本発明は、冷凍装置、特に、圧縮機と熱源側熱交換器とレシーバと利用側熱交換器とレシーバガス抜き管とを含んでおり、レシーバガス抜き管を通じてレシーバからガス冷媒を圧縮機の吸入側に抜き出しながら冷凍サイクル運転を行うことが可能な冷凍装置に関する。
従来より、特許文献1(特開2010−175190号公報)に示すように、レシーバ及びレシーバガス抜き管を含んでおり、レシーバガス抜き管を通じてレシーバからガス冷媒を圧縮機の吸入側に抜き出しながら冷凍サイクル運転を行うことが可能な空気調和装置(冷凍装置)がある。また、特許文献2(特開2006−292212号公報)に示すように、レシーバ液面検知管を用いてレシーバの液面検知を行う空気調和装置(冷凍装置)もある。ここで、レシーバの液面検知は、レシーバ液面検知管を通じてレシーバの所定の高さ位置から冷媒を抜き出し、レシーバ液面検知管を流れる冷媒(すなわち、レシーバの所定の高さ位置に存在する冷媒)がガス状態である場合と液状態である場合との温度の違いを利用して、レシーバ内の液冷媒が所定の高さ位置まで達しているかどうかを検知するものである。
上記従来のレシーバ及びレシーバガス抜き管を含む冷凍装置では、レシーバが満液付近まで達すると、レシーバガス抜き管を通じて、液冷媒がレシーバから圧縮機の吸入側に戻るおそれがあるため、液面検知を行ってレシーバガス抜き管を通じてレシーバから液冷媒が流出することを防ぐことが好ましい。
そこで、上記従来の液面検知管を用いてレシーバの液面検知を行う冷凍装置と同様に、レシーバにレシーバ液面検知管を設けてレシーバの液面検知を行うことが考えられる。
しかし、レシーバにレシーバ液面検知管を設けるに当たり、レシーバガス抜き管をレシーバ液面検知管として機能させると、液面検知がなされた時点で既にレシーバ内の液面がレシーバガス抜き管の高さ位置まで達してしまうため、レシーバガス抜き管を通じてレシーバから液冷媒が流出することを防ぐことはできない。また、レシーバガス抜き管とは別にレシーバ液面検知管をレシーバに設けると、コストアップが発生することになる。
本発明の課題は、レシーバ及びレシーバガス抜き管を含んでおり、レシーバガス抜き管を通じてレシーバからガス冷媒を圧縮機の吸入側に抜き出しながら冷凍サイクル運転を行うことが可能な冷凍装置において、コストアップを極力抑えつつ、レシーバの液面検知を行い、レシーバガス抜き管からの液冷媒の流出を防ぐことができるようにすることにある。
第1の観点にかかる冷凍装置は、圧縮機と、熱源側熱交換器と、レシーバと、利用側熱交換器と、レシーバの上部と圧縮機の吸入側とを接続するレシーバガス抜き管とを含んでおり、レシーバガス抜き管を通じてレシーバからガス冷媒を圧縮機の吸入側に抜き出しながら冷凍サイクル運転を行うことが可能な冷凍装置である。ここでは、レシーバに、レシーバ内の液面がレシーバガス抜き管を接続した位置よりも下側の所定位置まで達しているかどうかを検知するためのレシーバ液面検知管を接続しており、レシーバ液面検知管は、キャピラリチューブを介してレシーバガス抜き管に合流しており、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒にレシーバ液面検知管から抜き出される冷媒が合流した後のレシーバガス抜き管を流れる冷媒の温度を使用して、レシーバ内の液面がレシーバガス抜き管を接続した位置よりも下側の所定位置まで達しているかどうかの検知を行う。
ここでは、上記のように、まず、レシーバに、レシーバ内の液面がレシーバガス抜き管を接続した位置よりも下側の所定位置まで達しているかどうかを検知するためのレシーバ液面検知管を設けるようにしている。このため、レシーバ内の液面がレシーバガス抜き管の高さ位置(すなわち、満液付近)に達する前に、レシーバの液面検知を行うことができる。しかも、ここでは、上記のように、レシーバ液面検知管をレシーバガス抜き管に合流させて、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒にレシーバ液面検知管から抜き出される冷媒が合流した後のレシーバガス抜き管を流れる冷媒の温度を使用してレシーバの液面検知を行うようにしている。ここで、レシーバ液面検知管をキャピラリチューブを介してレシーバガス抜き管に合流させているため、レシーバ液面検知管から液面検知に適した少流量の冷媒を安定的に抜き出すことができる。すなわち、レシーバガス抜き管の大部分をレシーバ液面検知管と兼用して、レシーバ液面検知管の大部分を省略するようにしている。このため、レシーバガス抜き管とは別にレシーバ液面検知管をレシーバに設ける場合に比べて、レシーバ液面検知管を設けることによるコストアップを抑えることができる。
これにより、ここでは、コストアップを極力抑えつつ、レシーバの液面検知を行い、レシーバガス抜き管からの液冷媒の流出を防ぐことができる。
第2の観点にかかる冷凍装置は、第1の観点にかかる冷凍装置において、レシーバガス抜き管が、レシーバ液面検知管が合流する位置よりも下流側に、レシーバガス抜き管を流れる冷媒を加熱する冷媒加熱器を有している。
ここでは、上記のように、レシーバガス抜き管が、レシーバ液面検知管が合流する位置よりも下流側に冷媒加熱器を有している。このため、冷媒加熱器で加熱された後のレシーバガス抜き管を流れる冷媒の温度を使用してレシーバの液面検知を行うことができる。また、例えば、レシーバ内の液面が急激に上昇する等の不測の原因によって、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒に液冷媒が混入したとしても、冷媒加熱器で冷媒を加熱することができる。このため、レシーバガス抜き管からの液冷媒の流出を確実に防ぐことができる。
第3の観点にかかる冷凍装置は、第2の観点にかかる冷凍装置において、冷媒加熱器が、圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒によってレシーバガス抜き管を流れる冷媒を加熱する熱交換器である。
ここでは、上記のように、冷媒加熱器として圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒を加熱源とする熱交換器を採用している。このため、冷媒加熱器としてレシーバから流出する液冷媒を加熱源とする熱交換器を採用する場合に比べて、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒との温度差を大きくすることができるようになり、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒を加熱する能力を向上させることができる。
第4の観点にかかる冷凍装置は、第3の観点にかかる冷凍装置において、熱源側熱交換器の一部が、圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒を常時流す予冷熱交換器であり、予冷熱交換器の下流側には、電装品を冷却する冷媒冷却器が接続されており、冷媒加熱器が、予冷熱交換器の上流側に接続されている。
ここでは、上記のように、熱源側熱交換器の一部を、圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒を常時流す予冷熱交換器とし、予冷熱交換器の下流側には、電装品を冷却する冷媒冷却器を接続するようにすることで、圧縮機等の構成機器を制御するパワー素子等の電装品を冷却するようにしている。
そして、ここでは、このような冷媒冷却の構成を利用して、圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒によってレシーバガス抜き管を流れる冷媒を加熱する冷媒加熱器を、予冷熱交換器の上流側に接続するようにしている。このため、ここでは、冷媒加熱器が、圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒の一部を分岐して設けられていることになる。
そして、このように、冷媒加熱器を圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒の一部を分岐して設ける場合には、冷媒加熱器としてレシーバから流出する液冷媒を加熱源とする熱交換器を採用する場合に比べて、冷媒加熱器として、例えば、二重管熱交換器のような、やや圧損が大きくなるが高熱交換性能の熱交換器を採用しやすくなる。これにより、ここでは、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒を加熱する能力をさらに向上させることができる。
第5の観点にかかる冷凍装置は、第1〜第4の観点にかかる冷凍装置のいずれかにおいて、レシーバガス抜き管は、レシーバ液面検知管が合流する位置よりも下流側に、レシーバガス抜き管を流れる冷媒の流量を調節するガス抜き側流量調節機構を有している。
ここでは、上記のように、レシーバガス抜き管が、レシーバ液面検知管が合流する位置よりも下流側にガス抜き側流量調節機構を有している。このため、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒の流量を安定的に調節することができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の観点にかかる冷凍装置では、コストアップを極力抑えつつ、レシーバの液面検知を行い、レシーバガス抜き管からの液冷媒の流出を防ぐことができる。
第2の観点にかかる冷凍装置では、冷媒加熱器で加熱された後のレシーバガス抜き管を流れる冷媒の温度を使用してレシーバの液面検知を行うことができる。
第3の観点にかかる冷凍装置では、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒との温度差を大きくすることができるようになり、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒を加熱する能力を向上させることができる。
第4の観点にかかる冷凍装置では、冷媒加熱器を圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒の一部を分岐して設けることで、高熱交換性能の熱交換器を採用しやすくなり、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒を加熱する能力をさらに向上させることができる。
第5の観点にかかる冷凍装置では、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒の流量を安定的に調節することができる。
本発明にかかる冷凍装置の一実施形態としての冷暖同時運転型空気調和装置の概略構成図である。
レシーバ及びその周辺の構造を示す概略図である。
冷房運転における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
暖房運転における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
冷暖同時運転(蒸発負荷主体)における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
冷暖同時運転(放熱負荷主体)における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
本発明にかかる冷凍装置の変形例としての冷暖同時運転型空気調和装置の概略構成図である。
本発明にかかる冷凍装置の変形例としての冷暖同時運転型空気調和装置におけるレシーバ及びその周辺の構造を示す概略図である。
以下、本発明にかかる冷凍装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる冷凍装置の具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)冷凍装置(冷暖同時運転型空気調和装置)の構成
図1は、本発明にかかる冷凍装置の一実施形態としての冷暖同時運転型空気調和装置1の概略構成図である。冷暖同時運転型空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の室内の冷暖房に使用される装置である。
冷暖同時運転型空気調和装置1は、主として、1台の熱源ユニット2と、複数(ここでは、4台)の利用ユニット3a、3b、3c、3dと、各利用ユニット3a、3b、3c、3dに接続される接続ユニット4a、4b、4c、4dと、接続ユニット4a、4b、4c、4dを介して熱源ユニット2と利用ユニット3a、3b、3c、3dとを接続する冷媒連絡管7、8、9とを有している。すなわち、冷暖同時運転型空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、熱源ユニット2と、利用ユニット3a、3b、3c、3dと、接続ユニット4a、4b、4c、4dと、冷媒連絡管7、8、9とが接続されることによって構成されている。そして、冷暖同時運転型空気調和装置1は、各利用ユニット3a、3b、3c、3dが個別に冷房運転又は暖房運転を行うことが可能になっており、暖房運転を行う利用ユニットから冷房運転を行う利用ユニットに冷媒を送ることで利用ユニット間において熱回収を行うこと(ここでは、冷房運転と暖房運転とを同時に行う冷暖同時運転を行うこと)が可能になるように構成されている。しかも、冷暖同時運転型空気調和装置1では、上記の熱回収(冷暖同時運転)も考慮した複数の利用ユニット3a、3b、3c、3d全体の熱負荷に応じて、熱源ユニット2の熱負荷をバランスさせるように構成されている。
<利用ユニット>
利用ユニット3a、3b、3c、3dは、ビル等の室内の天井に埋め込みや吊り下げ等、又は、室内の壁面に壁掛け等により設置されている。利用ユニット3a、3b、3c、3dは、冷媒連絡管7、8、9及び接続ユニット4a、4b、4c、4dを介して熱源ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、利用ユニット3a、3b、3c、3dの構成について説明する。尚、利用ユニット3aと利用ユニット3b、3c、3dとは同様の構成であるため、ここでは、利用ユニット3aの構成のみ説明し、利用ユニット3b、3c、3dの構成については、それぞれ、利用ユニット3aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」の添字を付して、各部の説明を省略する。
利用ユニット3aは、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、利用側冷媒回路13a(利用ユニット3b、3c、3dでは、それぞれ、利用側冷媒回路13b、13c、13d)を有している。利用側冷媒回路13aは、主として、利用側流量調節弁51aと、利用側熱交換器52aとを有している。
利用側流量調節弁51aは、利用側熱交換器52aを流れる冷媒の流量の調節等を行うために、利用側熱交換器52aの液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。
利用側熱交換器52aは、冷媒と室内空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。ここで、利用ユニット3aは、ユニット内に室内空気を吸入して、熱交換した後に、供給空気として屋内に供給するための室内ファン53aを有しており、室内空気と利用側熱交換器32aを流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。室内ファン53aは、室内ファンモータ54aによって駆動される。
また、利用ユニット3aは、利用ユニット3aを構成する各部51a、54aの動作を制御する利用側制御部50aを有している。そして、利用側制御部50aは、利用ユニット3aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、リモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、熱源ユニット2との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<熱源ユニット>
熱源ユニット2は、ビル等の屋上等に設置されており、冷媒連絡管7、8、9を介して利用ユニット3a、3b、3c、3dに接続されており、利用ユニット3a、3b、3c、3dとの間で冷媒回路10を構成している。
次に、熱源ユニット2の構成について説明する。熱源ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、熱源側冷媒回路12を有している。熱源側冷媒回路12は、主として、圧縮機21と、複数(ここでは、2つ)の熱交切換機構22、23と、複数(ここでは、2つ)の熱源側熱交換器24、25と、2つの熱源側熱交換器24、25に対応する熱源側流量調節弁26、27と、レシーバ28と、ブリッジ回路29と、高低圧切換機構30と、液側閉鎖弁31と、高低圧ガス側閉鎖弁32と、低圧ガス側閉鎖弁33とを有している。
圧縮機21は、ここでは、冷媒を圧縮するための機器であり、例えば、圧縮機モータ21aをインバータ制御することで運転容量を可変することが可能なスクロール型等の容積式圧縮機からなる。
第1熱交切換機構22は、第1熱源側熱交換器24を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「放熱運転状態」とする)には圧縮機21の吐出側と第1熱源側熱交換器24のガス側とを接続し(図1の第1熱交切換機構22の実線を参照)、第1熱源側熱交換器24を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「蒸発運転状態」とする)には圧縮機21の吸入側と第1熱源側熱交換器24のガス側とを接続するように(図1の第1熱交切換機構22の破線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。また、第2熱交切換機構23は、第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「放熱運転状態」とする)には圧縮機21の吐出側と第2熱源側熱交換器25のガス側とを接続し(図1の第2熱交切換機構23の実線を参照)、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「蒸発運転状態」とする)には圧縮機21の吸入側と第2熱源側熱交換器25のガス側とを接続するように(図1の第2熱交切換機構23の破線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。そして、第1熱交切換機構22及び第2熱交切換機構23の切り換え状態を変更することによって、第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25は、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっている。
