JP2015090444A - 画像形成方法 - Google Patents

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Nozomi Komatsu
望 小松
秀樹 金子
Hideki Kaneko
秀樹 金子
橋本 武
Takeshi Hashimoto
武 橋本
伊知朗 菅野
Ichiro Sugano
伊知朗 菅野
陽介 岩崎
Yosuke Iwasaki
陽介 岩崎
小堀 尚邦
Naokuni Kobori
尚邦 小堀
浩二 竹中
Koji Takenaka
浩二 竹中
藤川 博之
Hiroyuki Fujikawa
博之 藤川
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Abstract

【課題】長期使用時においても高品位な画像を得られる画像形成方法を提供する。
【解決手段】規制ブレード部材9よりも現像剤担持体8の回転方向上流側で、規制ブレード部材9及び現像剤担持体8に対向して設けられ、現像室内の現像剤が現像剤担持体8に供給される際に、現像剤が重力方向上方から現像剤担持体へ供給されるようにガイドするガイド部材11を現像室内に有する現像装置を用いる画像形成方法であって、粉体流動性分析において特定の性状を示す現像剤を用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、及びこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置における電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式に用いられる画像形成方法に関する。
電子写真方式を用いた複写機などの画像形成装置では、感光体ドラムなどの像担持体上に形成された静電潜像に現像剤を付着させて可視像化する。従来技術にかかる現像装置では、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いるものが知られている。このような現像装置としては、回転する現像剤担持体(以下現像スリーブともいう)に二成分現像剤を磁気的に吸着させながら、像担持体近傍まで搬送し、感光体の静電潜像を現像剤中のトナーで現像し可視像化する方法が広く知られ用いられている。
この方法では、回転する現像スリーブの内部に固定配置された磁石を備えることで、現像剤を現像スリーブ上に磁気的な力で保持する。規制ブレードにより二成分現像剤を所望の現像剤量に規制しながら現像スリーブ上を感光体近傍まで搬送するのが一般的である。
ところが、規制ブレードによって現像スリーブ表面に担持している現像剤の層厚規制を行う現像装置においては、以下のような問題が生じることがある。図1は、従来から知られている二成分現像剤を用いた場合の規制ブレード位置の上流における二成分現像剤の状態を模式的に表した断面概略図である。このような現像装置では、規制ブレードで現像剤の流れがせき止められる部分と、現像スリーブの回転速度に追従して、ほぼ同等の速度で現像剤が搬送される部分とに分けられ、その境界部でせん断面が生じる。せん断面上部の現像剤Aは現像スリーブの回転に伴う周方向の力で規制ブレードに押しつけられることで、現像剤がパッキング状態になり滞留し続ける場合がある。せん断面上部の現像剤が長期間滞留した場合、その境界面において現像剤移動層が現像剤不動層と摺擦されることとなる。この摺擦によってトナー表面の外添剤が離脱したり、トナーに埋め込まれたりといった現像剤の劣化が見られた。その結果、現像剤の流動性が変化し、特に新たにトナーが補給された際の現像剤の混合性が変化するため、トナー飛散(以下、カブリともいう)の発生や、がさつき(以下、ドット再現性ともいう)が悪化する場合があった。
また、摺擦によってトナー同士が固着気味となりトナー層を形成する。このようなトナー層は、耐久により成長し規制ブレードと現像スリーブのギャップを阻害し、ギャップを通過する現像剤量が低下する(以下この現象を『コート不良』と呼ぶ)。これにより現像領域に搬送される現像剤量が変動し、長期使用時に画像濃度均一性の悪化といった問題が発生していた。さらに、トナー層から凝集状態のトナーが現像スリーブ上に移動した場合、現像時にトナー凝集塊がくずれ画像上に小さな斑点(以下、現像シミともいう)が発生する問題もあった。
そこで、特許文献1においては、規制スリーブと現像スリーブのギャップ部への現像剤供給量を調整する部材を設置することにより、現像剤の劣化が抑制され、スリーブ上の現像剤層を安定することが提案している。しかしながら、現像剤中のトナー/キャリアの混合比は常に変動し、また、新たにトナーが補給されると現像剤の流動性が変化している。特許文献1では供給量の調整だけであるため、現像剤の流動状態によっては現像剤が受けるストレスが強くなる場合があり、長期使用時の画質安定性の点において改善の余地がある。
特開2008−185846号公報
本発明の目的は、上記の課題を解決することを目的とする。すなわち、長期使用時においても、高品位な画像を得られる画像形成方法を提供することである。
本発明は、静電潜像担持体を帯電手段により帯電する帯電工程、
帯電された前記静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程、
現像装置を用いて、トナーと磁性キャリアを含む現像剤により前記静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像工程、
前記トナー像を、中間転写体を介して又は介さずに転写材に転写する転写工程、及び
転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程、
を有する画像形成方法であって、
前記現像装置は、
i)前記現像剤を担持するためのスリーブ状の現像剤担持体、
ii)前記現像剤担持体の内側に設けられ、前記現像剤担持体の回転方向に複数の磁極を備えたマグネット、
iii)前記現像剤を収容し、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給するための現像室、
iv)前記現像剤担持体にコートされる現像剤量を規制するための非磁性の規制ブレード部材、及び
v)前記現像室内において、前記規制ブレード部材よりも前記現像剤担持体の回転方向上流側で、前記規制ブレード部材及び前記現像剤担持体に対向して設けられ、前記現像室内の前記現像剤が前記現像剤担持体に供給される際に、前記現像剤が重力方向上方から前記現像剤担持体へ供給されるようにガイドするガイド部材を有し、
前記ガイド部材によって前記現像剤担持体に現像剤が供給される位置のうち現像剤担持体の回転方向の最も上流側の位置から前記規制ブレード部材までの前記現像剤担持体の回転方向に関する距離が2mm以上であり、
前記現像剤担持体の表面における前記現像剤担持体の法線方向の磁気力をFrとしたとき、前記ガイド部材によって前記現像剤担持体に現像剤が供給される位置のうち現像剤担持体の回転方向の最も上流側の位置から前記規制ブレード部材までの前記磁気力Frを積分した積分値(FrAll)に対する、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記ブレード部材から前記ブレード部材よりも2mm上流側の位置までの前記磁気力Frを積分した積分値(FrNear)が、60%以上となるように前記複数の磁極が設けられており、プロペラ型ブレードを回転させながら容器内の現像剤層中に垂直に進入させたときの回転トルクと垂直荷重を測定する粉体流動性分析において、
i)現像剤層の底面から100mmの位置に前記プロペラ型ブレードがある状態から測定を開始し、底面から10mmの位置まで、最外縁部の周速が100mm/secとなるように前記プロペラ型ブレードを回転させて進入させたときの回転トルクと垂直荷重の合計エネルギーをEt100(mJ)とし、
ii)現像剤層の底面から55mmの位置に前記プロペラ型ブレードがある状態から測定を開始し、底面から2mmの位置まで、最外縁部の周速が10mm/secとなるように前記プロペラ型ブレードを回転させて進入させたときの回転トルクと垂直荷重の合計エネルギーをEt10(mJ)としたとき、
前記現像剤が、下記式(1)及び(2)
100≦Et100(mJ)≦360 (1)
1.1≦Et10/Et100≦2.2 (2)
を満たすことを特徴とする画像形成方法に関する。
本発明によれば、長期使用時においても、高品位な画像を得られる画像形成方法を提供することができる。
従来現像剤状態を説明する断面図。 本発明の現像装置を説明する図。 本発明の画像形成装置及び現像装置の位置関係を説明する図。 本発明の現像装置における現像室と攪拌室を説明する断面図。 本発明の規制ブレード近傍の現像剤状態を説明する断面図。 本発明の現像スリーブ表面上の磁束密度Br及びBθの分布を示す図。 本発明の現像スリーブ表面上の磁気吸引力Frの分布を示す図。 本発明で定義するBr、Bθ、Fr、Fθを示す図。 本発明の横攪拌現像装置を説明する断面図。 本発明に用いられる熱球形化処理装置の図である。 摩擦帯電量を測定する装置の概略図である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質及び形状、その他の相対配置、数値等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体を帯電手段により帯電する帯電工程、帯電された前記静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程、現像装置を用いて、トナーと磁性キャリアを含む現像剤により前記静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像工程、前記トナー像を、中間転写体を介して又は介さずに転写材に転写する転写工程、及び転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程、を有する画像形成方法であって、前記現像装置は、
i)前記現像剤を担持するためのスリーブ状の現像剤担持体、
ii)前記現像剤担持体の内側に設けられ、前記現像剤担持体の回転方向に複数の磁極を備えたマグネット、
iii)前記現像剤を収容し、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給するための現像室、
iv)前記現像剤担持体にコートされる現像剤量を規制するための非磁性の規制ブレード部材、及び
v)前記現像室内において、前記規制ブレード部材よりも前記現像剤担持体の回転方向上流側で、前記規制ブレード部材及び前記現像剤担持体に対向して設けられ、前記現像室内の前記現像剤が前記現像剤担持体に供給される際に、前記現像剤が重力方向上方から前記現像剤担持体へ供給されるようにガイドするガイド部材を有し、
