JP2015101629A - ポリアミック酸塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 より安全な溶剤で合成したポリアミック酸樹脂溶液で、吸湿性が低下したポリアミック酸樹脂溶液を含む塗料組成物を提供するものである。【解決手段】 合成溶媒としてγ−ブチロラクトンのみを用い、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を45モル%以上含む酸無水物化合物及びジアミン化合物又はジイソシアネート化合物を反応させて得られるポリアミック酸を含む樹脂溶液を用いたポリアミック酸塗料組成物。ポリアミック酸の数平均分子量が14000〜55000であることが好ましい。【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリアミック酸樹脂を含むポリアミック酸塗料組成物に関する。
ポリアミドイミド樹脂は、耐熱性、耐薬品性及び耐溶剤性に優れているため、各種の基材のコート剤として広く使用され、例えば、エナメル線用ワニス、耐熱塗料などとして使用されている。しかし、これらのポリアミドイミド樹脂及び塗料はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)やN、N−ジメチルアセトアミドを主溶媒として用いて合成されていた。しかし、NMPは胎児に影響を与える溶剤であり、塗装を行う際の作業環境の管理が必要になってきている。また、N,N−ジメチルアセトアミドなどアミド系の溶剤は発がん性の溶剤で作業環境の管理が必要になってきている。この改善として、胎児に影響を与えなく、発がん性ではなくより吸湿性の少ない、揮発性の良好なγ−ブチロラクトンで合成した樹脂溶液が作製された。しかし、γ−ブチロラクトンで合成したポリアミック酸樹脂溶液は、溶解性が低く粘度の安定性が悪く、長期保管や保管後の粘度変化から作業性が劣る欠点があった。また、NMPを使用するとNMPが酸化され硬化後のフィルムが着色しやすくなる欠点があった。
また、γ−ブチロラクトンを合成溶媒として作製した特定のポリアミック酸を含むペーストが知られている(特許文献1)。しかし、これは、ペースト作製に当たって、γ−ブチロラクトンに対する非溶解性を利用するものである。
また、γ−ブチロラクトンを合成溶媒として作製した特定のポリアミック酸を含むペーストが知られている(特許文献1)。しかし、これは、ペースト作製に当たって、γ−ブチロラクトンに対する非溶解性を利用するものである。
本発明は、より安全な溶剤で合成したポリアミック酸樹脂溶液で、吸湿性が低下したポリアミック酸樹脂溶液を含む塗料組成物を提供するものである。
本発明は、次のものに関する。
1. 合成溶媒としてγ−ブチロラクトンのみを用い、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を45モル%以上含む酸無水物化合物及びジアミン化合物又はジイソシアネート化合物を反応させて得られるポリアミック酸を含む樹脂溶液を用いたポリアミック酸塗料組成物。
2. (a)ポリアミック酸の数平均分子量が14000〜55000である項1記載のポリアミック酸塗料組成物。
3. ポリアミック酸が、硬化後のフィルムの室温での引張り強度が120MPa以上である項1又は項2のいずれかに記載のポリアミック酸塗料組成物。
1. 合成溶媒としてγ−ブチロラクトンのみを用い、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を45モル%以上含む酸無水物化合物及びジアミン化合物又はジイソシアネート化合物を反応させて得られるポリアミック酸を含む樹脂溶液を用いたポリアミック酸塗料組成物。
2. (a)ポリアミック酸の数平均分子量が14000〜55000である項1記載のポリアミック酸塗料組成物。
3. ポリアミック酸が、硬化後のフィルムの室温での引張り強度が120MPa以上である項1又は項2のいずれかに記載のポリアミック酸塗料組成物。
本発明に係るポリアミック酸塗料組成物は、より安全な溶剤で合成したポリアミック酸樹脂溶液を用いており、環境に対し、より安全で、しかもこれから得られる塗膜又はフィルムは耐熱性である。また、本発明に係る塗料組成物は、吸湿性を低いので塗装作業性が良好である。また、本発明に係る塗料組成物は、適宜各種フィラー等を分散させた塗料として用いることができ、その塗料としての用途を広げることができる。本発明に係る塗料組成物は、耐熱性塗料、摺動部コーティング塗料などの各種コーティング塗料に有用であり、管状ベルトの作製にも有用である。
本発明のポリアミック酸樹脂の製造に用いられる酸ニ無水物化合物としては、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が、必須成分として用いられるが、特に、式
で表される3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が用いられる。
