以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の画像形成部,中間転写ベルト,2次転写部,定着部等の構成を示す。この画像形成装置1は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のトナーを重ね合わせるタンデム形式のカラー画像形成装置である。画像形成装置1は、原稿搬送部10と、用紙収納部20と、画像読取部30と、画像形成部40と、中間転写ベルト50と、2次転写部70と、定着部80を有する。
原稿搬送部10は、原稿をセットする原稿給紙台11と、複数のローラ12とを有している。原稿搬送部10の原稿給紙台11にセットされた原稿Gは、複数のローラ12によって、画像読取部30の読取位置に1枚ずつ搬送される。画像読取部30は、原稿搬送部10により搬送された原稿G又は原稿台13に載置された原稿の画像を読み取って、画像信号を生成する。
用紙収納部20は、装置本体の下部に配置されており、用紙Sのサイズに応じて複数設けられている。この用紙Sは、給紙部21により給紙されて搬送部23に送られ、搬送部23によって転写位置である2次転写部70に搬送される。つまり、搬送部23は、給紙部21から給紙された用紙Sを2次転写部70へ搬送する機能を果たし、用紙Sを搬送する搬送経路を形成している。また、用紙収納部20の近傍には、手差部22が設けられている。この手差部22からは、用紙収納部20に収納されていないサイズの用紙やタグを有するタグ紙、OHPシート等の特殊紙が転写位置へ送られる。
画像読取部30と用紙収納部20の間には、画像形成部40と中間転写ベルト50が配置されている。画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナー像を形成するために、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを有する。
第1の画像形成ユニット40Yは、イエローのトナー像を形成し、第2の画像形成ユニット40Mは、マゼンタのトナー像を形成する。また、第3の画像形成ユニット40Cは、シアンのトナー像を形成し、第4の画像形成ユニット40Kは、ブラックのトナー像を形成する。これら4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは第1の画像形成ユニット40Yについて説明する。
第1の画像形成ユニット40Yは、像担持体としてのドラム状の感光体41と、感光体41の周囲に配置された帯電部42と、露光部43と、現像部44と、クリーニング部45を有している。感光体41は、不図示の駆動モータによって反時計回りに回転する。帯電部42は、感光体41に電荷を与え感光体41の表面を一様に帯電する。露光部43は、画像読取部30により生成された画像データに基づいて、感光体41の表面に対して露光走査を行い感光体41上に静電潜像を形成する。
現像部44は、像担持体である感光体41に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させる。これにより、感光体41の表面は、イエローのトナー像が形成される。なお、第2の画像形成ユニット40Mの現像部44は、感光体41にマゼンタのトナーを付着させ、第3の画像形成ユニット40Cの現像部44は、感光体41にシアンのトナーを付着させる。そして、第4の画像形成ユニット40Kの現像部44は、感光体41にブラックのトナーを付着させる。
感光体41上に付着したトナーは、ベルト状の像担持体の一例を示す中間転写ベルト50に転写される。クリーニング部45は、中間転写ベルト50に転写された後の感光体41の表面に残留しているトナーを除去する。
中間転写ベルト50は、無端状に形成されており、不図示の駆動モータで感光体41の回転方向とは逆方向の時計回りに回転する。中間転写ベルト50における各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kの感光体41と対向する位置には、1次転写部51が設けられている。この1次転写部51は、中間転写ベルト50にトナーと反対の極性を印加することで、感光体41上に形成されたトナー像を中間転写ベルト50に転写させる。
