JP2015088057A - 表示プログラム、補助情報自動配置装置、及び方法 - Google Patents

表示プログラム、補助情報自動配置装置、及び方法 Download PDF

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【課題】オブジェクトの確認がより容易となるように、補助情報を配置するための技術を提供する。【解決手段】オブジェクト20の輪郭線20aから一定距離、離れた位置に、注記25の配置用のグリッド61を複数、設定し、各注記25を、その注記25の基準位置との距離が最小のグリッド61に割り当てる。その結果、同一のグリッド61に複数の注記25が割り当てられた場合、全体として、基準位置とグリッド61間の距離の増大を抑える形で、1つ以上の注記25を同一のグリッド61の近傍のグリッド61に割り当てる展開を行う。その展開により、注記25の重複が発生した場合、重複が発生した2つの注記群のうちの少なくとも一方を、各注記群を構成する注記の数を用いて計算する移動量だけ移動させる。そのようにして、最終的に、1つのグリッド61に1つの注記25を割り当てる。【選択図】図17

Description

本発明は、表示対象とするオブジェクトと共に、そのオブジェクトについての補助情報を表示するための技術に関する。
現在、各種設計にCAD(Computer Aided Design)が広く用いられている。このCADは、コンピュータ(情報処理装置)の処理能力を利用し、設計者が設計をより容易に行えるように支援する。そのため、CADを用いることにより、設計者は設計をより短時間に行えるようになる。
CADは、設計結果を画面上に表示させることができる。設計結果、つまり設計対象は、通常、一つの部品か、或いは複数の部品を備えたモジュール、若しくは製品等である。ここでは、設計結果、つまり表示対象を「オブジェクト」と総称する。
オブジェクトは、設計者以外の人に分かりやすいようにすることが求められる場合がある。そのため、CADでは、オブジェクトの各部の機能、用途、或いは役割等を容易に把握できるように、補助情報を表示できるようになっているのが普通である。補助情報を表示させることにより、複数の部品を備えたオブジェクトでは、各部品を容易に把握できるようにすることができる。通常、補助情報は、バルーン内に配置される文字情報として表示される。
補助情報を必要とする箇所(位置)、及びその補助情報の内容は、設計者等によって指定されるのが普通である。それにより、設計者等は、必要と思われる箇所毎に、必要と思われる補助情報を設定することができる。補助情報が必要として設定された箇所(位置)は以降、「基準位置」と表記する。
補助情報(バルーン)の配置は、自動的に決定させることができるようになっている。従来、補助情報を配置する位置は、その補助情報の基準位置を含む箇所の輪郭に隣り合う位置、或いはオブジェクトを配置する画面上の予め設定した位置としている。しかし、そのような従来の配置方法では、以下のような問題がある。
先ず、輪郭に隣り合う位置に補助情報を配置する場合、オブジェクトの一部が、配置する補助情報によって視認できなくなる可能性がある。複数の部品を含むオブジェクトでは、配置する補助情報によって、オブジェクトの一部が視認できなくなる可能性が極めて高い。オブジェクトを確認しようとする人にとっては、一部が視認できなくなることは望ましくない。
画面上の予め設定した位置に補助情報を配置する方法では、その位置は、オブジェクトの一部を視認できなくなることがないように、その画面の端とするのが普通である。そのため、オブジェクトの一部が視認できなくなることは回避できたとしても、基準位置と補助情報の間の距離は大きくなりやすい。基準位置と補助情報の間の距離が大きくなるほど、基準位置と補助情報の対応関係が分かり難くなり、オブジェクトの確認に要する時間はより長くなる。このことから、補助情報の配置では、オブジェクトの確認を容易に行えるようにするうえで、オブジェクトの一部を視認できなくなることを回避すると共に、基準位置と補助情報の間の距離をより小さくすることも重要と思われる。
従来技術としては、他に、補助情報の配置を決定した後、その補助情報が画面内に収まるか否かを確認し、画面内に収まらない補助情報を、画面内に収まる位置に再配置するものがある。その補助情報の再配置は、補助情報を不適切な位置に移動させることに相当する。そのため、この従来技術による再配置方法では、基準位置と補助情報の対応関係はより分かり難くさせることになる。
特開2001−43254号公報 特開2011−43934号公報
1側面では、本発明は、オブジェクトの確認がより容易となるように、補助情報を配置するための技術を提供することを目的とする。
本発明を適用した1システムは、表示対象とするオブジェクトの表示データ、及びオブジェクトに対応付けられた表示用の補助情報を複数、格納した記憶部と、表示させるオブジェクトの輪郭に基づき、オブジェクトの外側に、補助情報の配置候補とする候補位置を複数、設定する設定部と、補助情報毎に、補助情報に候補位置を割り当てる割当部と、割当部による割り当て結果に従って、補助情報の配置を候補位置に決定する配置部と、を有する。
本発明を適用した場合には、オブジェクトの確認がより容易となるように、補助情報を配置することができる。
本実施形態による補助情報自動配置装置である注記自動配置装置の機能構成例を説明する図である。 本実施形態による注記の自動配置結果例を表す図である。 オブジェクトの設計データの構成例を説明する図である。 注記データ群の構成例を説明する図である。 視点の変更に伴う注記の配置の変化例を説明する図である。 オフセット輪郭線例を表す図である。 オフセット輪郭線の作成方法例を説明する図である。 オフセット輪郭線上に設定されるグリッド例を説明する図である。 各注記の距離が最小のグリッド例を説明する図である。 距離による各グリッドへの注記の割り当て例を説明する図である。 重複している注記の展開例を説明する図である。 グリッド番号が6のグリッドに重複している注記の評価値の算出例を説明する図である。 グリッド番号が7のグリッドに重複している注記の評価値の算出例を説明する図である。 展開によるグリッドの重複の解消方法例を説明する図である。 展開による注記の重複の別の解消方法例を説明する図である。 視点の変更に伴う各グリッドへの注記の割り当て結果例を説明する図である。 視点の変更に伴う自動配置により表示される注記例を説明する図である。 注記自動配置処理のフローチャートである。 オフセット輪郭線作成処理のフローチャートである。 グリッド抽出処理のフローチャートである。 重複部分注記展開処理のフローチャートである。 展開時重複注記最適化処理のフローチャートである。 本実施形態による補助情報自動配置装置である注記自動配置装置として使用可能な情報処理装置の構成例を表す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態による補助情報自動配置装置である注記自動配置装置の機能構成例を説明する図である。本実施形態による補助情報自動配置装置である注記自動配置装置1は、補助情報として注記の配置を自動的に決定するものである。
