JP2015026640A - 面発光レーザアレイ及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】製造が容易で、かつ、高い放熱効果を有する面発光レーザアレイ等を提供する。【解決手段】本面発光レーザアレイは、基板の表面側に積層された下部反射鏡、活性層を含む共振器領域、上部反射鏡、を含むメサを有する垂直共振器型の面発光レーザ素子を複数個備えた面発光レーザアレイであって、前記基板の裏面に形成された溝部と、前記基板の裏面及び前記溝部の内壁面に連続的に形成された、前記基板の材料よりも熱伝導率が高い高熱伝導材料からなる下部電極と、を有し、前記溝部は、複数の前記面発光レーザ素子に対して連続的に形成された部分を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、面発光レーザアレイ及びその製造方法に関する。
電流流入効率を高めるために電流狭窄構造を備えている半導体レーザがある。一例として面発光レーザ素子(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting LASER)が挙げられる。この面発光レーザ素子は、基板に垂直方向に光を出射するもので、いわゆる端面発光型の半導体レーザに比べて低価格・低消費電力・小型・2次元デバイスに好適でかつ高性能であるということから近年特に注目されている。又、面発光レーザ素子を2次元に多数個配置して面発光レーザアレイとし、夫々の面発光レーザ素子の出射光を集光して大出力用途に応用する試みがなされている。
面発光レーザアレイにおいて、夫々の面発光レーザ素子を同時に発光させて大出力とする場合、活性層における発熱が出力及び長期信頼性に影響を及ぼす。そのため、活性層で発生した熱を効果的にとり除く方法が検討されている。一例として、活性層と基板との間の半導体多層膜反射鏡における熱伝導率の高い層の膜厚を厚くすることにより、活性層で発生した熱を横方向に拡散させる構造にして放熱する第1の方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
他の例として、電極パッド領域の外側の素子分離領域の側面に放熱性が優れる金属膜を形成し、金属膜へ熱を拡散させることにより放熱する第2の方法が挙げられる(例えば、特許文献2参照)。更に他の例として、GaAs基板を除去して、下部反射鏡が直接サブマウントに接する構造とすることにより、夫々の面発光レーザ素子を基板越しではなく直接外部から冷却して放熱する第3の方法が挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、第1〜第3の方法の場合、多数個の面発光レーザ素子を集積化した際に相互の面発光レーザ素子が熱干渉するため、満足な冷却効果を得られないという問題があった。特に、第2の方法の場合は、絶縁膜を介して金属膜を形成するため冷却効果自体が小さい。又、ヒートシンクの利用も困難である。
又、第3の方法の場合、下部反射鏡を直接サブマウントに実装しているため、活性層で発生した熱をサブマウントへ拡散させることができ、放熱効果が高い。しかし、GaAs基板を除去した厚さ10μm程度のデバイスを搬送する必要があるため、製造が困難であるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、製造が容易で、かつ、高い放熱効果を有する面発光レーザアレイ等を提供することを課題とする。
本面発光レーザアレイは、基板の表面側に積層された下部反射鏡、活性層を含む共振器領域、上部反射鏡、を含むメサを有する垂直共振器型の面発光レーザ素子を複数個備えた面発光レーザアレイであって、前記基板の裏面に形成された溝部と、前記基板の裏面及び前記溝部の内壁面に連続的に形成された、前記基板の材料よりも熱伝導率が高い高熱伝導材料からなる下部電極と、を有し、前記溝部は、複数の前記面発光レーザ素子に対して連続的に形成された部分を含むことを要件とする。
開示の技術によれば、製造が容易で、かつ、高い放熱効果を有する面発光レーザアレイ等を提供できる。
第1の実施の形態に係る面発光レーザアレイを例示する断面図である。 溝部とメサ(発光部)との位置関係を例示する平面図である。 実施例3に係る面発光レーザアレイを例示する斜視図である。 実施例4に係る面発光レーザアレイを例示する斜視図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1の実施の形態〉
