JP2015088549A - 圧電素子、圧電基板、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、記録装置、ならびに圧電素子の製造方法 - Google Patents

圧電素子、圧電基板、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、記録装置、ならびに圧電素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015088549A
JP2015088549A JP2013224388A JP2013224388A JP2015088549A JP 2015088549 A JP2015088549 A JP 2015088549A JP 2013224388 A JP2013224388 A JP 2013224388A JP 2013224388 A JP2013224388 A JP 2013224388A JP 2015088549 A JP2015088549 A JP 2015088549A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
piezoelectric ceramic
ceramic layer
green sheet
flow path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013224388A
Other languages
English (en)
Inventor
由宇 喜裕
Yoshihiro Yuu
喜裕 由宇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2013224388A priority Critical patent/JP2015088549A/ja
Publication of JP2015088549A publication Critical patent/JP2015088549A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】特性のばらつきの少ない圧電素子、圧電基板、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、記録装置、ならびにそのような圧電素子の製造方法を提供する。【解決手段】変位素子は、圧電セラミック層21bと、一対の電極24、25と、圧電セラミック層21bに配置されている凹部32とを有する圧電素子であって、凹部32は、凹部32の壁部となる貫通孔132bを有する圧電セラミックグリーンシート121bbと、凹部32の底部132aとなる他の圧電セラミックグリーンシート121baとを積層して、焼成することにより構成されている。【選択図】図7

Description

本発明は、圧電素子、圧電基板、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、記録装置、ならびに圧電素子の製造方法に関する。
従来、液体吐出ヘッドとして、例えば、液体を記録媒体上に吐出することによって、各種の印刷を行なうインクジェットヘッドが知られている。液体吐出ヘッドは、例えば、マニホールド(共通流路)およびマニホールドから複数の加圧室をそれぞれ介して繋がる吐出孔を有した平板状の流路部材と、加圧室をそれぞれ覆うように設けられた複数の変位素子を有する圧電アクチュエータ基板とを積層して構成される(例えば、特許文献1を参照。)。
この圧電アクチュエータ基板は、圧電セラミック層とセラミック振動板とを積層したものであり、変位素子は、圧電アクチュエータ基板の内部にある共通電極と、圧電アクチュエータ基板の表面にある複数の個別電極と、その間の圧電セラミック層とで構成されている。そして、変位素子の間の圧電セラミック層には、レーザ加工により溝が形成されている。
特開2003−311954号公報
特許文献1に記載されているような溝(凹部)が形成されていると、例えば、変位素子間のクロストークを低減させることができるが、溝の深さがばらつくと、各変位素子に生じるクロストークの影響が異なるので、各変位素子の間の変位量の差が大きくなるという問題があった。
焼成後の圧電アクチュエータ基板を加工するには、他にダイシング加工が考えられるが、溝の周囲にマイクロクラックが生じ、その程度の差により変位量に差が生じることになる。
また、変位素子が変位する際に、変位素子の変形を抑制する部位に溝を設ければ、変位量を大きくすることができるが、そのような場合に、溝の深さが変わると、変位量が直接的に変わってしまう。したがって、複数の変位素子がある場合だけでなく、変位素子が1つの場合にも、溝の深さは特性に影響する。また、圧電素子を変位素子ではなく、センサとして用いる場合は、溝の深さが感度に影響を与える。つまり、溝の深さは、変位素子だけではなく、圧電素子一般の特性に影響を与える。
したがって、本発明の目的は、特性のばらつきの少ない圧電素子、圧電基板、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、記録装置、ならびにそのような圧電素子の製造方法を提供することにある。
本発明の圧電素子は、圧電セラミック層と一対の電極とを含んでおり、該一対の電極の
周囲の前記圧電セラミック層に凹部が配置されている圧電素子であって、前記凹部は、前記凹部の壁部となる貫通孔を有する圧電セラミックグリーンシートと、前記凹部の底部となる他の圧電セラミックグリーンシートとを積層して、焼成することにより構成されていることを特徴とする。
また、本発明の圧電基板は、圧電セラミック層と、該圧電セラミック層の平面方向に複数配置されている、一対の電極を含んだ圧電素子とを含んでおり、複数の前記圧電素子の間の前記圧電セラミック層に凹部が配置されている圧電基板であって、前記凹部は、前記凹部の壁部となる貫通孔を有する圧電セラミックグリーンシートと、前記凹部の底部となる他の圧電セラミックグリーンシートとを積層して、焼成することにより構成されていることを特徴とする。
本発明の液体吐出ヘッドは、前記圧電基板と、前記複数の圧電素子により内部の液体がそれぞれ加圧される複数の加圧室、および該加圧室とそれぞれ繋がっている複数の吐出孔を有する流路部材とを含むことを特徴とする。
本発明の記録装置は、前記液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記液体吐出ヘッドを制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
また、本発明の圧電素子の製造方法は、圧電セラミック層と一対の電極とを含んでおり、該一対の電極の周囲の前記圧電セラミック層に凹部が配置されている圧電素子の製造方法であって、 前記圧電セラミック層を作製する際に、前記圧電セラミック層となる原料を含んでいる、第1および第2の圧電セラミックグリーンシートを準備し、前記第1の圧電セラミックグリーンシートに貫通孔を形成した後、前記第1の圧電セラミックグリーンシートと前記第2の圧電セラミックグリーンシートとを積層することで、前記貫通孔の少なくとも一方の開口が前記第2の圧電セラミックグリーンシートで塞がれた、前記穴あるいは前記溝となる構造が形成された積層体を作製し、該積層体を焼成する工程を含むことを特徴とする。
本発明の圧電素子によれば、凹部の深さの精度が高くなるので、圧電素子の特性のばらつきを小さくできる。
(a)は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドを含む記録装置の側面図であり、(b)は平面図である。 図1の液体吐出ヘッドの要部であるヘッド本体の平面図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図2の液体吐出ヘッドに用いられている圧電アクチュエータ基板の部分平面図である。 図3のV−V線に沿った縦断面図である。 (a)は、図6と異なる角度の、圧電アクチュエータ基板の縦断面図であり、(b)および(c)は、焼成後に(a)となる部位の焼成前における縦断面図であり、(d)は、(c)と同じ工程における共通電極用表面電極が形成される位置の縦断面図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の圧電アクチュエータ基板になる部位を含む圧電セラミックグリーンシートの平面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の他の実施形態に係るヘッド本体の部分平面図である。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッド2を含む記録装置である(カラーインクジェット)プリンタ1の概略の側面図であり、図1(b)は、概略の平面図である。プリンタ1は、記録媒体である印刷用紙Pを搬送ローラ80aから搬送ローラ80bへと搬送することにより、印刷用紙Pを液体吐出ヘッド2に対して相対的に移動させる。制御部88は、画像や文字のデータに基づいて、液体吐出ヘッド2を制御して、記録媒体Pに向けて液体を吐出させ、印刷用紙Pに液滴を着弾させて、印刷用紙Pに印刷などの記録を行なう。
