JP5953218B2 - 免震建物構造 - Google Patents

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Description

本発明は、免震建物構造に関する。
建物の免震化を目的として、擁壁により囲まれた基礎部分に免震装置を配設する場合がある。免震装置は、積層ゴム等により水平移動することで、地震時の揺れを吸収する。
免震装置を備えた建物101は、地震力により免震装置が変形した際に、基礎部分102が擁壁103に接触することがないように、基礎部分102と擁壁103との間に十分なクリアランスCを確保しておく必要がある(図9参照)。
一方、擁壁103の位置は敷地境界により決定される場合が多いため、擁壁103からのクリアランスを確保すると、建物101の大きさが制限されることがある。
特許文献1には、既存建物を免震化する構造として、擁壁の一部を斫ることにより凹部を形成し、擁壁と基礎部分との間のクリアランスを確保する免震建物構造が開示されている。
特開2011−38375号公報
前記従来の免震建物構造は、凹部を形成することにより、擁壁の部分的な強度低下が懸念される。
本発明は、前記の問題点を解決するものであり、擁壁の強度を維持したまま、擁壁と基礎との間のクリアランスを確保することを可能とした免震建物構造を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、第一の発明に係る免震建物構造は、基礎部に配設された免震装置と、前記基礎部の周囲を囲う擁壁と、を備える免震建物構造であって、前記基礎部は、前記免震装置の上面が固定された上固定部と前記免震装置の下面が固定された下固定部とを有しており、前記擁壁には、前記上固定部の位置に対応して開口部が形成されていて、前記開口部を遮蔽する板材と、少なくとも前記開口部の周囲を補強する補強部材とが配設されていることを特徴としている。
免震建物構造において、前記板材は鋼板からなることが望ましく、また、前記補強部材は形鋼材を格子状に組み合わせた格子部を含むことが望ましい。なお、前記板材の部材厚と前記格子部の部材厚とを加えた厚さは、前記擁壁の厚さよりも小さい。
かかる免震建物構造によれば、擁壁に開口部を形成しているので、擁壁と基礎との間にクリアランスを確保することができる。開口部は、補強部材により補強されているため、擁壁の強度を維持することも可能である。さらに、開口部は板材により遮蔽されているため、土留め壁としての機能が低下することもない。なお、開口部の補強は、開口部の内空から補強してもよいし、開口部の外周部から補強してもよい。
また、第二の発明に係る免震建物構造は、基礎部に配設された免震装置と、前記基礎部の周囲を囲う擁壁とを備える免震建物構造であって、前記基礎部は、前記免震装置の上面が固定された上固定部と前記免震装置の下面が固定された下固定部とを有しており、前記擁壁は、前記上固定部の位置に対応して凹部が形成されていて、前記凹部は、前記擁壁の壁厚を変化させることなく背面側に張り出させることにより形成されていることを特徴としている。
さらに、第の発明に係る免震建物構造は、基礎部に配設された免震装置と、前記基礎部の周囲を囲う擁壁とを備える免震建物構造であって、前記基礎部は、前記免震装置の上面が固定された上固定部と前記免震装置の下面が固定された下固定部とを有しており、前記擁壁は、前記上固定部の位置に対応して凹部が形成されていて、前記凹部は、前記擁壁の壁厚を小さくすることにより形成されているとともに前記凹部の背面側に配設された杭と一体に固定されていることを特徴としている。
かかる免震建物構造によれば、擁壁に凹部を形成しているので、擁壁と基礎との間にクリアランスを確保することができる。また、擁壁の凹部は補強されているため、擁壁の強度が凹部において低下することもない。
本発明の免震建物構造によれば、擁壁の強度を維持したまま、擁壁と基礎との間のクリアランスを確保することが可能となる。
第一の実施形態に係る免震建物構造の一部を示す断面図である。 図1の免震建物構造の開口部を示す立面図である。 図1の免震建物構造の平断面図である。 第一の実施形態の免震建物構造の他の形態を示す断面図である。 図4の免震建物構造の平断面図である。 第二の実施形態に係る免震建物構造の一部を示す平断面図である。 第三の実施形態に係る免震建物構造の一部を示す平断面図である。 第四の実施形態に係る免震建物構造の一部を示す平断面図である。 従来の免震建物構造の一部を示す平断面図である。
<第一の実施形態>