図1は、第1の実施の形態に係る面発光レーザアレイを例示する断面図である。なお、本明細書において、平面視とは対象物を発光方向(基板101の表面の法線方向)から視ることを指し、平面形状とは対象物を発光方向(基板101の表面の法線方向)から視た形状を指すものとする。
図1を参照するに、第1の実施の形態に係る面発光レーザアレイ1は、面発光レーザ素子100(メサ構造体)がアレイ状に複数形成された構造を有する。面発光レーザアレイ1において、例えば、多数の面発光レーザ素子100が2次元に配列されている。なお、図1では、2個の面発光レーザ素子100のみを図示している。
面発光レーザアレイ1において、各面発光レーザ素子100は同一構造のレーザ素子であり、例えば、GaInAsP/GaInP多重量子井戸構造を活性層とする発振波長が780nm帯の垂直共振器型のレーザ素子である。
面発光レーザ素子100において、基板101上(基板101の表面側)に、バッファ層102、下部半導体DBR(Distributed Bragg Reflector)103、下部スペーサ層104、活性層105、上部スペーサ層106、上部半導体DBR(Distributed Bragg Reflector)107が順次積層形成されている。なお、下部半導体DBR及び上部半導体DBRを、下部DBR及び上部DBR、又は、下部反射鏡及び上部反射鏡と称する場合がある。
又、上部半導体DBR107の上にはコンタクト層109が形成されている。そして、コンタクト層109、上部半導体DBR107、上部スペーサ層106、活性層105、及び下部スペーサ層104の一部を除去することにより、メサ110(メサ構造体)が形成されている。この場合、エッチングにより露出した下部スペーサ層104の上面がメサ110周辺の底面110aとなる。なお、選択酸化層108(電流狭窄層)は、上部半導体DBR107の内部に形成されている。
更に、メサ110の上面の一部(コンタクト層109上の一部の領域)、メサ110の側面、及びメサ110周辺の底面110aを覆うように、透明な誘電体膜111が形成されている。誘電体膜111は光出射領域112に残留し光出射面を保護している。誘電体膜111の光学的厚さは、λ/4の偶数倍とされている。誘電体膜111としては、例えば、シリコン窒化膜(SiNx)等を用いることができる。
上部電極113は、誘電体膜111の上に形成されており、メサ110最上層であるコンタクト層109のコンタクト領域109aと接触している。
各面発光レーザ素子100において、基板101としては、例えば、面方位が(100)面から[111]A方向に15°傾斜したn−GaAs基板を用いることができる。基板101の厚さは、例えば、400〜500μm程度とすることができる。バッファ層102は、基板101の表面に積層されている。バッファ層102は、例えば、n−GaAsから形成することができる。
下部半導体DBR103は、バッファ層102の上面に積層されている。下部半導体DBR103は、例えば、発振波長をλとしたとき、光学的厚さがλ/4となる膜厚のn−Al0.9Ga0.1Asからなる低屈折率層と、光学的厚さがλ/4となる膜厚のn−Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層とを有する。下部半導体DBR103は、例えば、低屈折率層と高屈折率層の対を1周期としたものを37.5周期形成したものである。
下部半導体DBR103の各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた例えば厚さ20nm程度の組成傾斜層を設けることができる。この場合、各屈折率層は何れも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、発振波長をλとするとλ/4の光学的厚さとなるように設定される。なお、光学的厚さとその層の実際の厚さについては以下の関係がある。例えば光学的厚さがλ/4のとき、その層の実際の厚さDは、D=λ/4N(但し、Nはその層の媒質の屈折率)である。
下部スペーサ層104は、下部半導体DBR103の上面に積層されている。下部スペーサ層104は、例えば、ノンドープのAl0.6Ga0.4Asから形成することができる。
活性層105は、下部スペーサ層104の上側に積層されている。活性層105は、例えば、3層の量子井戸層と4層の障壁層とを有する構造とすることができる。各量子井戸層は、例えば、Al0.12Ga0.88Asから形成することができ、各障壁層は、例えば、Al0.3Ga0.7Asから形成することができる。