本実施形態では、液体吐出ヘッド2はプリンタ1に対して固定されており、プリンタ1はいわゆるラインプリンタとなっている。本発明の記録装置の他の実施形態としては、液体吐出ヘッド2を、印刷用紙Pの搬送方向に交差する方向、例えば、ほぼ直交する方向に往復させるなどして移動させる動作と、印刷用紙Pの搬送を交互に行なう、いわゆるシリアルプリンタが挙げられる。
プリンタ1には、印刷用紙Pとほぼ平行するように平板状の(ヘッド搭載)フレーム70が固定されている。フレーム70には図示しない20個の孔が設けられており、20個の液体吐出ヘッド2がそれぞれの孔の部分に搭載されていて、液体吐出ヘッド2の、液体を吐出する部位が印刷用紙Pに面するようになっている。液体吐出ヘッド2と印刷用紙Pとの間の距離は、例えば0.5〜20mm程度とされる。5つの液体吐出ヘッド2は、1つのヘッド群72を構成しており、プリンタ1は、4つのヘッド群72を有している。
液体吐出ヘッド2は、図1(a)の手前から奥へ向かう方向、図1(b)の上下方向に細長い長尺形状を有している。この長い方向を長手方向と呼ぶことがある。1つのヘッド群72内において、3つの液体吐出ヘッド2は、印刷用紙Pの搬送方向に交差する方向、例えば、ほぼ直交する方向に沿って並んでおり、他の2つの液体吐出ヘッド2は搬送方向に沿ってずれた位置で、3つ液体吐出ヘッド2の間にそれぞれ一つずつ並んでいる。液体吐出ヘッド2は、各液体吐出ヘッド2で印刷可能な範囲が、印刷用紙Pの幅方向に(印刷用紙Pの搬送方向に交差する方向に)繋がるように、あるいは端が重複するように配置されており、印刷用紙Pの幅方向に隙間のない印刷が可能になっている。
4つのヘッド群72は、記録用紙Pの搬送方向に沿って配置されている。各液体吐出ヘッド2には、図示しない液体タンクから液体(インク)が供給される。1つのヘッド群72に属する液体吐出ヘッド2には、同じ色のインクが供給されるようになっており、4つのヘッド群で4色のインクが印刷できる。各ヘッド群72から吐出されるインクの色は、例えば、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。このようなインクを、制御部88で制御して印刷すれば、カラー画像が印刷できる。
プリンタ1に搭載される液体吐出ヘッド2の個数は、単色で、1つの液体吐出ヘッド2で印刷可能な範囲を印刷するのなら1つでもよい。ヘッドの群72に含まれる液体吐出ヘッド2の個数や、ヘッド群72の個数は、印刷する対象や印刷条件により適宜変更できる。例えば、さらに多色の印刷をするためにヘッドの群72の個数を増やしてもよい。また、同色で印刷するヘッド群72を複数配置して、搬送方向に交互に印刷することで、印刷速度(搬送速度)を速くすることができる。また、同色で印刷するヘッド群72を複数準備して、搬送方向と交差する方向にずらして配置して、印刷用紙Pの幅方向の解像度を高くしてもよい。
さらに、色の付いたインクを印刷する以外に、印刷用紙Pの表面処理をするために、コーティング剤などの液体を印刷してもよい。
プリンタ1は、記録媒体である印刷用紙Pに印刷を行なう。印刷用紙Pは、給紙ローラ80aに巻き取られた状態になっており、2つのガイドローラ82aの間を通った後、フレーム70に搭載されている液体吐出ヘッド2の下側を通り、その後2つの搬送ローラ82bの間を通り、最終的に回収ローラ80bに回収される。印刷する際には、搬送ローラ82bを回転させることで印刷用紙Pは、一定速度で搬送され、液体吐出ヘッド2によって印刷される。回収ローラ80bは、搬送ローラ82bから送り出された印刷用紙Pを巻き取る。搬送速度は、例えば、75m/分とされる。各ローラは、制御部88によって制御されてもよいし、人によって手動で操作されてもよい。
記録媒体は、印刷用紙P以外に、布などでもよい。また、プリンタ1を、印刷用紙Pの代わりに搬送ベルトを搬送する形態にし、記録媒体は、ロール状のもの以外に、搬送ベルト上に置かれた、枚葉紙や裁断された布、木材、タイルなどにしてもよい。さらに、液体吐出ヘッド2から導電性の粒子を含む液体を吐出するようにして、電子機器の配線パターンなどを印刷してもよい。またさらに、液体吐出ヘッド2から反応容器などに向けて所定量の液体の化学薬剤や化学薬剤を含んだ液体を吐出させて、反応させるなどして、化学薬品を作製してもよい。
また、プリンタ1に、位置センサ、速度センサ、温度センサなどを取り付け、制御部88が、各センサからの情報から分かるプリンタ1各部の状態に応じて、プリンタ1の各部を制御してもよい。特に、液体吐出ヘッド2から吐出される液体の吐出特性(吐出量や吐出速度など)が外部の影響を受けるようであれば、液体吐出ヘッド2の温度や液体タンクの液体の温度、液体タンクの液体が液体吐出ヘッド2に加えている圧力に応じて、液体吐出ヘッド2において液体を吐出させる駆動信号を変えるようにしてもよい。
次に、本発明の一実施形態の液体吐出ヘッド2について説明する。図2は、図1に示された液体吐出ヘッド2の要部であるヘッド本体2aを示す平面図である。図3は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大平面図であり、ヘッド本体2aの一部である。図3では、説明のため、一部の流路を省略して描いている。図4は、図3と同じ位置の拡大平面図であり、図3とは別の一部の流路を省略して描いている。なお、図3および図4において、図面を分かり易くするために、圧電アクチュエータ基板21の下方にあって破線で描くべき加圧室10(加圧室群9)、しぼり6および吐出孔8などを実線で描いている。図5は、図2の液体吐出ヘッド2に用いられている、圧電基板である圧電アクチュエータ基板21の平面図である。図5でも同様に、個別電極25の一部や、加圧室10を実線で描いている。図6は、図3のV−V線に沿った縦断面図である。図7(a)は、加圧室10の部分において、図6と角度が90度異なる圧電アクチュエータ基板21の縦断面図であり、図7(b)および(c)は、焼成後に図7(a)となる部位の焼成前における縦断面図であり、図7(d)は、図7(c)と同じ工程における共通電極用表面電極が形成される位置の縦断面図である。なお、図6は、図を分かり易くするため、図の横方向より、図の上下方向の拡大率を大きくしてある。すなわち、図6に示してある領域は、実際には、図の左右方向に長い領域である。図7(a)〜(d)は、図6と比較して、さらに図の上下方向に拡大率を大きくしてある。また、図7(b)および(c)は、図6(a)の焼成前の部位であるため、実際には、焼成収縮する分、図7(a)より大きいが、図7(a)と大きさをそろえて描いている。図7(d)も同様である。
液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体2a以外にリザーバや、金属製の筐体を含んでいてもよい。また、ヘッド本体2aは、流路部材4と、圧電素子である変位素子30が作り込ま
れている圧電基板である圧電アクチュエータ基板21とを含んでいる。
ヘッド本体2aを構成する流路部材4は、共通流路であるマニホールド5と、マニホールド5と繋がっている複数の加圧室10と、複数の加圧室10とそれぞれ繋がっている複数の吐出孔8とを備えている。加圧室10は流路部材4の上面に開口しており、流路部材4の上面が加圧室面4−2となっている。また、流路部材4の上面は、マニホールド5と繋がってる開口5aを有し、この開口5aより液体が供給されるようになっている。
