JP2015094113A - 免震建築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存の技術を応用した簡易な構成によって、免震ピットの土留め壁に建物本体が衝突する際の衝撃を効果的に抑制できるようにして、建物本体の損傷を少なくできる免震建築物を提供する。
【解決手段】免震装置13によって建物本体11が支持されており、免震ピット12の周囲の土留め壁14と建物本体11の基部11aとの間に間隔sを保持して、地震時に免震装置13による建物本体11の横移動を可能にする免震建築物10において、土留め壁14は鉄筋コンクリート製の擁壁16からなり、内側からの衝突荷重によって当該擁壁16が外側に折れ曲がるように誘導する、易損傷部が形成されており、易損傷部は、鉄筋コンクリート製の擁壁16における当該易損傷部に配筋された主鉄筋が周囲のコンクリートと付着していない状態となっている、非付着部によって形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、免震建築物に関し、特に、免震ピットに設けられた免震装置によって建物本体が支持されている免震建築物に関する。
例えば高層ビルのような大規模建築物として、建物本体を、免震ピットに設けられた積層ゴム支承式免震装置や、ダンパーや、滑り支承式免震装置等からなる公知の免震装置によって支持させることで、地震時の地震力を免震装置で吸収して、免震ピットから建物本体に地震力を緩和させた状態で伝えることにより、建物本体の横揺れを低減できるようにした免震建築物が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
これらの免震建築物では、免震ピットは、鉄筋コンクリート製の底盤部と、底盤部の周縁部分から立設して、免震ピットの周囲を囲んで設けられた土留め壁とからなり、土留め壁と建物本体の基部との間に間隔を保持して、地震時における免震装置による建物本体の横移動を可能にしている。また、土留め壁と建物本体の基部との間に保持された間隔は、想定される地震力に対する免震装置の設計変位量を鑑みて設定されており、想定内の大きさの地震が発生した際には、建物本体の基部を土留め壁に衝突させることなく、免震ピット内で建物本体の横移動させることが可能である。
一方、地震は、想定を超えて、さらに大きなものが発生することが考えられるため、特許文献1や特許文献2の免震建築物では、建物本体が地震時に想定の範囲を超えて横移動した場合に、免震ピットの土留め壁に建物本体が衝突する際の衝撃を抑制できるようにして、建物本体の損傷を少なくする工夫がなされている。
特開2006−283288号公報 特開2012−233362号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された、建物本体が地震時に想定の範囲を超えて横移動した場合に、土留め壁に建物本体が衝突する際の衝撃を抑制できるようにする技術によれば、アイデアとしては優れている一方で、高層ビルのような大規模建築物の、相当の重量を有する建物本体が、土留め壁に衝突する際の衝撃を効果的に抑制できるようにするためには、特許文献1における、潜り込んだり乗り上げたりしながら接触する斜面部の構造及びこれに取り付けられる摩擦材や、特許文献1における、土留め壁の改良土露出部を形成する改良土(特許文献2)について、さらに開発を進める必要を生じて、現実に採用するのは困難である。
本発明は、既存の技術を応用した簡易な構成によって、建物本体が地震時に想定の範囲を超えて横移動した場合に、免震ピットの土留め壁に建物本体が衝突する際の衝撃を効果的に抑制できるようにして、建物本体の損傷を少なくすることのできる免震建築物を提供することを目的とする。
本発明は、免震ピットに設けられた免震装置によって建物本体が支持されており、免震ピットの周囲を囲む土留め壁と建物本体の基部との間に間隔を保持して、地震時における免震装置による建物本体の横移動を可能にしている免震建築物において、前記土留め壁は、免震ピットの底盤部の周縁部分から一体として立設する鉄筋コンクリート製の擁壁からなり、該鉄筋コンクリート製の擁壁には、内側からの衝突荷重によって当該擁壁が外側に折れ曲がるように誘導する、易損傷部が設けられている免震建築物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の免震建築物は、前記易損傷部が、前記土留め壁を構成する前記鉄筋コンクリート製の擁壁の、前記底盤部との接合基端部分に設けられていることが好ましい。