第1熱源側熱交換器24は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。第1熱源側熱交換器24は、そのガス側が第1熱交切換機構22に接続され、その液側が第1熱源側流量調節弁26に接続されている。また、第2熱源側熱交換器25は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。第2熱源側熱交換器25は、そのガス側が第2熱交切換機構23に接続され、その液側が第2熱源側流量調節弁27に接続されている。ここでは、第1熱源側熱交換器24と第2熱源側熱交換器25とが一体の熱源側熱交換器として構成されている。そして、熱源ユニット2は、ユニット内に室外空気を吸入して、熱交換した後に、ユニット外に排出するための室外ファン34を有しており、室外空気と熱源側熱交換器24、25を流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。室外ファン34は、回転数制御が可能な室外ファンモータ34aによって駆動される。
第1熱源側流量調節弁26は、第1熱源側熱交換器24を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第1熱源側熱交換器24の液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。また、第2熱源側流量調節弁27は、第2熱源側熱交換器25を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第2熱源側熱交換器25の液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。
レシーバ28は、熱源側熱交換器24、25と利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dとの間を流れる冷媒を一時的に溜めるための容器である。レシーバ28の上部には、レシーバ入口管28aが設けられており、レシーバ28の下部には、レシーバ出口管28bが設けられている。また、レシーバ入口管28aには、開閉制御が可能なレシーバ入口開閉弁28cが設けられている。そして、レシーバ28の入口管28a及び出口管28bは、ブリッジ回路29を介して、熱源側熱交換器24、25と液側閉鎖弁31との間に接続されている。
また、レシーバ28には、レシーバガス抜き管41が接続されている。レシーバガス抜き管41は、レシーバ入口管28aとは別にレシーバ28の上部から冷媒を抜き出すように設けられており、レシーバ28の上部と圧縮機21の吸入側とを接続している。レシーバガス抜き管41には、レシーバ28からガス抜きされる冷媒の流量の調節等を行うために、ガス抜き側流量調節機構としてのガス抜き側流量調節弁42が設けられている。ここで、ガス抜き側流量調節弁42は、開度調節が可能な電動膨張弁からなる。
また、レシーバ28には、図2に示すように、レシーバ28内の液面がレシーバガス抜き管41を接続した位置よりも下側の所定位置Aまで達しているかどうかを検知するためのレシーバ液面検知管43が接続されている。ここで、レシーバ液面検知管43は、レシーバ28の上下方向の中間付近の部分から冷媒を抜き出すように設けられている。そして、レシーバ液面検知管43は、キャピラリチューブ43aを介してレシーバガス抜き管41に合流している。ここで、レシーバ液面検知管43は、レシーバガス抜き管41のガス抜き側流量調節弁42が設けられている位置よりも上流側の部分に合流するように設けられている。さらに、レシーバガス抜き管41には、レシーバ液面検知管43が合流する位置よりも下流側に、レシーバガス抜き管41を流れる冷媒を加熱する冷媒加熱器44が設けられている。ここで、冷媒加熱器44は、レシーバ出口管28bを流れる冷媒を加熱源としてレシーバガス抜き管41を流れる冷媒を加熱する熱交換器であり、例えば、レシーバ出口管28bとレシーバガス抜き管41とを接触させることによって構成される配管熱交換器からなる。
ブリッジ回路29は、冷媒が熱源側熱交換器24、25側から液側閉鎖弁31側に向かって流れる場合、及び、冷媒が液側閉鎖弁31側から熱源側熱交換器24、25側に向かって流れる場合のいずれにおいても、レシーバ入口管28aを通じてレシーバ28内に冷媒を流入させ、レシーバ出口管28bを通じてレシーバ28内から冷媒を流出させる機能を有する回路である。ブリッジ回路29は、4つの逆止弁29a、29b、29c、29dを有している。そして、入口逆止弁29aは、熱源側熱交換器24、25側からレシーバ入口管28aへの冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。入口逆止弁29bは、液側閉鎖弁31側からレシーバ入口管28aへの冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。すなわち、入口逆止弁29a、29bは、熱源側熱交換器24、25側又は液側閉鎖弁31側からレシーバ入口管28aに冷媒を流通させる機能を有している。出口逆止弁29cは、レシーバ出口管28bから液側閉鎖弁31側への冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。出口逆止弁29dは、レシーバ出口管28bから熱源側熱交換器24、25側への冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。すなわち、出口逆止弁29c、29dは、レシーバ出口管28bから熱源側熱交換器24、25側又は液側閉鎖弁31側に冷媒を流通させる機能を有している。
高低圧切換機構30は、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dに送る場合(以下、「放熱負荷主体運転状態」とする)には、圧縮機21の吐出側と高低圧ガス側閉鎖弁32とを接続し(図1の高低圧切換機構30の破線を参照)、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dに送らない場合(以下、「蒸発負荷主体運転状態」とする)には、高低圧ガス側閉鎖弁32と圧縮機21の吸入側とを接続するように(図1の高低圧切換機構30の実線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。
液側閉鎖弁31、高低圧ガス側閉鎖弁32及び低圧ガス側閉鎖弁33は、外部の機器・配管(具体的には、冷媒連絡管7、8及び9)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁31は、ブリッジ回路29を介してレシーバ入口管28a又はレシーバ出口管28bに接続されている。高低圧ガス側閉鎖弁32は、高低圧切換機構30に接続されている。低圧ガス側閉鎖弁33は、圧縮機21の吸入側に接続されている。
また、熱源ユニット2には、各種のセンサが設けられている。具体的には、圧縮機21の吸入側における冷媒の圧力を検出する吸入圧力センサ71と、レシーバガス抜き管41を流れる冷媒の温度を検出するガス抜き側温度センサ75とが設けられている。ここでは、ガス抜き側温度センサ75は、冷媒加熱器44の出口における冷媒の温度を検出するようにレシーバガス抜き管41に設けられている。また、熱源ユニット2は、熱源ユニット2を構成する各部21a、22、23、26、27、28c、30、34a、41の動作を制御する熱源側制御部20を有している。そして、熱源側制御部20は、熱源ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側制御部50a、50b、50c、50dとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<接続ユニット>
接続ユニット4a、4b、4c、4dは、ビル等の室内に利用ユニット3a、3b、3c、3dとともに設置されている。接続ユニット4a、4b、4c、4dは、冷媒連絡管9、10、11とともに、利用ユニット3、4、5と熱源ユニット2との間に介在しており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、接続ユニット4a、4b、4c、4dの構成について説明する。尚、接続ユニット4aと接続ユニット4b、4c、4dとは同様の構成であるため、ここでは、接続ユニット4aの構成のみ説明し、接続ユニット4b、4c、4dの構成については、それぞれ、接続ユニット4aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」の添字を付して、各部の説明を省略する。
接続ユニット4aは、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、接続側冷媒回路14a(接続ユニット4b、4c、4dでは、それぞれ、接続側冷媒回路14b、14c、14d)を有している。接続側冷媒回路14aは、主として、液接続管61aと、ガス接続管62aとを有している。
液接続管61aは、液冷媒連絡管7と利用側冷媒回路13aの利用側流量調節弁51aとを接続している。
ガス接続管62aは、高低圧ガス冷媒連絡管8に接続された高圧ガス接続管63aと、低圧ガス冷媒連絡管9に接続された低圧ガス接続管64aと、高圧ガス接続管63aと低圧ガス接続管64aとを合流させる合流ガス接続管65aとを有している。合流ガス接続管65aは、利用側冷媒回路13aの利用側熱交換器52aのガス側に接続されている。高圧ガス接続管63aには、開閉制御が可能な高圧ガス開閉弁66aが設けられており、低圧ガス接続管64aには、開閉制御が可能な低圧ガス開閉弁67aが設けられている。
そして、接続ユニット4aは、利用ユニット3aが冷房運転を行う際には、低圧ガス開閉弁67aを開けた状態にして、液冷媒連絡管7を通じて液接続管61aに流入する冷媒を利用側冷媒回路13aの利用側流量調節弁51aを通じて利用側熱交換器52aに送り、利用側熱交換器52aにおいて室内空気との熱交換によって蒸発した冷媒を、合流ガス接続管65a及び低圧ガス接続管64aを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に戻すように機能することができる。また、接続ユニット4aは、利用ユニット3aが暖房運転を行う際には、低圧ガス開閉弁67aを閉止し、かつ、高圧ガス開閉弁66aを開けた状態にして、高低圧ガス冷媒連絡管8を通じて高圧ガス接続管63a及び合流ガス接続管65aに流入する冷媒を利用側冷媒回路13aの利用側熱交換器52aに送り、利用側熱交換器52aにおいて室内空気との熱交換によって放熱した冷媒を、利用側流量調節弁51a及び液接続管61aを通じて、液冷媒連絡管7に戻すように機能することができる。この機能は、接続ユニット4aだけでなく、接続ユニット4b、4c、4dも同様に有しているため、接続ユニット4a、4b、4c、4dによって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dは、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっている。
また、接続ユニット4aは、接続ユニット4aを構成する各部66a、67aの動作を制御する接続側制御部60aを有している。そして、接続側制御部60aは、接続ユニット60aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、利用ユニット3aの利用側制御部50aとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
以上のように、利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dと、熱源側冷媒回路12と、冷媒連絡管7、8、9と、接続側冷媒回路14a、14b、14c、14dとが接続されて、冷暖同時運転型空気調和装置1の冷媒回路10が構成されている。そして、冷暖同時運転型空気調和装置1では、圧縮機21と、熱源側熱交換器24、25と、レシーバ28と、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dと、レシーバ28の上部と圧縮機21の吸入側とを接続するレシーバガス抜き管41とを含む冷媒回路を有する冷凍装置を構成している。そして、ここでは、後述のように、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28からガス冷媒を圧縮機21の吸入側に抜き出しながら冷凍サイクル運転を行うことが可能である。しかも、ここでは、上記のように、レシーバ28に、レシーバ28内の液面がレシーバガス抜き管41を接続した位置よりも下側の所定位置Aまで達しているかどうかを検知するためのレシーバ液面検知管43を接続しており、レシーバ液面検知管43が、キャピラリチューブ43aを介してレシーバガス抜き管41に合流しており、これにより、後述のように、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒にレシーバ液面検知管43から抜き出される冷媒が合流した後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒の温度を使用して、レシーバ28内の液面がレシーバガス抜き管41を接続した位置よりも下側の所定位置Aまで達しているかどうかの検知を行うようになっている。
(2)冷凍装置(冷暖同時運転型空気調和装置)の動作
次に、冷暖同時運転型空気調和装置1の動作について説明する。
冷暖同時運転型空気調和装置1の冷凍サイクル運転としては、冷房運転と、暖房運転と、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)と、冷暖同時運転(放熱負荷主体)とがある。ここで、冷房運転は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットだけが存在し、利用ユニット全体の蒸発負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させる運転である。暖房運転は、暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットだけが存在し、利用ユニット全体の放熱負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の蒸発器として機能させる運転である。冷暖同時運転(蒸発負荷主体)は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットと暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットとが混在し、利用ユニット全体の熱負荷が蒸発負荷主体である場合に、この利用ユニット全体の蒸発負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させる運転である。冷暖同時運転(放熱負荷主体)は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットと暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットとが混在し、利用ユニット全体の熱負荷が放熱負荷主体である場合に、この利用ユニット全体の放熱負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の蒸発器として機能させる運転である。
尚、これらの冷凍サイクル運転を含む冷暖同時運転型空気調和装置1の動作は、上記の制御部20、50a、50b、50c、50d、60a、60b、60c、60dによって行われる。
−冷房運転−
冷房運転の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3c、3dの全てが冷房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行い、熱源側熱交換器24、25が冷媒の放熱器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図3に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図3の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を放熱運転状態(図3の第1熱交切換機構22の実線で示された状態)に切り換え、第2熱交切換機構23を放熱運転状態(図3の第2熱交切換機構23の実線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を蒸発負荷主体運転状態(図3の高低圧切換機構30の実線で示された状態)に切り換えている。また、熱源側流量調節弁26、27は、開度調節され、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。さらに、ガス抜き側流量調節機構としてのガス抜き側流量調節弁42を開度調節することによって、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28からガス冷媒を圧縮機21の吸入側に抜き出すようになっている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、66d、及び、低圧ガス開閉弁67a、67b、67c、67dを開状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てを冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが高低圧ガス冷媒連絡管8及び低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、熱交切換機構22、23を通じて、熱源側熱交換器24、25に送られる。そして、熱源側熱交換器24、25に送られた高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器24、25において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。そして、熱源側熱交換器24、25において放熱した冷媒は、熱源側流量調節弁26、27において流量調節された後、合流して、入口逆止弁29a及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。そして、レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められて気液分離された後、ガス冷媒は、レシーバガス抜き管41を通じて圧縮機21の吸入側に抜き出され、液冷媒は、出口逆止弁29c及び液側閉鎖弁31を通じて、液冷媒連絡管7に送られる。
そして、液冷媒連絡管7に送られた冷媒は、4つに分岐されて、各接続ユニット4a、4b、4c、4dの液接続管61a、61b、61c、61dに送られる。そして、液接続管61a、61b、61c、61dに送られた冷媒は、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dに送られる。
そして、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dに送られた冷媒は、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて、室内ファン53a、53b、53c、53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの冷房運転が行われる。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット4a、4b、4c、4dの合流ガス接続管65a、65b、65c、65dに送られる。
