータ23の回転数を上記基準回転より低回転に補正した補正回転(2次基準処理速度)に設定して加熱圧着送りをする。これにより積層体製造装置1は、第1圧着部8と第2圧着部10の間隔を一定とし且つ同じ送り速度にした場合に生ずる、収縮量よりも縦延伸量が過剰になることによる基材の不適正な分子配向に伴う強度及び伸度の低下を解消する。
次に、図1,図2,図3,図8〜図13を参照し張り制御部9について説明する。この張り制御部9は、第1圧着部8と第2圧着部10とで挟持送りされる積層体5を、両者の圧着部の間で前後方向の支持間隔を有して支持する前ローラ37と後ローラ37aとを、機台6から立設される左右の縦フレーム38の上部に回転自在に軸支している。そして、前ローラ37と後ローラ37aとの支持間隔の下方に、積層体5を下向きに押接して適正圧で張り支持する制御ローラ39を設けることにより、積層体5の屈曲送り経路を形成して張り長さを可変自在に張り支持すると共に、第2圧着部10の回転を制御するローラ制御機構40を構成している。
上記ローラ制御機構40は図8,図9,図10に示すように、制御ローラ39を軸支する左右のアーム41を、左右の縦フレーム38の中途を連結する横フレーム38aにメタルを介して軸支される支点軸42に突設している。また各アーム41の先端には、ワイヤ43を介して所定重量のウエイト44を取付けている。そして、第1圧着部8側から送り出される積層体5は、前側ローラ37と後側ローラ37aとに張り渡して支持した状態で、両者の間で積層体5を制御ローラ39によって表面側から下向きに押接することにより、側面視でV字状に屈曲した送り経路を形成しその張り長さを有して、且つウエイト44等の重量を付与して張設される。
またローラ制御機構40は、制御ローラ39が積層体5を張り案内する位置(張設位置)を検知する検知装置46を設けており、該検知装置46による制御ローラ39の検知位置信号によって制御盤を介し第2圧着部10のロールモータ23を回転制御することにより、2次処理速度を自動的に調節しながら2次圧着処理を適正に行なう。即ち、実施形態における検知装置46は図8に示すように、制御ローラ39と支点軸42とが略水平状になるアーム41の上方と下方に所定距離を有して取付けた各ブラケット47に、アーム41を検知する上位置センサユニット48と下位置センサユニット49とを検知位置調節自在に取付けている。
この上位置センサユニット48と下位置センサユニット49は、各ブラケット47の長孔に一対のセンサ素子50,50aとセンサ素子50b,50cとを、それぞれ上下方向に位置調節自在に取付けて、アーム41の検知位置を調節することができるように構成している。尚、図示するセンサ素子50,50a,50b,50cは、いずれも近接スイッチを使用しているが、これに限ることなく制御ローラ39の位置を直接的に検知する各種センサや、支点軸42の回動量を検知するエンコーダ等の検知手段によっても、同様な制御を行うことができる。
上記構成による張り制御部9は、図11,図12,図13で示す制御態様によって第2圧着部10の回転制御を行なう。即ち、図11に示すようにアーム41がセンサ素子50aとセンサ素子50bの間にある場合には、アーム41は両者間の不感帯域にあるため検知されずにセンサ(スイッチ)信号はOFFであり、第2圧着部10のロールモータ23は、予め設定されている前記収縮量を勘案した補正回転によってロール21,22による2次圧着を行い続ける。このとき前記V字状の屈曲送り経路による積層体5の張り長さは、積層体5に生ずる収縮量が標準値(平均値)範囲内であるとして、制御ローラ39がアーム41を前記不感帯域に保持する適正張り長さとなっている。尚、上記標準値は、第1圧着部8による1次圧着処理時に生ずる所定長さ当たりの収縮量を平均した値である。