また、本発明の免震建築物は、前記易損傷部が、前記鉄筋コンクリート製の擁壁における当該易損傷部に配筋された主鉄筋が周囲のコンクリートと付着していない状態となっている、非付着部によって形成されていることが好ましい。
さらに、本発明の免震建築物は、前記主鉄筋の非付着部と並設されて、補助主筋が、周囲のコンクリートと付着した状態で配筋されていることが好ましい。
さらにまた、本発明の免震建築物は、前記土留め壁を構成する前記鉄筋コンクリート製の擁壁における、前記建物本体の基部が衝突する可能性のある部分の内側表面を覆って、衝撃吸収材が取り付けられていることが好ましい。
また、本発明の免震建築物は、前記土留め壁を構成する前記鉄筋コンクリート製の擁壁の背面側に、セメント、合成樹脂、又は弾性補強繊維材を配合した改良土からなる埋戻し土が、衝撃吸収土として埋め戻されていることが好ましい。
本発明の免震建築物によれば、既存の技術を応用した簡易な構成によって、建物本体が地震時に想定の範囲を超えて横移動した場合に、免震ピットの土留め壁に建物本体が衝突する際の衝撃を効果的に抑制できるようにして、建物本体の損傷を少なくすることができる。
本発明の好ましい一実施形態に係る免震建築物を、要部を破断した状態で示す略示正面図である。 免震ピットの易損傷部が形成された土留め壁を説明する要部略示断面図である。 (a)、(b)は、土留め壁に形成された易損傷部の好ましい形態を説明する配筋断面図である。 易損傷部が形成された土留め壁の他の形態を例示する略示断面図である。 易損傷部が形成された土留め壁の他の形態を例示する略示断面図である。 易損傷部が形成された土留め壁の他の形態を例示する略示断面図である。
図1に示す本発明の好ましい一実施形態に係る免震建築物10は、例えば高層ビルであって、建物本体11が、免震ピット12に設けられた免震装置13によって支持されていることにより、地震時の地震力を免震装置13で吸収して、免震ピット12から建物本体11に地震力を緩和した状態で伝えることで、建物本体11の横揺れを低減できるようになっている。また、本実施形態の免震建築物10は、免震ピット12の周囲を囲む土留め壁14と建物本体11の基部11aとの間に間隔sを保持して、地震時における免震装置13による建物本体11の横移動を可能にすると共に、想定を超えた大きな地震が発生して、建物本体11が過度に横移動した場合には、土留め壁14に建物本体11の基部11を衝突させて、建物本体11の横移動を制限すると共に、衝突する際の衝撃を効果的に抑制できるようにする機能を備えている。
そして、本実施形態の免震建築物10は、免震ピット12に設けられた免震装置13によって建物本体11が支持されており、免震ピット12の周囲を囲む土留め壁14と建物本体11の基部11aとの間に間隔sを保持して、地震時における免震装置13による建物本体11の横移動を可能にしている建築物において、図2及び図3(a)、(b)に示すように、免震ピット12の周囲を囲む土留め壁14は、免震ピット12の底盤部15の周縁部分から一体として立設する鉄筋コンクリート製の擁壁16からなり、この鉄筋コンクリート製の擁壁16には、内側からの衝突荷重によって当該擁壁16が外側に折れ曲がるように誘導する、易損傷部17が設けられている。
また、本実施形態では、易損傷部17は、土留め壁14を構成する鉄筋コンクリート製の擁壁16の底盤部15との接合基端部分に設けられており、易損傷部17は、鉄筋コンクリート製の擁壁16における当該易損傷部17に配筋された主鉄筋18が周囲のコンクリートと付着していない状態となっている、非付着部18aによって形成されている。
本実施形態では、免震ピット12は、図1に示すように、地盤面19を凹状に窪ませて、建物本体11の平面形状よりも一回り大きな、これと同様の例えば矩形の平面形状を備えるように形成されており、鉄筋コンクリート製の底盤部15と、底盤部15の周縁部分から一体として立設して、免震ピット12の周囲を囲むように形成された、鉄筋コンクリート製の擁壁16である土留め壁14とからなる。底盤部15の下方には、地中梁20が、好ましくは縦横に格子状に配置されて一体として設けられている。格子状に配置された地中梁20の各交点部分には、地中に打ち込まれた基礎杭21の頭部が一体として接合されていて、建物本体11からの荷重を強固に支持できるようになっている。
