JP2015101595A - ポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルム - Google Patents
ポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015101595A JP2015101595A JP2013240749A JP2013240749A JP2015101595A JP 2015101595 A JP2015101595 A JP 2015101595A JP 2013240749 A JP2013240749 A JP 2013240749A JP 2013240749 A JP2013240749 A JP 2013240749A JP 2015101595 A JP2015101595 A JP 2015101595A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyamide resin
- polyamide
- film
- stretched
- semi
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Polyamides (AREA)
Abstract
Description
これらのポリアミド系樹脂フィルムは、フィルムの機械物性や耐熱性を向上させる目的で一軸方向又は二軸方向に延伸を行うことがあるが、ポリアミド樹脂は一般的に結晶化速度(球晶の成長速度)が速いことから延伸過程で配向による結晶化が進行してしまい、高倍率の延伸が困難となるという欠点があった。また、球晶と非晶部との界面で光が散乱し、フィルムの透明性が低下するという課題があった。
一方、脂肪族ポリアミド樹脂は汎用樹脂に比べると融点が高く耐熱性に優れるものの、軟化温度の指標となるガラス転移温度Tgは決して高くなく、また融点についても、半田リフロー工程など更なる耐熱性が求められる用途を想定した場合には十分ではない。加えて、脂肪族ポリアミド樹脂は吸水性も高いことから、高度な寸法安定性が求められる用途についてはその使用が妨げられていた。
しかしながら、この半芳香族ポリアミド樹脂についても脂肪族ポリアミド樹脂と同様に、結晶化速度が速いことから高倍率の延伸が困難であり、かつ透明性が悪いという課題があった。
[1] 下記半芳香族ポリアミド樹脂(A)90〜55質量%、及び、下記非晶性ポリアミド樹脂(B)10〜45質量%からなる混合物(X)を主成分とし、該混合物(X)のガラス転移温度Tg(X)が単一であることを特徴とするポリアミド系樹脂組成物。
(A):テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分(a−1)と、1,9−ノナンジアミン及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアミンを主成分とするジアミン成分(a−2)から構成される半芳香族ポリアミド樹脂。
(B):テレフタル酸及び/またはイソフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分(b−1)と、ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンを主成分とするジアミン成分(b−2)と、ω−ラウロラクタムを主成分とするラクタム成分(b−3)から構成される非晶性ポリアミド樹脂。
[2] 前記非晶性ポリアミド樹脂(B)のガラス転移温度Tg(B)が、半芳香族ポリアミド樹脂(A)のガラス転移温度Tg(A)よりも30〜120℃高いことを特徴とする[1]に記載のポリアミド系樹脂組成物。
[3] 前記混合物(X)の昇温過程における結晶化温度Tc(X)が、前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)の昇温過程における結晶化温度Tc(A)よりも10〜50℃高いことを特徴とする[1]又は[2]に記載のポリアミド系樹脂組成物。
[4] 前記混合物(X)の結晶融解エンタルピーΔHm(X)が25J/g以上、60J/g以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリアミド系樹脂組成物。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載のポリアミド系樹脂組成物を延伸成形してなることを特徴とするポリアミド系樹脂延伸フィルム。
[6] 前記延伸成形が二軸延伸成形であることを特徴とする[5]に記載のポリアミド系樹脂延伸フィルム。
[7] 縦方向に1.5倍〜4.0倍、横方向に1.5倍〜4.0倍それぞれ延伸されてなることを特徴とする[6]に記載のポリアミド系樹脂延伸フィルム。
[8] 厚さ20μmにおけるヘーズが5%以下であることを特徴とする[5]〜[7]のいずれかに記載のポリアミド系樹脂延伸フィルム。
[9] [5]〜[8]のいずれかに記載のポリアミド系樹脂延伸フィルムを用いてなる電気・電子部材用フィルム
[10] [5]〜[8]のいずれかに記載のポリアミド系樹脂延伸フィルムを用いてなる包装材。
本発明に用いる半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分(a−1)と、1,9−ノナンジアミン及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアミンを主成分とするジアミン成分(a−2)から構成されるポリアミド樹脂である。