そして、図12に示すように第1圧着部8による積層体5の収縮量が標準値より小さくなって張り長さが増大するとき、アーム41が下降回動しこれをセンサ素子50bが検知してONすると、制御盤を介して増速信号を発しロールモータ23を上記補正回転よりも増速回転させる。これにより第2圧着部10のロール21,22は増速回転によって積層体5を高速送りをして増大している張り長さを短くする結果、アーム41は制御ローラ39を介して上方移動し不感帯域になり、センサ素子50bをOFFにしロールモータ23を補正回転に復帰させる。
また図13に示すように積層体5の収縮量が標準値より大きくなって張り長さが減少するとき、アーム41は上昇回動しこれをセンサ素子50aが検知してONすると、制御盤を介して減速信号を発しロールモータ23を補正回転よりも減速回転させる。これにより第2圧着部10のロール21,22は減速回転によって積層体5を低速送りをし、減少している張り長さを長くする結果、アーム41は制御ローラ39を介して下方移動し不感帯域になり、センサ素子50bをOFFにしロールモータ23を補正回転に復帰させる。尚、センサ素子50は、積層体5が装置の故障等のトラブルによって張り過ぎ状態になったことを検知して、トラブル対応をさせる検知手段であり、センサ素子50cは積層体5が切断状態になったことを検知して、積層体5或いは装置の故障等のトラブル対応をさせる検知手段である。
このように張り制御部9は、第1圧着部8から異なる熱収縮を生じる収縮状態で送り出される積層体5の張り長さの変化に伴い、第2圧着部10の圧着送り速度を制御することができる。即ち、第1圧着部8の1次圧着処理によって積層体5の収縮量が標準値より大きい場合には、第2圧着部10が予め設定されている補正回転に対し、2次圧着処理時の送り速度を下げて張り長さを大きくするため、第1圧着部8と第2圧着部10との間で積層体5を強く引張って緊張させる事態を回避する。これにより適正な張り長さを維持し積層体5に無理を生じさせることなく、第2圧着部10による2次圧着処理をスムーズに行なわせて、積層体5の劣化や損傷を防止した積層体5の製造を行う。
また第1圧着部8の1次圧着処理による積層体5の収縮量が標準値より小さい場合には、第2圧着部10の2次圧着処理時の設定送り速度によっては、積層体5の張り長さが次第に大きくなって適正な張設が行われないで弛むため、第2圧着部10では皺や緩みを伴った積層体5が製造される欠点がある。この場合に張り制御部9は、第1圧着部8から送り出される収縮量が僅少な積層体5による張り長さの増大変化に伴い、第2圧着部10が前記補正回転に対し2次圧着処理時の送り速度を上げて張り長さを小さくするため、第1圧着部8と第2圧着部10との間で積層体5が大きく緩む事態を回避しながら、適正な張り長さを維持し積層体5に皺や弛みを生じさせることなく第2圧着部10による2次圧着処理をスムーズに行なわせて積層体5の製造を行なう。
また張り制御部9は、1次圧着処理された積層体5をV字状の屈曲送り経路による長い送り距離によって十分に冷却(放熱)したのち第2圧着部10に送るようにできるため、第2圧着部10は1次圧着処理が化学的に安定化された積層体5を、前記したように下側にゴム製のロール22が配置された2次圧着処理を効果的に行なって、各基材の圧着接合を均質にし高品質な積層体5を製造することができる。
次に、図1,図2を参照し回収部12について説明する。この回収部12は第2圧着部10の後方に設置される積層体ガイド装置51と、該積層体ガイド装置51の後方に設置される積層体巻取装置52とからなる。積層体ガイド装置51は、第2圧着部10から送り出される積層体5を基材ガイド機構53によって皺や弛みを生じさせることなく下流側に送り案内する。積層体巻取装置52は積層体5を巻付ける巻取りリール14を左右の縦フレーム53に着脱自在に軸支すると共に、巻取りリール14を駆動する巻取りモータ14bを左縦フレーム53に設置した構成にしている。これにより回収部12は、第2圧着部10から送り出される積層体5を順次巻取り回収することができる。