第一の実施形態に係る免震建物構造1は、図1に示すように、建物10の基礎部11に配設された免震装置2と、基礎部11の周囲を囲う擁壁3とを備えている。
建物10は、複層階建ての鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造の新設建物である。なお、建物10の規模や用途等は限定されない。擁壁3は、免震ピット立ち上がり擁壁である。
建物10の基礎部11は、上基礎12と下基礎13とを備えている。
上基礎12と下基礎13は、隙間を有して重ね合わされている。上基礎12と下基礎13との間には、免震装置2が介設されている。
上基礎12は、格子状に組み合わされた梁部材12aからなる。上基礎12(梁部材12a)の上面には、床スラブ14が一体に形成されている。
梁部材12a同士の交差部には、免震装置2の上面が固定される上固定部15が形成されている。
上固定部15は、直方体形状のコンクリート部材である。上固定部15の側面には梁部材12aが接続されている。
上固定部15は、柱17よりも大きな平面形状を有しており、擁壁3側に突出している。なお、上固定部15の形状寸法は限定されるものではない。
下基礎13は、地盤面に敷設された基礎スラブ13aと、基礎スラブ13aの上面に配設された基礎梁13bとを備えている。
基礎梁13bは、格子状に配設されている。また、基礎梁13b同士の交差部には免震装置2の下面が固定される下固定部16が形成されている。
下固定部16は、直方体形状のコンクリート部材である。下固定部16の側面には基礎梁13bが接続されている。
下固定部16は、上固定部15と同形状に形成されている。なお、下固定部16の形状寸法は限定されるものではない。
なお、建物10の基礎部11の構成は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。例えば、本実施形態では、直接基礎構造の場合について説明するが、杭基礎構造であってもよい。また、上基礎12および下基礎13の構成は、基礎部11の基礎構造等に応じて適宜設定すればよい。
免震装置2は、建物10の柱17の真下となる位置に配設されている。
免震装置2は、金属板とゴムシートとを交互に組み合わせてなる積層ゴムにより構成されている。なお、免震装置2の構造は限定されない。
擁壁3は、下基礎13(基礎スラブ13a)から立設された土留め壁であって、基礎部11の周囲を囲っている。
擁壁3には、建物10の突出部分である上固定部15の位置に対応して、擁壁3を貫通する開口部31が形成されている。
図2に示すように、本実施形態の開口部31は矩形状を呈している。なお、開口部31の形状は、上固定部15の側面の形状よりも大きければ限定されるものではない。
開口部31の内側には、図1および図2に示すように、補強部材40と板材41とが配設されている。補強部材40は、格子部42と枠部43とを備えている。
板材41は、開口部31と同形状の鋼板からなり、開口部31を遮蔽している。
板材41は、図1および図3に示すように、擁壁3の裏面(地山側面)と面一となるように、開口部31の地山側(基礎部11と反対側)に配設されている。
板材41は、その周縁に沿って設けられた補強部材40の枠部43を介して開口部31の内周面に固定されている。板材41と枠部43との固定方法は限定されるものではないが、本実施形態では、溶接接合している。
本実施形態の枠部43は、開口部31の周縁部を補強する部材であって、山形鋼からなる。
枠部(山形鋼)43の一片は板材41の周縁部に固定され、枠部(山形鋼)43の他片は開口部31の内周面に固定されている。
図2に示すように、開口部31の上面および左右の側面に配設された枠部(山形鋼)43には、スタッド材(異形棒鋼スタッド)44が固定されている。枠部43は、擁壁3に埋め込まれたスタッド材44を介して開口部31の内周面に沿って固定されている。
開口部31の下面に沿って配設された枠部43は、山形鋼の他片を貫通したアンカーボルト45により擁壁3に固定されている。
また、図1および図3に示すように、枠部43と開口部31との間には、止水板46が介設されている。
なお、枠部43の固定方法は限定されるものではない。例えば、全周囲がスタッド材44を介して固定されていてもよいし、全周囲がアンカーボルト45を介して固定されていてもよい。また、枠部43を構成する材料も限定されない。
格子部42は、板材41の基礎部11側に配設されているとともに枠部43に固定されている。
なお、格子部42の固定方法は限定されない。
図2に示すように、格子部42は、開口部31を補強する部材であって、形鋼材を組み合わせることにより格子状を呈している。