そして、中間転写ベルト50が回転することで、中間転写ベルト50の表面には、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kで形成されたトナー像が順次転写される。これにより、中間転写ベルト50上には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像が重なり合いカラー画像が形成される。
中間転写ベルト50の近傍で、かつ搬送部23の下流には、2次転写部70が配置されている。2次転写部70は、ローラ状に形成されており、搬送部23によって送られてきた用紙Sを中間転写ベルト50側に押圧する。そして、2次転写部70は、搬送部23によって送られてきた用紙S上に中間転写ベルト50に形成されたカラー画像を転写する。クリーニング部52は、用紙Sに転写した後中間転写ベルト50の表面に残留しているトナーを除去する。また、2次転写部70における用紙Sの排出側には、定着部80が設けられている。定着部80は、用紙Sに転写されたトナー像を加圧加熱定着させる。
定着部80の下流には、切換ゲート24が配置されている。切換ゲート24は、定着部80を通過した用紙Sの搬送経路を切り替える。すなわち、切換ゲート24は、片面画像形成におけるフェースアップ排紙を行う場合に、用紙Sを直進させる。これにより、用紙Sは、一対の排紙ローラ25によって排紙される。また、切換ゲート24は、片面画像形成におけるフェースダウン排紙及び両面画像形成を行う場合に、用紙Sを下方に案内する。
フェースダウン排紙を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転して上方に搬送する。これにより、用紙Sは、一対の排紙ローラ25によって排紙される。両面画像形成を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転し、再給紙路27により再び転写位置へ送られる。
また、一対の排紙ローラ25の下流側に、用紙Sを折ったり、用紙Sに対してステープル処理等を行ったりする後処理装置を配置してもよい。
図2は、画像形成装置1の制御系の構成を示す。画像形成装置1は、例えばCPU(Central Processing Unit)101と、CPU101が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)102と、CPU101の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)103と、を有する。さらに、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)104と、操作表示部105を有する。なお、ROM102としては、通常電気的に消去可能なプログラマブルROMが用いられる。
CPU101は、制御部の一例であり、ROM102、RAM103、HDD104及び操作表示部105にそれぞれシステムバス107を介して接続され、装置全体を制御する。また、CPU101は、画像読取部30、画像処理部110、画像形成部40、給紙部21、搬送部23にシステムバス107を介して接続されている。また、図示は省略しているが、CPU101は、図1に示した中間転写ベルト50や1次転写部51を収納した中間転写ユニットや、後述するような光学センサにもシステムバス107を介して接続されている。
HDD104は、画像読取部30で読み取って得た原稿の画像の画像データを記憶したり、出力済みの画像データ等を記憶したりする。操作表示部105は、液晶表示装置(LCD)又は有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイからなるタッチパネルである。この操作表示部105は、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。さらに、操作表示部105は、複数のキーを備え、ユーザのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。
画像読取部30は、原稿の画像を光学的に読み取って電気信号に変換する。例えば、カラー原稿を読み取る場合は、一画素当たりRGB各10ビットの輝度情報をもつ画像データを生成する。画像読取部30によって生成された画像データや、画像形成装置1に接続された外部装置の一例を示すPC(パーソナルコンピュータ)120から送信される画像データは、画像処理部110に送られ、画像処理される。画像処理部110は、受信した画像データに対し、必要に応じて、シェーディング補正、画像濃度調整、画像圧縮等の画像処理を行う。
