JP2015098039A - 接合材料及び接合構造体 - Google Patents

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太一 中村
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彰男 古澤
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Abstract

【課題】接合プロセス時間が長くならず、かつ接合後は高い耐熱性を有する接合材料及び接合構造体を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の接合材料は、不可避不純物を除いてSn−Bi合金とSeとで構成され、加熱及び冷却されることで、Sn−Se系化合物からなる第一金属類とBiを主成分とする第二金属類とからなる接合部を形成することを特徴とする。また、本発明の接合構造体は、第一の導体と、第二の導体と、上記接合材料から形成されると共に、前記第一の導体の第一面と前記第二の導体の第二面とを接合する接合部とを備え、前記接合部は、Sn−Se系化合物からなる第一金属類と、Biを主成分とする第二金属類とからなることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電力用半導体装置や電子回路基板などに用いるための接合材料及び接合構造体に関する。
電力用半導体装置では、スイッチング制御された大電流を、動作電流として流す必要がある。大電流を流すには、半導体素子の電極と外部電極との接合部の面積を広くする必要がある。そのため、半導体素子の電極と外部導体との接続は、アルミワイヤによる固相接合から、接合部の面積を広くすることが容易なはんだ接合に置き換わってきている。
しかしながら、半導体素子の電極と外部導体との接合材料としてはんだを用いた場合、接合プロセスにおけるリフロー加熱工程において、はんだが再溶融することがある。はんだが再溶融すると、半導体素子の電極が短絡する可能性がある。そのため、接合材料としてのはんだには、高融点の材料、すなわち、リフロー加熱工程の温度(例えば250℃)以上の融点を持つ材料が望まれている。
ここで、多層基板を接合する技術が、特許文献1に開示されている。
特許文献1では、図7(a)に示すように、Sn−Bi系粒子701およびCu粒子702を含む接合材料703を用い、Sn−Bi系粒子701の融点以上の温度(具体的には、180℃〜200℃)で90分以上加熱することによって、図7(b)に示すように、Cu粒子702の外周に固相温度250℃以上のCu−Sn系化合物704が形成された接合部705とすることで、接合している。図7(b)に示す接合部705は、固相温度が200℃以下の低融点相が消失しているため、図7(a)に示す接合材料703と比較して、融点が上昇している。
すなわち、特許文献1では、接合プロセス中に低融点相を消失させることで、例えば接合後の部品実装時のリフロー温度(例えば250℃)に対する接合部705の耐熱性を確保することができるとしている。
特開2002−94242号公報
しかしながら、特許文献1では、接合プロセスにおいて180℃〜200℃で90分以上加熱を行う必要があり、接合プロセス時間が長いという課題を有している。実際の量産工程では、接合プロセス時間を、例えば60分以下(より好ましくは10分以下)にすることが望まれている。
特許文献1において接合プロセス時間が長くなる理由は、CuとSnの拡散速度が遅いことである。これを解決する手段として、接合プロセスにおける加熱温度を例えば300℃以上に高温化する手段、または、接合プロセスにおいて例えば加熱時に1MPa以上に加圧する手段により、拡散速度を上げることが考えられる。しかしながら、これらの処理を行うと、接合部705により接合される部材に対して負荷を与えることが懸念される。
本発明は、接合プロセス時間が長くならず、かつ接合後は高い耐熱性を有する接合材料及び接合構造体を提供することを目的とする。
本発明の接合材料は、不可避不純物を除いてSn−Bi合金とSeとで構成され、加熱及び冷却されることで、Sn−Se系化合物からなる第一金属類とBiを主成分とする第二金属類とからなる接合部を形成することを特徴とする。
また、本発明の接合構造体は、第一の導体と、第二の導体と、上記接合材料から形成されると共に、前記第一の導体の第一面と前記第二の導体の第二面とを接合する接合部とを備え、前記接合部は、Sn−Se系化合物からなる第一金属類と、Biを主成分とする第二金属類とからなることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、接合プロセス時間が長くならず、かつ接合後は高い耐熱性を有する接合材料及び接合構造体を提供することができる。