また、流路部材4の上面には、変位素子30を含む圧電アクチュエータ基板21が接合されており、各変位素子30が加圧室10上に位置するように配置されている。また、圧電アクチュエータ基板21には、各変位素子30に信号を供給するためのFPC(Flexible Printed Circuit)などの信号伝達部60が接続されている。図2には、2つの信号伝達部60が圧電アクチュエータ基板21に繋がる状態が分かるように、信号伝達部60の圧電アクチュエータ基板21に接続される付近の外形を点線で示した。圧電アクチュエータ基板21に電気的に接続されている、信号伝達部60に形成されている電極は、信号伝達部60の端部に、矩形状に配置されている。2つの信号伝達部60は、圧電アクチュエータ基板21の短手方向の中央部にそれぞれの端がくるように接続されている。2つの信号伝達部60は、中央部から圧電アクチュエータ基板21の長辺に向かって伸びている。
ヘッド本体2aは、平板状の流路部材4と、流路部材4上に接続された変位素子30を含む圧電アクチュエータ基板21を1つ有している。圧電アクチュエータ基板21の平面形状は長方形状であり、その長方形の長辺が流路部材4の長手方向に沿うように流路部材4の上面に配置されている。
流路部材4の内部には2つのマニホールド5が形成されている。マニホールド5は流路部材4の長手方向の一端部側から、他端部側に延びる細長い形状を有しており、その両端部において、流路部材4の上面に開口しているマニホールドの開口5aが形成されている。
また、マニホールド5は、少なくとも加圧室10に繋がっている領域である長手方向における中央部分において、短手方向に間隔を開けて設けられた隔壁15で仕切られている。隔壁15は、加圧室10に繋がっている領域である長手方向の中央部分においては、マニホールド5と同じ高さを有し、マニホールド5を複数の副マニホールド5bに完全に仕切っている。このようにすることで、平面視したときに、隔壁15と重なるように、吐出孔8および吐出孔8から加圧室10に繋がっている流路を設けることができる。
図2では、マニホールド5の両端部を除く全体が隔壁15で仕切られている。このようにする以外に、両端部のうちのどちらか一端部以外が隔壁15で仕切られているようにしてもよい。また、流路部材4の上面に開口している開口5a付近のみが仕切られておらず、開口5aから流路部材4の深さ方向に向かう間に隔壁が設けられるようにしてもよい。いずれにしても、仕切られていない部分があることにより、流路抵抗が小さくなり、液体の供給量を多くできるので、マニホールド5の両端部が隔壁15で仕切られていない方が好ましい。
複数に分けられた部分のマニホールド5を副マニホールド5bと呼ぶことがある。本実施形態においては、マニホールド5は独立して2本設けられており、それぞれの両端部に開口5aが設けられている。また、1つのマニホールド5には、7つの隔壁15が設けられており、8つの副マニホールド5bに分けられている。副マニホールド5bの幅は、隔壁15の幅より大きくなっており、これにより副マニホールド5bに多くの液体を流すことができる。また、7つの隔壁15は、幅方向の中央に近いほど、長さが長くなっており
、マニホールド5の両端において、幅方向の中央に近い隔壁15ほど、隔壁15の端がマニホールド5の端に近くなっている。これにより、マニホールド5の外側の壁により生じる流路抵抗と、隔壁15により生じる流路抵抗との間のバランスがとれ、各副マニホールド5bのうち、加圧室10に繋がる部分である個別供給流路14が形成されている領域の端における液体の圧力差を少なくできる。この個別供給流路14での圧力差は、加圧室10内の液体に加わる圧力差につながるため、個別供給流路14での圧力差を少なくすれば、吐出ばらつきを低減できる。
流路部材4は、複数の加圧室10が2次元的に広がって形成されている。加圧室10は、角部にアールが施されたほぼ菱形あるいは楕円形状の平面形状を有する中空の領域である。
加圧室10は1つの副マニホールド5bと個別供給流路14を介して繋がっている。1つの副マニホールド5bに沿うようにして、この副マニホールド5bに繋がっている加圧室10の行である加圧室行11が、副マニホールド5bの両側に1行ずつ、合計2行設けられている。したがって、1つのマニホールド5に対して、16行の加圧室11が設けられており、ヘッド本体2a全体では32行の加圧室行11が設けられている。各加圧室行11における加圧室10の長手方向の間隔は同じであり、例えば、37.5dpiの間隔となっている。
各加圧室行11の端にはダミー加圧室16の列が1列設けられている。このダミー加圧室列のダミー加圧室16は、マニホールド5とは繋がっているが、吐出孔8とは繋がっていない。また、32行の加圧室行11の外側には、ダミー加圧室16が直線状に並んだダミー加圧室行が1行設けられている。このダミー加圧室行のダミー加圧室16は、マニホールド5および吐出孔8のいずれとも繋がっていない。これらのダミー加圧室16により、端から1つ内側の加圧室10の周囲の構造(剛性)が他の加圧室10の構造(剛性)と近くなることで、液体吐出特性の差を少なくできる。なお、周囲の構造の差の影響は、距離の近い、長さ方向に隣接する加圧室10の影響が大きいため、長さ方向には、両端にダミー加圧室を設けてある。幅方向については、影響が比較的小さいため、ヘッド本体21aの端に近い方のみに設けている。これにより、ヘッド本体21aの幅を小さくできる。
1つのマニホールド5に繋がっている加圧室10は、矩形状の圧電アクチュエータ基板21の各外辺に沿った行および列をなす格子上に配置されている。これにより、圧電アクチュエータ基板21の外辺から、加圧室10の上に形成されている個別電極25が等距離に配置されることになるので、個別電極25を形成する際に、圧電アクチュエータ基板21に変形が生じ難くできる。圧電アクチュエータ基板21と流路部材4とを接合する際に、この変形が大きいと外辺に近い変位素子30に応力が加わり、変位特性にばらつきが生じるおそれがあるが、変形を少なくすることで、そのばらつきを低減できる。また、もっとも外辺に近い加圧室行11の外側にダミー加圧室16のダミー加圧室行が設けられているために、変形の影響をより受け難くできる。加圧室行11に属する加圧室10は等間隔で配置されており、加圧室行11に対応する個別電極25も等間隔で配置されている。加圧室行11は短手方向に等間隔で配置されており、加圧室行11に対応する個別電極25の行も短手方向に等間隔で配置されている。これにより、特にクロストークの影響が大きくなる部位をなくすことができる。
本実施形態では、加圧室10は格子状に配置したが、隣り合う圧室列11の加圧室10が互いの間に位置するように千鳥状に配置してもよい。このようにすると、隣接加圧室行11に属する加圧室10の間の距離がより長くなるので、よりクロストークを抑制できる。
加圧室行11をどのように並べるかによらず、流路部材4を平面視したとき、1つの加圧室行11に属する加圧室10が、隣接する加圧室行11に属する加圧室10と、液体吐出ヘッド2の長手方向において、重ならないように配置することにより、クロストークを抑制できる。一方、加圧室行11の間の距離を離すと、液体吐出ヘッド2の幅が大きくなるので、プリンタ1に対する液体吐出ヘッド2の設置角度の精度や、複数の液体吐出ヘッド2を使用する際の、液体吐出ヘッド2の相対位置の精度が印刷結果に与える影響が大きくなる。そこで、隔壁15の幅を副マニホールド5bよりも小さくすることで、それらの精度が印刷結果に与える影響を少なくできる。
1つの副マニホールド5bに繋がっている加圧室10は、2列の加圧室行11をなしており、1つの加圧室行11に属する加圧室10から繋がっている吐出孔8は、1つの吐出孔行9をなしている。2行の加圧室行11に属する加圧室10に繋がっている吐出孔8はそれぞれ、副マニホールド5bの異なる側に開口している。図4では隔壁15には、2行の吐出孔行9が設けられているが、それぞれの吐出孔行9に属する吐出孔8は、吐出孔8に近い側の副マニホールド5bに加圧室10を介して繋がっている。隣接する副マニホールド5bに加圧室行11を介して繋がっている吐出孔8と液体吐出ヘッド2の長手方向において重ならないように配置されていると、加圧室10と吐出孔8とを繋ぐ流路間のクロストークが抑制できるので、さらにクロストークを少なくすることができる。加圧室10と吐出孔8とを繋ぐ流路全体が、液体吐出ヘッド2の長手方向において重ならないように配置されていると、さらにクロストークを少なくすることができる。