免震装置13は、本実施形態では、好ましくは積層ゴム支承式免震装置となっている。積層ゴム支承式免震装置13は、免震ゴムからなる弾性層と金属プレートからなる剛性層とを、交互に多数積層して円柱形状に成形した積層ゴム13aと、この積層ゴム13aを挟んで上下に一体として配置された、下部フーチング13b及び上部フーチング13cとからなる公知のものである。免震装置13は、格子状に配置された地中梁20の各交点部分に下部フーチング13bを接合すると共に、建物本体11の基部11aを構成する柱脚部11bに上部フーチング13cを接合することによって、基礎杭21の直上部分に各々配置されて複数取り付けられている。これによって、免震装置13は、免震ピット12の底盤部15と、建物本体11の基部11aとの間に介在して、建物本体11を横移動可能な状態で、建物本体11からの荷重を支持することができるようになっている。
本実施形態では、免震ピット12の周囲を囲む土留め壁14は、底盤部15と連続して設けられた、鉄筋コンクリート製の擁壁16となっている。この鉄筋コンクリート製の擁壁16の、底盤部15との接合基端部分には、図2に示すように、内側からの衝突荷重によって、外側に折れ曲がって倒れ込み易くなるように誘導する、易損傷部17が設けられている。易損傷部17は、本実施形態では、上述のように、当該易損傷部17に配筋された主鉄筋18に、周囲のコンクリートと付着していない非付着部18aを設けることによって形成されている。
すなわち、易損傷部17は、図3(a)、(b)に示すように、底盤部15と土留め壁14とに跨って配筋されてこれらを連続一体化する主鉄筋18の、擁壁16における底盤部15との接合基端部分に配置された部分を、例えば100〜500mm程度の長さに亘って、周囲のコンクリートと付着していない非付着部18aとすることによって形成されている。図3(a)では、非付着部18aが設けられた主鉄筋18は、底盤部15から擁壁16の略1/4の高さ位置まで延設して配筋されている。図3(b)では、非付着部18aが設けられた連結主鉄筋18は、底盤部15から擁壁16の上端部まで延設して、免震ピット12側の主鉄筋18と埋戻し土22側の連結主鉄筋18とがコの字形状に連結された状態で配筋されている。
ここで、例えば特開2003−155778号公報に記載されるように、例えば柱と基礎との接合部分で当該柱と基礎とに連続して配筋される主鉄筋に、周囲のコンクリートやモルタルとの付着強度を実質的にゼロ(アンボンド状態)とした非付着部を設けることによって、地震時に曲げモーメント荷重を受けた際に、この非付着部において主鉄筋を降伏させて塑性変形させることで、地震エネルギーを効果的に吸収できることが知られている。本実施形態では、このような主鉄筋に非付着部を設けることで地震エネルギーを吸収させる機能を利用して、易損傷部17を、免震ピット12の周囲を囲む鉄筋コンクリート製の擁壁16に容易に形成できるようになっている。
また、本実施形態では、周囲のコンクリートと付着していない非付着部18aを主鉄筋18に設ける方法として、例えば主鉄筋18の周囲を覆ってシース管を装着すると共に、これの内側にコンクリートやモルタルが入り込まないようにしたり、主鉄筋18の周囲に布やテープを巻き付けたり、主鉄筋18の周囲に合成樹脂を塗着させたりする方法等、公知の種々の方法を用いることができる。
なお、本実施形態では、主鉄筋18は、鉄筋コンクリート製の擁壁16の免震ピット12側及び埋戻し土22側の、両側の壁面に沿って設けられており、非付着部18aは、両側の主鉄筋18に各々設けられている。免震ピット12側及び埋戻し土22側の双方の主鉄筋18に非付着部18aを設けておくことで、易損傷部17をよりスムーズに損傷させて、鉄筋コンクリート製の擁壁16を外側に倒れ込ませることが可能になる。非付着部18aは、図6に示すように、建物本体11の基部11が土留め壁14に衝突した際に、曲げモーメントによる引張り荷重を受けることになる、免震ピット12側の主鉄筋18にのみ設けて、易損傷部17を形成することもできる。