なお、本例では、外部装置としてパーソナルコンピュータを用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、外部装置は、例えばファクシミリ装置等その他各種の装置を用いることができる。
例えば、画像形成装置1でカラーの画像を形成する場合、画像読取部30等によって生成されたR・G・Bの画像データを画像処理部110における色変換LUT(look up table)に入力する。そして、画像処理部110は、R・G・BデータをY・M・C・Bkの画像データに色変換する。そして、色変換した画像データに対して、階調再現特性の補正、濃度補正LUTを参照した網点などのスクリーン処理、あるいは細線を強調するためのエッジ処理などを行う。
画像形成部40は、画像処理部110によって画像処理された画像データを受け取り、画像データに基づいて用紙S上に画像を形成する。
図3は、図1に示した中間転写ベルト50及びその周辺の部品のうち、本発明に関連する部分の詳細な構成を示す。中間転写ベルト50は、駆動ローラ53及び従動ローラ54〜56に張架されている。中間転写ベルト50のベルト表面に対向して、ベルト表面を検知する光学センサ57が配置されている。光学センサ57は、一例として、ベルト表面に形成した画像濃度検出用のトナーパッチ(補正用画像)を検知するためのIDCセンサである。しかし、別の例として、光学センサ57は、ベルト表面に形成した色ズレ検出用のトナーパッチ(補正用画像)を検知するためのカラーレジストセンサであってもよい。
光学センサ57は、中間転写ベルト50のうち、1次転写部51と2次転写部70との間において駆動ローラ53に架かっている箇所で、ベルト表面に対向して配置されている。
このように駆動ローラ53に架かっている箇所に対向して光学センサ57を配置することにより、中間転写ベルト50が回転中に撓んでもベルト表面と光学センサ57間の距離が変動しないので、光学センサ57の検出値の安定性を確保することができる。なお、こうした撓みに対する検出値の安定性の見地から、中間転写ベルト50のうち、従動ローラ54〜56に架かっている箇所や、ローラ以外のバックアップ部材(例えば平面状の部材)に架かっている箇所に対向して光学センサ57を配置してもよい。
また、2次転写部70よりもベルト回転方向の下流側の箇所に対向して光学センサ57を配置した場合には、トナーパッチがベルト表面から2次転写部70に写ってしまうので、トナーパッチの濃度を正確に検出できなくなる。2次転写部70に逆バイアスを掛ければトナーパッチの写りを防止できるが、例えば複数枚の用紙に連続して画像を形成する際に用紙間でトナーパッチを形成する場合は、逆バイアスを掛けると画像形成の生産性が下がるおそれがある。これに対し、1次転写部51と2次転写部70との間の箇所に対向して光学センサ57を配置することにより、光学センサ57の検出値の安定性と画像形成の生産性を確保することができる。
光学センサ57がIDCセンサである場合、図2に示したCPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づき、所定のタイミングで(例えば所定枚数の画像形成を行った毎に)画像濃度補正を行う。この画像濃度補正では、図1に示した画像形成部40により、中間転写ベルト50のベルト表面に画像濃度検出用のトナーパッチを形成する。そして、光学センサ57によるそのトナーパッチの検出値に基づき、画像濃度を安定化させるように、図1の露光部43の露光量、現像部44の現像バイアス電圧の直流成分、帯電部42のグリッド電圧、1次転写部51の電圧等の作像条件を変更する。
他方、光学センサ57がカラーレジストセンサである場合、CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づき、所定のタイミングで色ズレ補正を行う。この色ズレ補正では、画像形成部40により、中間転写ベルト50のベルト表面に色ズレ検出用のトナーパッチを形成する。そして、光学センサ57によるそのトナーパッチの検出値に基づき、色ズレを抑制するように、露光部43等による書込み位置や書込みタイミングを変更する。
こうした画像濃度補正や色ズレ補正を行う際に、中間転写ベルト50のベルト裏面に異物が付着し、その異物によってベルト表面に凹凸が生じると、その凹凸が光学センサ57による検知箇所を通過することがある。そして、このような凹凸が検知箇所を通過すると、ベルト表面と光学センサ57間の距離が一時的に変動するので、光学センサ57の検出値に図13に例示したようなスパイクノイズによる誤差が発生して画像濃度補正や色ズレ補正の精度が低下してしまう。