ジカルボン酸成分(a−1)が、テレフタル酸を主成分とすることにより、本発明のポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルムが耐熱性(寸法安定性)や低吸水性に優れる。
なお、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸や、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸から誘導されるジカルボン酸成分等を例示することができる。
ジアミン成分(a−2)が、1,9−ノナンジアミン及び/または2−メチル−1,8−オクタンジアミンを主成分とすることにより、本発明のポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルムが耐熱性(寸法安定性)や低吸水性、延伸成形性に優れる。
なお、1,9−ノナンジアミン及び/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン以外のジアミン成分としては、その他の脂肪族ジアミン成分やキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン成分を例示することができる。
Tg(A)が100℃以上であれば、耐熱性ひいては寸法安定性に優れる。また、Tg(A)が200℃以下であれば、成形性、特に延伸成形性に優れる。
Tc(A)が110℃以上であれば、前記混合物(X)から得られる未結晶化フィルムの延伸過程において、延伸過程で予熱をかけた際にすぐさま結晶化することがなく、十分な延伸加工性を確保することができる。また、Tc(A)が210℃以下であれば、延伸後にフィルムを熱処理して結晶化させる際に、速やかに結晶化が進行し、生産性を確保することができる。
Tm(A)が260℃以上であれば、耐熱性が十分である。また、Tm(A)が350℃以下であれば、成形性(流動性)が十分であると共に、成形時に分解が生じることがなく、安全性も確保できる。
本発明に用いる非晶性ポリアミド樹脂(B)は、テレフタル酸及び/またはイソフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分(b−1)と、ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンを主成分とするジアミン成分(b−2)と、ω−ラウロラクタムを主成分とするラクタム成分(b−3)から構成されるポリアミド樹脂である。
ジカルボン酸成分(b−1)が、テレフタル酸及び/またはイソフタル酸を主成分とすることにより、本発明のポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルムが耐熱性(寸法安定性)や低吸水性に優れる。
なお、テレフタル酸及び/またはイソフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、ヒドロキシカルボン酸から誘導されるジカルボン酸成分等を例示することができる。
ジアミン成分(b−2)が、ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンを主成分とすることにより、本発明のポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルムが耐熱性や低吸水性に優れる。
なお、ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン以外のジアミン成分としては、ビス(アミノヘキシル)メタンやイソホロンジアミンを始めとする脂環族ジアミン成分や脂肪族ジアミン成分、キシリレンジアミンを始めとする芳香族ジアミン成分を例示することができる。
ラクタム成分(b−3)が、ω−ラウロラクタムを主成分とすることにより、本発明のポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルムが耐熱性や延伸成形性に優れる。
なお、ω−ラウロラクタム以外のラクタム成分としては、炭素数3以上のラクタム成分を例示することができる。
なお、結晶融解エンタルピーΔHm(B)はJIS K7121(2012年)に準じて、後述する方法で測定する。
Tg(B)をTg(A)よりも30℃以上高くすることにより、後述する混合物(X)のガラス転移温度Tg(X)がTg(A)と比べて十分に向上し、ひいては本発明のポリアミド系樹脂延伸フィルムの耐熱性が著しく向上する。一方で、Tg(B)とTg(A)の差が120℃以下であれば、半芳香族ポリアミド樹脂(A)の成形温度において非晶性ポリアミド樹脂(B)が十分に流動する。また、非晶性ポリアミド樹脂(B)の溶融粘度が高すぎることがなく、半芳香族ポリアミド樹脂(A)にナノスケールで分散する。
Tg(B)とTg(A)の差をかかる範囲にすることにより、延伸成形性を維持したまま十分な耐熱性向上効果が発揮される。
Tg(B)が130℃以上であれば、前記混合物(X)及びそれからなるフィルムに十分な耐熱性を付与することができる。また、Tg(B)が250℃以下であれば、成形温度域における流動性に優れ、十分な成形加工性を確保することができる。
本発明における混合物(X)は、前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)と前記非晶性ポリアミド樹脂(B)とからなる。