1つのマニホールド5に繋がっている複数の加圧室10により加圧室群が構成されており、マニホールド5が2つあるため、加圧室群は2つある。各加圧室群内における吐出に関わる加圧室10の配置は同じで、短手方向に平行移動させた位置に配置されている。これらの加圧室10は、流路部材4の上面における圧電アクチュエータ基板21に対向する領域に、加圧室群間などの少し間隔が広くなった部分があるものの、ほぼ全面にわたって配列されている。つまり、これらの加圧室10によって形成された加圧室群は圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の形状の領域を占有している。また、各加圧室10の開口は、流路部材4の上面に圧電アクチュエータ基板21が接合されることで閉塞されている。
加圧室10の個別供給流路14が繋がっている角部と対向する角部からは、流路部材4の下面の吐出孔面4−1に開口している吐出孔8に繋がる流路が伸びている。この流路は、平面視において、加圧室10から離れる方向に伸びている。より具体的には、加圧室10の長い対角線に沿う方向に離れつつ、その方向に対して左右にずれながら伸びている。これにより、加圧室10は各加圧室行11内での間隔が37.5dpiになっている格子状の配置にしつつ、吐出孔8は、全体で1200dpiの間隔で配置することができる。
これは別の言い方をすると、流路部材4の長手方向に平行な仮想直線に対して直交するように吐出孔8を投影すると、図4に示した仮想直線のRの範囲に、各マニホールド5に繋がっている16個の吐出孔8、全部で32個の吐出孔8が、1200dpiの等間隔となっているということである。これにより、すべてのマニホールド5に同じ色のインクを供給することで、全体として長手方向に1200dpiの解像度で画像が形成可能となる。また、1つのマニホールド5に繋がっている1個の吐出孔8は、仮想直線のRの範囲で600dpiの等間隔になっている。これにより、各マニホールド5に異なる色のインクを供給することで、全体として長手方向に600dpiの解像度で2色の画像が形成可能となる。この場合、2つの液体吐出ヘッド2を用いれば、600dpiの解像度で4色の画像が形成可能となり、600dpiで印刷可能な液体吐出ヘッドを用いるよりも、印刷精度が高くなり、印刷のセッティングも簡単にできる。なお、ヘッド本体2aの短手方向に並んでいる1列の加圧室列に属する加圧室10から繋がっている吐出孔8で、仮想直線のRの範囲がカバーされている。
圧電アクチュエータ基板21の上面における各加圧室10に対向する位置には個別電極25がそれぞれ形成されている。個別電極25は、加圧室10より一回り小さく、加圧室10とほぼ相似な形状を有している個別電極本体25aと、個別電極本体25aから引き出されている引出電極25bとを含んでおり、個別電極25は、加圧室10と同じように、個別電極列および個別電極群を構成している。また、圧電アクチュエータ基板21の上面には、共通電極24とビアホールを介して電気的に接続されている共通電極用表面電極28が形成されている。共通電極用表面電極28は、圧電アクチュエータ基板21の短手方向の中央部に、長手方向に沿うように2行形成され、また、長手方向の端近くで短手方向に沿って1列形成されている。図示した、共通電極用表面電極28は直線上に断続的に形成されたものであるが、直線上に連続的に形成してもよい。
共通電極用表面電極28と共通電極24とを繋ぐビアホールは、図7(d)に示すように、第2の貫通孔134と第3の貫通孔136とを繋げた貫通孔であり、この中に共通電極用表面電極28となる導体ペーストの一部が入り込んで、導通できるようになる。第2の貫通孔132の大きさが、第3の貫通孔134より大きいことにより導体ペーストが流れ込みやすくなる。
図3では、省略されているが、図5に示すように、圧電アクチュエータ基板21には、ヘッド本体2aの短手方向に沿って伸びている、凹部である溝32が配置されている。溝32の配置などについては、後で詳述する。圧電アクチュエータ基板21の溝32は、後述するように、溝32の壁部となる貫通孔132bが形成された第1の圧電セラミックグリーンシート121bbと、溝32の底部となる第2の圧電セラミックグリーンシート121baと積層して、焼成することにより作製する(図6(b)、(c)参照)。これにより、溝32の深さの精度を高くできる。
圧電アクチュエータ基板21には、2枚の信号伝達部60が、圧電アクチュエータ基板21の2つの長辺側から、それぞれ中央に向かうように配置され、接合される。その際、圧電アクチュエータ基板21の引出電極25bおよび共通電極用表面電極28の上に、それぞれ、接続電極26および共通電極用接続電極を形成して接続することで、接続が容易になる。また、その際、共通電極用表面電極28および共通電極用接続電極の面積を接続電極26の面積よりも大きくすれば、信号伝達部60の端部(先端および圧電アクチュエータ基板21の長手方向の端)における接続が、共通電極用表面電極28上の接続により強くできるので、信号伝達部60が端からはがれ難くできる。
また、吐出孔8は、流路部材4の下面側に配置されたマニホールド5と対向する領域を避けた位置に配置されている。さらに、吐出孔8は、流路部材4の下面側における圧電アクチュエータ基板21と対向する領域内に配置されている。これらの吐出孔8は、1つの群として圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の形状の領域を占有しており、対応する圧電アクチュエータ基板21の変位素子30を変位させることにより吐出孔8から液滴が吐出できる。
ヘッド本体2aに含まれる流路部材4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路部材4の上面から順に、キャビティプレート4a、ベースプレート4b、アパーチャ(しぼり)プレート4c、サプライプレート4d、マニホールドプレート4e〜j、カバープレート4kおよびノズルプレート4lである。これらのプレートには多数の孔が形成されている。各プレートの厚さは10〜300μm程度であることにより、形成する孔の形成精度を高くできる。各プレートは、これらの孔が互いに連通して個別流路12およびマニホールド5を構成するように、位置合わせして積層されている。ヘッド本体2aは、加圧室10は流路部材4の上面に、マニホールド5は内部
の下面側に、吐出孔8は下面にと、個別流路12を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設され、加圧室10を介してマニホールド5と吐出孔8とが繋がる構成を有している。
各プレートに形成された孔について説明する。これらの孔には、次のようなものがある。第1に、キャビティプレート4aに形成された加圧室10である。第2に、加圧室10の一端からマニホールド5へと繋がる個別供給流路14を構成する連通孔である。この連通孔は、ベースプレート4b(詳細には加圧室10の入り口)からサプライプレート4c(詳細にはマニホールド5の出口)までの各プレートに形成されている。なお、この個別供給流路14には、アパーチャプレート4cに形成されている、流路の断面積が小さくなっている部位であるしぼり6が含まれている。
第3に、加圧室10の個別供給路14が繋がっている端と反対の他端から吐出孔8へと連通する流路を構成する連通孔である。この連通孔は、以下の記載においてディセンダ(部分流路)と呼称されることがある。ディセンダは、ベースプレート4b(詳細には加圧室10の出口)からノズルプレート4l(詳細には吐出孔8)までの各プレートに形成されている。
第4に、副マニホールド5aを構成する連通孔である。この連通孔は、マニホールドプレート4e〜jに形成されている。マニホールドプレート4e〜jには、副マニホールド5bを構成するように隔壁15となる仕切り部が残るように孔が形成されている。各マニホールドプレート4e〜jにおける仕切り部は、ハーフエッチングした支持部(図では省略してある)で各マニホールドプレート4e〜jと繋がった状態にされる。
第1〜4の連通孔が相互に繋がり、マニホールド5からの液体の流入口(マニホールド5の出口)から吐出孔8に至る個別流路12を構成している。マニホールド5に供給された液体は、以下の経路で吐出孔8から吐出される。まず、マニホールド5から上方向に向かって、個別供給流路14に入り、しぼり6の一端部に至る。次に、しぼり6の延在方向に沿って水平に進み、しぼり6の他端部に至る。そこから上方に向かって、加圧室10の一端部に至る。さらに、加圧室10の延在方向に沿って水平に進み、加圧室10の他端部に至る。加圧室10からディセンダに入った液体は、水平方向にも移動しつつ、主に下方に向かい、下面に開口した吐出孔8に至って、外部に吐出される。
