JP2015103727A - 垂直共振器型面発光レーザの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱酸化の方法によって電流狭窄層を形成する際に、従来よりも基板面内の温度分布を均一化する。【解決手段】垂直共振器型面発光レーザ1の製造方法であって、第1および第2の反射鏡層12,16、活性層14、ならびに電流狭窄構造となる被酸化層23を含む積層体を基板の上に形成するステップと、少なくとも被酸化層23の側面が露出するように、積層体を加工するステップと、積層体を加工した後に、被酸化層23を側面から酸化することによって電流狭窄構造を形成するステップとを備える。上記の電流狭窄構造を形成するステップは、基板SUBが伝熱部材61の熱放射面66に対向するように、伝熱部材61の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する支持部材63によって基板SUBの一部を支持するステップと、被酸化層23を酸化するためのガスを導入するステップと、伝熱部材61および支持部材63をそれぞれ直接または他の部材を介して加熱するステップとを含む。【選択図】図15
Description
この発明は、垂直共振器型面発光レーザの製造方法に関する。
垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)は、基板面と垂直方向に光共振器を形成することにより、基板面と垂直方向にレーザ光を出力する装置である。通常、VCSELでは、電流を発光領域に集中させるために電流狭窄構造が形成される。
電流狭窄構造として多くの場合、AlAs(アルミニウム・ヒ素)層の外周側を酸化することによって形成された開口構造が利用される。具体的には、AlAs層の側面が露出するようにメサ型に加工した積層体(酸化対象物)が形成された基板を400〜500℃の加熱水蒸気中に保持することによってAlAs層の酸化が実行される。この場合、酸化速度にばらつきが生じないようにするために基板面内の温度分布は±0.5℃以内であることが望ましい。
基板面内の温度分布を均一化させる方法として、たとえば、特開2011−18876号公報(特許文献1)に記載されるように熱放射(熱輻射)を用いて加熱する方法が知られている。この文献の方法では、試料トレイと称する伝熱部材(熱放射面を有する)の周囲の凸状の壁には、互いに120度離れた3か所に突起が形成されている。基板は、この3点の突起で支持される。
この発明の発明者は、基板を支持するための支持部材を介した熱の流入または流出が、基板温度の面内分布が不均一になる主要因であることを見出した。たとえば、上記の特開2011−18876号公報(特許文献1)に記載の基板加熱方法では、基板に放射熱を与える熱放射部と基板を支持する支持部材とが同一材料で一体形成されているために、基板支持部材との接触点での基板温度は基板中央部での温度に比べて高くなる。このため、基板温度の面内均一性を得ることができない。その結果、基板内の各VCSELの酸化の程度のばらつきが大きくなる。
この発明は、上記の問題を考慮してなされたものであり、その目的は、垂直共振器型面発光レーザの製造において、加熱酸化の方法によって電流狭窄層を形成する際に、従来よりも基板面内の温度分布を均一化することである。
この発明は、垂直共振器型面発光レーザの製造方法であって、第1および第2の反射鏡層、活性層、ならびに電流狭窄構造となる被酸化層を含む積層体を基板の上に形成するステップと、少なくとも被酸化層の側面が露出するように、積層体を加工するステップと、積層体を加工した後に、被酸化層を側面から酸化することによって電流狭窄構造を形成するステップとを備える。上記の電流狭窄構造を形成するステップは、基板が伝熱部材の熱放射面に対向するように、基板の一部を支持部材で支持するステップと、伝熱部材および支持部材をそれぞれ直接または他の部材を介して加熱するステップとを含む。支持部材の熱伝導率は、伝熱部材の熱伝導率より小さい。
上記構成によれば、各支持部材の熱伝導率を伝熱部材の熱伝導率よりも小さくすることによって、支持部材を介した熱伝導による基板加熱を抑制することができる。この結果、基板面内の温度分布を従来よりも均一化することできる。
一実施の形態において、支持部材は、伝熱部材に取り付けられている。この場合、上記の加熱するステップにおいて、支持部材は、伝熱部材を介した熱伝導によって加熱される。
上記の一実施の形態において、さらに好ましくは、支持部材は、基板の一部が載置される載置面と、載置面の反対側で伝熱部材と接触する底部接触面と、載置面と底部接触面とに挟まれた中間部とを含む。中間部の内部のみ又は中間部の内部および表面のみを通って、底部接触面の少なくとも一部の領域内の第1の点から載置面の少なくとも一部の領域内の第2の点に至る最短経路は、第1の点および第2の点を結ぶ直線の長さよりも長い。
上記の条件を満たすように支持部材を成形および/または加工することによって、直線的な熱伝導経路の場合に比べて、底部接触面から載置面上の基板に至るまでの熱伝導経路をより長くすることができる。このため、熱伝導経路における熱放射の量がより多くなり、熱伝導によって単位時間当たりに基板に与えられる熱量をより少なくすることができるので、支持部材を介した基板加熱を抑制することができる。
上記の一実施の形態において、さらに好ましくは、支持部材は、基板の一部が載置される載置面と、載置面の反対側で伝熱部材と接触する底部接触面と、載置面と底部接触面とに挟まれた中間部とを含む。底部接触面の面積は、中間部のうち載置面に隣接する部分を載置面と平行な面で切断したときの断面積よりも小さい。
上記構成によれば、底部接触面の面積をより小さくすることによって、底部接触面から単位時間当たりに支持部材に流入する熱量を低減することができるので、支持部材を介した熱伝導による基板加熱を抑制することができる。
上記の一実施の形態において、さらに好ましくは、基板の一部が載置される載置面および伝熱部材と接触する接触面を除く支持部材の表面の少なくとも一部には、放熱のための複数の凸部が形成されている。
上記構成によれば、より多くの熱が支持部材の表面から放出されるので、支持部材を介した熱伝導による基板加熱を抑制することができる。
好ましい他の実施の形態によれば、上記の加熱するステップにおいて、伝熱部材および支持部材はそれぞれ独立の発熱源を用いて加熱される。この構成によれば、各発熱源の発熱量を調整することによって、基板面内の温度分布を従来よりも均一化することできる。