前記混合物(X)に含まれる半芳香族ポリアミド樹脂(A)と非晶性ポリアミド樹脂(B)の質量比をかかる範囲にすることにより、半芳香族ポリアミド樹脂(A)の結晶性を低くし過ぎることなく、優れた低吸水性を維持したまま耐熱性、延伸性及び透明性を向上することができる。
Tg(X)が110℃以上であれば、耐熱性ひいては寸法安定性に優れる。また、Tg(X)が220℃以下であれば、成形性、特に延伸成形性に優れる。
昇温過程において、Tc(X)がTc(A)に比べてどれだけ高いかということは、非晶性ポリアミド樹脂(B)をブレンドすることで結晶化がどれだけ抑えられたかということを表しており、ひいては延伸成形性の尺度となる。
Tc(X)をTc(A)よりも10℃以上高くすることで、結晶化が十分に抑えられ、著しい延伸成形性向上効果が発現する。一方で、Tc(X)とTc(A)の差が50℃以下であれば、延伸後の熱処理によって結晶化を促進させる際に結晶化が遅くなる結果として生産性が低下するおそれが小さい。
Tc(X)とTc(A)の差をかかる範囲にすることによって、生産性を維持したまま延伸成形性を向上することができる。
Tc(X)が120℃以上であれば、前記混合物(X)から得られる未結晶化フィルムの延伸過程において、延伸過程で予熱をかけた際にすぐさま結晶化することがなく、十分な延伸加工性を確保することができる。また、Tc(X)が210℃以下であれば、延伸後にフィルムを熱処理して結晶化させる際に、速やかに結晶化が進行し、生産性を確保することができる。
Tm(X)が260℃以上であれば、耐熱性が十分である。また、Tm(X)が350℃以下であれば、成形性(流動性)が十分であると共に、成形時に分解が生じることがなく、安全性も確保できる。
結晶融解エンタルピーΔHm(X)が25J/g以上であれば、本発明のポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルムが耐熱性に優れる上、低吸水性、耐薬品性にも優れる。一方、60J/g以下であれば、本発明のポリアミド系樹脂組成物が延伸成形性に優れる。
本発明のポリアミド系樹脂組成物は、前記混合物(X)を主成分とすることが重要である。すなわち、ポリアミド系樹脂組成物のうち50質量%を超える成分が前記混合物(X)であることが重要であり、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましく、とりわけ100質量%が前記混合物(X)であることが好ましい。
本発明のもう一つの態様は、本発明のポリアミド系樹脂組成物を延伸成形してなるフィルムである。すなわち、本発明のポリアミド系樹脂組成物を用いており、かつ、延伸成形がなされていれば、他の製造工程等については特に限定されない。
以下、本発明のポリアミド系樹脂延伸フィルムの製造方法の具体例について説明する。
中でも、延伸倍率を制御し均一な厚みのフィルムを得ることができるため、Tダイキャスト法とロール延伸法、テンター延伸法を組み合わせて製造する方法を採用することが好ましい。
いずれの方法においても、半芳香族ポリアミド樹脂(A)及び非晶性ポリアミド樹脂(B)の加水分解による分子量の低下を考慮する必要があり、均一に混合させるためには後者を選択するのが好ましい。そこで、以下後者の製造方法について説明する。
また、延伸方法はロール延伸法でもテンター延伸法でも良く、両者を組み合わせて二軸延伸成形を行っても良い。
一般に、逐次二軸延伸は設備が簡便で、生産性が高いという利点があるが、結晶性樹脂の場合、縦方向に延伸した際に配向結晶化が進んでしまい、その後の横方向への延伸が困難となる場合があるため、結晶化速度が速い樹脂にはあまり向かないという欠点がある。一方、同時二軸延伸は縦横方向に均一に延伸されたフィルムが得られるが、設備が大型化しコストがかかるという欠点がある。従って、樹脂の特性を鑑みてどちらかを選択する必要があるが、本発明のポリアミド系樹脂延伸フィルムは、どちらの延伸法を用いても問題なく延伸が可能である。
上記温度範囲の中でも、前記混合物(X)のガラス転移温度Tg(X)より5℃〜100℃高い温度で延伸を行うことが好ましく、10℃〜80℃高い温度が更に好ましく、15℃〜50℃高い温度が特に好ましい。係る温度範囲であれば、破断等の問題がなく延伸が行える上、結晶化を抑制して横延伸の妨げとなることがない。
なお、逐次二軸延伸の場合、縦方向に配向したフィルムは、未延伸フィルムに比べてガラス転移温度が高くなるため、横延伸を行う際は縦延伸時の延伸温度よりも高い温度で行うことが一般的である。
なお、ヘーズはJIS K7136(2000年)に準じて、後述する方法で測定する。
200℃で30分間加熱後の縦方向と横方向の収縮率の平均値が1%以下であれば、本発明のポリアミド系樹脂延伸フィルムが長時間の高温に晒された場合であっても優れた寸法安定性を発揮するものであるといえる。
260℃で5分間加熱後の縦方向と横方向の収縮率の平均値が3%以下であれば、本発明のポリアミド系樹脂延伸フィルムを電気・電子部材用フィルムとして使用した場合に半田耐熱性を発現し、優れた寸法安定性を有するものであると言える。
95℃の熱水に5分間含浸した後の縦方向と横方向の収縮率の平均値が1%以下であれば、本発明のポリアミド系樹脂延伸フィルムが優れた寸法安定性を有するとともに、優れた低吸水性を有し熱水の影響を受けにくいものであると言える。
粘弾性スペクトロメーターDVA−200(アイティー計測制御株式会社製)を用い、歪み0.1%、周波数10Hz、昇温速度3℃/分にて動的粘弾性の温度分散測定(JIS K7244−10(2005年)の動的粘弾性測定)を行った。そして損失正接(tanδ)の主分散のピークを示す温度をガラス転移温度Tgとした。
