JP2015088447A - 固体高分子形燃料電池用触媒層付電解質膜の製造方法、固体高分子形燃料電池および触媒層付電解質膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】触媒担持粒子と高分子電解質と溶媒とを含む触媒インクに親和性のある親和性エリアと触媒インクに親和性が無い非親和性エリアとを、剥離基材上及び転写基材上のそれぞれにパターン形成する。それぞれの親和性エリアに触媒インクを塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜中の溶媒を除去し、剥離基材上にカソード触媒層を形成し、転写基材上にアノード触媒層を形成する。カソード触媒層上に、高分子電解質と溶媒とを含む電解質インクを塗布して塗膜を形成し、塗膜中の溶媒を除去し、高分子電解質膜を形成する。アノード触媒層をカソード触媒層が形成された裏面の高分子電解質膜に積層し、ホットプレスによりアノード触媒層を高分子電解質膜に転写する。剥離基材と転写基材とを剥離除去する。
【選択図】図5
Description
上述した各種の燃料電池の中で、長所の多い固体高分子形燃料電池が知られている。この固体高分子形燃料電池は、陽イオン交換膜を電解質として用いたものである。その長所として、(1)燃料電池の中でも比較的低温で動作するため室温付近で使用可能である点、(2)電解質膜の薄膜化により内部抵抗を低減できるため高出力化及びコンパクト化が可能である点に着目されている。そのため、固体高分子形燃料電池は、車載用電源や家庭用据置電源等への用途が有望視されており、近年、様々な研究開発が行われている。
また、特許文献3、特許文献4に開示された触媒層付電解質膜の製造方法では、熱プレス工程を含まないために製造コストは低くなるが、共に触媒層の形状が塗布する手法に依存し、所望の形状の触媒層を得ることができないという問題があった。
本発明は、上記問題を考慮して成し遂げられたものであり、(1)触媒インクのロスが少なく、(2)所望の形状に高精度で触媒層を形成でき、(3)イオン抵抗が小さく、(4)低加湿条件下で高い発電性能を有する触媒層付電解質膜の製造方法、及びその触媒層付電解質膜を提供することを目的とする。
図1は、本実施形態に係る触媒層付電解質膜の製造方法を工程順に説明するための模式図である。
本実施形態に係る触媒層付電解質膜の製造方法の概略は以下のとおりである。
本実施形態に係る触媒層付電解質膜の製造方法は、(1)剥離基材1a上にカソード触媒層7bと固体高分子電解質膜8が形成されたカソード触媒層付電解質膜の形成工程と、(2)転写基材上に転写基材1b上にアノード触媒層7cが形成されたアノード触媒層の形成工程と、(3)アノード触媒層のカソード触媒層付電解質膜への転写工程との3つの工程から成る。
まず、剥離基材1a上に、触媒インク7aと親和性のある親和性エリア5と触媒インク7aと親和性が無い非親和性エリア6とをパターン形成する工程(図1(1b))を実行する。次に、剥離基材1上の触媒インク7aと親和性のある親和性エリア5に触媒インク7aを塗布して塗膜を形成し、形成した塗膜中の溶媒を除去してカソード触媒層7bを形成する工程(図1(1c))を実行する。次に、カソード触媒層7b上に、少なくとも高分子電解質と溶媒を含む電解質インクを塗布して塗膜を形成し、形成した塗膜中の溶媒を除去し、高分子電解質膜8を形成する工程(図1(1e))を実行する。これにより、カソード触媒層が固体高分子電解質膜の片面に形成されたカソード触媒層付電解質膜を形成する。
まず、転写基材1b上に、触媒インク7aと親和性のある親和性エリア5と触媒インク7aと親和性が無い非親和性エリア6とをパターン形成する工程(図1(2b))を実行する。次に、転写基材1上の触媒インク7aと親和性のある親和性エリア5に触媒インク7aを塗布して塗膜を形成し、形成した塗膜中の溶媒を除去し、当該アノード触媒層7cを形成する工程(図1(2c))を実行する。
まず、アノード触媒層が形成された転写基材上にカソード触媒層付電解質膜のカソード触媒層形成裏面側がアノード触媒層に接するように積層し、ホットプレス工程(図1(3f))を実行する。次に、剥離基材と転写基材を順次剥離除去し、固体高分子電解質の両面にカソー触媒層、アノード触媒層が形成された触媒層付電解質膜を形成する。
シランカップリング剤2の種類としては、触媒インク7aと親和性が無いものであり、且つ真空紫外光3で除去できるものであれば、特に限定されるものでは無いが、低表面エネルギーの官能基を有し、結合が真空紫外光3で分解され易いフルオロアルキルシランが望ましい。また、シランカップリング剤2の形成法は、スプレーコーティング、スピンコーティング、化学蒸着法、浸漬法等が挙げられ、特に限定されるものでは無い。
