JP2015089603A - 連れ回り防止工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】管に螺着された筒状部材と、筒状部材に対して同心状に螺装される螺着部材を対象とし、筒状部材に対する螺着部材の装脱時に筒状部材の連れ回りを防止する連れ回り防止工具5で、筒状部材の外周に外嵌する外嵌部材6が、その内周面に筒状部材の外周面から径方向外方に突設された突起に嵌合する嵌合部12を備え、かつ、筒状部材の径方向に開閉自在な一対の外嵌部材片7、8により構成されるとともに、筒状部材への外嵌状態で一対の外嵌部材片7、8を連結して固定する固定手段11を備え、外嵌部材6に連設の握り部材13が、筒状部材の軸心方向に延出されている。
【選択図】図1
Description
また、各基端ボルトのソケット外周面への接当による摩擦力と各先端ボルトのプロテクター内周面への接当による摩擦力のみでソケットの連れ回りを防止するものであるから、例えば、ソケットからプラグを取り外す場合、ソケットに対してプラグが錆び付いていると、摩擦力により十分に対抗することができず、ソケットが一緒に回転してしまう可能性も高い。
それ以上に、ソケットの外周部に各先端ボルトの先端部を接当させるためのプロテクター内周面またはそれに相当する他物の存在が不可欠であり、例えば、ソケットの外周部に多数の配管類が存在するような状況下での狭所では使用不可能となり、この点に改良の余地があった。
その特徴構成は、前記筒状部材の外周に外嵌する外嵌部材が、その内周面に前記筒状部材の外周面から径方向外方に突設された突起に嵌合する嵌合部を備え、かつ、前記筒状部材の径方向に開閉自在な一対の外嵌部材片により構成されるとともに、前記筒状部材への外嵌状態で前記一対の外嵌部材片を連結して固定する固定手段を備え、前記外嵌部材に連設の握り部材が、前記筒状部材の軸心方向に延出されている点にある。
特に、筒状部材に外嵌する外嵌部材が、筒状部材の径方向に開閉自在な一対の外嵌部材片により構成されるので、外嵌部材を外嵌するべき筒状部材よりも螺着部材側に、当該筒状部材よりも大きな径を有する部材、例えば、螺着部材がバルブの開閉つまみ等のような筒状部材よりも大きな径を有する部材の場合や、筒状部材に回転操作具が設けられていて、当該回転操作具が径方向の外方へ突出しているような場合であっても、外嵌部材を構成する一対の外嵌部材片を開状態にして筒状部材に外嵌することにより、筒状部材の所望箇所に外嵌部材を確実に外嵌固定することができる。
そして、その外嵌部材に連設の握り部材が、筒状部材の軸心方向に延出されているので、当該握り部材が螺着部材側へ延出するように配置し、例えば、一方の手(左手)で握り部材の遊端部側を握って筒状部材の回転を阻止した状態で、他方の手(右手)で回転操作具を操作して螺着部材を回転操作することにより、筒状部材の連れ回りを確実に防止して螺着部材を回転操作することができる。
その結果、本発明の連れ回り防止工具によれば、筒状部材の外周部にプロテクターなどが存在しないような狭所においても使用可能で、しかも、作業性がよく、筒状部材の連れ回りを確実に防止することができる。
本発明に係る連れ回り防止工具は、例えば、図3に示すように、地中に埋設されたガス管(図示せず)内に溜まった水を抽水するための抽水管1において、当該抽水管1に螺着された筒状部材としてのソケット2および当該ソケット2に対して同心状に螺装される螺着部材としてのプラグ3を対象とし、ソケット2に対するプラグ3の装脱時、つまり、プラグ3の上端に設けられた回転操作部3aを回転操作してプラグ3を装脱させる際にソケット2の連れ回りを防止するために使用する。
