JP2015102568A - 画像形成装置及び検出誤差低減方法 - Google Patents

画像形成装置及び検出誤差低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】像担持体のベルト表面を光学センサで検知する画像形成装置において、異物や傷等による凹凸がベルト表面に多数生じた場合や、凹凸により検出値が増加するノイズと減少するノイズの両方が発生する場合にも、光学センサの検出値の誤差を低減し、且つ、トナーの量も少なくする。
【解決手段】光学センサ57から像担持体50のベルト表面に照射される光のスポット径を変更させるスポット径変更部59〜61と、像担持体50の所定の回転距離に亘る光学センサ57の検出値のうち、所定の値の範囲を超えた検出値の数をノイズの数として算出し、算出したノイズの数に応じて、スポット径変更部59〜61によりスポット径を大きく変更する制御部とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関し、特に、中間転写ベルト等のベルト状の像担持体のベルト表面を光学センサで検知する画像形成装置及びその画像形成装置における光学センサの検出誤差低減方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、温度や湿度の経時的変化や部品の交換等に伴い、形成される画像に濃度の変化が生じることがある。そこで、画像濃度の安定化のための方法として、従来から、光学センサの一種であるIDC(Image Density Control)センサを用いた方法が採用されている。この方法では、画像形成部からトナー像が1次転写される中間転写ベルトのベルト表面を検知するために、ベルト表面に対向してIDCセンサを配置する。そして、画像形成部によりベルト表面にトナーパッチを形成し、IDCセンサによるそのトナーパッチの検出値に基づいて画像形成部により作像条件を補正する。
こうした作像条件の補正を行う際に、中間転写ベルトのベルト裏面に付着した異物やベルト表面の傷等によってベルト表面に凹凸が生じると、その凹凸がIDCセンサによる検知箇所に対応するベルト裏面に配置されたバックアップローラを通過することがある。そして、このような凹凸が例えばIDCセンサによる検知箇所に対応するベルト裏面に配置されたバックアップローラを通過すると、ベルト表面とIDCセンサ間の距離が一時的に変動する。それにより、IDCセンサの検出値にスパイクノイズによる誤差が発生して作像条件の補正精度が低下し、その結果画像の品質が劣化してしまう。
従来、こうした異物や傷等を原因とするIDCセンサの検出値の誤差を低減する方法としては、下記の〈a〉〜〈c〉のような方法が提案されていた。
〈a〉演算処理により、IDCセンサの検出値のうち値が安定している部分を基準として、その基準を超えた値をノイズとみなし、そのノイズを除去する。
〈b〉スポット径の大きな光をベルト表面に照射するIDCセンサを使用することにより、IDCセンサの検出値に対する凹凸の影響を少なくする。
〈c〉IDCセンサによるベルト表面の濃度の検出値の最小値を、アンダーピークホールド回路で保持する。そして、その保持した最小値に基づき、IDCセンサによるトナーパッチの濃度の検出値を補正して、トナーパッチの濃度を求める。これにより、その後異物や傷等を原因としてベルト表面の濃度の検出値が増加するノイズが発生しても、そのノイズの影響を受けなくなる(例えば特許文献1参照。)。
特開2003−345072号公報(段落0037〜0046)
しかし、上記〈a〉のように演算処理によってノイズを除去する方法は、ノイズが少数であれば処理が可能であるが、異物や傷等が増加して多数のノイズが発生した場合は、IDCセンサの検出値が安定した部分が存在しなくなるので、処理が困難になる。
また、上記〈b〉のようにスポット径の大きなIDCセンサを使用する方法では、全てのトナーパッチのサイズをスポット径の大きさに対応して大きくする必要があるので、作像条件の補正のために必要なトナーの量が増加してしまう。
また、上記〈c〉の方法(特許文献1に記載された方法)では、濃度の検出値が増加するのではなく減少するようなノイズが発生した場合は、そのノイズの値がアンダーピークホールド回路で保持されるので、ノイズの影響を受けてしまう。特に、中間転写ベルトのうちローラに架かっている箇所に対向してIDCセンサを配置した場合は、曲率を有する面を異物や傷等による凹凸が通過するので、IDCセンサへの反射光が減少する場合がある。IDCセンサへの反射光が減少した場合には、検出値が減少する。
本発明は、上述の点に鑑み、トナー像を担持するベルト状の像担持体のベルト表面を光学センサで検知する画像形成装置において、異物や傷等による凹凸がベルト表面に多数生じた場合や、凹凸により検出値が増加するノイズと減少するノイズの両方が発生する場合にも、光学センサの検出値の誤差を低減し、且つ、補正に必要なトナーの量を少なくすることを目的とする。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明は、トナー像を担持するベルト状の像担持体のベルト表面に対向して、ベルト表面を検知する光学センサを配置した画像形成装置において、光学センサからベルト表面に照射される光のスポット径を変更させるスポット径変更部と、像担持体の回転方向における所定の長さに亘る光学センサの検出値のうち、所定の値の範囲を超えた検出値の数をノイズの数として算出し、算出したノイズの数に応じて、スポット径変更部によりスポット径を変更する制御部とを備える。
また、上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明は、画像形成部からトナー像が転写される像担持体のベルト表面に対向して、ベルト表面を検知する光学センサを配置した画像形成装置における、光学センサの検出誤差低減方法において、画像形成装置に備えられた制御部が、像担持体の回転方向における所定の長さに亘る光学センサの検出値のうち、所定の値の範囲を超えた検出値の数をノイズの数として算出し、制御部が、算出したノイズの数に応じて、画像形成装置に備えられており光学センサからベルト表面に照射される光のスポット径を変更させるスポット径変更部により、スポット径を変更する。