前記ガイド部材によって前記現像剤担持体に現像剤が供給される位置のうち現像剤担持体の回転方向の最も上流側の位置から前記規制ブレード部材までの前記現像剤担持体の回転方向に関する距離が2mm以上であり、前記現像剤担持体の表面における前記現像剤担持体の法線方向の磁気力をFrとしたとき、前記ガイド部材によって前記現像剤担持体に現像剤が供給される位置のうち現像剤担持体の回転方向の最も上流側の位置から前記規制ブレード部材までの前記磁気力Frを積分した積分値(FrAll)に対する、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記ブレード部材から前記ブレード部材よりも2mm上流側の位置までの前記磁気力Frを積分した積分値(FrNear)が、60%以上となるように前記複数の磁極が設けられており、プロペラ型ブレードを回転させながら容器内の現像剤層中に垂直に進入させたときの回転トルクと垂直荷重を測定する粉体流動性分析において、
i)現像剤層の底面から100mmの位置に前記プロペラ型ブレードがある状態から測定を開始し、底面から10mmの位置まで、最外縁部の周速が100mm/secとなるように前記プロペラ型ブレードを回転させて進入させたときの回転トルクと垂直荷重の合計エネルギーをEt100(mJ)とし、
ii)現像剤層の底面から55mmの位置に前記プロペラ型ブレードがある状態から測定を開始し、底面から2mmの位置まで、最外縁部の周速が10mm/secとなるように前記プロペラ型ブレードを回転させて進入させたときの回転トルクと垂直荷重の合計エネルギーをEt10(mJ)としたとき、
前記現像剤が、下記式(1)及び(2)
100≦Et100(mJ)≦360 (1)
1.1≦Et10/Et100≦2.0 (2)
を満たすことを特徴とする。
[画像形成方法の説明]
[画像形成装置]
図2は、図3に示されるようなフルカラー画像形成装置における、Y、M、C、Kの各ステーションにおける静電潜像担持体(像担持体、感光ドラム)10と現像装置1との位置関係を示したものである。Y、M、C、Kの各ステーションはほぼ同様の構成であり、フルカラー画像において、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する。以下の説明において、例えば現像装置1とあれば、Y、M、C、K各ステーションにおける現像装置1Y、現像装置1M、現像装置1C、現像装置1Kを共通して指すものとする。
まず、図3により、画像形成装置全体の動作を説明する。像担持体である感光ドラム10は回動自在に設けられており、その感光ドラム10を一次帯電器21で一様に帯電し、例えばレーザのような発光素子22によって情報信号に応じて変調された光で露光して潜像を形成する。その潜像は現像装置1により、後述のような過程で現像像(トナー像)として可視像化される。そのトナー像を、第1転写帯電器23によって、転写材搬送シート24によって搬送されてきた記録材である転写紙27上にステーションごとに転写し、その後、定着装置25によって定着して永久画像を得る。又、感光ドラム10上の転写残トナーはクリーニング装置26により除去する。又、画像形成で消費された現像剤中のトナーはトナー補給槽20から補給される。又、ここでは、感光ドラム10M、10C、10Y、10Kから転写材搬送シート24に搬送された記録材である転写紙27に直接転写する方法をとったが、これに限らない。転写紙搬送シート24の代わりに中間転写体を設け、各色の感光ドラム10M、10C、10Y、10Kから中間転写体に各色のトナー像を一次転写した後、転写紙に各色の複合トナー像を一括して二次転写する構成の画像形成装置にも、本発明は適用できる。
[現像装置]
次に、現像装置1を詳しく説明する。図2は、本実施例の現像装置の断面図である。本実施例の現像装置1は、
i)前記現像剤を担持するためのスリーブ状の現像剤担持体、
ii)前記現像剤担持体の内側に設けられ、前記現像剤担持体の回転方向に複数の磁極を備えたマグネット、
iii)前記現像剤を収容し、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給するための現像室、
iv)前記現像剤担持体にコートされる現像剤量を規制するための非磁性の規制ブレード部材、及び
v)前記現像室内において、前記規制ブレード部材よりも前記現像剤担持体の回転方向上流側で、前記規制ブレード部材及び前記現像剤担持体に対向して設けられ、前記現像室内の前記現像剤が前記現像剤担持体に供給される際に、前記現像剤が重力方向上方から前記現像剤担持体へ供給されるようにガイドするガイド部材を有する。
より詳細に以下に説明する。
現像装置は、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が収容された現像容器2内に、スリーブ状の現像剤担持体としての現像スリーブ8を備える。現像スリーブ8には、現像剤規制部材(規制ブレード部材)としての規制ブレード9が対向して設けられ、規制ブレード9によって現像スリーブ8表面に担持された現像剤の層厚が所定量となるように規制されている。
そして、現像容器2内の略中央部は紙面に垂直方向に延在する隔壁7によって現像室3と攪拌室4に上下に区画されており、現像剤は現像室3及び攪拌室4に収容されている。現像室3及び攪拌室4には現像剤Tを攪拌・搬送する搬送部材としての第1及び第2の搬送スクリュー5、6がそれぞれ配置されている。図4は、現像装置1における現像室と攪拌室を説明するための現像装置1の長手方向断面図である。第1の搬送スクリュー5は、現像室3内の底部に現像スリーブ8の軸方向(現像幅方向)に沿ってほぼ平行に配置されている。本実施例では、強磁性体で構成される回転軸の周りに非磁性材料で構成された羽根部材をスパイラル状に設けたスクリュー構造とされ、回転して現像室3内の現像剤Tを現像室3の底部にて現像スリーブ8の軸線方向に沿って搬送する。
又、第2の搬送スクリュー6も第1の搬送スクリュー5と同様に回転軸の周りに羽根部材を第1の搬送スクリュー5とは逆向きにしてスパイラル状に設けたスクリュー構造となっている。第2の搬送スクリュー6は、攪拌室4内の底部に第1の搬送スクリュー5とほぼ平行に配設され、第1の搬送スクリュー5と同方向に回転して攪拌室4内の現像剤Tを第1の搬送スクリュー5と反対方向に搬送する。
このような第1及び第2の搬送スクリュー5、6の回転によって、現像剤Tが現像室3と攪拌室4との間で循環する。本現像装置1では、現像室3と攪拌室4とが鉛直方向上下に配置されており、現像室3から攪拌室4への現像剤は上から下へ、又、攪拌室4から現像室3への現像剤は下から上へ動く。特に、攪拌室4から現像室3へは、端部に溜まった現像剤の圧力により下から上へと押し上げられるようにして現像剤が受け渡される。
更に、上記現像容器2の感光ドラム10に対向した現像領域に相当する位置には開口部があり、この開口部に現像剤担持体としての現像スリーブ8が感光ドラム10側に一部露出するように回転可能に配設されている。
ここで、現像スリーブ8の直径は20mm、感光体ドラム100の直径は80mm、又、この現像スリーブ8と感光体ドラム10との最近接領域を約300μmの距離としている。現像スリーブ8によって現像部に搬送した現像剤を感光体ドラム10と接触させた状態で、現像が行なえるように設定されている。なお、この現像スリーブ8はアルミニウムやステンレスのような非磁性材料で構成され、その内側には磁界発生手段であるマグネットローラ8’が固定設置されている。
また現像スリーブ8の表面にはブラスト処理が施されており、表面の凹凸形状と現像剤が物理的に引っ掛かることにより現像スリーブ回転に伴って周方向に強い搬送力を有する。
而して、現像スリーブ8は、前記規制ブレード9による磁気ブラシの穂切りによって層厚を規制された二成分現像剤を担持して、現像時に図示矢印方向(反時計方向)に回転する。こうして感光体ドラム10と対向した現像領域に現像剤を搬送し、感光体ドラム10上に形成された静電潜像に現像剤を供給して潜像を現像する。
現像スリーブ9の内部に設けられたマグネットローラ8’は、現像極S2と現像剤を搬送する複数の磁極(S1、N1、N2、N3)を有している。このうちN3極とN1極は、互いに同極で隣り合って設置されており、磁極間に反発磁界が形成され、攪拌室4にて現像剤Tを離すように構成されている。
なお、図2のマグネット内の半径方向の線は、N1,N2,N3,S1,S2極のそれぞれ磁束密度のピーク位置を示している。
現像スリーブ8には電源から直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアス電圧が印加され、現像効率、つまり、潜像へのトナーの付与率を向上させている。本実施例では、−500Vの直流電圧と、ピーク・ツウ・ピーク電圧Vppが800V、周波数fが12kHzの交流電圧とした。しかし、直流電圧値、交流電圧波形はこれに限られるものではない。また、一般に、二成分磁気ブラシ現像法においては、交流電圧を印加すると現像効率が増して画像は高品位になるが、逆にかぶりが発生し易くなる。このため、現像スリーブ8に印加する直流電圧と感光体ドラム10の帯電電位(即ち白地部電位)との間に電位差を設けることにより、かぶりを防止している。
現像領域に於いては、現像装置1の現像スリーブ8は、共に感光体ドラム10の移動方向と順方向で移動し、周速比は、対感光体ドラム1.75倍で移動している。この周速比に関しては、0.5〜2.5倍の間で設定され、好ましくは、1.0〜2.0倍の間に設定されればよい。移動速度比は、大きくなればなるほど現像効率はアップするが、あまり大きすぎると、トナー飛散、現像剤劣化等の問題点が発生するので、上記の範囲内で設定することが好ましい。
また、前記穂切り部材である規制ブレード部材9は、現像スリーブ8の長手方向軸線に沿って延在した板状のアルミニウムなどで形成された非磁性部材で構成され、感光体ドラム10よりも現像スリーブ回転方向上流側に配設されている。本実施例では、規制ブレード部材9を非磁性部材とすることで磁性粒子であるキャリアがブレード表面で磁気的に拘束されてしまうことを防止し、不動層が形成されないようになっている。図1において現像スリーブ8の中心を通る水平面で、感光ドラム10の対向面側を0°と設定し、時計回りに100°の位置に規制ブレード9は配置している。以降、マグネット配置及び規制ブレード部材9等の現像スリーブ8の周方向位置については、上記基準で説明する。
そして、この規制ブレード部材9の先端部と現像スリーブ8との間を現像剤のトナーとキャリアの両方が通過して現像領域へと送られる。尚、規制ブレード部材9の現像スリーブ8の表面との間隙(ギャップ)を調整することによって、現像スリーブ8上に担持した現像剤磁気ブラシの穂切り量が規制されて現像領域へ搬送される現像剤量が調整される。本実施例においては、規制ブレード部材9によって、現像スリーブ8上の単位面積当りの現像剤コート量を30mg/cmに規制している。
次に、規制ブレード上流側の現像剤の動きに関わるガイド部材(搬送ガイド)の構成について説明する。
[ガイド部材(搬送ガイド)]