すなわち、抽水管1の上端部に螺着されるソケット2およびプラグ3は、地中に設けられた狭いプロテクター4内に位置するため、プロテクター4の蓋4aを開けて上方からソケット2に対してプラグ3を螺着したり取り外したりする際、通常のレンチ類でソケット2の連れ回りを防止することは不可能である。
各外嵌部材片7、8は、その基端側に段部7b、8bを備え、ソケット2の軸心L(図3〜図6参照)に沿う枢支軸9が両段部7b、8bにわたって挿通され、ソケット2の径方向に開閉自在に枢着されている。各外嵌部材片7、8の先端側にも、それぞれ段部7c、8cが設けられ、各段部7c、8c、つまり、ソケット2への外嵌状態において、ソケット2の軸心L方向視において、当該軸心Lを中心として径方向における枢支軸9の反対側には、貫通孔7a、8aがそれぞれ穿設され、枢支軸9の中心には、正方形の連結孔9aが同心状に設けられている。
そして、ソケット2の外周面には、その軸心Lを中心として180°の位置に軸心Lに沿って延びる突起としての突条2aが2個突設され、一対の外嵌部材片7、8の内周面、言い換えると、外嵌部材6の内周面には、前記2個の突条2aに嵌合する一対の嵌合部としての凹入部12が4対(合計8個)設けられている。
シャフト部材14の一端部には、図2に拡大して示すように、外嵌部材6の枢支軸9に設けられた連結孔9aに嵌入して外嵌部材6に対して連結自在な嵌入部16が設けられている。当該嵌入部16は、シャフト部材14の軸心方向視において、正方形の連結孔9aに嵌入する断面がほぼ正方形の嵌入軸部16aと嵌入軸部16aの一面から突出して連結孔9aの内面に接触する凸部16bにより構成される。
シャフト部材14の他端部には、図1に示すように、握り部15を連結するための断面正方形の嵌入穴17aを有する連結部17が設けられていて、当該シャフト部材14に対して、前記テーパー状ピン部材10がチェーンなどの紐状体10aを介して取り付けられている。
握り部15の中間には、更に、前記嵌入部18に対向する状態で、継ぎ足し用の別のシャフト部材(図示せず)を連結するための断面正方向の嵌入穴19aを有する継ぎ足し用連結部19が設けられ、必要に応じて継ぎ足し用のシャフト部材を連結し得るように構成されている。
まず、外嵌部材6に握り部材13を連結する。つまり、外嵌部材6の枢支軸9の連結孔9aにシャフト部材14の嵌入部16を嵌入し、外嵌部材6にシャフト部材14を連結するとともに、シャフト部材14の連結部17の嵌入穴17aに握り部15の嵌入部18を嵌入し、シャフト部材14に握り部15を連結する。
そして、例えば、図3に示すように、ガス管の抽水管1に螺着されたソケット2およびプラグ3を対象とし、図外の抽水ポンプを接続するためにプラグ3を取り外す場合であれば、図4〜図6に示すように、外嵌部材6を構成する一対の外嵌部材片7、8を開いてソケット2に外嵌し、固定手段11により固定する。ただし、先に外嵌部材片7、8をソケット2に外嵌固定し、その後、外嵌部材6に握り部材13を連結してもよい。
外嵌部材片7、8をソケット2に外嵌固定すると、図4に示すように、握り部材13のシャフト部材14がソケット2の軸心Lに沿って上方に延出し、握り部材13の握り部15を握れば、ソケット2の連れ回りを防止することができるので、例えば、先端にプラグ3の回転操作部3aに外嵌する外嵌部20aを有する回転操作具20を使用し、左手で握り部15を握り、右手で回転操作具20を回転操作することにより、たとえ狭いプロテクター4内に位置するプラグ3であっても、ソケット2の連れ回りを確実に防止してプラグ3を取り外すことができる。また、プラグ3を螺着するときも同様で、この連れ回り防止工具5を使用することにより、ソケット2の連れ回りを確実に防止してプラグ3を螺着することができる。
