JP2015097973A - 粘着装置 - Google Patents

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和司 吉田
Kazushi Yoshida
和司 吉田
康太郎 荒谷
Kotaro Araya
康太郎 荒谷
敏史 三山
Toshifumi Miyama
敏史 三山
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Abstract

【課題】粘着部にゴミや塵埃が付着した後のクリーニングが簡単に行え、かつクリーニング後の粘着部の粘着力も初期レベルの粘着力を復元することが可能な粘着装置を提供する。
【解決手段】感温性粘着剤が塗布された粘着部と、前記感温性粘着剤を、該感温性粘着剤の融点以上の温度に加熱する加熱手段と、前記融点未満かつ前記感温性粘着剤のガラス転移温度未満の温度において、前記粘着部に接触し、前記粘着部に付着した付着物を除去するクリーニング手段を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、粘着装置に関する。
従来、物品を取り出すための取出機構や物品の搬送機構として、粘着力を用いたものがある。特許文献1には、搬送ローラの搬送面を、所定の粘着力を有する粘着材で形成したことにより、粘着力により確実に用紙を搬送できるとともに、重送を起こしにくくすることが可能な給紙装置について開示されている。また、特許文献2には、常温または高温で粘着力を変化可能な層を有することにより、媒体の搬送、剥離、クリーニング、転写などのプロセスに応じた粘着力を得ることが可能な搬送ベルトについて開示されている。
特開平7−315592号公報 特開2006−232512号公報
粘着力を用いる場合、粘着剤の粘着力を消失させて非粘着性の状態とし、単なるクリーニングブラシや布などによってクリーニングを行ったとしても、初期の粘着力を再現させることは困難である。クリーニングを行って粘着力を復元させるためには、クリーニング手段の粘着力を強くする必要がある。これは、一旦粘着剤にゴミや塵埃が付着した場合、粘着状態において特に細かなゴミや塵埃が粘着剤の内部に入り込み、これが非粘着状態となった場合は粘着剤そのものが固まって内部に入り込んだゴミや塵埃も粘着剤に付着して取れにくくなっているためと考えられる。
本発明では、粘着部にゴミや塵埃が付着した後のクリーニングが簡単に行え、かつクリーニング後の粘着部の粘着力も初期レベルの粘着力を復元することが可能な粘着装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明は、感温性粘着剤が塗布された粘着部と、前記感温性粘着剤を、該感温性粘着剤の融点以上の温度に加熱する加熱手段と、前記融点未満かつ前記感温性粘着剤のガラス転移温度未満の温度において、前記粘着部に接触し、前記粘着部に付着した付着物を除去するクリーニング手段を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、粘着部にゴミや塵埃が付着した後のクリーニングが簡単に行え、かつクリーニング後の粘着部の粘着力も初期レベルの粘着力を復元することができ、繰り返し粘着動作を行うことが可能な粘着装置を提供することが可能で有る。なお、その他の効果については、実施例において説明する。
粘着装置(パッド式)を示した図 粘着装置(ローラ式)を示した図 粘着装置(ベルト式)を示した図 粘着装置の機能ブロック図 粘着剤の特性を示した図 クリーニング手段付き粘着装置を示した図 クリーニング部を示した図 簡略化されたクリーニング手段付き粘着装置を示した図 粘着装置(パッド式)を示した図 加熱手段を示した図
本発明における粘着装置について、以下に基づき説明する。
(1)粘着装置の構成
本実施例における粘着装置は、例えば、埃の除去装置や様々な物品の取扱装置に用いられるものである。粘着装置の形態としては、例えば、粘着パッドを用いた形態(パッド式)、搬送ローラに粘着剤を貼付した形態(ローラ式)、搬送ベルトに粘着剤を貼付した形態(ベルト式)等がある。最初に、これらの各形態における構成について説明する。
図1は、粘着パッドを用いた形態(パッド式)の粘着装置の構成を示した図である。
図1(a)に示す粘着装置1Aは、取り扱う物品に接触し、その接触表面の一部あるいは全範囲に感温性粘着剤が塗布された粘着部11Aと、粘着部11Aを保持するとともに感温性粘着剤を加熱する加熱手段12Aと、加熱手段12Aに電力を供給する電源手段13Aと、粘着装置の制御を行う制御手段14Aと、加熱手段12Aと電源手段13Aとを接続する電力供給手段15Aと、制御手段14Aと電源手段13Aとを接続する制御信号伝達手段16Aとを備える。なお、加熱手段12Aとして、ヒータを用いる構成である。
粘着部11Aは、表面の一部、あるいは全面に側鎖結晶性ポリマーを一成分として架橋した粘着剤が塗布された粘着シートが取り付けられたものであってもよい。粘着剤として、融点(Tm、すなわち粘着力発現温度)は粘着剤のガラス転移温度(Tg)より高く、かつ融点(Tm)と粘着剤のガラス転移温度(Tg)の差が小さい(5ケルビン程度)ものであり、さらにはガラス転移温度(Tg)が室温程度(約摂氏15〜25度)の化合物であることが望ましい。これにより、粘着力が消失した状態において、粘着剤に付着した付着物(粉塵物や、粘着剤に付着可能な異物)の除去が容易となる。粘着剤の合成例については、後述にて詳細に説明する。
図1(b)に示す粘着装置1Bは、上記粘着部11A、加熱手段12A、電源手段13A、制御手段14A、電力供給手段15A、制御信号伝達手段16Aの各々に相当する粘着部11B、加熱手段12B、電源手段13B、制御手段14B、電力供給手段15B、制御信号伝達手段16Bの他に、粘着部11Bを保持するとともに加熱手段12Bで発生する熱を粘着部11Bへ伝導する熱伝導手段としての熱伝導板17Bを備える。