圧電アクチュエータ基板21は、圧電体である2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層構造を有している。これらの圧電セラミック層21a、21bはそれぞれ20μm程度の厚さを有している。圧電アクチュエータ基板21の圧電セラミック層21aの下面から圧電セラミック層21bの上面までの厚さは40μm程度である。圧電セラミック層21a、21bのいずれの層も複数の加圧室10を跨ぐように延在している。これらの圧電セラミック層21a、21bは、例えば、強誘電性を有する、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系、NaNbO系、BaTiO系、(BiNa)NbO系、BiNaNb15系などのセラミックス材料からなる。なお、圧電セラミック層21bは、振動板として働いており、必ずしも圧電体である必要はなく、代わりに、圧電体でない他のセラミック層や金属板を用いてもよい。
圧電アクチュエータ基板21は、Ag−Pd系などの金属材料からなる共通電極24およびとAu系などの金属材料からなる個別電極25を有している。個別電極25は上述のように圧電アクチュエータ基板21の上面における加圧室10と対向する位置に配置されている個別電極本体25aと、そこから引き出された引出電極25bとを含んでいる。引出電極25bの一端の、加圧室10と対向する領域外に引き出された部分には、接続電極26が形成されている。接続電極26は例えばガラスフリットを含む銀−パラジウムから
なり、厚さが15μm程度で凸状に形成されている。また、接続電極26は、信号伝達部60に設けられた電極と電気的に接合されている。詳細は後述するが、個別電極25には、制御部88から信号伝達部60を通じて駆動信号が供給される。駆動信号は、印刷媒体Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。
共通電極24は、圧電セラミック層21aと圧電セラミック層21bとの間の領域に面方向のほぼ全面にわたって形成されている。すなわち、共通電極24は、アクチュエータ基板21に対向する領域内のすべての加圧室10を覆うように延在している。共通電極24の厚さは2μm程度である。共通電極24は、圧電セラミック層21a上に個別電極25からなる電極群を避ける位置に形成されている共通電極用表面電極28に、圧電セラミック層21aを貫通して形成されたビアホールを介して繋がっていて、接地され、グランド電位に保持されている。共通電極用表面電極28は、多数の個別電極25と同様に、制御部88と直接あるいは間接的に接続されている。
圧電セラミック層21aの個別電極25と共通電極24とに挟まれている部分は、厚さ方向に分極されており、個別電極25に電圧を印加すると変位する、ユニモルフ構造の変位素子30となっている。より具体的には、個別電極25を共通電極24と異なる電位にして圧電セラミック層21aに対してその分極方向に電界を印加したとき、この電界が印加された部分が、圧電効果により歪む活性部として働く。この構成において、電界と分極とが同方向となるように、制御部88により個別電極25を共通電極24に対して正または負の所定電位にすると、圧電セラミック層21aの電極に挟まれた部分(活性部)が、面方向に収縮する。一方、非活性層の圧電セラミック層21bは電界の影響を受けないため、自発的には縮むことがなく活性部の変形を規制しようとする。この結果、圧電セラミック層21aと圧電セラミック層21bとの間で分極方向への歪みに差が生じて、圧電セラミック層21bは加圧室10側へ凸となるように変形(ユニモルフ変形)する。
続いて、液体の吐出動作について、説明する。制御部88からの制御でドライバICなどを介して、個別電極25に供給される駆動信号により、変位素子30が駆動(変位)させられる。本実施形態では、様々な駆動信号で液体を吐出させることができるが、ここでは、いわゆる引き打ち駆動方法について説明する。
あらかじめ個別電極25を共通電極24より高い電位(以下高電位と称す)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極25を共通電極24と一旦同じ電位(以下低電位と称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極25が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層21a、21bが元の(平らな)形状に戻り(始め)、加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。これにより、加圧室10内の液体に負圧が与えられる。そうすると、加圧室10内の液体が固有振動周期で振動し始める。具体的には、最初、加圧室10の体積が増加し始め、負圧は徐々に小さくなっていく。次いで加圧室10の体積は最大になり、圧力はほぼゼロとなる。次いで加圧室10の体積は減少し始め、圧力は高くなっていく。その後、圧力がほぼ最大になるタイミングで、個別電極25を高電位にする。そうすると最初に加えた振動と、次に加えた振動とが重なり、より大きい圧力が液体に加わる。この圧力がディセンダ内を伝搬し、吐出孔8から液体を吐出させる。
つまり、高電位を基準として、一定期間低電位とするパルスの駆動信号を個別電極25に供給することで、液滴を吐出できる。このパルス幅は、圧力室10の液体の固有振動周期の半分の時間であるAL(Acoustic Length)とすると、原理的には、液体の吐出速度
および吐出量を最大にできる。圧力室10の液体の固有振動周期は、液体の物性、圧力室10の形状の影響が大きいが、それ以外に、アクチュエータ基板21の物性や、加圧室10に繋がっている流路の特性からの影響も受ける。
なお、パルス幅は、吐出される液滴を1つにまとめるようにするなど、他に考慮する要因もあるため、実際は、0.5AL〜1.5AL程度の値にされる。また、パルス幅は、ALから外れた値にすることで、吐出量を少なくすることができるため、吐出量を少なくするためにALから外れた値にされる。
以上のような液体吐出ヘッド2において、変位素子30を駆動させると、隣の変位素子30に影響がおよび、変位量が変わる。クロストークは、次の3つに大別される。圧電セラミック層21bが隣の変位素子30まで繋がっているので、変位素子30を下側に変形させると、圧電セラミック層21bは通常より引き伸ばされた状態になる。その状態で隣の変位素子30を下側に変形させようとすると、圧電セラミック層21bが引き伸ばされているため、下側に変形し難くなる。変位素子30を駆動した際に、圧電アクチュエータ基板21および流路部材4を伝わって隣の変位素子30に振動が伝わる。このクロストークは、隣り合う変位素子30が駆動されるタイミングにより、変位を大きくする場合、小さくする場合の両方がある。変位素子30を駆動した際に、加圧室10から、個別供給路14、マニホールド5、他の個別供給路14、他の加圧室10へと、流路中の液体を通じて、他の変位素子30に振動が伝わる。このクロストークは、対象となる変位素子30が駆動されるタイミングにより、変位を大きくする場合、小さくする場合の両方がある。
1番目および2番目のクロストークは、変位素子30の間に溝32を配置することで、その影響を低減できる。しかし、溝32の寸法、特に深さが変わると、そのクロストーク低減効果に差が生じるので、各変位素子30の変位量などの特性がばらついてしまう。焼成後の圧電アクチュエータ基板21に溝32を形成する方法としては、レーザやダイシングによる加工が考えられる。レーザ加工は、溝32の深さばらつきを小さくするのが困難である。ダイシングは、チッピングが生じることで溝32の寸法が変わる可能性がある。またどちらの方法で行なうにせよ、寸法精度が高くできたとしても、溝32の周囲にマイクロクラックが生じ、その影響で、クロストークの程度がばらつくおそれがある。