本発明のポリアミック酸樹脂の製造に用いられるベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物以外の酸ニ無水物化合物としては、イソシアネート基又はアミノ基と反応する酸無水物基を分子内に2個有する誘導体であればよく、特に制限はない。これらの酸無水物基を分子内に2個有する誘導体は、目的に応じて単独又は混合して使用することができ、例えば1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4´−スルホニルジフタル酸二無水物、m−タ−フェニル−3,3´,4,4´−テトラカルボン酸二無水物、4,4´−オキシジフタル酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[4−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−[2,2,2]−オクト−7−エン−2:3:5:6−テトラカルボン酸二無水物等)などを使用することができる。また、必要に応じて、酸無水物基を分子内に1個有する化合物や酸無水物基を分子内に3個以上有する化合物を併用することもできる。
本発明におけるジアミン化合物としては、耐熱性の観点から芳香族ジアミン化合物が好ましく、芳香族ジアミン化合物としては4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、2,2´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,4´−ジアミノジフェニル、2,4´−ジアミノビフェニル、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、3,3´−ヒドロキシル−4,4´−ジアミノビフェニルなどがある。ジアミン化合物としては、必要に応じてこの一部としてヘキサメチレンジアミンなど脂肪族のジアミン化合物を使用でき、場合により、ジアミン化合物の全量を脂肪族のジアミン化合物とすることもできる。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4´−[2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン]ジイソシアネート、ビフェニル−4,4´−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3´−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4´−ジイソシアネート、3,3´−ジメチルビフェニル−4,4´−ジイソシアネート、2,2´−ジメチルビフェニル−4,4´−ジイソシアネート、3,3´−ジエチルビフェニル−4,4´−ジイソシアネート、2,2´−ジエチルビフェニル−4,4´−ジイソシアネート、3,3´−ジメトキシビフェニル−4,4´−ジイソシアネート、2,2´−ジメトキシビフェニル−4,4´−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート、3,4´−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物を使用することが好ましく、これらを単独でもこれらを組み合わせて使用することもできる。必要に応じてこの一部としてヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート等の脂肪族、脂環式イソシアネート及び3官能以上のポリイソシアネートを使用することもできる。
γ−ブチロラクトンに対する溶解性の観点から、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物をポリアミック酸樹脂原料となる酸無水物化合物の45モル%以上使用することが必要であり、50モル%以上使用することがワニスの安定性と溶解性から最も好ましい。45モル%未満の場合、ポリアミック酸樹脂のγ−ブチロラクトンに対する溶解性が低くなり、樹脂溶液が濁ったり、経時でゲル化するなど問題が生じやすくなる。
また、塗膜の引張強度や線膨張係数を低減させるため、酸無水物化合物の30モル%以下の範囲で3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などのビフェニル構造を有する酸二無水物を含有させた方が好ましく、0.25モル%前後が粘度と溶解性からも最も好ましい。30モル%を超えると樹脂溶液が固形分を18重量%以下にする必要があり、また、固形分を低下させても粘度安定性が悪くなる傾向がある。
ポリアミック酸樹脂の合成に当たり、ジアミン化合物又はジイソシアネート化合物は用途によって適宜選択して使用されるが、本発明において、得られるポリアミック酸の溶解性は酸成分の構造に依存するところが大きい。コスト面からは、酸無水物化合物の反応相手として、ジアミン化合物である4,4´−ジアミノジフェニルエーテルを使用することが好まし。また、引張強度を向上させるためには2,2´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル又は2,2´−ジメチルビフェニル−4,4´−ジイソシアネートを酸無水物化合物の反応相手として50モル%以上使用することが好ましく、60〜70モル%が引張強度と伸び率のバランスから最も好ましい。フィルムの伸び率を向上させるためには、3,4−ジアミノジフェニルエーテル又は3,4´−ジフェニルエーテルジイソシアネートを無水物化合物の反応相手として30モル%以上使用することが好ましく、50モル%以上使用すると伸び率が向上する。