図1(c)に示す粘着装置1Cは、上記粘着部11A、加熱手段12A、電源手段13A、制御手段14A、電力供給手段15A、制御信号伝達手段16Aの各々に相当する粘着部11C、加熱手段12C、電源手段13C、制御手段14C、電力供給手段15C、制御信号伝達手段16Cの他に、粘着部11Cを保持すると保持部18Cを備える。なお、加熱手段12Cとして光源を用いる構成であって、熱を発生する光源からの熱輻射により粘着部11Cが加熱され、粘着部11Cに塗布された感温性粘着剤に粘着力を発現させるものである。
図1(d)に示す粘着装置1Dは、加熱手段に加えて、粘着部の温度を降下させる温度降下手段を備えている。具体的には、粘着装置1Dは、上記粘着部11A、加熱手段12A、電源手段13A、制御手段14A、電力供給手段15A、制御信号伝達手段16A、熱伝導板17Bの各々に相当する粘着部11D、加熱手段12D、電源手段13D、制御手段14D、電力供給手段15D1、制御信号伝達手段16D、熱伝導板17Dの他に、粘着部11Dの温度を降下させて感温性粘着剤の粘着力を消失させる温度降下手段19Dと、温度降下手段19Dと電源手段13Dとを接続する電力供給手段15D2とを備える。
温度降下手段19Dとしては、例えば、ペルチェ素子を用いた手段や、ファンなどを用いた手段があるが、これらに限られるものではなく、後述するように粘着部の温度を粘着発現温度とガラス転移温度より下の温度とする手段であれば他の手段であっても良い。
なお、図1(d)に示す粘着装置1Dの場合、加熱手段12Dによる粘着部11Dの加熱と温度降下手段19Dによる粘着部11Dの温度降下とは、粘着部11Dが取り付けられている熱伝導板17Dを介して行っているが、例えば、図1(a)に示す粘着装置1Aや、図1(c)に示す粘着装置1Cに温度降下手段を追加した構成としても良い。
また、粘着部11A〜11Dと、加熱手段12A〜12Dまたは熱伝導板17A〜17Dとの間は熱伝導が可能な接着剤を用いて接着されたり、熱伝達が可能であるように接合されて取り付けられている。温度降下手段19Dと、粘着部11Dまたは熱伝導板17Dとの間においても、同様の接着、接合がされている。
図2は、搬送ローラに粘着剤を貼付した形態(ローラ式)の粘着装置の構成を示した図である。
図2(a)に示す粘着装置2Aは、取り扱う物品に接触するローラ部20Aと、ローラ部20Aの外周部であり、その接触表面の一部、あるいは全範囲に感温性粘着剤が塗布された粘着部21Aと、粘着部21Aがその外周部に設けられ感温性粘着剤に粘着力を発現させる加熱手段22Aと、上記電源手段13A、制御手段14A、電力供給手段15A、制御信号伝達手段16Aの各々に相当する、電源手段23A、制御手段24A、電力供給手段25A、制御信号伝達手段26Aと、ローラ部20Aの駆動源27Aと、駆動源27Aからの動力を伝達する、ギヤやタイミングベルトなどから構成される動力伝達手段28Aとを備える。なお、加熱手段22Aとして、ローラ部20Aを加熱するヒータを用いる構成である。
ローラ部20Aには、表面の一部、あるいは全面に側鎖結晶性ポリマーを一成分として架橋した粘着剤が塗布されたものであってもよい。粘着剤としては、図1の粘着装置で説明した化合物であることが望ましい。
図2(b)に示す粘着装置2Bは、上記ローラ部20A、粘着部21A、加熱手段22A、電源手段23A、制御手段24A、電力供給手段25A、制御信号伝達手段26A、駆動源27A、動力伝達手段28Aの各々に相当するローラ部20B、粘着部21B、加熱手段22B、電源手段23B、制御手段24B、電力供給手段25B、制御信号伝達手段26B、駆動源27B、動力伝達手段28Bを備える。なお、加熱手段22Bとして、ローラ部20Bと接触することで熱を付与するヒートローラを用いる構成である。ヒートローラ22Bは、図示されない駆動源からの駆動力により駆動されてもよいし、ローラ部20Bとの接触による摩擦力で従動して回転する構成であっても良い。
図2(c)に示す粘着装置2Cは、上記ローラ部20A、粘着部21A、加熱手段22A、電源手段23A、制御手段24A、電力供給手段25A、制御信号伝達手段26A、駆動源27A、動力伝達手段28Aの各々に相当するローラ部20C、粘着部21C、加熱手段22C、電源手段23C、制御手段24C、電力供給手段25C、制御信号伝達手段26C、駆動源27C、動力伝達手段28Cを備える。なお、加熱手段22Cとして光源を用いる構成であって、熱を発生する光源からの熱輻射により粘着部21Cが加熱され、粘着部21Cに塗布された感温性粘着剤に粘着力を発現させるものである。
図2(d)に示す粘着装置2Dは、加熱手段に加えて、粘着部の温度を降下させる温度降下手段を備えている。具体的には、上記ローラ部20A、粘着部21A、加熱手段22B、電源手段23A、制御手段24A、電力供給手段25A、制御信号伝達手段26A、駆動源27A、動力伝達手段28Aの各々に相当するローラ部20D、粘着部21D、加熱手段(ヒートローラ)22D、電源手段23D、制御手段24D、電力供給手段25D1、制御信号伝達手段26D、駆動源27D、動力伝達手段28Dの他に、粘着部21Dの温度を降下させて感温性粘着剤の粘着力を消失させる温度降下手段(温度降下ローラ)29Dと、温度降下手段29Dと電源手段23Dとを接続する電力供給手段25D2とを備える。
また、温度降下動作時以外に温度降下ローラ29Dがローラ20Dに接触しないように退避させるため、温度降下ローラ29Dはリンク機構29DLに連結されており、このリンク機構29DLは冷却ローラ29Dのローラ20Dへの接触動作と退避動作を行うための駆動源29DAに連結されている。
なお、ヒートローラ22D及び温度降下ローラ29Dは、図示されない駆動源からの駆動力により駆動されてもよいし、ローラ部20Dとの接触による摩擦力で従動して回転する構成であっても良い。
図3は、搬送ベルトに粘着剤を貼付した形態(ベルト式)の粘着装置の構成を示した図であって、ローラ部の代わりに、取り扱う物品に接触するベルトを用いた構成である。図3は、図2(a)に示す粘着装置2Aに対応するベルト式の粘着装置3Aであって、ローラ部20Aの代わりに、取り扱う物品に接触するベルト30Aを用いた構成である。他の構成(粘着部31A、加熱手段32A、電源手段33A、制御手段34A、電力供給手段35A、制御信号伝達手段36A、駆動源37A、動力伝達手段38A)は、図2(a)に示す粘着装置2Aにおいて相当する構成と同一であるため、詳細な説明を省略する。
なお、図2(b)〜(d)に示す粘着装置2B〜2Dにおいても、ローラ部20B〜20Dの代わりに、取り扱う物品に接触するベルトを適用しても良い。
図4は、図1〜3に示した粘着装置における機能ブロック図であって、図4(a)は温度降下手段を有さない粘着装置1A〜1C、2A〜2C、3Aの機能ブロック図、図4(b)は温度降下手段を有する粘着装置1D、2Dの機能ブロック図である。なお、図4(a)、図4(b)では、それぞれ粘着装置1A、1Dについて示しているが、他の粘着装置でも同様の機能ブロック図となる。
粘着装置1A、1Dは、上記で説明した手段に加え、粘着部11A、11Dの温度を検出する温度検出手段15Sを備えている。なお、温度検出手段15Sは、温度に応じて加熱及び冷却の制御をしない場合(オープンループ制御)には、必ずしも必要ではない。
(2)粘着装置における処理
次に、粘着装置における処理について説明する。以下では、図1〜3に示した粘着装置1A〜1D、2A〜2D、3Aにて実行される処理について、図1(a)に示す粘着装置1A(または1D)を例にして説明する。
[加熱、温度維持:粘着装置1Aを用いた場合]
粘着装置1Aにおいて、粘着部11Aに粘着力を発生させる必要がある場合、制御手段14Aから電源手段13Aに対して電源をONにさせる信号を発信する。この信号により、加熱手段12Aへの電源がONにされると、加熱手段12Aの温度が上昇する。
加熱手段12Aの温度が、粘着部11Aにおける感温性粘着剤に粘着力を発生させるに十分な温度にまで上昇すると、制御手段14Aから電源手段13Aに対して電源をOFFにさせる信号を発信する。この信号により、加熱手段12Aへの電源がOFFにされると、加熱手段12Aの温度が低下する。
電源手段13Aに対して電源をOFFにさせる信号を発信させる処理として、例えば、加熱手段12Aに内蔵されている温度検出手段(温度検知センサ)で温度を検出し、その検出結果を制御手段14Aに伝達し、制御手段14Aにおいて、加熱手段12Aにおける温度が感温性粘着剤に粘着力を発生させるに十分な温度にまで上昇していた場合に、電源手段13Aに対して電源をOFFさせる信号を発生させる処理がある。
また、その他の処理として、所定の温度異常になると電源がOFFされるような電源回路を加熱手段12Aに備えても良いし、予め所定の温度に上昇するまでの所要時間の評価結果に基づき、電源ONから所定の時間が経過すると電源をOFFするような処理としても良い。
電源がOFFされた後、例えば加熱手段12Aの温度が低下して、粘着部における粘着力が消失する可能性が出た場合には、再び加熱手段12Aへの電源をONとすることにより、加熱手段12Aの温度が上昇し粘着力が維持される。粘着力消失の可能性の判断においても、温度検知センサを用いたり、加熱手段12Aの温度低下特性の事前評価結果に基づき、電源OFF後、所定の時間が経過した後、再度電源ONの必要がある場合には、加熱手段の電源をONする制御フローとしてもよい。
[放熱:粘着装置1Aを用いた場合、温度低下:粘着装置1Dを用いた場合]
粘着装置1Aにおいて粘着力を消失させる場合、制御手段14Aから電源手段13Aに対して電源をOFFにさせる信号を発信する。この信号により、加熱手段12Aへの電源がOFFにされると、加熱手段12Aの温度が低下する。
一方、粘着装置1Dにおいて粘着力を消失させる場合、加熱手段12Dの電源がONである場合は、制御手段14Dから電源手段13Dに対して電源をOFFにさせる信号を発信する。この信号により、加熱手段12Dへの電源をOFFにする。その後、制御手段14Dから電源手段13Dに対して温度降下手段19Dの電源をONにさせる信号を発信する。この信号により、温度降下手段19Dへの電源がONにされると、加熱手段12Aの温度が低下し、粘着部の温度を粘着剤のガラス転移温度(Tg)より低い温度となることにより、粘着部の粘着力が消失する。
(3)感温性粘着剤
次に、図1〜3に示した粘着装置1A〜1D、2A〜2D、3Aの粘着部11A〜11D、21A〜21D、31Aに塗布される感温性粘着剤について説明する。感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーを一成分として架橋した粘着剤であって、加熱手段12A〜12D、22A〜22D、32Dにより、粘着部11A〜11D、21A〜21D、31Aの温度を粘着発現温度(Tm)以上とすることで粘着力が発現し、また加熱を停止しての自然冷却、あるいは温度降下手段によって粘着部11A〜11D、21A〜21D、31Aの温度を粘着発現温度(Tm)未満かつガラス転移温度(Tg)未満の温度とすることで粘着部の粘着力を消失させる。
上述のような特性を有する感温性粘着剤を塗布した粘着装置とすることで、粘着力発生時に粘着部11A〜11D、21A〜21D、31Aに付着した塵埃などを、粘着力消失時に容易に除去することが可能となる。具体的には、粘着部11A〜11D、21A〜21D、31Aの温度を粘着発現温度(Tm)未満かつガラス転移温度(Tg)未満の温度とした後に、布やブラシなどで粘着部を拭き取るような簡単なクリーニング動作を行うことにより、粘着力発現時の粘着力が低下することを防ぎ、粘着部を交換することなく繰り返し粘着動作を行うことができる。この場合、加熱手段は、粘着部の温度を粘着剤の融点(Tm)より高くすることが可能であることが必須である。
より望ましいのは、融点(Tm)は粘着剤のガラス転移温度(Tg)より高く、かつ融点(Tm)と粘着剤のガラス転移温度(Tg)の差が小さいものであり、さらにはガラス転移温度(Tg)が室温(約15〜25度)程度の粘着剤である。このような特性を有することにより、粘着力発生時に粘着部1に付着した塵埃などの除去が容易となる他に、加熱に要する電力も少なく、さらには粘着力発現や粘着力消失を達成するまでの時間を短くすることを可能としている。
また、ガラス転移温度(Tg)が0℃未満の粘着剤であってもよい。この場合、粘着装置に温度降下手段を設け、当該温度降下手段は、粘着部の温度を粘着剤のガラス転移温度(Tg)より低くすることが可能であることが必須である。
上述のような特性を有する感温性粘着剤を塗布した粘着部と加熱手段、冷却手段を有することにより、粘着力発生時に粘着部に付着した塵埃などを容易に除去することが可能となり、所定の動作回数の後、粘着部の温度を粘着発現温度(Tm)未満かつガラス転移温度(Tg)未満の温度とすることで粘着部の粘着力を消失させ、例えば布やブラシで粘着部を拭き取るような簡単なクリーニングを行うことで粘着力発現時の粘着力が低下することを防ぎ、粘着部を交換することなく繰り返し粘着動作を行うことができる。またこの場合には感温性粘着剤のコストを抑制することも可能とすることができる。
以下、上述した粘着剤に用いる架橋性粘着材料(粘着剤のプレポリマー)の合成例、粘着剤の実施例、及び各実施例における粘着力の状態を示す。また、図5は、各実施例における粘着剤の特性を示した図である。
[合成例1]側鎖結晶性ポリマーのアクリル系共重合プレポリマーの合成例
オクタデシルアクリレート4.9g(アルドリッチ)、架橋部モノマーとしてヒドロキシルエチルアクリレート0.1g(関東化学)、および熱重合開始剤である2、2−アゾビスイソブチロニトリル0.02g(東京化成)を100ccのナス型フラスコに入れ、トルエンを10cc入れた。窒素雰囲気下でフラスコを60℃にして10時間撹拌した。室温に戻しメタノールで再沈殿させたのち、生成物を濾別した後、室温にて乾燥させた。GPCによる測定から、得られたアクリル系共重合プレポリマーの重量平均分子量230,000であった。TAインスツルメンツ社製Q200による熱分析およびニコン製偏光顕微鏡による観察から、このアクリル系共重合プレポリマー融点(Tm)は50℃である。
[合成例2]非結晶性ポリマーのアクリル系共重合プレポリマーの合成例
メチルアクリレートを2.5g(東京化成)、メチルメタクリレートを2.5g(東京化成)、架橋部モノマーとしてヒドロキシルエチルアクリレート0.1g(関東化学)、および熱光重合開始剤である2、2−アゾビスイソブチロニトリル0.05g(東京化成製)を100ccのナス型フラスコに入れ、トルエンを10cc入れた。窒素雰囲気下でフラスコを60℃にして10時間撹拌した。室温に戻しメタノールで再沈殿させたのち、生成物を濾別した後、室温にて乾燥させた。GPCによる測定から、得られたアクリル系共重合プレポリマーの重量平均分子量310,000であった。TAインスツルメンツ社製Q200による熱分析から、このアクリル系共重合プレポリマーのガラス転移温度(Tg)は45℃である。
[合成例3]非結晶性ポリマーのアクリル系共重合プレポリマーの合成例
メチルアクリレートを4.9g(東京化成)、メチルメタクリレートを0.1g(東京化成)、架橋部モノマーとしてヒドロキシルエチルアクリレート0.1g(関東化学)、および熱光重合開始剤である2、2−アゾビスイソブチロニトリル0.05g(東京化成製)を100ccのナス型フラスコに入れ、トルエンを10cc入れた。窒素雰囲気下でフラスコを60℃にして10時間撹拌した。室温に戻しメタノールで再沈殿させたのち、生成物を濾別した後、室温にて乾燥させた。GPCによる測定から、得られたアクリル系共重合プレポリマーの重量平均分子量310,000であった。TAインスツルメンツ社製Q200による熱分析から、このアクリル系共重合プレポリマーのガラス転移温度(Tg)は0℃である。
[合成例4]アクリル系共重合プレポリマーの合成例
オクタデシルアクリレート2,5g(アルドリッチ)、メチルアクリレートを2.5g(東京化成)、架橋部モノマーとしてヒドロキシルエチルアクリレート0.1g(関東化学)、および熱重合開始剤である2、2−アゾビスイソブチロニトリル0.02g(東京化成)を100ccのナス型フラスコに入れ、トルエンを10cc入れた。窒素雰囲気下でフラスコを60℃にして10時間撹拌した。室温に戻しメタノールで再沈殿させたのち、生成物を濾別した後、室温にて乾燥させた。GPCによる測定から、得られたアクリル系共重合プレポリマーの重量平均分子量490,000であった。熱分析および偏光顕微鏡観察から、このアクリル系共重合プレポリマーの融点(Tm)は50℃であり、ガラス転移温度(Tg)は10℃である。
[実施例1]
合成例1で得られた側鎖結晶性ポリマー4.0gと合成例2で得られた非結晶性ポリマー1.0g、これに架橋剤となるとジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート0.4g(東京化成)をテトラヒドロフラン(和光純薬)20ccに溶解させた。この溶液を厚さ50μm、大きさ10cm×10cmのポリイミドフィルム上に塗布し、120℃に加熱して粘着シートを得た。熱分析および偏光顕微鏡観察から、この粘着シートの融点(Tm)は50℃であり、ガラス転移温度(Tg)は45℃である。
また、この粘着シートから10mm幅の粘着シートを切り出し、粘着力評価を実施した。粘着力は日本計測のフォースゲージを用いて評価した。粘着シートのサンプルをホットプレート上に置き、フォースゲージ側には丸型の金属性のアタッチメントを取りつけ評価した。粘着シート作成時の20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび0.9N/25mmとなり、加熱処理により粘着力を制御できる粘着シートであることが確認できた。つぎに、この粘着シートにベビーパウダーを付着させ、粘着力を測定した。パウダー付着時の65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmであり、ベビーパウダーの付着により粘着力が阻害されている観測結果となった。このベビーパウダーの付着により粘着シートに対して、20℃においてナイロン製の布により粉末を除去した。このクリーニング操作により、付着したベビーパウダーが除去できることが分かった。このクリーニング後の粘着シートの20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび0.8N/25mmとなり、室温におけるクリーニング操作により粘着力を回復できる粘着シートであることが確認できた。
[実施例2]
合成例1で得られた側鎖結晶性ポリマー4.0gと合成例3で得られた非結晶性ポリマー1.0g、これに架橋剤となるとジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート0.4g(東京化成)をテトラヒドロフラン(和光純薬)20ccに溶解させた。この溶液を厚さ50μm、大きさ10cm×10cmのポリイミドフィルム上に塗布し、120℃に加熱して粘着シートを得た。熱分析および偏光顕微鏡観察から、この粘着シートの融点(Tm)は50℃であり、ガラス転移温度(Tg)は0℃である。
また、この粘着シートから10mm幅の粘着シートを切り出し、粘着力評価を実施した。粘着力は日本計測のフォースゲージを用いて評価した。粘着シートのサンプルをホットプレート上に置き、フォースゲージ側には丸型の金属性のアタッチメントを取りつけ評価した。粘着シート作成時の20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび1.2N/25mmとなり、加熱処理により粘着力を制御できる粘着シートであることが確認できた。つぎに、この粘着シートにベビーパウダーを付着させ、粘着力を測定した。パウダー付着時の65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmであり、ベビーパウダーの付着により粘着力が阻害されている観測結果となった。このベビーパウダーの付着により粘着シートに対して、−10℃においてナイロン製の布により粉末を除去した。このクリーニング操作により、付着したベビーパウダーが除去できることが分かった。このクリーニング後の粘着シートの20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび1.1N/25mmとなり、室温におけるクリーニング操作により粘着力を回復できる粘着シートであることが確認できた。
[実施例3]
合成例4で得られた側鎖結晶性ポリマー4.0gと架橋剤となるとジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート0.4g(東京化成)をテトラヒドロフラン(和光純薬)20ccに溶解させた。この溶液を厚さ50μm、大きさ10cm×10cmのポリイミドフィルム上に塗布し、120℃に加熱して粘着シートを得た。熱分析および偏光顕微鏡観察から、この粘着シートの融点(Tm)は50℃であり、ガラス転移温度(Tg)は10℃である。
また、この粘着シートから10mm幅の粘着シートを切り出し、粘着力評価を実施した。粘着力は日本計測のフォースゲージを用いて評価した。粘着シートのサンプルをホットプレート上に置き、フォースゲージ側には丸型の金属性のアタッチメントを取りつけ評価した。粘着シート作成時の20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび1.0N/25mmとなり、加熱処理により粘着力を制御できる粘着シートであることが確認できた。つぎに、この粘着シートにベビーパウダーを付着させ、粘着力を測定した。パウダー付着時の65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmであり、ベビーパウダーの付着により粘着力が阻害されている観測結果となった。このベビーパウダーの付着により粘着シートに対して、−10℃においてナイロン製の布により粉末を除去した。このクリーニング操作により、付着したベビーパウダーが除去できることが分かった。このクリーニング後の粘着シートの20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび0.9N/25mmとなり、室温におけるクリーニング操作により粘着力を回復できる粘着シートであることが確認できた。
[比較例1]
合成例1で得られた側鎖結晶性ポリマー4.0gと合成例3で得られた非結晶性ポリマー1.0g、これに架橋剤となるとジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート0.4g(東京化成)をテトラヒドロフラン(和光純薬)20ccに溶解させた。この溶液を厚さ50μm、大きさ10cm×10cmのポリイミドフィルム上に塗布し、120℃に加熱して粘着シートを得た。熱分析および偏光顕微鏡観察から、この粘着シートの融点(Tm)は50℃であり、ガラス転移温度(Tg)は0℃である。
また、この粘着シートから10mm幅の粘着シートを切り出し、粘着力評価を実施した。粘着力は日本計測のフォースゲージを用いて評価した。粘着シートのサンプルをホットプレート上に置き、フォースゲージ側には丸型の金属性のアタッチメントを取りつけ評価した。粘着シート作成時の20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび1.2N/25mmとなり、加熱処理により粘着力を制御できる粘着シートであることが確認できた。つぎに、この粘着シートにベビーパウダーを付着させ、粘着力を測定した。パウダー付着時の65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmであり、ベビーパウダーの付着により粘着力が阻害されている観測結果となった。このベビーパウダーの付着により粘着シートに対して、20℃においてナイロン製の布により粉末を除去した。このクリーニング操作を行っても付着したベビーパウダーが除去できない結果となった。このクリーニング後の粘着シートの20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび0.0N/25mmとなり、室温におけるクリーニング操作により粘着力を回復できない粘着シートであることが確認できた。
[比較例2]
合成例4で得られた側鎖結晶性ポリマー4.0gと架橋剤となるとジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート0.4g(東京化成)をテトラヒドロフラン(和光純薬)20ccに溶解させた。この溶液を厚さ50μm、大きさ10cm×10cmのポリイミドフィルム上に塗布し、120℃に加熱して粘着シートを得た。熱分析および偏光顕微鏡観察から、この粘着シートの融点(Tm)は50℃であり、ガラス転移温度(Tg)は10℃である。
また、この粘着シートから10mm幅の粘着シートを切り出し、粘着力評価を実施した。粘着力は日本計測のフォースゲージを用いて評価した。粘着シートのサンプルをホットプレート上に置き、フォースゲージ側には丸型の金属性のアタッチメントを取りつけ評価した。粘着シート作成時の20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび1.0N/25mmとなり、加熱処理により粘着力を制御できる粘着シートであることが確認できた。つぎに、この粘着シートにベビーパウダーを付着させ、粘着力を測定した。パウダー付着時の65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmであり、ベビーパウダーの付着により粘着力が阻害されている観測結果となった。このベビーパウダーの付着により粘着シートに対して、20℃においてナイロン製の布により粉末を除去した。このクリーニング操作を行っても付着したベビーパウダーが除去できない結果となった。このクリーニング後の粘着シートの20℃および65℃における粘着力は、それぞれ0.0N/25mmおよび0.0N/25mmとなり、室温におけるクリーニング操作により粘着力を回復できない粘着シートであることが確認できた。
以上の実施例、比較例において、付着物の例として、ベビーパウダーを用いて説明したが、他に、ベビーパウダー以外の粉塵物や、粘着シートに付着可能な大きさの異物であれば良い。
(4)クリーニング手段を備えた粘着装置
図6は、クリーニング手段を備えた粘着装置を示した図である。これらの粘着装置のうち、図6(a)、(b)、(c)は、それぞれ、クリーニング手段を備えたパッド式の粘着装置、クリーニング手段を備えたローラ式の粘着装置、クリーニング手段を備えたベルト式の粘着装置である。なお、図6(a)、(b)、(c)は、それぞれ、粘着装置1A、2A、3Aに、クリーニング手段を備えた例を図示しているが、その他の粘着装置にもクリーニング手段を設けても良い。
図6(a)は、クリーニング手段40Aを備えたパッド式の粘着装置1Aである。クリーニング手段40Aは、クリーニング部41Aと、クリーニング手段の駆動源42Aと、ボールネジ機構43Aと、駆動源と制御手段の間の通信手段44Aとを備えている。
ボールネジ機構43は駆動源42Aに連結され、ボールネジのネジ軸43A1が回転することにより、クリーニング部41Aが取り付けられたナット部43A2が移動し、図示されない圧力手段と図示されないガイド手段により、クリーニング部41Aは粘着部に所定の圧力で粘着部11A表面を接触して往復動作し、粘着部11Aに付着した塵埃などを除去する。
クリーニング部としては、例えば、ポリスチレンの布材質のものが用いられる。これにより、粘着部11Aに塗布された感温性粘着剤にダメージを与えるリスクを低下することが可能である。なお、クリーニング部は、布状の手段に限定されることはなく、ブラシ状の手段であってもよい。また、クリーニング手段は、クリーニング動作を行わないときには、粘着部11Aの非粘着部の位置や、あるいは粘着部11Aから完全に離れた位置に退避されるように制御される。
図6(b)、(c)は、クリーニング手段40Bを備えたローラ式の粘着装置2A、クリーニング手段40Bを備えたベルト式の粘着装置3Aである。クリーニング手段40Bは、ローラ表面やベルト表面の粘着部に接触するクリーニング部41Bと、クリーニング部41Bをローラ表面やベルト表面から退避させるための駆動源としてのソレノイド42Bと、リンク機構43Bとを備えている。クリーニング手段40Bでは、ソレノイド42Bによりリンク機構43Bを駆動させることにより、リンク機構43Bの末端に取り付けられたクリーニングパッド41Bが所定の圧力でローラ表面やベルト表面に接触し、非粘着状態のローラやベルトを駆動させることで粘着部に付着した塵埃などを除去する。
クリーニング部としては、例えば、スポンジ状態のものや布状態のものが用いられる。これにより、粘着部21Aに塗布された感温性粘着剤にダメージを与えるリスクを低下することが可能である。なお、クリーニング部にブラシ状の手段を用いても良い点(図7(a)の49A参照)や、クリーニング動作を行わない状態におけるクリーニング手段の制御に関しては、クリーニング手段40Aと同様である。