格子部42を構成する形鋼材は限定されるものではなく、例えば、H形鋼、山形鋼、溝形鋼等を使用すればよい。
板材41の部材厚と格子部42の部材厚とを加えた厚さは、擁壁3の厚さよりも小さい。また、格子部42と上固定部15とのクリアランス(離隔距離)Cは、上固定部15の地震時の想定最大水平移動量よりも大きい。
以上、第一の実施形態の免震建物構造1によれば、擁壁3に開口部31を設けることで、地震時の水平移動のクリアランスCを確保しているため、地震力により上基礎12が擁壁に対して相対的に水平移動したとしても、擁壁3と建物10の突出部分(上固定部15)とが衝突することがない。
そのため、免震装置2による免震効果が低下することがなく、また、擁壁3、建物10および免震装置2に破損が生じることもない。
また、免震建物構造1によれば、開口部31により免震装置2に必要なクリアランスCを確保しているため、擁壁3と基礎部11との間隔を最小限に抑えることができ、ゆえに、合理的な設計が可能となる。
つまり、擁壁3を建物10に近づけることで、擁壁3の寸法を最小限に抑えることができ、施工費の低減化を図ることができる。または、擁壁3に建物10の外周面(外側の柱17)を近づけることで、建物10の内空間を最大限に広げることもできる。
さらに、免震建物構造1によれば、地上部分の外周柱と外壁との間隔を狭めることができるため、跳ね出し梁の突出寸法を減らすことができる。
地上部分の外周柱を免震装置2よりも外側に設けたい場合には、斜め柱を設ける場合がある。斜め柱の傾斜角が大きくなると、不経済な構造になるとともに設計の自由度が低くなるが、本実施形態の免震建物構造1によれば、地下部分の外周柱との位置のずれを小さくすることが可能になるので、斜め柱の傾斜角を小さくすることができ、ひいては、設計の自由度を高めることができる。
開口部31は、補強部材40により補強されているため、擁壁3に必要な強度が確保されている。
また、開口部31は、板材41により遮蔽されているため、開口部31から土砂が入りこむこともない。また、開口部31の周囲には止水板46が配設されているため、止水性も確保されている。
なお、本実施形態では、補強部材40を枠部43と格子部42とを組み合わせることにより構成したが、補強部材40の構成は限定されるものではない。例えば、図4および図5に示すように、補強部材40を枠部43のみで構成してもよい。こうすれば、擁壁3と基礎部11との間隔をより小さくすることが可能となる。
また、補強部材40の格子部42に代えてブレース等を配置してもよいし、補強部材40として格子部42を直接開口部31に配置してもよい。
また、本実施形態では、板材41を鋼板により構成したが、板材41の材質は限定されるものではなく、例えば、プレキャストコンクリート(PCa)部材であってもよい。PCa部材は、周面から張り出された鉄筋を巻き込んだ状態で擁壁3を構築することで開口部31に固定すればよい。このとき、PCa部材の周囲には止水板を配設しておく。なお、PCa部材の固定方法は限定されない。
また、本実施形態では、開口部31の内側に補強部材40を配設する場合について説明したが、開口部31の外周囲に沿って補強部材を配設することにより開口部31を該周部から補強してもよい。
また、開口部31は、開口部31の外周囲において擁壁3を背面側の土留杭等に固定することにより補強してもよい。
<第二の実施形態>
第二の実施形態に係る免震建物構造1は、図6に示すように、建物10の基礎部11に配設された免震装置2と、基礎部11の周囲を囲う擁壁3とを備えている。
建物10の基礎部11は、上基礎12と下基礎(図示省略)とを備えている。
上基礎12と下基礎とは、隙間を有して重ね合わされている。上基礎12と下基礎との間には、免震装置2が介設されている。
上基礎12は、格子状に組み合わされた梁部材12aからなる。梁部材12a同士の交差部には、免震装置2の上面が固定される上固定部15が形成されている。
下基礎13は、格子状に組み合わされた基礎梁(図示省略)を備えている。基礎梁同士の交差部には免震装置2の下面が固定される下固定部16が形成されている。
免震装置2は、建物10の柱17の真下となる位置に配設されている(図1参照)。
なお、基礎部11および免震装置2の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
擁壁3は、下基礎13(基礎スラブ13a)から立設された土留め壁であって、基礎部11の周囲を囲っている。
擁壁3には、図6に示すように、建物10の突出部分である上固定部15の位置に対応して、凹部32が形成されている。