上記構成の本発明によれば、予め、ベルト状の像担持体の回転方向における所定の長さに亘る光学センサの検出値からノイズの数を算出し、そのノイズの数に応じて、ベルト表面での光のスポット径を大きく変更する。したがって、ノイズの原因となる異物や傷等による凹凸がベルト表面に多数生じている場合でも、光学センサの検出誤差を低減することができる。
また、光学センサの検出値のうち所定の値の範囲を超えた(上回るかまたは下回った)検出値の数を、ノイズの数として算出する。したがって、凹凸により検出値が増加するノイズと減少するノイズの両方が発生する場合でも、光学センサの検出誤差を低減することができる。
また、算出したノイズの数に応じてスポット径を大きくするので、例えばベルト表面にトナーパッチを形成する場合でも、全てのトナーパッチのサイズを大きくする必要はなく、スポット径を大きくした場合だけトナーパッチのサイズを大きくすれば足りる。したがって、トナーパッチの作成に使うトナーの量も節減することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の画像形成部,中間転写ベルト,2次転写部,定着部等の構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の中間転写ベルト及びその周辺の部品の構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の中間転写ベルト及びその周辺の部品の構成を示す図である。 ベルト表面とIDCセンサ間の距離とベルト表面での光のスポット径との相関関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置における作像条件の補正のための処理を示すフローチャートである。 図6の処理での測定条件及びノイズ数の算出結果を例示する図である。 図6の処理で用いる相関式によるノイズ数とスポット径の関係を示す図である。 ベルト表面の凹凸及びスポット径の変更の様子を例示する図である。 スポット径の増大によるノイズ低減効果を例示する図である。 スポット径の増大によるノイズ低減効果を例示する図である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の中間転写ベルト及びその周辺の部品の構成を示す図である。 図12のシャッターの移動機構を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置における作像条件の補正のための処理を示すフローチャートである。 図14の処理で用いるテーブルを示す図である。 図14の処理による拡散板の変更結果を示す図である。 図14の処理による拡散板の変更結果を示す図である。 図14の処理による拡散板の変更結果を示す図である。 図14の処理による拡散板の変更結果を示す図である。 トナーパターンの検出結果を例示する図である。 本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置における作像条件の補正のための処理を示すフローチャートである。 図21の処理で用いる最大ノイズ量と階調との相関関係のデータを示す図である。 図21の処理で用いる最大ノイズ量と階調との相関関係のデータを示す図である。 図21の処理によるスポット径及びトナーパッチのサイズの切り替えを示す図である。 図21の処理によるスポット径及びトナーパッチのサイズの切り替えを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の画像形成部,中間転写ベルト,2次転写部,定着部等の構成を示す。この画像形成装置1は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のトナーを重ね合わせるタンデム形式のカラー画像形成装置である。画像形成装置1は、原稿搬送部10と、用紙収納部20と、画像読取部30と、画像形成部40と、中間転写ベルト50と、2次転写部70と、定着部80を有する。
原稿搬送部10は、原稿をセットする原稿給紙台11と、複数のローラ12とを有している。原稿搬送部10の原稿給紙台11にセットされた原稿Gは、複数のローラ12によって、画像読取部30の読取位置に1枚ずつ搬送される。画像読取部30は、原稿搬送部10により搬送された原稿G又は原稿台13に載置された原稿の画像を読み取って、画像信号を生成する。
用紙収納部20は、装置本体の下部に配置されており、用紙Sのサイズに応じて複数設けられている。この用紙Sは、給紙部21により給紙されて搬送部23に送られ、搬送部23によって転写位置である2次転写部70に搬送される。つまり、搬送部23は、給紙部21から給紙された用紙Sを2次転写部70へ搬送する機能を果たし、用紙Sを搬送する搬送経路を形成している。また、用紙収納部20の近傍には、手差部22が設けられている。この手差部22からは、用紙収納部20に収納されていないサイズの用紙やタグを有するタグ紙、OHPシート等の特殊紙が転写位置へ送られる。
画像読取部30と用紙収納部20の間には、画像形成部40と中間転写ベルト50が配置されている。画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナー像を形成するために、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを有する。
第1の画像形成ユニット40Yは、イエローのトナー像を形成し、第2の画像形成ユニット40Mは、マゼンタのトナー像を形成する。また、第3の画像形成ユニット40Cは、シアンのトナー像を形成し、第4の画像形成ユニット40Kは、ブラックのトナー像を形成する。これら4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは第1の画像形成ユニット40Yについて説明する。
第1の画像形成ユニット40Yは、像担持体としてのドラム状の感光体41と、感光体41の周囲に配置された帯電部42と、露光部43と、現像部44と、クリーニング部45を有している。感光体41は、不図示の駆動モータによって反時計回りに回転する。帯電部42は、感光体41に電荷を与え感光体41の表面を一様に帯電する。露光部43は、画像読取部30により生成された画像データに基づいて、感光体41の表面に対して露光走査を行い感光体41上に静電潜像を形成する。