特に、中間転写ベルト50のベルト裏面のうち1次転写部51の下流側では、飛散したトナー、1次転写部51のローラの削れカス、中間転写ベルト50の削れカス、中間転写ベルト50の駆動用のギヤの削れカスといった異物が発生しやすい。そのため、1次転写部51と2次転写部70との間の箇所に中間転写ベルト50に対向して光学センサ57を配置すると、光学センサ57はベルト裏面に異物が付着した状態でトナーパッチの濃度を検出してしまう。
また、駆動ローラ53のようなバックアップ部材に架かっている箇所に対向して光学センサ57を配置すると、ベルト裏面に付着した異物がベルト裏面とバックアップ部材とに挟まれる。そのために、光学センサ57による検知箇所の付近でベルト表面に凹凸が生じやすい。
そこで、このような異物による凹凸が光学センサ57による検知箇所に通過することを防止するために、中間転写ベルト50のベルト裏面側には、1次転写部51と駆動ローラ53との間の箇所に、ベルト裏面に付着した異物を除去する清掃部材58が設けられている。この清掃部材58は、中間転写ベルト50や1次転写部51を収納した中間転写ユニット内に、ベルト裏面に接触し且つベルト裏面に向けて付勢された状態で保持されている。
図4は、中間転写ベルト50のベルト裏面側から見たこの清掃部材58の形状及び配置を示す。清掃部材58は、細長い刃状の部材であり、その長手方向がベルト回転方向(図4の縦方向)に対して斜めに傾いた状態で、ベルト回転方向に対する長手方向の角度を固定させて中間転写ユニット内に保持されている。中間転写ベルト50のベルト幅方向(図4の横方向)の範囲における清掃部材58の設置範囲は、画像形成領域全体に亘っている。清掃部材58は、一例として、金属製または樹脂製のスクレーパである。しかし、別の例として、清掃部材58は、ゴム製のブレードであってもよい。
この清掃部材58によりベルト裏面から除去された異物は、清掃部材58の長手方向がベルト回転方向に対して傾斜していることから、中間転写ベルト50の回転に伴い、清掃部材58の長手方向に沿って、画像形成領域外に移動していく。したがって、清掃部材58自体により、ベルト裏面から除去した異物を、光学センサによる検知箇所から離れる方向に移動させることができる。
また、例えば清掃部材として繊維毛状のブラシをその長手方向をベルト回転方向に対して斜めに傾けて設けたような場合には、異物が繊維の隙間に入り込んでしまうので、異物を長手方向に沿って移動させる機能はあまり有効に働かない。これに対し、刃状の清掃部材58をその長手方向をベルト回転方向に対して斜めに傾けて設けることにより、異物を長手方向に沿って移動させる機能を有効に働かせることができる。
これにより、中間転写ベルト50のベルト裏面から除去した異物を、異物回収機構を設けることなく、光学センサ57による検知に影響を及ぼさない方向に移動させることができる。
したがって、第1の実施の形態に係る画像形成装置によれば、異物回収機構を設けることによる装置の大型化やコスト増を招くことなく、画像濃度補正や色ズレ補正を行う際の光学センサ57の検出値の誤差の発生を防止することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と構成が同一の部分については、重複した説明を省略する。第2の実施の形態では、1次転写部51と駆動ローラ53間の箇所にベルト裏面に接触させて設ける清掃部材の長さ及び配置が、第1の実施の形態とは異なっている。その他の構成は、第1の実施の形態と同一である。
図5は、第2の実施の形態において中間転写ベルト50のベルト裏面側から見た清掃部材の大きさ及び配置を示す。清掃部材59は、細長い刃状の部材であり、その長手方向がベルト回転方向(図5の縦方向)に対して斜めに傾いた状態で、ベルト回転方向に対する長手方向の角度を固定させて中間転写ユニット内に保持されている。清掃部材59は、一例として、金属製または樹脂製のスクレーパである。しかし、別の例として、清掃部材59は、ゴム製のブレードであってもよい。