上記の各構成において、好ましくは、支持部材は、伝熱部材の熱放射面を取り囲むように1または複数個配置され、基板の外周部を支持するように構成される。さらに好ましくは、伝熱部材の熱放射面に垂直な方向から見たとき、支持部材はリング状の形状を有する。
上記の構成によれば、より広い面積で基板と支持部材を接触させることによって、基板をより安定して支持することができる。さらに、支持部材との接触部における基板の局所的な温度上昇を抑制することができる。
したがって、この発明によれば、垂直共振器型面発光レーザの製造において、加熱酸化の方法によって電流狭窄層を形成する際に、従来よりも基板面内の温度分布を均一化することができる。
以下、各実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。以下では、VCSELの構成およびその製造方法について説明した後、この発明の特徴である基板加熱の方法について詳しく説明する。なお、以下の説明において、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない場合がある。
<第1の実施の形態>
[VCSELの構成]
図1は、第1の実施形態に係るVCSELの構成を模式的に示す平面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面構造を模式的に示す図である。図3は、図2の一部を拡大した図である。なお、図2および図3に示す断面図は模式図であって、図中の各層の厚みは実際のデバイスの厚みと比例関係にない。また、図2および図3の各層の厚みの比は完全に一致していない。図1〜図3において、基板10の面内方向がx方向およびy方向であり、基板10に垂直な方向がz方向である。
[VCSELの構成]
図1は、第1の実施形態に係るVCSELの構成を模式的に示す平面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面構造を模式的に示す図である。図3は、図2の一部を拡大した図である。なお、図2および図3に示す断面図は模式図であって、図中の各層の厚みは実際のデバイスの厚みと比例関係にない。また、図2および図3の各層の厚みの比は完全に一致していない。図1〜図3において、基板10の面内方向がx方向およびy方向であり、基板10に垂直な方向がz方向である。
図1〜図3を参照して、VCSEL1は、基板10と、N型半導体コンタクト層11と、半導体多層膜反射鏡層12,16と、クラッド層13,15と、活性層14と、半導体多層膜反射鏡層16の内部に設けられた電流狭窄層17と、P型半導体コンタクト層20と、アノード電極層21と、カソード電極層22とを含む。さらに、VCSEL1は、絶縁性保護膜25と、絶縁層26と、ボンディングパッド50,51A,51Bと、アノード配線52と、カソード配線53A,53Bとを含む。
この実施の形態では、基板10として半絶縁性を示すノンドープのGaAs(ガリウム・ヒ素)基板が用いられる。なお、図1〜図3の場合と異なるが、基板としてN型導電性を示すGaAs半導体基板を用いることもできる。この場合には、基板10の裏面にカソード電極層が形成される。
基板10上には、N型半導体コンタクト層11が形成される。N型半導体コンタクト層11の上に半導体多層膜反射鏡(DBR:Distributed Bragg Reflector)層12が形成される。
N型半導体コンタクト層11は、N型導電性を示す化合物半導体で形成され、たとえばAlXGa(1-X)As(アルミニウム・ガリウム・ヒ素)が用いられる。N型の導電性を与えるためにSi(シリコン)がドーピングされており、その濃度は、たとえば3×1018[cm-3]である。SiはGa(Al)サイトに配位してドナーになりやすい。N型半導体コンタクト層11は、カソード電極層22とのオーミック接触を確実にするために設けられている。
DBR層12は、N型導電性を示す化合物半導体で形成され、たとえばAl0.15Ga0.85AsとAl0.9Ga0.1Asとを光学膜厚1/4λずつ交互に積層した構造を含む。N型の導電性を与えるためにSi(シリコン)がドーピングされており、その濃度は、たとえば2〜3×1018[cm-3]である。
なお、AlXGa(1-X)As(アルミニウム・ガリウム・ヒ素)は、GaAsとAlAsとの混晶半導体であり、Al組成(X)が高いほどエネルギーギャップが広く、屈折率は低くなる。Al組成(X)に応じて格子定数がほとんど変化しないために、あらゆるAl組成(X)のAlXGa(1-X)As膜をGaAs基板上にエピタキシャル成長可能である。この明細書では、Al組成(X)を特定しない場合には、AlGaAsと記載する場合がある。
DBR層12の上に、レーザ光を発生する活性領域が形成される。活性領域は、クラッド層13,15と、クラッド層13,15に挟まれた光学利得を有する活性層14とによって構成される。活性層14には、量子井戸層と障壁層とを多重に積層した多重量子井戸(MQW:Multiple Quantum Well)が形成される。活性層14は、不純物を導入しないノンドープ領域である。
クラッド層13,15は、デバイスの抵抗値の設計に応じて、ノンドープにすることも部分的にドープすることもできる。本実施の形態では、N型およびP型DBR層12,16に接するクラッド層13,15の一部に、隣接するDBR層12,16と同じ導電型の不純物をドープしている。
活性領域の上に、P型の導電性を示す化合物半導体で構成された上層側のDBR層16が形成される。DBR層16は、電流狭窄層17を除いて、下層側(基板側)のDBR層12と同様に、たとえばAl0.15Ga0.85AsとAl0.9Ga0.1Asとを光学膜厚1/4λずつ交互に積層した構造を含む。P型の導電性を与えるために、C(カーボン)がドーピングされており、その濃度は、たとえば2〜3×1018[cm-3]である。CはAsサイトに配位してアクセプタになりやすい。
ここで、導電型を上記と逆にして、下層側のDBR層12の導電型をP型にし、上層側のDBR層16の導電型をN型としてもよい。なお、この明細書において第1および第2の導電型と記載した場合には、第1および第2の導電型のうち一方がP型であり、他方がN型である。