現像部44は、像担持体である感光体41に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させる。これにより、感光体41の表面は、イエローのトナー像が形成される。なお、第2の画像形成ユニット40Mの現像部44は、感光体41にマゼンタのトナーを付着させ、第3の画像形成ユニット40Cの現像部44は、感光体41にシアンのトナーを付着させる。そして、第4の画像形成ユニット40Kの現像部44は、感光体41にブラックのトナーを付着させる。
感光体41上に付着したトナーは、ベルト状の像担持体の一例を示す中間転写ベルト50に転写される。クリーニング部45は、中間転写ベルト50に転写された後の感光体41の表面に残留しているトナーを除去する。
中間転写ベルト50は、無端状に形成されており、不図示の駆動モータで感光体41の回転方向とは逆方向の時計回りに回転する。中間転写ベルト50における各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kの感光体41と対向する位置には、1次転写部51が設けられている。この1次転写部51は、中間転写ベルト50にトナーと反対の極性を印加することで、感光体41上に形成されたトナー像を中間転写ベルト50に転写させる。
そして、中間転写ベルト50が回転することで、中間転写ベルト50の表面には、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kで形成されたトナー像が順次転写される。これにより、中間転写ベルト50上には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像が重なり合いカラー画像が形成される。
中間転写ベルト50の近傍で、かつ搬送部23の下流には、2次転写部70が配置されている。2次転写部70は、ローラ状に形成されており、搬送部23によって送られてきた用紙Sを中間転写ベルト50側に押圧する。そして、2次転写部70は、搬送部23によって送られてきた用紙S上に中間転写ベルト50に形成されたカラー画像を転写する。クリーニング部52は、用紙Sに転写した後中間転写ベルト50の表面に残留しているトナーを除去する。また、2次転写部70における用紙Sの排出側には、定着部80が設けられている。定着部80は、用紙Sに転写されたトナー像を加圧加熱定着させる。
定着部80の下流には、切換ゲート24が配置されている。切換ゲート24は、定着部80を通過した用紙Sの搬送経路を切り替える。すなわち、切換ゲート24は、片面画像形成におけるフェースアップ排紙を行う場合に、用紙Sを直進させる。これにより、用紙Sは、一対の排紙ローラ25によって排紙される。また、切換ゲート24は、片面画像形成におけるフェースダウン排紙及び両面画像形成を行う場合に、用紙Sを下方に案内する。
フェースダウン排紙を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転して上方に搬送する。これにより、用紙Sは、一対の排紙ローラ25によって排紙される。両面画像形成を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転し、再給紙路27により再び転写位置へ送られる。
また、一対の排紙ローラ25の下流側に、用紙Sを折ったり、用紙Sに対してステープル処理等を行ったりする後処理装置を配置してもよい。
図2は、画像形成装置1の制御系の構成を示す。画像形成装置1は、例えばCPU(Central Processing Unit)101と、CPU101が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)102と、CPU101の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)103と、を有する。さらに、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)104と、操作表示部105を有する。なお、ROM102としては、通常電気的に消去可能なプログラマブルROMが用いられる。
CPU101は、制御部の一例であり、ROM102、RAM103、HDD104及び操作表示部105にそれぞれシステムバス107を介して接続され、装置全体を制御する。また、CPU101は、画像読取部30、画像処理部110、画像形成部40、給紙部21、搬送部23にシステムバス107を介して接続されている。また、図示は省略しているが、CPU101は、図1に示した中間転写ベルト50や1次転写部51を収納した中間転写ユニットや、後述するようなIDCセンサ及びパルスモータにもシステムバス107を介して接続されている。
HDD104は、画像読取部30で読み取って得た原稿の画像の画像データを記憶したり、出力済みの画像データ等を記憶したりする。操作表示部105は、液晶表示装置(LCD)又は有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイからなるタッチパネルである。この操作表示部105は、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。さらに、操作表示部105は、複数のキーを備え、ユーザのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。
画像読取部30は、原稿の画像を光学的に読み取って電気信号に変換する。例えば、カラー原稿を読み取る場合は、一画素当たりRGB各10ビットの輝度情報をもつ画像データを生成する。画像読取部30によって生成された画像データや、画像形成装置1に接続された外部装置の一例を示すPC(パーソナルコンピュータ)120から送信される画像データは、画像処理部110に送られ、画像処理される。画像処理部110は、受信した画像データに対し、必要に応じて、シェーディング補正、画像濃度調整、画像圧縮等の画像処理を行う。
