JP2015090206A - 電磁アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
Description
このように構成すれば、油圧制御弁の弁体が軸方向の他方から一方へ最大限移動するときであっても、外部から呼吸通路に吸い込まれた空気および作動油は、収容室に到達することなく呼吸通路の途中で止まる。したがって、空気および作動油と共に吸い込まれた異物が収容室に侵入することを回避することができる。そのため、異物によりプランジャの作動が阻害されることもなく、プランジャの作動不良を抑制可能である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による電磁アクチュエータが適用されたバルブタイミング調整装置を図1に示す。バルブタイミング調整装置200は、図示しないエンジンのクランクシャフトからカムシャフト201まで駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、カムシャフト201が開閉駆動する図示しない吸気弁のバルブタイミングを調整する。
電磁アクチュエータ10は、コイル20、ボビン25、第1ヨーク30、第2ヨーク40、モールド部材50、プランジャ60およびロッド62を備えている。以下の説明において、コイル20の中心線21と平行な方向であってプランジャ60およびロッド62の軸心と平行な方向を「軸方向」として説明する。
ボビン25は、樹脂製であり、コイル20の内側に位置する筒部26と、筒部26の軸方向の両端に位置する鍔部27、28とを有している。
第1ヨーク30および第2ヨーク40は、コイル20を取り囲むように設けられており、特許請求の範囲に記載の「ヨーク」を構成している。
ロッド62は、プランジャ60から軸方向の一方へ突き出し、収容室55を通って外部に露出しており、油圧制御弁206のスプール207を軸方向へ押圧可能である。
第1ヨーク30は、電磁アクチュエータ10の外部と収容室55とを接続している呼吸通路65を有している。本実施形態では、呼吸通路65は、第1ヨーク30の第1円板部32を軸方向へ貫通している通孔66と、第1ヨーク30の内側筒部31の外壁に形成されている環状溝33と、第1ヨーク30の内側筒部31の外壁に形成され、環状溝33から第2円板部42側に軸方向へ延びている軸方向溝67とから構成されている。
このように構成すれば、収容室55の容積が最小値から最大値まで増える場合であっても、外部から呼吸通路65に吸い込まれる空気または作動油は、収容室55に到達することなく呼吸通路65の途中で止まる。したがって、空気および作動油と共に吸い込まれた異物が収容室55に侵入することを回避することができる。そのため、異物によりプランジャ60の作動が阻害されることもなく、プランジャ60の作動不良を抑制可能である。
このように構成すれば、呼吸通路65の容積が比較的大きくなるよう、呼吸通路65の経路を長く設定することができる。
このように構成すれば、第1ヨーク30をプランジャ60の支持部材として機能させることができ、プランジャ60の支持部材を別途設ける必要がない。
このように構成すれば、空気および作動油と共に呼吸通路65に吸い込まれた例えば鉄粉などの異物が収容室55に侵入することを一層回避することができる。
このように構成すれば、コイル20の通電時において各軸方向溝67に起因して生じるサイドフォースが互いに打ち消し合うため、プランジャ60の摺動抵抗の増大を抑制することができる。そのため、電磁アクチュエータ10の応答性の低下を抑制可能である。
本発明の第2実施形態による電磁アクチュエータ70について図9、図10を参照して説明する。
電磁アクチュエータ70の第1ヨーク71が有する呼吸通路72は、通孔73、環状溝33、および軸方向溝74から構成されている。第2実施形態では、通孔73および軸方向溝74は1つずつ形成されている。通孔73は、電磁アクチュエータ10の使用状態において、ロッド62に対し天地方向の地側に位置するように形成されている。また、軸方向溝74は、第1ヨーク71を軸方向に見たとき、中心線21を間に置いて通孔73と対向するように形成されている。
また、第2実施形態では、通孔73は、電磁アクチュエータ70の使用状態において呼吸通路72の最下部に位置する。そのため、環状溝33等に溜まった作動油が重力の作用で通孔73を通って外部へ自然と排出されるので、内部の作動油を効果的に排出することができる。
本発明の第3実施形態による電磁アクチュエータ80について図11を参照して説明する。
電磁アクチュエータ80の第1ヨーク81が有する呼吸通路82は、通孔83、環状溝33、および軸方向溝84から構成されている。第3実施形態では、通孔83は2つ形成され、軸方向溝84は3つ形成されている。各軸方向溝84は、中心線21まわりの周方向で等間隔に形成されている。第1ヨーク81を軸方向に見たとき、一方の通孔83は、第1の軸方向溝84と第2の軸方向溝84との間に形成され、他方の通孔83は、第2の軸方向溝84と第3の軸方向溝84との間に形成されている。
本発明の第4実施形態による電磁アクチュエータ90について図12を参照して説明する。
電磁アクチュエータ90の第1ヨーク91が有する呼吸通路92は、通孔93、環状溝33、および軸方向溝94から構成されている。第4実施形態では、通孔93および軸方向溝94は2つずつ形成されている。一方の通孔93は、中心線21を間に置いて他方の通孔93と対向するように形成されている。また、一方の軸方向溝94は、中心線21を間に置いて他方の軸方向溝94と対向するように形成されている。
本発明の第5実施形態による電磁アクチュエータ100について図13を参照して説明する。
電磁アクチュエータ100の第1ヨーク101が有する呼吸通路102は、通孔103、環状溝33、および軸方向溝94から構成されている。第4実施形態では、通孔103は1つ形成され、軸方向溝94は2つ形成されている。通孔103は、中心線21まわりの周方向に長い長孔である。
本発明の第6実施形態による電磁アクチュエータ110について図14を参照して説明する。
電磁アクチュエータ110の第1ヨーク111は、嵌合孔112を有する板状の磁性体113と、嵌合孔112に嵌合し、呼吸通路114を構成する通孔115を有する筒状の非磁性体116とから構成されている。非磁性体116の通孔115の開口縁部117は、磁性体113と比べて、軸方向においてコイル20とは反対側へ突き出している。
本発明の第7実施形態による電磁アクチュエータ120について図15を参照して説明する。
電磁アクチュエータ120の第1ヨーク121は、嵌合孔122を有する板状の磁性体123と、嵌合孔122に嵌合し、呼吸通路124を構成する通孔125を有する筒状の非磁性体126とから構成されている。非磁性体126の通孔125の開口縁部127は、磁性体123と比べて、軸方向においてコイル20とは反対側へ突き出している。したがって、第7実施形態によれば、第6実施形態と同様に、プランジャ60の作動不良を抑制可能であり、また第1ヨーク121の外表面に付いている鉄粉が呼吸通路124に吸い込まれることを抑制することができる。
本発明の第8実施形態による電磁アクチュエータ130について図16を参照して説明する。
電磁アクチュエータ130の第1ヨーク131は、嵌合孔132を有する板状の磁性体133と、嵌合孔132に嵌合し、呼吸通路134を構成する通孔135を有する筒状の非磁性体136とから構成されている。非磁性体136の通孔135の開口縁部137は、磁性体133と比べて、軸方向においてコイル20とは反対側へ突き出している。したがって、第8実施形態によれば、第7実施形態と同様に、プランジャ60の作動不良を抑制可能であり、また第1ヨーク131の外表面に付いている鉄粉が呼吸通路134に吸い込まれることを抑制することができ、さらに油圧制御弁206から排出される作動油に含まれている異物が呼吸通路124に吸い込まれることを一層抑制することができる。
本発明の他の実施形態では、呼吸通路は、コイルの内側に限らず、コイルの外側を通って収容室につながっていてもよい。また、呼吸通路は、第2空間に限らず、第1空間につながっていてもよい。また、呼吸通路は、環状溝を含まず、呼吸孔と収容室とをつなぐ通路のみで構成されてもよい。要するに、呼吸通路の最短通路部の容積が、弁体がヨークに最も接近する位置から最も離間する位置まで移動するときの収容室の容積変化量よりも大きければよい。
前述の実施形態では、ヨークは、2つの部材すなわち第1ヨークおよび第2ヨークから構成されていた。本発明の他の実施形態では、ヨークは、1つまたは3つ以上の部材から構成されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
20・・・コイル
21・・・中心線
30、40、71、81、91、101、111、121、131・・・ヨーク
55・・・収容室
60・・・プランジャ
62・・・ロッド
65、72、82、92、102、114、124、134・・・呼吸通路
68、75、85、95、104、118・・・最短通路部
206・・・油圧制御弁
207・・・弁体
Claims (13)
- 油圧制御弁(206)を駆動可能な電磁アクチュエータ(10、70、80、90、100、110、120、130)であって、
環状のコイル(20)と、
前記コイルを取り囲むように設けられているヨーク(30、40、71、81、91、101、111、121、131)と、
前記ヨークの内側の空間である収容室(55)内に設けられ、前記コイルの中心線(21)に沿う軸方向へ往復移動可能であり、前記コイルを通電するとき生じる磁界によって軸方向の一方へ移動するプランジャ(60)と、
前記プランジャから軸方向の一方へ突き出し、前記収容室を通って外部に露出しており、前記油圧制御弁の弁体(207)を押圧可能なロッド(62)と、
を備え、
前記ヨークは、外部と前記収容室とを接続している呼吸通路(65、72、82、92、102、114、124、134)を有し、
前記呼吸通路のうち、外部から前記収容室に至るまでの最短経路に沿う部分である最短通路部(68、75、85、95、104、118)の容積は、前記弁体が前記ヨークに最も接近する位置から最も離間する位置まで移動するときの前記収容室の容積変化量よりも大きいことを特徴とする電磁アクチュエータ。 - 前記ヨークは、前記コイルに対し内側に位置している内側筒部(31)と、前記コイルに対し外側に位置している外側筒部(41)と、前記コイルに対し軸方向の一方に位置している第1板部(32)と、前記コイルに対し軸方向の他方に位置している第2板部(42)とを有し、
前記呼吸通路は、前記ヨークの前記第1板部を軸方向へ貫通している通孔(66、73、83、93、103、115、125、135)と、前記ヨークの前記内側筒部のうち前記第1板部側の端部の外壁に形成され、前記中心線まわりの周方向へ延びている環状溝(33)と、前記ヨークの前記内側筒部のうち前記第2板部側の端部の外壁に形成され、前記環状溝から前記前記第2板部側に軸方向へ延びている軸方向溝(67、74、84、94)とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。 - 前記プランジャは、前記ヨークの前記内側筒部に対し内側にある前記収容室を、軸方向の一方の第1空間(56)と軸方向の他方の第2空間(57)とに仕切るように設けられ、前記第1空間と前記第2空間とを接続している接続孔(61)を有していることを特徴とする請求項2に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記ヨークの前記内側筒部は、前記環状溝の底面と一致する箇所に括れ部(34)を形成し、
前記括れ部は、前記コイルの通電時に磁束が集中することによって、前記環状溝を流れる作動油中の磁性体を捕集することを特徴とする請求項2または3に記載の電磁アクチュエータ。 - 前記軸方向溝(67、84、94)は複数形成されており、
各軸方向溝は、前記中心線まわりの周方向で等間隔に形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の電磁アクチュエータ(10、80、90、100、110、120、130)。 - 前記通孔(73、115、125、135)および前記軸方向溝(74)は1つずつ形成され、
前記ヨーク(71、111、121、131)を軸方向に見たとき、前記軸方向溝は、前記中心線を間に置いて前記通孔と対向するように形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の電磁アクチュエータ(70、110、120、130)。 - 少なくとも1つの前記通孔(73、115、125、135)は、前記電磁アクチュエータの使用状態において前記呼吸通路の最下部に位置することを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の電磁アクチュエータ(70、110、120、130)。
- 少なくとも1つの前記通孔(93、103)および少なくとも1つの前記軸方向溝(94)は、少なくとも一部が、前記電磁アクチュエータの使用状態において前記収容室よりも重力方向で下に位置することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の電磁アクチュエータ(90、100)。
- 前記通孔(103)は、前記中心線まわりの周方向に長い長孔であることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の電磁アクチュエータ(100)。
- 前記ヨーク(111、121、131)の前記第1板部のうち前記通孔の開口縁部(117、127、137)は、当該開口縁部以外の部分と比べて、軸方向において前記コイルとは反対側へ突き出していることを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載の電磁アクチュエータ(110、120、130)。
- 前記ヨークの前記第1板部は、嵌合孔(112、122、132)を有する板状の磁性体(113、123、133)と、前記嵌合孔に嵌合し前記通孔(115、125、135)を有する筒状の非磁性体(116、126、136)とから構成されていることを特徴とする請求項10に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記通孔(125、135)の前記開口縁部(127、137)は、前記電磁アクチュエータの使用状態において重力方向上側にいくほど前記コイルとは反対側へ突き出していることを特徴とする請求項11に記載の電磁アクチュエータ(120、130)。
- 前記非磁性体(136)は、当該非磁性体の軸心(138)に垂直な端面を有する円筒部材であり、前記コイルとは反対側の端部が前記電磁アクチュエータの使用状態において重力方向下側に下がるように設けられていることを特徴とする請求項12に記載の電磁アクチュエータ(130)。
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