この注記自動配置装置1には、図1に表すように、データ入力部2、外部記憶装置3、及び表示装置4が接続されている。注記自動配置装置1は、システム制御部11、データ管理部12、表示データ制御部13、画像データ処理部14、及び注記位置算出部15を備えている。
図2は、本実施形態による注記の自動配置結果例を表す図である。図1の説明を行う前に、注記自動配置装置1が補助情報として表示する注記25、及び注記25の配置の決定方法について具体的に説明する。
図2において、20は例えばCADを用いた設計結果として表示されるオブジェクトである。注記25は、そのオブジェクト20、或いは構成要素(例えば部品)等の説明のために用いられる補助情報であり、オブジェクト20と共に表示対象となる。その注記25は、図2に表すように、文字情報が挿入された注記本体26、及び注記本体26に付された引出線27を有する。引出線27は、注記25と対応付けられた基準位置28と注記本体26とを結ぶ線である。
図2に表すオブジェクト20は、ポインティングデバイスであるマウスの設計結果である。各注記25の注記本体26に文字情報として表記の「1」〜「12」の数字は、オブジェクト(マウス)20を構成する部品に割り当てられた番号を表している。具体的には、「1」はロアカバー、「2」及び「3」はLED(Light Emitting Diode)、「4」及び「5」はマイクロスイッチ、「6」〜「8」はボタンスイッチ、「9」はハウジング、「10」はポインタスティック、「11」及び「12」は検知シャフト、をそれぞれ表している。
各注記本体26は、オブジェクト20の輪郭から配置資源として設定する位置(点。以降「グリッド」と表記)の何れかに、重複しないように配置される。グリッドは、オブジェクト20の輪郭を基準にする形で設定する。それにより、各注記本体26は、オブジェクト20の一部を隠すことなく、オブジェクト20の輪郭からの距離が狭い範囲内に収まる位置に配置される。
注記本体26に割り当てるグリッドは、その注記本体26と基準位置28との間の距離、及び引出線27の交差を考慮して決定される。それにより、各注記本体26には、基準位置28との距離がより小さくなるように、また、引出線27が交差しないように、グリッドが割り当てられる。
そのようにして、本実施形態では、注記本体26と基準位置(部品、等)28との間の対応関係がより分かりやすいように、注記本体26の配置を自動的に決定し、注記25を表示させる。このため、オブジェクト20を確認する人にとっては、その確認をより迅速、且つ容易に行うことができる。
図1に表す注記自動配置装置1は、図2に表すような注記25の表示を行うことができる。そのために、図1に表す各構成要素11〜15は、以下のような機能を備えている。
データ入力部2は、オペレータが各種指示、及び各種データ入力等に用いられる。データ入力部2を用いて入力可能なデータには、オブジェクト20の表示データ(例えば設計結果を表す設計データ)3a、及び各注記25の設定内容を表す注記データ群3bが含まれる。
システム制御部11は、注記自動配置装置1全体を制御する。データ入力部2から表示データ3a、或いは注記データ群3bが入力された場合、システム制御部11は、入力されたデータをデータ管理部12に渡し、データ管理部12に外部記憶装置3に格納させる。オブジェクト20は、1つの部品か、或いは複数の部品を備えた製品、若しくはモジュール等である。ここでは、オブジェクト20は複数の部品を備えた製品と想定する。表示データ3aとしては、オブジェクト20の設計データ、例えばオブジェクト20を構成する各部品の形状、及び配置等を表す部品データ群と想定する。
図3は、オブジェクトの設計データの構成例を説明する図であり、図4は、注記データ群の構成例を説明する図である。
オブジェクト20の設計データ、つまり部品データ群3aは、オブジェクト20を構成する部品毎に、その部品データがまとめられたものである。各部品データは、識別情報と、属性情報とに大別される。図3にデータ名として表記の「部品データ1」は、識別情報の例を表している。属性情報には、部品の面、稜線、或いは頂点などを表す形状情報、その部品の配置(位置、角度、等)を表す配置情報等が含まれる。オブジェクト20を表示するための画像データ(ビットマップデータ)は、属性情報から、各部品の形状、位置関係、等を特定し、生成することができる。
注記データ群3bを構成する各注記データは、図4に表すように、識別情報と、属性情報とに大別される。図4にデータ名として表記の「注記データ5」は、識別情報の例を表している。属性情報には、注記座標情報、注記サイズ情報、及び文字情報、等が含まれる。注記座標情報は、注記本体26の座標情報、基準位置28、つまり引出線27の一方の端の位置を指定する座標情報、を含む。注記サイズ情報は、注記本体26の大きさを表す。
データ管理部12は、部品情報管理部12a、及び注記情報管理部12bを備える。部品情報管理部12aは、部品データ群3aの外部記憶装置3への格納、及び外部記憶装置3に格納されている部品データ群3aの更新、等を行う。注記情報管理部12bは、注記データ単位で外部記憶装置3への格納、及び外部記憶装置3に格納されている注記データの更新、等を行う。
各注記25の文字情報、及び基準位置の指定は、オペレータ(設計者、等)に行わせるようになっている。そのため、外部記憶装置3への注記データ群3bの格納、及び注記データ群3bの更新は、通常、注記データ単位で行われる。
画像データ処理部14は、2D3Dデータ変換部14a、輪郭線抽出部14b、及び2Dデータ加工部14cを備え、主にオブジェクト20に係わる画像データの処理を行う。
部品データ群3aを構成する各部品データの形状情報は、3次元の形状を表している。3次元の形状を表す形状情報とすることにより、任意の視点(ビュー)でオブジェクト20の2次元形状を表示させることができる。2D3Dデータ変換部14aは、部品毎に、形状情報から2次元形状を表す画像データを生成する。2Dデータ加工部14cは、各部品の配置情報を用いて、部品毎に生成された画像データを加工し、オブジェクト20の2次元の画像データ(ビットマップデータ)を生成する。
輪郭線抽出部14bは、2D加工部14cが生成した画像データから、オブジェクト20の輪郭線を抽出する。抽出された輪郭線は、画像データ処理部14から注記位置算出部15に渡される。
システム制御部11は、オペレータが視点の変更を指示する毎に、画像データ処理部14の2D3Dデータ変換部14a、及び2Dデータ加工部14cに処理を行わせる。それにより、オペレータが指定した視点でオブジェクト20を表示させる。
図5は、視点の変更に伴う注記の配置の変化例を説明する図である。図5に表記の「A」〜「H」は、各注記25に設定された文字情報例を表している。ここでは、便宜的に、「A」〜「H」は各注記25を区別するために用いることとする。それにより、例えば文字情報として「A」が表記されている注記25は、「Aの注記25」等と表現する。