なお、本例では、外部装置としてパーソナルコンピュータを用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、外部装置は、例えばファクシミリ装置等その他各種の装置を用いることができる。
例えば、画像形成装置1でカラーの画像を形成する場合、画像読取部30等によって生成されたR・G・Bの画像データを画像処理部110における色変換LUT(look up table)に入力する。そして、画像処理部110は、R・G・BデータをY・M・C・Bkの画像データに色変換する。そして、色変換した画像データに対して、階調再現特性の補正、濃度補正LUTを参照した網点などのスクリーン処理、あるいは細線を強調するためのエッジ処理などを行う。
画像形成部40は、画像処理部110によって画像処理された画像データを受け取り、画像データに基づいて用紙S上に画像を形成する。
図3及び図4は、図1に示した中間転写ベルト50及びその周辺の部品のうち、本発明に関連する部分の詳細な構成を示す。図3に示すように、中間転写ベルト50は、駆動ローラ53(バックアップ部材の一例)及び従動ローラ54〜56に張架されている。中間転写ベルト50のうち、駆動ローラ53に架かっている箇所のベルト表面に対向して、ベルト表面を検知するIDCセンサ57が配置されている。このように駆動ローラ53に架かっている箇所に対向してIDCセンサ57を配置することにより、中間転写ベルト50が回転中に撓んでもベルト表面とIDCセンサ57間の距離が変動しないので、IDCセンサ57の検出値の安定性を確保することができる。IDCセンサ57の前面には、不図示の駆動部により開閉されるシャッター58が設けられている。
図4に示すように、IDCセンサ57を中間転写ベルト50のベルト表面と垂直な方向(図4の矢印の方向)に移動させる移動機構として、可動ステージ59、パルスモータ60及びガイド軸61が設けられている。IDCセンサ57及びシャッター58は、可動ステージ59に保持されている。可動ステージ59は、ベルト表面と垂直な方向に延びたガイド軸61に、移動可能に支持されている。パルスモータ60の回転軸はベルト表面と垂直な方向に向いており、この回転軸にスパイラルシャフト60aが取り付けられている。可動ステージ59には突起部59aが形成されており、この突起部59aがスパイラルシャフト60aのねじ溝に挿入されている。パルスモータ60を回転させると、突起部59aがねじ溝に沿ってスパイラルシャフト60aの長手方向に移動するので、可動ステージ59がガイド軸61に沿ってベルト表面と垂直な方向に移動する。これにより、IDCセンサ57及びシャッター58がベルト表面と垂直な方向に移動して、ベルト表面とIDCセンサ57との間の距離が変化する。
図5は、ベルト表面とIDCセンサ57間の距離と、IDCセンサ57からベルト表面に照射される光のスポット径との相関関係を示す。IDCセンサ57の焦点距離は7mmであり、標準条件では、ベルト表面とIDCセンサ57間の距離をこの焦点距離と一致させることにより、ベルト表面での光のスポット径は最小の4mmになっている。そして、ベルト表面とIDCセンサ57間の距離を7mmからずらしていくと、ベルト表面とIDCセンサ57間の距離をx、スポット径をyとして、下記の式(1)の相関関係でスポット径が大きくなっていく。
y=1.5091x−21.127x+77.764…(1)
図4に示した移動機構は、ベルト表面とIDCセンサ57間の距離を変化させることによって、この図5のようにベルト表面での光のスポット径を変更させる「スポット径変更部」としての役割を有している。なお、図4に示した回転型のパルスモータ60に代えて、シャフトが前後に直線運動するパルスモータを用いて可動ステージ59を移動させてもよい。
図2に示したCPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づき、所定のタイミングで(例えば所定枚数のプリントを行った毎に)、作像条件の補正のための処理を実行する。図6は、この作像条件の補正のための処理を示す。この処理では、CPU101は、最初に、ベルト表面とIDCセンサ57間の距離を前述の標準条件の7mmにした(スポット径を4mmにした)状態で、駆動ローラ53を駆動して中間転写ベルト50を回転させ、中間転写ベルト50の回転方向における駆動ローラ53一周分に相当する長さに亘るIDCセンサ57の検出値を測定する(ステップS1)。
そしてCPU101は、ステップS1での測定結果のうち、基準電圧±そのα%の範囲を超えた(上回るかまたは下回った)検出値の数を、ノイズの数として算出する。基準電圧は、予めベルト表面を検知して設定した値であり、αは、例えば5あるいは10といった一定の値である。αの値が小さいほど、検出値のより小さな変動もノイズとみなすことになる(ステップS2)。
なお、IDCセンサ57が対向しているベルト表面では、駆動ローラ53に付着した異物による凹凸が生じやすい。そのため、ステップS1及びS2のように駆動ローラ53一周分の検出値からノイズ数を算出することで、その異物を原因とするノイズを全て算出する。ただし、別の例として、中間転写ベルト50一周分の長さに亘るIDCセンサ57の検出値からノイズ数を算出してもよい。あるいは、駆動ローラ53一周分や中間転写ベルト50一周分以外の、中間転写ベルト50の回転方向における所定の長さに亘るIDCセンサ57の検出値からノイズ数を算出してもよい。
図7は、ステップS1での測定結果及びステップS2でのノイズ数の算出結果の一例を示す。この例では、ステップS1での測定条件は次の通りである。
プロセス速度(ベルト回転速度):460mm/秒
駆動ローラ53の周長:125.72mm(直径40mm)
IDCセンサ57の検出値のサンプリング周期:1.0m秒
全サンプリングデータ数:273点
基準電圧:3V
また、この例では、ステップS2におけるαの値は10である。そして、測定結果のうち、基準電圧3V±その10%の範囲(=2.7V〜3.3V)を超えたサンプリングデータの数が6点であったので、ノイズの数の算出結果は6となる。
図6のステップS2に続き、CPU101は、算出したノイズの数に応じて、IDCセンサ57からベルト表面に照射する光のスポット径を決定する(ステップS3)。このスポット径の決定は、ノイズ数をx、スポット径をyとして、ROM102に記憶された下記の式(2)のような相関式のデータを用いて行う。
