JP2015086329A - 樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板 - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れた樹脂組成物を提供することを目的とする。また、前記樹脂組成物を用いたプリプレグ、前記プリプレグを用いた金属張積層板、及び前記金属張積層板を用いたプリント配線板を提供することを目的とする。【解決手段】重量平均分子量が500〜5000のポリフェニレンエーテル化合物と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、シアネートエステル化合物と、難燃剤とを含有し、前記難燃剤が、前記ポリフェニレンエーテル化合物、前記エポキシ化合物、及び前記シアネートエステル化合物の混合物に相溶する相溶性リン化合物と、前記混合物に相溶しない非相溶性リン化合物とを含有する樹脂組成物を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、前記樹脂組成物を用いたプリプレグ、前記プリプレグを用いた金属張積層板、及び前記金属張積層板を用いたプリント配線板に関する。
近年、各種電子機器は、情報処理量の増大に伴い、搭載される半導体デバイスの高集積化、配線の高密度化、及び多層化等の実装技術が急速に進展している。各種電子機器において用いられるプリント配線板の基材を構成するための基板材料には、信号の伝送速度を高め、信号伝送時の損失を低減させるために、誘電率及び誘電正接が低いことが求められる。
ポリフェニレンエーテル(PPE)は、誘電率や誘電正接等の誘電特性に優れ、MHz帯からGHz帯という高周波数帯(高周波領域)においても誘電率や誘電正接等の誘電特性が優れていることが知られている。このため、ポリフェニレンエーテルは、例えば、高周波用成形材料として用いられることが検討されている。より具体的には、高周波数帯を利用する電子機器に備えられるプリント配線板の基材を構成するための基板材料等に好ましく用いられる。
一方、基板材料等の成形材料として利用する際には、誘電特性に優れるだけではなく、難燃性に優れていることも求められている。この点、基板材料等の成形材料として用いられる樹脂組成物には、一般的に、臭素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤やテトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等のハロゲン含有エポキシ樹脂等の、ハロゲンを含有する化合物が配合されることが多かった。
しかしながら、このようなハロゲンを含有する化合物を含有する樹脂組成物は、その硬化物にハロゲンを含有することになり、燃焼時にハロゲン化水素等の有害物質を生成するおそれがあり、人体や自然環境に対して悪影響を及ぼす懸念が指摘されている。このような背景のもと、基板材料等の成形材料には、ハロゲンを含まないこと、いわゆるハロゲンフリー化が求められている。
このようなハロゲンフリー化された樹脂組成物としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の樹脂組成物が挙げられる。
特許文献1には、数平均分子量が1000以下で、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する、ハロゲン原子を含有しないエポキシ化合物、数平均分子量5000以下のポリフェニレンエーテル、シアネートエステル化合物、有機金属塩、及びリン系難燃剤を含有するエポキシ樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献2には、数平均分子量が500〜2000の、1分子中に平均1.5〜2個の水酸基を有する低分子量ポリフェニレンエーテルと、1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、1分子中に平均2個以上のシアネート基を有するシアネート化合物と、ホスフィン酸塩系難燃剤と、トリアジン骨格を有するポリリン酸塩系難燃剤とを含有する樹脂組成物が記載されている。
特開2009−73996号公報 特開2011−52165号公報
特許文献1及び特許文献2に記載の樹脂組成物は、難燃剤として、ハロゲン系難燃剤ではなく、リン系難燃剤を用いることで、ハロゲンフリー化を実現している。そして、特許文献1及び特許文献2には、これらに記載の樹脂組成物は、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れ、かつ、優れた誘電特性を有する旨が開示されている。
また、プリント配線板の基材を構成するための基板材料は、半導体デバイスの高集積化、配線の高密度化、及び多層化等の実装技術の進展に対応するため、各種特性の要求がさらに高まっている。具体的には、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性をさらに高めること等が求められている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れた樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、前記樹脂組成物を用いたプリプレグ、前記プリプレグを用いた金属張積層板、及び前記金属張積層板を用いたプリント配線板を提供することを目的とする。