そして、本実施形態では、主鉄筋18の非付着部18aと並設して、補助主筋23が、周囲のコンクリートと付着した状態で配筋されている。補助主筋23は、主鉄筋18に沿ってこれと平行又は略平行に延設して配筋されている。また補助主筋23は、好ましくは非付着部18aの外側に、非付着部18aと離間した状態で並設されると共に、非付着部18aよりもさらに上方に延設して配筋されている。補助主筋23は、主鉄筋18と間隔をおいて並設されることにより、周囲のコンクリートと付着した状態で配筋されると共に、擁壁16が延設する横方向に主鉄筋18と同様のピッチで配筋されている。補助主筋23は、主鉄筋18の配筋ピッチの中間部分に配筋することもでき、主鉄筋18に近接して配筋することもできる。
図3(a)では、補助主筋23は、底盤部15から擁壁16の略1/4の高さ位置までしか配筋されていない主鉄筋18を効果的の補強できるように、擁壁16の上端部まで延設して、免震ピット12側の補助主筋23と、埋戻し土22側の補助主筋23とがコの字形状に連結された状態で配筋されている。図3(b)では、補助主筋23は、底盤部15から擁壁16の上端部まで延設してコの字形状に連結された状態で配筋されている、主鉄筋18の非付着部18aに沿わせるようにして、非付着部18aを超えて擁壁16の略1/4の高さ位置まで、添え筋として配筋されている。
主鉄筋18の非付着部18aと並設して、補助主筋23が、周囲のコンクリートと付着した状態で配筋されていることにより、主鉄筋18に非付着部18aを設けたことによる鉄筋コンクリート製の擁壁16のせん断耐力等の強度の低下を効果的に補って、建物本体11の基部11が土留め壁14に衝突した際の易損傷部17の損傷のし易さを保持しつつ、例えば地震が生じていない通常時や、想定内の地震が生じた際の土留め壁14としての所望の強度を、安定した状態で保持することが可能になる。
また、本実施形態では、図2に示すように、土留め壁14を構成する鉄筋コンクリート製の擁壁16における、少なくとも建物本体11の基部11aが衝突する可能性のある部分の内側表面(免震ピット12側の面)を覆って、衝撃吸収材24が取り付けられている。衝撃吸収材24としては、例えばウレタン、ゴム等の、重量物の衝突時の衝撃を緩和する機能を備える、公知の各種の衝撃吸収材を用いることができる。土留め壁14の内側表面に衝撃吸収材24が取り付けられていることにより、建物本体11の基部11が土留め壁14に衝突した際に、擁壁16の損傷部17を損傷させつつ、地震エネルギーをさらに効果的に吸収させることが可能になる。
本実施形態では、土留め壁14を構成する鉄筋コンクリート製の擁壁16の背面側に、セメント、合成樹脂、又は弾性補強繊維材を配合した改良土からなる埋戻し土22が、衝撃吸収土として埋め戻されている。鉄筋コンクリート製の擁壁16の背面側に衝撃吸収土22が埋め戻されていることにより、建物本体11の基部11が土留め壁14に衝突した際に、鉄筋コンクリート製の擁壁16の損傷部17を損傷させて擁壁16を外側に倒れ込ませながら、地震エネルギーをさらに効果的に吸収させることが可能になる。
そして、上述の構成を備える本実施形態の免震建築物10によれば、既存の技術を応用した簡易な構成によって、建物本体11が地震時に想定の範囲を超えて横移動した場合に、免震ピット12の土留め壁14に建物本体11が衝突する際の衝撃を効果的に抑制できるようにして、建物本体11の損傷を少なくすることが可能になる。
すなわち、本実施形態によれば、免震ピット12の周囲を囲む土留め壁14は、免震ピット12の底盤部15の周縁部分から一体として立設する鉄筋コンクリート製の擁壁16からなり、この鉄筋コンクリート製の擁壁16には、内側からの衝突荷重によって当該擁壁16が外側に折れ曲がるように誘導する、易損傷部17が設けられている。易損傷部17は、例えば鉄筋コンクリート製の擁壁16における当該易損傷部17に配筋される部分の主鉄筋18に非付着部18aを形成すること等による、公知の方法によって簡易に設けることができると共に、易損傷部17は、想定外の地震が発生して建物本体11が過度に横移動した場合に、建物本体11の基部11aが土留め壁14に衝突することによって容易に損傷して、鉄筋コンクリート製の擁壁16を外側に倒れ込ませることで、衝突時の衝撃を効果的に吸収して抑制することができるので、建物本体11に与える衝撃を緩和して、建物本体11の損傷を少なくすることが可能になる。