そして、合流ガス接続管65a、65b、65c、65dに送られた低圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、66d及び高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dを通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られて合流するとともに、低圧ガス開閉弁67a、67b、67c、67d及び低圧ガス接続管64a、64b、64c、64dを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に送られて合流する。
そして、ガス冷媒連絡管8、9に送られた低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁32、33及び高低圧切換機構30を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、冷房運転における動作が行われる。尚、利用ユニット3a、3b、3c、3dのいくつかが冷房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dのいくつかが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の蒸発負荷が小さくなる場合には、熱源側熱交換器24、25の一方(例えば、第1熱源側熱交換器24)だけを冷媒の放熱器として機能させる運転が行われる。
−暖房運転−
暖房運転の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3c、3dの全てが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てが冷媒の放熱器として機能する運転)を行い、熱源側熱交換器24、25が冷媒の蒸発器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図4に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図4の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を蒸発運転状態(図4の第1熱交切換機構22の破線で示された状態)に切り換え、第2熱交切換機構23を蒸発運転状態(図4の第2熱交切換機構23の破線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器24、25を冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷主体運転状態(図4の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、熱源側流量調節弁26、27は、開度調節され、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。さらに、ガス抜き側流量調節機構としてのガス抜き側流量調節弁42を開度調節することによって、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28からガス冷媒を圧縮機21の吸入側に抜き出すようになっている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、66dを開状態にし、低圧ガス開閉弁67a、67b、67c、67dを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てを冷媒の放熱器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られる。
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、4つに分岐されて、各接続ユニット4a、4b、4c、4dの高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dに送られる。高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、66d及び合流ガス接続管65a、65b、65c、65dを通じて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dに送られる。
そして、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて、室内ファン53a、53b、53c、53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて放熱した冷媒は、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dにおいて流量調節された後、接続ユニット4a、4b、4c、4dの液接続管61a、61b、61c、61dに送られる。
そして、液接続管61a、61b、61c、61dに送られた冷媒は、液冷媒連絡管7に送られて合流する。
そして、液冷媒連絡管7に送られた冷媒は、液側閉鎖弁31、入口逆止弁29b及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められて気液分離された後、ガス冷媒は、レシーバガス抜き管41を通じて圧縮機21の吸入側に抜き出され、液冷媒は、出口逆止弁29dを通じて、熱源側流量調節弁26、27の両方に送られる。そして、熱源側流量調節弁26、27に送られた冷媒は、熱源側流量調節弁26、27において流量調節された後、熱源側熱交換器24、25において、室外ファン34によって供給される室外空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、熱交切換機構22、23に送られる。そして、熱交切換機構22、23に送られた低圧のガス冷媒は、合流して、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、暖房運転における動作が行われる。尚、利用ユニット3a、3b、3c、3dのいくつかが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dのいくつかが冷媒の放熱器として機能する運転)を行う等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の放熱負荷が小さくなる場合には、熱源側熱交換器24、25の一方(例えば、第1熱源側熱交換器24)だけを冷媒の蒸発器として機能させる運転が行われる。
−冷暖同時運転(蒸発負荷主体)−
冷暖同時運転(蒸発負荷主体)の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3cが冷房運転し、かつ、利用ユニット3dが暖房運転し(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52cが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用側熱交換器52dが冷媒の放熱器として機能する運転)を行い、第1熱源側熱交換器24が冷媒の放熱器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図5に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図5の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を放熱運転状態(図5の第1熱交切換機構22の実線で示された状態)に切り換えることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷主体運転状態(図5の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、第1熱源側流量調節弁26は、開度調節され、第2熱源側流量調節弁27は、閉状態になっており、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。さらに、ガス抜き側流量調節機構としてのガス抜き側流量調節弁42を開度調節することによって、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28からガス冷媒を圧縮機21の吸入側に抜き出すようになっている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66d、及び、低圧ガス開閉弁67a、67b、67cを開状態にし、かつ、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、及び、低圧ガス開閉弁67dを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cを冷媒の蒸発器として機能させ、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dを冷媒の放熱器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になり、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、その一部が、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られ、残りが、第1熱交切換機構22を通じて、第1熱源側熱交換器24に送られる。
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、接続ユニット4dの高圧ガス接続管63dに送られる。高圧ガス接続管63dに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66d及び合流ガス接続管65dを通じて、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dに送られる。
そして、利用側熱交換器52dに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52dにおいて、室内ファン53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3dの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52dにおいて放熱した冷媒は、利用側流量調節弁51dにおいて流量調節された後、接続ユニット4dの液接続管61dに送られる。
また、第1熱源側熱交換器24に送られた高圧のガス冷媒は、第1熱源側熱交換器24において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。そして、第1熱源側熱交換器24において放熱した冷媒は、第1熱源側流量調節弁26において流量調節された後、入口逆止弁29a及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。そして、レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められて気液分離された後、ガス冷媒は、レシーバガス抜き管41を通じて圧縮機21の吸入側に抜き出され、液冷媒は、出口逆止弁29c及び液側閉鎖弁31を通じて、液冷媒連絡管7に送られる。
そして、利用側熱交換器52dにおいて放熱して液接続管61dに送られた冷媒は、液冷媒連絡管7に送られて、第1熱源側熱交換器24において放熱して液冷媒連絡管7に送られた冷媒と合流する。
そして、液冷媒連絡管7において合流した冷媒は、3つに分岐されて、各接続ユニット4a、4b、4cの液接続管61a、61b、61cに送られる。そして、液接続管61a、61b、61cに送られた冷媒は、利用ユニット3a、3b、3cの利用側流量調節弁51a、51b、51cに送られる。
そして、利用側流量調節弁51a、51b、51cに送られた冷媒は、利用側流量調節弁51a、51b、51cにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて、室内ファン53a、53b、53cによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3cの冷房運転が行われる。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット4a、4b、4cの合流ガス接続管65a、65b、65cに送られる。
そして、合流ガス接続管65a、65b、65cに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁67a、67b、67c及び低圧ガス接続管64a、64b、64cを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に送られて合流する。
そして、低圧ガス冷媒連絡管9に送られた低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁33を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)における動作が行われる。尚、冷房運転を行う利用ユニット(すなわち、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器)の数が少なくなる等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の蒸発負荷が小さくなる場合には、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させることで、第1熱源側熱交換器24の放熱負荷と第2熱源側熱交換器25との蒸発負荷とを相殺して熱源側熱交換器24、25全体の放熱負荷を小さくする運転が行われる。
−冷暖同時運転(放熱負荷主体)−
冷暖同時運転(放熱負荷主体)の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3cが暖房運転し、かつ、利用ユニット3dが冷房運転し(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52cが冷媒の放熱器として機能し、かつ、利用側熱交換器52dが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行い、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の蒸発器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図6に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図6の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を蒸発運転状態(図6の第1熱交切換機構22の破線で示された状態)に切り換えることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷主体運転状態(図6の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、第1熱源側流量調節弁26は、開度調節され、第2熱源側流量調節弁27は、閉状態になっており、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。さらに、ガス抜き側流量調節機構としてのガス抜き側流量調節弁42を開度調節することによって、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28からガス冷媒を圧縮機21の吸入側に抜き出すようになっている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、及び、低圧ガス開閉弁67dを開状態にし、かつ、高圧ガス開閉弁66d、及び、低圧ガス開閉弁67a、67b、67cを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cを冷媒の放熱器として機能させ、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dを冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になり、かつ、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られる。
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、3つに分岐されて、各接続ユニット4a、4b、4cの高圧ガス接続管63a、63b、63cに送られる。高圧ガス接続管63a、63b、63cに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c及び合流ガス接続管65a、65b、65cを通じて、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cに送られる。
そして、利用側熱交換器52a、52b、52cに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて、室内ファン53a、53b、53cによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3cの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて放熱した冷媒は、利用側流量調節弁51a、51b、51cにおいて流量調節された後、接続ユニット4a、4b、4cの液接続管61a、61b、61cに送られる。
そして、液接続管61a、61b、61c、61dに送られた冷媒は、液冷媒連絡管7に送られて合流する。
液冷媒連絡管7において合流した冷媒は、その一部が、接続ユニット4dの液接続管61dに送られ、残りが、液側閉鎖弁31、入口逆止弁29b及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。
そして、接続ユニット4dの液接続管61dに送られた冷媒は、利用ユニット3dの利用側流量調節弁51dに送られる。
そして、利用側流量調節弁51dに送られた冷媒は、利用側流量調節弁51dにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52dにおいて、室内ファン53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3dの冷房運転が行われる。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット4dの合流ガス接続管65dに送られる。
そして、合流ガス接続管65dに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁67d及び低圧ガス接続管64dを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に送られる。