そのため、溝32を焼成前に形成することで、焼成後の加工で生じるおそれのある上述の寸法やマイクロクラックの問題が低減できる。具体的には、次のようにする。1層の圧電セラミック層21bを形成する際に、圧電セラミック層となる原料を含んだ、第1の圧電セラミックグリーンシート121bbおよび第2の圧電セラミックグリーンシート121baを準備し、第1の圧電セラミックグリーンシート121bbには、焼成後に溝32の壁部となる貫通孔132bを開ける(図7(c)参照)。貫通孔132bは、レーザ加工や打ち抜きで開けることができる。貫通孔132bの幅は、比較的高い精度で加工可能であるし、幅が変わることによるクロストークの低減効果の差は小さい。続いて、第1の圧電セラミックグリーンシート121bbと第2の圧電セラミックグリーンシート121baとを積層する。これにより第2の圧電セラミックグリーンシート121baの主面の一部が溝132の底部132aとなり、(焼成前の)溝132が構成できる。溝132の深さは、第1の圧電セラミックグリーンシート121bbの厚さで決まるので、精度よく形成できる。これにより、クロストークの低減効果のばらつきが減り各変位素子30の変位量のばらつきが低減できる。このような構造は、上述の1番目のクロストークが生じる、圧電セラミック層21bが隣り合う圧電素子30で繋がっている圧電アクチュエータ基板21で特に有用である。
実際には、共通電極24となる導体ペーストを印刷した第3の圧電セラミックグリーンシート121aと、第2の圧電セラミックグリーンシート121baと、貫通孔132bが形成された第1の圧電セラミックグリーンシート121bbとを積層して、積層体を作成し、これを焼成する。焼成後は、第2の圧電セラミックグリーンシート121baと、第1の圧電セラミックグリーンシート121bbとの境界は、なくなるか、微小なポアが
残る程度になり、一体化して圧電セラミック層21bとなる。
直接圧電変形の生じる圧電セラミック層21bが複数層ある場合は、電極のある、圧電セラミック層と圧電セラミック層の境界部分に溝132の底部132aの底部が配置されるようにしてもよい。しかし、圧電アクチュエータ基板21の厚さ方向において、電極の配置されていない位置に溝132の底部132aを配置することで、変位素子30の特性を調整できるので、溝132の底部132aは、圧電アクチュエータ基板21の厚さ方向において、電極の配置されていない位置に配置されるのが好ましい。
図8は貫通孔132bを開けた第1の圧電セラミックグリーンシート121bbの一部の平面図である。図3に示した圧電アクチュエータ基板21となる領域を一点鎖線で示してある。第1の圧電セラミックグリーンシート121bbは焼成前であるため、実際には圧電アクチュエータ基板21より大きいが、図8では縮尺を変えて同じ大きさで示してある。また、第1の圧電セラミックグリーンシート121bbから、複数個の圧電アクチュエータ基板21を作製できるようにしてもよい。
圧電アクチュエータ基板21は、一方方向(図2の上下方向、図3、4、7の左右方向)に長い形状であり、加圧室10は、圧電アクチュエータ基板21の長手方向である第1の方向、および第1の方向に交差する方向であり、圧電アクチュエータ基板21の短手方向である第2の方向に配置されている。溝32は、第1の方向において、加圧室10の間に配置されている。図4の一番右側の列は、ダミー加圧室16であり、溝32は、加圧室10とこのダミー加圧室16との間にも配置されている。図示していない、反対の左側も同様である。これにより、第1の方向における端の加圧室10の周囲の構造(剛性)が他の加圧室10の周囲の構造(剛性)に近くなり、変位特性のばらつきを小さくできる。ダミー加圧室16の右側には溝32が配置されていない。
圧電アクチュエータ基板21には、2つの変位素子30の群が配置さている。溝32は、1つの変位素子30の群に属する変位素子30が第2の方向に沿って配置されている範囲にわたって配置されている。図4の一番上側の行および一番下側の行は、ダミー加圧室16であり、このダミー加圧室16の間に溝32は配置されていない。溝32が、第2の方向における変位素子30が配置されている範囲にわたって配置されていることにより、各変位素子30間のクロストークが低減できるとともに、各変位素子30の変位特性にばらつきが生じ難くできる。溝32は、図8に示すように、上述の範囲で連続的に形成してもよし、後述のように断続的に形成してもよい。溝32は、各変位素子30を囲むように配置するとクロストーク低減効果が高くなるが、そのようにすると、第1の圧電セラミックグリーンシート121bbにおいて周囲から保持できない部分が生じてしまうので、変位素子30の、第1の方向の間および第2の方向の間のどちらかに配置するのがよい。変位素子30は、第2の方向に長いため、第2の方向間のクロストークより、第1の方向間のクロストークが大きくなると考えられるので、溝32は、第1の方向間のクロストークを低減できるように、第1の方向間において、第2の方向に伸びるように設けるのがよい。
図9(a)、(b)は、それぞれ本発明の他のヘッド本体の部分平面図であり、図5で示した領域と同じ部分である。これらヘッド本体の基本構造は、図2、5、6で示したものと同じであり、差異の少ない部分については、同じ符号を付けて説明を省略する。
図9(a)のヘッド本体では、溝232は、圧電アクチュエータ基板21の短手方向である第2の方向に沿って、断続的に配置されている。溝232の間には、第2の方向において、溝232が途切れている非連続部234が存在する。図8に示したような連続的な溝32(となる貫通孔123b)を形成すると、第1の圧電セラミックグリーンシート1
21bbにおいて、貫通孔123bの間の部分が曲がったり、位置がずれた状態で第2の圧電セラミックグリーンシート121baに積層されて、溝32の平面方向の形成精度が低くなるおそれがある。それを抑制するためには、溝232を断続的に配置すればよい。断続的に配置する場合、溝232のように一方方向に長い平面形状にし、その長手方向の間を非連続部234とすればよい。また、平面形状が円形状や正方形状の穴を断続的に配置してもよい。なお、平面形状が一方方向に長い溝232と、上述のような平面形状が円形状や正方形状の穴とを総称して凹部としている。いずれにおいても、クロストークを低減させる上では、第2の方向における、溝232と非連続部234の長さの比は、溝232の方が大きいことが好ましい。
さらに、溝232の非連続部234の第2の方向における位置は、溝232の隣に位置し、溝232と同様に第2の方向に沿っている変位素子列における変位素子(個別電極本体325a)の間に配置されていることにより、非連続部234に溝232がないことにより伝わるクロストークを小さくできる。クロストークを低減させる上では、溝232は、第2の方向において、1つ加圧室10と略同じ長さ以上であることが好ましい。ここで略同じ長さとは、第2の方向における加圧室10の長さの80%以上、さらに90%以上、特に100%以上のことを言う。図9(a)では、溝232の両隣の加圧室列における加圧室10の間の位置が一致しているが、一致していない場合であっても、どちらかの加圧室列における加圧室10の間に配置すればよい。また、両側の加圧室列における加圧室10の間に配置してもよい。
図9(b)の圧電アクチュエータ基板21では、加圧室310および個別電極352の平面形状は、矩形状である。溝332は、圧電アクチュエータ基板の短手方向である第2の方向に沿って、断続的に配置されている。ヘッド本体2aを平面視したとき、溝332は、圧電素子の外側で加圧室310と重なっている。ここで圧電素子の外側とは、一対の電極である、個別電極325bおよび共通電極(図示していないが、共通電極24と同様に圧電アクチュエータ基板全体に広がっている)のうち、小さい方である個別電極325bの外側という意味である。変位素子を屈曲させる際、個別電極325bの外側で、加圧室310内側に位置する圧電セラミック21bは平面方向に延ばされる(あるいは縮められる)ため、圧電セラミック21bが伸ばされ難い(あるいは縮められ難い)ことにより、屈曲し難くなる。そこで、溝332と加圧室310の端とが重なるようにすれば、その部分の圧電セラミック21bが存在しないことになるので、屈曲量(変位量)を大きくできる。溝332の端が、加圧室310に入り込んでいる大きさ(図9(b)のD2)は、加圧室310の端から個別電極本体325aの端までの長さ(図9(b)のD1)の半分以上であれば、変位量を大きくできるので好ましい。