樹脂組成物の硬化物として、その難燃性を高めるためには、樹脂組成物における難燃剤の含有量を増やすことが考えられる。しかしながら、本発明者等の検討によれば、難燃剤の含有量を単に増やしただけでは、誘電特性や硬化物の耐熱性が低下する場合があった。そこで、本発明者等は、種々検討した結果、難燃剤の組成が、硬化物の難燃性に影響されることを見出した。そして、この影響をさらに検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、重量平均分子量が500〜5000のポリフェニレンエーテル化合物と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、シアネートエステル化合物と、難燃剤とを含有する。そして、前記難燃剤が、前記ポリフェニレンエーテル化合物、前記エポキシ化合物、及び前記シアネートエステル化合物の混合物に相溶する相溶性リン化合物と、前記混合物に相溶しない非相溶性リン化合物とを含有する。
また、前記樹脂組成物において、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物との含有比が、質量比で20:80〜80:20であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、リン原子の含有量が、有機成分(前記難燃剤を除く)と前記難燃剤との合計100質量部に対して、1.8〜5.2質量部であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記相溶性リン化合物が、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、亜リン酸エステル化合物、及びホスフィン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、前記非相溶性リン化合物が、ホスフィン酸塩化合物、ポリリン酸塩化合物、及びホスホニウム塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリフェニレンエーテル化合物は、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1〜5個有することが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記エポキシ化合物が、ビスフェノール型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルアラルキル型エポキシ化合物、及びナフタレン環含有エポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリフェニレンエーテル化合物が、ポリフェニレンエーテルの水酸基の少なくとも一部を、前記エポキシ化合物のエポキシ基で予め反応させた反応生成物を含むことが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、硬化触媒として、金属石鹸を含有することが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリフェニレンエーテル化合物の含有量が、前記ポリフェニレンエーテル化合物と前記エポキシ化合物と前記シアネートエステル化合物との合計100質量部に対して、20〜50質量部であることが好ましい。また、前記エポキシ化合物の含有量が、前記合計100質量部に対して、20〜50質量部であることが好ましい。また、前記シアネートエステル化合物の含有量が、前記合計100質量部に対して、20〜50質量部であることが好ましい。
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記樹脂組成物を繊維質基材に含浸させて得られることを特徴とする。
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られることを特徴とする。
また、本発明の他の一態様に係るプリント配線板は、前記金属張積層板の表面の金属箔を部分的に除去することにより回路形成して得られることを特徴とする。
本発明によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れた樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、前記樹脂組成物を用いたプリプレグ、前記プリプレグを用いた金属張積層板、及び前記金属張積層板を用いたプリント配線板が提供される。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル化合物と、エポキシ化合物と、シアネートエステル化合物と、難燃剤とを含有する。
まず、本実施形態において用いられるポリフェニレンエーテル化合物は、重量平均分子量(Mw)が500〜5000であるポリフェニレンエーテル化合物であれば、特に限定されない。すなわち、ポリフェニレンエーテル化合物は、重量平均分子量が500〜5000であり、500〜3000であることが好ましい。分子量が低すぎると、硬化物の耐熱性としては充分なものが得られない傾向がある。また、分子量が高すぎると、樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、充分な流動性が得られず、成形不良を充分に抑制できない傾向がある。よって、ポリフェニレンエーテル化合物の重量平均分子量が上記範囲内であれば、優れた、硬化物の耐熱性及び成形性を実現できる。
なお、ここでの重量平均分子量は、具体的には、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等を用いて測定することができる。