混合物(X)について、ガラス転移温度が単一のものを完全相溶系として合格(○)、損失正接(tanδ)の主分散のピークが二つ以上検出されたものを非相溶系として不合格(×)とした。
JIS K7136(2000年)に基づいて、作製したフィルムの全光線透過率および拡散透過率を測定し、ヘーズを以下の式で算出した。
厚さ20μmでのヘーズが5%以下であるものを合格(○)、5%を超えるものを不合格(×)とした。
[ヘーズ]=([拡散透過率]/[全光線透過率])×100
JIS K7121(2012年)に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて、加熱速度10℃/分で昇温過程における結晶化温度を測定した。具体的には、半芳香族ポリアミド樹脂(A)及び混合物(X)を融点より20℃高い温度で1分間保持し、その後冷水で急冷して得られた非晶状態のサンプルについて上記方法にて結晶化温度を測定した。
混合物(X)の結晶化温度Tc(X)と、半芳香族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度Tc(A)の差Tc(X)−Tc(A)を取り、その値が10℃以上、50℃以下であるものを合格(○)、10℃未満あるいは50℃を超えるものを不合格(×)とした。
JIS K7121(2012年)に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて、加熱速度10℃/分で昇温過程における結晶融解エンタルピーΔHmを測定した。
混合物(X)について、ΔHmの値が25J/g以上、60J/g以下のものを合格(○)、25J/g未満あるいは60J/gを超えるものを不合格(×)とした。
作製した延伸フィルムを、熱処理オーブンベーキング試験装置(株式会社大栄科学製作所製)を用いて設定温度200℃で30分間加熱し、加熱後の収縮率を縦方向と横方向について測定した。
MDとTDの収縮率の平均値が1%以下のものを合格(○)、1%を超えるものを不合格(×)とした。
作製した延伸フィルムを、熱処理オーブン熱処理オーブンベーキング試験装置(株式会社大栄科学製作所製)を用いて設定温度260℃で5分間加熱し、加熱後の収縮率を縦方向と横方向について測定した。縦方向と横方向の収縮率の平均値が3%以下のものを合格(○)、3%を超えるものを不合格(×)とした。
作製した延伸フィルムを95℃の熱水に5分間含浸し、その後の収縮率を縦方向と横方向について測定した。縦方向と横方向の収縮率の平均値が1%以下のものを合格(○)、1%を超えるものを不合格(×)とした。
(A)−1:PA9T((株)クラレ製、商品名ジェネスタ N1000A、テレフタル酸/1,9−ノナンジアミン/2−メチル−1,8−オクタンジアミン=50/40/10モル%、結晶融解温度:304℃、ガラス転移温度:130℃)
(A)−2:PA9T((株)クラレ製、商品名ジェネスタ TS−296、テレフタル酸/1,9−ノナンジアミン/2−メチル−1,8−オクタンジアミン=50/25/25モル%、結晶融解温度:267℃、ガラス転移温度:128℃)
(A)−3:ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(PA6T)(ダイセルエボニック(株)製、商品名ベスタミド HT plus M1000、テレフタル酸/イソフタル酸/ヘキサメチレンジアミン=35/15/50モル%、結晶融解温度:312℃、ガラス転移温度:134℃)
(B)−1:非晶性ポリアミド樹脂(EMS(株)製、商品名グリルアミド TR−55:イソフタル酸/ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン/ω−ラウロラクタム=33/33/34モル%、ガラス転移温度:176℃)
(B)−2:非晶性ポリアミド樹脂(アルケマ(株)製、商品名リルサンクリア G170:テレフタル酸/イソフタル酸/ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン/ω−ラウロラクタム=22/12/33/33モル%、ガラス転移温度:182℃)
(B)−3:非晶性ポリアミド樹脂(アルケマ(株)製、商品名リルサンクリア G830、1,10−テトラデカン二酸/ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン=50/50モル%、ガラス転移温度:142℃)
(B)−4:非晶性ポリアミド樹脂(三井・デュポン(株)製、商品名シーラー PA3426、テレフタル酸/イソフタル酸/ヘキサメチレンジアミン=13/37/50モル%、ガラス転移温度:142℃)
(A)−1、及び、(B)−1を混合質量比80:20の割合でドライブレンドし、Φ25mm同方向二軸押出機を用いて320℃で溶融混練した後、Tダイより押出し、次いで30℃のキャスティングロールにて急冷し、厚み180μmの未延伸フィルムを作製した。その後、得られた未延伸フィルムを逐次二軸延伸によって150℃で縦方向と横方向にそれぞれ3倍延伸し、280℃で熱固定を行った。得られた二軸延伸フィルムについて各種評価を行った。結果を表1に示す。
なお、全ての実施例、比較例について、混合物(X)の融点Tm(X)より20℃高い温度で溶融混練を行い、混合物(X)のガラス転移温度Tg(X)より10℃高い温度で延伸を行い、混合物(X)の融点Tm(X)より20℃低い温度で熱固定を行った。