図2が示すように、ガイド部材は、規制ブレード部材9よりも前記現像剤担持体(現像スリーブ)の回転方向上流側で、規制ブレード部材9及び該現像剤担持体に対向して設けられている。そして、搬送ガイド部材は、前記現像室内の前記現像剤が前記現像剤担持体に供給される際には、前記現像剤が重力方向上方から前記現像剤担持体へ供給されるようにガイドする。
図2においては、規制ブレード9部材近傍まで延長した形状を有する隔壁部材7の規制ブレード側の端部が、ガイド部材となっている。ガイド面11(規制ブレード部材9に対向する面)は、第一の搬送スクリュー5の駆動によって規制ブレード部材9と搬送ガイドの間隙から現像剤を適正に供給するためのガイド機能を有する。更に、搬送ガイドは、現像スリーブの周方向に対向配置することで、現像室3から現像スリーブ8に対する現像剤の供給開始位置P1を規制する規制部として機能している。供給開始位置P1とは、ガイド部材によって前記現像剤担持体に現像剤が供給される位置のうち現像剤担持体の回転方向の最も上流側の位置のことであり、ガイド面を延長した線と現像スリーブ8との交点である。搬送ガイドのガイド面の角度は、現像スリーブ8の表面の法線方向に設定している。また搬送ガイドの現像スリーブ最近接距離は1mm、また搬送ガイドの最近接位置P1は、現像スリーブ周方向位置130°位置になるよう設定している。また隔壁部材7の現像スリーブ最近接位置で、且つ現像スリーブ回転方向上流側の位置P3は、本実施例においては、現像スリーブ周方向位置で150°位置になるよう構成している。
次に現像剤の流れについて、図5を用いて説明する。まず搬送ガイドの現像スリーブ8への最近接位置P3は、N1極とN3極の同極によって形成される斥力領域の下流であって、現像剤は斥力により現像スリーブ8から離れる方向に力を受けるために斥力領域ではぎとられる。したがって、現像スリーブ8と隔壁部材7のギャップを通って、規制ブレード9への現像剤供給は為されない。すなわち規制ブレード9への現像剤の供給は、第一の搬送スクリュー5から搬送ガイドを乗り越えた経路を通ることになり、乗り越えた現像剤Tは、規制ブレード9と搬送ガイドの間に貯蔵される。本実施例においては、搬送ガイドの頂点位置P4を規制ブレード9の下点位置P2に比べて水平方向に対して仰角30°になるように設定している。すなわち、搬送ガイドの頂点は、規制ブレード9と現像スリーブの最近接位置に対して、水平方向上側に位置する。この理由は、該領域に現像剤を安定コートできうる量に貯蔵するためである。
また、搬送ガイドのガイド面11の長さDは11mmである。また本実施例においては、搬送ガイドは現像室と攪拌室を区画した隔壁部材7と一体に構成されており、現像容器と同じ材質を用いている。
現像剤供給開始位置P1から前記規制ブレード部材までの前記現像剤担持体の回転方向に関する距離(現像スリーブ周方向距離)は、2mm以上であることが好ましく、特に好ましくは、2mm以上8mm以下である。尚、実施例では約5mmに設定している。
これは、規制ブレード9から搬送ガイドまでの間隔が2mm未満だと、現像剤が搬送される搬送路が狭くなり、詰まる虞があるためである。一方、間隔が広すぎる場合、現像スリーブと現像剤の接触距離が長くなるために、磁気力で摺擦される時間が長くなり、現像剤劣化が懸念されるため好ましくない。
なお第一の搬送スクリュー5が規制ブレード位置に対して略横方向にある場合、搬送ガイドは本実施例内で説明した現像剤を搬送ガイド及び現像剤貯蔵する機能を有する。これとともに、第一の搬送スクリュー駆動時の現像剤押圧を遮蔽する効果も有している。第一の搬送スクリュー駆動時に伴い、現像剤にはスクリュー軸方向主体に押圧され現像剤搬送されるが、スクリューの動径方向にも押圧が加わる。動径方向の押圧によって規制ブレード9と第一の搬送スクリューの位置関係が略横方向の場合、規制ブレード9面に対して略垂直方向の現像剤搬送力が加わることになり、コート不良の観点で望ましくない。従って第一の搬送スクリューの押圧の影響を遮蔽するためにも搬送ガイドの特に頂点位置P4(図5記載)は高く配置することが好ましい。少なくとも規制ブレード下点位置P2と第一の攪拌スクリューの軸中心を結ぶ線に対して、上方に搬送ガイド頂点P4を位置ささせることが好ましい。
次に、現像マグネットの構成及び、現像マグネットが作り出す磁束密度及び磁力について図5及び図6、図7を用いて説明する。本実施例では、搬送ガイドを乗り越えた現像剤に加わる磁気吸引力Frを、搬送ガイド近傍に比べて規制ブレード9近傍側を大きくなるように、マグネットローラ内の磁極を構成している。本発明のメカニズムについては後述するが、上記構成とすることで規制ブレード9と搬送ガイド間に供給された現像剤が現像スリーブ8の表面に向かって引き込む流れとすることができる。こうして従来の課題であった、規制ブレード9上流側に不動層が形成されることを抑制することができる。
説明に際して、Br、Bθ、Fr、Fθを以下のように定義する(図8参照)。
Br:現像スリーブ上のある点における現像スリーブ表面に対して垂直方向の磁束密度。
Bθ:現像スリーブ上のある点における現像スリーブ表面に対して接線方向の磁束密度。
Fr:現像スリーブ上のある点における現像スリーブ表面に対して垂直方向に働く力。尚、吸引方向を負とする。
Fθ:現像スリーブ上のある点における現像スリーブ表面に対して接線方向に働く力。尚、現像スリーブ回転方向を正とする。
[マグネットローラ]
マグネットローラ8’は、現像極N2と現像剤を搬送する磁極S1、S2、N1、N3を有している。このうち同極である第1磁極N3極と第2磁極N1極は、隣り合って現像容器内部側に設置されており、極間に反発磁界が形成され、現像剤に対しては現像スリーブから離間する方向に力を受け、攪拌室4にて現像剤を落下させるように構成されている。第2磁極N1極は、搬送ガイドと規制ブレード9間に配置している。第1磁極と第2磁極の同極によって形成される反発領域は、少なくとも搬送ガイド上流側なるように配置している。なお第1磁極N3極は、ピーク磁束密度が35mT、半値幅30°、第2磁極N1極はピーク磁束密度30mT、半値幅35°に調整している。
[現像ブレードと搬送ガイド間の磁界分布]
次に、図6、図7を用いて本実施例において使用したマグネットローラから現像スリーブ表面に形成される磁束密度Br、Bθ及び法線方向の磁気力Frの分布を示す。現像剤は図6、図7において右から左へ搬送されており、規制ブレード9は約100°の位置に配置されている(図6、図7の破線)。搬送ガイドは約130°の位置に配置している(図6、図7の実線)。Frは−符号側がスリーブへの引力方向、+符号側が斥力方向になっている。本実施例においては引力方向基準で増加及び減少を示す(すなわち数値(絶対値)が大きくなる場合をFr増加と呼ぶ)。
搬送ガイド位置から規制ブレード9間のFrは常に引力方向であって、且つ規制ブレード9に近づくにつれてFrが急峻且つ単調増加するよう構成している。Frは単調的に増加することが好ましい。本実施例では、単調的に増加するとは、現像スリーブの周方向にFrを測定したときに、スリーブ周方向に関して角度2度以上10度以下の範囲でサンプリングした場合において、Frが単調増加していることを指す。
また搬送ガイドの上流側(位置P3よりも上流側)には少なくともFrが正の領域(斥力領域)になるよう構成している。本実施例では約180°〜210°位置が斥力領域になっており、斥力領域から現像スリーブの回転方向下流側に向うにつれてFrが増加させる構成にしている。
Frはスリーブ方向への磁気吸引力のため、Frが大きいと搬送ガイドを乗り越えた現像剤Tが現像スリーブへ強く引き込まれる。従って、図7に示すように搬送ガイドと規制ブレード9間のFr分布を規制ブレード9に近づくにつれて単調的に増加傾向にする。こうすることで、図5で示す規制ブレード9近傍の現像剤T2は、規制ブレード9と搬送ガイド間の他の箇所に比べて強いFrで現像スリーブ近傍へ引き込まれていることになる。規制ブレード9近傍の現像剤を縦方向(規制ブレードに対して平行)の流れにしたいために、規制ブレード近傍のFrは大きい方が好ましい。本実施例では、搬送ガイドと規制ブレード9との間においてFrの最大値は規制ブレード9対向部としている。
一方、規制ブレード9との衝突による剤パッキングを弱める観点で、現像スリーブ8の回転に伴う現像スリーブに沿った現像剤搬送力は弱めるためには、規制ブレード9と搬送ガイド間のFrの総和は小さいほうが好ましい。現像スリーブ8の回転に伴う現像剤搬送は現像剤と現像スリーブ間の摩擦力によって為されるため、垂直抗力=磁気吸引力Frと現像剤搬送力とは比例関係にある。すなわち規制ブレード9に加わる横方向の現像剤搬送力は、規制ブレード9から搬送ガイド間の各箇所の現像剤搬送力の総和になるために、同様の機序から規制ブレード9と搬送ガイド間のFr総和に比例する。従って規制ブレード9に衝突して不動層の起源になる現像スリーブ8に平行な現像剤搬送力を弱めるためには、規制ガイド9〜搬送ガイド間のFrの総和は小さい方が望ましいことになる。
なお規制ブレード9近傍の現像剤の流れは、規制ブレード近傍の現像剤の縦方向の力と横方向の力の大小関係によって決定される。従って、規制ブレード近傍の現像剤の流れを縦方向にするには、規制ブレード近傍のFrを強めることで縦方向の力を強めて、且つ、規制ブレードから搬送ガイド間のFrの総和を小さくすることで横方向の力を弱めることが必要十分条件になる。上記二事象を両立するためには、規制ブレード9と搬送ガイド間のFr分布は規制ブレード近傍のみFrが大きくなる分布が好ましい。換言すると規制ブレード9と搬送ガイド間のFr分布は、規制ブレード9に近づくにつれて急峻に且つ単調に増加する傾向を取ることが定性的に望ましいといえる。
規制ブレード9から規制ブレード9よりも現像スリーブ8の回転方向2mm上流側位置までのFr積分値をFrNearと定義する。また、規制ブレード9から搬送ガイド11位置までのFr積分したFr総和をFrAllと定義する。
本発明において積分値FrAllに対するFrNearの割合が、60%以上であることが重要である。この理由は、FrAll(総和)が減ることによって現像スリーブ回転方向の現像剤搬送力が減る。相対的に現像スリーブに垂直方向の縦の流れが大きくなるので、規制ブレード上流の現像剤の流れを下向きに流動させやすくなると考えられる。その結果、コート不良の発生を抑制できる。
尚、FrNearを規制ブレードから上流2mm間のFr積分値に定義した理由は、現像剤圧縮され不動層になりやすい領域が規制ブレードから2mm以内の近傍位置にあるためである。すなわち現像剤圧縮状態になりやすい領域のFrを限定して高い値に保ち、それ以外の領域はFrを下げる(現像スリーブ周方向の現像剤の流れを減らす)ことがコート不良を抑制するに効果的である。
尚、規制ブレード9に最近接する磁極(カット極)のピーク磁束密度は、20mT以上80mT以下が好ましい。20mTを下回ると現像スリーブ上へ磁気吸引力が弱くなるため現像剤搬送不良が発生する懸念があり、一方80mTを超えると現像剤に加わる磁気力が高くなるために、現像剤劣化が問題となるためである。
また、Fθの好ましい範囲は1×10−8(N)以下である。尚、FθはFrに対して半分以下の数値であることが好ましく、より好ましくはFθはFrの約1/4以下である。この範囲であれば、少なくとも現像剤の流れに影響せずに本発明の効果を得ることができる。