フィルムの着色や他樹脂との混合性を向上させるため、酸無水物化合物及びジアミン化合物又はジイソシアネート化合物として脂肪族系のモノマーを使用することができ、このためには、酸無水物化合物ではベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物以外の成分を20モル%以上使用することが好ましく、50モル%前後が最も好ましい。上限は、55モル%であることは言うまでもない。
酸無水物化合物とジアミン化合物又はジイソシアネート化合物の反応は、アミノ基又はイソシアネート基と酸無水物基が、当量比で前者/後者が、1.0/0.97以上となるように反応させることが好ましく、樹脂溶液の安定性が酸無水物の構造に影響を受けるため、1.0/1.0〜1.0/1.02が最も好ましい。
本発明に用いられるポリアミック酸樹脂は、例えば次の製造法で得ることができる。
アミン成分にγ−ブチロラクトンを加え、温度を一定にして酸無水物化合物を加える方法。酸無水物化合物を加える場合、触媒なしでは温度が40℃以上にならないと反応がすすまなく、溶液が透明にならない。
そこで、アミン成分をγ−ブチロラクトンに完全に溶解させて、酸無水物化合物を加える。このとき酸無水物化合物の順番に影響はなく、すべての材料を加えて溶液を40℃に加温すると、発熱反応と共に溶解反応を始める。必要に応じて加熱し、分子量を整える。
アミン成分にγ−ブチロラクトンを加え、温度を一定にして酸無水物化合物を加える方法。酸無水物化合物を加える場合、触媒なしでは温度が40℃以上にならないと反応がすすまなく、溶液が透明にならない。
そこで、アミン成分をγ−ブチロラクトンに完全に溶解させて、酸無水物化合物を加える。このとき酸無水物化合物の順番に影響はなく、すべての材料を加えて溶液を40℃に加温すると、発熱反応と共に溶解反応を始める。必要に応じて加熱し、分子量を整える。
このようにして得られたポリアミック酸樹脂の数平均分子量は14000〜55000のものであることが好ましい。数平均分子量が14000未満であると、成膜性が悪くなる傾向があり、フィルム作製時、急激に昇温しないと200℃付近で塗膜が割れる可能性がある。分子量55000を超えると、塗料として適正な濃度で溶媒に溶解したときに粘度が高くなり、塗装時の作業性が劣る傾向にあり、又、経時での粘度安定性が劣る傾向がある。このことから、また、作業性や合成の時間からポリアミック酸樹脂の数平均分子量は19000〜40000がより好ましい。
なお、ポリアック酸樹脂の数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができる。ポリアック酸樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時に適宜サンプリングして、数平均分子量を測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記範囲に管理することができる。
なお、ポリアック酸樹脂の数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができる。ポリアック酸樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時に適宜サンプリングして、数平均分子量を測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより上記範囲に管理することができる。
本発明のポリアミック酸樹脂溶液は、γ―ブチロラクトン溶媒中で作製され、得られる樹脂溶液をそのまま、さらに、必要に応じてγ―ブチロラクトンを加えて、また、粘度の調整などの目的にN−メチル−2−ピロリドン、N,Nジメチルアセトアミド、N,N´−ジメチルホルムアミド及びキシレン、トルエン、N−エチル−2−ピロリドン等の芳香族炭化水素溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エタノールなどのアルコール系などの溶媒を適宜加えて、ポリアミック酸塗料組成物とすることができる。塗装中ゲル化抑制の点から、溶媒中のγ―ブチロラクトンの割合は30〜98重量%が好ましく、50〜98重量%が最も好ましい。塗料とする場合、一般に固形分は10〜15重量%とされる。