(A)−1、及び、(B)−1の混合質量比を60:40とした以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(B)−1を(B)−2に変更した以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1を(A)−2に変更した以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1と(B)−1の混合質量比を95:5とした以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムの作製を行おうとしたが、延伸時に破断して延伸フィルムを作製できなかった。延伸フィルム以外の評価は実施した。結果を表1に示す。
(A)−1と(B)−1の混合質量比を40:60とした以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(B)−1を(B)−3に変更した以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(B)−1を(B)−4に変更した以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
(A)−1を(A)−3に変更し、溶融混練温度を330℃に変更した以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1では、非晶性ポリアミド樹脂(B)の含有割合が少なすぎて、樹脂組成物の結晶性が高くなり、延伸フィルムの作製ができなかった。
比較例2では、非晶性ポリアミド樹脂(B)の含有割合が多すぎて、耐熱性(寸法安定性)も低吸水性も十分ではなかった。
これについては、どちらの非晶性ポリアミド樹脂もω−ラウロラクタムをラクタム成分として含んでいないことから、理由は明らかでないものの、本発明で特定する半芳香族ポリアミド樹脂(A)と、ω−ラウロラクラムをラクタム成分として含む特定の非晶性ポリアミド樹脂(B)のブレンドによって、本発明のポリアミド系樹脂延伸フィルムが従来では達成し得なかった耐熱性(寸法安定性)と低吸水性に顕著に優れるものとなっていることが推認される。
また前記樹脂組成物から得られる本発明のポリアミド系樹脂延伸フィルムは、透明性や耐熱性に優れ、高温下においても極めて高度な寸法安定性を有するため、特に、各種電気・電子部材用フィルム、各種包装材、各種光学用途部材用フィルム等に好適に用いることができる。
Claims (10)
- 下記半芳香族ポリアミド樹脂(A)90〜55質量%、及び、下記非晶性ポリアミド樹脂(B)10〜45質量%からなる混合物(X)を主成分とし、該混合物(X)のガラス転移温度Tg(X)が単一であることを特徴とするポリアミド系樹脂組成物。
(A):テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分(a−1)と、1,9−ノナンジアミン及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアミンを主成分とするジアミン成分(a−2)から構成される半芳香族ポリアミド樹脂。
(B):テレフタル酸及び/またはイソフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分(b−1)と、ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンを主成分とするジアミン成分(b−2)と、ω−ラウロラクタムを主成分とするラクタム成分(b−3)から構成される非晶性ポリアミド樹脂。 - 前記非晶性ポリアミド樹脂(B)のガラス転移温度Tg(B)が、半芳香族ポリアミド樹脂(A)のガラス転移温度Tg(A)よりも30〜120℃高いことを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系樹脂組成物。
- 前記混合物(X)の昇温過程における結晶化温度Tc(X)が、前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)の昇温過程における結晶化温度Tc(A)よりも10〜50℃高いことを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアミド系樹脂組成物。
- 前記混合物(X)の結晶融解エンタルピーΔHm(X)が25J/g以上、60J/g以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド系樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミド系樹脂組成物を延伸成形してなることを特徴とするポリアミド系樹脂延伸フィルム。
- 前記延伸成形が二軸延伸成形であることを特徴とする請求項5に記載のポリアミド系樹脂延伸フィルム。
- 縦方向に1.5倍〜4.0倍、横方向に1.5倍〜4.0倍それぞれ延伸されてなることを特徴とする請求項6に記載のポリアミド系樹脂延伸フィルム。
- 厚さ20μmにおけるヘーズが5%以下であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のポリアミド系樹脂延伸フィルム。
- 請求項5〜8のいずれか1項に記載のポリアミド系樹脂延伸フィルムを用いてなる電気・電子部材用フィルム