図5には、第1の実施の形態の図3の光学センサ57による検知箇所のベルト幅方向(図5の横方向)上での位置を、「センサ位置」として縦方向の一点鎖線で示している。清掃部材59は、第1の実施の形態の図4の清掃部材58とは異なり、中間転写ベルト50のベルト幅方向の範囲のうち、光学センサ57による検知箇所に対応した範囲(光学センサ57による検知箇所のベルト幅方向上での位置及びその周辺)にのみ設けられている。すなわち、清掃部材59は、第1の実施の形態の清掃部材58よりも全長が短くなっており、清掃部材58と同じ角度だけ斜めに傾けても、ベルト回転方向上の長さLは清掃部材58よりも短くなっている。
清掃部材59の長手方向がベルト回転方向に対して傾斜していることから、この清掃部材59によりベルト裏面から除去された異物は、清掃部材59の長手方向に沿って、ベルト幅方向上の位置が光学センサ57による検知箇所から離れるように移動していく。したがって、清掃部材59自体により、ベルト裏面から除去した異物を、光学センサ57による検知箇所から離れる方向に移動させることができる。
これにより、中間転写ベルト50のベルト裏面から除去した異物を、異物回収機構を設けることなく、光学センサ57による検知に影響を及ぼさない方向に移動させることができる。
また、中間転写ベルト50の1次転写部51と2次転写部70との間のスペースは、画像形成の生産性の確保の見地から狭くされることが多い。清掃部材59は、異物を長手方向に沿って移動させるのに十分な角度だけベルト回転方向に対して斜めに傾けているが、ベルト回転方向上の長さが短いので、狭いスペースにも設置しやすくなっている。
したがって、第2の実施の形態に係る画像形成装置によれば、異物回収機構を設けることによる装置の大型化やコスト増を招くことなく、かつ中間転写ベルト50の省スペース化やそれによる画像形成の生産性の確保を妨げることなく、画像濃度補正や色ズレ補正を行う際の光学センサ57の検出値の誤差の発生を防止することができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態において、第2の実施の形態と構成が同一の部分については、重複した説明を省略する。第3の実施の形態では、光学センサの数と、1次転写部51と駆動ローラ53間の箇所にベルト裏面に接触させて設ける清掃部材の数及び配置が、第2の実施の形態とは異なっている。その他の構成は、第2の実施の形態と同一である。
(2つの光学センサを配置した例)
図6は、第3の実施の形態において中間転写ベルト50のベルト裏面側から見た清掃部材の数及び配置の一例を示す。この例では、第1の実施の形態における図3の光学センサ57と同様な、中間転写ベルト50のうち1次転写部51と2次転写部70との間において駆動ローラ53に架かっている箇所に対向する位置に、2つの光学センサが設けられている。この2つの光学センサは、例えば中間転写ベルト50のベルト幅方向の中心に対して対称となる位置に配置されている。図6には、この2つの光学センサによる検知箇所のベルト幅方向上での位置を、「センサ位置」として2本の縦方向の一点鎖線で示している。
この2つの光学センサは、一例として、ベルト幅方向の両端付近に形成した2系統の色ズレ検出用のトナーパッチを検知するためのカラーレジストセンサである。しかし、別の例として、この2つの光学センサは、ベルト幅方向の中央付近に形成した2系統の画像濃度検出用のトナーパッチを検知するためのIDCセンサであってもよく、またIDCセンサとカラーレジストセンサの組合せであってもよい。
そして、この2つの光学センサの各々に対応して、第2の実施の形態において図5に示した清掃部材59と同じ清掃部材59が、第2の実施の形態と同様にして設けられている。
ただし、図6の左側の清掃部材59は、ベルト回転方向の上流側から下流側にかけてベルト幅方向の左端に向けて傾斜しているのに対し、図6の右側の清掃部材59は、ベルト回転方向の上流側から下流側にかけてベルト幅方向の右端に向けて傾斜するように配置されている。このように、2つの清掃部材59は、それぞれベルト回転方向の上流側から下流側にかけてベルト幅方向の端部に向けて(すなわち互いに逆向きに)傾斜している。
(3つの光学センサを配置した例)
図7は、第3の実施の形態において中間転写ベルト50のベルト裏面側から見た清掃部材の数及び配置の別の一例を示す。この例では、第1の実施の形態における図3の光学センサ57と同様な、中間転写ベルト50のうち1次転写部51と2次転写部70との間において駆動ローラ53に架かっている箇所に対向する位置に、3つの光学センサが設けられている。この3つの光学センサは、中間転写ベルト50のベルト幅方向に所定の距離を隔てて配置されている。図7には、この3つの光学センサによる検知箇所のベルト幅方向上での位置を、「センサ位置」として3本の縦方向の一点鎖線で示している。