凹部32は、擁壁3の一部を地山側(基礎部11と反対側)に張り出させることにより形成されている。擁壁3は平面視コ字状に形成されていて、擁壁3の壁厚は凹部32となる部分においても変化していない。
本実施形態の凹部32は、矩形状を呈している。なお、凹部32の形状は、上固定部15の側面の形状よりも大きければ限定されるものではない。
以上、第二の実施形態の免震建物構造1によれば、擁壁3に凹部32を設けることで地震時の水平移動のクリアランスCを確保しているため、地震力により上基礎12が擁壁3に対して相対的に水平移動したとしても、擁壁3と建物10の突出部分(上固定部15)とが衝突することがない。
そのため、免震装置2による免震効果が低下することがなく、また、擁壁3、建物10および免震装置2に破損が生じることもない。
また、本実施形態の免震建物構造1によれば、凹部32により免震装置2に必要なクリアランスCを確保しているため、擁壁3と基礎部11との間隔を最小限に抑えることができ、ゆえに、合理的な設計が可能となる。
つまり、擁壁3を建物10に近づけることで、擁壁3の寸法を最小限に抑えることができ、施工費の低減化を図ることができる。または、擁壁3に建物10の外周面(外側の柱17)を近づけることで、建物10の内空間を最大限に広げることもできる。
さらに、凹部32は、擁壁3に必要な壁厚を変化させることなく形成されているため、擁壁3に必要な強度が確保されている。
なお、凹部32は、必要に応じて外周部を補強してもよい。
<第三の実施形態>
第三の実施形態(参考実施形態)に係る免震建物構造1は、図7に示すように、建物10の基礎部11に配設された免震装置2と、基礎部11の周囲を囲う擁壁3とを備えている。
建物10の基礎部11は、上基礎12と下基礎(図示省略)とを備えている。
上基礎12と下基礎とは、隙間を有して重ね合わされている。上基礎12と下基礎との間には、免震装置2が介設されている。
上基礎12は、格子状に組み合わされた梁部材12aからなる。梁部材12a同士の交差部には、免震装置2の上面が固定される上固定部15が形成されている。
下基礎13は、格子状に組み合わされた基礎梁(図示省略)を備えている。基礎梁同士の交差部には免震装置2の下面が固定される下固定部16が形成されている。
また、免震装置2は、建物10の柱17の真下となる位置に配設されている。
なお、基礎部11および免震装置2の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
擁壁3は、下基礎13(基礎スラブ13a)から立設された土留め壁であって、基礎部11の周囲を囲っている。
擁壁3には、図7に示すように、建物10の突出部分である上固定部15の位置に対応して、凹部32が形成されている。
本実施形態の凹部32は、正面視矩形状を呈している。なお、凹部32の形状は、上固定部15の側面の形状よりも大きければ限定されるものではない。
凹部32は、擁壁3の一部の壁厚を小さくすることにより形成されている。
凹部32の周縁には、枠状の補強部33が形成されている。
補強部33は、鉄筋量が増加されているとともに、部材厚が他の部分よりも大きくなるように形成されている。なお、補強部33の構成は限定されるものではない。
以上、第三の実施形態の免震建物構造1によれば、凹部32の位置において壁厚が小さくなった擁壁3が補強部33により補強されているため、擁壁3に必要な強度が確保されている。
この他の第三の実施形態の免震建物構造1の作用効果は、前記各実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
なお、凹部32の形成方法は限定されるものではないが、例えば、凸部を有した型枠を利用して形成してもよいし、プレキャストコンクリート(PCa)部材を配設することにより壁厚の小さい部分を形成してもよい。PCa部材を利用する場合には、PCa部材の鉄筋を側面から張り出させておき、擁壁3の本体部分をこの鉄筋を巻き込んだ状態で形成する。また、PCa部材の周囲には止水板を配置しておく。
また、補強部33は、凹部32の内周面に沿って補強部材を配設することにより形成してもよいし、凹部32の外周部に沿って補強部材を配設することにより形成してもよい。
<第四の実施形態>
第四の実施形態に係る免震建物構造1は、図8に示すように、建物10の基礎部11に配設された免震装置2と、基礎部11の周囲を囲う擁壁3とを備えている。
建物10の基礎部11は、上基礎12と下基礎(図示省略)とを備えている。
上基礎12と下基礎とは、隙間を有して重ね合わされている。上基礎12と下基礎との間には、免震装置2が介設されている。