(a)本発明の実施の形態に係る接合材料を示す図、(b)本実施の形態に係る加熱中の接合材料を示す断面図、(c)本実施の形態に係る接合部を示す図である。 (a)本実施の形態に係る接合材料を供給した状態の模式図、(b)本実施の形態に係る接合構造体の模式図である。 本実施の形態に係る接合構造体の要部断面模式図である。 本実施の形態に係る接合構造体の製造方法を示すフローチャートである。 Sn−Biの2元系状態図である。 Sn−Seの2元系状態図である。 (a)従来の接合材料を示す図、(b)従来の接合部を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
本発明の説明では、接合対象部材の接合に用いる材料を接合材料と定義し、接合後の接合材料を接合部と定義し、接合対象部材が接合部で接合された構造を接合構造体と定義し、それぞれの構成について説明する。
先ず始めに、本発明の実施の形態に係る接合材料100aの構成について、図1(a)、図2(a)を用いて説明する。
図1(a)に示す本発明の実施の形態に係る接合材料100aは、主に、合金101で構成される。合金101は、不可避不純物(例えば0.01wt%以下のZn、Fe、Al等)を除き、Sn−Bi合金102とSe103の金属粉体とで構成されている。
本実施の形態の接合材料100aには、溶剤(図示せず)と、活性剤(図示せず)とを混練したフラックスを混ぜている。ここで、溶剤は、粘度調整のために用い、活性剤は、溶融状態の合金の濡れ性を確保するために用いている。本実施の形態では、溶剤として2−エチル−1,3−ヘキサンジオールを用いたが、これに限らず、他にもジエチレングリコールジブチルエーテルなどを溶剤として用いてもよい。また、本実施の形態では、活性剤としてジグリコール酸を用いたが、これに限らず、他にもセバシン酸などの有機酸を活性剤として用いてもよい。本実施の形態では、溶剤及び活性剤の割合は、フラックス量全体に対し、溶剤が90wt%、活性剤は10wt%とした。フラックスが混ぜられた接合材料100aは、溶剤による粘度調整の作用と活性剤による濡れ性確保の作用とによって、図2(a)に示すように、第一の導体201上に形状を保持して供給することができる。
詳しくは後述するが、本実施の形態は、この接合材料100aおよび接合後の接合部100cを特徴とするものである。
次に、本発明の実施の形態に係る接合部100cの構成、及び接合部100cで接合された接合構造体200の構成について、図1(b)(c)、図2(b)、図3を用いて説明する。
図1(b)は、本実施の形態の接合材料100aに加熱プロセスを加えた際の接合材料の変化途中を示す断面図である。図1(b)は、加熱中の接合材料100bを示しており、溶融したSn−Bi合金102に含まれるSn成分がSe103と反応し、Se103の一部がSn−Se系化合物105に置き換わり、Sn−Se系化合物105の周辺にBi106が形成されている状態である。図1(b)の段階では、接合途中であるため、Sn−Bi合金102が一部残存している。図1(c)は、接合部100cを示しており、溶融したSn−Bi合金とSeとの反応が完全に終了し、Sn−Bi合金及びSeがそれぞれ単体で残存せず、Sn−Se系化合物105及びBi106のみが存在している状態である。このような図1(b)(c)は、図2(a)に示すように第一の導体201上に接合材料100aを供給した後、第二の導体203を搭載して加熱することにより、図2(b)に示す接合部100cとするまでの状態変化を示す図である。
図3は、図2(b)中の一点破線で示した部分を拡大した模式図である。図3に示すように、接合構造体200は、第一の導体201の接合面である第一面201Fと、第二の導体203の接合面である第二面203Fとの間が、Sn−Se系化合物105及びBi106が混在した接合部100cで接合されることで、構成されたものである。ここで、Sn−Se系化合物105は、本実施の形態の第一金属類の一例であり、Bi106は、本実施の形態の第二金属類の主成分の一例である。
ここで、本実施の形態に係る接合構造体200の接合部100cは、Sn−Se系化合物105が融点880℃のSnSe(セレン化スズ)或いは融点657℃のSnSe(二セレン化スズ)からなり、Bi106の融点が270℃であることから、融点が270℃以上の組成が混在した組織で構成されている。そのため、接合後の部品実装時に、接合構造体200を、リフロー温度(例えば、250℃程度)まで加熱しても、接合部100cが溶融することを防止できる。このように、本実施の形態においては、不可避不純物を除いた接合材料100aを、Sn−Bi合金102とSe103で構成し、この接合材料100aを加熱することで得られた接合部100cを、Sn−Se系化合物105及びBi106で構成していることを特徴とする。