この3つの光学センサは、一例として、ベルト幅方向の両端付近及び中央部に形成した3系統の色ズレ検出用のトナーパッチを検知するためのカラーレジストセンサである。しかし、別の例として、この3つの光学センサは、IDCセンサとカラーレジストセンサの組合せであってもよい。
そして、3つの光学センサの各々に対応して、第2の実施の形態において図5に示した清掃部材59と同じ清掃部材59が、第2の実施の形態と同様にして設けられている。
ただし、図7の左端の清掃部材59は、ベルト回転方向の上流側から下流側にかけてベルト幅方向の左端に向けて傾斜しているのに対し、図7の右端の清掃部材59は、ベルト回転方向の上流側から下流側にかけてベルト幅方向の右端に向けて傾斜するように配置されている。このように、3つの清掃部材59のうちベルト幅方向の両端に近い2つの清掃部材59は、それぞれベルト回転方向の上流側から下流側にかけてベルト幅方向の端部に向けて(すなわち互いに逆向きに)傾斜している。
この図6や図7の例のように、第3の実施の形態では、複数の清掃部材59のうちベルト幅方向の両端に近い2つの清掃部材59が、それぞれベルト回転方向の上流側から下流側にかけてベルト幅方向の端部に向けて傾斜している。したがって、中間転写ベルト50には、この2つの清掃部材59からベルト幅方向上の両端付近で外向きに荷重がかかることになる。これにより、中間転写ベルト50がベルト幅方向上の両端付近で外向きに引っ張られるので、中間転写ベルト50にしわが発生することを防止できる。
したがって、第3の実施の形態に係る画像形成装置によれば、第2の実施の形態に係る画像形成装置について説明したような効果が得られることに加えて、中間転写ベルト50にしわが発生することを防止できるという効果が得られる。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第4の実施の形態において、第2の実施の形態と構成が同一の部分については、重複した説明を省略する。第4の実施の形態では、光学センサの数と、1次転写部51と駆動ローラ53間の箇所にベルト裏面に接触させて設ける清掃部材をベルト幅方向に移動可能にした点が、第2の実施の形態とは異なっている。その他の構成は、第2の実施の形態と同一である。
図8は、第4の実施の形態において中間転写ベルト50のベルト裏面側から見た清掃部材を示す。第1の実施の形態の図3の光学センサ57と同様な、中間転写ベルト50のうち1次転写部51と2次転写部70との間において駆動ローラ53に架かっている箇所に対向する位置に、1つのIDCセンサと1つのカラーレジストセンサが設けられている。このIDCセンサとカラーレジストセンサは、中間転写ベルト50のベルト幅方向に所定の距離を隔てて配置されている。図8には、このIDCセンサ、カラーレジストセンサによる検知箇所のベルト幅方向上での位置を、それぞれ「IDCセンサ位置」「レジストセンサ位置」として縦方向の一点鎖線で示している。
そして、第2の実施の形態において図5に示した清掃部材59と同じ1つの清掃部材59が、その長手方向がベルト回転方向に対して斜めに傾いた状態で、ベルト回転方向に対する長手方向の角度を固定させて中間転写ユニット内に保持されている。
ただし、中間転写ユニット内には、この清掃部材59をベルト幅方向に移動させる移動機構が設けられている。図9は、清掃部材59の裏面側から見たこの移動機構の構成例を示す。中間転写ユニット内には、ラック60a及びピニオン60bが設けられている。ピニオン60bは、不図示のモータの回転軸61に取り付けられている。ラック60aはベルト幅方向(図9の横方向)に延びており、清掃部材59はこのラック60aの先端部に固定して取り付けられている。また、中間転写ユニット内に設けられた板金62に、ベルト幅方向に延びたガイド孔62aが形成されている。清掃部材59にはガイドピン62bが固定して取り付けられており、このガイドピン62bの先端がガイド孔61aに挿入されている。モータを回転させてラック60aを移動させると、清掃部材59がガイド孔62aにガイドされながらベルト幅方向に移動する。
なお、清掃部材59をベルト幅方向に移動させる移動機構としては、図9に例示したものに限らず、例えばシリンダで清掃部材59をベルト幅方向に移動させるものを用いてよい。