また、本実施形態で用いるポリフェニレンエーテル化合物としては、分子末端のフェノール性水酸基の1分子当たりの平均個数(末端水酸基数)が1〜5個であることが好ましく、1.5〜3個であることがより好ましい。この末端水酸基数が少なすぎると、エポキシ樹脂のエポキシ基との反応性が低下し、硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。また、末端水酸基数が多すぎると、エポキシ樹脂のエポキシ基との反応性が高くなりすぎ、例えば、樹脂組成物の保存性が低下したり、誘電率及び誘電正接が高くなる等の不具合が発生するおそれがある。
なお、ここでのポリフェニレンエーテル化合物の水酸基数は、例えば、使用するポリフェニレンエーテル化合物の製品の規格値からわかる。また、ここでの末端水酸基数としては、具体的には、例えば、ポリフェニレンエーテル化合物1モル中に存在する全てのポリフェニレンエーテル化合物の1分子あたりの水酸基の平均値を表した数値等が挙げられる。
よって、本実施形態で用いるポリフェニレンエーテル化合物は、分子量が比較的低く、末端水酸基数が比較的多いので、エポキシ樹脂と3次元的な架橋を形成しやすいと考えられる。したがって、このようなポリフェニレンエーテル化合物を用いることによって、広い周波数領域において誘電特性が良好であるだけではなく、成形不良を抑制できる充分な流動性を有し、さらに硬化物の耐熱性が充分に高められると考えられる。
本実施形態で用いるポリフェニレンエーテル化合物としては、具体的には、例えば、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなるポリフェニレンエーテルやポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)等のポリフェニレンエーテルを主成分とするもの等が挙げられる。より具体的には、例えば、一般式(1)に示す構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2015086329
式(1)中、Xは、炭素数1〜3のアルキレン基又は直接結合を示し、mは、0〜20を示し、nは、0〜20を示し、mとnとの合計は、1〜30を示す。また、このアルキレン基としては、例えば、ジメチルメチレン基等が挙げられる。
また、本実施形態で用いるポリフェニレンエーテル化合物は、ポリフェニレンエーテルの水酸基の少なくとも一部を、前記エポキシ化合物で予め反応させた反応生成物を含んでいてもよい。すなわち、このような反応生成物を含む場合は、本実施形態に係る樹脂組成物は、重量平均分子量が500〜5000のポリフェニレンエーテルと、前記エポキシ化合物とを含み、前記ポリフェニレンエーテルの水酸基の少なくとも一部を、前記エポキシ化合物のエポキシ基で予め反応させることによって得られた反応生成物、シアネートエステル化合物、及び難燃剤を含有する樹脂組成物である。そして、この樹脂組成物において、前記難燃剤は、前記反応生成物及び前記シアネートエステル化合物の混合物に相溶する相溶性リン化合物と、前記混合物に相溶しない非相溶性リン化合物とを含有する。また、前記反応生成物を得る際に用いるエポキシ化合物は、有するエポキシ基でポリフェニレンエーテルの水酸基の少なくとも一部を反応させて、好適な樹脂組成物を構成するものが得られるものであればよい。具体的には、後述するエポキシ化合物の中で、1分子当たりのエポキシ基の平均個数(平均エポキシ基数)が2〜2.3個のエポキシ化合物が挙げられる。
また、前記反応生成物としては、前記ポリフェニレンエーテルの水酸基の少なくとも一部を、前記エポキシ化合物のエポキシ基で予め反応(プレリアクト)させて得られた生成物であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、前記エポキシ化合物を反応させる前のポリフェニレンエーテルの有する全水酸基の1/2以上が、前記エポキシ化合物のエポキシ基と反応したもの等が挙げられる。より具体的には、例えば、以下のように反応させることによって得られる。まず、前記ポリフェニレンエーテルと前記エポキシ化合物とが所定の比率となるように、前記ポリフェニレンエーテルと前記エポキシ化合物とを、10〜60分間有機溶媒中で攪拌して混合させる。その際、前記ポリフェニレンエーテルと前記エポキシ化合物との比率としては、例えば、前記ポリフェニレンエーテルの水酸基と前記エポキシ化合物のエポキシ基との当量比が、上記のような反応生成物が得られるような当量比であることが好ましい。そして、前記ポリフェニレンエーテルと前記エポキシ化合物とを混合した後、80〜110℃で2〜12時間加熱させることによって、前記ポリフェニレンエーテルと前記エポキシ化合物とを反応させる。そうすることによって、前記反応生成物が得られる。なお、前記有機溶媒としては、前記ポリフェニレンエーテル及び前記エポキシ化合物等を溶解させ、これらの反応を阻害しないものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、トルエン等が挙げられる。