以上、圧電アクチュエータ基板および液体吐出ヘッドについて説明してきたが、図9(b)の構造などは、変位量を大きくできるだけでなく、圧電素子をセンサとして使用した場合に素子の感度を高くできる。すなわち、本発明は、変位素子以外の圧電素子においても有用であるし、圧電素子が1つであっても有用である。圧電素子が1つの場合、凹部は、圧電素子の近傍に設けることで効果を高められる。ここで言う近傍とは、圧電素子の外周から、圧電素子の大きさ(圧電素子の差し渡し寸法のうちもっとも長い長さ)の2倍以内、さらには1倍以内のことである。
以上のような圧電アクチュエータ基板21は、以下のようにして作製する。ロールコータ法、スリットコーター法などの一般的なテープ成形法により、圧電セラミック粉末と有機組成物からなるテープの成形を行ない、焼成後に圧電セラミック層21bとなる第1の圧電セラミックグリーンシート121bbおよび第2の圧電セラミックグリーンシート121baと、焼成後に圧電セラミック層21aとなる第3の圧電セラミックグリーンシート121aとを作製する。
第1の圧電セラミックグリーンシート121bbには貫通孔132bを、レーザや打ち抜きで形成する(図7(b)参照)。貫通孔132bは、圧電アクチュエータ基板21の長手方向(第1の方向)に沿って、連続的あるいは断続的に形成するのがよい。図5では、第1の方向間のクロストークが大きくなるため、溝32は、クロストークの観点から、第1の方向に交差する方向である第2の方向に沿って形成されている。しかし、溝32の形成精度の観点からは、圧電アクチュエータ基板21の長手方向(第1の方向)に沿って形成される方が好ましい。圧電アクチュエータ基板21は、焼成により作製されるため、平面方向に焼成収縮する。圧電アクチュエータ基板21の、長手方向の収縮率と短手方向の、収縮率および収縮率ばらつきは、同程度であるため、圧電アクチュエータ基板21となった際の収縮ばらつきによる寸法および位置のばらつきの絶対値は、長手方向の方が大きくなる。また、溝32がある方向に沿って形成されている場合、その方向に収縮ばらつきがあっても、溝32を、あらかじめ必要の寸法より長めに設計しておけば、焼成収縮による位置ずれの問題は小さくなる。他方、溝32が沿っている方向に直交する方向では、焼成収縮により生じた位置ずれは、加圧室10との距離のばらつきになるため、変位特性に与える影響が大きくなる。したがって、焼成収縮のばらつきの絶対量が大きくなる圧電アクチュエータ基板21の長手方向に沿って溝32を配置すれば、溝32の沿っている方向に直交する方向が、焼成収縮のばらつきの絶対量が小さくなる圧電アクチュエータ基板21の短手方向となるので好ましい。
貫通孔132bを形成する際、共通電極24と共通電極用表面電極28とを電気的に繋ぐために導体が充填される第2の貫通孔134も開ける。第2の圧電セラミックグリーンシート121baに、第2の貫通孔134と繋がる位置に第3の貫通孔136をレーザや打ち抜きで形成する(図7(d)参照)。第2の貫通孔の大きさ134は、第3の貫通孔136の大きさよりも大きくする。第3の圧電セラミックグリーンシート121aには、Ad−Pdペースト印刷して共通電極24となる焼成前の共通電極124を形成する。
次いで、各グリーンシートを積層して、図7(c)のように積層体を作製し、加圧密着を行なう。加圧密着後の積層体を高濃度酸素雰囲気下で焼成する。その後、金ペーストを用いて焼成体表面に個別電極25を印刷して、焼成した後、Agペーストを用いて、接続電極26と共通電極用表面電極28とを印刷して、焼成することにより、圧電アクチュエータ基板21を作製する。共通電極用表面電極28となるAgペーストは、図7(d)に示した、第2の貫通孔134および第3の貫通孔136を通じて、共通電極24と電気的に接続される。
続いて、液体吐出ヘッド2は、例えば次のように作製できる。流路部材4を、圧延法等により得られたプレート4a〜lを、接着剤層を介して積層して作製する。積層するプレート4a〜lには、マニホールド5、個別供給流路14、液体加圧室10およびディセンダなどとなる孔を、エッチングにより所定の形状に加工しておく。
プレート4a〜lは、Fe―Cr系、Fe−Ni系、WC−TiC系の群から選ばれる少なくとも1種の金属によって形成されていることが望ましく、特に液体としてインクを使用する場合にはインクに対する耐食性の優れた材質からなることが望ましため、Fe−Cr系がより好ましい。
続いて、圧電アクチュエータ基板21と流路部材4とを接着剤層を介して積層し、加熱加圧して、接着剤層を硬化させる。その後、個別電極25と共通電極24との間に電圧を加え、これらの間に挟まれている部位の圧電セラミック層21bを分極することで、液体吐出ヘッド2を得ることができる。
1・・・プリンタ
2・・・液体吐出ヘッド
2a・・・ヘッド本体
4・・・流路部材
4a〜l・・・(流路部材の)プレート
4−1・・・吐出孔面
4−2・・・加圧室面
5・・・マニホールド
5a・・・(マニホールドの)開口
5b・・・副マニホールド
6・・・しぼり
8・・・吐出孔
9・・・吐出孔行
10・・・加圧室
11・・・加圧室行
12・・・個別流路
14・・・個別供給流路
15・・・隔壁
16・・・ダミー加圧室
21・・・圧電アクチュエータ基板(圧電基板)
21a・・・圧電セラミック層(振動板)
21b・・・圧電セラミック層
24・・・共通電極
25・・・個別電極
25a、325a・・・個別電極本体
25b、325b・・・引出電極
26・・・接続電極
28・・・共通電極用表面電極
30・・・変位素子(圧電素子)
32、232、332・・・溝(凹部)
234・・・(溝の)不連続部
60・・・配線部材
70・・・(ヘッド搭載)フレーム
72・・・ヘッド群
80a・・・給紙ローラ
80b・・・回収ローラ
82a・・・ガイドローラ
82b・・・搬送ローラ
88・・・制御部
121a・・・第3の圧電セラミックグリーンシート
121ba・・・第2の圧電セラミックグリーンシート
121bb・・・第1の圧電セラミックグリーンシート
124・・・・(焼成前の)共通電極
132・・・(焼成前の)溝
132a・・・溝の底部
132b・・・貫通孔
134・・・第2の貫通孔
136・・・第3の貫通孔
P・・・印刷用紙

Claims (12)

  1. 圧電セラミック層と、一対の電極と、前記圧電セラミック層に配置されている凹部とを有する圧電素子であって、
    前記凹部は、前記凹部の壁部となる貫通孔を有する圧電セラミックグリーンシートと、前記凹部の底部となる他の圧電セラミックグリーンシートとを積層して、焼成することにより構成されていることを特徴とする圧電素子。
  2. 前記一対の電極は、前記圧電セラミック層を挟んで配置されており、前記凹部の底部は、前記圧電セラミック層の厚さ方向における、前記一対の電極のうちの一方の電極と他方の電極との間に位置していることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。
  3. 圧電セラミック層と、該圧電セラミック層の平面方向に複数配置されている、一対の電極を含んだ圧電素子とを含んでおり、複数の前記圧電素子の間の前記圧電セラミック層に凹部が配置されている圧電基板であって、
    前記凹部は、前記凹部の壁部となる貫通孔を有する圧電セラミックグリーンシートと、前記凹部の底部となる他の圧電セラミックグリーンシートとを積層して、焼成することにより構成されていることを特徴とする圧電基板。
  4. 前記圧電素子は、前記圧電セラミック層の平面方向における第1の方向および該第1の方向と交差する第2の方向に配置されており、
    前記凹部は、前記第1の方向における前記圧電素子の間に配置されているとともに、前記複数の圧電素子が前記第2の方向に配置されている範囲にわたって、連続的あるいは断続的に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の圧電基板。
  5. 前記加圧室は、前記第2の方向に沿って配置されており、
    前記凹部は、前記第2の方向に沿って断続的に配置されており、
    前記凹部が前記第2の方向において途切れている非連続部は、当該凹部の隣に位置している前記加圧室の間に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の圧電基板。
  6. 前記一対の電極は、前記圧電セラミック層を挟んで配置されており、前記凹部の底部は、前記圧電セラミック層の厚さ方向における、前記一対の電極のうちの一方の電極と他方の電極との間に位置していることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の圧電基板。