(1)上記実施形態では、外嵌部材6を一対の外嵌部材片7、8により構成し、当該一対の外嵌部材片7、8を枢支軸9により枢着して開閉自在に構成した例を示したが、一対の外嵌部材片7、8を枢着することなく互いに分離自在(開閉自在)に構成し、当該一対の外嵌部材片7、8の基端部と先端部に固定手段を設けて、ソケット2に外嵌固定自在に構成して実施することもできる。
また、上記実施形態のように、一対の外嵌部材片7、8を開閉自在に枢着する場合、その固定手段11は貫通孔7a、8aとピン部材10に限るものではなく、例えば、一対の外嵌部材片7、8を挟持して固定するクランプ装置などを使用し、それを固定手段11とすることもできる。
更に、対象とするソケット2が外周面に突条2aを1個しか有していない場合には、凹入部12をひとつだけ設けることも、また、複数個設けることも可能である。
要するに、ソケット2の外周面に設ける突条2aの数や外嵌部材6の内周面に設ける凹入部12の数は適宜変更可能であるが、突条2aを複数個設け、その複数個の突条2aに嵌合可能な凹入部12を突起2aの個数以上設けることが、ソケット2に対する外嵌部材6の外嵌位置を選択できて便利である。
また、本発明の連れ回り防止具5は、ガス管の抽水管1に螺着されたソケット(筒状部材)2およびプラグ(螺着部材)3を使用対象として限定するものではなく、狭い空間内に位置する筒状部材2および当該筒状部材2に同心状に螺装される螺着部材3を備えたあらゆるものを対象として使用することができる。
2 筒状部材
2a 突起
3 螺着部材
5 連れ回り防止工具
6 外嵌部材
7、8 外嵌部材片
7a、8a 貫通孔
9 枢支軸
10 テーパー状ピン部材
11 固定手段
12 嵌合部
13 握り部材
14 シャフト部材
15 握り部
L 筒状部材の軸心
Claims (7)
- 管に螺着された筒状部材と、当該筒状部材に対して同心状に螺装される螺着部材を対象とし、前記筒状部材に対する前記螺着部材の装脱時に前記筒状部材の連れ回りを防止する連れ回り防止工具であって、
前記筒状部材の外周に外嵌する外嵌部材が、その内周面に前記筒状部材の外周面から径方向外方に突設された突起に嵌合する嵌合部を備え、かつ、前記筒状部材の径方向に開閉自在な一対の外嵌部材片により構成されるとともに、前記筒状部材への外嵌状態で前記一対の外嵌部材片を連結して固定する固定手段を備え、前記外嵌部材に連設の握り部材が、前記筒状部材の軸心方向に延出されている連れ回り防止工具。 - 前記一対の外嵌部材片が、前記筒状部材の軸心に沿う枢支軸により開閉自在に枢着され、前記筒状部材の軸心方向視において、当該筒状部材の軸心を中心として径方向における前記枢支軸の反対側に前記固定手段が設けられている請求項1に記載の連れ回り防止工具。
- 前記固定手段が、前記一対の外嵌部材片にそれぞれ設けられた貫通孔と、それら両貫通孔にわたって挿脱自在なピン部材からなる請求項2に記載の連れ回り防止工具。
- 前記ピン部材が、軸方向においてピン外径が縮小するテーパー状ピン部材である請求項3に記載の連れ回り防止工具。
- 前記突起が前記筒状部材の外周面に複数個設けられ、当該複数個の突起に嵌合可能な前記嵌合部が、前記外嵌部材の内周面に前記突起の個数以上設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の連れ回り防止工具。
- 前記握り部材が、前記筒状部材の軸心方向に延出するシャフト部材と、当該シャフト部材の遊端部側からシャフト部材に直交して延出する握り部からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の連れ回り防止工具。
- 前記外嵌部材と握り部材とが、互いに分離および連結自在に構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の連れ回り防止工具。
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