本発明に係るポリアミック酸塗料組成物は、乾燥及び硬化のために熱処理され、少なくとも300℃以上で10分間の加熱が必要である。これは、低温で硬化させるとイミド化が不十分となり塗膜特性が劣る可能性がある。本発明に係るポリアミック酸塗料組成物は、300〜380℃で10〜60分間の加熱して、乾燥・硬化することが好ましい。加熱時間は10分間未満であるとイミド化が完全起こらず、一部アミック酸結合がのこり、基材に塗布された塗膜の特性が劣ることがあり、60分間を超えると、長期に熱を加えることにより、樹脂では問題はおこらないが塗料として添加剤を加えたときに副反応を起こすことがあり、塗膜の特性を劣化させることがある。なお、上記の加熱温度になるように段階的に昇温してもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットル四つ口フラスコに4,4´−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)及びγ−ブチロラクトン2378gを仕込み、室温でジアミン化合物が溶解するまで攪拌した。ジアミン化合物溶解後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物322.23g(1.0モル)を3回に分けて加えた。液温を40℃に上昇させた。このあと、反応の際に発熱するので60℃に液温が上昇し、この温度で2時間保温した。これにより、数平均分子量16300のポリアミック酸樹脂を含む樹脂溶液を得た。
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットル四つ口フラスコに4,4´−ジアミノジフェニルエーテル100.12g(0.5モル)、3,4−ジアミノジフェニルエーテル100.12g(0.5モル)及びγ−ブチロラクトン2378gを仕込み、室温でジアミン化合物が溶解するまで攪拌した。ジアミン化合物溶解後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物322.23g(1.0モル)を3回に分けて加えた。液温を40℃に上昇させた。この後、反応の際に発熱するので60℃に液温が上昇し保温し、この温度で約7時間保温した。これにより、数平均分子量17600のポリアミック酸樹脂を含む樹脂溶液を得た。
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットル四つ口フラスコに4,4´−ジアミノジフェニルエーテル100.12g(0.5モル)、3,4−ジアミノジフェニルエーテル100.12g(0.5モル)及びγ−ブチロラクトン2355gを仕込み、室温でジアミン化合物が溶解するまで攪拌する。ジアミン化合物溶解後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物166.12g(0.5モル)及び1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物109.06g(0.5モル)を3回に分けて加えた。液温を40℃に上昇させた。この後、反応の際に発熱するので60℃に液温が上昇し保温し、この温度で約4時間保温した。これにより、数平均分子量20600のポリアミック酸樹脂を含む樹脂溶液を得た。
(4)攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットル四つ口フラスコに4,4´−ジアミノジフェニルエーテル100.12g(0.5モル)、4,4´−ジアミノビフェニル106.13g(0.5モル)とγ−ブチロラクトン2138gを仕込み、室温でジアミン化合物が溶解するまで攪拌した。ジアミン化合物溶解後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物166.12g(0.5モル)及び1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物109.06g(0.5モル)を3回に分けて加えた。液温を40℃に上昇させた。この後、反応の際に発熱するので60℃に液温が上昇し保温し、この温度で約5時間保温した。これにより、数平均分子量19300のポリアミック酸樹脂を含む樹脂溶液を得た。
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットル四つ口フラスコに4,4´−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)及びγ−ブチロラクトン2350gを仕込み、室温でジアミン化合物が溶解するまで攪拌した。ジアミン化合物溶解後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物257.78g(0.8モル)及び3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物58.84g(0.2モル)を3回に分けて加えた。液温を40℃に上昇させた。この後、反応の際に発熱するので60℃に液温が上昇し保温し、この温度で約4時間保温した。これにより、数平均分子量17600のポリアミック酸樹脂を含む樹脂溶液を得た。
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットル四つ口フラスコに4,4´−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)及びγ−ブチロラクトン2378gを仕込み、室温でジアミン化合物が溶解するまで攪拌した。ジアミン化合物溶解後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物328.67g(1.02モル)を3回に分けて加えた。液温を40℃に上昇させた。この後、反応の際に発熱するので60℃に液温が上昇し保温し、この温度で約3時間保温した。これにより、数平均分子量18400のポリアミック酸樹脂を含む樹脂溶液を得た。