  7. 請求項3〜6のいずれかに記載の圧電基板と、前記複数の圧電素子により内部の液体がそれぞれ加圧される複数の加圧室、および該加圧室とそれぞれ繋がっている複数の吐出孔を有する流路部材とを含むことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 前記流路部材は、平板状であり、前記複数の加圧室は、前記流路部材の平面方向に配置されており、前記流路部材と前記圧電基板とは積層されており、
    前記液体吐出ヘッドを平面視したとき、
    前記加圧室と前記圧電素子とは重なっており、前記凹部は、前記圧電素子の外側で前記加圧室と重なっていることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記流路部材は、平板状であり、前記複数の加圧室は、前記流路部材の平面方向に配置されており、前記圧電基板は、一方方向に長く、前記流路部材と前記圧電基板とは積層されており、前記凹部は前記一方方向に沿って、連続的あるいは断続的に配置されていることを特徴とする請求項7または8に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載の液体吐出ヘッドと、記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して搬送する搬送部と、前記液体吐出ヘッドを制御する制御部とを備えていることを特徴とする記録装置。
  11. 圧電セラミック層と、一対の電極と、前記圧電セラミック層に配置されている凹部とを有する圧電素子の製造方法であって、
    前記圧電セラミック層を作製する際に、
    前記圧電セラミック層となる原料を含んでいる、第1および第2の圧電セラミックグリーンシートを準備し、
    前記第1の圧電セラミックグリーンシートに貫通孔を形成した後、
    前記第1の圧電セラミックグリーンシートと前記第2の圧電セラミックグリーンシートとを積層することで、前記貫通孔の少なくとも一方の開口が前記第2の圧電セラミックグリーンシートで塞がれた、前記凹部となる構造が形成された積層体を作製し、
    該積層体を焼成する工程を含むことを特徴とする圧電素子の製造方法。
  12. 前記積層体を作製する際に、前記凹部となる構造の周囲における、前記第1の圧電セラミックグリーンシートと前記第2の圧電セラミックグリーンシートとの間に前記電極を形成しないことを特徴とする請求項11に記載の圧電素子の製造方法。
JP2013224388A 2013-10-29 2013-10-29 圧電素子、圧電基板、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、記録装置、ならびに圧電素子の製造方法 Pending JP2015088549A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013224388A JP2015088549A (ja) 2013-10-29 2013-10-29 圧電素子、圧電基板、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、記録装置、ならびに圧電素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013224388A JP2015088549A (ja) 2013-10-29 2013-10-29 圧電素子、圧電基板、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、記録装置、ならびに圧電素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015088549A true JP2015088549A (ja) 2015-05-07

Family

ID=53051047

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013224388A Pending JP2015088549A (ja) 2013-10-29 2013-10-29 圧電素子、圧電基板、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、記録装置、ならびに圧電素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015088549A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5997150B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP5952310B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP2018167581A (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP6027282B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP2014108530A (ja) 液体吐出ヘッド用の流路部材、それを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置、ならびに液体吐出ヘッドの使用方法
JP5988414B2 (ja) 液体吐出ヘッド用の流路部材、およびそれを用いた、液体吐出ヘッドならびに記録装置
JP6616156B2 (ja) 流路部材、液体吐出ヘッド、記録装置、および流路部材の製造方法
JP6193727B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP6616146B2 (ja) 液体吐出ヘッド用の流路部材、ならびにそれを用いた、液体吐出ヘッドおよびに記録装置
JP2016221706A (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP6169948B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置、ならびに液体吐出ヘッドの製造方法
JP6131333B2 (ja) 圧電基板、およびそれを用いたアセンブリ、液体吐出ヘッド、ならびに記録装置
JP2015088549A (ja) 圧電素子、圧電基板、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、記録装置、ならびに圧電素子の製造方法
JP5956274B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP6034082B2 (ja) 積層体、それを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置
JP2012206468A (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP5783849B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置
JP2015085623A (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP2018034372A (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP6166195B2 (ja) 圧電基板、およびそれを用いたアセンブリ、液体吐出ヘッド、ならびに記録装置
JP6571474B2 (ja) 流路部材、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、ならびに記録装置
JP5933145B1 (ja) 液体吐出ヘッド用の流路部材、およびそれを用いた、液体吐出ヘッドならびに記録装置
JP5922856B1 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP5934420B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置
JP6181531B2 (ja) 液体吐出ヘッド、およびそれを用いた記録装置