そして、低圧ガス冷媒連絡管9に送られた低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁33を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
また、レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められて気液分離された後、ガス冷媒は、レシーバガス抜き管41を通じて圧縮機21の吸入側に抜き出され、液冷媒は、出口逆止弁29dを通じて、第1熱源側流量調節弁26に送られる。そして、第1熱源側流量調節弁26に送られた冷媒は、第1熱源側流量調節弁26において流量調節された後、第1熱源側熱交換器24において、室外ファン34によって供給される室外空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、第1熱交切換機構22に送られる。そして、第1熱交切換機構22に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス冷媒連絡管9及びガス側閉鎖弁33を通じて圧縮機21の吸入側に戻される低圧のガス冷媒と合流して、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、冷暖同時運転(放熱負荷主体)における動作が行われる。尚、暖房運転を行う利用ユニット(すなわち、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器)の数が少なくなる等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の放熱負荷が小さくなる場合には、第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させることで、第1熱源側熱交換器24の蒸発負荷と第2熱源側熱交換器25との放熱負荷とを相殺して熱源側熱交換器24、25全体の蒸発負荷を小さくする運転が行われる。
−レシーバの液面検知−
上記の各種冷凍サイクル運転においては、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28から圧縮機21の吸入側に冷媒を抜き出す動作が行われている。レシーバガス抜き管41は、レシーバ28の上部(ここでは、図2に示す高さ位置B)から冷媒を抜き出すように設けられているため、通常はレシーバ28内で気液分離されたガス冷媒だけをレシーバ28から抜き出すようになっている。
しかし、冷媒回路10内で多量の余剰冷媒が発生する等によって、レシーバ28内に溜まる液冷媒の量が非常に多くなると、レシーバ28が満液付近(ここでは、高さ位置B)まで達してしまう場合があり、この場合には、レシーバガス抜き管41を通じて、液冷媒がレシーバ28から圧縮機21の吸入側に戻るおそれがある。
これに対して、ここでは、上記のように、レシーバ28内の液面がレシーバガス抜き管41を接続した位置(ここでは、高さ位置B)よりも下側の所定位置(ここでは、高さ位置Bよりも下側の高さ位置A)まで達しているかどうかを検知するためのレシーバ液面検知管43をレシーバ28に設けるようにしている。
そして、レシーバ液面検知管43によるレシーバ28内の液面検知は、以下のようにして行う。まず、レシーバ液面検知管43は、上記の各種冷凍サイクル運転時において、レシーバ28の所定の高さ位置Aから冷媒を抜き出している。ここで、レシーバ液面検知管43から抜き出された冷媒は、レシーバ28内の液面が所定の高さ位置Aよりも低い場合は、ガス状態となり、レシーバ28内の液面が所定の高さ位置A以上である場合は、液状態となる。
次に、レシーバ液面検知管43から抜き出された冷媒は、レシーバガス抜き管41から抜き出された冷媒と合流する。ここで、レシーバガス抜き管41から抜き出された冷媒は、レシーバ28内の液面が高さ位置Bより低い場合には、ガス状態である。このため、レシーバ液面検知管43から抜き出された冷媒がガス状態である場合には、レシーバガス抜き管41から抜き出された冷媒と合流した後にレシーバガス抜き管41を流れる冷媒も、ガス状態となる。一方、レシーバ液面検知管43から抜き出された冷媒が液状態である場合には、レシーバガス抜き管41から抜き出された冷媒と合流した後にレシーバガス抜き管41を流れる冷媒は、ガス冷媒に液冷媒が混入した気液二相状態となる。そして、レシーバ液面検知管43から抜き出された冷媒が合流した後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒は、ガス抜き側流量調節弁42によって圧縮機21の吸入側における冷媒の圧力近くまで減圧される。このガス抜き側流量調節弁42による減圧操作によって、レシーバガス抜き管41を流れる冷媒は、減圧操作前の冷媒の状態に応じた温度降下が発生することになる。すなわち、レシーバガス抜き管41を流れる冷媒がガス状態である場合には、減圧操作による温度降下は小さく、気液二相状態である場合には、減圧操作による温度降下は大きくなる。このため、ここでは採用していないが、ガス抜き側流量調節弁42で減圧操作された後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒の温度を使用して、液面検知管43から抜き出された冷媒が液状態であるかどうか(レシーバ28内の液面が高さ位置Aまで達しているかどうか)を検知することができる。
次に、ガス抜き側流量調節弁42で減圧操作された後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒は、冷媒加熱器44に送られて、レシーバ出口管28bを流れる冷媒と熱交換を行って加熱される。この冷媒加熱器44による加熱操作によって、レシーバガス抜き管41を流れる冷媒は、加熱操作前の冷媒の状態に応じた温度上昇が発生することになる。すなわち、ガス抜き側流量調節弁42で減圧操作された後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒がガス状態である場合には、加熱操作による温度上昇が大きく、気液二相状態である場合には、減圧操作による温度上昇が小さくなる。このため、ここでは、ガス抜き側温度センサ75によって、冷媒加熱器44で加熱操作された後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒の温度を検出して、この検出された冷媒の温度を使用して、液面検知管43から抜き出された冷媒が液状態であるかどうか(レシーバ28内の液面が高さ位置Aまで達しているかどうか)を検知している。具体的には、ガス抜き側温度センサ75によって検出された冷媒の温度から吸入圧力センサ71によって検出された冷媒の圧力を換算することによって得られる冷媒の飽和温度を差し引くことによって、冷媒加熱器44で加熱操作された後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒の過熱度を得る。そして、この冷媒の過熱度が所定の温度差以上である場合には、液面検知管43から抜き出された冷媒がガス状態である(レシーバ28内の液面が高さ位置Aまで達していない)と判断し、この冷媒の過熱度が所定の温度差に達しない場合には、液面検知管43から抜き出された冷媒が液状態である(レシーバ28内の液面が高さ位置Aまで達している)と判断する。
このように、ここでは、レシーバ28に設けたレシーバガス抜き管41及びレシーバ液面検知管43を使用して、レシーバ28の液面検知を行うことができる。そして、このレシーバ28の液面検知によって、レシーバ28内の液面が高さ位置Aまで達しない場合には、レシーバガス抜き管41からのガス抜きを行い、レシーバ28内の液面が高さ位置Aまで達した場合には、レシーバガス抜き管41から液冷媒が流出する前に(レシーバ28内の液面が高さ位置Bに達する前に)、ガス抜き側流量調節弁42の開度を小さくする等によってレシーバ28内の液面を低下させる操作を行うことができる。
(3)熱回収型冷凍装置(冷暖同時運転型空気調和装置)の特徴
冷暖同時運転型空気調和装置1には、以下のような特徴がある。
<A>
ここでは、上記のように、まず、レシーバ28に、レシーバ28内の液面がレシーバガス抜き管41を接続した位置(高さ位置B)よりも下側の所定位置(高さ位置A)まで達しているかどうかを検知するためのレシーバ液面検知管43を設けるようにしている。このため、レシーバ28内の液面がレシーバガス抜き管41の高さ位置B(すなわち、満液付近)に達する前に、レシーバ28の液面検知を行うことができる。
しかも、ここでは、上記のように、レシーバ液面検知管43をレシーバガス抜き管41に合流させて、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒にレシーバ液面検知管43から抜き出される冷媒が合流した後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒の温度を使用してレシーバ28の液面検知を行うようにしている。ここで、レシーバ液面検知管43をキャピラリチューブ43aを介してレシーバガス抜き管41に合流させているため、レシーバ液面検知管43から液面検知に適した少流量の冷媒を安定的に抜き出すことができる。すなわち、レシーバガス抜き管41の大部分をレシーバ液面検知管43と兼用して、レシーバ液面検知管43の大部分を省略するようにしている。このため、レシーバガス抜き管41とは別にレシーバ液面検知管43をレシーバ28に設ける場合に比べて、レシーバ液面検知管43を設けることによるコストアップを抑えることができる。
これにより、ここでは、コストアップを極力抑えつつ、レシーバの28液面検知を行い、レシーバガス抜き管41からの液冷媒の流出を防ぐことができる。
<B>
ここでは、上記のように、レシーバガス抜き管41が、レシーバ液面検知管43が合流する位置よりも下流側に冷媒加熱器44を有している。このため、冷媒加熱器44で加熱された後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒の温度を使用してレシーバ28の液面検知を行うことができる。また、例えば、レシーバ28内の液面が急激に上昇する等の不測の原因によって、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒に液冷媒が混入したとしても、冷媒加熱器44で冷媒を加熱することができる。このため、レシーバガス抜き管41からの液冷媒の流出を確実に防ぐことができる。
<C>
ここでは、上記のように、レシーバガス抜き管41が、レシーバ液面検知管43が合流する位置よりも下流側にガス抜き側流量調節機構としてのガス抜き側流量調節弁42を有している。このため、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒の流量を安定的に調節することができる。
(4)変形例1
上記の実施形態では、図1〜図6に示すように、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒を加熱する冷媒加熱器44としてレシーバ28から流出する液冷媒を加熱源とする熱交換器を採用している。具体的には、冷媒加熱器44をレシーバ出口管28bに設けて、レシーバ出口管28bを流れる冷媒によってレシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒を加熱するようにしている。
しかし、この場合には、冷媒加熱器44をレシーバ出口管28bに設けているため、例えば、二重管熱交換器のような、やや圧損が大きい熱交換器を採用しにくい。また、この場合には、レシーバ28から流出する液冷媒が加熱源となるため、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒との温度差が小さくなり、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒を加熱する能力があまり大きくできない。
そこで、ここでは、図7及び図8に示すように、冷媒加熱器44として、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒によってレシーバガス抜き管41を流れる冷媒を加熱する熱交換器を採用するようにしている。
具体的には、ここでは、まず、上記の実施形態において第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25という2つの熱交換器によって構成されていた熱源側熱交換器を、熱源側熱交換器24、25及び予冷熱交換器35という3つの熱交換器によって構成するようにしている。そして、この熱源側熱交換器24、25、35の一部である予冷熱交換器35を、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒を常時流す熱交換器として機能させることができるように冷媒回路10に設けるようにしている。ここでは、予冷熱交換器35は、熱源側熱交換器24、25とは異なり、熱交切換機構22、23のような冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えを可能にするための機構を介することなく、そのガス側が圧縮機21の吐出側に接続されている。そして、予冷熱交換器35の下流側には、圧縮機モータ21aを制御するためのインバータを構成するパワー素子やリアクタ等の高発熱電気部品を含む電装品20aを冷却する冷媒冷却器36を接続するようにしている。そして、この冷媒冷却器35を、予冷熱交換器35において放熱した冷媒と電装品20aとの熱交換を行うことで電装品20aを冷却する機器として機能させるようにしている。そして、冷媒冷却器35を通過した冷媒は、冷媒冷却器36の下流側に接続された冷媒冷却側流量調節弁37によって予冷熱交換器35及び冷媒冷却器36を流れる冷媒の流量の調節等が行われるようになっている。この冷媒冷却側流量調節弁37の出口は、レシーバ出口管28bに合流するように接続されている。ここで、図7には、冷房運転時における冷媒の流れ(図7の矢印参照)、すなわち、冷房運転時において、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒の一部が分岐されて、予冷熱交換器35、冷媒冷却器36及び冷媒冷却側流量調節弁37を通じて、レシーバ出口管28bに合流する流れを示している。尚、ここでは説明を省略するが、暖房運転や冷暖同時運転のような冷凍サイクル運転時においても、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒の一部が分岐されて、予冷熱交換器35、冷媒冷却器36及び冷媒冷却側流量調節弁37を通じて、レシーバ出口管28bに合流する流れが得られることになる。
そして、ここでは、冷媒加熱器44を、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒が常時流れる予冷熱交換器35の上流側に接続するようにしている。すなわち、ここでは、冷凍サイクル運転時において、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒の一部が分岐されて、冷媒加熱器44、予冷熱交換器35、冷媒冷却器36及び冷媒冷却側流量調節弁37を通じて、レシーバ出口管28bに合流する流れが得られ、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒は、この圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒の一部によって加熱されることになる(図7の矢印及び図8参照)。
このように、ここでは、上記のように、冷媒加熱器44として圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒を加熱源とする熱交換器を採用している。このため、上記の実施形態のような、冷媒加熱器44としてレシーバ28から流出する液冷媒を加熱源とする熱交換器を採用する場合に比べて、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒との温度差を大きくすることができるようになる。これにより、ここでは、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒を加熱する能力を向上させることができる。
また、ここでは、上記のように、熱源側熱交換器の一部を、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒を常時流す予冷熱交換器35とし、予冷熱交換器35の下流側には、電装品20aを冷却する冷媒冷却器36を接続するようにすることで、圧縮機21等の構成機器を制御するパワー素子等の電装品20aを冷却するようにしている。
そして、ここでは、このような冷媒冷却の構成を利用して、上記のように、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒によってレシーバガス抜き管41を流れる冷媒を加熱する冷媒加熱器44を、予冷熱交換器35の上流側に接続するようにしている。このため、ここでは、冷媒加熱器44が、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒の一部を分岐して設けられていることになる。
そして、このように、冷媒加熱器44を圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒の一部を分岐して設ける場合には、上位の実施形態のような、冷媒加熱器44としてレシーバ28から流出する液冷媒を加熱源とする熱交換器を採用する場合に比べて、冷媒加熱器44として、例えば、二重管熱交換器のような、やや圧損が大きくなるが高熱交換性能の熱交換器を採用しやすくなる。これにより、ここでは、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒を加熱する能力をさらに向上させることができる。
(5)変形例2
上記の実施形態及び変形例1では、本発明が適用される冷凍装置として、冷暖同時運転型空気調和装置1の構成例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではない。すなわち、冷暖切換運転型や冷房運転専用型の空気調和装置等であっても、圧縮機と熱源側熱交換器とレシーバと利用側熱交換器とレシーバガス抜き管とを含んでおり、レシーバガス抜き管を通じてレシーバからガス冷媒を圧縮機の吸入側に抜き出しながら冷凍サイクル運転を行うことが可能な構成であれば、本発明を適用することが可能である。
本発明は、圧縮機と熱源側熱交換器とレシーバと利用側熱交換器とレシーバガス抜き管とを含んでおり、レシーバガス抜き管を通じてレシーバからガス冷媒を圧縮機の吸入側に抜き出しながら冷凍サイクル運転を行うことが可能な冷凍装置に対して、広く適用可能である。
1 冷暖同時運転型空気調和装置(冷凍装置)
21 圧縮機
24、25、35 熱源側熱交換器
28 レシーバ
35 予冷熱交換器
36 冷媒冷却器
41 レシーバガス抜き管
42 ガス抜き側流量調節弁(ガス抜き側流量調節機構)
43 レシーバ液面検知管
43a キャピラリチューブ
44 冷媒加熱器
52a、52b、52c、52d 利用側熱交換器
特開2010−175190号公報
特開2006−292212号公報