次に、以上のように構成される積層体製造装置1の使用態様及び積層体の製造方法等について説明する。先ず、この積層体製造装置1に使用する各基材は、予めプラズマ表面処理された前記材質の第1基材2と第2基材3と第3基材4であり、それぞれロール巻状態で基材供給部7にセットして製造が行われる。この際の、第1圧着部8の圧着送り速度は1m/分に設定し、且つ第2圧着部10の圧着送り速度は1次圧着処理時の収縮量の標準値を勘案して0.98m/分程度に設定すると共に、張り制御部9の増速指令による増速送り速度を0.99m/分程度とし、且つ減速指令による増速送り速度を0.97m/分程度としている。また第1圧着部8の圧着温度は230℃程度とし、第2圧着部10の圧着温度は230℃程度にしている。また第1圧着部8の加圧力は20〜50N/cm程度とし、第2圧着部10の加圧力は第1圧着部8と同程度としている。
これにより積層体製造装置1は、基材供給部7から繰り出す各基材を、第1圧着部8による1次圧着処理によって形成された積層体5を、張り制御部9に張り支持して第2圧着部10に送り、2次圧着処理された積層体5を回収部12の積層体巻取装置52に巻取りセットした図1に示す製造状態となし、前記した試運転によって製造作業の確認を行ったのち、製造運転を始めることにより積層体5の製造作業を連続的に行う。
そして、積層体製造装置1は、第1圧着部8と第2圧着部10との間に、第1圧着部8によって形成された積層体5を、前後方向の支持間隔を有して支持する前ローラ37と後ローラ37aと、両者の間で積層体5を一側に向けて押接する制御ローラ39と、該制御ローラ39の位置を検知して第2圧着部10のロール21,22の圧着送り速度を制御する検知装置46等からなる張り制御部9を構成しているため、第1圧着部8で形成される積層体5の収縮量の変化に対応した第2圧着部10による2次圧着処理を適正に行う。
即ち、第1圧着部8と第2圧着部10との間に設置した張り制御部9によって、積層体5の屈曲送り経路を形成して張り長さを可変自在に張り支持する制御ローラ39の張り位置を検知装置46によって検知させて、張り制御部9が積層体5の適正張り長さより大きいことを検知したとき、第2圧着部10の圧着送り速度を上げる。一方適正張り長さより小さいことを検知したときは、第2圧着部10の圧着送り速度を下げるように制御することにより、第1圧着部8による1次圧着処理後の積層体5の収縮量に適応させた第2圧着部10による2次圧着処理を行なう方法によって積層体5を製品化することができる。
従って、複数の基材を重ね合せて加熱圧着する1次圧着処理時に第1圧着部8から異なる収縮量で送り出される積層体5を、屈曲送り経路を介して第2圧着部10が引っ張り過ぎたり緩み過ぎたりさせることなく、安定姿勢で張り支持した状態で第2圧着部10に送る。そして、第2圧着部10に送られる積層体5は、2次圧着処理時に皺や気泡を生じさせることなく均質な加熱圧着がスムーズに行なわれ、高品質な積層体5の製造を能率よく行うことができる。また1次圧着処理後の積層体5は張り制御部9の屈曲送り経路によって冷却されながら接着(延伸接着)が安定化された状態で第2圧着部10に送られるので、第2圧着部10による2次圧着処理を効率よく確実にすることができ、また材質の異なる各種の基材に対する圧着処理の汎用性も向上する。
また積層体製造装置1は、第1圧着部8と第2圧着部10とが有する上側のロール21,22に対し下側のロール22,21を、その軸支部材27を機台6から中央部に設置される進退作動用の主シリンダ28によって昇降自在に支持する。これと同時に該主シリンダ28の両側に設置される補助シリンダ29によって上下動自在に支持していること、及び第1圧着部8の圧着部の前方に、供給される第2基材3及び第3基材4を供給姿勢から圧着部側に押動して圧着中断姿勢に支持する上下一対の圧着中断支持具19を設けているので、運転を一次的に中断をして行う基材の交換や補充並びに点検や修理等の各種メンテナンス作業等の中断作業を、基材や積層体5の損傷を防止しながら能率よく簡単にすることができる。