y=−0.0005x+0.1114x+4…(2)
図8は、この相関式によるノイズ数とスポット径の関係を示す。この相関式から、図7の例のようにノイズ数が6の場合には、スポット径は4.65mmになる。
図6のステップS3に続き、CPU101は、決定したスポット径に応じて、図5に示した相関関係に基づきベルト表面とIDCセンサ57間の距離を決定するとともに、補正用画像であるトナーパッチのサイズを決定する(ステップS4)。前述の例のようにスポット径を4.65mmに決定した場合、図5の相関関係から、ベルト表面とIDCセンサ57間の距離は7.74mmまたは6.26mmとなる。IDCセンサ57をベルト表面から離したほうが異物によるIDCセンサ57の汚れを防止できるので、この場合は7.74mmに決定する。また、トナーパッチのサイズは、標準条件のサイズを主走査方向10mm、副走査方向20mmとして、スポット径の増大分だけ標準条件よりも大きく決定する。スポット径を4.65mmに決定した場合、スポット径は標準条件の4mmよりも0.65mm大きくなるので、トナーパッチのサイズを主走査方向10.65mm、副走査方向20.65mmに決定することになる。
図6のステップS4に続き、CPU101は、図4のパルスモータ60を制御して、ベルト表面とIDCセンサ57間の距離を、ステップS4で決定した距離に変更する(ステップS5)。これにより、ベルト表面での光のスポット径が、ステップS3で決定した大きさに変更される。
続いてCPU101は、中間転写ベルト50を回転させ、図1の画像形成部40によりベルト表面にトナーパッチを形成する。その際、CPU101は、トナーパッチのサイズを、ステップS4で決定した大きさに変更する。そしてCPU101は、IDCセンサ57によるトナーパッチの検出値に基づき、図1の露光部43の露光量、現像部44の現像バイアス電圧の直流成分、帯電部42のグリッド電圧、1次転写部51の電圧等の作像条件を補正する(ステップS6)。そして、作像条件の補正が完了すると、CPU101は処理を終了する。
図9は、異物や傷等によるベルト表面の凹凸と、ベルト表面での光のスポット径の変更の様子の一例を示す。スポット径を図9の左側から図9の右側のように大きく変更すると、スポットの面積に対する凹凸の面積の比率が小さくなる。これにより、IDCセンサ57の検出値に対する凹凸の影響が少なくなる。また、図10及び図11は、スポット径の増大によるノイズ低減効果の具体例を示す。図10には、同一のベルト表面を、光のスポット径を4mm、6mm、10mmの3通りにしてIDCセンサ57で検知した結果を示している。スポット径が4mmの場合よりも6mmの場合のほうがノイズが低減され、10mmの場合のほうがさらにノイズが低減されている。図11には、図10の検出結果に基づき、スポット径が4mmの場合のノイズを100%として、スポット径が6mm、10mmの場合のノイズ低減率を示している。スポット径が6mmの場合はノイズが約45%に低減され、スポット径が10mmの場合はノイズが約20%に低減されている。
以上に説明したように、第1の実施の形態に係る画像形成装置によれば、予め、中間転写ベルト50の駆動ローラ53一周分に相当する長さに亘るIDCセンサ57の検出値からノイズの数を算出する。そして、そのノイズの数に応じて、ベルト表面での光のスポット径を大きく変更する。したがって、ノイズの原因となる異物や傷等による凹凸(特に駆動ローラ53に付着した異物による凹凸)がベルト表面に多数生じている場合でも、IDCセンサ57の検出値に対する凹凸の影響を少なくして、IDCセンサ57の検出誤差を低減することができる。
また、IDCセンサの検出値のうち基準電圧±そのα%の値の範囲を超えた(上回るかまたは下回った)検出値の数を、ノイズの数として算出する。したがって、凹凸により検出値が増加するノイズと減少するノイズの両方が発生する場合でも、IDCセンサ57の検出誤差を低減することができる。
また、算出したノイズの数に応じてスポット径を大きくするので、全てのトナーパッチのサイズを大きくする必要はなく、スポット径を大きくした場合だけトナーパッチのサイズを大きくすれば足りる。したがって、トナーパッチの作成に使うトナーの量も節減することができる。
これにより、異物や傷等による凹凸がベルト表面に多数生じた場合や、凹凸により検出値が増加するノイズと減少するノイズの両方が発生する場合にも、作像条件の補正精度の低下を抑制することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と構成が同一の部分については、重複した説明を省略する。第2の実施の形態では、ベルト表面での光のスポット径を変更するための構成と、それに関連するCPU101の処理が、第1の実施の形態とは異なっている。その他の構成は、第1の実施の形態と同一である。
図12は、第2の実施の形態における中間転写ベルト50及びその周辺の部品の詳細な構成を示す。IDCセンサ57は、第1の実施の形態の図3に示したものと同じく、中間転写ベルト50のうち、駆動ローラ53に架かっている箇所のベルト表面に対向して配置されている。IDCセンサ57は、ベルト表面との間の距離を焦点距離7mmに固定した状態で、画像形成装置1内に保持されている。IDCセンサ57の前面には、シャッター62が設けられている。シャッター62は、ベルト表面に対向する位置に該ベルト面に対して平行となるように配置されている。シャッター62には、枠上の板金62aの内側に、開口窓が設けられるとともに、3枚の拡散板63〜65が開口窓に対して一列に配置されている。シャッター62は、拡散板63〜65の配列方向(図12の矢印の方向)に移動可能な状態で、不図示の支持部材に支持されている。
ベルト表面とIDCセンサ57間の距離が7mmなので、IDCセンサ57からの出射光がシャッター62の開口窓を通過したときは、ベルト表面での光のスポット径は、第1の実施の形態の図5に示したように4mmである。
拡散板63〜65は、互いに拡散性能が異なっている。IDCセンサ57からの出射光が拡散板63を透過して拡散されたとき、ベルト表面での光のスポット径は6mmになる。また、IDCセンサ57からの出射光が拡散板64を透過して拡散されたとき、ベルト表面での光のスポット径は8mmになる。また、IDCセンサ57からの出射光が拡散板65を透過して拡散されたとき、ベルト表面での光のスポット径は10mmになる。このように、拡散板63の拡散性能が最も小さく、拡散板65の拡散性能が最も大きく、拡散板64の拡散性能が中程度となっている。