真空紫外光3の波長は、シランカップリング剤2のSi−Cの結合が切断できる波長であれば、特に限定されるものでは無いが、Si−Cの結合が切断され易いことから172nmであることが望ましい。
次に、パターン形成の第三工程(残存シランカップリング剤除去工程)として、真空紫外光3をカソード触媒層7b、アノード触媒層7cが形成された剥離基材1a、転写基材1bの上に照射し、触媒インク7aと親和性が無いシランカップリング剤2により形成されたエリア6のシランカップリング剤2を分解・除去する(図1(1d)、図1(2d))。
次に、アノード触媒層が形成された転写基材上にカソード触媒層付電解質膜のカソード触媒層形成裏面側がアノード触媒層に接するように積層した後にホットプレスを実施することにより、アノード触媒層を固体高分子電解質膜に転写される(図1(3f))。
図2は、本実施形態に係る触媒層付電解質膜の理想的な構成を示す断面図である。このように、本実施形態に係る製造方法により製造された触媒層付電解質膜において、カソード触媒層7bと電解質膜8の間には、触媒層と高分子電解質膜の混合層7dを有している。
カソード触媒層7bが凸になっている構成の場合、そのカソード触媒層7bの断面が高分子電解質膜8に覆われていないことからカソード触媒層7bの保湿性が低下する(図3(a))。一方で高分子電解質膜8がカソード触媒層7bと剥離基材1間の界面に入る構成、すなわち、カソード触媒層7bが高分子電解質膜8に完全に囲まれて外部に露出しない構成の場合、導電性が低下するとともに、カソード触媒層7bのガス拡散性が低下する(図3(b))。カソード触媒層7bの断面が完全に高分子電解質膜8に覆われて、かつ、カソード触媒層7bの表面と高分子電解質膜8の表面が完全に一致している構成がより望ましい。
本実施形態に係る触媒層付電解質膜の製造方法によれば、イオン抵抗を小さくできる。その理由は、カソード触媒層7b上に直接高分子電解質層8を塗布されることにより、カソード触媒層−高分子電解質膜混合層が形成され、カソード触媒層7bと高分子電解質膜8の接触が向上するからである。その結果、より良好な発電性能が得られる。
触媒層付電解質膜の触媒層の白金担持量は、カソード触媒層7bの白金担持量がアノード触媒層7cの白金担持量以上である。すなわち、カソード触媒層7bの白金担持量は、0.20〜0.40mg/cm2、アノード触媒層7cの白金担持量は0.05〜0.10mg/cm2が望ましい。
以上、説明したように、本実施形態に係る触媒層付電解質膜及びその製造方法によれば、安価で十分な発電性能を備える触媒層付電解質膜を提供することができる。
以下、図5を参照し、具体的な実施例により、本実施形態に係る膜電極接合体の製造方法について説明する。なお、後述する実施例は本発明の一実施例であり、本発明はこの実施例のみに限定されるものでは無い。また、本実施例に係る触媒層付電解質膜は、固体高分子形燃料電池に用いられる。
[触媒層付電解質膜の製造方法の工程順]
図5は、本実施形態に係る触媒層付電解質膜の製造方法を工程順に説明するためのフローチャートである。
剥離基材上の工程は、剥離基材上へのシランカップリング剤形成工程(S110)と、剥離基材上のシランカップリング剤限定除去工程(S120)と、カソード触媒層形成工程(S125)と、剥離基材上の残存シランカップリング剤除去工程(S130)と、高分子電解質膜形成工程(S135)と、を有する。
共通の工程は、アノード触媒層の高分子電解質膜への転写工程(S305)、剥離基材及び転写基材の剥離除去工程(S315)と、を有する。
(1)シランカップリング剤形成工程(S110)(S210)
シランカップリング剤2を、剥離基材1a、転写基材1b上の全エリアに形成する。
ここでは、図1(1a)(2a)に示すように、剥離基材1aとしてガラス基板(以下、ガラス基板1aという)を、転写基材1bとしてポリエチレンテレフタラートフィルム(以下、PETフィルム1bという)用いている。このガラス基板1a、PETフィルム1bの上に波長172nmの真空紫外光3を照射し、ガラス基板1a、PETフィルム1bの表面にヒドロキシル基を形成した。続いて、ガラス基板1a、PETフィルム1b上のヒドロキシル基と加水分解されたシランカップリング剤2とを反応させるようにする。ここで、フルオロアルキル系のシランカップリング剤2であるフルオロメトキシシラン(商品名:KBM―7103、信越化学工業製)と、上述したヒドロキシル基が形成されたガラス基板1とを160℃に加温する。それから、化学蒸着法(Chemical Vapor Deposition法:CVD法)によりガラス基板1上にシランカップリング剤2を形成した。