図2に示したCPU101は、画像濃度補正を行う場合には、こうした移動機構を制御して、清掃部材59を、中間転写ベルト50のベルト幅方向の範囲のうち、IDCセンサによる検知箇所に対応した範囲に移動させる。また、CPU101は、色ズレ補正を行う場合には、こうした移動機構を制御して、清掃部材59を、中間転写ベルト50のベルト幅方向の範囲のうち、カラーレジストセンサによる検知箇所に対応した範囲に移動させる。
これにより、IDCセンサを用いた画像濃度補正とカラーレジストセンサを用いた色ズレ補正のいずれを行う場合でも、1つの清掃部材59だけで、IDCセンサやカラーレジストセンサの検出値の誤差の発生を防止することができる。
したがって、第4の実施の形態に係る画像形成装置によれば、第2の実施の形態に係る画像形成装置について説明したような効果が得られることに加えて、複数の光学センサを設けた場合に清掃部材の数を削減できるという効果が得られる。また、清掃部材の数の削減による中間転写ベルト50の省スペース化や装置の低コスト化を実現できるという効果が得られる。
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第5の実施の形態において、第1の実施の形態と構成が同一の部分については、重複した説明を省略する。第5の実施の形態では、1次転写部51と駆動ローラ53間の箇所にベルト裏面に接触させて設ける清掃部材の傾斜の向きを可変にした点が、第1の実施の形態とは異なっている。その他の構成は、第1の実施の形態と同一である。
図10は、第5の実施の形態において中間転写ベルト50のベルト裏面側から見た清掃部材を示す。この例では、第1の実施の形態において図4に示した清掃部材58と同じ清掃部材58が、その長手方向がベルト回転方向に対して斜めに傾いた状態で、中間転写ユニット内に保持されている。
ただし、中間転写ユニット内には、この清掃部材58の傾斜の向きを逆向きに変化させる駆動機構が設けられている。図11は、清掃部材58の裏面側からみたこの駆動機構の構成例を示す。中間転写ユニット内に設けられた板金64の中央部に、モータ63の回転軸63aを通す不図示の穴が形成されている。清掃部材58は、その長手方向の中心部が、この回転軸63aに取り付けられている。また、板金64の左右の両端付近に、ベルト回転方向(図11の縦方向)に延びる一対の円弧状のガイド孔64aが形成されている。清掃部材58の両端付近には、ガイドピン64bが固定して取り付けられており、このガイドピン64bの先端が、ガイド孔64aに挿入されている。
モータ63を回転させると、清掃部材58はその両端部がガイド孔64aでガイドされながら、回転軸63aを中心に回転する。モータ63の回転方向を切り替えることより、清掃部材58の傾斜の向きを、ベルト回転方向の上流側から下流側にかけてベルト幅方向の左端に向けて傾斜した向きと、ベルト回転方向の上流側から下流側にかけてベルト幅方向の右端に向けて傾斜した向きとの間で変化させることができる。
図12は、清掃部材58の裏面側から見たこの駆動機構の別の構成例を示す。中間転写ユニット内に設けられた板金65の中央部に、支軸66が取り付けられている。清掃部材58は、その長手方向の中心部が、この支軸66に回動可能に取り付けられている。また、板金65の左右の両端付近に、ベルト回転方向(図12の縦方向)に延びる一対の円弧状のガイド孔65aが形成されている。ガイド孔65aの縁部のうち、板金65の両端寄りの凹状の縁部には、歯が形成されている。清掃部材58の両端付近には、不図示のモータが取り付けられており、このモータの回転軸67に取り付けたギヤ65bが、ガイド孔65aの歯に噛み合っている。
モータを回転させると、ギヤ65bが回転しながらガイド孔65aの歯に沿って移動し、清掃部材58が回転軸63aを中心に回転する。モータの回転方向を切り替えることより、清掃部材58の両端部をガイド孔65aでガイドさせながら、清掃部材58の傾斜の向きを、ベルト回転方向の上流側から下流側にかけてベルト幅方向の左端に向けて傾斜した向きと、ベルト回転方向の上流側から下流側にかけてベルト幅方向の右端に向けて傾斜した向きとの間で変化させることができる。
なお、清掃部材58の傾斜の向きを逆向きに変化させる駆動機構としては、図11や図12に例示したものに限られない。例えば図12において、モータ及びギヤ65bを1つとし、2つのガイド孔65aのうち縁部に歯を形成するガイド孔65aを一つとしてもよい。また、例えば清掃部材58をその一端を回転中心として回動させるものや、清掃部材58の長手方向の中心部を回転中心としてその両端を2つのシリンダで上下させるものを用いてよい。