図13は、シャッター62を移動させる移動機構の一例を示す。シャッター62の側面のうち、拡散板63〜65の配列方向(図13の矢印の方向)に平行な側面に、ガイド軸62bが取り付けられている。このガイド軸62bは、シャフト67の一端付近に形成された細長いガイド孔67aに挿入されている。シャフト67の他端は、パルスモータ66の回転軸に取り付けられている。なお、図13のようにパルスモータ66の回転軸に直接シャフト67を取り付ける代わりに、パルスモータ66の回転軸とシャフト67の間に、ギヤを用いた減速機を介在させてもよい。パルスモータ66を回転させると、シャフト67が回動し、ガイド孔67aの位置が拡散板63〜65の配列方向上で変化するので、シャッター62が拡散板63〜65の配列方向に移動する。したがって、パルスモータ66の回転角度を調節することにより、シャッター62を、IDCセンサ57からの出射光が開口窓を通過する位置と、この出射光が拡散板63を透過する位置と、この出射光が拡散板64を透過する位置と、この出射光が拡散板65を透過する位置との間で移動させることができる。このように、このシャッター62及び移動機構は、ベルト表面での光のスポット径を変更する「スポット径変更部」としての役割を有している。
図14は、CPU101が作像条件の補正のために実行する処理を示す。ステップS11〜S16のうち、ステップS11、S12、S16の処理内容は、第1の実施の形態の図6のステップS1、S2、S6と同一であり、重複した説明を省略する。
ステップS13では、CPU101は、ステップS12で算出したノイズ数に応じて、スポット径を決定する。図15は、このスポット径の決定(及び後述するステップS14での決定)を行うためにROM102に記憶されているテーブルを示す。このテーブルでは、ノイズ数が0〜10のときのスポット径が4mm、ノイズ数が11〜50のときのスポット径が6mm、ノイズ数が51〜100のときのスポット径が8mm、ノイズ数が101以上のときのスポット径が10mmに規定されている。
続いてCPU101は、やはり図15のテーブルを用いて、使用する拡散板及びトナーパッチのサイズを決定する(ステップS14)。なお、図15では、トナーパッチのサイズを「パターンサイズ」と表記している。このテーブルでは、ノイズ数が0〜10のとき(すなわちスポット径を4mmとするとき)、拡散板を使用せず、トナーパッチのサイズを標準条件である主走査方向10mm、副走査方向20mmにすることが規定されている。
また、ノイズ数が11〜50のとき(すなわちスポット径を6mmとするとき)、拡散性能が最も小さい拡散板63を使用し、トナーパッチのサイズを主走査方向12mm、副走査方向22mmにすることが規定されている。
また、ノイズ数が51〜100のとき(すなわちスポット径を8mmとするとき)、拡散性能が中程度の拡散板64を使用し、トナーパッチのサイズを主走査方向14mm、副走査方向24mmにすることが規定されている。
また、ノイズ数が101以上のとき(すなわちスポット径を10mmとするとき)、拡散性能が最も大きい拡散板65を使用し、トナーパッチのサイズを主走査方向16mm、副走査方向26mmにすることが規定されている。
図14のステップS14に続き、CPU101は、ステップS14の決定結果に基づいて、使用する拡散板を変更する。すなわち、CPU101は、IDCセンサ57からの出射光が、拡散板63〜65のうちステップS14で決定した拡散板を透過する(拡散板を使用しないように決定した場合は、シャッター62の開口窓を通過する)ように、図13のパルスモータ66を制御してシャッター62の位置を調節する(ステップS15)。
図16、図17、図18、図19は、それぞれノイズ数が0〜10、11〜50、51〜100、101以上であったときのステップS15での拡散板の変更結果を、ノイズ数の算出結果の例(第1の実施の形態の図7と同様な測定条件での例)とともに示す。このような拡散板の変更により、ベルト表面での光のスポット径が、ステップS13で決定した大きさに変更される。
この第2の実施の形態に係る画像形成装置によっても、第1の実施の形態に係る画像形成装置について説明したのと全く同様にして、異物や傷等による凹凸がベルト表面に多数生じた場合や、凹凸により検出値が増加するノイズと減少するノイズの両方が発生する場合にも、作像条件の補正精度の低下を抑制することができ、且つ、より少ないトナーの量で作像条件の補正精度の低下を抑制することができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態において、第1の実施の形態と構成が同一の部分については、重複した説明を省略する。第3の実施の形態では、CPU101の処理において、ベルト表面での光のスポット径及びトナーパッチのサイズの変更の対象とする階調の範囲を選択する点が、第1の実施の形態とは異なっている。その他の構成は、第1の実施の形態と同一である。
図20は、階調が段階的に変化する複数のトナーパッチで構成されるトナーパターンを、IDCセンサ57で検知した結果の一例を示す。図20の上側には、検知距離に対応した8ビット(0〜255)の階調値を示している。トナーパッチの階調値が大きい範囲であるシャドウ領域を検知したときは、トナーパッチの階調値が小さい範囲であるハイライト領域を検知したときと比べて、ノイズがほとんど発生していない。これは、シャドウ領域では、ベルト表面上のトナーの付着量が多いので、ベルト表面に異物や傷等による凹凸が発生していても、凹凸がトナーで覆われるためである。第3の実施の形態では、この点に着眼して、スポット径及びトナーパッチのサイズの変更の対象とする階調の範囲を選択する。
図21は、CPU101が作像条件の補正のために実行する処理を示す。ステップS21〜S26のうち、ステップS21〜S24の処理内容は、第1の実施の形態の図6のステップS1〜S4と同一であり、重複した説明を省略する。