- 請求項5〜8のいずれか1項に記載のポリアミド系樹脂延伸フィルムを用いてなる包装材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013240749A JP6349693B2 (ja) | 2013-11-21 | 2013-11-21 | ポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013240749A JP6349693B2 (ja) | 2013-11-21 | 2013-11-21 | ポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015101595A true JP2015101595A (ja) | 2015-06-04 |
JP6349693B2 JP6349693B2 (ja) | 2018-07-04 |
Family
ID=53377599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013240749A Active JP6349693B2 (ja) | 2013-11-21 | 2013-11-21 | ポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6349693B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018534405A (ja) * | 2015-11-17 | 2018-11-22 | アルケマ フランス | 改善された寸法安定性を示すアモルファスポリアミドベースの組成物 |
CN109401295A (zh) * | 2017-08-18 | 2019-03-01 | Ems专利股份公司 | 具有低雾度的增强聚酰胺模塑料和由其制成的模塑体 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0453727A (ja) * | 1990-06-22 | 1992-02-21 | Unitika Ltd | 収縮性ポリアミドフィルムおよびその製造法 |
JPH06263895A (ja) * | 1993-03-15 | 1994-09-20 | Unitika Ltd | 二軸延伸ポリアミドフィルム及びその製造方法 |
JP2000204239A (ja) * | 1999-01-08 | 2000-07-25 | Kuraray Co Ltd | ポリアミド組成物 |
JP2002020618A (ja) * | 2000-07-06 | 2002-01-23 | Dsmjsr Engineering Plastics Kk | 熱可塑性樹脂組成物 |
JP2003041117A (ja) * | 2001-05-21 | 2003-02-13 | Kuraray Co Ltd | ポリアミド組成物 |
JP2006028289A (ja) * | 2004-07-14 | 2006-02-02 | Ube Ind Ltd | 易引裂性二軸延伸ポリアミドフィルムおよびその応用 |
WO2013080820A1 (ja) * | 2011-11-29 | 2013-06-06 | 東レ株式会社 | 炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、そのペレットおよび成形品 |
JP2014156573A (ja) * | 2013-02-18 | 2014-08-28 | Mitsubishi Plastics Inc | ポリアミド系樹脂組成物、及びそれからなるフィルム |
-
2013
- 2013-11-21 JP JP2013240749A patent/JP6349693B2/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0453727A (ja) * | 1990-06-22 | 1992-02-21 | Unitika Ltd | 収縮性ポリアミドフィルムおよびその製造法 |
JPH06263895A (ja) * | 1993-03-15 | 1994-09-20 | Unitika Ltd | 二軸延伸ポリアミドフィルム及びその製造方法 |
JP2000204239A (ja) * | 1999-01-08 | 2000-07-25 | Kuraray Co Ltd | ポリアミド組成物 |
JP2002020618A (ja) * | 2000-07-06 | 2002-01-23 | Dsmjsr Engineering Plastics Kk | 熱可塑性樹脂組成物 |
JP2003041117A (ja) * | 2001-05-21 | 2003-02-13 | Kuraray Co Ltd | ポリアミド組成物 |
JP2006028289A (ja) * | 2004-07-14 | 2006-02-02 | Ube Ind Ltd | 易引裂性二軸延伸ポリアミドフィルムおよびその応用 |
WO2013080820A1 (ja) * | 2011-11-29 | 2013-06-06 | 東レ株式会社 | 炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、そのペレットおよび成形品 |
JP2014156573A (ja) * | 2013-02-18 | 2014-08-28 | Mitsubishi Plastics Inc | ポリアミド系樹脂組成物、及びそれからなるフィルム |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018534405A (ja) * | 2015-11-17 | 2018-11-22 | アルケマ フランス | 改善された寸法安定性を示すアモルファスポリアミドベースの組成物 |