さらに、上層側のDBR層16の一部に、活性領域に効率よく電流を注入し、レンズ効果をもたらす電流狭窄層17が形成される。電流狭窄層17は中心部分の未酸化部19とその周囲のほぼ絶縁体の酸化部18とを有する。この構造は、電流狭窄層17となるべき被酸化層を0.95≦X≦1のAlXGa(1-X)Asで形成し(X=1の場合、すなわちAlAsを含む)、被酸化層を含むエピタキシャル多層膜をメサポスト形状に加工した後に、加熱水蒸気雰囲気下で被酸化層を周囲から選択的に酸化させることによって得られる。中心部分の未酸化部19のみが電流経路となるので、活性層14に効率よく電流を注入できる。
P型半導体コンタクト層20は、DBR層16上に形成される。P型半導体コンタクト層20の材料は、P型導電性を示す化合物半導体であり、たとえばAlGaAsが用いられる。P型の導電性を与えるためにC(カーボン)がドーピングされており、その濃度は、たとえば5×1019[cm-3]である。P型半導体コンタクト層20は、アノード電極層21とのオーミック接触を確実にするために設けられている。
アノード電極層21は、P型半導体コンタクト層20上に形成されている。図1の例では、アノード電極層21は、基板10を平面視して環状(リング状)の形状である。活性層14で発生した光は、アノード電極層21の中央部の出射開口を通って外部に出射される(なお、出射開口上に形成される絶縁性保護膜25は例えば透明のSiNによって形成されるので、出射光を遮らない)。アノード電極層21の形状は、必ずしも環状である必要はなく、C型形状でもよく、あるいは、出射開口を有する矩形形状であってもよい。
図2に示すように、上記の半導体多層膜11〜17,20は、メサポスト状に加工される。すなわち、VCSELとして機能する中央部以外の部分は、DBR層12が露出するまでエッチングされる。さらに、エッチングによって露出したDBR層12の一部は、N型半導体コンタクト層11が露出するまでエッチングされる。カソード電極層22は、この露出したN型半導体コンタクト層11上に形成される。図1に示す例では、カソード電極層22は、基板10を平面視して円弧状の形状である。
さらに、図2に示すように、VCSEL素子同士の境界部に、基板10の内部にまで達するアイソレーション溝42(絶縁溝)が形成されている。基板10に半絶縁性の半導体基板を用いるとともに、アイソレーション溝42を設けることによって、隣接するVCSEL素子間の電気的絶縁性を確実にすることができる。
絶縁性保護膜25は、アノード電極層21およびカソード電極層22以外の上述の各構造体の表面を被覆するように形成されている。絶縁性保護膜25は、たとえば窒化ケイ素(SiN)を材料とする膜である。
絶縁層26は、絶縁性保護膜25でボンディングパッド50,51A,51Bが設けられる位置の下部に予め形成される。絶縁層26の材料は、たとえばポリイミドなどの絶縁性の樹脂である。
アノード用ボンディングパッド50は、絶縁層26上において、2つのカソード用ボンディングパッド51Aおよび51Bの間に形成されている。ボンディングパッド50,51A,51Bは、ワイヤボンディングのために設けられる。アノード用ボンディングパッド50は、アノード配線52を介して、アノード電極層21に電気的に接続されている。カソード用ボンディングパッド51A,51Bは、カソード配線53A,53Bを介して、カソード電極層22に電気的に接続されている。
ある程度の厚みを有する絶縁層26上にボンディングパッド50,51A,51Bを設けることによって、ボンディングパッド50,51A,51BとDBR層12との間の寄生容量が低減される。なお、絶縁層26を省略することも可能である。
[Al組成分布]
図4は、図3の各層のAl組成の分布図である。図4の縦軸はAlXGa(1-X)AsのAl含有量(X)を示し、横軸はVCSELの深さ方向を任意単位(AU)で示す。X=0の場合はGaAsを意味し、X=1の場合はAlAsを意味する。
図4は、図3の各層のAl組成の分布図である。図4の縦軸はAlXGa(1-X)AsのAl含有量(X)を示し、横軸はVCSELの深さ方向を任意単位(AU)で示す。X=0の場合はGaAsを意味し、X=1の場合はAlAsを意味する。
図4を参照して、DBR層12,16では、Al含有量が多い低屈折率層とAl含有量が少ない高屈折率層とが交互に積層されている。DBR層12,16のうちクラッド層13,15に隣接する領域が第1番目の低屈折率層に相当する。図4の場合、電流狭窄層17は、DBR層16の第1番目の低屈折率層内で、最も活性層14に近い位置(クラッド層15に隣接する領域)に形成される。電流狭窄層17を第1番目の低屈折率層内でより上層側(たとえば、高屈折率層に隣接する領域)に配置してもよい。
図3、図4において、クラッド層15の一部がP型にドープされ、クラッド層13のN型にドープされている。したがって、N型ドープ領域30は、N型半導体コンタクト層11からN型DBR層12を経て、クラッド層13の一部にまで達する。P型ドープ領域31は、P型半導体コンタクト層20からP型DBR層16を経てクラッド層15の一部にまで達する。
より一般的に言えば、電流狭窄層17は、DBR層16の内部またはDBR層16と活性層14との間に配置される。あるいは、電流狭窄層17は、活性層14よりも基板10側に配置することも可能であり、DBR層12の内部またはDBR層12と活性層14との間に配置してもよい。
[VCSELの作製プロセス]
図5は、VCSELの作製プロセスを示すフローチャートである。図6〜図14は、VCSELの作製プロセスを模式的に示す断面図である。以下、図5〜図14を参照して、図1〜図4で示したVCSEL1の作製方法について説明する。なお、図6〜図14に示す断面図は模式図であって、図中の各層の厚みは実際のデバイスの厚みと比例関係にない。
図5は、VCSELの作製プロセスを示すフローチャートである。図6〜図14は、VCSELの作製プロセスを模式的に示す断面図である。以下、図5〜図14を参照して、図1〜図4で示したVCSEL1の作製方法について説明する。なお、図6〜図14に示す断面図は模式図であって、図中の各層の厚みは実際のデバイスの厚みと比例関係にない。
図6を参照して、基板10(ここでは、半絶縁性のGaAs基板)上に、多層のエピタキシャル膜11〜15,23,16,20を形成する(図5のステップS100)。エピタキシャル膜の形成はMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)またはMBE(Molecular Beam Epitaxy)などの手法が好適である。