ステップS25では、CPU101は、ステップS22で算出したノイズのうち、基準電圧±そのα%の範囲を最も大きく超えたノイズを求め、そのノイズの値と基準電圧との差を、最大ノイズ量として定義する。例えば、基準電圧3V±その5%の範囲(=2.85V〜3.15V)を超えた検出値の数をノイズ数として算出する場合に、その範囲を最も大きく超えたノイズが2.8Vまたは3.2Vであれば、最大ノイズ量はそれらのノイズの値と3Vとの差の0.2Vと定義することになる。そして、CPU101は、その最大ノイズ量に応じて、スポット径及びトナーパッチのサイズの変更の対象とする階調の範囲を選択する。
図22及び図23は、この階調の範囲を選択するためにROM102に記憶されている最大ノイズ量と階調との相関関係のデータを示す。なお、図22及び図23では、最大ノイズ量を単に「ノイズ量」と表記している。図22に示すように、最大ノイズ量が0.4Vの場合は、0〜100%の範囲の階調のうち、0〜24%の範囲の階調ではノイズによる画像の品質への影響があるが、25〜100%の範囲の階調ではノイズによる画像の品質への影響がない。したがって、この場合は、0〜24%の範囲の階調を、スポット径及びトナーパッチのサイズの変更の対象として選択する。他方、最大ノイズ量が0.2Vの場合は、0〜100%の範囲の階調のうち、0〜14%の範囲の階調ではノイズによる画像の品質への影響があるが、15〜100%の範囲の階調ではノイズによる画像の品質への影響がない。したがって、この場合は、0〜14%の範囲の階調を、スポット径及びトナーパッチのサイズの変更の対象として選択する。
図23に示すように、最大ノイズ量が大きくなるにつれて、0〜100%の範囲の階調のうち0%から何%までの範囲の階調をスポット径及びトナーパッチのサイズの変更の対象とするかを表す閾値階調が大きくなっていく。
図21のステップS25に続き、CPU101は、図4のパルスモータ60を制御して、ステップS25で選択した階調の範囲でのみ、ベルト表面での光のスポット径をステップS23で決定した大きさに変更し、その範囲以外では、スポット径を標準条件の大きさにするように、スポット径を切り替える。またCPU101は、中間転写ベルト50を回転させ、図1の画像形成部40によりベルト表面にトナーパッチを形成する。その際、CPU101は、ステップS25で選択した階調の範囲でのみ、ステップS24で決定したサイズのトナーパッチを形成し、その範囲以外では、標準条件のサイズのトナーパッチを形成するように、トナーパッチのサイズを切り替える。またCPU101は、ステップS25で選択した階調の範囲とその範囲以外との境界では、パルスモータ60によるスポット径の切り替えに要する時間だけ、トナーパッチの形成を中断する。そしてCPU101は、IDCセンサ57によるトナーパッチの検出値に基づき、図1の露光部43の露光量、現像部44の現像バイアス電圧の直流成分、帯電部42のグリッド電圧、1次転写部51の電圧等の作像条件を補正する(ステップS26)。そして、作像条件の補正が完了すると、CPU101は処理を終了する。
図24は、最大ノイズ量が0.4Vであり、トナーパッチの階調が0%、10%、20%、…90%、100%と段階的に変化するトナーパターンを形成する場合の、ステップS26でのスポット径及びトナーパッチのサイズの切り替えの様子を示す。最大ノイズ量が0.4Vの場合、図22及び図23に示したデータから、ステップS25では0〜24%の範囲の階調を選択している。したがって、図24の左側に示すように、0%から20%までの階調では、スポット径及びトナーパッチのサイズを大きくする(図24に示した大きさは、一例である)。そして、20%の階調と30%の階調との境界(図24の中央)で、スポット径及びトナーパッチのサイズを標準条件の大きさに切り替える。また、この20%の階調と30%の階調との境界では、スポット径の切り替えが完了するまでトナーパッチの形成を中断する。図24の左側のトナーパッチと右側のトナーパッチとの間のスペースは、この中断によりトナーパターンの途中でトナーパッチに間隔があくことを示している。そして、スポット径の切り替えが完了すると、図24の右側に示すように、30%以降の階調のトナーパッチの形成を再開する。なお、図24の右側では、スポット径及びトナーパッチのサイズの標準条件の大きさを「小」と表記している。
他方、図25は、最大ノイズ量が0.2Vであり、トナーパッチの階調が0%、10%、20%、…90%、100%と段階的に変化するトナーパターンを形成する場合の、図21のステップS26でのスポット径及びトナーパッチのサイズの切り替えの様子を、図24と同様にして示す。最大ノイズ量が0.2Vの場合、図22及び図23に示したデータから、ステップS25では0〜14%の範囲の階調を選択している。したがって、図25の左側に示すように、0%から10%までの階調では、スポット径及びトナーパッチのサイズを大きくする。そして、10%の階調と20%の階調との境界(図25の中央)で、スポット径及びトナーパッチのサイズを標準条件の大きさに切り替える。また、この10%の階調と20%の階調との境界では、スポット径の切り替えが完了するまでトナーパッチの形成を中断する。そして、スポット径の切り替えが完了すると、図25の右側に示すように、20%以降の階調のトナーパッチの形成を再開する。
このように、最大ノイズ量に応じて、ノイズによる画像の品質への影響のある階調の範囲でのみベルト表面での光のスポット径及びトナーパッチのサイズを大きくすることにより、必要最低限のトナーの量で作像条件の補正精度の低下を抑制することができる。また、作像条件の補正に要する時間も短縮することができる。
以上に説明したように、第3の実施の形態に係る画像形成装置によれば、第1の実施の形態に係る画像形成装置について説明したのと同様にして、異物や傷等による凹凸がベルト表面に多数生じた場合や、凹凸により検出値が増加するノイズと減少するノイズの両方が発生する場合にも、作像条件の補正精度の低下を抑制することができる。さらに、第3の実施の形態に係る画像形成装置によれば、必要最低限のトナーの量で作像条件の補正精度の低下を抑制することができ、また作像条件の補正に要する時間も短縮することができる。
〔変形例〕