図10に示すように、中間転写ユニット内には、中間転写ベルト50のベルト幅方向上の偏りを検知するベルト偏り検知センサ68が、中間転写ベルト50のベルト幅方向の一端に接触させて設けられている。
清掃部材58が図10の実線のようにベルト回転方向の上流側から下流側にかけてベルト幅方向の左端に向けて傾斜しているときには、中間転写ベルト50には清掃部材58からベルト幅方向上の左向きに荷重がかかる。したがって、この荷重を原因として中間転写ベルト50が左寄りに偏ることがある。図2に示したCPU101は、ベルト偏り検知センサ68でこの左寄りの偏りが検知されると、図11や図12に例示したような駆動機構を制御して、清掃部材58の傾斜の向きを図10の想像線のように逆向きに変化させることにより、中間転写ベルト50に対してベルト幅方向上の右向きに荷重がかかるようにする。
他方、清掃部材58が図10の2点鎖線のようにベルト回転方向の上流側から下流側にかけてベルト幅方向の右端に向けて傾斜しているときには、中間転写ベルト50には清掃部材58からベルト幅方向上の右向きに荷重がかかる。したがって、この荷重を原因として中間転写ベルト50が右寄りに偏ることがある。CPU101は、ベルト偏り検知センサ68でこの右寄りの偏りが検知されると、駆動機構を制御して、清掃部材58の傾斜の向きを図10の実線のように逆向きに変化させることにより、中間転写ベルト50に対してベルト幅方向上の左向きに荷重がかかるようにする。
このように、ベルト偏り検知センサ68の検知結果に基づいて清掃部材58の傾斜の向きを逆向きに変化させることにより、清掃部材58がベルト回転方向に対して傾斜していることを原因とする中間転写ベルト50の偏りが修正される。
したがって、第5の実施の形態に係る画像形成装置によれば、第1の実施の形態に係る画像形成装置について説明したような効果が得られることに加えて、中間転写ベルト50の偏りを修正して中間転写ベルト50の蛇行を防止できるという効果が得られる。
〔変形例〕
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述の各実施の形態では、画像形成部40に4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを設けてカラー画像を形成する例を説明したが、画像形成ユニットを1つだけ設けた単色画像を形成する画像形成装置に本発明を適用してもよい。
また、第1の実施の形態から第4の実施の形態では、清掃部材58や清掃部材59が、その長手方向がベルト回転方向に対して斜めに傾いた状態で、ベルト回転方向に対する長手方向の角度を固定されている例を説明した。しかし、別の例として、ベルト回転方向に対する清掃部材の長手方向の角度を変化させる駆動機構を設け、図2のCPU101が、画像濃度補正や色ズレ補正を行うとき(すなわち光学センサによる検知時)に、その駆動機構を制御して、清掃部材の長手方向をベルト回転方向に対して斜めに傾けるようにしてもよい。そうした駆動機構としては、例えば第5の実施の形態で図11や図12に例示したような駆動機構を用いることもできる。
また、第5の実施の形態では、第1の実施の形態の清掃部材58の傾斜の向きを逆向きに変化させる駆動機構を設ける例を説明した。しかし、これに限らず、第2の実施の形態から第4の実施の形態の清掃部材59についても、同様にして、傾斜の向きを逆向きに変化させる駆動機構を設けてもよい。
また、上述の各実施の形態では、中間転写ベルト50のうち1次転写部51と2次転写部70との間において駆動ローラ53に架かっている箇所に対向して光学センサを配置した例を説明した。しかし、これに限らず、1次転写部51と2次転写部70との間以外の箇所や、駆動ローラ53のようなバックアップ部材に架かっていない箇所に対向して光学センサを配置した画像形成装置に本発明を適用してもよい。また、駆動ローラ53をバックアップ部材に兼用したが、専用のバックアップ部材を設けてもよい。
また、上述の各実施の形態では、IDCセンサやカラーレジストセンサで像担持体の一例である中間転写ベルトのベルト表面を検知して画像濃度補正や色ズレ補正を行う例を示した。しかし、これに限らず、IDCセンサやカラーレジストセンサで中間転写ベルトのベルト表面を検知して画像濃度補正や色ズレ補正以外の処理を行う画像形成装置や、IDCセンサやカラーレジストセンサ以外の光学センサで中間転写ベルトのベルト表面を検知してなんらかの処理を行う画像形成装置に本発明を適用してもよい。