次に、図4を用いて、本実施の形態に係る接合構造体200の製造方法について説明する。
本実施の形態に係る接合構造体200は、図4のステップS101からステップS105の順に処理することで得られる。
ステップS101は、室温状態で、第一の導体201に接合材料100aを供給する工程であり、図2(a)に該当する工程である。供給方法としては、例えば、塗布工法、印刷工法がある。なお、接合材料100aを供給する際、雰囲気としては大気でも良いが、接合材料100aの表面に酸化膜が形成されると濡れ性が低下する可能性があるため、水素及び窒素の混合雰囲気或いは、水素雰囲気のような還元雰囲気とすることが望ましい。
ステップS102以降は、図2(b)に該当する工程であり、ステップS102は、室温状態で、接合材料100a上に第二の導体203を搭載する工程である。
ステップS103は、Sn−Bi合金102が溶融する温度(139℃以上かつ200℃以下)で接合材料100aを加熱し、一定時間(30秒以上かつ60秒以下)保持する工程である。なお、ステップS103での加熱温度は、Se103の融点(Seが溶融する温度)未満としている。
次に、ステップS104は、ステップS103の後に昇温速度4℃/秒で昇温させ、Se103が溶融する温度(240℃以上かつ250℃以下)で加熱中の接合材料100bを加熱する工程である。
このステップS103及びステップS104に係る工程が、図1(b)から(c)に該当する工程であり、Sn成分とSe成分との相互拡散反応させる工程である。
さらに、ステップS104の加熱温度(240℃以上かつ250℃以下)を一定時間(5分以上)保持することで、加熱中の接合材料100bのSn−Bi合金及びSeがいずれも溶融している状態で、SnとSeの相互拡散反応を促し、Sn−Se系化合物及びBiを晶出させる。すなわち、ステップS103〜S104においては、Sn−Bi合金及びSeが化学変化して消失することになる。
なお、ステップS103〜104においては、加熱中の接合材料100bの溶剤や活性剤の揮発による空隙を低減するために、減圧雰囲気であることが望ましい。
最後に、ステップS105で室温状態まで冷却し、第一の導体201、第二の導体203の接合を完了させる。
以上の工程により、第一の導体201及び第二の導体203の接合部100cが高い耐熱性をもった混合組織からなる接合構造体200を得ることができる。ここで、高い耐熱性とは、前述のように、接合部100cが、融点657℃以上のSn−Se系化合物と融点270℃のBiから構成されることで、接合部100cの融点270℃が、270℃となっていることである。
また、本実施の形態における第一の導体201及び第二の導体203の材質は、Cuである。また、第一面201F及び第二面203Fは、Cu或いはCu合金である。そのため、図4のステップS104において、加熱中の接合材料100b中に含まれるSnと各導体201、203のCuとが相互拡散することにより、第一面201F及び第二面203Fの一部とSnとの間でそれぞれCu−Sn合金化が進行し、第一の導体201と第二の導体203とが接合される。
なお、第一の導体201と第二の導体203の材質としては、Cu及びCu合金の他に、Ag、Ni、Au及びこれらの合金の少なくともいずれかとすることもできる。
なお、第一の導体201と第二の導体203の材質として、Si、GaN、SiCなどの半導体デバイスを用いても良い。ただし、この場合、接合材料100aに対応しためっきを、第一面201F及び第二面203Fに形成しておく必要がある。これは、例えば、加熱中の接合材料100b中に含まれるSnと相互拡散させて、第一の導体201及び第二の導体203を接合する必要があるためである。
例えば、第一の導体201にSiデバイスを用いた場合、第一面201Fには加熱中の接合材料100b中に含まれるSnと相互拡散する金属であるCuまたはAgまたはNiまたはAuをめっきしておく必要がある。
なお、これらの金属を導体またはめっきに使用した場合、Snとの相互拡散により、Cu−Sn化合物、Ag−Sn化合物、Ni−Sn化合物、Au−Sn化合物などを形成する。これらの化合物は、いずれも融点が250℃より大きいため、高耐熱性を有する。そのため、本実施の形態においては、第一の導体201、第二の導体203の材質は特に限定されないが、第一面201F及び第二面203Fの材質(表面またはめっきの材質)は、加熱中の接合材料100b中に含まれるSnと相互拡散し、且つ高融点の金属間化合物を形成する金属であることが必要となる。例えば、接合材料100aとしてSn系を用いる場合は、CuまたはAgまたはNiまたはAuを用いる必要がある。