図2に表すように、各注記25は、引出線27の交差を避けるように配置される。基準位置28の指定は、表示させたオブジェクト20上の位置の指定により行えるようになっており、指定された基準位置は、形状情報が表す何れかのポリゴン面上の位置となる。そのため、視点の変更に伴い、各注記25の基準位置28の位置関係が変化し、その位置関係の変化により、各注記25の配置も変化する。各注記25の配置の変化に伴い、引出線27の交差も発生する。
このようなことから、注記25の自動配置は、初めて注記25を表示させる場合の他に、視点を変更した場合にも必要となる。それにより、本実施形態では、オペレータによる指示に従い、注記25の自動配置を行うようにしている。輪郭線抽出部14bによる輪郭線の抽出は、オペレータの指示に従ったシステム制御部11の制御により行われる。
注記位置算出部15は、各注記25の自動配置を行い、各注記25を表示させる位置を決定する。注記位置算出部15は、注記−グリッド距離算出部15a、重複注記展開部15b、展開時重複注記最適化部15c、注記配置部15d、及びオフセット輪郭線作成部15eを備えており、各部15a〜15dは、それぞれ以下のような機能を有する。
オフセット輪郭線作成部15eは、輪郭線抽出部14bが抽出した輪郭線の外側に、その輪郭線を用いて別の輪郭線(以降「オフセット輪郭線」と表記)を作成する。
図6は、オフセット輪郭線例を表す図であり、図7は、オフセット輪郭線の作成方法例を説明する図である。
図6に表すように、オフセット輪郭線60は、オブジェクト20の輪郭線20aに沿った形状である。このオフセット輪郭線60は、図7に表すように、オブジェクト20の輪郭線20a上に沿って、その輪郭線20a上に中心を有する円71を描き、描いた円71の外側に接する線を特定することで作成される。それにより、オフセット輪郭線60は基本的に、オブジェクト20の輪郭線20aから円71の半径だけ離れた線となっている。
オフセット輪郭線作成部15eは、オフセット輪郭線60を作成した後、図8に表すように、そのオフセット輪郭線60上にグリッド61を設定する。このグリッド61は、上記のように、注記本体26を配置するうえでの資源であり、注記本体26は何れかのグリッド61上に配置される。グリッド61の設定は、オフセット輪郭線60上の任意の点を1番目のグリッド61として設定し、オフセット輪郭線60上、一定距離、離れた点を2番目のグリッド61として設定する。そのようにして、オフセット輪郭線作成部15eは、オフセット輪郭線60上、既に設定したグリッド61から一定距離、離れた点をグリッド61として順次、設定する。図8に表記の「1」〜「17」は、グリッド61の設定された順序と共に、各グリッド61に識別用に割り当てられたグリッド番号を表している。グリッド61毎に作成されるグリッドデータは、例えばグリッド番号、及び座標情報を含むデータである。
注記−グリッド距離算出部15aは、注記25毎に、その基準位置28と各グリッド61間の距離を算出し、算出した距離が最小のグリッド61を配置候補として割り当てる。
図9は、各注記の距離が最小のグリッド例を説明する図であり、図10は、距離による各グリッドへの注記の割り当て例を説明する図である。図9、及び図10は、図5に表すようにオブジェクト20の視点が変更された場合を例にとっている。図9、及び図10において、「1」〜「17」はグリッド番号、「A」〜「H」は注記25の文字情報、をそれぞれ表している。
図9に表す例では、B〜Dの3つの注記25の基準位置28との距離は、グリッド番号が6のグリッド61で最小であり、E〜Gの3つの注記25の基準位置28との距離は、グリッド番号が7のグリッド61で最小であることを表している。それにより、図10に表すように、グリッド番号が6のグリッド61には、B〜Dの3つの注記25が割り当てられ、グリッド番号が7のグリッド61には、E〜Gの3つの注記25が割り当てられている。
注記本体26の視認性が低下することから、同一のグリッド61に複数の注記25を割り当てる重複は望ましくない。同一のグリッド61における注記25の重複を解消するために、本実施形態では、重複注記展開部15b、及び展開時重複注記最適化部15cを設けている。
重複注記展開部15bは、注記25が重複しているグリッド61毎に、そのグリッド61を中心とする複数のグリッド61を想定し、重複している注記25を展開する。その展開は、複数のグリッド61にそれぞれ1対1に割り当てるのが最適な注記25の並びを特定することで行われる。
図11は、重複している注記の展開例を説明する図である。図9、及び図10に表す例では、グリッド番号が6のグリッド61には、B〜Dの3つの注記25が割り当てられている。このことから、グリッド番号が5〜7のグリッド61を想定し、B〜Dの3つの注記25は、グリッド番号が5〜7の各グリッド61にそれぞれ1対1に割り当てるのが最適な並びに展開される。図11は、B〜Dの注記25が、グリッド番号が5〜7の各グリッド61にそれぞれ割り当てるように展開されていることを表している。同様に、図11は、E〜Gの注記25が、グリッド番号が6〜8の各グリッド61にそれぞれ割り当てるように展開されていることを表している。
注記25が重複しているグリッド61を中心として、そのグリッド61の前後方向(グリッド番号が小さい方向が前方向である)でそれぞれ想定するグリッド61の数は、重複している注記25の数を2で割った値の小数点以下を切り捨てて得られる整数としている。そのため、重複している注記25の数が3であった場合、注記25が重複しているグリッド61、及びそのグリッド61の前後に位置する各1つのグリッド61の計3つのグリッド61が想定される。
重複注記展開部15bは、重複している注記25の展開時の並びを、以下の式により求める評価値αを用いて決定する。
α=Σ(番号/距離)÷Σ(1/距離) ・・・(1)
ここで、番号は、例えばグリッド番号が最小のグリッド61を1として、グリッド番号の大きさを表す整数である。その次にグリッド番号が大きいグリッド61の番号は2である。
式(1)により算出される評価値αは、小さくなるほど、グリッド番号がより小さいグリッド61を割り当てるのが望ましいことを表している。そのため、重複している注記25の適切な並びは、評価値αの大きさから決定することができる。
図12は、グリッド番号が6のグリッドに重複している注記の評価値の算出例を説明する図である。図13は、グリッド番号が7のグリッドに重複している注記の評価値の算出例を説明する図である。
図12(a)において、最上行に表記の「5」〜「7」は、グリッド番号を表している。その下の行に表記の「1」〜「3」は、式(1)で用いられる番号を表している。図12(b)及び図12(c)の最上行に表記の「1」〜「3」も式(1)で用いられる番号を表している。図12(a)に表記の「B」〜「D」は、注記25の文字情報を表している。