JP7501825B2 (ja) | 2015-11-17 | 2024-06-18 | アルケマ フランス | 改善された寸法安定性を示すアモルファスポリアミドベースの組成物 |
CN109401295A (zh) * | 2017-08-18 | 2019-03-01 | Ems专利股份公司 | 具有低雾度的增强聚酰胺模塑料和由其制成的模塑体 |
CN109401295B (zh) * | 2017-08-18 | 2023-02-03 | Ems专利股份公司 | 具有低雾度的增强聚酰胺模塑料和由其制成的模塑体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6349693B2 (ja) | 2018-07-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN114350147B (zh) | 聚酰胺模塑复合物、由其制造的模塑制品及其使用用途 | |
JP5494484B2 (ja) | ポリ乳酸樹脂組成物およびフィルム | |
KR20100085157A (ko) | 연신 시트용 프로필렌계 수지 조성물, 및 이 조성물을 포함하는 연신 시트 및 열성형체 | |
JP6069018B2 (ja) | ポリアミド系樹脂組成物、及びそれからなるフィルム | |
EP3209713A1 (en) | Reinforced polymer molding composition | |
EP2409825A3 (en) | Composite polymeric articles formed from extruded sheets containing a liquid crystal polymer and process for producing the articles | |
TWI768186B (zh) | 雙軸延伸膜 | |
TW202140643A (zh) | 雙軸延伸膜 | |
JP6421418B2 (ja) | ポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルム | |
JP6349693B2 (ja) | ポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルム | |
US20140309374A1 (en) | Acrylic resin film having good transparency and impact resistance and method for manufacturing same | |
JP5545732B2 (ja) | 樹脂組成物、及びそれを成形してなるフィルム | |
JP6809149B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物 | |
JP2022124921A (ja) | 二軸延伸フィルム | |
JP6154646B2 (ja) | ポリアミド系樹脂組成物、及びそれからなるフィルム | |
JP6915411B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物 | |
JP2018104496A (ja) | ポリエステル樹脂組成物 | |
KR101660242B1 (ko) | 내충격성 및 외관이 향상된 열가소성 수지조성물 | |
JP7501048B2 (ja) | 二軸延伸フィルム | |
JP2003511537A (ja) | 熱成形可能なポリアミド | |
JP2016200795A (ja) | 反射フィルム、及びこれを備えてなる液晶表示装置、照明装置、装飾用物品 | |
JP2007182509A (ja) | 成形転写用二軸延伸ポリエステルフィルム | |
JP5373557B2 (ja) | 光学用二軸延伸ポリエステルフィルム | |
JP7070623B2 (ja) | ポリエステル樹脂組成物 | |
JP6117645B2 (ja) | ポリアミド系樹脂組成物、及びそれを成形してなるフィルム、射出成形体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161114 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20170424 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170911 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20171205 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180202 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180508 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180521 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6349693 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |