JP2015097485A - 人工土壌培地 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物の根が成長するための空間を維持しながら、樹高又は草丈の高い植物や植物の成長体を確実に支持するとともに、人工土壌粒子の飛散や流出を防止でき、さらには使用場所に限定されない人工土壌培地を提供する。【解決手段】人工土壌粒子50を塊状化してなる人工土壌培地100であって、表面に突起を有する粒状体11と、突起10のサイズと同じ又は突起10のサイズより大きい繊維長を有する繊維体1と、を含み、粒状体11は、繊維体1の繊維長と同じ又は繊維体1の繊維長より小さい繊維長を有する短繊維2aを造粒して構成され、短繊維2aの一部を突起として粒状体11の表面に露出させてある。【選択図】図1

Description

本発明は、人工土壌粒子を塊状化してなる人工土壌培地に関する。
近年、居住空間を緑化する屋内緑化や、野菜等の植物を屋内で栽培する植物工場が増加している。このような屋内緑化や植物工場等において、天然土壌に代えて高度な機能を付加した人工土壌を用いる動きがある。しかし、人工土壌は、天然土壌と比較して粒子が大きく、比重が軽いものが多い。このため、人工土壌を用いて樹高又は草丈の高い植物を栽培すると、植物が傾いたり、倒壊したりすることがある。また、屋内は、比較的乾燥状態にあるため、人工土壌の表層が乾燥し易く、乾燥した人工土壌が飛散するという問題もある。
上記問題点を解消するため、特許文献1に記載の人工土壌では、チップフォームの周囲に繊維及び吸水性ポリマーを絡みつかせ、バインダーにて一体化している。このため、特許文献1の人工土壌は一定の保水性を備えながら、風や雨水等による人工土壌の飛散や流出を防止できるとされている。
特開2013−42711号公報
しかしながら、特許文献1の人工土壌は、樹高又は草丈の高い植物を栽培する場合、繊維と吸水性ポリマーとを結合するバインダーによって植物の根が成長するための空間が制限され、植物の成長に悪影響を及ぼす虞がある。また、バインダーで一体化していることにより、人工土壌培地としての形状がシート状等の一定の形状に限定され、使用できる場所が限られることにもなる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、植物の根が成長するための空間を維持しながら、樹高又は草丈の高い植物や植物の成長体を確実に支持するとともに、人工土壌粒子の飛散や流出を防止でき、さらには使用場所に限定されない人工土壌培地を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る人工土壌培地の特徴構成は、
人工土壌粒子を塊状化してなる人工土壌培地であって、
表面に突起を有する粒状体と、
前記突起のサイズと同じ又は前記突起のサイズより大きい繊維長を有する繊維体と、
を含むことにある。
本構成の人工土壌培地によれば、粒状体の表面の突起に繊維体が絡み合い、人工土壌培地内で粒状体が塊状化して団粒構造を形成することができる。これにより、粒状体どうしをバインダー等で固定することなく、人工土壌培地としての強度を一定以上に維持することができる。その結果、人工土壌培地に樹高又は草丈の高い植物や植物の成長体を植栽しても、それらが傾いたり倒れたりすることはなく、植物を確実に支持することができる。また、粒状体が一体化しているため、人工土壌培地を構成する人工土壌粒子の飛散や流出も防止することができる。
また、本構成の人工土壌培地は、粒状体どうしをバインダー等で固定する必要がないため、形状を自在に変化させることができる。その結果、使用場所が限定されず自由度が大きい人工土壌培地とすることができる。
さらに、本構成の人工土壌培地は、粒状体の表面の突起と繊維体とを絡み合わせて塊状化しているため、植物の根の成長に伴って人工土壌粒子間の隙間が押し広げられる。その結果、植物の根が成長するための空間を確保することができ、植物を十分に成長させることができる。
本発明に係る人工土壌培地において、
前記粒状体は、前記繊維体の繊維長と同じ又は前記繊維体の繊維長より小さい繊維長を有する短繊維を造粒して構成され、前記短繊維の一部を前記突起として前記粒状体の表面に露出させてあることが好ましい。
本構成の人工土壌培地によれば、粒状体の表面に露出する短繊維と繊維体とが容易に絡み合い、より強固な団粒構造を形成することができる。その結果、安定した人工土壌培地を実現することができる。また、短繊維と繊維体とによる繊維どうしの絡み合い構造が形成されるため、植物の根が成長するための空間が十分に確保されるとともに、保水性も高めることができる。
本発明に係る人工土壌培地において、
前記短繊維の繊維長は、0.01〜1mmであることが好ましい。
本構成の人工土壌培地によれば、粒状体の表面に短繊維を露出させて適度な長さの突起を形成することができるため、短繊維と繊維体とが絡まり易く、人工土壌培地の高い安定性及び保水性を実現することができる。
前記短繊維は、ビニロン、セルロース、ポリエステル、ナイロン、アクリル、アセテート、ウレタン、レーヨン、炭素、羊毛、綿、ガラス、ロックウール、及びセラミックからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本構成の人工土壌培地によれば、短繊維として適切な素材を選択することにより、粒状体の表面の短繊維が一定の剛性を備えるため、短繊維と繊維体とが絡まり易く、人工土壌培地の高い安定性及び保水性を実現することができる。
本発明に係る人工土壌培地において、
前記粒状体の粒径は、0.1〜10mmであることが好ましい。
本構成の人工土壌培地によれば、粒状体の粒径を適切な範囲に調整しているため、粒状体の突起に繊維体が満遍なく絡みつくことができる。その結果、人工土壌培地内で粒状体どうしが塊状化して偏りのない団粒構造を形成することができる。また、粒状体の粒径が0.1〜10mmであれば、特に根菜類の栽培に適した取り扱いの容易な人工土壌培地を提供することができる。
本発明に係る人工土壌培地において、
前記繊維体は、不織布用の繊維であることが好ましい。
本構成の人工土壌培地によれば、繊維体として使用する不織布用の繊維は特定の方向に配向しない等方性を有しているため、不織布用の繊維を粒状体の突起に絡めると、偏りのない均等な団粒構造が得られる。また、連続的に繋がった人工土壌培地にすることができるため、人工土壌粒子の飛散や流出を抑制することができる。
本発明に係る人工土壌培地において、
前記繊維体の繊維長は、0.5〜100mmであることが好ましい。
本構成の人工土壌培地によれば、繊維体が適度な長さに調整されているため、粒状体と繊維体とを効率よく絡みつかせることができる。その結果、植物の根が成長するための空間を確保しながら、人工土壌培地の高い安定性及び保水性を実現することができる。
本発明に係る人工土壌培地において、
前記粒状体(a)と前記繊維体(b)との含有比率(a/b)が、90/10〜60/40(体積比)に調整されていることが好ましい。
本構成の人工土壌培地によれば、粒状体と繊維体とを絡み合わせるのに適した含有比率に調整されているため、安定した団粒構造を形成することができる。その結果、植物の根が成長するための空間を確保しながら、人工土壌培地の高い安定性及び保水性を実現することができる。
本発明に係る人工土壌培地において、
前記短繊維及び前記繊維体は、同種の材料で構成されていることが好ましい。
本構成の人工土壌培地によれば、短繊維及び繊維体は、同種の材料で構成されていることから、粒状体の表面の短繊維に繊維体が絡み易く、人工土壌培地の高い安定性を実現することができる。
本発明に係る人工土壌培地において、
前記短繊維は、前記繊維体より剛性率が大きい材料で構成されていることが好ましい。
本構成の人工土壌培地によれば、粒状体の表面に露出している短繊維が一定以上の剛性を備えるため、粒状体に繊維体が一旦絡むと、繊維体が解れにくく、人工土壌培地の高い安定性及び保水性を実現することができる。
本発明に係る人工土壌培地において、
前記短繊維及び前記繊維体は、親水性材料で構成されていることが好ましい。
本構成の人工土壌培地によれば、粒状体内及び粒状体間において保水性がさらに高まる。そして、このような人工土壌培地を使用すれば、栽培植物への水遣りの回数を減らすことができるため、作業者の労力を低減するとともに、効率的な植物栽培が可能となる。
図1は、本発明の人工土壌培地を概念的に示した説明図である。 図2は、本発明の人工土壌培地に使用する人工土壌粒子を概念的に示した説明図である。 図3は、本発明の人工土壌培地に使用する人工土壌粒子の拡大写真である。 図4は、繊維体を含む人工土壌培地の団粒構造の強度評価試験の写真である。 図5は、不織布用の繊維を含む人工土壌培地の団粒構造の強度評価試験の写真である。
以下、本発明に係る人工土壌培地に関する実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
<人工土壌培地>
図1は、本発明の人工土壌培地100を概念的に示した説明図である。本発明の人工土壌培地100は、表面に突起10を有する粒状体11と、繊維体1とを含む。粒状体11は、表面が繊維2で覆われた人工土壌粒子50である。人工土壌粒子50は、例えば、繊維2を集合して粒状化したものでもよいし、フィラーを粒状化してなる粒状物を繊維2で被覆したものでもよい。人工土壌粒子50の表面には、繊維2の一部が突出して突起10が形成されている。このため、人工土壌粒子50に繊維体1を混合すると、人工土壌粒子50の突起10に繊維体1が絡み合い、図1に示すように、人工土壌粒子50どうしが塊状化して団粒構造を形成し、これが人工土壌培地100となる。繊維体1は、人工土壌培地50の突起10のサイズ(粒状体11の表面からの突起10の平均突出長)と同じか、あるいは人工土壌培地50の突起10のサイズより大きい繊維長を有するものが使用される。これにより、人工土壌粒子50の表面の突起10と繊維体1とを効率よく絡みつかせることができる。人工土壌培地100は、人工土壌粒子50どうしをバインダー等で固着させる必要がないため、植物を植栽した場合、当該植物の根の成長に伴って、塊状化した人工土壌粒子50の間に形成される隙間3が押し広げられる。これにより、植物の根が成長するための空間としての隙間3が人工土壌培地100内に確保される。また、人工土壌培地100を構成する人工土壌粒子50どうしが塊状化されているため、人工土壌粒子50が風や雨水等によって飛散したり、流出する虞も少ないものとなる。人工土壌培地100は、軽量な人工土壌粒子50及び繊維体1から構成されるものであるが、人工土壌培地100としての強度を一定以上に維持しながら、その形状を自在に変化させることができる。従って、人工土壌培地100は、使用場所が限定されず、自由度が大きいものとなり、屋外、屋内、壁面等の様々な場所の緑化に好適に利用することができる。
繊維体1としては、人工土壌粒子50の突起10に絡みつくことができる形態であれば特に材質は限定されず、例えば、ガラス繊維、ロックウール、セラミック繊維等の無機繊維;天然繊維、合成繊維、炭素繊維等の有機繊維;スチール繊維、ステンレス繊維等の金属繊維等が挙げられる。繊維体1として好ましいものは、人工土壌粒子50の間に水を保持することができる親水性又は保水性を有する有機繊維である。そのような有機繊維として、天然繊維では、例えば、セルロース、綿、羊毛、レーヨンが挙げられ、合成繊維では、例えば、ビニロン、ウレタン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、アセテートが挙げられる。これらのうち、ビニロン、セルロース、綿、ガラス繊維、セラミック繊維は、水分の浸透性及び保水性を向上させる効果が大きいため、特に好適な繊維である。繊維体1は、上記の各繊維を混繊したものでも構わない。また、繊維体1として、不織布用の繊維を使用することも有効である。不織布用の繊維は、特定の方向に配向しない等方性を有しているため、不織布用の繊維を粒状体11の突起10に絡めると、偏りのない均等な団粒構造が得られる。また、連続的に繋がった人工土壌培地にすることができるため、人工土壌粒子50の飛散や流出を抑制することができる。
人工土壌粒子50からなる団粒構造(人工土壌培地100)の強度は、繊維体1の繊維長や形態等を変更することにより調整可能である。繊維体1の繊維長は、上述のとおり、人工土壌粒子50の突起10のサイズ以上の大きさであればよいが、好ましくは0.5〜100mmであり、より好ましくは0.5〜20mmであり、さらに好ましくは0.5〜5mmである。繊維体1の繊維長が、0.5mmより短いと、人工土壌粒子50どうしを十分に絡ませることができなくなる虞がある。一方、繊維体1の繊維長が100mmより長いと、人工土壌粒子50間に形成される隙間3のサイズが大きくなって、人工土壌粒子50の間の隙間3に水分が保持され難くなり、人工土壌培地100としての保水性が低下する虞がある。繊維体1の形態については、種々のものを使用できるが、例えば、ウェーブがかかった繊維を使用すると、人工土壌粒子50の突起10に繊維体1が絡まり易くなり、団粒構造の強度を向上させることができる。
人工土壌培地100中の人工土壌粒子50(粒状体11)と繊維体1との含有比率は、人工土壌粒子50の見かけ容積をa、繊維体1の見かけ容積をbとした場合、a/bは90/10〜60/40(体積比)に調整されることが好ましい。人工土壌粒子50と繊維体1との含有比率(a/b)が90/10より高いと、繊維体1の量が人工土壌粒子50に比べて少ないため人工土壌粒子50が十分塊状化せず、良好な団粒構造を形成できない虞がある。一方、人工土壌粒子50と繊維体1との含有比率が60/40より低いと、人工土壌培地100としての機能が低下し、植物を十分に生育させることができない虞がある。
人工土壌粒子50の粒径は、0.1〜10mmが好ましい。人工土壌粒子50の粒径を、上記範囲に設定することにより、人工土壌粒子50の突起10に繊維体1が満遍なく絡みつき、人工土壌粒子50どうしが塊状化して偏りのない団粒構造を形成することができる。その結果、樹高又は草丈の高い植物や植物の成長体でも確実に支持することができる。また、人工土壌粒子50の粒径は、人工土壌粒子50の間に形成される隙間3の大きさに関与している。そして、隙間3には水分が保持されるため、隙間3のサイズは人工土壌培地100の保水性に関係する。人工土壌粒子50間の隙間3の大きさは、0.01〜1mmが好ましい。隙間3の大きさが1mmより大きくなると、隙間3に水分を保持する力が弱まり、人工土壌培地100の保水性が低下する。一方、隙間3の大きさが0.01mmより小さくなると、水分を隙間3に保持する力が過剰となり、人工土壌培地100の通気性が低下する。人工土壌粒子50の粒径、及び人工土壌粒子50の間の隙間3を上記範囲に調整することにより、適度な保水性及び通気性が得られ、その結果、特に根菜類の栽培に適した人工土壌培地100を構成することができる。
<人工土壌粒子の構造>
図2は、本発明の人工土壌培地100に使用する人工土壌粒子50を概念的に示した説明図である。図2(a)は、繊維2を集合させて構成した人工土壌粒子50aを例示したものである。図2(b)は、繊維2として短繊維2aを集合させて構成した人工土壌粒子50bを例示したものである。図2(c)は、フィラー4を集合させて粒状体11を構成し、当該粒状体11の外表面を短繊維2aで被覆した人工土壌粒子50cを例示したものである。図3は、本発明の人工土壌培地100に使用する人工土壌粒子50の拡大写真である。
人工土壌粒子50aは、図2(a)に示すように、繊維2を集合させた粒状体11aとして構成される。この場合、繊維2の一部が人工土壌粒子50aの表面に露出して突起10を形成する。人工土壌粒子50aを構成する繊維2の間には、空隙5が形成される。空隙5には水分を保持することができる。従って、空隙5の状態は、人工土壌粒子50aの保水性に関係する。空隙5は、人工土壌粒子50aを形成する際の繊維の使用量(密度)、繊維の種類、太さ、長さ等を変更することにより調整可能である。繊維2のサイズは、太さが1〜100μmのものが好ましく、繊維長が0.5〜10mmのものが好ましい。
人工土壌粒子50bは、図2(b)に示すように、繊維2として短繊維2aを集合させた粒状体11bとして構成される。この場合、短繊維2aが人工土壌粒子50bの表面に露出して突起10を形成し、図3の拡大写真に示すように、人工土壌粒子50bの表面が突起10により毛羽立った状態となる。これにより、人工土壌粒子50bは、繊維体1と絡み易くなり、容易に塊状化して強固な団粒構造を形成することができる。短繊維2aの繊維長は、0.01〜1mmが好ましい。この場合、人工土壌粒子50bの表面に短繊維2aを露出させて適度な長さの突起10を形成することができるため、短繊維2aと繊維体1とが絡まり易く、人工土壌培地100の高い安定性及び保水性を実現することができる。
人工土壌粒子50cは、図2(c)に示すように、フィラー4を集合させて粒状物12を構成し、当該粒状物12の外表面を短繊維2aで被覆した粒状体11cとして構成される。人工土壌粒子50cは、粒状物12の外表面を短繊維2aで被覆しているため、短繊維2aが人工土壌粒子50cの表面に露出して突起10を形成し、図示しないが図3と同様に、人工土壌粒子50cの表面が突起10により毛羽立った状態となる。これにより、人工土壌粒子50cは、繊維体1と絡み易くなり、容易に塊状化して強固な団粒構造を形成することができる。
人工土壌粒子50の形成に用いる繊維2は、人工土壌粒子50の表面の突起10と繊維体1とが絡み易くなるように、一定以上の剛性を備えていることが好ましい。また、人工土壌粒子50により多くの水分を保持するため、繊維2として親水性の繊維を使用することが好ましい。繊維2は、天然繊維又は合成繊維の何れでもよく、人工土壌粒子50の種類に応じて適宜選択される。一定の剛性と親水性とを備える好ましい繊維としては、例えば、天然繊維として綿、羊毛、セルロース、レーヨンが挙げられ、合成繊維として、例えば、ビニロン、ウレタン、ナイロン、アセテートが挙げられ、これらのうち、ビニロン、セルロース、綿がより好ましい。繊維2は、天然繊維と合成繊維とを混繊したものでも構わない。
繊維2は、繊維体1と同種の材料で構成されることが好ましい。この場合、人工土壌粒子50の表面の突起10に繊維体1が絡み易くなり、人工土壌粒子50が容易に塊状化して、安定した団粒構造を形成することができる。また、繊維2及び繊維体1に同種の材料を用いると、人工土壌培地100の土壌としての機能を高めることも可能となる。例えば、繊維2及び繊維体1の材料として、親水性の繊維であるセルロースを使用すると、人工土壌粒子50内の空隙5及び人工土壌粒子50の間の隙間3により多くの水分を保持することができるため、保水性に優れた人工土壌培地100を構成することができる。
繊維2は、繊維体1より剛性率が大きい材料で構成されることが好ましい。これにより、人工土壌粒子50の突起10に繊維体1が一旦絡むと、繊維体1が解れにくく、人工土壌培地100の高い安定性及び保水性を実現することができる。この場合、繊維体1及び繊維2の材料として、異種の材料を選択してもよいが、同種の材料を選択し、例えば、繊維の太さを変更して、繊維体1及び繊維2の剛性率を変更することもできる。これにより、同種の材料を用いて人工土壌培地100の土壌としての機能(例えば、保水性等)を高めながら、安定した団粒構造を形成することができる。
<粒状体の構造及び形成方法>
図2(a)の人工土壌粒子50aの形成にあたっては、種々の方法を採用することができる。例えば、繊維2をカーディング装置等で引揃え、3〜10mm程度の長さに切断する。次いで、切断した繊維2を転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒、圧縮造粒、押出造粒等の方法で造粒して、人工土壌粒子50aを得ることができる。造粒の際、繊維2に樹脂や糊等のバインダーを混合して造粒を行ってもよいが、繊維2は互いに絡まり合って固着化し易いため、バインダーを使用しなくても繊維2を塊状に加工することが可能である。
バインダーは、有機バインダー又は無機バインダーの何れも使用可能である。有機バインダーは、例えば、ポリオレフィン系バインダー、ポリビニルアルコール系バインダー、ポリウレタン系バインダー、ポリ酢酸ビニル系バインダー等の合成樹脂系バインダー、デンプン、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、アルギン酸などの多糖類、膠などの動物性たんぱく質等の天然物系バインダーが挙げられる。無機バインダーは、例えば、水ガラス等のケイ酸系バインダー、リン酸アルミニウム等のリン酸塩系バインダー、ホウ酸アルミニウム等のホウ酸塩系バインダー、セメント等の水硬性バインダーが挙げられる。有機バインダー及び無機バインダーは、二種以上を組み合わせて使用することも可能である。
図2(b)の人工土壌粒子50bは、繊維2として短繊維2aを使用したものである。例えば、短繊維2aを撹拌混合造粒装置で撹拌しながらポリエチレンエマルジョンを少量ずつ投入して造粒する。次いで、100℃でポリエチレンを溶融させ、人工土壌粒子50bの内部の短繊維2aどうしの接触箇所でポリエチレンを融着させる。これにより、人工土壌粒子50bを構成する短繊維2aどうしが一部で固結され、図2(b)に示すような、強固な人工土壌粒子50bを形成することができる。なお、短繊維2aに先に水を加えて造粒し、その後、ポリエチレンエマルジョンを添加して人工土壌粒子50bを仕上げることも可能である。このように人工土壌粒子50bを作製すると、100℃でポリエチレンを溶融させる際に、粒状体11bの内部に存在する水分が蒸発することから、短繊維2aどうしの間に形成される空隙5を十分確保することができる。これにより、人工土壌粒子50bの保水性を高めることができる。
図2(c)の人工土壌粒子50cは、粒状物12の表面を短繊維2aで被覆して構成される。例えば、粒状物12に短繊維2aとバインダーとを添加して混合し、粒状物12の外表面に短繊維2aを付着させる。このとき、水不溶性のバインダーを用いることが好ましい。これにより、灌水等によって人工土壌粒子50cの構造が崩壊することを防止することができる。水不溶性のバインダーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン等のスチロール系樹脂、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル等の酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン、ビニルウレタン等のウレタン系樹脂等を主成分とするバインダーが挙げられる。これらのうち、ポリエチレンを主成分とする水不溶性バインダーが好ましい。また、バインダーの代替として、アクリルアミド等の高分子ゲル化剤、アルギン酸塩やカラギーナン等の天然多糖類系ゲル化剤、天然ゴムやシリコーンゴム等のゴム系コーティング剤等を使用することも可能である。さらに、樹脂架橋剤を使用することもできる。樹脂架橋剤としては、例えば、イソシアネート、ビニルスルホン化合物、アジリジン、ジヒドラジド、メチル化アミン、ジグリシジルエーテル、カルボジイミド、ホルムアルデヒド、チタンカップリング剤、シランカップリング剤等が挙げられる。バインダーの濃度(添加する短繊維2aの重量に対するバインダーの重量)は、10〜50重量%とすることが好ましい。バインダーの濃度が10重量%より低いと、短繊維2aが粒状体11cの表面に十分に付着しない虞がある。一方、バインダーの濃度が50重量%を超えると、短繊維2aどうしの間に形成される隙間が小さくなり、人工土壌粒子50cの通水性及び通気性が悪化する虞がある。
粒状物12中の複数のフィラー4は、それらが互いに接触していることは必須ではなく、一粒子内でバインダー等を介して一定範囲内の相対的な位置関係を維持していれば、複数のフィラー4が集合して粒状に構成したものと考えることができる。粒状物12を構成するフィラー4は、表面から内部にかけて多数の細孔6を有する。細孔6は、種々の形態を含み、例えば、フィラー4が、図2(c)に示すゼオライトの場合、当該ゼオライトの結晶構造中に存在する空隙が細孔6である。粒状物12は、複数のフィラー4の間には水分を保持可能な連通孔7が形成されている。連通孔7の周囲には細孔6が分散配置されている。連通孔7には主に水分が保持されるため、人工土壌粒子50cに一定の保水性を持たせることができる。
粒状物12を構成するフィラー4としては、例えば、パーライト、タルク、珪藻土、カオリン、ロックウール、イオン交換性鉱物等の無機鉱物、ピートモス、ウレタンフォーム、ヤシ殻、クリプトモス(登録商標)、セルロース等の有機素材等が挙げられる。この中でもイオン交換性鉱物は、人工土壌粒子50に十分な保肥性を与えるため好適に用いられる。イオン交換性鉱物としては、陽イオン交換性鉱物、陰イオン交換性鉱物、及び腐植等が挙げられる。また、人工土壌粒子50に保肥性を与えるために、イオン交換能を有さない多孔質材料(例えば、高分子発泡体、ガラス発泡体等)を別に用意し、当該多孔質材料の細孔にイオン交換能が付与された材料を圧入や含浸等によって導入し、これをフィラー4として使用することも可能である。また、イオン交換性樹脂を導入することも可能である。
陽イオン交換性鉱物は、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト等のスメクタイト系鉱物、雲母系鉱物、バーミキュライト、ゼオライト、腐植等が挙げられる。陽イオン交換樹脂は、例えば、弱酸性陽イオン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂が挙げられる。これらのうち、ゼオライト、又はベントナイトが好ましい。陽イオン交換性鉱物及び陽イオン交換樹脂は、二種以上を組み合わせて使用することも可能である。陽イオン交換性鉱物及び陽イオン交換樹脂における陽イオン交換容量は、10〜700meq/100gに設定され、好ましくは20〜700meq/100gに設定され、より好ましくは30〜700meq/100gに設定される。陽イオン交換容量が10meq/100g未満の場合、十分に養分を取り込むことができず、取り込まれた養分も灌水等により早期に流失する虞がある。一方、陽イオン交換容量が700meq/100gを超えるように保肥力を過剰に大きくしても、効果は大きく向上せず、経済的ではない。
陰イオン交換性鉱物は、例えば、ハイドロタルサイト、マナセアイト、パイロオーライト、シェーグレン石、緑青等の主骨格として複水酸化物を有する天然層状複水酸化物、合成ハイドロタルサイト及びハイドロタルサイト様物質、アロフェン、イモゴライト、カオリン等の粘土鉱物が挙げられる。陰イオン交換樹脂は、例えば、弱塩基性陰イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂が挙げられる。これらのうち、ハイドロタルサイトが好ましい。陰イオン交換性鉱物及び陰イオン交換樹脂は、二種以上を組み合わせて使用することも可能である。陰イオン交換性鉱物及び陰イオン交換樹脂における陰イオン交換容量は、5〜500meq/100gに設定され、好ましくは20〜500meq/100gに設定され、より好ましくは30〜500meq/100gに設定される。陰イオン交換容量が5meq/100g未満の場合、十分に養分を取り込むことができず、取り込まれた養分も灌水等により早期に流失する虞がある。一方、陰イオン交換容量が500meq/100gを超えるように保肥力を過剰に大きくしても、効果は大きく向上せず、経済的ではない。
粒状物12の形成にあたっては、バインダーを用いて複数のフィラー4を粒状化する。フィラー4の粒状化は、例えば、フィラー4にバインダーや溶媒等を加えて混合し、混合物を造粒機に導入し、転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒、圧縮造粒、押出造粒、破砕造粒、溶融造粒、噴霧造粒等の公知の造粒法により行うことができる。得られた粒状物12は、必要に応じて乾燥及び分級が行われる。また、フィラー4にバインダーを加え、さらに必要に応じて溶媒等を加えて混練し、これを乾燥してブロック状にしたものを、乳鉢及び乳棒、ハンマーミル、ロールクラッシャー等の粉砕手段で適宜粉砕して粒状物12とすることも可能である。
フィラー4がゼオライトやハイドロタルサイトのような無機天然鉱物である場合、複数のフィラー4を集合して粒状物12を構成するために、高分子ゲル化剤のゲル化反応が好適に利用される。高分子ゲル化剤のゲル化反応として、例えば、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングルコールエステル、ジェランガム、グルコマンナン、ペクチン、又はカルボキシメチルセルロース(CMC)と多価金属イオンとのゲル化反応、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タラガムなどの多糖類の二重らせん構造化反応によるゲル化反応が挙げられる。このうち、アルギン酸塩と多価金属イオンとのゲル化反応について説明する。アルギン酸塩の一つであるアルギン酸ナトリウムは、アルギン酸のカルボキシル基がNaイオンと結合した形態の中性塩である。アルギン酸は水に不要であるが、アルギン酸ナトリウムは水溶性である。アルギン酸ナトリウム水溶液を多価金属イオン(例えば、Caイオン)の水溶液中に添加すると、アルギン酸ナトリウムの分子間でイオン架橋が起こりゲル化する。本実施形態の場合、ゲル化反応は、以下の工程により行うことができる。初めに、アルギン酸塩を水に溶解させてアルギン酸塩水溶液を調製し、アルギン酸塩水溶液にフィラー4を添加し、これを十分攪拌して、アルギン酸塩水溶液中にフィラー4が分散した混合液を形成する。次に、混合液を多価金属イオン水溶液中に滴下し、混合液に含まれるアルギン酸塩を粒状にゲル化させる。フィラー4は、このゲル中に取り込まれる。その後、ゲル化した粒子を回収して水洗し、十分に乾燥させる。これにより、アルギン酸塩及び多価金属イオンから形成されるアルギン酸ゲル中にフィラー4が分散した粒状物12が得られる。粒状物12は、必要に応じて乾燥及び分級が行われる。
ゲル化反応に使用可能なアルギン酸塩は、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムが挙げられる。これらのアルギン酸塩は、二種以上を組み合わせて使用することも可能である。アルギン酸塩水溶液の濃度は、0.1〜5重量%とし、好ましくは0.2〜5重量%とし、より好ましくは0.2〜3重量%とする。アルギン酸塩水溶液の濃度が0.1重量%未満の場合、ゲル化反応が起こり難くなり、5重量%を超えると、アルギン酸塩水溶液の粘度が大きくなり過ぎるため、フィラー4を添加した混合液の攪拌や、当該混合液を多価金属イオン水溶液中に滴下することが困難になる。
アルギン酸塩水溶液を滴下する多価金属イオン水溶液は、アルギン酸塩と反応してゲル化する2価以上の金属イオン水溶液であればよい。そのような多価金属イオン水溶液の例として、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化ニッケル、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化コバルト等の多価金属の塩化物水溶液、硝酸カルシウム、硝酸バリウム、硝酸アルミニウム、硝酸鉄、硝酸銅、硝酸コバルト等の多価金属の硝酸塩水溶液、乳酸カルシウム、乳酸バリウム、乳酸アルミニウム、乳酸亜鉛等の多価金属の乳酸塩水溶液、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸コバルト等の多価金属の硫酸塩水溶液が挙げられる。これらの多価金属イオン水溶液は、二種以上を組み合わせて使用することも可能である。多価金属イオン水溶液の濃度は、1〜20重量%とし、好ましくは2〜15重量%とし、より好ましくは3〜10重量%とする。多価金属イオン水溶液の濃度が1重量%未満の場合、ゲル化反応が起こり難くなり、20重量%を超えると、金属塩の溶解に時間が掛かるとともに、過剰の材料を使用することになるため、経済的でない。
次に、本発明の人工土壌培地に関する実施例について説明する。本発明の人工土壌培地の特性を確認するため、団粒構造の強度、及び人工土壌粒子の飛散・流出性に関する評価を行った。
<人工土壌粒子の作製>
(1)ビニロン短繊維(直径:25μm、長さ:0.5mm、株式会社クラレ製)350gを撹拌混合造粒装置(有限会社G−Labo製)に投入し、撹拌及び転動させながらポリエチレンエマルジョン(セポルジョン(登録商標)G315、住友精化株式会社製、濃度40重量%)の5倍希釈液400gを添加し、粒径4〜6mmの粒状体を造粒した。得られた粒状体を乾燥機で60〜80℃で乾燥させ、次いで100℃に昇温してビニロン短繊維どうしをポリエチレンで融着し、表面にビニロン短繊維の突起を有する人工土壌粒子Aを得た。
(2)陽イオン交換性鉱物であるゼオライト(琉球ライトCEC600、株式会社エコウェル製)10重量部と、陰イオン交換性鉱物であるハイドロタルサイト(和光純薬工業株式会社製)10重量部との混合物をアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)0.5%水溶液100重量部に添加し、ミキサー(SM−L57、三洋電機株式会社製)を用いて3分間撹拌し、得られた混合スラリーを5%塩化カルシウム水溶液に滴下し、ゲル化させた。生成したゲル化物を回収し、洗浄後、乾燥機で55℃、24時間乾燥させ、表面に実質的に突起を有さない人工土壌粒子Bを得た。
<人工土壌培地の作製>
本発明の人工土壌培地として、人工土壌粒子A(a)と、繊維体(b)とを混合し、実施例1〜6に係る人工土壌培地を作製した。また、比較のため、人工土壌粒子A(a)をそのまま人工土壌培地としたもの(比較例1)、並びに人工土壌粒子Bと、繊維体(b)とを混合したもの(比較例2及び3)を作製した。
〔実施例1〕
人工土壌粒子A(a)と、繊維体(b)であるビニロン繊維(直径:25μm、長さ:0.5mm、株式会社クラレ製)とを含有比率(a/b)が90/10(体積比)となるように混合して人工土壌培地100ccを作製し、200cc容器に充填した。
〔実施例2〕
人工土壌粒子A(a)と、繊維体(b)であるビニロン繊維(直径:25μm、長さ:0.5mm、株式会社クラレ製)とを含有比率(a/b)が60:40(体積比)となるように混合して人工土壌培地100ccを作製し、200cc容器に充填した。
〔実施例3〕
人工土壌粒子A(a)と、繊維体(b)であるビニロン繊維(直径:25μm、長さ:5mm、株式会社クラレ製)とを含有比率(a/b)が90:10(体積比)となるように混合して人工土壌培地100ccを作製し、200cc容器に充填した。
〔実施例4〕
人工土壌粒子A(a)と、繊維体(b)であるビニロン繊維(直径:25μm、長さ:5mm、株式会社クラレ製)とを含有比率(a/b)が60:40(体積比)となるように混合して人工土壌培地100ccを作製し、200cc容器に充填した。
〔実施例5〕
人工土壌粒子A(a)と、繊維体(b)であるビニロン不織布用の繊維(20mm以上の繊維、株式会社クラレ製)とを含有比率(a/b)が90:10(体積比)となるように混合して人工土壌培地100ccを作製し、200cc容器に充填した。
〔実施例6〕
人工土壌粒子A(a)と、繊維体(b)であるビニロン不織布用の繊維(20mm以上の繊維、株式会社クラレ製)とを含有比率(a/b)が60:40(体積比)となるように混合して人工土壌培地100ccを作製し、200cc容器に充填した。
〔比較例1〕
人工土壌粒子A(a)をそのまま使用して人工土壌培地100ccを作製し、200cc容器に充填した。
〔比較例2〕
人工土壌粒子Bと、繊維体(b)であるビニロン不織布用の繊維(20mm以上の繊維、株式会社クラレ製)とを含有比率(a/b)が90:10(体積比)となるように混合して人工土壌培地100ccを作製し、200cc容器に充填した。
〔比較例3〕
人工土壌粒子Bと、繊維体(b)であるビニロン不織布用の繊維(20mm以上の繊維、株式会社クラレ製)とを含有比率(a/b)が60:40(体積比)となるように混合して人工土壌培地100ccを作製し、200cc容器に充填した。
<人工土壌培地の団粒構造の強度の評価>
容器に充填した人工土壌培地の上面を軽く押さえた後、平坦なシート上に容器を反転させて静置し、その後容器を持ち上げて充填した人工土壌培地を容器から抜き出した。そして、人工土壌培地の形状(塊状体)を目視で確認することにより、人工土壌培地の団粒構造が維持されているか否かを評価した。図4は、繊維体を含む人工土壌培地の団粒構造の強度評価試験の写真である。(a)は実施例1の人工土壌培地、(b)は実施例2の人工土壌培地、(c)は実施例3の人工土壌培地、(d)は実施例4の人工土壌培地、(e)は比較例1の人工土壌培地について、夫々容器から抜き出した後の状態を示してある。図5は、不織布用の繊維を含む人工土壌培地の団粒構造の強度評価試験の写真である。(f)は実施例5の人工土壌培地、(g)は実施例6の人工土壌培地、(h)は比較例2の人工土壌培地、(i)は比較例3の人工土壌培地について、夫々容器から抜き出した後の状態を示してある。
人工土壌粒子Aに繊維又は不織布用の繊維を混合した実施例1〜6の人工土壌培地は、何れも容器の形状をある程度保っていることから、人工土壌粒子の団粒構造が維持されていると考えられる。特に、長さ5mmの繊維を使用した実施例3〜6の人工土壌培地(図4(c)、図4(d)、図5(f)、図5(g))では、容器と略同じ形状を維持していることから、強固な団粒構造が形成されていることが認められた。また、実施例3及び4の繊維体を使用した人工土壌培地(図4(c)及び(d))と、実施例5及び6の不織布用の繊維を使用した人工土壌培地(図5(f)及び(g))とを比較すると、不織布用の繊維を用いた実施例5及び6の方が人工土壌培地の形状が維持されており、不織布用の繊維は人工土壌培地の形状維持能力が特に高いことが示された。これに対して、比較例1の粒状体である人工土壌粒子Aのみで構成した人工土壌培地(図4(e))では、ほとんど人工土壌培地の形状を保っておらず、団粒構造を形成することができなかった。また、イオン交換性鉱物であるゼオライト及びハイドロタルサイトの混合物をアルギン酸ナトリウムの架橋反応を利用してゲル化させた人工土壌粒子Bに不織布用の繊維を混合した比較例2及び3の人工土壌培地(図5(h)及び(i))は、実施例5及び6と同じ不織布用の繊維を使用したにもかかわらず、ほとんど団粒構造を形成することができなかった。これらの結果から、短繊維を造粒して表面に突起を露出させた粒状体と繊維体とから構成される本発明の人工土壌培地は、人工土壌粒子の団粒構造を維持する能力が高く、樹高及び草丈の高い植物でも十分に支持することが可能であることが示唆された。
<人工土壌粒子の飛散・流出性の評価>
各実施例及び比較例の人工土壌培地を200ccの容器に略一杯となるまで充填し、これを屋外に一定期間放置し、人工土壌培地を構成する人工土壌粒子の飛散・流出性を目視により評価した。結果は、実施例1〜6の何れの人工土壌培地においても、目立った人工土壌粒子の飛散や流出はほとんど認められなかった。これに対して、比較例1〜3の人工土壌培地では、風等による容器からの人工土壌粒子の飛散、及び灌水による容器からの人工土壌粒子の流出が認められた。従って、本発明の人工土壌培地は、人工土壌培地としての形状維持能力が高く、風や雨水等による人工土壌粒子の飛散や流出を有効に防止できることが示唆された。
本発明の人工土壌培地は、植物工場等で行われる植物の栽培に利用可能であるが、その他の用途として、施設園芸用土壌培地、緑化用土壌培地、成型土壌培地、土壌改良剤等にも利用可能である。
1 繊維体
2a(2) 短繊維(繊維)
10 突起
11 粒状体
50 人工土壌粒子
100 人工土壌培地

Claims (11)

  1. 人工土壌粒子を塊状化してなる人工土壌培地であって、
    表面に突起を有する粒状体と、
    前記突起のサイズと同じ又は前記突起のサイズより大きい繊維長を有する繊維体と、
    を含む人工土壌培地。
  2. 前記粒状体は、前記繊維体の繊維長と同じ又は前記繊維体の繊維長より小さい繊維長を有する短繊維を造粒して構成され、前記短繊維の一部を前記突起として前記粒状体の表面に露出させてある請求項1に記載の人工土壌培地。
  3. 前記短繊維の繊維長は、0.01〜1mmである請求項2に記載の人工土壌培地。
  4. 前記短繊維は、ビニロン、セルロース、ポリエステル、ナイロン、アクリル、アセテート、ウレタン、レーヨン、炭素、羊毛、綿、ガラス、ロックウール、及びセラミックからなる群から選択される少なくとも一種である請求項2又は3に記載の人工土壌培地。
  5. 前記粒状体の粒径は、0.1〜10mmである請求項1〜4の何れか一項に記載の人工土壌培地。
  6. 前記繊維体は、不織布用の繊維である請求項1〜5の何れか一項に記載の人工土壌培地。
  7. 前記繊維体の繊維長は、0.5〜100mmである請求項1〜6の何れか一項に記載の人工土壌培地。
  8. 前記粒状体(a)と前記繊維体(b)との含有比率(a/b)が、90/10〜60/40(体積比)に調整されている請求項1〜7の何れか一項に記載の人工土壌培地。
  9. 前記短繊維及び前記繊維体は、同種の材料で構成されている請求項2〜8の何れか一項に記載の人工土壌培地。
  10. 前記短繊維は、前記繊維体より剛性率が大きい材料で構成されている請求項2〜8の何れか一項に記載の人工土壌培地。
  11. 前記短繊維及び前記繊維体は、親水性材料で構成されている請求項2〜10の何れか一項に記載の人工土壌培地。
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