さらに、搬送ガイド頂点位置P4に加わる磁気吸引力を実質ゼロになるように搬送ガイド11の長さ(本実施例1では11mm)を設定している。現像剤の供給は現像室3から為され、規制ブレード9よりも搬送ガイド11が現像室3近傍に配置している。このため、例えば、搬送ガイド頂点P4位置の磁気吸引力Frが大きいと、現像室3の現像剤が搬送ガイド11頂点位置で磁気吸引力を受けることで下方に引き寄せられるために、図5で示す規制ブレード9近傍に到達する現像剤量が減ってしまう。この結果、上記で説明した規制ブレード9近傍側のFr大きい分布を形成しても、規制ブレード近傍の現像剤の量が少なくなるために、現像剤の規制ブレード9に沿った縦の供給が減少し、規制ブレードに平行な現像剤の縦の流れが生じにくい。したがって、搬送ガイド11頂点位置における磁気吸引力を実質ゼロになるように、搬送ガイド頂点位置を現像スリーブ(マグネット)から遠ざけるようにすることが好ましい。
更に、搬送ガイド11の現像スリーブ最近接位置P1の鉛直方向下方には少なくとも現像スリーブ8があることが好ましい。搬送ガイド位置の磁気吸引力Frは本実施形態の特徴で小さくなる傾向があり、磁気吸引力Frが極端に小さい場合、搬送ガイド11と現像スリーブ8との隙間から鉛直下に重力落下する恐れがある。このため、落下した現像剤を受けて搬送するために前記隙間の下方に現像スリーブで受ける構成にすることが好ましい。
尚、現像装置の構成に関して本実施例では、現像室5と攪拌室6が上下に配置された縦攪拌方式の現像装置を例にあげて説明した。しかしながら、例えば、図9に示すような現像室5と攪拌室6が水平に配置された現像装置等、その他の形態の現像装置においても本発明は適用可能である。すなわち搬送ガイド11の上流側からの現像剤搬送がなく、且つ、規制ブレードと現像スリーブ最近接位置より少なくとも高い位置から剤供給がなされ、且つ、搬送ガイドと規制ブレード間に上記で述べた磁力分布になっていれば、同様の効果が得られる。
[現像剤]
本発明において用いられる現像剤は、トナーと磁性キャリアを含む現像剤である。
そして、現像剤は、下記式(1)及び(2)を満たす。
100≦Et100(mJ)≦360 (1)
1.1≦Et10/Et100≦2.2 (2)
式中のEt100、Et10は、プロペラ型ブレードを回転させながら容器内の現像剤層中に垂直に進入させたときの回転トルクと垂直荷重を測定する粉体流動性分析において求められる値である。
Et100は、現像剤層の底面から100mmの位置に前記プロペラ型ブレードがある状態から測定を開始し、底面から10mmの位置まで、最外縁部の周速が100mm/secとなるように前記プロペラ型ブレードを回転させて進入させたときの回転トルクと垂直荷重の合計エネルギーである。
Et10は、現像剤層の底面から55mmの位置に前記プロペラ型ブレードがある状態から測定を開始し、底面から2mmの位置まで、最外縁部の周速が10mm/secとなるように前記プロペラ型ブレードを回転させて進入させたときの回転トルクと垂直荷重の合計エネルギーである。
ここで、最外殻部の周速が100mm/secとなるようにプロペラ型ブレードを回転させて、プロペラ型ブレードを現像剤層に進入させるという操作は、現像器内において現像剤が高速で摺擦されるスリーブ近傍の現像剤の状態を想定したものである。特に、現像スリーブの表面に担持された現像剤が規制ブレードと現像スリーブとの対向部に突入する直前の状態を示している。一方、最外殻部の周速が10mm/secとなるようにプロペラ型ブレードを回転させて、プロペラ型ブレードを現像剤層に進入させるという操作は、現像剤が比較的低速で流動するガイド部材上部での現像剤を想定したものである。よって、Et10/Et100は、現像器内の流動性の差を示している。
Et100は、100以上360以下であると、現像領域に搬送される現像剤量の変動や、長期使用時においても現像剤の劣化がさらに抑制できる。さらに好ましくは、120以上300以下である。
Et100が100未満である場合、現像剤の流動性が高すぎるため、現像領域に搬送される現像剤量が安定し難く、画像濃度均一性の低下原因になる場合がある。また、Et100が360よりも大きい場合、現像剤の流動性が低すぎるため、現像剤が受けるストレスが大きく現像剤が劣化しやすくなり、またトナー凝集塊がつくられやすく、現像シミが発生する場合がある。
Et10/Et100は、1.1以上2.2以下であると、カブリの発生や、ドット再現性の低下を良好に抑制できる。さらに好ましくは、1.2以上2.0である。
Et10/Et100が1.1未満である場合、新たにトナーが補給され未帯電のトナーを多く含む現像剤が、ガイド部材上部より導入された際、現像剤の帯電立ち上り性が低く、カブリの原因になる場合がある。また、Et10/Et100が2.2より大きい場合、ガイド部材上部から導入された現像剤と、スリーブ近傍の現像剤との混合性が低下し、トナーの帯電分布が不均一になり易く、画像濃度均一性やドット再現性が低下する場合がある。
[樹脂]
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、特に限定されず、下記の重合体又は樹脂を用いることが可能である。
例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。
これらの中で、低温定着性、帯電性制御の観点で、ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂とは、「ポリエステルユニット」を有している樹脂である。即ち、ポリエステル樹脂には、ポリエステルユニットがビニル樹脂ユニットと化学的に結合したハイブリッド樹脂も含まれる。該ポリエステルユニットを構成する成分としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー成分と、2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分とが挙げられる。
例えば、該2価以上のアルコールモノマー成分として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビット、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
これらの中で好ましく用いられるアルコールモノマー成分としては、芳香族ジオールであり、ポリエステル樹脂を構成するアルコールモノマー成分において、芳香族ジオールは、80モル%以上の割合で含有することが好ましい。
一方、該2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6乃至18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
これらの中で好ましく用いられる酸モノマー成分としては、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸である。
また、該ポリエステル樹脂の酸価は、1mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であることがより摩擦帯電量の安定性の観点で好ましい。
なお、該酸価は、樹脂に用いるモノマーの種類や配合量を調整することにより、上記範囲とすることができる。具体的には、樹脂製造時のアルコールモノマー成分比/酸モノマー成分比、分子量を調整することにより制御できる。また、エステル縮重合後、末端アルコールを多価酸モノマー(例えば、トリメリット酸)で反応させることに制御できる。 また、トナー粒子中に、ビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が反応した構造を有する重合体を含有させることが好ましい。
該重合体としては、ビニル系樹脂成分にポリオレフィンがグラフトした構造を有するグラフト重合体又はポリオレフィンにビニル系モノマーがグラフト重合したビニル系樹脂成分を有するグラフト重合体が特に好ましい。
該重合体は、トナー製造時の混練工程や表面平滑工程において溶融した結着樹脂とワックスに対し界面活性剤的な働きをする。従って、該重合体を含有させることによって、トナー粒子中のワックスの分散粒径のコントロールや、必要に応じて行われる熱風による表面処理における、ワックスの粒子表面への移行速度のコントロールができる。
該ポリオレフィンとしては、二重結合を一つ有する不飽和炭化水素系モノマーの重合体または共重合体であれば特に限定されず、様々なポリオレフィンを用いることができる。特にポリエチレン系、ポリプロピレン系が好ましく用いられる。
一方、ビニル系モノマーとしては、以下のものが挙げられる。
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体などのスチレン系モノマー。
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きアミノ基含有α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などの窒素原子を含むビニル系モノマー。
マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物、及びこれらのモノエステルなどのカルボキシル基を含むビニル系モノマー。
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンなどの水酸基を含むビニル系モノマー。
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類などのアクリル酸エステルからなるエステル単位。
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類などのメタクリル酸エステルからなるエステル単位。
該重合体は、前述したこれらのモノマー同士の反応や、一方の重合体のモノマーと他方の重合体との反応等、公知の方法によって得ることができる。
ビニル系樹脂成分の構成単位として、スチレン系単位、さらにはアクリロニトリル、またはメタアクリロニトリルを含むことが好ましい。
該重合体中の炭化水素化合物とビニル系樹脂成分の質量比は1/99〜75/25であることが好ましい。炭化水素化合物とビニル系樹脂成分を上記範囲で用いることが、トナー粒子中へワックスを分散させるため及び必要に応じ熱風により表面処理を行う際のワックスのトナー表面への移行速度のコントロールができるために好ましい。
該重合体の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.2質量部以上、20質量部以下であることが好ましい。
該重合体を上記範囲で用いることが、トナー粒子中へワックスを分散させるため及び熱風により表面処理を行う際のワックスのトナー表面への移行速度のコントロールができるため好ましい。
[ワックス]