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットル四つ口フラスコに4,4´−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)及びγ−ブチロラクトン2378gを仕込み、室温でジアミン化合物が溶解するまで攪拌した。ジアミン化合物溶解後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物328.67g(1.02モル)を3回に分けて加えた。液温を40℃に上昇させた。この後、反応の際に発熱するので60℃に液温が上昇し、この温度で約1時間保温した。これにより、数平均分子量31600のポリアミック酸樹脂を含む樹脂溶液を得た。
比較例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットル四つ口フラスコに4,4´−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)及びγ−ブチロラクトン2040gを仕込み、室温でジアミン化合物が溶解するまで攪拌した。ジアミン化合物溶解後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物96.67g(0.3モル)及び1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物152.68g(0.7モル)を3回に分けて加えた。液温を40℃に上昇させた。この後、反応の際に発熱するので60℃に液温が上昇し保温したが、樹脂溶液に濁りがあり、透明にならなかった。
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットル四つ口フラスコに4,4´−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)及びγ−ブチロラクトン2040gを仕込み、室温でジアミン化合物が溶解するまで攪拌した。ジアミン化合物溶解後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物96.67g(0.3モル)及び1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物152.68g(0.7モル)を3回に分けて加えた。液温を40℃に上昇させた。この後、反応の際に発熱するので60℃に液温が上昇し保温したが、樹脂溶液に濁りがあり、透明にならなかった。
比較例2
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットル四つ口フラスコに4,4´−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)及びγ−ブチロラクトン2286gを仕込み、室温でジアミン化合物が溶解するまで攪拌した。ジアミン化合物溶解後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物96.67g(0.3モル)及び3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物205.95g(0.7モル)を3回に分けて加えた。液温を40℃に上昇させた。この後、反応の際に発熱するので60℃に液温が上昇し保温したが、樹脂溶液に濁りがあり、透明にならなかった。
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットル四つ口フラスコに4,4´−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)及びγ−ブチロラクトン2286gを仕込み、室温でジアミン化合物が溶解するまで攪拌した。ジアミン化合物溶解後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物96.67g(0.3モル)及び3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物205.95g(0.7モル)を3回に分けて加えた。液温を40℃に上昇させた。この後、反応の際に発熱するので60℃に液温が上昇し保温したが、樹脂溶液に濁りがあり、透明にならなかった。
比較例3