本発明は、冷凍装置、特に、圧縮機と熱源側熱交換器とレシーバと利用側熱交換器とレシーバガス抜き管とを含んでおり、レシーバガス抜き管を通じてレシーバからガス冷媒を圧縮機の吸入側に抜き出しながら冷凍サイクル運転を行うことが可能な冷凍装置に関する。
従来より、特許文献1(特開2010−175190号公報)に示すように、レシーバ及びレシーバガス抜き管を含んでおり、レシーバガス抜き管を通じてレシーバからガス冷媒を圧縮機の吸入側に抜き出しながら冷凍サイクル運転を行うことが可能な空気調和装置(冷凍装置)がある。また、特許文献2(特開2006−292212号公報)に示すように、レシーバ液面検知管を用いてレシーバの液面検知を行う空気調和装置(冷凍装置)もある。ここで、レシーバの液面検知は、レシーバ液面検知管を通じてレシーバの所定の高さ位置から冷媒を抜き出し、レシーバ液面検知管を流れる冷媒(すなわち、レシーバの所定の高さ位置に存在する冷媒)がガス状態である場合と液状態である場合との温度の違いを利用して、レシーバ内の液冷媒が所定の高さ位置まで達しているかどうかを検知するものである。
上記従来のレシーバ及びレシーバガス抜き管を含む冷凍装置では、レシーバが満液付近まで達すると、レシーバガス抜き管を通じて、液冷媒がレシーバから圧縮機の吸入側に戻るおそれがあるため、液面検知を行ってレシーバガス抜き管を通じてレシーバから液冷媒が流出することを防ぐことが好ましい。
そこで、上記従来の液面検知管を用いてレシーバの液面検知を行う冷凍装置と同様に、レシーバにレシーバ液面検知管を設けてレシーバの液面検知を行うことが考えられる。
しかし、レシーバにレシーバ液面検知管を設けるに当たり、レシーバガス抜き管をレシーバ液面検知管として機能させると、液面検知がなされた時点で既にレシーバ内の液面がレシーバガス抜き管の高さ位置まで達してしまうため、レシーバガス抜き管を通じてレシーバから液冷媒が流出することを防ぐことはできない。また、レシーバガス抜き管とは別にレシーバ液面検知管をレシーバに設けると、コストアップが発生することになる。
本発明の課題は、レシーバ及びレシーバガス抜き管を含んでおり、レシーバガス抜き管を通じてレシーバからガス冷媒を圧縮機の吸入側に抜き出しながら冷凍サイクル運転を行うことが可能な冷凍装置において、コストアップを極力抑えつつ、レシーバの液面検知を行い、レシーバガス抜き管からの液冷媒の流出を防ぐことができるようにすることにある。
第1の観点にかかる冷凍装置は、圧縮機と、熱源側熱交換器と、レシーバと、利用側熱交換器と、レシーバの上部と圧縮機の吸入側とを接続するレシーバガス抜き管とを含んでおり、レシーバガス抜き管を通じてレシーバからガス冷媒を圧縮機の吸入側に抜き出しながら冷凍サイクル運転を行うことが可能な冷凍装置である。ここでは、レシーバに、レシーバ内の液面がレシーバガス抜き管を接続した位置よりも下側の所定位置まで達しているかどうかを検知するためのレシーバ液面検知管を接続しており、レシーバ液面検知管は、キャピラリチューブを介してレシーバガス抜き管に合流しており、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒にレシーバ液面検知管から抜き出される冷媒が合流した後のレシーバガス抜き管を流れる冷媒の温度を使用して、レシーバ内の液面がレシーバガス抜き管を接続した位置よりも下側の所定位置まで達しているかどうかの検知を行う。
ここでは、上記のように、まず、レシーバに、レシーバ内の液面がレシーバガス抜き管を接続した位置よりも下側の所定位置まで達しているかどうかを検知するためのレシーバ液面検知管を設けるようにしている。このため、レシーバ内の液面がレシーバガス抜き管の高さ位置(すなわち、満液付近)に達する前に、レシーバの液面検知を行うことができる。しかも、ここでは、上記のように、レシーバ液面検知管をレシーバガス抜き管に合流させて、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒にレシーバ液面検知管から抜き出される冷媒が合流した後のレシーバガス抜き管を流れる冷媒の温度を使用してレシーバの液面検知を行うようにしている。ここで、レシーバ液面検知管をキャピラリチューブを介してレシーバガス抜き管に合流させているため、レシーバ液面検知管から液面検知に適した少流量の冷媒を安定的に抜き出すことができる。すなわち、レシーバガス抜き管の大部分をレシーバ液面検知管と兼用して、レシーバ液面検知管の大部分を省略するようにしている。このため、レシーバガス抜き管とは別にレシーバ液面検知管をレシーバに設ける場合に比べて、レシーバ液面検知管を設けることによるコストアップを抑えることができる。
これにより、ここでは、コストアップを極力抑えつつ、レシーバの液面検知を行い、レシーバガス抜き管からの液冷媒の流出を防ぐことができる。
しかも、ここでは、レシーバガス抜き管が、レシーバ液面検知管が合流する位置よりも下流側に、レシーバガス抜き管を流れる冷媒を加熱する冷媒加熱器を有している。
ここでは、上記のように、レシーバガス抜き管が、レシーバ液面検知管が合流する位置よりも下流側に冷媒加熱器を有している。このため、冷媒加熱器で加熱された後のレシーバガス抜き管を流れる冷媒の温度を使用してレシーバの液面検知を行うことができる。また、例えば、レシーバ内の液面が急激に上昇する等の不測の原因によって、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒に液冷媒が混入したとしても、冷媒加熱器で冷媒を加熱することができる。このため、レシーバガス抜き管からの液冷媒の流出を確実に防ぐことができる。
第2の観点にかかる冷凍装置は、第1の観点にかかる冷凍装置において、冷媒加熱器が、圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒によってレシーバガス抜き管を流れる冷媒を加熱する熱交換器である。
ここでは、上記のように、冷媒加熱器として圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒を加熱源とする熱交換器を採用している。このため、冷媒加熱器としてレシーバから流出する液冷媒を加熱源とする熱交換器を採用する場合に比べて、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒との温度差を大きくすることができるようになり、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒を加熱する能力を向上させることができる。
第3の観点にかかる冷凍装置は、第2の観点にかかる冷凍装置において、熱源側熱交換器の一部が、圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒を常時流す予冷熱交換器であり、予冷熱交換器の下流側には、電装品を冷却する冷媒冷却器が接続されており、冷媒加熱器が、予冷熱交換器の上流側に接続されている。
ここでは、上記のように、熱源側熱交換器の一部を、圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒を常時流す予冷熱交換器とし、予冷熱交換器の下流側には、電装品を冷却する冷媒冷却器を接続するようにすることで、圧縮機等の構成機器を制御するパワー素子等の電装品を冷却するようにしている。
そして、ここでは、このような冷媒冷却の構成を利用して、圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒によってレシーバガス抜き管を流れる冷媒を加熱する冷媒加熱器を、予冷熱交換器の上流側に接続するようにしている。このため、ここでは、冷媒加熱器が、圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒の一部を分岐して設けられていることになる。
そして、このように、冷媒加熱器を圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒の一部を分岐して設ける場合には、冷媒加熱器としてレシーバから流出する液冷媒を加熱源とする熱交換器を採用する場合に比べて、冷媒加熱器として、例えば、二重管熱交換器のような、やや圧損が大きくなるが高熱交換性能の熱交換器を採用しやすくなる。これにより、ここでは、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒を加熱する能力をさらに向上させることができる。
第4の観点にかかる冷凍装置は、第1〜第3の観点にかかる冷凍装置のいずれかにおいて、レシーバガス抜き管は、レシーバ液面検知管が合流する位置よりも下流側に、レシーバガス抜き管を流れる冷媒の流量を調節するガス抜き側流量調節機構を有している。
ここでは、上記のように、レシーバガス抜き管が、レシーバ液面検知管が合流する位置よりも下流側にガス抜き側流量調節機構を有している。このため、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒の流量を安定的に調節することができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の観点にかかる冷凍装置では、コストアップを極力抑えつつ、レシーバの液面検知を行い、レシーバガス抜き管からの液冷媒の流出を防ぐことができる。また、冷媒加熱器で加熱された後のレシーバガス抜き管を流れる冷媒の温度を使用してレシーバの液面検知を行うことができる。
第2の観点にかかる冷凍装置では、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒との温度差を大きくすることができるようになり、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒を加熱する能力を向上させることができる。
第3の観点にかかる冷凍装置では、冷媒加熱器を圧縮機から吐出される高圧のガス冷媒の一部を分岐して設けることで、高熱交換性能の熱交換器を採用しやすくなり、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒を加熱する能力をさらに向上させることができる。
第4の観点にかかる冷凍装置では、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒の流量を安定的に調節することができる。
本発明にかかる冷凍装置の一実施形態としての冷暖同時運転型空気調和装置の概略構成図である。
レシーバ及びその周辺の構造を示す概略図である。
冷房運転における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
暖房運転における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
冷暖同時運転(蒸発負荷主体)における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
冷暖同時運転(放熱負荷主体)における動作(冷媒の流れ)を示す図である。
本発明にかかる冷凍装置の変形例としての冷暖同時運転型空気調和装置の概略構成図である。
本発明にかかる冷凍装置の変形例としての冷暖同時運転型空気調和装置におけるレシーバ及びその周辺の構造を示す概略図である。
以下、本発明にかかる冷凍装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる冷凍装置の具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)冷凍装置(冷暖同時運転型空気調和装置)の構成
図1は、本発明にかかる冷凍装置の一実施形態としての冷暖同時運転型空気調和装置1の概略構成図である。冷暖同時運転型空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の室内の冷暖房に使用される装置である。
冷暖同時運転型空気調和装置1は、主として、1台の熱源ユニット2と、複数(ここでは、4台)の利用ユニット3a、3b、3c、3dと、各利用ユニット3a、3b、3c、3dに接続される接続ユニット4a、4b、4c、4dと、接続ユニット4a、4b、4c、4dを介して熱源ユニット2と利用ユニット3a、3b、3c、3dとを接続する冷媒連絡管7、8、9とを有している。すなわち、冷暖同時運転型空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、熱源ユニット2と、利用ユニット3a、3b、3c、3dと、接続ユニット4a、4b、4c、4dと、冷媒連絡管7、8、9とが接続されることによって構成されている。そして、冷暖同時運転型空気調和装置1は、各利用ユニット3a、3b、3c、3dが個別に冷房運転又は暖房運転を行うことが可能になっており、暖房運転を行う利用ユニットから冷房運転を行う利用ユニットに冷媒を送ることで利用ユニット間において熱回収を行うこと(ここでは、冷房運転と暖房運転とを同時に行う冷暖同時運転を行うこと)が可能になるように構成されている。しかも、冷暖同時運転型空気調和装置1では、上記の熱回収(冷暖同時運転)も考慮した複数の利用ユニット3a、3b、3c、3d全体の熱負荷に応じて、熱源ユニット2の熱負荷をバランスさせるように構成されている。
<利用ユニット>
利用ユニット3a、3b、3c、3dは、ビル等の室内の天井に埋め込みや吊り下げ等、又は、室内の壁面に壁掛け等により設置されている。利用ユニット3a、3b、3c、3dは、冷媒連絡管7、8、9及び接続ユニット4a、4b、4c、4dを介して熱源ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、利用ユニット3a、3b、3c、3dの構成について説明する。尚、利用ユニット3aと利用ユニット3b、3c、3dとは同様の構成であるため、ここでは、利用ユニット3aの構成のみ説明し、利用ユニット3b、3c、3dの構成については、それぞれ、利用ユニット3aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」の添字を付して、各部の説明を省略する。
利用ユニット3aは、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、利用側冷媒回路13a(利用ユニット3b、3c、3dでは、それぞれ、利用側冷媒回路13b、13c、13d)を有している。利用側冷媒回路13aは、主として、利用側流量調節弁51aと、利用側熱交換器52aとを有している。
利用側流量調節弁51aは、利用側熱交換器52aを流れる冷媒の流量の調節等を行うために、利用側熱交換器52aの液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。
利用側熱交換器52aは、冷媒と室内空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。ここで、利用ユニット3aは、ユニット内に室内空気を吸入して、熱交換した後に、供給空気として屋内に供給するための室内ファン53aを有しており、室内空気と利用側熱交換器32aを流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。室内ファン53aは、室内ファンモータ54aによって駆動される。
また、利用ユニット3aは、利用ユニット3aを構成する各部51a、54aの動作を制御する利用側制御部50aを有している。そして、利用側制御部50aは、利用ユニット3aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、リモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、熱源ユニット2との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<熱源ユニット>
熱源ユニット2は、ビル等の屋上等に設置されており、冷媒連絡管7、8、9を介して利用ユニット3a、3b、3c、3dに接続されており、利用ユニット3a、3b、3c、3dとの間で冷媒回路10を構成している。
次に、熱源ユニット2の構成について説明する。熱源ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、熱源側冷媒回路12を有している。熱源側冷媒回路12は、主として、圧縮機21と、複数(ここでは、2つ)の熱交切換機構22、23と、複数(ここでは、2つ)の熱源側熱交換器24、25と、2つの熱源側熱交換器24、25に対応する熱源側流量調節弁26、27と、レシーバ28と、ブリッジ回路29と、高低圧切換機構30と、液側閉鎖弁31と、高低圧ガス側閉鎖弁32と、低圧ガス側閉鎖弁33とを有している。
圧縮機21は、ここでは、冷媒を圧縮するための機器であり、例えば、圧縮機モータ21aをインバータ制御することで運転容量を可変することが可能なスクロール型等の容積式圧縮機からなる。
第1熱交切換機構22は、第1熱源側熱交換器24を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「放熱運転状態」とする)には圧縮機21の吐出側と第1熱源側熱交換器24のガス側とを接続し(図1の第1熱交切換機構22の実線を参照)、第1熱源側熱交換器24を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「蒸発運転状態」とする)には圧縮機21の吸入側と第1熱源側熱交換器24のガス側とを接続するように(図1の第1熱交切換機構22の破線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。また、第2熱交切換機構23は、第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「放熱運転状態」とする)には圧縮機21の吐出側と第2熱源側熱交換器25のガス側とを接続し(図1の第2熱交切換機構23の実線を参照)、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「蒸発運転状態」とする)には圧縮機21の吸入側と第2熱源側熱交換器25のガス側とを接続するように(図1の第2熱交切換機構23の破線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。そして、第1熱交切換機構22及び第2熱交切換機構23の切り換え状態を変更することによって、第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25は、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっている。
第1熱源側熱交換器24は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。第1熱源側熱交換器24は、そのガス側が第1熱交切換機構22に接続され、その液側が第1熱源側流量調節弁26に接続されている。また、第2熱源側熱交換器25は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。第2熱源側熱交換器25は、そのガス側が第2熱交切換機構23に接続され、その液側が第2熱源側流量調節弁27に接続されている。ここでは、第1熱源側熱交換器24と第2熱源側熱交換器25とが一体の熱源側熱交換器として構成されている。そして、熱源ユニット2は、ユニット内に室外空気を吸入して、熱交換した後に、ユニット外に排出するための室外ファン34を有しており、室外空気と熱源側熱交換器24、25を流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。室外ファン34は、回転数制御が可能な室外ファンモータ34aによって駆動される。