上基礎12は、格子状に組み合わされた梁部材12aからなる。梁部材12a同士の交差部には、免震装置2の上面が固定される上固定部15が形成されている。
下基礎13は、格子状に組み合わされた基礎梁(図示省略)を備えている。基礎梁同士の交差部には免震装置2の下面が固定される下固定部16が形成されている。
また、免震装置2は、建物10の柱17の真下となる位置に配設されている。
なお、基礎部11および免震装置2の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
擁壁3は、下基礎13(基礎スラブ13a)から立設された土留め壁であって、基礎部11の周囲を囲っている。
擁壁3には、図8に示すように、建物10の突出部分である上固定部15の位置に対応して、凹部32が形成されている。
凹部32は、擁壁3の一部の壁厚を小さくすることにより形成されている。
本実施形態の凹部32は、矩形状を呈している。なお、凹部32の形状は、上固定部15の側面の形状よりも大きければ限定されるものではない。
擁壁3の背面には、山留杭47が配設されている。擁壁3は、山留杭47に沿って形成されており、凹部32の底および凹部32の縁部分においてのみ山留杭47に固定されている。
本実施形態では、山留杭47に予めスタッド48を植設しておき、スタッド48を巻き込んだ状態で擁壁3を形成することで、擁壁3と山留杭47とを固定する。なお、山留杭47への擁壁3の固定方法は限定されない。また、擁壁3と山留杭47とを固定する範囲は限定されない。
以上、第四の実施形態の免震建物構造1によれば、凹部32の底および縁部分において、擁壁3を山留杭47に固定しているため、壁厚を小さくした部分の強度が補強されている。つまり、山留杭47と擁壁3とを一体化することにより、凹部32の該周囲が補強されているため、擁壁3に必要な強度を確保するとともに、地震時の水平移動のクリアランスCを確保している。
この他の第四の実施形態の免震建物構造1の作用効果は、前記各実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記の各実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、本発明の免震建物構造は、新設の建物および擁壁であってもよいし、既存の建物を改修することにより形成してもよい。
前記各実施形態では、免震装置を柱の真下に配設したが、免震装置は必ずしも柱の真下である必要はない。
1 免震建物構造
10 建物
15 上固定部
16 下固定部
2 免震装置
3 擁壁
31 開口部
32 凹部
33 補強部
41 板材
40 補強部材
47 山留杭(杭)

Claims (4)

  1. 基礎部に配設された免震装置と、前記基礎部の周囲を囲う擁壁と、を備える免震建物構造であって、
    前記基礎部は、前記免震装置の上面が固定された上固定部と、前記免震装置の下面が固定された下固定部とを有しており、
    前記擁壁には、前記上固定部の位置に対応して開口部が形成されていて、
    前記開口部を遮蔽する板材と、少なくとも前記開口部の周囲を補強する補強部材とが配設されていることを特徴とする、免震建物構造。
  2. 前記板材は、鋼板からなり、
    前記補強部材は、形鋼材を格子状に組み合わせた格子部を含み、
    前記板材の部材厚と前記格子部の部材厚とを加えた厚さが、前記擁壁の厚さよりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の免震建物構造。
  3. 基礎部に配設された免震装置と、前記基礎部の周囲を囲う擁壁と、を備える免震建物構造であって、
    前記基礎部は、前記免震装置の上面が固定された上固定部と、前記免震装置の下面が固定された下固定部とを有しており、
    前記擁壁は、前記上固定部の位置に対応して凹部が形成されていて、
    前記凹部は、前記擁壁の壁厚を変化させることなく背面側に張り出させることにより形成されていることを特徴とする、免震建物構造。
  4. 基礎部に配設された免震装置と、前記基礎部の周囲を囲う擁壁と、を備える免震建物構造であって、
    前記基礎部は、前記免震装置の上面が固定された上固定部と、前記免震装置の下面が固定された下固定部とを有しており、
    前記擁壁は、前記上固定部の位置に対応して凹部が形成されていて、
    前記凹部は、前記擁壁の壁厚を小さくすることにより形成されているとともに、前記凹部の背面側に配設された杭と一体に固定されていることを特徴とする、免震建物構造。
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