上部スペーサ層106は、活性層105の上側に積層されている。上部スペーサ層106は、例えば、ノンドープのAl0.6Ga0.4Asから形成することができる。
下部スペーサ層104と活性層105と上部スペーサ層106とからなる部分は、共振器構造体(共振器領域)とも称され、その厚さが1波長の光学的厚さとなるように設定されている。なお、活性層105は、高い誘導放出確率が得られるように、電界の定在波分布における腹に対応する位置である共振器構造体の中央に設けられている。
上部半導体DBR107は、上部スペーサ層106の上面に積層されている。上部半導体DBR107は、例えば、p−Al0.9Ga0.1Asからなる低屈折率層とp−Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層のペアを24ペア有している。上部半導体DBR107の各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた組成傾斜層を設けることができる。この場合、各屈折率層は何れも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、発振波長をλとするとλ/4の光学的厚さとなるように設定される。
上部半導体DBR107における共振器構造体から光学的にλ/4離れた位置に、例えば膜厚30nm程度のp−AlAsからなる選択酸化層108が設けられている。なお、図1では、便宜上、選択酸化層108は、上部半導体DBR107と共振器構造体との間に図示されている。選択酸化層108は、例えば、メサ110の側面から水蒸気等により酸化させ、メサ110の中央部にAlの酸化層108aによって囲まれた酸化されていない領域108bを形成したものである。この酸化されていない領域108bが電流通過領域である。
コンタクト層109は、上部半導体DBR107の上側に積層されている。コンタクト層109は、例えば、p−GaAsからなる層である。
なお、以上のように基板101上に複数の半導体層が積層された構造体を、以降、便宜上「積層体」と称する場合がある。
基板101の裏面101aには、溝部101xが形成されている。溝部101xの断面形状(基板101の表面に平行な断面の形状)は、例えば、矩形状とすることができる。基板101の厚さが例えば450μm程度であった場合、基板101の裏面101aからの溝部101xの深さは、例えば、400μm程度とすることができる。又、メサ110の平面形状が一辺が約30μmの略正方形である場合、溝部101xの幅は30μmよりも大きくすることが好ましく、例えば、約50μmとすることができる。
下部電極114は、基板101の裏面101a、溝部101xの内側面及び底面を被覆するように連続的に形成することが好ましい。なお、内側面及び底面を含めて内壁面と称する場合がある。本実施の形態では、基板101の裏面101a、溝部101xの内壁面を被覆するように下部電極114を連続的に形成するので、例えば内側面と底面との境界がR形状になっており両者の境界が明確でないような場合でも問題とはならない。
下部電極114の材料としては、基板101の材料よりも熱伝導率の高い高熱伝導材料を用いることができる。基板101としてGaAs基板を用いた場合には、下部電極114を構成する高熱伝導材料として、例えば、GaAsよりも熱伝導率の高い金(Au)や銅(Cu)又はこれらの合金等を含む構成とすることが好ましい。これらの材料は、単独で用いてもよいし、他の材料と積層して多層膜とし最外層に形成してもよい。例えば、金ゲルマニウム(AuGe)、ニッケル(Ni)、金(Au)からなる多層膜を用いることができる。
一般的なGaAsの熱伝導率は46(W/m・K)である。この値は、熱の拡散を担わせる材料としては不十分である。それに対して、金(Au)の熱伝導率は318(W/m・K)であるので、GaAsの約7倍大きい値である。又、銅(Cu)の熱伝導率は401(W/m・K)であるので、GaAsの9倍近い値である。
ここで、図2を参照しながら、溝部101xについて詳しく説明する。図2は、溝部とメサ(発光部)との位置関係を例示する平面図である。図2では、便宜上、溝部101xとメサ110とが同一平面状にあるかのように図示されているが、実際は、溝部101xは基板101の裏面101aに形成されている。これに対して、メサ110(発光部)は、基板101の表面に形成されている。なお、図2において、下部電極114の図示は省略されている。