また、本実施形態によれば、易損傷部17は、建物本体11の基部11aが土留め壁14に衝突した際に、最も大きな曲げモーメント荷重が付加される、鉄筋コンクリート製の擁壁16の底盤部15との接合基端部分に設けられているので、衝突時の衝撃によって易損傷部17をよりスムーズに損傷させて、擁壁16を外側に倒れ込ませることが可能になる。
図4は、易損傷部17’が形成された土留め壁14’の他の形態を例示するものである。図4の土留め壁14’では、当該土留め壁14’を構成する鉄筋コンクリート製の擁壁16’は、建物本体11の基部11aを衝突させる部分である上部擁壁部16a’と、上部擁壁部16a’よりも壁厚が厚くなった下部擁壁部16b’とからなり、易損傷部17’は、上部擁壁部16a’の下部擁壁部16b’との接合基端部分に設けられている。また、衝撃吸収材24’が、上部擁壁部16a’の内側表面を覆って取り付けられており、上部擁壁部16a’の背面側に、セメント、合成樹脂、又は弾性補強繊維材を配合した改良土からなる埋戻し土22’が、衝撃吸収土として埋め戻されている。図4の土留め壁14’によっても、上記実施形態の土留め壁14’と同様の作用効果が奏される。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、土留め壁を構成する鉄筋コンクリート製の擁壁の内側表面を覆って、衝撃吸収材を取り付ける必要は必ずしもなく、擁壁の背面側に衝撃吸収土を埋め戻す必要は必ずしもない。また、主鉄筋の非付着部と並設して補助主筋を設ける必要は必ずしもない。さらに、内側からの衝突荷重によって鉄筋コンクリート製の擁壁が外側に折れ曲がるように誘導する易損傷部は、鉄筋コンクリート製の擁壁における当該易損傷部に配筋される部分の主鉄筋に非付着部を設けて形成する必要は必ずしもなく、例えば図5に示すように、土留め壁14”を構成する鉄筋コンクリート製の擁壁16”の一部に切欠き部16c”を形成して、この部分の擁壁16”を薄厚とすることで、擁壁16”が外側に折れ曲がるように誘導する易損傷部17”を設けることもできる。
10 免震建築物
11 建物本体
11a 基部
12 免震ピット
13 免震装置
14 土留め壁
15 底盤部
16 鉄筋コンクリート製の擁壁
17 易損傷部
18 主鉄筋
19 地盤面
20 地中梁
21 基礎杭
22 埋戻し土(衝撃吸収土)
23 補助主筋
24 衝撃吸収材

Claims (6)

  1. 免震ピットに設けられた免震装置によって建物本体が支持されており、免震ピットの周囲を囲む土留め壁と建物本体の基部との間に間隔を保持して、地震時における免震装置による建物本体の横移動を可能にしている免震建築物において、
    前記土留め壁は、免震ピットの底盤部の周縁部分から一体として立設する鉄筋コンクリート製の擁壁からなり、該鉄筋コンクリート製の擁壁には、内側からの衝突荷重によって当該擁壁が外側に折れ曲がるように誘導する、易損傷部が設けられている免震建築物。
  2. 前記易損傷部は、前記土留め壁を構成する前記鉄筋コンクリート製の擁壁の、前記底盤部との接合基端部分に設けられている請求項1記載の免震建築物。
  3. 前記易損傷部は、前記鉄筋コンクリート製の擁壁における当該易損傷部に配筋された主鉄筋が周囲のコンクリートと付着していない状態となっている、非付着部によって形成されている請求項1又は2記載の免震建築物。
  4. 前記主鉄筋の非付着部と並設されて、補助主筋が、周囲のコンクリートと付着した状態で配筋されている請求項3記載の免震建築物。
  5. 前記土留め壁を構成する前記鉄筋コンクリート製の擁壁における、前記建物本体の基部が衝突する可能性のある部分の内側表面を覆って、衝撃吸収材が取り付けられている請求項1〜4のいずれか1項記載の免震建築物。
  6. 前記土留め壁を構成する前記鉄筋コンクリート製の擁壁の背面側に、セメント、合成樹脂、又は弾性補強繊維材を配合した改良土からなる埋戻し土が、衝撃吸収土として埋め戻されている請求項1〜5のいずれか1項記載の免震建築物。
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