即ち、中断作業を行なう際には積層体製造装置1の運転停止状態において、先ず、第1圧着部8と第2圧着部10とを、両者が備える主シリンダ28と補助シリンダ29とを退動作動すると、下側のロール22,21を共に下降させて上側のロール21,22との間に、圧着部を上下方向に大きく開放させた圧着開放間隔を速やかに形成することができる。そして、圧着中断支持具19を図1に点線で示すように圧着中断姿勢に切換えることにより、供給姿勢にある第2基材3及び第3基材4を押動移動し圧着部と略同じ水平レベルとなる圧着中断姿勢にすることができ、上記各基材を第1圧着部8のロール21,22から離間させた接触防止状態に安定支持することができる。
これにより積層体5は、圧着中断支持具19と張り制御部9と積層体ガイド装置51等を介して略水平状態に保持されたまま、第1圧着部8と第2圧着部10との圧着挟持を解除して、基材自重によって上側のロール21,22から離間させたフリー状態に支持することができ、圧着中断時に各ロール21,22から離間させることができる。その結果ロール熱による影響を回避して積層体5の変形や劣化も防止することができる。尚、積層体製造装置1が何らかの原因で緊急停止をするときは、先ず下側のロール22,21が自動的に下降作動する。このとき圧着中断支持具19も自動的に圧着中断姿勢に切換るようにしてもよい。
一方、各対をなすロール21,22の軸端に設けるギヤ21a,22aに、カウンタギヤ31を噛合自在にする圧着中断回転機構32を備えている積層体製造装置1は、ギヤ21a,22aにカウンタギヤ31を噛合させた状態でロールモータ23を駆動することにより、ロールモータ23を備えている第1圧着部8と第2圧着部10のロール21,22から、これに圧着開放間隔を有して対向し遊転状態で軸支されているロール22,21を共に回転させるので、各ロールの放熱の均質化を促進し偏過熱に伴うロール変形等を防止することができる。
このように圧着中断を行うことができる積層体製造装置1は、特に中断作業頻度が多い各基材の補填作業を行なうときに、各ロールが常温に冷却される長い冷却待機時間を必要とすることなく、また各基材や積層体5を装置から取り除く等の煩雑な準備作業を省略しながら、単に基材供給部7側で、新たなロール巻状の基材を交換セットするだけで補填作業を能率よく容易にすることができる。尚、圧着中断状態の解除は、運転開始時と同様に各ロール温度が所定の設定温度に昇温したときに行う。
上記各基材の補填作業は、新たな基材の先端部を前工程の基材の終端部に接合させて基材供給装置7にセットして基材補填作業を行ったのち、圧着中断状態にある前記各部を製造作業状態に復帰させることにより、積層体5の製造作業状態に速やかに復帰させることができる。従って、本発明による製造方法及び積層体製造装置1によれば、高品質な積層体5を能率よく製造することができると共に、中断作業やメンテナンス作業を容易にすることができる等の特徴がある。
尚、実施形態の積層体製造装置1は、水平方向の処理経路を構成して積層体5を製造する方法のものを示したが、これに限定することなく必要により垂直方向の処理経路を構成して積層体5を製造することもできる。またロール21,22は必要により共にゴム製のロール又は金属製のロールにした状態で対設することもできる。また上記積層体製造装置1では、プラズマ表面処理をされた3種の基材を加熱圧着して積層体5を製造する例について説明したが、この積層体製造装置1によれば、基材の数は2種並びに4種以上でもよく、また接着剤を用いて複数の基材を接合して積層体5を製造することもできる。尚、接着剤を使用する場合には、第1圧着部8の前方に接着剤の供給塗布装置をアタッチメント的に付加する等の多機能化によって簡単に行うことができる。