フォトマスク4を介して親和性のある親和性エリア5上にのみ真空紫外光3を照射することにより、触媒インク7aと親和性エリア5上に形成されたシランカップリング剤2のみを除去する。
ここでは、図1(1b)(2b)に示すように、50mm四方の開口部を有するフォトマスク4を介して、波長172nmの真空紫外光3をシランカップリング剤2が形成されたガラス基板、PETフィルム上に照射する。そして、シランカップリング剤2が分解された触媒インク7aと親和性がある親和性エリア5とシランカップリング剤2が残存している触媒インク7aと親和性が無い非親和性エリア6をパターン形成した。
剥離基材1a、転写基材1b上の親和性エリア5に触媒インク7aを塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜中の溶媒を除去し、カソード触媒層7b、アノード触媒層7cを形成する。
ここでは、図1(1c)(2c)に示すように、白金担持量が50%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)を、溶媒である水と混合した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、触媒インク7aを調整した。そして、パターン形成したガラス基板、PETフィルム上に、触媒インク7aと親和性がある親和性エリア5に、調整した触媒インク7aを、白金担持量がそれぞれ、0.30mg/cm2、0.10mg/cm2となるように滴下した。このように滴下された触媒インク7aによって形成された塗膜を乾燥させて、カソード触媒層7b、アノード触媒層7cを形成した。
カソード触媒層71b、アノード触媒層7c形成後に触媒インク7aと親和性の無い非親和性エリア6の残存シランカップリング剤2を除去する。
ここでは、図1(1d)(2d)に示すように、カソード触媒層7bが形成されたガラス基板、アノード触媒層7cが形成されたPETフィルム上に波長が172nmの真空紫外光3を照射し、カソード触媒層7a、アノード触媒層7b周縁部の触媒インク7a親和性が無い非親和性エリア6のシランカップリング剤2を分解・除去した。
カソード触媒層7b上に、少なくとも高分子電解質と溶媒を含む電解質インクを塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜中の溶媒を除去し、高分子電解質膜8を形成する。
ここでは、図1(1e)に示すように、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)を、カソード触媒層7a上に膜厚が20μmとなるように、ドクターブレード法により塗布し、塗膜を乾燥させて、高分子電解質膜8を形成した。
アノード触媒層が形成された転写基材上にカソード触媒層付電解質膜のカソード触媒層形成裏面側がアノード触媒層に接するように積層し、ホットプレス工程を実行し、アノード触媒層7cを高分子電解質膜8に転写する。
ここでは、図1(3f)に示すように、アノード触媒層7cが形成された転写基材上にカソード触媒層付電解質膜のカソード触媒層形成裏面側がアノード触媒層に接するように積層し、130℃、6.0×106Paの条件でホットプレスを行い、アノード触媒層7cを高分子電解質膜8に転写した。
カソード触媒層7bと、高分子電解質層8と、アノード触媒層7cからなる触媒層付電解質膜から、剥離基材1a、転写基材1bを剥離する。
ここでは、カソード触媒層7b、高分子電解質膜8、アノード触媒層7cをガラス基板1a、PETフィルム1bから剥離し、触媒層付電解質膜とした。
(A)カソード触媒層形成工程(S125)
白金担持量が50%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)を、溶媒である水と混合した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、触媒インク70を調整した。そして、PETフィルム上に50mm四方の開口部を有するマスク材が貼合された転写基材上に、調整した触媒インク7aを塗布した。この触媒インク7aは、白金担持量が0.30mg/cm2となるようにドクターブレード法により塗布される。塗布された後に、塗膜を乾燥させ、カソード触媒層7bが形成される。