次に、接合構造体200の製造方法における各フローの具体的な条件(例えば、合金組成、温度)について、説明する。
始めに、図5(出典:ASM International発行“Handbook of Ternary Alloy Phase Diagrams”)を用いて、Sn−Bi合金の組成について、説明する。図5は、SnとBiの二元系状態図であり、SnとBiの混合濃度と温度によって合金がどのような状態になるのかを示したものである。図5において、横軸は各組成の比率、縦軸は温度である。
前述のように、本実施の形態は、Snをベースとした合金とSeとの相互拡散反応により、高融点のSn−Se系化合物(融点880℃のSnSe、融点657℃のSnSe)を晶出させることで、接合前後(接合材料100aと接合部100cとの間)で融点に差を設けることを狙いとしている。
ここで、Seは、融点が221℃であり、上述した図4のステップS104の加熱温度である240℃以上かつ250℃以下で溶融させることによりSnと液相系での相互拡散反応を起こす。すなわち、Seは、Snに対する相互拡散速度が速く、本実施の形態の狙いに対して好適な元素である。しかしながら、Seは、沸点が234℃であるため、図4のステップS104の加熱温度(240℃以上かつ250℃以下)で揮発し、加熱中の接合材料100bが飛散するおそれがある。加熱中の接合材料100bが飛散すると、例えば、第一の導体201と第二の導体203との部品ズレが発生することが懸念される。
そこで本実施の形態では、図4のステップS103において(ステップS104の前に)、Sn−Bi合金は溶融するがSeが溶融しない温度(139℃以上かつ200℃以下)で接合材料を加熱しておくことにより、例えば、第一の導体201と第二の導体203とを液化したSn−Bi合金により予め繋いでおくことで、その後のステップS104においてSeが揮発することによる接合材料の飛散を防ぐことができ、第一の導体201と第二の導体203との部品ズレの懸念事項を回避することができる。
さらに、発明者らの実験から、図4のステップS104において、溶融開始温度を所定温度以下に下げれば、上述した懸念事項を回避できることがわかったので、液相温度が200℃以下になるSn−Biの配合比を検討した。ここで、所定温度とは、Seの沸点234℃より30℃以上低い温度であり、具体的には、204℃以下である。
図5より、Sn−Biの二元系において、液相温度が200℃以下になるBiの割合は、25wt%以上77wt%以下である。Sn−Bi合金の共晶温度である139℃から上述した200℃の温度領域において、Biの割合が25wt%以上58wt%以下の領域では、液相中に固体のSn金属層が形成され、Biの割合が58wt%より大きく77wt%以下の領域では、液相中に固体のBi金属層が形成される。
ここで、Bi金属層はSn金属層よりも酸化しやすく、接合材料の表面に酸化膜が形成されると接合材料の濡れ性が低下してしまうため、Bi金属層が形成されるのは望ましくない。
そこで、本実施の形態では、Sn−Biの2元系におけるBiの割合を、25wt%以上58wt%以下の領域とした。すなわち、本実施の形態においては、Sn−Bi二元系において、Snの含有率をXwt%、Biの含有率をYwt%、X+Y=100wt%とした場合、SnとBiとの重量比が、25wt%≦Y≦58wt%の関係を満たす。
続いて、図6(出典:ASM International発行“Handbook of Ternary Alloy Phase Diagrams”)を用いて、Snに対するSeの配合比について、説明する。図6は、SnとSeの二元系状態図であり、SnとSeの混合濃度と温度によって合金がどの様な状態になるのかを示したものである。図6において、横軸は各組成の比率、縦軸は温度である。
図6より、Sn−Seの二元系において、図4のステップS104の加熱温度である240℃以上かつ250℃以下の温度から室温まで冷却する際に生成される金属組成を、検討した。
図6に示すように、Seの割合が0wt%以上かつ40wt%未満の領域では冷却後にSnSeとSn単体が形成され、Seの割合が40wt%以上かつ57wt%以下の領域ではSnSeとSnSeが形成され、Seの割合が57wt%より大きく100wt%以下の領域ではSnSeとSe単体が形成される。
ここで、前述のように、SnSe、SnSeの融点はそれぞれ880℃、657℃であり、一般的なリフロー加熱温度である250℃以上の耐熱性を有しているが、Sn単体、Se単体の融点はそれぞれ232℃、221℃であり、リフロー加熱温度である250℃未満となっている。この特性と、図6に示す関係より、本実施の形態で目的としている250℃以上の耐熱性を有する接合部を形成するためには、Sn−Seの二元系において、Seの割合を40wt%以上かつ57wt%以下の領域とする必要がある。