具体的に、基板10上に、まずN型半導体コンタクト層11およびN型の導電性を示すN型DBR層12を順に形成する。N型DBR層12は、高屈折領域、低屈折領域がそれぞれ1/4λとなる光学膜厚を1ペアとして、30〜40層形成する。高屈折材料としてAlXGa(1-X)AsでX=0.1程度のものが、低屈折材料としてAlXGa(1-X)AsでX=0.9程度のものが利用できる。N型導電性を得るために、Siを不純物として2×1018[cm-3]程度導入する。
次にN型DBR層12の上に、クラッド層13,15に挟まれた形で量子井戸(QW:Quantum Well)を含む活性層14を形成する。活性層14およびクラッド層13,15は、発振波長に応じて適宜、その膜厚および材料を調整することができる。たとえば、活性層14の材料としてはGaAsを利用し、発振波長が850nmとなるように調整できる。
次にクラッド層15の上に(DBR層16の第1番目の低屈折率層内に)、電流狭窄層17となるべき被酸化層23を形成する。たとえば、被酸化層23としてAlXGa(1-X)As層(ただし、0.95≦X≦1)を2〜3×1018[cm-3]程度のC(カーボン)を導入しながら形成する。被酸化層23は、酸化処理を行うときの体積収縮により歪が発生する。そのため、この歪の影響を抑えるために、被酸化層23の厚みを40nm以下にすることが望ましい。この被酸化層23は、図4で説明したように、P型DBR層16の第1番目の低屈折率層中で上層寄りの位置に形成しても、下層寄りの位置に形成してもよい。
被酸化層23に連続して、Al含有率を制御することによってP型DBR層16を形成する。P型DBR層16もN型DBR層12と同様に、高屈折領域および低屈折領域がそれぞれ1/4λとなる光学膜厚を1ペアとして20層程度形成する。高屈折材料としてAlXGa(1-X)AsでX=0.1程度のものが、低屈折材料としてAlXGa(1-X)AsでX=0.9程度のものが利用できる。P型導電性を得るために、Cを不純物として2×1018[cm-3]程度導入する。
次に、P型DBR層16上にP型半導体コンタクト層20を形成する。
図7を参照して、上記のように基板10上に形成したエピタキシャル多層膜(積層体)を、電流狭窄構造を形成するため、たとえば直径30μmのメサポスト構造に加工する(図5のステップS105)。メサポスト構造は、フォトリソグラフィーおよびドライエッチングの手法で形成する。ドライエッチングは、少なくとも電流狭窄層17となるべき被酸化層23の側面が露出するまで行う必要があり、図7の場合には下層側のN型DBR層12の表面が露出する深さまで行っている。
図7を参照して、上記のように基板10上に形成したエピタキシャル多層膜(積層体)を、電流狭窄構造を形成するため、たとえば直径30μmのメサポスト構造に加工する(図5のステップS105)。メサポスト構造は、フォトリソグラフィーおよびドライエッチングの手法で形成する。ドライエッチングは、少なくとも電流狭窄層17となるべき被酸化層23の側面が露出するまで行う必要があり、図7の場合には下層側のN型DBR層12の表面が露出する深さまで行っている。
図8を参照して、次に、メサポスト構造に加工されたエピタキシャル多層膜付き基板を水蒸気雰囲気中で450℃以上に加熱する。その結果、電流狭窄層17となるべき被酸化層23をその外周部から選択的に酸化が進行し、酸化部18が形成される(図5のステップS110)。酸化時間は、例えば、中心部分の未酸化部19が直径10μmとなるように調整する。
図9を参照して、次に、メサポスト上部に、たとえばフォトリソグラフィーおよび蒸着によりアノード電極層21を形成する(図5のステップS115)。アノード電極層21として、たとえば、Ti(チタン)、Pt(白金)、およびAu(金)からなる積層膜を利用することができる。
図10を参照して、次に、ステップS105によって露出したN型DBR層12の一部に、フォトリソグラフィーおよびエッチングによって、掘込みパターン41を形成する。その結果、N型半導体コンタクト層11が露出する(図5のステップS120)。
図11を参照して、次に、掘込みパターン41内でN型半導体コンタクト層11が露出した部分に、たとえばフォトリソグラフィーおよび蒸着によってカソード電極層22を形成する(図5のステップS125)。カソード電極層22として、たとえば、Ti(チタン)、Pt(白金)、およびAu(金)からなる積層膜を利用することができる。
図12を参照して、次に、隣接するVCSEL素子との境界に、基板10の内部まで達するアイソレーション溝42を形成する(図5のステップS130)。アイソレーション溝42の形成には、たとえばフォトリソグラフィーおよびエッチングの手法が用いられる。
図13を参照して、次に、アノード電極層21およびカソード電極層22が形成された部分を除いて、絶縁性保護膜25として、窒化シリコン膜または酸化シリコン膜を形成する(図5のステップS135)。絶縁性保護膜25の形成は、CVD(Chemical Vapor Deposition)またはスパッタなどの手法が適用可能である。
図14を参照して、次に、ボンディングパッド50,51A,51B下の容量低減の目的で絶縁層26を形成する(図5のステップS140)。
その後、図1〜図3に示すように、アノード配線52、ボンディングパッド50、カソード配線53A,53B、およびボンディングパッド51A,51Bを、たとえばフォトリソグラフィーおよびスパッタリング製膜の手法で形成する(図5のステップS145)。さらに、各電極層21,22と半導体層とのオーミックコンタクトをとるためのアニール処理を行うことで、VCSEL1が完成する。
[電流狭窄構造の形成方法の詳細]
次に、本発明の特徴的部分である加熱水蒸気酸化による電流狭窄層の形成方法(図5のステップS110)について詳細に説明する。
次に、本発明の特徴的部分である加熱水蒸気酸化による電流狭窄層の形成方法(図5のステップS110)について詳細に説明する。
図15は、酸化炉の構成を模式的に示す断面図である。図15を参照して、酸化炉70は、チャンバ79と、チャンバ79内に設けられた基板加熱機構60と、チャンバ79の壁を貫通する配管71,72とを含む。
配管71は、バルブ73を介して水蒸気供給源75に接続されるとともに、バルブ74を介して窒素供給源76に接続される。これによって、チャンバ79内に水蒸気と窒素との混合ガスを供給することができる。
配管72は、排気孔として用いられ、バルブ77を介してチャンバ内のガスが排気される。なお、チャンバ79内を減圧する場合には、配管72を、バルブ77を介して排気装置(たとえば、真空ポンプ)に接続してもよい。