図12(a)では、各注記25と各グリッド61間の距離の例を表している。図12(b)では、各注記25と各グリッド61間で算出される番号/距離の値を表している。図12(c)では、各注記25と各グリッド61間で算出される1/距離の値を表している。図12(d)では、図12(b)、及び図12(c)の算出結果を用いて得られる各注記25の評価値αを表している。
図12(d)に表すように、評価値αの大小関係は、Bの注記25<Cの注記25<Dの注記25、となっている。そのため、グリッド番号が6のグリッド61に重複しているB〜Dの注記25の並びは、図11に表すように決定される。グリッド番号が7のグリッド61に重複しているE〜Gの注記25の並びは、図13(a)〜図13(d)から、図11に表すように決定される。
図11に表す例では、重複している注記25の展開により、グリッド番号が6、及び7の2つのグリッド61で重複が生じている。そのため、注記25の展開結果は、重複注記展開部15bから展開時重複注記最適化部15cに出力される。
展開時重複注記最適化部15cは、グリッド61への注記25の割り当てが最適となるように、注記25の展開によるグリッド61の重複を解消させる。その重複の解消は、グリッド番号が小さいグリッド61側に対応付けた注記群X、及びその注記群Xよりもグリッド番号がより大きいグリッド61側に位置する注記群Yの2つの注記群を処理対象として行われる。重複の解消のために、注記群Xは、グリッド番号がより小さいグリッド61に対応付ける方向(前方向)に移動され、注記群Yは、その逆方向(後方向)に移動される。
図14は、展開によるグリッドの重複の解消方法例を説明する図である。この図14では、A〜Hの注記25のなかのB〜Dの注記25、及びE〜Gの注記25が図11に表すように展開された場合を例にとって、グリッド61の重複の解消の仕方を表している。
図14(a)は、B〜Dの注記25、及びE〜Gの注記25を展開した後の状態を表している。ここでは、B〜Dの注記25は注記群X、E〜Gの注記25は注記群Yとして扱われる。
重複している注記群X、及び注記群Yは、重複部分が無くなるように、グリッド61単位の移動量が計算される。図14(b)は、各移動量の計算結果、及び各移動量の計算に用いられる各種値を表している。図14(b)において、「Sx」は注記群Xの前方向の移動量、「Sy」は注記群Yの後方向の移動量を表している。「Xn」及び「Yn」は、注記群X及びYを構成する注記数、「Xc」及び「Yc」は、注記群X及びYの重心位置、「XYg」は注記群Xと注記群Yとで重複している重複グリッド数を表している。「XYc」は、注記群Xと注記群Yを想定した重心位置を表している。「Ex」及び「Ey」は、注記群X及びYの正規化した単位移動量を表している。
注記群X(及びY)の重心位置Xc(及びYc)は、以下の式により計算される。
Xc=Σ(グリッド番号×注記数)/Σ(注記数) ・・・(2)
重心位置XYcは
XYc=(Xc・Xn+Yc・Yn)/(Xn+Yn) ・・・(3)
により計算される。
単位移動量Ex及びEyは
Ex=ABS(Xc−XYc)/Xn ・・・(4)
Ey=ABS(Yc−XYc)/Yn ・・・(5)
により計算される。式(4)及び(5)中の「ABS」は、絶対値を求める関数を表している。
移動量Sx、及びSyは、式(4)及び(5)により得られた単位移動量Ex及びEyを用いて、以下の式により計算される。
Sx=ROUND(Ex/(Ex+Ey)・(XYg)) ・・・(6)
Sy=ROUND(Ey/(Ex+Ey)・(XYg)) ・・・(7)
ここで、「ROUND」は四捨五入を求める関数を表している。
図14(b)では、注記群X及びYの注記数Xn及びYn、重心位置Xc及びYc、並びに重複グリッド数XYgの各例を入力値として表記している。重心位置XYc、単位移動量Ex及びEyの各例を計算途中値として表記している。計算結果として、移動量Sx及びSyの各例を表記している。
図14(b)に表すように、移動量Sx及びSyは共に1となっている。そのため、図14(c)に表すように、注記群Xは前方向に1グリッド61分、移動され、注記群Yは後方向に1グリッド61分、移動される。その移動は、注記群X及びY共に、各注記25へのグリッド61の割り当てを全体的に変更する操作に相当する。
各注記群X及びYの移動量Sx及びSy分の移動に伴い、重複は解消され、別の注記25、或いは注記群との間に新たな重複は生じない。そのため、図14(d)に表すように、各注記25に割り当てるグリッド61が確定する。それにより、各グリッド61への注記25の割り当て結果は、図16に表すようになり、各注記25は、グリッド番号が2、4〜9、及び17のグリッド61の何れかに割り当てられる。
図15は、展開による注記の重複の別の解消方法例を説明する図である。
グリッド61が重複している注記群は3つ以上の場合がある。図15は、3つの注記群が同じグリッド61を重複している場合を例にとって、グリッド61の重複の解消の仕方を表している。
図15(a)は、距離による割り当ての結果、グリッド番号が3、7、10及び12の4つのブロック71でそれぞれ4つ、3つ、5つ、及び9つの注記25の重複が発生し、各グリッド61で注記25の展開を行った後の状態を表している。
注記群が3つ以上、存在する場合、本実施形態では、グリッド番号が小さいグリッド61が対応付けられている注記群から順次、処理するようにしている。それにより、図14(a)に表すように、最初は、グリッド番号が3のグリッド61での重複による展開で得られた注記群が注記群X、グリッド番号が7のグリッド61での重複による展開で得られた注記群が注記群Yとして扱われる。
このとき、注記群Xと注記群Yとでは、グリッド61の重複はない。しかし、注記群Xと注記群Yは接している。そのため、図15(b)に表すように、注記群Xと注記群Yは1つの注記群Xとしてまとめられ、グリッド番号が10のグリッド61での重複による展開で得られた注記群が新たに注記群Yとして扱われる。図15(c)には、図14(b)と同様に、注記群X及びYの注記数Xn及びYn、重心位置Xc及びYc、並びに重複グリッド数XYgの各例を入力値として表記している。重心位置XYc、単位移動量Ex及びEyの各例を計算途中値として表記している。計算結果として、移動量Sx及びSyの各例を表記している。
注記群Xと注記群Yが接していない場合、それらはまとめられず、注記群Yが新たに注記群Xとして扱われることとなる。新たな注記群Xとグリッド61が重複している注記群が存在しない場合、後方向側に存在する注記群が次の注記群Xの候補となる。
図15(b)に表す状態では、注記群Xと注記群Yは、1グリッド61だけ重複している。注記群Xの注記数は7であるのに対し、注記群Yの注記数は5である。その注記数の違いから、図15(c)に表すように、注記群Xの移動は行われず、注記群Yのみ1グリッド61分、後方向に移動されている。