また、クリーニング手段40Bは、図7(b)に示すようなローラ式のクリーニング手段40Cとしても良い。クリーニング手段40Cは、粘着部に接触するクリーニングローラ41Cと、クリーニングローラ41Cを粘着部から退避させるための駆動源としてのソレノイド42Cと、リンク機構43Cと、クリーニングローラ41Cを駆動する駆動源としてのモータ45Cと、モータ45Cの駆動力をクリーニングローラ41Cに伝達するモータ軸に取り付けられたタイミングギヤ46と、タイミングベルト47Cと、クリーニングローラ軸に取り付けられたタイミングギヤ48とを備えている。
クリーニング手段40Cでは、ソレノイド42Cによりリンク機構43Cを駆動させることでリンク機構43Cの末端に取り付けられたクリーニングローラ41Cが所定の圧力でローラ表面やベルト表面に接触し、非粘着状態のローラやベルトを駆動させることで粘着部に付着した塵埃などを除去する。
なお、クリーニング手段40Cを用いて塵埃除去動作を行う場合は、モータ45Cを駆動することにより、クリーニングローラ41Bを回転させる。また、粘着部を有するローラやベルトの速度よりクリーニングローラの速度を低くすることで相対的な速度差を設けて塵埃を除去する。ローラ式のクリーニング手段はパッド式のクリーニング手段に比べ粘着部との接触部分が分散されるためクリーニング手段を長寿命化することが可能となる。
(5)簡略化されたクリーニング手段を備えた粘着装置
上述したクリーニング手段は、構造を簡略化することも可能である。図8は、簡略化されたクリーニング手段を備えた粘着装置を示した図である。なお、図8は、粘着装置2Aに簡略化されたクリーニング手段を備えた例を図示しているが、その他のローラ式の粘着装置や、ベルト式の粘着装置にも簡略化されたクリーニング手段を設けても良い。
簡略化されたクリーニング手段は、表面がクリーニングを行うためのスポンジや布材質で構成されたクリーニング部(以下、クリーニングローラ50)と、クリーニングローラ50を回転自在に保持するローラ軸52とを有し、クリーニングローラ50はローラ軸52にトルクリミッタ51を介して取付けられている。
トルクリミッタ51の設定トルクは、クリーニングする粘着面において粘着力が発現した場合にクリーニングローラ50に作用するトルクの値より小さく、かつクリーニングする粘着面において粘着力が消失した場合にクリーニングローラ50に作用するトルクの値より大きな値に設定されている。
ローラ部21Aの表面に粘着力が発現している場合、クリーニングローラ50Aは、ローラ部21Aからの粘着力による回転トルクにより回転する。一方、粘着力が消失した状態では、トルクリミッタ51の負荷トルクが、ローラ部21Aの表面とクリーニングローラ50との間の摩擦によるトルクに比べて大きくなるため、クリーニングローラ50は回転せずに、ローラ部21Aとの間では滑った状態となる。
このように、クリーニングローラ50とローラ部21との間で滑りを生じさせることにより、ローラ部の表面に付着した埃をクリーニングすることができる。これにより、簡素で低コスト化を実現したクリーニング手段を提供することが可能であると共に、粘着状態ではクリーニングローラと粘着ローラとの間では滑りが生じないため、長寿命化も可能である。
(6)変形例1
クリーニング部で用いられるパッド、ブラシ、ローラの材質は、上述のようにクリーニング動作以外の場合にはクリーニング手段が退避して粘着部に接触しないようなものであれば良いが、退避機構を設けると、コストもかかり機構も複雑化する。したがって、クリーニング手段を低コスト化または簡素化するためには、粘着時にも粘着部に接触したクリーニング手段が必要になる。この場合は、クリーニング部の材質に、表面エネルギーの小さな材質(テフロン(登録商標)、シリコン、ポリエチレン、ポリプロピレンなど粘着状態においても粘着部と粘着しにくい材質)を用いることが望ましい。これにより、粘着時であっても粘着部とクリーニング部とは粘着しにくいため、駆動負荷の増加、粘着ベルトの変形、クリーニング手段等の部材の破損を少なくすることができ、低コストで簡素なクリーニング手段を実現することが可能となる。
(7)変形例2
粘着部、加熱手段、粘着部と加熱手段との間に設けられた熱伝導手段、粘着部を保持する保持手段に用いられる材料は、粘着部1に塗布された感温性粘着剤に粘着力を発現させるために充分な熱伝導が実現できるものであればよい。また、当該材料の剛性は、粘着部に粘着させる物品に応じて材料を変形可能な程度とする。例えば、粘着させる物品が凹凸形状であったり、表面の粗い物品である場合、当該材料に、物品の形状に対応して変形可能な部材(シリコンゴムなど)を用いることが可能である。さらに、例えば図9に示すように、感温性粘着剤が塗布される粘着部11Bの一部に空間Hを設けた中空構造として、粘着部の表面形状が粘着させる物品の形状に対応して変形する構造となっていてもよい。なお、空間Hを設ける箇所は粘着部に限らず、粘着部の保持部であっても良い。
(8)変形例3
上述した粘着装置では、感温性粘着剤に粘着力を発現させるための加熱手段として、ヒータや光源等の電気的手段を用いた例を示したが、他の手段でも良い。
図10は、変形例における加熱手段を示した図である。図10(a)は、加熱手段を構成する円柱状の容器を示したものである。円柱状の容器400は、その表面の一部、あるいは全面に、側鎖結晶性ポリマーを一成分として架橋した粘着剤であって、融点(Tm)は粘着剤のガラス転移温度Tgより高く、かつ融点(Tm)と粘着剤のガラス転移温度(Tg)の差が小さいものであり、さらにはガラス転移温度Tgが室温程度(約摂氏15〜25度)の粘着剤が塗布されている層401を有する。
円柱状容器400には、図10(b)に示すように、液体を貯蔵する内部空間402と、液体を円柱状容器400の内部に注入するための注入口403が設けられており、一旦注入された液体が外部に漏れることを防ぐために注入口はねじとなっており、ねじを有する蓋404を締めることで液体は封入される。