溝部101xは、複数の面発光レーザ素子100に対して連続的に形成された部分を含むように形成される。図2に示すように、本実施の形態では、溝部101xは、直行する2方向に形成された溝が交差するように、面発光レーザアレイ1の全体にわたって形成されている。この場合、交差する部分(交点)にメサ110が配置されることが好ましい。基板101の表面に形成されるメサ110と、基板101の裏面101aに形成される溝部101xの交点との位置関係を一致させることは、それほど困難な技術ではない。例えば、所謂両面アライナーという装置を用いて写真工程の露光を行う際に、両者の位置が合うようにアライメントを行うことで容易に製造できる。
但し、溝部101xは、複数の面発光レーザ素子100に対して連続的に形成された部分を含むように形成されればよいため、溝部101xは、必ずしも交差するように形成する必要はない。例えば、図2において、紙面横方向に略平行な複数の溝部をストライプ状に設けてもよいし、紙面縦方向に略平行な複数の溝部をストライプ状に設けてもよい。この場合でも、溝部101xと平面視において重複する位置に、メサ110が配置されることが好ましい。
このように、本実施の形態では、基板101の裏面101aに溝部101xを形成し、高熱伝導材料からなる下部電極114を、基板101の裏面101a、溝部101xの内側面及び底面を被覆するように連続的に形成する。これにより、メサ110(発光部)において発生する熱を効率よく系外に拡散させることが可能となり、高い放熱効果を実現できる。その結果、熱の影響による光出力の低下を抑制した高出力の面発光レーザアレイ1を実現できる。
言い換えれば、熱の拡散する方向を基板101の裏面101a側とし、基板101に溝部101xを形成し基板101の裏面101aと溝部101xに対して高熱伝導材料からなる下部電極114を連続して形成する構造である。そのため、これまで開示されてきたような、水平方向や光出射方向へ熱を拡散する構造とは異なり、面発光レーザ素子の発する熱を効率よく系外に拡散させることが可能となる。そして、更に、ヒートシンクを基板101の裏面101aに密着して接合することが可能となるので、熱の拡散効率を飛躍的に向上させることができる。
要するに、熱の拡散という目的に対しては一般的に基板101単体の熱伝導率は満足できる値ではないために、基板101に溝部101xを形成し、溝部101xのみならず基板101の裏面101aにも連続して高熱伝導材料からなる下部電極114を形成する。これにより、発光部から発せられる熱を高熱伝導材料からなる下部電極114を熱の拡散経路とすることができ、高い放熱効果を実現できる。
又、溝部101xの端部は基板101の側面に必ず開口しているので、基板101をヒートシンクに接合した構造としても溝部101xは閉じられた空間になることはない。従って、溝部101の内壁面とヒートシンクの表面により形成された空間を、ヘリウムや空気等の流動性を有する媒質(流体)が流れる流路とすることができる。これにより、溝部101xの形成された基板101そのものがヒートシンクの一部として機能することが可能となる。
又、溝部101xは(交差する場合には、溝部101xの交点は)、平面視において、メサ110と重複する位置に形成されていることが好ましい。これにより、放熱部を発熱部と至近距離に配置できるため(最小の距離に配置できるため)、放熱効果を更に向上することができる。
この際、基板101の溝部101x上に残存する部分の厚さT(基板101の表面から溝部101xの底面までの基板101の厚さ)を50μm以下とすることが好ましい。この部分を薄型化することにより、活性層105で発生した熱が基板101で遮蔽され難くなり、放熱効果を更に向上できるからである。
[実施例1]
以下の製造方法により、第1の実施の形態に係る面発光レーザアレイ1(図1及び図2参照)を作製した。
まず、第1の工程として、有機金属気相成長法(MOCVD法)又は分子線エピタキシャル成長法(MBE法)による結晶成長によって前記積層体を作製する。本実施例では、MOCVD法により前記積層体を作製した。この際、III族の原料には、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)を用い、V族の原料には、アルシン(AsH)を用いた。又、p型ドーパントの原料には四臭化炭素(CBr)、n型ドーパントの原料にはセレン化水素(HSe)を用いた。各膜の膜厚や層数等については前述の通りである。