基板加熱機構60は、伝熱部材61,62と、伝熱部材62に取り付けられた支持部材63と、伝熱部材62を加熱するヒータ装置64とを含む。支持部材63は、基板SUBが伝熱部材61の熱放射面66に対向するように基板SUBの外周部を支持するためのものである。基板SUBは、伝熱部材61の熱放射面66から放射された熱によって加熱される。基板加熱機構60の詳細については、図17〜図24を参照して後述する。
図16は、加熱水蒸気酸化工程(図5のステップS110)の手順を示すフローチャートである。図15および図16を参照して、まず、加熱対象となる試料(基板上の多層体がメサポスト状に加工されたもの)が酸化炉チャンバ79内の基板加熱機構60の所定の位置に(すなわち、図15の支持部材63上に)固定される(ステップS200)。
次に、減圧下で加熱水蒸気酸化を行う場合には、酸化炉チャンバ79内の減圧を開始する(ステップS205)。その後、水蒸気と窒素との混合ガスのチャンバ79内への供給を開始する(ステップS210)。水蒸気および窒素の混合ガスの供給量と排気量とのバランスによってチャンバ79内の圧力が決まる。減圧下で加熱することにより、対流熱伝達による基板加熱が抑制され、主として伝熱部材61の熱放射面66からの熱放射(熱輻射)によって基板が加熱されるようになるので、基板の温度均一性をさらに高めることができる。
一方、大気圧下で加熱水蒸気酸化を行う場合には、ステップS205は実行されない。この場合、配管71のバルブを開放した状態で、水蒸気と窒素との混合ガスのチャンバ79内への供給が開始される(ステップS210)。
チャンバ79内が水蒸気雰囲気になり、さらに、減圧下での酸化の場合にはチャンバ内の圧力が所定値になったら、ヒータ装置64による伝熱部材62の加熱が開始される。ヒータ装置64から伝熱部材62に与えられる熱量(より具体的には、電熱線65を流れる電流量)は、基板(試料)の特定位置での温度検出値に応じてフィードバック制御される。具体的には、基板の特定位置(たとえば、中心位置)での温度が450℃〜500℃の間の所定設定温度となるように制御される。
ヒータをオンしてから、所定の酸化時間が経過したら、水蒸気の供給が停止され(ステップS220)、ヒータ装置64による加熱がオフされる(ステップS225)。その後、試料が室温近くまで冷却されると、試料が酸化炉チャンバ79内から取り出される。
[基板加熱機構の詳細]
図17は、図15に示す基板加熱機構60の要部を拡大して模式的に示した断面図である。なお、図17および後述する図20〜図25および図27〜図29に示す基板加熱機構の断面図は模式図であって、図中の各部の寸法は実際の基板加熱機構の各部の寸法と比例関係にない。
図17は、図15に示す基板加熱機構60の要部を拡大して模式的に示した断面図である。なお、図17および後述する図20〜図25および図27〜図29に示す基板加熱機構の断面図は模式図であって、図中の各部の寸法は実際の基板加熱機構の各部の寸法と比例関係にない。
図15および図17を参照して、既に説明したように基板加熱機構60は、伝熱部材61,62と、伝熱部材61に取り付けられた支持部材63と、伝熱部材62を加熱するためのヒータ装置64とを含む。
伝熱部材61,62は、たとえば、等方性カーボン材によって形成される。等方性カーボン材の熱伝導率は、たとえば、110W/(K・m)である。なお、図15では、2枚の板状の伝熱部材61,62が重ねられた構造が示されているが、これらを一つの構造体として形成しても構わない。
伝熱部材62の下面側(加熱対象の基板SUBと反対側)がヒータ装置64によって加熱される。ヒータ装置64は、電熱線65が埋め込まれたホットプレートであってもよいし、ランプヒータであってもよい。上側の伝熱部材61は、下側の伝熱部材62を介した熱伝導によって加熱される。さらに、基板SUBは、上側の伝熱部材61の上面の熱放射面66とは離間して、熱放射面66に対向するように配置されることによって、熱放射面66からの放射熱によって加熱される。
支持部材63は、図17に示す例では、伝熱部材61の熱放射面66を取り囲むように伝熱部材62に取り付けられ、基板SUBの外周部を支持する。
ここで、注意すべき点は、基板SUBのうち支持部材63と直接接触する部分には、ヒータ装置64で発生した熱が伝熱部材61,62および支持部材63を介して熱伝導によって伝わる点である。このため、伝熱部材61の熱放射面66からの熱放射によって単位面積および単位時間当たりに基板SUBに吸収される熱量と、支持部材63を介した熱伝導によって単位面積および単位時間当たりに基板SUBに伝わる熱量とが平衡状態にないと、基板面内の温度分布が不均一になってしまう。通常は、支持部材63を介した熱伝導の影響が大きく、基板SUBの外周部が中央部よりも高温になる場合が多いので、支持部材63を介した熱伝導を抑制する必要がある。
支持部材63を介した熱伝導を抑制するために、支持部材63の熱伝導率を、伝熱部材61,62の熱伝導率よりも小さくする。支持部材63として、たとえば、熱伝導率1.6W/(K・m)のセラミック材料(マセライト(登録商標))を用いることができる。さらに、支持部材63の形状にも、伝熱部材61から基板SUBへの熱伝導を抑制するための工夫が施されている。
図18は、図17の支持部材63の平面図である。図19は、図18のXIX−XIX線に沿う断面図である。図18、図19には、支持部材63の各部の寸法の一例が記載されている。
図18および図19を参照して、支持部材63は、概略、リング形状を有し、その上部に基板SUBを支持するための載置面80が形成されている。支持部材63の載置面80によって、基板SUBの外周部のほぼ全体(オリエーションフラットの部分を除く)が支持される。より広い面積で基板SUBと支持部材63を接触させることによって、基板をより安定して支持することができる。さらには、支持部材との接触部での基板の局所的な温度上昇を抑制することができる。
支持部材63の詳細な形状を、矩形状の断面形状を有するリング構造の場合と比較して説明する。図19に示すように、支持部材63は、リング構造の径方向内側の上部エッジ部82と下部エッジ部83とが取り除かれた形状を有している。上部エッジ部82を除去することによって、基板SUBの外周部を載置するための載置面80が形成される。下部エッジ部83を除去することによって、支持部材63を介して基板SUBに熱伝導によって伝わる熱量を低減させることができる。
なお、図19に示す断面形状の支持部材63を作製する方法は特に限定されない。たとえば、矩形断面を有するリング状部材から上部エッジ部82および下部エッジ部83を切削してもよい。もしくは、図19に示す断面形状になるようにセラミック材料を成形してもよい。