図15(c)に表すように、式(6)及び(7)により計算される移動量Sx及びSyの値は、注記数が多い注記群のほうが小さくなる。これは、注記数が多い程、注記群を移動させることに伴う注記本体26と基準位置28の間の距離、つまり引出線27の長さの全体的な増分が大きくなるからである。式(6)及び(7)を用いて移動量Sx及びSyを計算することにより、各引出線27が長くなるのをより抑えるように、注記25をグリッド61に割り当てることができる。
注記群Yの移動後、図15(d)に表すように、注記群Xと注記群Yは1つの注記群Xとしてまとめられ、グリッド番号が12のグリッド61での重複による展開で得られた注記群が新たに注記群Yとして扱われる。図15(e)には、図15(c)と同様に、注記群X及びYの注記数Xn及びYn、重心位置Xc及びYc、並びに重複グリッド数XYgの各例を入力値として表記している。重心位置XYc、単位移動量Ex及びEyの各例を計算途中値として表記している。計算結果として、移動量Sx及びSyの各例を表記している。
移動量Sx及びSyの計算結果に従い、注記群Xは前方向に2グリッド61分、移動され、注記群Yは後方向に4グリッド61分、移動される。その結果、計21の注記25は、図15(f)に表すように、グリッド番号が1〜20、及び25のグリッド61に割り当てられることとなる。
展開時重複注記最適化部15cは、上記のように、注記25の展開によるグリッド61の重複を解消させ、各注記25を割り当てるグリッド61を決定する。注記配置部15dは、各注記25の配置を、その注記25が割り当てられたグリッド61の座標に設定する。その設定は、注記25とその注記25が割り当てられたグリッド61の対応関係をデータとして保持させても良いが、各注記データの属性情報に含まれる注記座標情報を更新することで行っても良い。ここでは便宜的に、注記25の配置の設定は、注記データの属性情報に含まれる注記座標情報を更新することで行うと想定する。
注記25へのグリッド61の割り当て結果に従った設定により、図5に表すような配置で表示されていた各注記25は、図17に表すような配置で新たに表示されることとなる。図5、及び図17に表すように、新たに配置が決定された各注記25は、注記本体26と基準位置28の対応関係が容易に視認できるように表示されている。その結果、オブジェクト20の確認も容易に行うことができる。
注記25の表示用のビットマップデータは、例えばオブジェクト20と同様に、画像データ処理部14にて作成される。つまり、画像データ処理部14は、1画面分のビットマップデータを作成し、作成したビットマップデータをシステム制御部11に出力する。そのビットマップデータがシステム制御部11、データ管理部12、及び表示データ制御部13を介して表示装置4に出力されることにより、図5、及び図17に表すような画像が表示装置4上に表示される。
図23は、本実施形態による補助情報自動配置装置である注記自動配置装置として使用可能な情報処理装置の構成例を表す図である。ここで図23を参照し、注記自動配置装置1として使用可能な情報処理装置の構成例について詳細に説明する。
この情報処理装置は、図23に表すように、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82、メモリ(メモリモジュール)83、NIC(Network Interface Card)84、ハードディスク装置(HD)85、キーボード86、ポインティングデバイス(PD)87、表示装置88、及びコントローラ89を備えている。
この構成は1例であり、注記自動配置装置(補助情報自動配置装置)1として使用可能な情報処理装置の構成は、図23に表すような構成例に限定されない。例えばキーボード86、ポインティングデバイス87、及び表示装置88は、構成要素として備えている必要はなく、必要に応じて接続できるようになっていても良い。
ROM82は、BIOS(Basic Input/Output System)を格納したメモリである。このBIOSは、CPU81によってメモリ83に読み出され実行される。ハードディスク装置85には、OS(Operating System)、及び上記のように注記25の自動配置を行えるCADソフトウェアが格納されている。CPU81は、BIOSの起動が完了した後、コントローラ89を介してハードディスク装置85からOS、及びCADソフトウェアを読み出して実行することができる。NIC84を介した通信は、OSの起動によって可能となる。
CADソフトウェアは、ハードディスク装置85以外のストレージ、或いは記録媒体に格納しても良い。ストレージ、或いは記録媒体は、NIC84がネットワークを介して通信可能な外部装置がアクセス可能なものであっても良い。このことから、CADソフトウェアは、外部装置から受信しても良い。
上記のような構成の情報処理装置では、キーボード86、ポインティングデバイス87、及びNIC84はデータ入力部2として用いることができる。表示装置4は、表示装置88に相当する。しかし、表示装置4は、NIC84を介して接続可能な外部装置に搭載、或いは接続された表示装置であっても良い。それにより、NIC84、及びコントローラ89は、表示データ制御部13として機能させることができる。
外部記憶装置3は、ハードディスク装置85である。しかし、外部記憶装置3は、NIC84を介して接続可能な外部装置に搭載、或いは接続された記憶装置であっても良い。
システム制御部11、データ管理部12、画像データ処理部14、及び注記位置算出部15は、CPU81がCADソフトウェアを実行することで実現される。このことから、外部記憶装置3がハードディスク装置85であり、そのハードディスク装置85にCADソフトウェアが格納されていると想定した場合、実現に少なくとも必要な構成要素は、CPU81、ROM82、メモリ83、ハードディスク装置85、及びコントローラ89となる。
図18は、注記自動配置処理のフローチャートである。この注記自動配置処理は、CPU81がCADソフトウェアを実行している状況下であった場合に、オペレータがキーボード86、或いはポインティングデバイス87等を操作し、注記25の自動配置を指示したことを契機に実行される。上記のような注記25の自動配置は、CPU81がこの注記自動配置処理を実行することで実現される。次に図18を参照し、この注記自動配置処理について詳細に説明する。
先ず、CPU81は、表示させているオブジェクト20の輪郭線20aを抽出し、抽出した輪郭線20aを用いてオフセット輪郭線60を作成するオフセット輪郭線作成処理を実行する(S1)。次に、CPU81は、作成したオフセット輪郭線60上から、登録すべきグリッド61を抽出して登録するグリッド抽出処理を実行する(S2)。
グリッド抽出処理の実行後、CPU81は、注記25毎に、その注記25の基準位置28とグリッド61との間の距離から、グリッド61への注記25の割り当てを行う(S3)。各注記25へのグリッド61を割り当てた後、CPU81は、同一のグリッド61に重複して割り当てられている注記25を展開する重複部分注記展開処理を実行する(S4)。その後はS5に移行する。