次に、第2の工程として、作製した積層体の表面にプラズマCVD法により誘電体膜を成膜した。本実施例ではSiN膜を誘電体として用いた。誘電体膜は基板101の裏面に凹凸を形成するためのエッチング工程時に積層体表面を保護するための保護膜であり、約100nm程度の厚さとした。
次に、第3の工程(第1の写真工程)として、基板101の裏面101aに溝部101xを形成するためのレジストパターンを形成する。レジストは一般的なポジレジストを用いており、本実施例では東京応化社製OFPR800−200cpを使用している。塗布はスピンコーターにより膜厚約8μmとなるように回転数を調整し、露光・現像・ポストベークを経て、図2に示す形状の溝部101xに相当するレジストパターンを得た。
次に、第4の工程として、誘導結合型プラズマを用いた反応性イオンエッチングにより前記レジストパターンをマスクとして、基板101を裏面101a側から一部除去して図2に示す形状の溝部101xを形成した。溝101xの幅はメサ110の大きさに合わせて適宜設計することが可能である。本実施例では、メサ110は平面形状が一辺が約30μmの略正方形とするため、溝101xの幅は50μmとした。
エッチングはSiCl、Cl、Arの混合ガスを使用し、圧力1Pa、基板101の温度60℃、投入電力500Wにて行い、厚さ約450μmの基板101に対して、400μmの深さの溝部101xを形成した。これにより、最終的に基板101の溝部101x上に残存する部分の厚さT(図1参照)を50μmにすることができる。
溝101xの位置は基板101の表面に形成されるメサ110(発光部)の位置に合わせて加工することが重要であり、ストライプ状、又は交差(例えば、直交)する形状にすることができる。本実施例では、図2に示す形状の直交する溝部101xを形成した。この場合、溝101xの交点をメサ110の位置に合わせて加工すれば、熱の拡散効率が最も大きくなるという効果が得られる。
次に、第5の工程として、基板101の裏面101a及び溝部101xの内壁面を連続的に被覆するように、金ゲルマニウム(AuGe)、ニッケル(Ni)、金(Au)をこの順番で積層した多層膜からなる下部電極114を形成した。下部電極114の形成には、抵抗加熱法及び電子ビーム蒸着法を用いた。なお、基板101の裏面101aを被覆する部分の下部電極114を構成する金(Au)の厚さは、厚ければ厚いほど熱の拡散能力が高くなるが、スループットやコストの観点から好適な膜厚を決定することができる。本実施例では、これらの観点から、基板101の裏面101aを被覆する部分の下部電極114を構成する金(Au)の厚さを10〜20μmとした。
金(Au)や銅(Cu)又はこれらの合金等を用いることで、下部電極114として十分機能すると共に、十分な熱伝道特性も有するため、電気伝導と熱伝導の2つの機能を十分に満足する部材を1回の工程で形成することができ、工程短縮が可能となる。
次に、第6の工程(第2の写真工程)として、積層体にメサ110を形成する領域に相当するレジストパターンを形成する。この際、両面アライメントが可能な露光装置を使用し、第1の写真工程で形成したアライメントパターンに位置合わせする。これにより積層体に形成するメサ110に該当する部分が基板101の溝部101xに相当するようになる。
次に、第7の工程として、誘導結合型プラズマを用いた反応性イオンエッチングにより第2の写真工程で形成したレジストパターンをマスクとして、積層体にメサ110を形成する。エッチングはSiCl、Arの混合ガスを使用し、圧力0.1Pa、基板101の温度60℃、投入電力500Wにて行い、下部スペーサ層104の一部まで除去した。
次に、第8の工程として、水蒸気中で熱処理することでメサ110の外周部(側面)から選択酸化層108を選択的に酸化する。そして、メサ110の中央部にAlの酸化層108aによって囲まれた酸化されていない領域108b(電流通過領域)を残留させた。これにより、発光部の駆動電流の経路をメサ110の中央部だけに制限する酸化狭窄構造体が作製された。本実施例では、発光部の駆動電流の経路の大きさを一辺が約5μmの正方形にすることで、高次横モードの発振を抑制した。
次に、第9の工程として、誘電体膜111をプラズマCVD法で成膜した。本実施例では、誘電体膜111をSiN膜とし、光学的膜厚が2λ/4となる膜厚206nmとした。更に、第3の写真工程によりレジストパターンを形成し、形成したレジストパターンをマスクとしてコンタクト層109を界面活性剤入りバッファードフッ酸(BHF)を用いたウェットエッチングによりパターニングした。