円柱状容器400に貯蔵する液体の熱は、円柱状容器を伝わって容器外面に伝導する。そして容器外面の温度が粘着部における感温性粘着剤に粘着力を発生させるに十分な温度にまで上昇すると容器外面に粘着力が発生する。一方、液体の温度が融点(Tm)より下がると容器の粘着力が消失する。
なお、容器は円柱状の容器に種類は限定されるものではなく、その内部に液体の貯蔵部を有するものであればどのような形状の容器であってもよく、また容器の材質も、容器全体が熱伝導性に優れる材質であってもよいし、あるいは容器の材質がセラミックのように熱伝導性に乏しいものであっても、容器に内蔵される液体貯蔵部に露出し液体の熱を感温性粘着剤が塗布された表面へ伝導可能な材質の手段404が図10(c)に示すように容器内部にあればよく、容器の形状や材質、あるいは熱伝導の構造などは本粘着装置が用いられる用途によって選択される。
さらに、加熱手段は液体に限られるものではなく、図10(d)に示すように容器の内部に蓄熱体405を内蔵するものであったり、図10(e)に示すように空気に触れることで発熱するようの粉体406を内蔵するものであったり、図10(f)に示すように、容器の内部にヒータのような発熱体407と、発熱を生じさせるために必要な電池(電源部)408、発熱体407と電池408の間の回路409と、スイッチ410と、電池408を内蔵する空間411とを備えたものであっても良い。
また、上述のように、加熱手段が所定の温度異常になると電源がOFFされるような電源回路が構成されていても良いし、あらかじめ所定の温度に上昇するまでの所要時間の評価結果に基づき、電源ONから所定の時間が経過すると電源をOFFするような判断手段が搭載されていても良い。
さらに、容器表面に感温性粘着剤が塗布される例を示したが、これが熱源を内蔵する容器の表面に感温性粘着剤が塗布されたシートが貼り付けられたものであっても良い。
さらに、図10に示したような、その表面に感温性粘着剤が存在する容器では、内蔵する液体、固体、粉体、あるいはヒータからの発熱によって粘着力が発現するが、発熱がない状態で粘着力が消失するとその表面に付着した塵埃は、例えば布やブラシなどによって容易にクリーニングすることができるので、例えば、発熱状態にある円柱状の容器を回転させてある表面に付着した塵埃を容器表面に付着させて除去し、その後クリーニングを行うことで塵埃を除去することができるような清掃手段として利用することが可能である。
以上、本発明によれば、粘着部にゴミや塵埃が付着した後のクリーニングが簡単に行え、かつクリーニング後の粘着部の粘着力も初期レベルの粘着力を復元することができ、繰り返し粘着動作を行うことが可能な粘着装置とクリーニング方法を提供することができる。また、上述の粘着装置を用いることで多用な物品を取り扱うことができ、かつ簡素で小型化が可能な物品の取扱機構を実現することができる。
1A〜1D、2A〜2D、3A:粘着装置、20A〜20D:ローラ部、30A〜30D:ベルト、11A〜11D、21A〜21D、31A:粘着部、12A〜12D、22A〜22D、32A:ヒータ、13A〜13D、23A〜23D、33A:電源手段、14A〜14D、24A〜24D、34A:制御手段、15A〜15D、25A〜25D、35A:電力供給手段、17A〜17D、27A〜27D、37A:駆動源、19D、29D:温度降下手段、40:クリーニング手段、41:クリーニングパッド、42:クリーニング手段駆動源、50:クリーニングローラ、51:トルクリミッタ

Claims (10)

  1. 感温性粘着剤が塗布された粘着部と、前記感温性粘着剤を、該感温性粘着剤の融点以上の温度に加熱する加熱手段と、前記融点未満かつ前記感温性粘着剤のガラス転移温度未満の温度において、前記粘着部に接触し、該粘着部に付着した付着物を除去するクリーニング手段を備えたことを特徴とする粘着装置。
  2. 請求項1記載の粘着装置であって、
    前記粘着装置は、前記感温性粘着剤の温度を降下させる温度降下手段を備えることを特徴とする粘着装置。
  3. 請求項1記載の粘着装置であって、
    前記融点と前記ガラス転移温度の差は、約5ケルビンであることを特徴とする粘着装置。
  4. 請求項1記載の粘着装置であって、
    前記感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーを一成分とした架橋構造を備えることを特徴とする粘着装置。
  5. 請求項4記載の粘着装置であって、
    前記感温性粘着剤は、さらに非結晶性ポリマーを一成分とした架橋構造を備えることを特徴とする粘着装置。
  6. 請求項1記載の粘着装置であって、
    前記粘着部または前記加熱手段に用いられる材料は、前記感温性粘着剤に粘着力を発現させるための熱伝導が可能であることを特徴とする粘着装置。
  7. 請求項1記載の粘着装置であって、
    前記粘着部と前記加熱手段との間に設けられる熱伝導手段を備え、
    前記熱伝導手段に用いられる材料は、前記感温性粘着剤に粘着力を発現させるための熱伝導が可能であることを特徴とする粘着装置。
  8. 請求項1記載の粘着装置であって、
    前記粘着部を保持する保持手段を備え、
    前記保持手段に用いられる材料は、前記感温性粘着剤に粘着力を発現させるための熱伝導が可能であることを特徴とする粘着装置。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の粘着装置であって、
    前記材料は、前記粘着部に粘着させる物品によって変形可能であることを特徴とする粘着装置。
  10. 請求項6〜8のいずれかに記載の粘着装置であって、
    前記材料は、中空構造であることを特徴とする粘着装置。
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