第1熱源側流量調節弁26は、第1熱源側熱交換器24を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第1熱源側熱交換器24の液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。また、第2熱源側流量調節弁27は、第2熱源側熱交換器25を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第2熱源側熱交換器25の液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。
レシーバ28は、熱源側熱交換器24、25と利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dとの間を流れる冷媒を一時的に溜めるための容器である。レシーバ28の上部には、レシーバ入口管28aが設けられており、レシーバ28の下部には、レシーバ出口管28bが設けられている。また、レシーバ入口管28aには、開閉制御が可能なレシーバ入口開閉弁28cが設けられている。そして、レシーバ28の入口管28a及び出口管28bは、ブリッジ回路29を介して、熱源側熱交換器24、25と液側閉鎖弁31との間に接続されている。
また、レシーバ28には、レシーバガス抜き管41が接続されている。レシーバガス抜き管41は、レシーバ入口管28aとは別にレシーバ28の上部から冷媒を抜き出すように設けられており、レシーバ28の上部と圧縮機21の吸入側とを接続している。レシーバガス抜き管41には、レシーバ28からガス抜きされる冷媒の流量の調節等を行うために、ガス抜き側流量調節機構としてのガス抜き側流量調節弁42が設けられている。ここで、ガス抜き側流量調節弁42は、開度調節が可能な電動膨張弁からなる。
また、レシーバ28には、図2に示すように、レシーバ28内の液面がレシーバガス抜き管41を接続した位置よりも下側の所定位置Aまで達しているかどうかを検知するためのレシーバ液面検知管43が接続されている。ここで、レシーバ液面検知管43は、レシーバ28の上下方向の中間付近の部分から冷媒を抜き出すように設けられている。そして、レシーバ液面検知管43は、キャピラリチューブ43aを介してレシーバガス抜き管41に合流している。ここで、レシーバ液面検知管43は、レシーバガス抜き管41のガス抜き側流量調節弁42が設けられている位置よりも上流側の部分に合流するように設けられている。さらに、レシーバガス抜き管41には、レシーバ液面検知管43が合流する位置よりも下流側に、レシーバガス抜き管41を流れる冷媒を加熱する冷媒加熱器44が設けられている。ここで、冷媒加熱器44は、レシーバ出口管28bを流れる冷媒を加熱源としてレシーバガス抜き管41を流れる冷媒を加熱する熱交換器であり、例えば、レシーバ出口管28bとレシーバガス抜き管41とを接触させることによって構成される配管熱交換器からなる。
ブリッジ回路29は、冷媒が熱源側熱交換器24、25側から液側閉鎖弁31側に向かって流れる場合、及び、冷媒が液側閉鎖弁31側から熱源側熱交換器24、25側に向かって流れる場合のいずれにおいても、レシーバ入口管28aを通じてレシーバ28内に冷媒を流入させ、レシーバ出口管28bを通じてレシーバ28内から冷媒を流出させる機能を有する回路である。ブリッジ回路29は、4つの逆止弁29a、29b、29c、29dを有している。そして、入口逆止弁29aは、熱源側熱交換器24、25側からレシーバ入口管28aへの冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。入口逆止弁29bは、液側閉鎖弁31側からレシーバ入口管28aへの冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。すなわち、入口逆止弁29a、29bは、熱源側熱交換器24、25側又は液側閉鎖弁31側からレシーバ入口管28aに冷媒を流通させる機能を有している。出口逆止弁29cは、レシーバ出口管28bから液側閉鎖弁31側への冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。出口逆止弁29dは、レシーバ出口管28bから熱源側熱交換器24、25側への冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。すなわち、出口逆止弁29c、29dは、レシーバ出口管28bから熱源側熱交換器24、25側又は液側閉鎖弁31側に冷媒を流通させる機能を有している。
高低圧切換機構30は、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dに送る場合(以下、「放熱負荷主体運転状態」とする)には、圧縮機21の吐出側と高低圧ガス側閉鎖弁32とを接続し(図1の高低圧切換機構30の破線を参照)、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dに送らない場合(以下、「蒸発負荷主体運転状態」とする)には、高低圧ガス側閉鎖弁32と圧縮機21の吸入側とを接続するように(図1の高低圧切換機構30の実線を参照)、熱源側冷媒回路12内における冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。
液側閉鎖弁31、高低圧ガス側閉鎖弁32及び低圧ガス側閉鎖弁33は、外部の機器・配管(具体的には、冷媒連絡管7、8及び9)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁31は、ブリッジ回路29を介してレシーバ入口管28a又はレシーバ出口管28bに接続されている。高低圧ガス側閉鎖弁32は、高低圧切換機構30に接続されている。低圧ガス側閉鎖弁33は、圧縮機21の吸入側に接続されている。
また、熱源ユニット2には、各種のセンサが設けられている。具体的には、圧縮機21の吸入側における冷媒の圧力を検出する吸入圧力センサ71と、レシーバガス抜き管41を流れる冷媒の温度を検出するガス抜き側温度センサ75とが設けられている。ここでは、ガス抜き側温度センサ75は、冷媒加熱器44の出口における冷媒の温度を検出するようにレシーバガス抜き管41に設けられている。また、熱源ユニット2は、熱源ユニット2を構成する各部21a、22、23、26、27、28c、30、34a、41の動作を制御する熱源側制御部20を有している。そして、熱源側制御部20は、熱源ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側制御部50a、50b、50c、50dとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<接続ユニット>
接続ユニット4a、4b、4c、4dは、ビル等の室内に利用ユニット3a、3b、3c、3dとともに設置されている。接続ユニット4a、4b、4c、4dは、冷媒連絡管9、10、11とともに、利用ユニット3、4、5と熱源ユニット2との間に介在しており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、接続ユニット4a、4b、4c、4dの構成について説明する。尚、接続ユニット4aと接続ユニット4b、4c、4dとは同様の構成であるため、ここでは、接続ユニット4aの構成のみ説明し、接続ユニット4b、4c、4dの構成については、それぞれ、接続ユニット4aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」の添字を付して、各部の説明を省略する。
接続ユニット4aは、主として、冷媒回路10の一部を構成しており、接続側冷媒回路14a(接続ユニット4b、4c、4dでは、それぞれ、接続側冷媒回路14b、14c、14d)を有している。接続側冷媒回路14aは、主として、液接続管61aと、ガス接続管62aとを有している。
液接続管61aは、液冷媒連絡管7と利用側冷媒回路13aの利用側流量調節弁51aとを接続している。
ガス接続管62aは、高低圧ガス冷媒連絡管8に接続された高圧ガス接続管63aと、低圧ガス冷媒連絡管9に接続された低圧ガス接続管64aと、高圧ガス接続管63aと低圧ガス接続管64aとを合流させる合流ガス接続管65aとを有している。合流ガス接続管65aは、利用側冷媒回路13aの利用側熱交換器52aのガス側に接続されている。高圧ガス接続管63aには、開閉制御が可能な高圧ガス開閉弁66aが設けられており、低圧ガス接続管64aには、開閉制御が可能な低圧ガス開閉弁67aが設けられている。
そして、接続ユニット4aは、利用ユニット3aが冷房運転を行う際には、低圧ガス開閉弁67aを開けた状態にして、液冷媒連絡管7を通じて液接続管61aに流入する冷媒を利用側冷媒回路13aの利用側流量調節弁51aを通じて利用側熱交換器52aに送り、利用側熱交換器52aにおいて室内空気との熱交換によって蒸発した冷媒を、合流ガス接続管65a及び低圧ガス接続管64aを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に戻すように機能することができる。また、接続ユニット4aは、利用ユニット3aが暖房運転を行う際には、低圧ガス開閉弁67aを閉止し、かつ、高圧ガス開閉弁66aを開けた状態にして、高低圧ガス冷媒連絡管8を通じて高圧ガス接続管63a及び合流ガス接続管65aに流入する冷媒を利用側冷媒回路13aの利用側熱交換器52aに送り、利用側熱交換器52aにおいて室内空気との熱交換によって放熱した冷媒を、利用側流量調節弁51a及び液接続管61aを通じて、液冷媒連絡管7に戻すように機能することができる。この機能は、接続ユニット4aだけでなく、接続ユニット4b、4c、4dも同様に有しているため、接続ユニット4a、4b、4c、4dによって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dは、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっている。
また、接続ユニット4aは、接続ユニット4aを構成する各部66a、67aの動作を制御する接続側制御部60aを有している。そして、接続側制御部60aは、接続ユニット60aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、利用ユニット3aの利用側制御部50aとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
以上のように、利用側冷媒回路13a、13b、13c、13dと、熱源側冷媒回路12と、冷媒連絡管7、8、9と、接続側冷媒回路14a、14b、14c、14dとが接続されて、冷暖同時運転型空気調和装置1の冷媒回路10が構成されている。そして、冷暖同時運転型空気調和装置1では、圧縮機21と、熱源側熱交換器24、25と、レシーバ28と、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dと、レシーバ28の上部と圧縮機21の吸入側とを接続するレシーバガス抜き管41とを含む冷媒回路を有する冷凍装置を構成している。そして、ここでは、後述のように、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28からガス冷媒を圧縮機21の吸入側に抜き出しながら冷凍サイクル運転を行うことが可能である。しかも、ここでは、上記のように、レシーバ28に、レシーバ28内の液面がレシーバガス抜き管41を接続した位置よりも下側の所定位置Aまで達しているかどうかを検知するためのレシーバ液面検知管43を接続しており、レシーバ液面検知管43が、キャピラリチューブ43aを介してレシーバガス抜き管41に合流しており、これにより、後述のように、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒にレシーバ液面検知管43から抜き出される冷媒が合流した後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒の温度を使用して、レシーバ28内の液面がレシーバガス抜き管41を接続した位置よりも下側の所定位置Aまで達しているかどうかの検知を行うようになっている。
(2)冷凍装置(冷暖同時運転型空気調和装置)の動作
次に、冷暖同時運転型空気調和装置1の動作について説明する。
冷暖同時運転型空気調和装置1の冷凍サイクル運転としては、冷房運転と、暖房運転と、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)と、冷暖同時運転(放熱負荷主体)とがある。ここで、冷房運転は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットだけが存在し、利用ユニット全体の蒸発負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させる運転である。暖房運転は、暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットだけが存在し、利用ユニット全体の放熱負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の蒸発器として機能させる運転である。冷暖同時運転(蒸発負荷主体)は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットと暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットとが混在し、利用ユニット全体の熱負荷が蒸発負荷主体である場合に、この利用ユニット全体の蒸発負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させる運転である。冷暖同時運転(放熱負荷主体)は、冷房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う利用ユニットと暖房運転(すなわち、利用側熱交換器が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う利用ユニットとが混在し、利用ユニット全体の熱負荷が放熱負荷主体である場合に、この利用ユニット全体の放熱負荷に対して熱源側熱交換器24、25を冷媒の蒸発器として機能させる運転である。
尚、これらの冷凍サイクル運転を含む冷暖同時運転型空気調和装置1の動作は、上記の制御部20、50a、50b、50c、50d、60a、60b、60c、60dによって行われる。
−冷房運転−
冷房運転の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3c、3dの全てが冷房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行い、熱源側熱交換器24、25が冷媒の放熱器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図3に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図3の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を放熱運転状態(図3の第1熱交切換機構22の実線で示された状態)に切り換え、第2熱交切換機構23を放熱運転状態(図3の第2熱交切換機構23の実線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器24、25を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を蒸発負荷主体運転状態(図3の高低圧切換機構30の実線で示された状態)に切り換えている。また、熱源側流量調節弁26、27は、開度調節され、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。さらに、ガス抜き側流量調節機構としてのガス抜き側流量調節弁42を開度調節することによって、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28からガス冷媒を圧縮機21の吸入側に抜き出すようになっている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、66d、及び、低圧ガス開閉弁67a、67b、67c、67dを開状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てを冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが高低圧ガス冷媒連絡管8及び低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、熱交切換機構22、23を通じて、熱源側熱交換器24、25に送られる。そして、熱源側熱交換器24、25に送られた高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器24、25において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。そして、熱源側熱交換器24、25において放熱した冷媒は、熱源側流量調節弁26、27において流量調節された後、合流して、入口逆止弁29a及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。そして、レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められて気液分離された後、ガス冷媒は、レシーバガス抜き管41を通じて圧縮機21の吸入側に抜き出され、液冷媒は、出口逆止弁29c及び液側閉鎖弁31を通じて、液冷媒連絡管7に送られる。
そして、液冷媒連絡管7に送られた冷媒は、4つに分岐されて、各接続ユニット4a、4b、4c、4dの液接続管61a、61b、61c、61dに送られる。そして、液接続管61a、61b、61c、61dに送られた冷媒は、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dに送られる。
そして、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dに送られた冷媒は、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて、室内ファン53a、53b、53c、53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの冷房運転が行われる。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット4a、4b、4c、4dの合流ガス接続管65a、65b、65c、65dに送られる。