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットル四つ口フラスコに4,4´−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)及びN−メチル−ピロリドン2378gを仕込み、室温でジアミン化合物が溶解するまで攪拌した。ジアミン化合物溶解後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物322.23g(1.0モル)を3回に分けて加えた。液温を40℃に上昇させた。この後、反応の際に発熱するので60℃に液温が上昇し保温し、この温度で2時間保温した。これにより、数平均分子量16300のポリアミック酸樹脂を含む樹脂溶液を得た。
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた3リットル四つ口フラスコに4,4´−ジアミノジフェニルエーテル200.24g(1.0モル)及びN−メチル−ピロリドン2378gを仕込み、室温でジアミン化合物が溶解するまで攪拌した。ジアミン化合物溶解後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物322.23g(1.0モル)を3回に分けて加えた。液温を40℃に上昇させた。この後、反応の際に発熱するので60℃に液温が上昇し保温し、この温度で2時間保温した。これにより、数平均分子量16300のポリアミック酸樹脂を含む樹脂溶液を得た。
試験例
実施例1〜7及び比較例3で得られたポリアミック酸樹脂を含む樹脂溶液について
、以下の方法で試験した。試験結果を表1示す。
(1)外観:目視により、樹脂溶液の外観及び塗膜の濁り、表面の肌荒れを調べた。
「良好」:樹脂溶液に濁りがない。また、塗膜の表面に濁りや肌荒れがない。
「不良」:樹脂溶液に濁ごりがあり、透明でない。
(2)密着性(クロスカット試験):JIS D 0202に準じて試験を行った。
試料はA1005Pのアルミ板に80℃で30分間、150℃で5分間、250℃で5分間及び300℃で30分間、順次加熱して膜厚15μmの硬化塗膜を作製した。
(3)鉛筆硬度:旧JIS K 5400に準じて試験を行った。
(4)粘度安定性:合成時粘度から35℃以下室温環境に樹脂溶液のはいった容器を放置し、初期に対する4ヶ月後の粘度変化率を計算した。
(5)機械的特性:ポリアミック酸樹脂溶液をガラス板に塗布し、80℃で30分間、150℃で5分間、250℃で5分間及び300℃で30分間、順次加熱して膜厚20μmの塗膜を作製した。塗膜を剥離して得られたフィルムを幅10mm、チャック間20mmに調整し、引張り速度5mm/minで引張り試験を行い、引張り強度及び伸び率の測定を室温で行った。試験装置は、(株)島津製作所製オートグラフAGS-5kNを使用した。
(6)安定性:面積約28cm2金属シャーレに樹脂溶液を3.0g入れ、シャーレ全体に樹脂溶液を広げる。これを、水平な場所に気温25℃、湿度80%の場所に放置し、ゲル化物が発生するまでの時間(分)を測定した。
実施例1〜7及び比較例3で得られたポリアミック酸樹脂を含む樹脂溶液について
、以下の方法で試験した。試験結果を表1示す。
(1)外観:目視により、樹脂溶液の外観及び塗膜の濁り、表面の肌荒れを調べた。
「良好」:樹脂溶液に濁りがない。また、塗膜の表面に濁りや肌荒れがない。
「不良」:樹脂溶液に濁ごりがあり、透明でない。
(2)密着性(クロスカット試験):JIS D 0202に準じて試験を行った。
試料はA1005Pのアルミ板に80℃で30分間、150℃で5分間、250℃で5分間及び300℃で30分間、順次加熱して膜厚15μmの硬化塗膜を作製した。
(3)鉛筆硬度:旧JIS K 5400に準じて試験を行った。
(4)粘度安定性:合成時粘度から35℃以下室温環境に樹脂溶液のはいった容器を放置し、初期に対する4ヶ月後の粘度変化率を計算した。
(5)機械的特性:ポリアミック酸樹脂溶液をガラス板に塗布し、80℃で30分間、150℃で5分間、250℃で5分間及び300℃で30分間、順次加熱して膜厚20μmの塗膜を作製した。塗膜を剥離して得られたフィルムを幅10mm、チャック間20mmに調整し、引張り速度5mm/minで引張り試験を行い、引張り強度及び伸び率の測定を室温で行った。試験装置は、(株)島津製作所製オートグラフAGS-5kNを使用した。
(6)安定性:面積約28cm2金属シャーレに樹脂溶液を3.0g入れ、シャーレ全体に樹脂溶液を広げる。これを、水平な場所に気温25℃、湿度80%の場所に放置し、ゲル化物が発生するまでの時間(分)を測定した。
表1に示した結果から、本発明の実施例で得られたポリアミック酸樹脂溶液は、安定性が通常のである比較例3より良好になっている。
Claims (3)
- 合成溶媒としてγ−ブチロラクトンのみを用い、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を45モル%以上含む酸無水物化合物及びジアミン化合物又はジイソシアネート化合物を反応させて得られるポリアミック酸を含む樹脂溶液を用いたポリアミック酸塗料組成物。
- ポリアミック酸の数平均分子量が14000〜55000である請求項1記載のポリアミック酸塗料組成物。
- ポリアミック酸が、硬化後のフィルムの室温での引張り強度が120MPa以上である請求項1又は2のいずれかに記載のポリアミック酸塗料組成物。
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