S5では、CPU81は、注記25の展開により得られた注記群間のグリッド61の重複を解消させ、注記25のグリッド61への割り当てを最適化する展開時重複注記最適化処理を実行する。次にCPU81は、展開時重複注記最適化処理により確定した注記25のグリッド61への割り当て結果に従い、各注記25の配置を決定して表示させる(S6)。その後、この注記自動配置処理が終了する。
図2、及び図17に表す注記25の表示例は、注記自動配置処理を実行することで実現される。そのため、オペレータは、随時、注記自動配置処理の実行を指示することにより、注記25を最適な状態で表示させることができる。
以降は、上記注記自動配置処理内でサブルーチン処理として実行される各種処理について、図19〜図22を参照して詳細に説明する。
図19は、上記S1として実行されるオフセット輪郭線作成処理のフローチャートである。始めに図19を参照し、オフセット輪郭線作成処理について詳細に説明する。図1に表すオフセット輪郭線作成部15eの一部、及び画像データ処理部14は、CPU81がこのオフセット輪郭線作成処理を実行することで実現される。
先ず、CPU81は、外部記憶装置3から部品データ群である設計データ3aを取得する(S11)。次にCPU81は、オブジェクト20の視点(ビュー)に合わせて、各部品データが表す3次元形状データを2次元形状(投影図)データに変換する(S12)。CPU81は、部品間の位置関係を反映させて、変換した2次元形状データを更にビットマップデータに変換する(S13)。
S13で得られるビットマップデータは、オブジェクト20を表す表示データである。CPU81は、ビットマップデータが表すオブジェクト20の輪郭線20aを特定し、特定した輪郭線20a上の点を抽出する(S14)。このとき、抽出した点は、円71の中心として用いられる。
次にCPU81は、外部記憶装置3から注記データ群3bを取得する(S15)。CPU81は、視点に合わせて、注記データ群3bを構成する注記データ毎に、属性情報中の注記本体26の座標情報を2次元の座標情報に変換する(S16)。
続いて、CPU81は、注記データ群3bを構成する各注記データを参照して、注記サイズ情報が表す最大の注記サイズを特定し、特定した最大の注記サイズの値を用いて、注記間オフセット値を計算する(S17)。
この注記間オフセット値は、後述するように、グリッド61間に設ける距離として用いられる値である。そのため、注記間オフセット値としては、最大サイズの注記本体26を隣り合うグリッド61に配置したとしても、注記本体26が重ならないようにするうえで必要な距離以上の値を設定しなければならない。このことから、注記間オフセット値の計算に最大の注記サイズの値が用いられる。
CPU81は、次に、計算した注記間オフセット値を直径とする円71を、S14で抽出した輪郭線20a上の各点を中心にして描く(S18)。続いて、CPU81は、S13で得られたビットマップイメージに、描いた円71を重ね合わせ、円71の外側に接する線をオフセット輪郭線60として作成する(S19)。
次にCPU81は、作成したオフセット輪郭線60上の点を抽出する(S20)。抽出した点は、例えば設計で用いる座標(図19中「実サイズ座標」と表記)上でオフセット輪郭線60を表現するために用いられる。CPU81は、抽出した点毎に、その点の座標を実サイズ座標に戻し、戻した実サイズ座標上の各点の位置を表す座標データを保存する(S21)。そのようにしてオフセット輪郭線60のデータを保存した後、このオフセット輪郭線作成処理が終了する。
図20は、上記S2として実行されるグリッド抽出処理のフローチャートである。次に、図20を参照し、グリッド抽出処理について詳細に説明する。図1に表すオフセット輪郭線作成部15eの一部は、CPU81がこのグリッド抽出処理を実行することで実現される。
先ず、CPU81は、作成したオフセット輪郭線60上の任意の点を選び、グリッド番号が1のグリッド61として登録する(S31)。その登録後、CPU81は、処理ループL30を実行する。
この処理ループL30は、オフセット輪郭線60上で対象とする位置(点)を移動させながら、既に登録したグリッド71との距離が上記注記間オフセット値を超えている位置をグリッド61として登録するための処理ループである。
処理ループL30では、CPU81は、最初に、オフセット輪郭線60上の対象とする位置を予め設定された距離だけ移動させる。その移動を行った後、CPU81は、移動後の位置と既に登録している全グリッド61との間の距離が注記間オフセット値を超えているか否か判定する(S32)。全ての距離が注記間オフセット値を超えている場合、S32の判定はYesとなる。そのため、CPU81は、移動後の位置を新たにグリッド61として登録する(S33)。その登録後、処理ループL30内の一連の処理が終了する。一方、何れかの距離が注記間オフセット値以下となっていた場合、S32の判定はNoとなり、ここで処理ループL30内の一連の処理が終了する。
処理ループL30内の一連の処理が終了すると、CPU81は、例えば移動させている位置がグリッド番号1のグリッド61の点を通過したか否かの判定を行う。その位置がグリッド番号1のグリッド61の点を通過することは、登録すべきグリッド61は全て登録したことを意味する。それにより、その判定結果がYesとなった場合、処理ループL30が終了し、グリッド抽出処理も終了する。その判定結果がNoとなった場合、登録すべきグリッド61が残っている可能性が存在することから、処理ループL30の実行が継続される。
図21は、図18に表す注記自動配置処理内でS4として実行される重複部分注記展開処理のフローチャートである。次に図21を参照し、重複部分注記展開処理について詳細に説明する。図1に表す重複注記展開部15bは、CPU81がこの重複部分注記展開処理を実行することで実現される。
この重複部分注記展開処理では、処理ループL40が実行され、その処理ループL40の終了に伴い、この重複部分注記展開処理が終了する。この処理ループL40は、対象とするグリッド61を変更しながら、対象とするグリッド61での注記25の重複の有無を確認し、重複している注記25の展開を行うための処理ループである。それにより、対象とするグリッド61が無くなった場合に、この処理ループL40は終了する。
処理ループL40では、対象とするグリッド61を選択した後、CPU81は、選択したグリッド61で注記25が複数、登録されているか否か判定する(S41)。現在、対象としているグリッド61に複数の注記25が割り当てられていた場合、S41の判定はYesとなって処理ループL45に移行する。対象としているグリッド61に割り当てられている注記25の数が1以下であった場合、S41の判定はNoとなり、ここで処理ループL40内の一連の処理が終了する。
処理ループL45は、対象とするグリッド61に割り当てられている注記25毎に、対象とするグリッド61を中心とする複数のグリッド61を想定し、式(1)を用いて評価値αを求めるための処理ループである。それにより、処理ループL45は、対象とする注記25が無くなることで終了し、S43に移行することとなる。