そして、合流ガス接続管65a、65b、65c、65dに送られた低圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、66d及び高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dを通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られて合流するとともに、低圧ガス開閉弁67a、67b、67c、67d及び低圧ガス接続管64a、64b、64c、64dを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に送られて合流する。
そして、ガス冷媒連絡管8、9に送られた低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁32、33及び高低圧切換機構30を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、冷房運転における動作が行われる。尚、利用ユニット3a、3b、3c、3dのいくつかが冷房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dのいくつかが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行う等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の蒸発負荷が小さくなる場合には、熱源側熱交換器24、25の一方(例えば、第1熱源側熱交換器24)だけを冷媒の放熱器として機能させる運転が行われる。
−暖房運転−
暖房運転の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3c、3dの全てが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てが冷媒の放熱器として機能する運転)を行い、熱源側熱交換器24、25が冷媒の蒸発器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図4に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図4の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を蒸発運転状態(図4の第1熱交切換機構22の破線で示された状態)に切り換え、第2熱交切換機構23を蒸発運転状態(図4の第2熱交切換機構23の破線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器24、25を冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷主体運転状態(図4の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、熱源側流量調節弁26、27は、開度調節され、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。さらに、ガス抜き側流量調節機構としてのガス抜き側流量調節弁42を開度調節することによって、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28からガス冷媒を圧縮機21の吸入側に抜き出すようになっている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、66dを開状態にし、低圧ガス開閉弁67a、67b、67c、67dを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てを冷媒の放熱器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dの全てと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られる。
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、4つに分岐されて、各接続ユニット4a、4b、4c、4dの高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dに送られる。高圧ガス接続管63a、63b、63c、63dに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、66d及び合流ガス接続管65a、65b、65c、65dを通じて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの利用側熱交換器52a、52b、52c、52dに送られる。
そして、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて、室内ファン53a、53b、53c、53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3c、3dの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52a、52b、52c、52dにおいて放熱した冷媒は、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dにおいて流量調節された後、接続ユニット4a、4b、4c、4dの液接続管61a、61b、61c、61dに送られる。
そして、液接続管61a、61b、61c、61dに送られた冷媒は、液冷媒連絡管7に送られて合流する。
そして、液冷媒連絡管7に送られた冷媒は、液側閉鎖弁31、入口逆止弁29b及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められて気液分離された後、ガス冷媒は、レシーバガス抜き管41を通じて圧縮機21の吸入側に抜き出され、液冷媒は、出口逆止弁29dを通じて、熱源側流量調節弁26、27の両方に送られる。そして、熱源側流量調節弁26、27に送られた冷媒は、熱源側流量調節弁26、27において流量調節された後、熱源側熱交換器24、25において、室外ファン34によって供給される室外空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、熱交切換機構22、23に送られる。そして、熱交切換機構22、23に送られた低圧のガス冷媒は、合流して、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、暖房運転における動作が行われる。尚、利用ユニット3a、3b、3c、3dのいくつかが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52c、52dのいくつかが冷媒の放熱器として機能する運転)を行う等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の放熱負荷が小さくなる場合には、熱源側熱交換器24、25の一方(例えば、第1熱源側熱交換器24)だけを冷媒の蒸発器として機能させる運転が行われる。
−冷暖同時運転(蒸発負荷主体)−
冷暖同時運転(蒸発負荷主体)の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3cが冷房運転し、かつ、利用ユニット3dが暖房運転し(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52cが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用側熱交換器52dが冷媒の放熱器として機能する運転)を行い、第1熱源側熱交換器24が冷媒の放熱器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図5に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図5の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を放熱運転状態(図5の第1熱交切換機構22の実線で示された状態)に切り換えることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷主体運転状態(図5の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、第1熱源側流量調節弁26は、開度調節され、第2熱源側流量調節弁27は、閉状態になっており、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。さらに、ガス抜き側流量調節機構としてのガス抜き側流量調節弁42を開度調節することによって、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28からガス冷媒を圧縮機21の吸入側に抜き出すようになっている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66d、及び、低圧ガス開閉弁67a、67b、67cを開状態にし、かつ、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、及び、低圧ガス開閉弁67dを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cを冷媒の蒸発器として機能させ、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dを冷媒の放熱器として機能させるとともに、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になり、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、その一部が、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られ、残りが、第1熱交切換機構22を通じて、第1熱源側熱交換器24に送られる。
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、接続ユニット4dの高圧ガス接続管63dに送られる。高圧ガス接続管63dに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66d及び合流ガス接続管65dを通じて、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dに送られる。
そして、利用側熱交換器52dに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52dにおいて、室内ファン53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3dの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52dにおいて放熱した冷媒は、利用側流量調節弁51dにおいて流量調節された後、接続ユニット4dの液接続管61dに送られる。
また、第1熱源側熱交換器24に送られた高圧のガス冷媒は、第1熱源側熱交換器24において、室外ファン34によって供給される熱源としての室外空気と熱交換を行うことによって放熱する。そして、第1熱源側熱交換器24において放熱した冷媒は、第1熱源側流量調節弁26において流量調節された後、入口逆止弁29a及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。そして、レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められて気液分離された後、ガス冷媒は、レシーバガス抜き管41を通じて圧縮機21の吸入側に抜き出され、液冷媒は、出口逆止弁29c及び液側閉鎖弁31を通じて、液冷媒連絡管7に送られる。
そして、利用側熱交換器52dにおいて放熱して液接続管61dに送られた冷媒は、液冷媒連絡管7に送られて、第1熱源側熱交換器24において放熱して液冷媒連絡管7に送られた冷媒と合流する。
そして、液冷媒連絡管7において合流した冷媒は、3つに分岐されて、各接続ユニット4a、4b、4cの液接続管61a、61b、61cに送られる。そして、液接続管61a、61b、61cに送られた冷媒は、利用ユニット3a、3b、3cの利用側流量調節弁51a、51b、51cに送られる。
そして、利用側流量調節弁51a、51b、51cに送られた冷媒は、利用側流量調節弁51a、51b、51cにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて、室内ファン53a、53b、53cによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3cの冷房運転が行われる。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット4a、4b、4cの合流ガス接続管65a、65b、65cに送られる。
そして、合流ガス接続管65a、65b、65cに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁67a、67b、67c及び低圧ガス接続管64a、64b、64cを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に送られて合流する。
そして、低圧ガス冷媒連絡管9に送られた低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁33を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、冷暖同時運転(蒸発負荷主体)における動作が行われる。尚、冷房運転を行う利用ユニット(すなわち、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器)の数が少なくなる等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の蒸発負荷が小さくなる場合には、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させることで、第1熱源側熱交換器24の放熱負荷と第2熱源側熱交換器25との蒸発負荷とを相殺して熱源側熱交換器24、25全体の放熱負荷を小さくする運転が行われる。
−冷暖同時運転(放熱負荷主体)−
冷暖同時運転(放熱負荷主体)の際、例えば、利用ユニット3a、3b、3cが暖房運転し、かつ、利用ユニット3dが冷房運転し(すなわち、利用側熱交換器52a、52b、52cが冷媒の放熱器として機能し、かつ、利用側熱交換器52dが冷媒の蒸発器として機能する運転)を行い、第1熱源側熱交換器24だけが冷媒の蒸発器として機能する際、空気調和装置1の冷媒回路10は、図6に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図6の冷媒回路10に付された矢印を参照)。
具体的には、熱源ユニット2においては、第1熱交切換機構22を蒸発運転状態(図6の第1熱交切換機構22の破線で示された状態)に切り換えることによって、第1熱源側熱交換器24だけを冷媒の蒸発器として機能させるようになっている。また、高低圧切換機構30を放熱負荷主体運転状態(図6の高低圧切換機構30の破線で示された状態)に切り換えている。また、第1熱源側流量調節弁26は、開度調節され、第2熱源側流量調節弁27は、閉状態になっており、レシーバ入口開閉弁28cは、開状態になっている。さらに、ガス抜き側流量調節機構としてのガス抜き側流量調節弁42を開度調節することによって、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28からガス冷媒を圧縮機21の吸入側に抜き出すようになっている。接続ユニット4a、4b、4c、4dにおいては、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c、及び、低圧ガス開閉弁67dを開状態にし、かつ、高圧ガス開閉弁66d、及び、低圧ガス開閉弁67a、67b、67cを閉状態にすることによって、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cを冷媒の放熱器として機能させ、かつ、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dを冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット3dの利用側熱交換器52dと熱源ユニット2の圧縮機21の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡管9を介して接続された状態になり、かつ、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cと熱源ユニット2の圧縮機21の吐出側とが高低圧ガス冷媒連絡管8を介して接続された状態になっている。利用ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、利用側流量調節弁51a、51b、51c、51dは、開度調節されている。
このような冷媒回路10において、圧縮機21で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高低圧切換機構30及び高低圧ガス側閉鎖弁32を通じて、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られる。
そして、高低圧ガス冷媒連絡管8に送られた高圧のガス冷媒は、3つに分岐されて、各接続ユニット4a、4b、4cの高圧ガス接続管63a、63b、63cに送られる。高圧ガス接続管63a、63b、63cに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁66a、66b、66c及び合流ガス接続管65a、65b、65cを通じて、利用ユニット3a、3b、3cの利用側熱交換器52a、52b、52cに送られる。
そして、利用側熱交換器52a、52b、52cに送られた高圧のガス冷媒は、利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて、室内ファン53a、53b、53cによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって放熱する。一方、室内空気は、加熱されて室内に供給されて、利用ユニット3a、3b、3cの暖房運転が行われる。利用側熱交換器52a、52b、52cにおいて放熱した冷媒は、利用側流量調節弁51a、51b、51cにおいて流量調節された後、接続ユニット4a、4b、4cの液接続管61a、61b、61cに送られる。
そして、液接続管61a、61b、61c、61dに送られた冷媒は、液冷媒連絡管7に送られて合流する。
液冷媒連絡管7において合流した冷媒は、その一部が、接続ユニット4dの液接続管61dに送られ、残りが、液側閉鎖弁31、入口逆止弁29b及びレシーバ入口開閉弁28cを通じて、レシーバ28に送られる。
そして、接続ユニット4dの液接続管61dに送られた冷媒は、利用ユニット3dの利用側流量調節弁51dに送られる。