1 積層体製造装置
2 第1基材
3 第2基材
4 第3基材
5 積層体
6 機台
8 第1圧着部
9 張り制御部
10 第2圧着部
19 圧着中断支持具
21,22 ロール
21a,22a ギヤ
23 ロールモータ
27 軸支部材
28 主シリンダ
29 補助シリンダ
30 支持具
31 カウンタギヤ
32 圧着中断回転機構
33 軸支杆
37 前ローラ
37a 後ローラ
39 制御ローラ
46 検知装置

Claims (6)

  1. 複数のフィルム状基材を第1圧着部(8)に供給し一対のロール(21),(22)によって加熱圧着送りをする1次圧着処理により形成した積層体(5)を、第2圧着部(10)に供給して一対のロール(21),(22)によって加熱圧着送りをする2次圧着処理を行い積層体(5)を製造する積層体の製造方法において、
    前記第1圧着部(8)と第2圧着部(10)との間に、積層体(5)の屈曲送り経路を形成して張り長さを可変自在に張り支持する制御ローラ(39)と、該制御ローラ(39)の張り位置を検知する検知装置(46)とからなる張り制御部(9)を設け、該張り制御部(9)が積層体(5)の適正張り長さより大きいことを検知したとき、第2圧着部(10)の圧着送り速度を上げると共に、適正張り長さより小さいことを検知したとき、第2圧着部(10)の圧着送り速度を下げるように制御することにより、第1圧着部(8)による1次圧着処理後の積層体(5)の収縮量に適応させた第2圧着部(10)による2次圧着処理を行なう積層体の製造方法。
  2. 供給される複数のフィルム状基材を、加熱圧着送りをする一対のロール(21),(22)を有する第1圧着部(8)と、該第1圧着部(8)の1次圧着処理により形成した積層体(5)を加熱圧着送りをする一対のロール(21),(22)を有する第2圧着部(10)とを備えた積層体製造装置1において、
    前記第1圧着部(8)と第2圧着部(10)との間に、第1圧着部(8)によって形成された積層体(5)を、前後方向の支持間隔を有して支持する前ローラ(37)と後ローラ(37a)と、両者の間で積層体(5)を一側に向けて押接する制御ローラ(39)と、該制御ローラ(39)の位置を検知して第2圧着部(10)のロール(21),(22)の圧着送り速度を制御する検知装置(46)とからなる張り制御部(9)を設けた積層体の製造装置。
  3. 前記第1圧着部(8)と第2圧着部(10)とが有する上側のロール(21),(22)に対し、下側のロール(22),(21)を、該下側のロール(22),(21)をそれぞれ軸支する軸支部材(27)をその中央部に機台(6)側から設置される進退作動用の主シリンダ(28)によって昇降自在に支持すると共に、上記軸支部材(27)の両端側を主シリンダ(28)の両側に設置される微小進退作動用の補助シリンダ(29)によって上下動自在に支持する請求項2記載の積層体の製造装置。
  4. 前記一対のロール(21),(22)の軸端にロール径より小径のギヤ(21a),(22a)を設けると共に、該ギヤ(21a),(22a)に係脱自在に同時噛合させるカウンタギヤ(31)を設ける請求項2又は3記載の積層体の製造装置。
  5. 前記一対のロール(21),(22)を、駆動回転させるロール(21)の加圧面をゴム製にすると共に、積層体(5)を介して従動回転させるロール(22)の加圧面を金属製にする請求項2又は3又は4記載の積層体の製造装置。
  6. 前記第1圧着部(8)のロール(21),(22)によって形成される圧着部の前方に、基材を圧着部に向けて供給する供給姿勢と、基材を供給姿勢から圧着部のロール接線側に押動して支持する非供給姿勢とに切換える圧着中断支持具(19)を設ける請求項2又は3又は4又は5記載の積層体の製造装置。
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