この処理ループL45では、対象とする注記25を選択した後、CPU81は、式(1)を用いて、その対象とする注記25の評価値αを算出する(S42)。その評価値αの算出により、この処理ループL45内の処理が終了する。
重複している全ての注記25の評価値αを算出することで処理ループL45が終了すると、CPU81は、S43に移行して、評価値αの大きい順に、対象とするグリッド61を中心とする複数のグリッド61に対応付ける注記25の並びを決定する。その注記25の並びを決定した後、処理ループL40内の一連の処理が終了する。
図22は、図18に表す注記自動配置処理内でS5として実行される展開時重複注記最適化処理のフローチャートである。最後に図22を参照し、展開時重複注記最適化処理について詳細に説明する。図1に表す展開時重複注記最適化部15cは、CPU81がこの展開時重複注記最適化処理を実行することで実現される。
この展開時重複注記最適化処理では、処理ループL50が実行され、その処理ループL50の終了に伴い、この展開時重複注記最適化処理が終了する。この処理ループL50は、対象とする注記25、或いは注記群を変更しながら、グリッド61が重複する他の注記25、或いは注記群が存在するか否かを確認し、グリッド61の重複を解消させるための処理ループである。上記のように、グリッド61の重複の解消は、注記25のグリッド61への割り当てが最適となるように行われる。対象とする注記25,或いは注記群は、グリッド番号が小さいグリッド61側としていることから、注記群Xとして扱われる。他の注記25、或いは注記群は注記群Yとして扱われる。
処理ループL50では、対象とする注記25、或いは注記群を選択した後、CPU81は、選択した注記25、或いは注記群よりも後方向に考慮すべき別の注記25、或いは注記群(図22中「対象データ」と表記)が存在するか否か判定する(S51)。後方向上、考慮すべき別の注記25、或いは注記群が存在する場合、S51の判定はYesとなってS52に移行する。後方向に考慮すべき別の注記25、及び注記群の何れも存在しない場合、S51の判定はNoとなり、ここで処理ループL50内の一連の処理が終了する。
S52では、CPU81は、後方向上、考慮すべき別の注記25、或いは注記群を注記群Yとし、対象とする注記25、或いは注記群は注記群Xとする。次にCPU81は、注記群Xと注記群Yの注記25を配置するグリッド61が重なっているか否か判定する(S53)。1つ以上のグリッド61が重なっている場合、S53の判定はYesとなってS54に移行する。重なっているグリッド61が存在しない場合、S53の判定はNoとなってS59に移行する。
S54では、CPU81は、式(6)及び(7)を用いて、注記群X及びYの移動量Sx及びSyを計算する。次に、CPU81は、求めた移動量Sxに応じて、注記群Xを前方に移動させる(S55)。CPU81は、同様に、求めた移動量Syに応じて、注記群Yを後方に移動させる(S56)。
S55、及びS56の実行により、注記群X及びYのうちの少なくとも一方は、グリッド61の重なりが解消されるように移動する。このことから、CPU81は、注記群X及びYを一つにまとめ(S57。図14(b)→図14(c)、及び図15(b)→図15(d)等)、一つにまとめた注記群を注記群Xとする(S58)。その後、上記S52に戻る。それにより、図15(b)、或いは図15(d)に表すような状態に対応する。
上記S53の判定がNoとなって移行するS59では、注記群Xと注記群Yとが接しているか否か判定する。それらが接している場合(例えば図15(a)に表すような状態)、S59の判定はYesとなってS60に移行する。それらが接していない場合、つまりそれらが離れている場合、S59の判定はNoとなり、ここで処理ループL50内の一連の処理が終了する。
S60では、CPU81は、注記群X及びYを一つにまとめ、一つにまとめた注記群を注記群Xとする。その後、上記S52に戻る。
なお、本実施形態では、注記間オフセット値は注記本体26の最大サイズを用いて決定しているが、別の情報を注記間オフセット値の決定に反映させても良い。別の情報としては、例えば注記25の数、基準位置28の密集度、等が考えられる。これは、注記25の数が多くなるほど、より多くのグリッド61を登録可能なオフセット輪郭線60を作成しなければならないからである。また、基準位置28が狭い範囲内に多く設定されていた場合、その範囲に近い部分のオフセット輪郭線60に登録されているグリッド61に全ての注記25を割り当てるのが困難となることが考えられる。このようなことから、注記25の数、基準位置28の密集度、等を注記間オフセット値の決定に反映させるようにしても良い。
オフセット輪郭線60は、一つのみ作成しているが、状況に応じて、複数のオフセット輪郭線60を作成するようにしても良い。これは、大きいサイズの注記本体26を表示する場合であっても、引出線27の長さを全体的により短くして、注記5を確認するうえでの視認性の低下を抑制するためである。
大きいサイズの注記本体26を表示する場合、注記間オフセット値も大きくしなければならず、引出線27の長さは長くなりやすい。このことから、注記間オフセット値が異なる例えば2つのオフセット輪郭線60を作成し、注記本体26のサイズの大きさに応じて、注記25に割り当てるグリッド61を2つのオフセット輪郭線60上の何れかのグリッド61と限定するようにしても良い。そのように複数のオフセット輪郭線60を作成する場合、注記本体26のサイズが小さい注記25ほど、注記間オフセット値の小さいオフセット輪郭線60上のグリッド71を割り当てるのが望ましい。
オフセット輪郭線60の形状は、オブジェクト20の形状に依存する。オブジェクト20に凹部が存在する場合、オフセット輪郭線60にもオブジェクト20に向かって凸となっている凹部が発生する。オフセット輪郭線60上の凹部は、引出線27を交差させる、引出線27が結ばれた注記本体26を分かり難くする、といった不具合を発生させやすい。これは、引出線27がオフセット輪郭線60を横切るグリッド61に注記25を割り当てる場合がある、1点から複数のグリッド61にそれぞれ配置する注記本体26と1つの基準位置を結ぶ線の傾きが狭い範囲内に収まる場合がある、といった理由からである。このことから、必要に応じて、例えばオブジェクト20の凹部、及びその周辺に設定された基準位置28の数、或いは/及び、基準位置28の分布等に応じて、オフセット輪郭線60に対し、凹部の形状を平滑化する操作を行うようにしても良い。
また、本実施形態では、式(1)を用いて算出される評価値αに従い、注記25の展開を行うようにしているが、注記25の展開は、式(1)とは異なる式を用いて算出される評価値を用いて行うようにしても良い。移動量Sx及びSyの算出方法、等についても、本実施形態に限定されるものではない。