そこで、本実施の形態では、Sn−Seの二元系におけるSeの割合を40wt%以上かつ57wt%以下の領域とした。すなわち、本実施の形態においては、接合後の接合部100cは、Sn−Seの二元系において、Snの含有率をAwt%、Seの含有率をBwt%、A+B=100wt%とした場合、SnとSeとの重量比が、40wt%≦B≦57wt%の関係を満たす。
最後に、表1、2を用いて、本実施の形態の実施例と比較例及び従来例との効果の比較を説明する。
表1において、実施例1〜5は本実施の形態における接合材料であり、比較例1〜4は本発明の構成及び効果を有さない接合材料であり、従来例は特許文献1に記載の接合材料である。ここで、実施例1〜5は、加熱及び冷却されることで、Sn−Se系化合物からなる第一金属類とBiを主成分とする第二金属類とからなる接合部を形成する接合材料である。なお、実施例1〜3は、後述するように250℃以下溶融ピークが存在せず、接合後に非常に高い耐熱性を有する接合材料であり、実施例4〜5は、後述するように250℃以下溶融ピークが一部存在するが、接合後に高い耐熱性を有する接合材料である。また、表1には、示差走査熱量分析(DSC)により各種接合材料の溶融開始温度を測定した結果を示している。
表2は、表1の実施例1〜5、比較例1〜4、従来例の接合材料に、図4のステップS101〜S104で作製したサンプルが250℃以下で溶融するか否かを、示差走査熱量分析(DSC)により測定し、250℃以下の溶融ピークの有無を評価した結果と接合時の部品ズレの結果を示す。
ここで、250℃以下の溶融ピーク有無の評価に用いたサンプルは、実施例1〜5、比較例1〜4、従来例の接合材料に対し、図4のステップS103、S104の工程のみ通過した試料を用いた。
また、部品ズレの評価に用いたサンプルは、図4のステップS101〜S104の全ての工程を通過させ、Cu基板である第一の導体201とSnめっきされたCu基板である第二の導体203として1005サイズのチップ部品を用いた。
また、図4のステップS103の加熱温度および時間は、それぞれ160℃および60秒とし、図4のステップS104の加熱温度および時間は、それぞれ240℃および5分とし、図4のステップS102からS103及びS103からS104への昇温速度は4℃/秒とした。
表1と表2の違いは、表1が接合時、すなわち加熱時の接合材料評価で、表2が接合後、すなわち加熱後の接合材料評価に相当する。
まず始めに、実施例1〜3と実施例4及び5とを比較する。
実施例1〜3の配合比は、Sn−Biの2元系におけるBiの割合が、それぞれ58wt%、40wt%、25wt%(つまり、各々(X,Y)=(42,58)、(60,40)、(75,25))である。これは、実施例1〜3の配合比が、図5で説明したSn−Biの2元系におけるBiの割合が25wt%以上かつ58wt%以下の領域に含まれることを意味する。
また、実施例1〜3の配合比は、Sn−Seの2元系におけるSeの割合が、それぞれ53wt%、48wt%、44wt%(つまり、各々(A,B)=(47,53)、(52,48)、(56,44))である。これは、実施例1〜3の配合比が、図6で説明したSn−Seの2元系におけるSeの割合が40wt%以上かつ57wt%以下の領域に含まれることを意味する。
ここで、(X,Y)は、表1の金属Aの組成のSn−Bi合金のSnとBiとの重量比を、SnとBiの合計で100%換算した割合で示している。また、(A,B)は、表1の各組成のSnとSeとの重量比を、SnとSeの合計で100%換算した割合で示している。
一方、実施例4及び5の配合比は、Sn−Biの2元系におけるBiの割合58wt%が25wt%以上かつ58wt以下%の領域に含まれるが、Sn−Seの2元系におけるSeの割合37wt%、61wt%がいずれも40wt%以上かつ57wt%以下の領域に含まれない。そのため、冷却する際に融点221℃のSe単体或いは融点232℃のSn単体の相が形成されることになり、実施例4及び5では、250℃以下の溶融ピークが一部検出された。よって、実施例4及び5の判定を、本発明には含まれるが実施例1〜3より耐熱性の低い△とした。これは、図6を用いて説明したSnに対するSeの配合比の検討で示した内容と250℃以下の溶融ピークの結果が一致していることを表している。
比較例1の配合比は、Sn−Seの2元系におけるSeの割合40wt%が40wt%以上かつ57wt%以下の領域に含まれるため、250℃以下の溶融ピークは検出されない。だが、比較例1においては、部品ズレが発生した。これは、比較例1においては、Biの含有率が0wt%であることから、図4のステップS103、S104の加熱プロセスにおいてSnの溶融とほぼ同時にSeが揮発して接合材料が飛散してしまい、飛散した接合材料により部品ズレが発生するためであると考えられる。よって、比較例1の判定を×とした。