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述の各実施の形態では、画像形成部40に4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを設けてカラー画像を形成する例を説明したが、画像形成ユニットを1つだけ設けた単色画像を形成する画像形成装置に本発明を適用してもよい。
また、上述の第3の実施の形態では、第1の実施の形態においてスポット径及びトナーパッチのサイズの変更の対象とする階調の範囲を選択する例を示したが、第2の実施の形態においても同様にしてスポット径及びトナーパッチのサイズの変更の対象とする階調の範囲を選択してよい。
また、上述の各実施の形態では、ベルト表面とIDCセンサ57間の距離を変更することや、拡散板63〜65を使用することにより、ベルト表面での光のスポット径を大きく変更する例を示した。しかし、別の例として、IDCセンサ57の前面にズームレンズを設けるか、またはIDCセンサ57自体にズームレンズを搭載し、このズームレンズの焦点距離を変化させることにより、ベルト表面での光のスポット径を大きく変更してもよい。あるいはまた、IDCセンサ57とは焦点距離の異なるIDCセンサをIDCセンサ57と入れ替えて配置するための移動機構を設け、その移動機構で入れ替えを行うことにより、ベルト表面での光のスポット径を大きく変更してもよい。
また、上述の各実施の形態では、IDCセンサで像担持体の一例である中間転写ベルトのベルト表面を検知して作像条件を補正する例を示した。しかし、これに限らず、IDCセンサで中間転写ベルトのベルト表面を検知して作像条件の補正以外の処理を行う画像形成装置や、IDCセンサ以外の光学センサで中間転写ベルトのベルト表面を検知してなんらかの処理を行う画像形成装置に本発明を適用してもよい。
また、上述の各実施の形態では、駆動ローラ53をバックアップ部材として用いたが、専用のバックアップ部材を設けてもよい。
1…画像形成装置、 10…原稿搬送部、 20…用紙収納部、 21…給紙部、 23…搬送部、 30…画像読取部、 40…画像形成部、 40Y,40M,40C,40K…画像形成ユニット、 41…感光体、 50…中間転写ベルト、 51…1次転写部、 53…駆動ローラ、 54〜56…従動ローラ、 57…IDCセンサ、 58…シャッター、 59…可動ステージ、 59a…突起部、 60…パルスモータ、60a…スパイラルシャフト、 61…ガイド軸、 62…シャッター、 62a…板金、 62b…ガイド軸、 63〜65…拡散板、 66…パルスモータ、 67…シャフト、 67a…ガイド孔、 70…2次転写部、 80…定着部、 101…CPU

Claims (8)

  1. トナー像を担持するベルト状の像担持体のベルト表面に対向して、前記ベルト表面を検知する光学センサを配置した画像形成装置において、
    前記光学センサから前記ベルト表面に照射される光のスポット径を変更させるスポット径変更部と、
    前記像担持体の回転方向における所定の長さに亘る前記光学センサの検出値のうち、所定の値の範囲を超えた検出値の数をノイズの数として算出し、前記算出したノイズの数に応じて、前記スポット径変更部により前記スポット径を変更する制御部とを備えた
    画像形成装置。
  2. 前記トナー像として作像条件補正用のトナーパッチを生成する画像形成部を有し、
    前記制御部は、前記算出したノイズの数に応じてサイズを変更した前記トナーパッチを、前記画像形成部により前記ベルト表面に形成する
    請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、
    前記算出したノイズの数に応じて、前記スポット径及びトナーパッチのサイズを決定し、
    前記算出したノイズのうちの前記所定の値の範囲を最も大きく超えたノイズの値に基づき、前記スポット径及びトナーパッチのサイズの変更の対象とする階調の範囲を選択し、
    前記画像形成部によって前記ベルト表面に形成する互いに階調の異なる複数のトナーパッチのうち、前記選択した範囲の階調のトナーパッチについて、前記スポット径変更部により前記スポット径を前記決定した大きさに変更するとともに、トナーパッチのサイズを前記決定した大きさに変更する
    請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記光学センサによる前記トナーパッチの検出値に基づいて、前記画像形成部により作像条件を補正する
    請求項2または3に記載の画像形成装置。
  5. 前記スポット径変更部は、前記光学センサを前記ベルト表面と垂直な方向に移動させる移動機構である
    請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記スポット径変更部は、
    前記光学センサの前面に設けられており、互いに拡散性能の異なる複数の拡散板を配置したシャッターと、
    前記光学センサからの出射光が前記複数の拡散板のうちの1つずつの拡散板を透過するように前記シャッターを移動させる移動機構とで構成される
    請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記光学センサは、前記像担持体のうち、前記像担持体を張架するローラに架かっている箇所で前記ベルト表面に対向して配置されており、
    前記像担持体の回転方向における所定の長さは、少なくとも前記ローラの一周分の長さである
    請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. トナー像を担持するベルト状の像担持体のベルト表面に対向して、前記ベルト表面を検知する光学センサを配置した画像形成装置における、前記光学センサの検出誤差低減方法において、
    前記画像形成装置に備えられた制御部が、前記像担持体の回転方向における所定の長さに亘る前記光学センサの検出値のうち、所定の値の範囲を超えた検出値の数をノイズの数として算出し、
    前記制御部が、前記算出したノイズの数に応じて、前記画像形成装置に備えられており前記光学センサから前記ベルト表面に照射される光のスポット径を変更させるスポット径変更部により、前記スポット径を変更する
    検出誤差低減方法。
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