トナーに用いられるワックスとしては、特に限定されないが、以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、低温定着性、耐定着巻きつき性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックスが好ましい。
該ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上20質量部以下で使用されることが好ましい。また、トナーの保存性と高温オフセット性の両立の観点から、示差走査熱量分析装置(DSC)で測定される昇温時の吸熱曲線において、温度30℃以上200℃以下の範囲に存在する最大吸熱ピークのピーク温度が50℃以上110℃以下であることが好ましい。
[着色剤]
トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタ着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタ着色染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料。
シアン着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアン着色染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロー着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロー着色染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
上記着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。
[荷電制御剤]
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して、0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
[外添剤]
必要に応じて流動性向上や摩擦帯電量調整のために、更に外添剤が添加されていてもよい。
当該外添剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子の如き無機微粒子が好ましい。該無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。
用いられる外添剤の比表面積としては、比表面積が10m/g以上50m/g以下の無機微粒子が、外添剤の埋め込み抑制の観点で好ましい。
また、該外添剤は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下使用されることが好ましい。
トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができるが、混合できればよく、特に装置は限定されるものではない。
[シリカ微粒子]
外添剤として用いられるシリカ微粒子としては、例えば、湿式法、火炎溶融法及び気相法など任意の方法で製造されたシリカ微粒子が好ましく用いられる。
湿式法としては、水が存在する有機溶媒中にアルコキシシランを滴下し、触媒により加水分解、縮合反応させた後、得られたシリカゾル懸濁液から溶媒を除去し、乾燥してゾルゲルシリカを得るゾルゲル法が挙げられる。
火炎溶融法としては、常温でガス状または液状である珪素化合物を、予めガス状にした後、水素および/または炭化水素からなる可燃性ガスと、酸素を供給して形成した外炎中において、該珪素化合物を分解・溶融させてシリカ微粒子(溶融シリカ)を得る方法が挙げられる。該火炎溶融法では、外炎中において、該珪素化合物からシリカ微粒子を生成させると同時に、所望の粒径や形状となるようにシリカ微粒子同士を融着、合一させた後冷却し、バグフィルター等で捕集することができる。原料として用いる該珪素化合物は、常温でガス状または液状であれば特に制限はなく、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン及びデカメチルシクロペンタシロキサンなどの環状シロキサン、ヘキサメチルジシロキサン及びオクタメチルトリシロキサンなどのシロキサン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン及びジメチルジメトキシシランなどのアルコキシシラン、テトラメチルシラン、ジエチルシラン及びヘキサメチルジシラザンなどの有機シラン化合物、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン及びテトラクロロシラン等のハロゲン化珪素、モノシラン及びジシラン等の無機珪素が挙げられる。
気相法としては、四塩化珪素を酸素、水素及び希釈ガス(例えば、窒素、アルゴン及び二酸化炭素など)の混合ガスとともに高温で燃焼させて製造する、ヒュームド法が挙げられる。
シリカ微粒子は、表面を疎水化処理する目的で、表面処理を施すことが好ましい。このときの表面処理剤としては、シランカップリング剤またはシリコーンオイルが好ましく用いられる。
シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラメン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当たり2乃至12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位に夫々1個あたりのケイ素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサンが挙げられる。
シリカ微粒子の処理に用いるシリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル,アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。シリコーンオイルとしては上記式のものに限定されるわけではない。上記シリコーンオイルは、温度25℃における粘度が50乃至1000mm/sのものが好ましい。50mm/s未満では熱が加わることにより一部揮発し、帯電特性が劣化しやすい。1000mm/sを超える場合では、処理作業上取扱いが困難となる。シリコーンオイル処理の方法としては、公知技術が使用できる。例えば、ケイ酸微粉体とシリコーンオイルとを混合機を用い、混合する;ケイ酸微粉体中にシリコーンオイルを噴霧器を用い噴霧する;或いは溶剤中にシリコーンオイルを溶解させた後、ケイ酸微粉体を混合する方法が挙げられる。処理方法としてはこれに限定されるものではない。
該シリカ微粒子は、表面処理剤としてヘキサメチルジシラザンまたはシリコーンオイルを用いたものが好ましい。
該シリカ微粒子の帯電量Qは、負帯電極性トナー用標準キャリア(日本画像学会社製)との摩擦帯電量計測において、−200(mC/kg)以上−20(mC/kg)以下であることが好ましい。
[チタン酸ストロンチウム微粒子]
摩擦帯電量の調整のためには、トナー粒子の表面に、正帯電極性のチタン酸ストロンチウム微粒子が存在することが好ましい。さらに好ましくは、ペロブスカイト型結晶であり且つ粒子形状が立方体状及び/又は直方体状であるチタン酸ストロンチウム微粒子を用いることが好ましい。
ペロブスカイト型結晶のチタン酸ストロンチウムは、例えば、硫酸チタニル水溶液を加水分解して得た含水酸化チタンスラリーのpHを調整して得たチタニアゾルの分散液に、ストロンチウムの水酸化物を添加して、反応温度まで加温することで合成することができる。該含水酸化チタンスラリーのpHは0.5〜1.0とすることで、良好な結晶化度及び粒径のチタニアゾルが得られる。又、チタニアゾル粒子に吸着しているイオンを除去する目的で、該チタニアゾルの分散液に、水酸化ナトリウムの如きアルカリ性物質を添加することが好ましい。このときナトリウムイオン等を含水酸化チタン表面に吸着させないために、該スラリーのpHを7以上にしないことが好ましい。又、反応温度は60℃〜100℃が好ましく、所望の粒度分布を得るためには昇温速度を30℃/時間以下にすることが好ましく、反応時間は3〜7時間であることが好ましい。上記の如き方法により製造されたチタン酸ストロンチウムを脂肪酸又はその金属塩で表面処理を行う方法としては以下の方法がある。たとえば、Arガス又はNガス雰囲気下、チタン酸ストロンチウムスラリーを脂肪酸ナトリウム水溶液中に入れ、ペロブスカイト型結晶表面に脂肪酸を析出させることができる。また、たとえばArガス又はNガス雰囲気下、チタン酸ストロンチウムスラリーを脂肪酸ナトリウム水溶液中に入れ、撹拌しながら、所望の金属塩水溶液を滴下することで、ペロブスカイト型結晶表面に脂肪酸金属塩を析出,吸着させることができる。例えばステアリン酸ナトリウム水溶液と硫酸アルミニウムを用いればステアリン酸アルミニウムを吸着させることができる。
チタン酸ストロンチウム微粒子は、表面処理剤として脂肪酸または脂肪酸金属塩を用いたものが好ましい。脂肪酸または脂肪酸金属塩としては、特に限定されないが、脂肪酸の種類としてC14〜22の飽和脂肪酸、たとえばミスチリン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸が好ましく用いられるまた金属塩としては脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウムが好ましく用いられる。
負帯電極性のトナー粒子に外添する場合には、チタン酸ストロンチウム微粒子は、負帯電極性トナー用標準キャリア(日本画像学会社製)との摩擦帯電量計測において、+20(mC/kg)以上+200(mC/kg)以下であることが好ましい。
[磁性キャリア]
磁性キャリアの磁化の強さが、50Am/kg以上80Am/kg以下であることが好ましい。ここでいう磁化の強さとは、1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さである。磁性キャリアの飽和磁化量がこの範囲の場合、長期にわたり、さらに良好なドット再現性の良い画像を得ることができる。
また、磁性キャリアの真比重は、2.5g/cm以上4.2g/cm以下であることが好ましい。真比重が上記の範囲内であれば、磁性キャリアが現像スリーブに良好に保持されやすくなる。また、現像剤の攪拌時の抵抗が小さく、Et100に係る規定を満たしやすくなる。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。
また、磁性キャリアの体積分布基準の50%粒径(D50)は、20μm以上70μm以下であることが、現像剤の流動性を保ち、帯電付与能を安定させ、濃度の変化防止のため好ましい。
磁性キャリアの混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上16質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
[製造方法]
トナーの製造方法は、特に限定されることなく、公知の製造方法を用いることができる。ここでは、粉砕法を用いたトナーの製造方法を例に挙げて説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂及びワックス、並びに必要に応じて着色剤、荷電制御剤等の他の成分を、所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面処理を行うこともできる。
特に、本発明では、上記製法により得られたトナー粒子表面にシリカ微粒子を分散させ、その分散させた状態で熱風による表面処理によりシリカ微粒子をトナー粒子表面に固着させることが好ましい。
本発明では、例えば、図10で表される表面処理装置を用いて熱風により表面処理を行い、必要に応じて分級をすることによりトナーを得ることができる。
該熱風による表面処理は、トナーを高圧エア供給ノズルからの噴射により噴出させ、該噴出させたトナーを、熱風中にさらすことでトナーの表面を処理し、該熱風の温度が、100℃以上450℃以下の範囲であることが特に好ましい。
ここで、上記熱風を用いた表面処理の方法の概略を、図10を用いて説明するが、これに限定されるものではない。図10は本発明で用いた表面処理装置の一例を示した断面図である。具体的には、上記トナー粒子表面に無機微粒子を分散させた後、当該表面処理装置に供給する。そして、トナー供給口(100)から供給されたトナー粒子(114)は、高圧エア供給ノズル(115)から噴射されるインジェクションエアにより加速され、その下方にある気流噴射部材(102)へ向かう。気流噴射部材(102)からは拡散エアが噴射され、この拡散エアによりトナー粒子が外側方向へ拡散する。この時、インジェクションエアの流量と拡散エアの流量とを調節することにより、トナーの拡散状態をコントロールすることができる。
また、トナー粒子の融着防止を目的として、トナー供給口(100)の外周、表面処理装置外周及び移送配管(116)の外周には冷却ジャケット(106)が設けられている。尚、該冷却ジャケットには冷却水(好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を通水することが好ましい。一方、拡散エアにより拡散したトナー粒子は、熱風供給口(101)から供給された熱風により、トナー粒子の表面が処理される。この時、熱風温度C(℃)は100℃以上450℃以下であることが好ましい。更に好ましくは100℃以上400℃以下であり、特に好ましくは150℃以上300℃以下である。
熱風の温度が100℃未満の場合にはトナー粒子表面の表面面粗さにばらつきが生じる場合がある。また、450℃を超える場合には溶融状態が進みすぎることでトナー同士の合一が進み、トナーの粗大化や融着が生じる場合がある。
熱風により表面が処理されたトナー粒子は、装置上部外周に設けた冷風供給口(103)から供給される冷風により冷却される。この時、装置内の温度分布の制御、トナーの表面状態をコントロールする目的で、装置の本体側面に設けた第二の冷風供給口(104)から冷風を導入しても良い。第二の冷風供給口(104)の出口はスリット形状、ルーバー形状、多孔板形状、メッシュ形状等を用いる事ができ、導入方向は中心方向へ水平、装置壁面に沿う方向が、目的に応じて選択可能である。この時、冷風の温度E(℃)は−50℃以上10℃以下であることが好ましい。更に好ましくは、−40℃以上8℃以下である。また、該冷風は除湿された冷風であることが好ましい。具体的には、冷風の絶対水分量が5g/m以下であることが好ましい。更に好ましくは、3g/m以下である。
冷風温度が−50℃未満の場合には装置内の温度が下がりすぎてしまい、本来の目的である熱による処理が十分に為されず、トナー粒子の球形化ができない場合がある。また、10℃を超える場合には、装置内における熱風ゾーンの制御が不十分になり、粒子同士の合一が進み、粉体粒子の粗大化が生じる場合がある。
その後、冷却されたトナー粒子は、ブロワーで吸引され、移送配管(116)を通じて、サイクロン等で回収される。
また、必要に応じて、奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステム、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステムを用いて更に表面改質及び球形化処理を行ってもよい。このような場合では必要に応じて風力式篩のハイボルター(新東京機械社製)等の篩分機を用いても良い。
その後、必要に応じ、他の無機微粒子を外添し、流動性付与、帯電安定性を向上させてもよい。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、本発明に関わる各物性の測定方法について記載する。
<トナーの平均円形度の測定方法>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512画素の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200乃至1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した該フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。該手順に従い調整した分散液を該フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を指定することにより、その範囲の粒子の個数割合(%)、平均円形度を算出することができる。トナーの平均円形度は、円相当径1.98μm以上39.96μm以下とし、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.98μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<磁性キャリアの磁化量の測定方法>
磁性キャリアの磁化量は、振動磁場型磁気特性測定装置(Vibrating sample magnetometer)や直流磁化特性記録装置(B−Hトレーサー)で求めることが可能である。後述の実施例においては、振動磁場型磁気特性測定装置BHV−30(理研電子(株)製)で以下の手順で測定する。
円筒状のプラスチック容器に磁性キャリアを十分に密に充填したものを試料とする。前記容器に充填した試料の実際の質量を測定する。その後、瞬間接着剤により試料が動かないようにプラスチック容器内の試料を接着する。
標準試料を用いて、5000/4π(kA/m)での外部磁場軸及び磁化モーメント軸の校正を行う。
スイープ速度5(min/roop)とし、1000/4π(kA/m)の外部磁場を印加した磁化モーメントのループから磁化量を測定した。これらより、試料重さで除して、磁性キャリアの磁化量(Am/kg)を求める。上記のようにして得られた磁化の強さに真比重を掛けることで、単位体積あたりの磁化の強さを求めることができる。
<磁性キャリアの真密度の測定方法>
磁性キャリアの真密度は、乾式自動密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定する。まず、23℃、50%RHの環境に24時間放置したサンプル試料を5g精秤し、測定用セル(10cm)に入れ、本体試料室に挿入する。測定は、試料サンプル質量を本体に入力し測定をスタートさせることにより自動測定できる。
自動測定の測定条件は、20.000psig(2.392×10kPa)で調整されたヘリウムガスを用いる。試料室内に10回パージした後、試料室内の圧力変化が0.005(psig/min)(3.447×10−2kPa/min)になる状態を平衡状態とし、平衡状態になるまで繰り返しヘリウムガスをパージする。平衡状態の時の本体試料室の圧力を測定する。その平衡状態に達した時の圧力変化により試料サンプル体積が算出できる(ボイルの法則)。
試料サンプル体積が算出できることにより、以下の式で試料サンプルの真密度が計算できる。
試料サンプルの真密度(g/cm)=試料サンプル質量(g)/試料サンプル体積(cm
この自動測定により5回繰り返し測定した値の平均値を真比重(g/cm)とする。
<磁性キャリアの体積分布基準の50%粒径(D50)の測定方法>
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行った。
磁性キャリアの体積分布基準50%粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33リットル/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。
測定条件は、SetZero時間10秒、測定時間10秒、測定回数1回、粒子屈折率は、1.81、粒子形状を非球形、測定上限1408μm、測定下限0.243μmとする。測定は、常温常湿(23℃、50%RH)環境下で行う。
<Et100、Et10及びEt10/Et100の測定方法>
Et100及びEt10の測定には、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置(パウダーレオメータFT−4、Freeman Technology社製)(以下、「FT−4」ともいう)を用いた。
上記装置の原理は、粉体サンプル中で回転式ブレードを移動させ、一定のパターンの流れを起こさせる。粉体サンプル中の粒子はブレードが近接すると流動し、通過すると再び静止する。ブレードが粉体中を移動するのに必要としたエネルギーが測定され、この値から、種々の流動性指数が計算される。ブレードはプロペラ型で、回転すると同時に上又は下方向にも運動するので先端はらせんを描くことになる。回転速度と上下運動を変化させることによりブレードのらせん経路の角度や速度を調節することができる。ブレードが粉体層表面に対して右回りのらせん経路に沿って移動するときには粉体を均一に混ぜる作用がある。逆にブレードが粉体層表面に対して左回りのらせん経路に沿って移動するときにはブレードは粉体から抵抗を受けることになる。
具体的には、以下の操作により測定を行った。尚、全ての操作において、プロペラ型ブレードは、FT−4測定専用[23.5mm径ブレード(型番:C415)](以下、「ブレード」と省略)を用いた。
まず、FT−4測定専用[25mm×25mlスプリット容器(型番:2015)](以下、容器と省略)に23℃/60%RH環境に3日放置された現像剤をすりきり一杯(約30cc)入れることで現像剤粉体層とした。
(1)コンディショニング操作
(a):ブレードの周速(ブレードの最外縁部の周速)を100(mm/sec)にした。粉体層への垂直方向の進入速度を、移動中のブレードの最外縁部が描く軌跡と粉体層表面とのなす角度(以降、「ブレード軌跡角」)が5(deg)になるスピードにした。粉体層表面に対して時計回り(ブレードの回転により粉体層がほぐされる方向)の回転方向に、粉体層表面から粉体層の底面から5mmの位置までブレードを進入させた。その後、ブレードの周速を40(mm/sec)、粉体層への垂直方向の進入速度を、ブレード軌跡角が2(deg)になるスピードで、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、粉体層の底面から2mmの位置までブレードを進入させる操作を行った。その後、ブレードの周速を40(mm/sec)、粉体層からの抜き取り速度をブレード軌跡角が5deg)になるスピードで、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、トナー粉体層の底面から55mmの位置までブレードを移動させ、抜き取りを行った。抜き取りが完了したら、ブレードを時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレードに付着した現像剤を払い落とした。
(b):一連の上記(1)−(a)の操作を5回行うことで、現像剤粉体層中に巻き込まれている空気を取り除き、安定した現像剤粉体層を作った。
(2)スプリット操作
上述の容器のスプリット部分で現像剤粉体層をすり切り、粉体層上部の現像剤を取り除くことで、同じ体積(25ml)の現像剤粉体層を形成した。
(3)測定操作
(a):上記(1)−(a)と同様の操作を一回行った。
(b):次にブレードの周速を100(mm/sec)、粉体層への垂直方向の進入速度を、ブレード軌跡角が5(deg)になるスピードにした。粉体層表面に対して反時計回り(ブレードの回転により粉体層が押し込まれる方向)の回転方向に、トナー粉体層の底面から5mmの位置までブレードを進入させた。その後、ブレードの周速を40(mm/sec)、粉体層への垂直方向の進入速度を、ブレード軌跡角が2(deg)になるスピードで、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、粉体層の底面から2mmの位置までブレードを進入させる操作を行った。その後、ブレードの周速を40(mm/sec)、粉体層からの垂直方向の抜き取り速度をブレード軌跡角が5(deg)になるスピードで、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、粉体層の底面から55mmの位置までブレードの抜き取りを行った。抜き取りが完了したら、ブレードを時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレードに付着した現像剤を払い落とした。
(c):上記、(b)の一連の操作を7回繰り返した。
上記(c)の操作において、7回目のブレードの周速100(mm/sec)で二成分系現像剤粉体層の底面から100mmから10mmの位置までブレードを進入させたときに得られる回転トルクと垂直荷重の合計エネルギーを、Et100(mJ)とした。
(d):(3)−(c)と同様に70(mm/sec)、40(mm/sec)、10(mm/sec)に順次周速を落とした測定を行った。周速が10(mm/sec)でトナー粉体層の底面から55mmの位置から測定を開始し、底面から2mmの位置まで進入させた時に得られる回転トルクと垂直荷重の合計エネルギーを、Et10(mJ)とした。
そこからEt10/Et100(mJ)を算出した。
尚、上記Et100及びEt10は、トナー、磁性キャリア、現像剤の構造又は物性を制御することで本発明の範囲に調整することが可能である。
<磁気力/磁束密度の測定方法>
本実施例で述べた磁気力は以下説明する計算方法によって算出できる。
Figure 2015090444
よって、Br及びBθが分かれば、Fr及びFθを求めることが出来る。ここで、磁束密度Brは、測定器としてF.W.BELL社製磁場測定器「MS−9902」(商品名)を用いて、測定器の部材であるプローブと現像スリーブ8の表面との距離を約100μmに設定して測定したものである。
さらに、Bθは以下のように求めることが出来る。磁束密度Brの測定位置でのベクトルポテンシャルA(R,θ)は測定された磁束密度Brを用いて、
Figure 2015090444
で求められる。境界条件をA(R,θ)とし、方程式
(R,θ)=0
を解くことでA(R,θ)を求める。そして、
Figure 2015090444
より、Bθを求めることが出来た。
以上より測定及び計算されたBr及びBθを(1)式に当てはめることで、Fr及びFθを導き出すことが出来る。
<微粒子の帯電量の測定方法>
シリカ微粒子およびチタン酸ストロンチウム微粒子の帯電量(mC/kg)は以下のようにして算出する。測定は、温度23℃,相対湿度50%環境下で行う。負帯電極性トナー用標準キャリア(日本画像学会社製)9.9gに帯電性を測定したいサンプル0.1gを加えた混合物を50ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ、12時間静置する。次に、Model−YS−LD振とう器(株式会社ヤヨイ製)を用いて150rpmで2分間振とうする。次いで、図11に示す摩擦帯電量測定装置において、底に635メッシュのスクリーン2のある金属製の測定容器2に前記混合物0.4gを入れ、金属製のフタ4をする。この時の測定容器2全体の質量を秤りW1(g)とする。次に吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調節して真空計5の圧力を2kPaとする。この状態で1分間吸引を行い、現像剤を吸引除去する。この時の電位計9の電位をV(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定機全体の質量を秤りW2(g)とする。サンプルの摩擦帯電量Q(mC/kg)は下式の如く計算される。
Q=CV/(W1−W2)
以上本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下実施例に基づいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、本発明は何らこれに限定されるものではない。
[現像剤の製造例]
[結着樹脂1の製造例]
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン76.9部(0.167モル)、テレフタル酸24.1部(0.145モル)、及びチタンテトラブトキシド0.5質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。(第1反応工程)その後、無水トリメリット酸2.0質量部(0.010モル)を添加し、180℃で1時間反応させ(第2反応工程)、結着樹脂1を得た。
この結着樹脂1の酸価は10mgKOH/gであり、水酸基価は65mgKOH/gであった。また、GPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)8,000、数平均分子量(Mn)3,500、ピーク分子量(Mp)5,700、軟化点は90℃であった。
[結着樹脂2の製造例]
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン71.3質量部(0.155モル)、テレフタル酸24.1質量部(0.145モル)、及びチタンテトラブトキシド0.6部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。(第1反応工程)その後、無水トリメリット酸5.8質量部(0.030モル%)を添加し、180℃で10時間反応させ(第2反応工程)、結着樹脂2を得た。
この結着樹脂2の酸価は15mgKOH/gであり、水酸基価は7mgKOH/gである。また、GPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)200,000、数平均分子量(Mn)5,000、ピーク分子量(Mp)10,000、軟化点は130℃であった。
[重合体の製造例1]
・低密度ポリエチレン
(Mw1400、Mn850、DSCによる最大吸熱ピークが100℃)18.0質量部
・スチレン 66.0質量部
・n−ブチルアクリレート 13.5質量部
・アクリロニトリル 2.5質量部
をオートクレーブに仕込み、系内をN置換後、昇温撹拌しながら180℃に保持した。系内に、2質量%のt−ブチルハイドロパーオキシドのキシレン溶液50質量部を5時間連続的に滴下し、冷却後溶媒を分離除去し、上記低密度ポリエチレンにビニル樹脂成分が反応した重合体Aを得た。重合体Aの分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)7100、数平均分子量(Mn)3000であった。
[チタン酸ストロンチウム微粒子の製造例]
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを0.65に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを4.5に調整し上澄み液の電気伝導度が70μS/cmになるまで洗浄をくり返しした。該含水酸化チタンに対し、0.97倍モル量のSr(OH)・8HOを加えてSUS製反応容器に入れ、窒素ガス置換した。さらにSrTiO換算で0.5mol/Lになるように蒸留水を加えた。窒素雰囲気中で該スラリーを83℃まで6.5℃/時間で昇温し、83℃に到達してから6時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後純水で洗浄をくり返した。さらに窒素雰囲気下、上記スラリーをスラリーの固形分に対して6.5質量%のステアリン酸(炭素数18)ナトリウムを溶解した水溶液中に入れ、撹拌しながら、硫酸亜鉛水溶液を滴下して、ペロブスカイト型結晶表面にステアリン酸亜鉛を析出させた。該スラリーを純水でくり返し洗浄した後ヌッチェで濾過し、得られたケーキを乾燥してステアリン酸亜鉛で表面処理した個数平均粒径120nm、帯電量+55mC/kgのチタン酸ストロンチウム微粒子を得た。
<トナー1の製造例>
・結着樹脂1 70.0質量部
・結着樹脂2 30.0質量部
・フィッシャートロプシュワックス
(最大吸熱ピークのピーク温度76℃) 5.0質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
・重合体A 5.0質量部
該処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s−1、回転時間5minで混合した後、温度125℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s−1で分級を行った。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.8μmであった。
得られたトナー粒子100部に、シリカ微粒子A(信越化学工業社製「X−24−9163A」、一次粒子の個数平均粒径=100nm、帯電量=−92mC/kg)を5.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)で、回転数30s−1、回転時間10minで混合し、図10で示す表面処理装置によって熱処理を行った。運転条件はフィード量=5kg/hrとし、また、熱風温度C=200℃、熱風流量=6m/min、冷風温度E=5℃、冷風流量=4m/min、冷風絶対水分量=3g/m、ブロワー風量=20m/min、インジェクションエア流量=1m/min.とした。得られた処理トナー粒子は、平均円形度が0.964、重量平均粒径(D4)が6.2μmであった。
得られた処理トナー粒子100質量部にヘキサメチルジシラザン2.5質量%で表面処理した個数平均粒径40nmのシリカ微粒子1.0質量部、チタン酸ストロンチウム微粒子を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)で回転数30s−1、回転時間10min混合して、トナー1を得た。得られたトナーの物性を表1に示す。
<トナー2乃至5の製造例>
表1に示す通りに、WAX、重合体、シリカ微粒子A、チタン酸ストロンチウム微粒子それぞれの添加部数を変更し、熱風温度を表のとおりに変更する以外は、トナー1製造例と同様にして、トナー2乃至5を得た。得られたトナーの物性を表1に示す。
Figure 2015090444
<磁性キャリア>
本実施例で使用した磁性キャリアの物性を表2に示す。
Figure 2015090444
<現像装置>
本実施例で使用した現像装置の設定を表3に示す。
Figure 2015090444
<二成分現像剤1の製造例>
V型混合機(V−10型:株式会社徳寿製作所)を用いて、0.5s−1、回転時間5minの運転条件で、トナー1と磁性キャリア1とをトナー濃度が10質量%になるように混合し、二成分現像剤1を得た。得られた二成分現像剤1の物性を表4に示す。
<二成分現像剤2〜17の製造例>
使用するトナー及び磁性キャリアの種類とそれらの混合割合を表4に示すように変更する以外は、二成分現像剤1の製造例と同様にして、二成分現像剤2〜17を得た。
[実施例1]
現像装置1と二成分現像剤1を用いて後述の評価を行った。評価結果を表6に示す。
[実施例2〜13、比較例1〜5]
現像装置と二成分現像剤とを表5に記載の組み合わせに変更する以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表6に示す。
Figure 2015090444
Figure 2015090444
[画像評価]
画像形成装置として、キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C7065改造機を用いた。現像器は、表3に示す条件に改造した現像器を用いた。高温高湿環境下(30℃/80%RH)での10万枚の耐久画像出力試験後に、以下の方法で評価を行った。
尚、10万枚連続通紙時間中は、1枚目と同じ現像条件、転写条件(キャリブレーション無し)で通紙を行うこととする。耐久画像は、画像の印字比率は3%とし、初期の画像濃度が1.45となるように現像バイアスを調整した。評価紙は、10万枚の耐久画像出力にコピー用普通紙CS−680(A4、坪量68g/m、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
<評価1:画像均一性の評価>
画像均一性の評価は、連続通紙後、A3紙全面にハーフトーン画像を3枚出力し、3枚目の画像を評価に用いた。画像均一性の評価は、5箇所の画像濃度を測定し、最大値と最小値の差を求めた。画像濃度は、分光濃度計500シリーズ(X−Rite社)により濃度測定を行い、以下の基準で判断した。
A:ハーフトーン領域に濃度差が、0.04未満
B:ハーフトーン領域の濃度差が、0.04以上0.08未満
C:ハーフトーン領域の濃度差が、0.08以上0.12未満
D:ハーフトーン領域の濃度差が、0.12以上0.16未満
E:ハーフトーン領域の濃度差が、0.16以上
<評価2:現像シミの評価>
画像濃度の評価は、連続通紙後、さらに画像印字比率1%を1000枚出力する。その後、A3紙全面ベタ画像を3枚出力し、続いてA3紙全面ハーフトーン画像を3枚出力した。ハーフトーン画像3枚を目視にて評価し、斑点(現像シミ)の数の合計値を、下記の指標で判断した。
A:全くなし
B:3個未満
C:3個以上9個未満
D:9個以上12個未満
E:15個以上
<評価3:カブリの評価>
カブリの評価は、連続通紙後、A3紙全面にベタ白画像を印字し、以下の基準で判断した。印字しない紙の6点の平均反射率Dr(%)と、印字した紙の6点の平均反射率Ds(%)とを、リフレクトメータ(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定し、カブリ率(%)を求めた。
カブリ率(%)=Dr(%)−Ds(%)
A:カブリ率が0.5%未満
B:カブリ率が0.5以上1.0%未満
C:カブリ率が1.0以上2.0%未満
D:カブリ率が2.0以上3.0%未満
E:カブリ率が3.0%以上
<評価4:ドット再現性>
1画素を1ドットで形成するドット画像を作成した。
紙上の1ドットあたりの面積が、20000以上25000μm2となるように、レーザービームのスポット径を調整した。
デジタルマイクロスコープVHX−500(レンズワイドレンジズームレンズVH−Z100・キーエンス社製)を用い、ドット1000個の面積を測定した。
ドット面積の個数平均(S)とドット面積の標準偏差(σ)を算出し、ドット再現性指数を書き式により算出した。
ドット再現性指数(I)=σ/S×100
A:Iが4.0未満
B:Iが4.0以上6.0未満
C:Iが6.0以上8.0未満
D:Iが8.0以上10.0未満
E:Iが10.0以上
<評価5:キャリア付着>
キャリア付着の評価は、連続通紙後において、A3全面ベタハーフトーン画像を紙上に3枚連続出力した。この時のキャリア粒径程度に白く抜ける個数をカウントし、A3用紙1枚あたりに平均したもので表した。
A:全くなし
B:0.6個未満
C:0.6個以上1.2個未満
D:1.2個以上1.8個未満
E:1.8個以上
Figure 2015090444
1 現像装置
2 現像容器
3 現像室
4 攪拌室
5 第1の搬送スクリュー(循環手段)
6 第2の搬送スクリュー(循環手段)
7 隔壁部材
8 現像スリーブ(現像剤担持体)
8’ マグネットローラ(磁界発生手段)
9 規制ブレード(現像剤規制部材)
10 感光ドラム(像担持体)
11 搬送ガイド
20 トナー補給槽
21 一次帯電器
22 発光素子
23 第一転写帯電器
24 転写材搬送シート
25 定着器
26 クリーニング装置
27 転写紙
T 現像剤
100 トナー粒子供給口
101 熱風供給口
102 気流噴射部材
103 冷風供給口
104 第二の冷風供給口
106 冷却ジャケット
114 トナー粒子
115 高圧エア供給ノズル
116 移送配管

Claims (3)

  1. 静電潜像担持体を帯電手段により帯電する帯電工程、
    帯電された前記静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程、
    現像装置を用いて、トナーと磁性キャリアを含む現像剤により前記静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像工程、
    前記トナー像を、中間転写体を介して又は介さずに転写材に転写する転写工程、及び
    転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程、
    を有する画像形成方法であって、
    前記現像装置は、
    i)前記現像剤を担持するためのスリーブ状の現像剤担持体、
    ii)前記現像剤担持体の内側に設けられ、前記現像剤担持体の回転方向に複数の磁極を備えたマグネット、
    iii)前記現像剤を収容し、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給するための現像室、
    iv)前記現像剤担持体にコートされる現像剤量を規制するための非磁性の規制ブレード部材、及び
    v)前記現像室内において、前記規制ブレード部材よりも前記現像剤担持体の回転方向上流側で、前記規制ブレード部材及び前記現像剤担持体に対向して設けられ、前記現像室内の前記現像剤が前記現像剤担持体に供給される際に、前記現像剤が重力方向上方から前記現像剤担持体へ供給されるようにガイドするガイド部材を有し、
    前記ガイド部材によって前記現像剤担持体に現像剤が供給される位置のうち現像剤担持体の回転方向の最も上流側の位置から前記規制ブレード部材までの前記現像剤担持体の回転方向に関する距離が2mm以上であり、
    前記現像剤担持体の表面における前記現像剤担持体の法線方向の磁気力をFrとしたとき、前記ガイド部材によって前記現像剤担持体に現像剤が供給される位置のうち現像剤担持体の回転方向の最も上流側の位置から前記規制ブレード部材までの前記磁気力Frを積分した積分値(FrAll)に対する、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記ブレード部材から前記ブレード部材よりも2mm上流側の位置までの前記磁気力Frを積分した積分値(FrNear)が、60%以上となるように前記複数の磁極が設けられており、
    プロペラ型ブレードを回転させながら容器内の現像剤層中に垂直に進入させたときの回転トルクと垂直荷重を測定する粉体流動性分析において、
    i)現像剤層の底面から100mmの位置に前記プロペラ型ブレードがある状態から測定を開始し、底面から10mmの位置まで、最外縁部の周速が100mm/secとなるように前記プロペラ型ブレードを回転させて進入させたときの回転トルクと垂直荷重の合計エネルギーをEt100(mJ)とし、
    ii)現像剤層の底面から55mmの位置に前記プロペラ型ブレードがある状態から測定を開始し、底面から2mmの位置まで、最外縁部の周速が10mm/secとなるように前記プロペラ型ブレードを回転させて進入させたときの回転トルクと垂直荷重の合計エネルギーをEt10(mJ)としたとき、
    前記現像剤が、下記式(1)及び(2)
    100≦Et100(mJ)≦360 (1)
    1.1≦Et10/Et100≦2.0 (2)
    を満たすことを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記磁性キャリアの磁化の強さが、50Am/kg以上80Am/kg以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記トナーは、負帯電極性のトナー粒子と、前記トナー粒子の表面に存在する正帯電極性のチタン酸ストロンチウム微粒子を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
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