また、本実施形態では、各注記25の配置の決定の他に、配置を決定した各注記25の表示も行うようになっている。しかし、注記自動配置装置には、注記25を表示する機能を搭載しなくとも良い。つまり、注記自動配置装置は、例えばオブジェクト20、及び注記25を表示する他の装置からの要求により、注記25の配置を決定し、決定した配置を出力する装置として実現させても良い。決定した配置を反映させた注記データ群3bは、ネットワーク、或いは記録媒体等を用いて出力させれば良い。
上記以外にも、様々な変形を行うことができる。
1 注記自動配置装置
2 データ入力部
3 外部記憶装置
3a 設計データ
3b 注記データ群
4 表示装置
11 システム制御部
12 データ管理部
12a 部品情報管理部
12b 注記情報管理部
13 表示データ制御部
14 画像データ処理部
14a 2D3Dデータ変換部
14b 輪郭線抽出部
14c 2Dデータ加工部
15 注記位置算出部
15a 注記−グリッド距離算出部
15b 重複注記展開部
15c 添加時重複注記最適化部
15d 注記配置部
15e オフセット輪郭線作成部
20 オブジェクト
20a 輪郭線
25 注記
26 注記本体
27 引出線
28 基準位置
60 オフセット輪郭線
61 グリッド

Claims (17)

  1. コンピュータに、
    画面に表示させるオブジェクトの輪郭に基づき、前記オブジェクトの外側に、前記オブジェクトに対応付けられた補助情報の配置候補とする候補位置を複数、設定し、
    前記補助情報毎に、前記補助情報に前記候補位置を割り当て、
    前記割り当てに従って前記候補位置に配置した前記補助情報を前記オブジェクトと共に表示する、
    処理を実行させることを特徴とする表示プログラム。
  2. 前記補助情報を、前記補助情報と、前記補助情報に設定された基準位置とを結ぶ引出線と共に表示させる、
    ことを特徴とする請求項1記載の表示プログラム。
  3. 前記候補位置は、前記オブジェクトの輪郭から所定の距離、離して設定する、
    ことを特徴とする請求項1、または2記載の表示プログラム。
  4. 前記基準位置は、前記オブジェクトを構成するポリゴン面上に設定される、
    ことを特徴とする請求項2記載の表示プログラム。
  5. 前記補助情報に割り当てる前記候補位置は、前記基準位置と前記候補位置の距離を基に決定する、
    ことを特徴とする請求項2記載の表示プログラム。
  6. 前記補助情報毎に、前記基準位置と各候補位置間の距離を計算し、該計算した距離を基に、前記各候補位置のなかから前記補助情報に割り当てる第1の候補位置を選択し、
    前記補助情報を複数、割り当てた前記第1の候補位置が存在する場合に、前記第1の候補位置を含む複数の候補位置を対象範囲にして、前記複数の補助情報をそれぞれ異なる候補位置に割り当てる展開を行う、
    ことを特徴とする請求項5記載の表示プログラム。
  7. 前記展開は、各補助情報とそれぞれ割り当てられる候補位置の間の距離の全体における増分を最小にする形で行う、
    ことを特徴とする請求項6記載の表示プログラム。
  8. 前記展開によりそれぞれ異なる候補位置が割り当てられた前記補助情報によって構成される補助情報群に、他の1つ以上の補助情報によって構成される他の補助情報群と重複する候補位置が割り当てられている場合、前記補助情報群、及び前記他の補助情報群のうちの少なくとも一方の割り当てを、前記補助情報群、及び前記他の補助情報群をそれぞれ構成する前記補助情報の数を用いて計算する移動量分、全体を移動させる、
    ことを特徴とする請求項6、または7記載の表示プログラム。
  9. 表示対象とするオブジェクトの表示データ、及び前記オブジェクトに対応付けられた表示用の補助情報を複数、格納した記憶部と、
    表示させる前記オブジェクトの輪郭に基づき、前記オブジェクトの外側に、前記補助情報の配置候補とする候補位置を複数、設定する設定部と、
    前記補助情報毎に、前記補助情報に前記候補位置を割り当てる割当部と、
    前記割当部による割り当て結果に従って、前記補助情報の配置を前記候補位置に決定する配置部と、
    を有することを特徴とする補助情報自動配置装置。
  10. 前記補助情報は、表示対象となる文字情報と、前記文字情報に対応付けられた前記オブジェクト上の位置である基準位置を表す位置情報とを含む、前記文字情報と前記基準位置とを結ぶ引出線を表示可能な情報である、
    ことを特徴とする請求項9記載の補助情報自動配置装置。
  11. 前記設定部は、前記候補位置を、前記オブジェクトの輪郭から所定の距離、離して設定する、
    ことを特徴とする請求項9記載の補助情報自動配置装置。
  12. 前記設定部は、前記候補位置間の距離を、前記文字情報を表示するサイズを基に変更する、
    ことを特徴とする請求項11記載の補助情報自動配置装置。
  13. 前記割当部は、前記基準位置と前記候補位置の距離を基に、前記補助情報に前記候補位置を割り当てる、
    ことを特徴とする請求項9記載の補助情報自動配置装置。
  14. 前記割当部は、
    前記補助情報毎に、前記基準位置と各候補位置間の距離を計算し、前記距離を計算した候補位置のなかで前記距離が最小となる第1の候補位置に前記補助情報を割り当てる第1の割当部と、
    前記補助情報を複数、割り当てた前記第1の候補位置が存在する場合に、前記第1の候補位置を含む複数の候補位置を対象範囲にして、前記複数の補助情報をそれぞれ異なる候補位置に割り当てる展開を行う第2の割当部と、
    を有することを特徴とする請求項9、または13記載の補助情報自動配置装置。
  15. 前記第2の割当部は、前記展開を、各補助情報とそれぞれ割り当てられる候補位置の間の距離の全体における増分を最小にする形で行う、
    ことを特徴とする請求項14記載の補助情報自動配置装置。
  16. 前記割当部は、更に、
    前記展開によりそれぞれ異なる候補位置が割り当てられた前記補助情報によって構成される補助情報群に、他の1つ以上の補助情報によって構成される他の補助情報群と重複する候補位置が割り当てられている場合、前記補助情報群、及び前記他の補助情報群のうちの少なくとも一方の割り当てを、前記補助情報群、及び前記他の補助情報群をそれぞれ構成する前記補助情報の数を用いて計算する移動量分、全体を移動させる第3の割当部、
    を有することを特徴とする請求項14、または15記載の補助情報自動配置装置。
  17. コンピュータに、
    画面に表示させるオブジェクトの輪郭に基づき、前記オブジェクトの外側に、前記オブジェクトに対応付けられた補助情報の配置候補とする候補位置を複数、設定させ、
    前記補助情報毎に、前記補助情報に前記候補位置を割り当てさせ、
    前記割り当てに従って前記補助情報の配置を前記候補位置に決定させる、
    ことを特徴とする補助情報自動配置方法。
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