そして、利用側流量調節弁51dに送られた冷媒は、利用側流量調節弁51dにおいて流量調節された後、利用側熱交換器52dにおいて、室内ファン53dによって供給される室内空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒となる。一方、室内空気は、冷却されて室内に供給されて、利用ユニット3dの冷房運転が行われる。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット4dの合流ガス接続管65dに送られる。
そして、合流ガス接続管65dに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁67d及び低圧ガス接続管64dを通じて、低圧ガス冷媒連絡管9に送られる。
そして、低圧ガス冷媒連絡管9に送られた低圧のガス冷媒は、ガス側閉鎖弁33を通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。
また、レシーバ28に送られた冷媒は、レシーバ28内に一時的に溜められて気液分離された後、ガス冷媒は、レシーバガス抜き管41を通じて圧縮機21の吸入側に抜き出され、液冷媒は、出口逆止弁29dを通じて、第1熱源側流量調節弁26に送られる。そして、第1熱源側流量調節弁26に送られた冷媒は、第1熱源側流量調節弁26において流量調節された後、第1熱源側熱交換器24において、室外ファン34によって供給される室外空気と熱交換を行うことによって蒸発して低圧のガス冷媒になり、第1熱交切換機構22に送られる。そして、第1熱交切換機構22に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス冷媒連絡管9及びガス側閉鎖弁33を通じて圧縮機21の吸入側に戻される低圧のガス冷媒と合流して、圧縮機21の吸入側に戻される。
このようにして、冷暖同時運転(放熱負荷主体)における動作が行われる。尚、暖房運転を行う利用ユニット(すなわち、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器)の数が少なくなる等によって、利用側熱交換器52a、52b、52c、52d全体の放熱負荷が小さくなる場合には、第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させることで、第1熱源側熱交換器24の蒸発負荷と第2熱源側熱交換器25との放熱負荷とを相殺して熱源側熱交換器24、25全体の蒸発負荷を小さくする運転が行われる。
−レシーバの液面検知−
上記の各種冷凍サイクル運転においては、レシーバガス抜き管41を通じてレシーバ28から圧縮機21の吸入側に冷媒を抜き出す動作が行われている。レシーバガス抜き管41は、レシーバ28の上部(ここでは、図2に示す高さ位置B)から冷媒を抜き出すように設けられているため、通常はレシーバ28内で気液分離されたガス冷媒だけをレシーバ28から抜き出すようになっている。
しかし、冷媒回路10内で多量の余剰冷媒が発生する等によって、レシーバ28内に溜まる液冷媒の量が非常に多くなると、レシーバ28が満液付近(ここでは、高さ位置B)まで達してしまう場合があり、この場合には、レシーバガス抜き管41を通じて、液冷媒がレシーバ28から圧縮機21の吸入側に戻るおそれがある。
これに対して、ここでは、上記のように、レシーバ28内の液面がレシーバガス抜き管41を接続した位置(ここでは、高さ位置B)よりも下側の所定位置(ここでは、高さ位置Bよりも下側の高さ位置A)まで達しているかどうかを検知するためのレシーバ液面検知管43をレシーバ28に設けるようにしている。
そして、レシーバ液面検知管43によるレシーバ28内の液面検知は、以下のようにして行う。まず、レシーバ液面検知管43は、上記の各種冷凍サイクル運転時において、レシーバ28の所定の高さ位置Aから冷媒を抜き出している。ここで、レシーバ液面検知管43から抜き出された冷媒は、レシーバ28内の液面が所定の高さ位置Aよりも低い場合は、ガス状態となり、レシーバ28内の液面が所定の高さ位置A以上である場合は、液状態となる。
次に、レシーバ液面検知管43から抜き出された冷媒は、レシーバガス抜き管41から抜き出された冷媒と合流する。ここで、レシーバガス抜き管41から抜き出された冷媒は、レシーバ28内の液面が高さ位置Bより低い場合には、ガス状態である。このため、レシーバ液面検知管43から抜き出された冷媒がガス状態である場合には、レシーバガス抜き管41から抜き出された冷媒と合流した後にレシーバガス抜き管41を流れる冷媒も、ガス状態となる。一方、レシーバ液面検知管43から抜き出された冷媒が液状態である場合には、レシーバガス抜き管41から抜き出された冷媒と合流した後にレシーバガス抜き管41を流れる冷媒は、ガス冷媒に液冷媒が混入した気液二相状態となる。そして、レシーバ液面検知管43から抜き出された冷媒が合流した後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒は、ガス抜き側流量調節弁42によって圧縮機21の吸入側における冷媒の圧力近くまで減圧される。このガス抜き側流量調節弁42による減圧操作によって、レシーバガス抜き管41を流れる冷媒は、減圧操作前の冷媒の状態に応じた温度降下が発生することになる。すなわち、レシーバガス抜き管41を流れる冷媒がガス状態である場合には、減圧操作による温度降下は小さく、気液二相状態である場合には、減圧操作による温度降下は大きくなる。このため、ここでは採用していないが、ガス抜き側流量調節弁42で減圧操作された後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒の温度を使用して、液面検知管43から抜き出された冷媒が液状態であるかどうか(レシーバ28内の液面が高さ位置Aまで達しているかどうか)を検知することができる。
次に、ガス抜き側流量調節弁42で減圧操作された後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒は、冷媒加熱器44に送られて、レシーバ出口管28bを流れる冷媒と熱交換を行って加熱される。この冷媒加熱器44による加熱操作によって、レシーバガス抜き管41を流れる冷媒は、加熱操作前の冷媒の状態に応じた温度上昇が発生することになる。すなわち、ガス抜き側流量調節弁42で減圧操作された後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒がガス状態である場合には、加熱操作による温度上昇が大きく、気液二相状態である場合には、減圧操作による温度上昇が小さくなる。このため、ここでは、ガス抜き側温度センサ75によって、冷媒加熱器44で加熱操作された後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒の温度を検出して、この検出された冷媒の温度を使用して、液面検知管43から抜き出された冷媒が液状態であるかどうか(レシーバ28内の液面が高さ位置Aまで達しているかどうか)を検知している。具体的には、ガス抜き側温度センサ75によって検出された冷媒の温度から吸入圧力センサ71によって検出された冷媒の圧力を換算することによって得られる冷媒の飽和温度を差し引くことによって、冷媒加熱器44で加熱操作された後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒の過熱度を得る。そして、この冷媒の過熱度が所定の温度差以上である場合には、液面検知管43から抜き出された冷媒がガス状態である(レシーバ28内の液面が高さ位置Aまで達していない)と判断し、この冷媒の過熱度が所定の温度差に達しない場合には、液面検知管43から抜き出された冷媒が液状態である(レシーバ28内の液面が高さ位置Aまで達している)と判断する。
このように、ここでは、レシーバ28に設けたレシーバガス抜き管41及びレシーバ液面検知管43を使用して、レシーバ28の液面検知を行うことができる。そして、このレシーバ28の液面検知によって、レシーバ28内の液面が高さ位置Aまで達しない場合には、レシーバガス抜き管41からのガス抜きを行い、レシーバ28内の液面が高さ位置Aまで達した場合には、レシーバガス抜き管41から液冷媒が流出する前に(レシーバ28内の液面が高さ位置Bに達する前に)、ガス抜き側流量調節弁42の開度を小さくする等によってレシーバ28内の液面を低下させる操作を行うことができる。
(3)熱回収型冷凍装置(冷暖同時運転型空気調和装置)の特徴
冷暖同時運転型空気調和装置1には、以下のような特徴がある。
<A>
ここでは、上記のように、まず、レシーバ28に、レシーバ28内の液面がレシーバガス抜き管41を接続した位置(高さ位置B)よりも下側の所定位置(高さ位置A)まで達しているかどうかを検知するためのレシーバ液面検知管43を設けるようにしている。このため、レシーバ28内の液面がレシーバガス抜き管41の高さ位置B(すなわち、満液付近)に達する前に、レシーバ28の液面検知を行うことができる。
しかも、ここでは、上記のように、レシーバ液面検知管43をレシーバガス抜き管41に合流させて、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒にレシーバ液面検知管43から抜き出される冷媒が合流した後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒の温度を使用してレシーバ28の液面検知を行うようにしている。ここで、レシーバ液面検知管43をキャピラリチューブ43aを介してレシーバガス抜き管41に合流させているため、レシーバ液面検知管43から液面検知に適した少流量の冷媒を安定的に抜き出すことができる。すなわち、レシーバガス抜き管41の大部分をレシーバ液面検知管43と兼用して、レシーバ液面検知管43の大部分を省略するようにしている。このため、レシーバガス抜き管41とは別にレシーバ液面検知管43をレシーバ28に設ける場合に比べて、レシーバ液面検知管43を設けることによるコストアップを抑えることができる。
これにより、ここでは、コストアップを極力抑えつつ、レシーバの28液面検知を行い、レシーバガス抜き管41からの液冷媒の流出を防ぐことができる。
<B>
ここでは、上記のように、レシーバガス抜き管41が、レシーバ液面検知管43が合流する位置よりも下流側に冷媒加熱器44を有している。このため、冷媒加熱器44で加熱された後のレシーバガス抜き管41を流れる冷媒の温度を使用してレシーバ28の液面検知を行うことができる。また、例えば、レシーバ28内の液面が急激に上昇する等の不測の原因によって、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒に液冷媒が混入したとしても、冷媒加熱器44で冷媒を加熱することができる。このため、レシーバガス抜き管41からの液冷媒の流出を確実に防ぐことができる。
<C>
ここでは、上記のように、レシーバガス抜き管41が、レシーバ液面検知管43が合流する位置よりも下流側にガス抜き側流量調節機構としてのガス抜き側流量調節弁42を有している。このため、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒の流量を安定的に調節することができる。
(4)変形例1
上記の実施形態では、図1〜図6に示すように、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒を加熱する冷媒加熱器44としてレシーバ28から流出する液冷媒を加熱源とする熱交換器を採用している。具体的には、冷媒加熱器44をレシーバ出口管28bに設けて、レシーバ出口管28bを流れる冷媒によってレシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒を加熱するようにしている。
しかし、この場合には、冷媒加熱器44をレシーバ出口管28bに設けているため、例えば、二重管熱交換器のような、やや圧損が大きい熱交換器を採用しにくい。また、この場合には、レシーバ28から流出する液冷媒が加熱源となるため、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒との温度差が小さくなり、レシーバガス抜き管から抜き出される冷媒を加熱する能力があまり大きくできない。
そこで、ここでは、図7及び図8に示すように、冷媒加熱器44として、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒によってレシーバガス抜き管41を流れる冷媒を加熱する熱交換器を採用するようにしている。
具体的には、ここでは、まず、上記の実施形態において第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25という2つの熱交換器によって構成されていた熱源側熱交換器を、熱源側熱交換器24、25及び予冷熱交換器35という3つの熱交換器によって構成するようにしている。そして、この熱源側熱交換器24、25、35の一部である予冷熱交換器35を、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒を常時流す熱交換器として機能させることができるように冷媒回路10に設けるようにしている。ここでは、予冷熱交換器35は、熱源側熱交換器24、25とは異なり、熱交切換機構22、23のような冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えを可能にするための機構を介することなく、そのガス側が圧縮機21の吐出側に接続されている。そして、予冷熱交換器35の下流側には、圧縮機モータ21aを制御するためのインバータを構成するパワー素子やリアクタ等の高発熱電気部品を含む電装品20aを冷却する冷媒冷却器36を接続するようにしている。そして、この冷媒冷却器35を、予冷熱交換器35において放熱した冷媒と電装品20aとの熱交換を行うことで電装品20aを冷却する機器として機能させるようにしている。そして、冷媒冷却器35を通過した冷媒は、冷媒冷却器36の下流側に接続された冷媒冷却側流量調節弁37によって予冷熱交換器35及び冷媒冷却器36を流れる冷媒の流量の調節等が行われるようになっている。この冷媒冷却側流量調節弁37の出口は、レシーバ出口管28bに合流するように接続されている。ここで、図7には、冷房運転時における冷媒の流れ(図7の矢印参照)、すなわち、冷房運転時において、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒の一部が分岐されて、予冷熱交換器35、冷媒冷却器36及び冷媒冷却側流量調節弁37を通じて、レシーバ出口管28bに合流する流れを示している。尚、ここでは説明を省略するが、暖房運転や冷暖同時運転のような冷凍サイクル運転時においても、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒の一部が分岐されて、予冷熱交換器35、冷媒冷却器36及び冷媒冷却側流量調節弁37を通じて、レシーバ出口管28bに合流する流れが得られることになる。
そして、ここでは、冷媒加熱器44を、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒が常時流れる予冷熱交換器35の上流側に接続するようにしている。すなわち、ここでは、冷凍サイクル運転時において、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒の一部が分岐されて、冷媒加熱器44、予冷熱交換器35、冷媒冷却器36及び冷媒冷却側流量調節弁37を通じて、レシーバ出口管28bに合流する流れが得られ、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒は、この圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒の一部によって加熱されることになる(図7の矢印及び図8参照)。
このように、ここでは、上記のように、冷媒加熱器44として圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒を加熱源とする熱交換器を採用している。このため、上記の実施形態のような、冷媒加熱器44としてレシーバ28から流出する液冷媒を加熱源とする熱交換器を採用する場合に比べて、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒との温度差を大きくすることができるようになる。これにより、ここでは、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒を加熱する能力を向上させることができる。
また、ここでは、上記のように、熱源側熱交換器の一部を、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒を常時流す予冷熱交換器35とし、予冷熱交換器35の下流側には、電装品20aを冷却する冷媒冷却器36を接続するようにすることで、圧縮機21等の構成機器を制御するパワー素子等の電装品20aを冷却するようにしている。
そして、ここでは、このような冷媒冷却の構成を利用して、上記のように、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒によってレシーバガス抜き管41を流れる冷媒を加熱する冷媒加熱器44を、予冷熱交換器35の上流側に接続するようにしている。このため、ここでは、冷媒加熱器44が、圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒の一部を分岐して設けられていることになる。
そして、このように、冷媒加熱器44を圧縮機21から吐出される高圧のガス冷媒の一部を分岐して設ける場合には、上位の実施形態のような、冷媒加熱器44としてレシーバ28から流出する液冷媒を加熱源とする熱交換器を採用する場合に比べて、冷媒加熱器44として、例えば、二重管熱交換器のような、やや圧損が大きくなるが高熱交換性能の熱交換器を採用しやすくなる。これにより、ここでは、レシーバガス抜き管41から抜き出される冷媒を加熱する能力をさらに向上させることができる。
(5)変形例2
上記の実施形態及び変形例1では、本発明が適用される冷凍装置として、冷暖同時運転型空気調和装置1の構成例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではない。すなわち、冷暖切換運転型や冷房運転専用型の空気調和装置等であっても、圧縮機と熱源側熱交換器とレシーバと利用側熱交換器とレシーバガス抜き管とを含んでおり、レシーバガス抜き管を通じてレシーバからガス冷媒を圧縮機の吸入側に抜き出しながら冷凍サイクル運転を行うことが可能な構成であれば、本発明を適用することが可能である。
本発明は、圧縮機と熱源側熱交換器とレシーバと利用側熱交換器とレシーバガス抜き管とを含んでおり、レシーバガス抜き管を通じてレシーバからガス冷媒を圧縮機の吸入側に抜き出しながら冷凍サイクル運転を行うことが可能な冷凍装置に対して、広く適用可能である。
1 冷暖同時運転型空気調和装置(冷凍装置)
21 圧縮機
24、25、35 熱源側熱交換器
28 レシーバ
35 予冷熱交換器
36 冷媒冷却器
41 レシーバガス抜き管
42 ガス抜き側流量調節弁(ガス抜き側流量調節機構)
43 レシーバ液面検知管
43a キャピラリチューブ
44 冷媒加熱器
52a、52b、52c、52d 利用側熱交換器
特開2010−175190号公報
特開2006−292212号公報