PETフィルム上に50mm四方の開口部を有するマスク材が貼合された転写基材上に、触媒インク70を、白金担持量が0.10mg/cm2となるように、ドクターブレード法により塗布し、塗膜を乾燥させ、アノード触媒層72を形成した。
(C)高分子電解質膜形成工程(S135)
20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)を、ガラス基板上に、膜厚が20μmとなるようドクターブレード法により塗布し、塗膜を乾燥させ、高分子電解質膜8を形成した。高分子電解質膜8を形成した後にガラス基板を剥離した。
PETシート上に製造された両電極触媒層を、高分子電解質溶液から製造した高分子電解質膜8の両面に正対するように配置し、130℃、6.0×106Paの条件でホットプレスを行い、触媒層付電解質膜を製造した。
実施例と比較例とそれぞれの製造方法において使用した触媒インク7aの体積を調べた結果、実施例の製造方法によれば、触媒インク7aの使用量を40%削減できていることを確認した。
また、実施例と比較例とそれぞれの製造方法により製造した触媒層付電解質膜について、それぞれ低加湿での発電特性を調べた結果、実施例の方が、発電性能が高いことを確認した。
本実施形態では、以下の触媒層付電解質膜の製造方法を採用した。
本実施形態に係る触媒層付電解質膜の製造方法は、高分子電解質膜(8)と、当該高分子電解質膜(8)の一方の面に設けたアノード触媒層(7c)と、当該高分子電解質膜(8)の他方の面に設けたカソード触媒層(7b)とを備える触媒層付電解質膜の製造方法に関するものである。この製造方法は、パターン形成工程(S1000)と、カソード触媒層形成工程(S125)と、高分子電解質膜形成工程(S135)と、パターン形成工程(S1000)と、アノード触媒層形成工程(S225)と、ホットプレス工程(S305)と、剥離工程(S315)とを有する。
シランカップリング剤形成工程(S110、S210)において、剥離基材(1a)上、又は転写基材(1b)上の全エリアにシランカップリング剤(2)を形成する。シランカップリング剤限定除去工程(S120、S220)において、親和性エリア(5)上に形成されたシランカップリング剤(2)のみを除去する。残存シランカップリング剤除去工程(S130、S230)において、触媒層形成工程(S125、S225)により触媒層(7b、7c)を形成された後に、非親和性エリア(6)の残存シランカップリング剤(2)を除去する。
また、パターン形成工程(S1000)において、親和性エリア(5)では親水性を活用し、非親和性エリア(6)では撥水性を活用してパターン形成するようにしても良い。
本実施形態に係る触媒層付電解質膜は、高分子電解質膜(8)と、高分子電解質膜(8)の一方の面に設けたアノード触媒層(7c)と、高分子電解質膜(8)の他方の面に設けたカソード触媒層(7b)とを備える。触媒層付電解質膜は、カソード触媒層(7b)と高分子電解質膜(8)の間に触媒層と高分子電解質膜の混合層(7d)を有し、カソード触媒層(7b)の表面とカソード触媒層を設けた高分子電解質膜(8)の表面とが略同一平面上にある。
本実施形態は、以下のような効果を奏する。
本実施形態によれば、(1)触媒インクのロスが少なく、(2)所望の形状に高精度で触媒層を形成でき、(3)イオン抵抗が小さく、(4)低加湿条件下で高い発電性能を有するという効果を奏する触媒層付電解質膜の製造方法、及び触媒層付電解質膜を提供することができる。
(2)所望の形状に高精度で触媒層を形成できる理由は、シランカップリング剤を除去する工程において用いるフォトマスクの精度が、カソード触媒層とアノード触媒層の形状に反映されるからである。したがって、所望の精度・形状のフォトマスクを用いることにより、高精度で所望の形状の触媒層を形成することができる。
(4)低加湿条件下で発電性能を高くできる理由は、カソード触媒層が、断面を含めた四方を高分子電解質層で覆われているため、低加湿条件下でも触媒層が保湿され、高いプロトン伝導性を有する膜電極接合体(MEA)を形成できるからである。
また、本実施形態によれば、断面を含めた四方を高分子電解質膜で覆われているため、低加湿条件下でも触媒層が保湿され、高いプロトン伝導性を有する膜電極接合体となり、特に低加湿条件下で発電性能が高いという効果を奏する触媒層付電解質膜の製造方法、及び触媒層付電解質膜を提供することができる。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
1b・・・転写基材