次に、第10の工程として、リフトオフ法により、光出射部に一辺が約10μmの光出射領域112(正方形の開口)を備えた上部電極113を形成した。上部電極113は、Cr/AuZn/Auがこの順番で積層された多層膜とした。但し、上部電極113は、Ti/Pt/Auがこの順番で積層された多層膜としてもよい。
次に、第11の工程として、アニールにより上部電極113と下部電極114のオーミック接触を形成した。これにより、面発光レーザアレイ1が完成した。
[実施例2]
実施例2では、基板101の裏面101aに形成する溝部101xをダイシング装置により加工する例を示す。具体的には、実施例1における、第3の工程及び第4の工程に代えて以下の工程を実施する。
まず、基板101の表面に積層体を保護するために、レジストの塗布とベークを行う。用いたレジストは実施例1と同様に東京応化社製OFPR800−200cpである。塗布はスピンコーターにより膜厚約8μmとなるように回転数を調整し、温度約130℃のポストベークを約5分間行って保護レジストを形成する。
次に、基板101の裏面101aがダイシング面となるようにダイシング装置にセットし、ブレード幅が約80μmのダイヤモンドブレードを用いて、ピッチが発光部のレイアウトピッチに相当する値とし、X軸方向、次いでY軸方向のダイシングを行う。第5の工程以降は実施例1と同様にし、面発光レーザアレイ1を作製した。なお、ダイシングは、スループットの高い加工法であるため、工程の短縮が実現できる、又、マスクレスの加工が可能となるため、プロセスの簡略化及び低コスト化が実現できる。
[実施例3]
実施例3では、面発光レーザアレイをヒートシンク上に接合する例を示す。具体的には、図3に示すように、ヒートシンク500上に面発光レーザアレイ1(図1及び図2参照)を接合した面発光レーザアレイ1Aを作製した。面発光レーザアレイ1Aでは、基板101の裏面101aに形成された溝部101xとヒートシンク500の表面により空間が形成される。なお、接合には、はんだ等を用いることができる。
面発光レーザアレイ1は、基板101の裏面101aに連通した溝部101xを有している。そして、基板101の裏面101aのみならず溝部101xの内側面及び底面を高熱伝導材料からなる下部電極114により連続的に被覆している。従って、図3に示すように、基板101の裏面101aをヒートシンク500等の別の部材と接合させると、基板101に形成された溝部101xが連通した空隙となる。
このように互いに独立して存在する凹部ではなく、連通した構造の溝部101xを有することで、互いに独立して存在する凹部では発揮できない独自の効果が期待できる。すなわち、ヒートシンク500に接合された基板101の裏面101aには、金(Au)等に代表される高熱伝導材料からなる下部電極114が形成されている。そのため、発光部で発生し基板101を通じて拡散してきた熱は、ヒートシンク500へと速やかに拡散することができる。
又、溝部101xの内側面及び底面にも高熱伝導材料からなる下部電極114が形成されているので、それらの面から接触している大気中へと放熱が行われる。このように、基板101がバルク形状ではなく、連通した溝部101xを有する構造であるため、基板101自体がヒートシンクと同様の機能を有する効果が得られる。
[実施例4]
実施例4では、実施例3に、更に強制的に冷却できる構成を付加する例を示す。具体的には、図4に示すように、図3の構成に加えて、基板101の側面の近傍に、溝部101xとヒートシンク500により形成された空間に流動性を有する媒質を流すことができる機構、すなわち流体導入機構600を付加した面発光レーザアレイ1Bを作製した。流体導入機構600から導入される流体が基板101に設けられた溝部101xを通じて流れ、基板101と接触した際に熱交換を行って冷却効果を実現する構造である。この構造では、積極的に熱を奪うことができるので、熱の拡散特性を更に向上させることができる。
ここで、流体として好適なのは、ヘリウムガスを用いることである。ヘリウムガスは、熱伝導率が大きく、比熱も大きいために、冷却用の流体として適したガスである。ヘリウムはガスボンベからの供給が可能なので、圧力及び流量を適切に調節して、使用することができる。熱伝道特性に優れたヘリウムを用いることで、効率よく熱を奪うことができるため、熱の拡散特性を更に向上させることができる。
又、冷却能力の面からはヘリウムに劣るが、その使いやすさの面から空気も冷却用流体として使用することができる。流体導入機構600の最も単純な例としては、ファンのような送風機構を挙げられる。この方法では構成がシンプルで、ランニングコストが低くて済むというメリットがある。