以下、図19の下部内側エッジ部83を取り除いた効果を具体的に説明する。
(i) 支持部材63と伝熱部材61,62との接触面積をより減らすことができる。これによって、伝熱部材61,62から支持部材63に単位時間当たりに熱伝導によって流入する熱量を減らすことができる。図19の場合には、載置面80の反対側の底部接触面81の面積およびリングの径方向内側の側部接触面84の面積の両方を減らすことができる。以下、支持部材63のうち、載置面80と底部接触面81とに挟まれた部分を中間部85と称する。図19の場合、底部接触面81の面積は、中間部85のうち載置面80に隣接する部分91を載置面80と平行な面で切断したときの断面積よりも小さい。
(i) 支持部材63と伝熱部材61,62との接触面積をより減らすことができる。これによって、伝熱部材61,62から支持部材63に単位時間当たりに熱伝導によって流入する熱量を減らすことができる。図19の場合には、載置面80の反対側の底部接触面81の面積およびリングの径方向内側の側部接触面84の面積の両方を減らすことができる。以下、支持部材63のうち、載置面80と底部接触面81とに挟まれた部分を中間部85と称する。図19の場合、底部接触面81の面積は、中間部85のうち載置面80に隣接する部分91を載置面80と平行な面で切断したときの断面積よりも小さい。
(ii) 支持部材63の表面のうち、載置面80および伝熱部材61,62との接触面(底部接触面81および側部接触面84)を除く、空間に露出している部分の面積をより増加させることができる。これによって、支持部材63から周囲の空間への熱放出量(熱放射または対流熱伝達による)が増加するので、支持部材63から基板SUBへの熱伝導による伝熱量を減らすことができる。
(iii) さらに、図19に示す支持部材63の断面構造によれば、中間部85の内部のみ又は中間部85の内部および表面のみを通って、底部接触面81の少なくとも一部の領域内の任意の第1の点93から載置面80の少なくとも一部の領域内の任意の第2の点92に至る最短経路94は、第1の点93および第2の点92を結ぶ直線95の長さよりも長くなる。言い換えると、第1の点93と第2の点92を結ぶ直線は中間部85の表面と交差し、その直線の一部は支持部材63の外部を通る。
これによって、底部接触面81から載置面80上の基板SUBへ至る熱伝導経路のうち、直線的な熱伝導経路の割合を少なくすることができる。すなわち、直線的な熱伝導経路の場合に比べて、底部接触面81から載置面80上の基板SUBに至るまでの熱伝導経路をより長くすることができる。この結果、熱伝導経路における熱放射の量がより多くなり、熱伝導によって単位時間当たりに基板SUBに与えられる熱量をより少なくすることができる。
[支持部材の形状の変形例]
支持部材63を介して基板SUBに伝わる熱量を適切な範囲に制御するために、支持部材63を図17〜図19とは異なる形状に加工してもよい。以下、図20〜図25を参照して、支持部材の断面形状の変形例について説明する。なお、図20〜図25において、伝熱部材61Aは、図17の伝熱部材61,62を一体成型したものである。
支持部材63を介して基板SUBに伝わる熱量を適切な範囲に制御するために、支持部材63を図17〜図19とは異なる形状に加工してもよい。以下、図20〜図25を参照して、支持部材の断面形状の変形例について説明する。なお、図20〜図25において、伝熱部材61Aは、図17の伝熱部材61,62を一体成型したものである。
図20は、第1の変形例による支持部材63Aの断面形状を示す模式図である。図20には、支持部材63Aとともに基板加熱機構60Aを構成する伝熱部材61Aおよびヒータ装置64も示されている。
図20を参照して、支持部材63Aの断面形状は、図19の支持部材63と類似しているが、下部内側エッジ部83の除去範囲が図19の場合よりも大きい。これによって、底部接触面81の面積をより小さくすることができ、伝熱部材61Aから支持部材63Aへの熱の流入を抑制することができる。特に、図19の場合には、底部接触面81の面積は、載置面80の面積よりも小さい。また、支持部材63Aの表面のうち、載置面80および伝熱部材61Aとの接触面(底部接触面81および側部接触面84)を除く、空間に露出している部分の面積を、図19の場合に比べて増加させることができる。これによって、支持部材63Aから周囲の空間への熱放出量が増加するので、支持部材63から基板SUBへの熱伝導による伝熱量をより減らすことができる。その他の効果は、図19で説明した上記(iii)と同じである。
図21は、第2の変形例による支持部材63Bの断面形状を示す模式図である。図21には、支持部材63Bとともに基板加熱機構60Bを構成する伝熱部材61Aおよびヒータ装置64も示されている。
図21を参照して、支持部材63Bは、底部接触面81から載置面80上の基板SUBへの直線的な熱伝導経路が生じないように、中間部85の一部が部分的に切除されている点は図19、図20の場合と同じであるが、切除されている部分の位置が異なる。図21の場合には、リング状形状を有する支持部材63Bの径方向内側の側面部の一部86が除去されている。これによって、伝熱部材61Aと接触する支持部材63Bの側部接触面84の面積をより減らすことができるとともに、表面の露出部分の面積をより増加させることができる。
図22は、第3の変形例による支持部材63Cの断面形状を示す模式図である。図22には、支持部材63Cとともに基板加熱機構60Cを構成する伝熱部材61Aおよびヒータ装置64も示されている。
図22に示す支持部材63Cでは、リング状の形状を有する支持部材63Cの径方向内側の側面部に切れ込み87が形成されている。これによって、底部接触面81から載置面80上の基板SUBへの直線的な熱伝導経路が生じないようにすることができるとともに、支持部材63Cの表面の露出部分の面積を増やすことができる。結果として、支持部材63Cを介した基板加熱を抑制することができる。
図23は、第4の変形例による支持部材63Dの断面形状を示す模式図である。図23には、支持部材63Dとともに基板加熱機構60Dを構成する伝熱部材61Aおよびヒータ装置64も示されている。
図23に示す支持部材63Dでは、リング状の形状を有する支持部材63Dの径方向内側の側面部と径方向外側の側面部との両方に切れ込み88,89が形成されている。これによって、底部接触面81から載置面80上の基板SUBへ至る熱伝導経路をより長くすることができるとともに、支持部材63Dの表面の露出部分の面積を増やすことができる。さらに、支持部材63Dの内側面が伝熱部材61Aに接触しないように形成されているので、伝熱部材61Aから支持部材63Dに流入する熱量を減少させることができる。これらの結果として、支持部材63Dを介した基板加熱を抑制することができる。
図24は、第5の変形例による支持部材63Eの断面形状を示す模式図である。図24には、支持部材63Eとともに基板加熱機構60Eを構成する伝熱部材61Aおよびヒータ装置64も示されている。
図24の支持部材63Eの表面のうち、載置面80および伝熱部材61,62との接触面(底部接触面81および側部接触面84)を除く部分の一部(外側面部)には、放熱のために複数の凸部90が形成されている。図24に示す複数の凸部90は、図20〜図23に示す支持部材63A,63B,63C,63Dにも設けることができる。
[第1の実施の形態の効果]
第1の実施の形態によるVCSELの製造方法では、加熱酸化の方法によって電流狭窄層を形成する際の基板加熱機構60,60A〜60Eに特徴がある。具体的には、基板SUBを支持する支持部材63,63A〜63Eの熱伝導率および形状を最適化する。これによって、支持部材63を介した熱伝導によって単位面積および単位時間当たりに基板SUBに伝わる熱量を、伝熱部材61の熱放射面66からの熱放射によって単位面積および単位時間当たりに基板SUBに吸収される熱量にほぼ等しくすることできる。結果として、基板面内の温度分布が許容範囲内になるように調整可能になる。基板面内の温度分布の許容範囲としては、たとえば、少なくとも5℃以内が望ましく、1℃以内がより望ましい。
第1の実施の形態によるVCSELの製造方法では、加熱酸化の方法によって電流狭窄層を形成する際の基板加熱機構60,60A〜60Eに特徴がある。具体的には、基板SUBを支持する支持部材63,63A〜63Eの熱伝導率および形状を最適化する。これによって、支持部材63を介した熱伝導によって単位面積および単位時間当たりに基板SUBに伝わる熱量を、伝熱部材61の熱放射面66からの熱放射によって単位面積および単位時間当たりに基板SUBに吸収される熱量にほぼ等しくすることできる。結果として、基板面内の温度分布が許容範囲内になるように調整可能になる。基板面内の温度分布の許容範囲としては、たとえば、少なくとも5℃以内が望ましく、1℃以内がより望ましい。
[変形例]
上記の実施の形態では、DBR層12,16、クラッド層13,15、活性層14、および電流狭窄層17となるべき被酸化層を含む積層体をメサポスト状に加工した。これに代えてリセス構造に積層体を加工してもよい。リセス構造の場合も、電流狭窄層17となるべき被酸化層の側面から酸化が進行することによって、未酸化部19を取り囲むように酸化部18が形成される。
上記の実施の形態では、DBR層12,16、クラッド層13,15、活性層14、および電流狭窄層17となるべき被酸化層を含む積層体をメサポスト状に加工した。これに代えてリセス構造に積層体を加工してもよい。リセス構造の場合も、電流狭窄層17となるべき被酸化層の側面から酸化が進行することによって、未酸化部19を取り囲むように酸化部18が形成される。
<第2の実施の形態>
図25は、第2の実施の形態によるVCSELの製造方法で用いられる基板加熱機構60Fを模式的に示す断面図である。基板加熱機構60Fの構成は第1の実施の形態の場合と同様であるが、支持部材63Fの熱伝導率および形状が第1の実施の形態の場合と異なる。すなわち、第2の実施の形態の支持部材63Fの場合には、底部接触面81から載置面80上の基板SUBに至る直線的な熱伝導経路を妨げるような加工が施されていない。
図25は、第2の実施の形態によるVCSELの製造方法で用いられる基板加熱機構60Fを模式的に示す断面図である。基板加熱機構60Fの構成は第1の実施の形態の場合と同様であるが、支持部材63Fの熱伝導率および形状が第1の実施の形態の場合と異なる。すなわち、第2の実施の形態の支持部材63Fの場合には、底部接触面81から載置面80上の基板SUBに至る直線的な熱伝導経路を妨げるような加工が施されていない。
一方、支持部材63Fの熱伝導率は、第1の実施の形態の場合に比べてさらに小さい。具体的に、支持部材63Fとして熱伝導率が0.55W/(K・m)程度のものが用いられている。たとえば、セラミック材料とセラミック繊維を複合化した材料(コバレントマテリアル株式会社製)またはケイ酸カルシウム材(商品名:ヒシタイカ)などを用いることができる。図25のその他の点は、図17の場合と同じであるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図26は、基板温度の面内分布の実測結果を示す図である。図26では、図17〜図19で説明した第1の実施の形態による基板加熱機構60によって加熱した場合の基板温度分布の実測結果と、図25で説明した第2の実施の形態による基板加熱機構60Fによって加熱した場合の基板温度分布の実測結果とが示されている。さらに、比較例として、図25の伝熱部材61,62および支持部材63Fが同一材料(等方性カーボン材)で一体成型されている場合の基板温度分布の実測結果が示されている。図26の横軸は基板中心を0[mm]としたときの基板上の位置を示し、縦軸は基板の中心との温度差[℃]を示す。いずれも場合も水蒸気雰囲気下で基板中心温度が485℃になるように加熱した。
図26に示すように、第1の実施の形態および第2の実施の形態のいずれの場合も基板面内の温度分布を±0.5℃以内に抑えることができ、実用上十分な温度分布の均一性が得られることが実証された。一方、比較例の場合には、基板の中心と基板の端部との温度差が16℃にもなった。
以上のように、基板SUBを支持する支持部材63,63A〜63Eの熱伝導率を最適化することによって、基板面内の温度分布を許容範囲(たとえば、±1℃以内)に収めることができる。
<基板加熱機構のその他の変形例>
図27は、他の変形例による基板加熱機構60Gの構成を模式的に示す断面図である。図27に示す基板加熱機構60Gは、伝熱部材62が設けられず支持部材63がヒータ装置64によって直接加熱されている点で、図17の基板加熱機構60と異なる。図27のその他の点は図17の場合と同じであるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図27は、他の変形例による基板加熱機構60Gの構成を模式的に示す断面図である。図27に示す基板加熱機構60Gは、伝熱部材62が設けられず支持部材63がヒータ装置64によって直接加熱されている点で、図17の基板加熱機構60と異なる。図27のその他の点は図17の場合と同じであるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図27に示すように支持部材63をヒータ装置64で直接加熱すれば、支持部材63に単位時間当たり与えられる熱量がより増加することになる。しかし、この場合も、支持部材63の熱伝導率を十分に低くするとともに支持部材63の形状を工夫することによって、支持部材63を介して熱伝導によって単位時間当たりに基板に伝わる熱量を抑制することができる。
図28は、さらに他の変形例による基板加熱機構60Hの構成を模式的に示す断面図である。図28に示す基板加熱機構60Hは、伝熱部材61を加熱するためのヒータ装置64Aと支持部材63を加熱するためのヒータ装置64Bとが別個に設けられる点、ならびに伝熱部材61と支持部材63とが接触していない点で、図17の基板加熱機構60と異なる。さらに、図28の場合には、伝熱部材62が設けられていない。図27のその他の点は図17の場合と同じであるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図28に示す基板加熱機構60Hでは、ヒータ装置64Aおよび64Bの各々の出力を調整することによって、伝熱部材61の熱放射面66からの放射熱による基板SUBの加熱と、支持部材63を介した熱伝導による基板SUBの外周部の加熱とを独立に制御することが可能である。これによって、基板面内の温度分布を許容範囲に収めることができる。
図29は、さらに他の変形例による基板加熱機構60Iの構成を模式的に示す断面図である。図29に示す基板加熱機構60Iは、伝熱部材61と支持部材63とが接触している点で、図28の基板加熱機構60Hと異なる。図29のその他の点は、図28の場合と同じであるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図28では、支持部材63は、伝熱部材61から熱伝導によって伝わる熱によっても加熱される。しかしながら、伝熱部材61から支持部材63への伝熱量に応じてヒータ装置64Bの出力を調整することによって基板SUBの外周部の温度上昇を抑制し、この結果、基板面内の温度分布を許容範囲に収めることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 基板、11 N型半導体コンタクト層、12,16 半導体多層膜反射鏡層(DBR層)、13,15 クラッド層、14 活性層、17 電流狭窄層、18 酸化部、19 未酸化部、20 P型半導体コンタクト層、21 アノード電極層、22 カソード電極層、23 被酸化層、25 絶縁性保護膜、26 絶縁層、50 アノード用ボンディングパッド、51A,51B カソード用ボンディングパッド、52 アノード配線、53A,53B カソード配線、60,60A〜60I 基板加熱機構、61,62,61A 伝熱部材、63,63A〜63F 支持部材、64,64A,64B ヒータ装置、66 熱放射面、70 酸化炉、79 チャンバ、80 載置面、81 底部接触面、84 側部接触面、85 中間部、90 複数の凸部。
Claims (8)
- 第1および第2の反射鏡層、活性層、ならびに電流狭窄構造となる被酸化層を含む積層体を基板の上に形成するステップと、
少なくとも前記被酸化層の側面が露出するように、前記積層体を加工するステップと、
前記積層体を加工した後に、前記被酸化層を側面から酸化することによって電流狭窄構造を形成するステップとを備え、
前記電流狭窄構造を形成するステップは、
前記基板が伝熱部材の熱放射面に対向するように、前記基板の一部を支持部材で支持するステップと、
前記伝熱部材および前記支持部材をそれぞれ直接または他の部材を介して加熱するステップとを含み、
前記支持部材の熱伝導率は、前記伝熱部材の熱伝導率より小さい、垂直共振器型面発光レーザの製造方法。 - 前記支持部材は、前記伝熱部材に取り付けられており、
前記加熱するステップにおいて、前記支持部材は、前記伝熱部材を介した熱伝導によって加熱される、請求項1に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。 - 前記支持部材は、
前記基板の一部が載置される載置面と、
前記載置面の反対側で前記伝熱部材と接触する底部接触面と、
前記載置面と前記底部接触面とに挟まれた中間部とを含み、
前記中間部の内部のみ又は前記中間部の内部および表面のみを通って、前記底部接触面の少なくとも一部の領域内の第1の点から前記載置面の少なくとも一部の領域内の第2の点に至る最短経路は、前記第1および第2の点を結ぶ直線の長さよりも長い、請求項2に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。 - 前記支持部材は、
前記基板の一部が載置される載置面と、
前記載置面の反対側で前記伝熱部材と接触する底部接触面と、
前記載置面と前記底部接触面とに挟まれた中間部とを含み、
前記底部接触面の面積は、前記中間部のうち前記載置面に隣接する部分を前記載置面と平行な面で切断したときの断面積よりも小さい、請求項2に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。 - 前記基板の一部が載置される載置面および前記伝熱部材と接触する接触面を除く前記支持部材の表面の少なくとも一部には、複数の凸部が形成されている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。
- 前記加熱するステップにおいて、前記伝熱部材および前記支持部材はそれぞれ独立の発熱源を用いて加熱される、請求項1に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。
- 前記支持部材は、前記伝熱部材の前記熱放射面を取り囲むように1または複数個配置され、前記基板の外周部を支持するように構成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。
- 前記伝熱部材の前記熱放射面に垂直な方向から見たとき、前記支持部材はリング状の形状を有する、請求項7に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。
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