2・・・シランカップリング剤
3・・・真空紫外光
4・・・フォトマスク
5・・・触媒インクと親和性の有るエリア(親和性エリア)
6・・・触媒インクと親和性が無いエリア(非親和性エリア)
7a・・・触媒インク
7b・・・カソード触媒層
7c・・・アノード触媒層
7d・・・カソード触媒層−高分子電解質膜混合層
8・・・高分子電解質膜
9・・・カソード触媒層付電解質膜
10・・・プレス用熱盤
11b・・・カソード側ガス拡散層
11c・・・アノード側ガス拡散層
12b・・・カソード側ガスケット層
12c・・・アノード側ガスケット層
Claims (7)
- 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の一方の面に設けたアノード触媒層と、前記高分子電解質膜の他方の面に設けたカソード触媒層とを備える触媒層付電解質膜の製造方法であって、
触媒担持粒子と高分子電解質と溶媒とを含む触媒インクに親和性のある親和性エリアと前記触媒インクに親和性が無い非親和性エリアとを、剥離基材上にパターン形成するパターン形成工程と、
前記親和性エリアに前記触媒インクを塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜中の溶媒を除去し、前記カソード触媒層を形成するカソード触媒層形成工程と、
前記カソード触媒層上に、高分子電解質と溶媒とを含む電解質インクを塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜中の溶媒を除去し、前記高分子電解質膜を形成する高分子電解質膜形成工程と、
触媒担持粒子と高分子電解質と溶媒とを含む触媒インクに親和性のある親和性エリアと前記触媒インクに親和性が無い非親和性エリアとを、転写基材上にパターン形成するパターン形成工程と、
前記親和性エリアに前記触媒インクを塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜中の溶媒を除去し、前記アノード触媒層を形成するアノード触媒層形成工程と、
前記転写基材上に作製されたアノード触媒層を前記カソード触媒層が形成された裏面の高分子電解質膜に積層し、ホットプレスによりアノード触媒層を前記高分子電解質膜に転写するホットプレス工程と、
前記剥離基材と転写基材とを剥離除去する剥離除去工程と、
を有することを特徴とする触媒層付電解質膜の製造方法。 - 前記パターン形成工程は、前記剥離基材上、又は前記転写基材上の全エリアにシランカップリング剤を形成するシランカップリング剤形成工程と、前記親和性エリア上に形成されたシランカップリング剤のみを除去するシランカップリング剤限定除去工程と、前記触媒層形成工程により触媒層を形成された後に、前記非親和性エリアの残存シランカップリング剤を除去する残存シランカップリング剤除去工程と、
を有することを特徴とする、請求項1に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。 - 前記シランカップリング剤限定除去工程において、フォトマスクを介して親和性エリア上にのみ真空紫外光を照射することにより除去することを特徴とする、請求項1又は2に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
- 前記パターン形成工程において、前記親和性エリアでは親水性を活用し、前記非親和性エリアでは撥水性を活用してパターン形成することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
- 前記親和性エリアの水接触角が15度以下であり、前記非親和性エリアの水接触角が100度以上であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の触媒層付電解質膜の製造方法を用いて製造された膜電極接合体を備える固体高分子形燃料電池。
- 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の一方の面に設けたアノード触媒層と、前記高分子電解質膜の他方の面に設けたカソード触媒層とを備える触媒層付電解質膜であって、
前記カソード触媒層と前記高分子電解質膜との間に触媒層と高分子電解質膜の混合層を有し、
前記カソード触媒層の表面と前記カソード触媒層を設けた前記高分子電解質膜の表面とが略同一平面上にあることを特徴とする触媒層付電解質膜。
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