一方、実施例1〜3においては、図4のステップS103、S104の加熱プロセスにおいて、先にSn−Bi合金が溶融および液化するため、Seが揮発しても接合材料が飛散することはなく、部品ズレを防止することができていると考える。この結果から、図4のステップS103において、接合材料100aのSn−Bi合金成分が溶融する温度で一定時間加熱することで、Sn−Bi合金が溶融および液化して第一の導体201と第二の導体203の濡れ性が確保されていると考えられる。すなわち、本実施の形態において、図4のステップS103は、部品ズレを防止する上で重要なプロセスであることを表していると考えられる。
比較例2〜4は、Snをベースとした合金の溶融開始温度を下げるために、Bi以外の金属材料として、Zn、In、Ag、CuをSnに添加した接合材料を用いた例である。
まず、比較例2〜4において、250℃以下の溶融ピークが検出されたことについて説明する。比較例2及び3で添加したものはZnやInといった比較的酸化しやすい金属であるため、溶融状態のSnをベースとした合金表面が酸化膜に覆われ、酸化膜に覆われた合金表面が溶融Seと十分に拡散反応を起こすことができず、結果として加熱後に低融点成分が残存したと推察される。また、比較例4は、合金表面に薄く形成されたAgSeSn化合物層が溶融Seと十分に拡散反応を起こすことができず、結果として加熱後に低融点成分が残存したと推察される。よって、比較例2〜4の判定を×とした。
従来例において、250℃以下の溶融ピークが検出されたことについて説明する。SnとCuとの拡散反応が遅いことから、溶融状態のSnと固体状態のCuとが十分に拡散反応を起こすことができず、結果として加熱後に低融点成分が残存したと推察される。よって、従来例の判定を×とした。
以上の結果より、加熱温度が従来同等で加圧を必要とせず、従来より短時間の加熱プロセスで接合し、加熱後は低融点相を短時間で消失させることが可能であり、それにより高い耐熱性を有する接合材料及び接合構造体を提供することが可能になる。
本発明によれば、耐熱性が要求される接合材料及び接合構造体、特に電力用半導体装置における大電流容量に対応した配線接続や、電子回路基板の部品実装または配線形成に用いるための接合材料及び接合構造体として広く利用することができる。
100a、703 接合材料
100b 加熱中の接合材料
100c、705 接合部
101 合金
102 Sn−Bi合金
103 Se
105 Sn−Se系化合物
106 Bi
200 接合構造体
201 第一の導体
203 第二の導体
201F 第一面
203F 第二面
701 Sn−Bi系粒子
702 Cu粒子
704 Cu−Sn系化合物

Claims (7)

  1. 不可避不純物を除いてSn−Bi合金とSeとで構成され、
    加熱及び冷却されることで、Sn−Se系化合物からなる第一金属類とBiを主成分とする第二金属類とからなる接合部を形成する、
    接合材料。
  2. 該接合材料のSn−Bi二元系において、SnをXwt%、BiをYwt%、X+Y=100wt%とした場合に、25wt%≦Y≦58wt%の関係を満たすと共に、
    該接合材料のSn−Se二元系において、SnをAwt%、SeをBwt%、A+B=100wt%とした場合、40wt%≦B≦57wt%の関係を満たす、
    請求項1に記載の接合材料。
  3. 第一の導体と、
    第二の導体と、
    請求項1に記載の接合材料から形成されると共に、前記第一の導体の第一面と前記第二の導体の第二面とを接合する接合部とを備え、
    前記接合部は、Sn−Se系化合物からなる第一金属類とBiを主成分とする第二金属類とからなる、
    接合構造体。
  4. 前記接合部が、前記接合材料を加熱および冷却して形成されたものである、
    請求項3に記載の接合構造体。
  5. 前記接合部は、前記Seの融点未満であると共に前記Sn−Bi合金が溶融する温度で前記接合材料を一定時間加熱して形成された、
    請求項4に記載の接合構造体。
  6. 前記接合部は、前記Seの融点未満であると共に前記Sn−Bi合金が溶融する温度で前記接合材料を一定時間加熱した後に、前記Seが溶融する温度で一定時間加熱して形成された、
    請求項5に記載の接合構造体。
  7. 前記第一面および第二面は、Cu、Ag、Ni、Auまたはこれらの合金の少なくともいずれかからなる、
    請求項3から6いずれかに記載の接合構造体。
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