このような冷却方式で発光部から発生する熱をすばやく奪い取って熱の拡散効率を向上させることができるのは、基板101に連通した溝部101xが形成されていることによる効果である。溝部101xが形成されていないバルク形状の基板のままでは、このような効果は望めない。
又、本実施例においては、単に基板101に連通した溝部101xを形成するだけではなく、基板101の裏面101aのみならず溝部101xの内側面及び底面を高熱伝導材料からなる下部電極114により連続的に被覆されている。そのため、更に熱の拡散効率を向上させることができる。
以上、好ましい実施の形態及び実施例について詳説したが、上述した実施の形態及び実施例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
1、1A、1B 面発光レーザアレイ
100 面発光レーザ素子
101 基板
101a 基板の裏面
101x 溝部
102 バッファ層
103 下部半導体DBR
104 下部スペーサ層
105 活性層
106 上部スペーサ層
107 上部半導体DBR
108 選択酸化層
108a 酸化層
108b 領域(電流通過領域)
109 コンタクト層
109a コンタクト領域
110 メサ
110a メサ周囲の底面
111 誘電体膜
112 光出射領域
113 上部電極
114 下部電極
500 ヒートシンク
600 流体導入機構
特開2007−299897号公報 特開2009−54855号公報
Proc. Of SPIE Vol.7229 722903-(1-11)

Claims (10)

  1. 基板の表面側に積層された下部反射鏡、活性層を含む共振器領域、上部反射鏡、を含むメサを有する垂直共振器型の面発光レーザ素子を複数個備えた面発光レーザアレイであって、
    前記基板の裏面に形成された溝部と、
    前記基板の裏面及び前記溝部の内壁面に連続的に形成された、前記基板の材料よりも熱伝導率が高い高熱伝導材料からなる下部電極と、を有し、
    前記溝部は、複数の前記面発光レーザ素子に対して連続的に形成された部分を含むことを特徴とする面発光レーザアレイ。
  2. 前記溝部は、前記基板の表面の法線方向から視て、前記メサと重複する位置に形成された部分を含むことを特徴とする請求項1記載の面発光レーザアレイ。
  3. 前記溝部は交差しており、前記溝部の交点は、前記基板の表面の法線方向から視て、前記メサと重複する位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の面発光レーザアレイ。
  4. 前記溝部の端部は、前記基板の側面に開口していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の面発光レーザアレイ。
  5. 前記高熱伝導材料は、金、銅、又はそれらの合金を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載の面発光レーザアレイ。
  6. 前記基板の裏面にヒートシンクを接合したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の面発光レーザアレイ。
  7. 前記溝部と前記ヒートシンクの表面により形成された空間に、流動性を有する媒質を流す機構を具備していることを特徴とする請求項6記載の面発光レーザアレイ。
  8. 前記流動性を有する媒質がヘリウム又は空気であることを特徴とする請求項7記載の面発光レーザアレイ。
  9. 前記基板の表面から前記溝部の底面までの前記基板の厚さが50μm以下であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項記載の面発光レーザアレイ。
  10. 基板の表面側に積層された下部反射鏡、活性層を含む共振器領域、上部反射鏡、を含むメサを有する垂直共振器型の面発光レーザ素子を複数個備えた面発光レーザアレイの製造方法であって、
    前記基板の裏面にダイシングにより溝部を形成する工程と、
    前記基板の裏面及び前記溝部の内壁面に、前記基板の材料よりも熱伝導率が高い高熱伝導材料からなる下部電極を連続的に形成する工程と、を有し、
    前記溝部を形成する工程では、複数の前記面発光レーザ素子に対して連続的に形成された部分を含むように前記溝部が形成されることを特徴とする面発光レーザアレイの製造方法。
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