また、前記ポリフェニレンエーテルと前記エポキシ化合物とを反応させる際、前記ポリフェニレンエーテルと前記エポキシ化合物との混合物に、触媒を混合してもよい。前記触媒としては、前記ポリフェニレンエーテルの水酸基と前記エポキシ化合物のエポキシ基との反応を促進することができるものであれば、特に制限することなく使用することができる。具体的には、オクタン酸、ステアリン酸、アセチルアセトネート、ナフテン酸、及びサリチル酸等の有機酸のZn、Cu、及びFe等の有機金属塩;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、トリエチルアミン、及びトリエタノールアミン等の3級アミン;2−エチル−4−イミダゾール(2E4MZ)、及び4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリフェニルホスフィン(TPP)、トリブチルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等の有機ホスフィン類等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、イミダゾール類、特に2−エチル−4−イミダゾールが、反応時間を短くすることができ、さらに、前記エポキシ化合物同士の重合(エポキシ化合物の自重合)を抑制できる点から、特に好ましく用いられる。また、前記触媒の含有量は、前記ポリフェニレンエーテルと前記エポキシ化合物との合計100質量部に対して、0.05〜1質量部であることが好ましい。前記触媒の含有量が少なすぎると、前記ポリフェニレンエーテルの水酸基と前記エポキシ化合物のエポキシ基との反応に非常に時間がかかる傾向がある。また、前記触媒の含有量が多すぎると、前記反応の制御が困難となり、ゲル化しやすくなる傾向がある。
また、本実施形態において用いられるエポキシ化合物は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物であれば、特に限定されない。すなわち、エポキシ化合物は、1分子当たりのエポキシ基の平均個数(平均エポキシ基数)が、2個以上であり、2〜7個であることが好ましく、2〜6個であることがより好ましい。平均エポキシ基数が上記範囲内であれば、得られた樹脂組成物の硬化物の耐熱性が優れる点から好ましい。なお、ここでの平均エポキシ基数は、使用するエポキシ化合物の製品の規格値からわかる。ここでの平均エポキシ基数としては、具体的には、例えば、エポキシ化合物1モル中に存在する全てのエポキシ化合物の1分子あたりのエポキシ基の平均値を表した数値等が挙げられる。
また、エポキシ化合物は、積層板や回路基板の製造に用いられ得る各種基板の原料として用いられるエポキシ化合物であれば、特に限定されない。エポキシ化合物は、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルアラルキル型エポキシ化合物、及びナフタレン環含有エポキシ化合物等が挙げられる。エポキシ化合物としては、前記各エポキシ化合物の重合体であるエポキシ樹脂も含まれる。
また、本実施形態において用いられるシアネートエステル化合物は、1分子当たりのシアネート基の平均個数(平均シアネート基数)が2個以上である化合物を用いることが好ましい。このようにシアネート基数が多いと、得られた樹脂組成物の硬化物の耐熱性が高まる点から好ましい。なお、ここでの前記シアネートエステル化合物の平均シアネート基数は、使用する前記シアネート樹脂の製品の規格値からわかる。前記シアネートエステル化合物のシアネート基数としては、具体的には、例えば、前記シアネート樹脂1モル中に存在する全ての前記シアネート樹脂の1分子あたりのシアネート基の平均値等が挙げられる。
前記シアネートエステル化合物は、積層板や回路基板の製造に用いられ得る各種基板の原料として用いられるシアネートエステル化合物であれば、特に限定されない。シアネートエステルは、具体的には、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン(ビスフェノールA型シアネート化合物)、ノボラック型シアネートエステル化合物、ビスフェノールM型シアネートエステル化合物、ビス(3,5−ジメチル−4−シアナートフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)エタン等が挙げられる。シアネートエステル化合物としては、前記各シアネートエステルの重合体であるシアネートエステル樹脂も含まれる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記ポリフェニレンエーテル化合物の含有量が、前記ポリフェニレンエーテル化合物と前記エポキシ化合物と前記シアネートエステル化合物との合計100質量部に対して、20〜50質量部であることが好ましく、25〜45質量部であることがより好ましい。また、前記エポキシ化合物の含有量が、前記合計100質量部に対して、20〜50質量部であることが好ましく、25〜50質量部であることがより好ましい。また、前記シアネートエステル化合物の含有量が、前記合計100質量部に対して、20〜50質量部であることが好ましく、20〜40質量部であることがより好ましい。前記ポリフェニレンエーテル化合物と前記エポキシ化合物と前記シアネートエステル化合物との各含有量が、上記含有量であれば、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物になる。このことは、前記ポリフェニレンエーテル化合物と前記エポキシ化合物と前記シアネートエステル化合物との硬化反応が好適に進行するためと考えられる。
また、本実施形態で用いられる難燃剤は、前記ポリフェニレンエーテル化合物、前記エポキシ化合物、及び前記シアネートエステル化合物の混合物に相溶する相溶性リン化合物と、前記混合物に相溶しない非相溶性リン化合物とを含有する。
前記相溶性リン化合物は、難燃剤として作用し、かつ、前記混合物に相溶するリン化合物であれば、特に限定されない。また、相溶とは、この場合、前記ポリフェニレンエーテル化合物、前記エポキシ化合物、及び前記シアネートエステル化合物の混合物中で、例えば分子レベルで微分散する状態になることをいう。前記相溶性リン化合物としては、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、亜リン酸エステル化合物、及びホスフィン化合物等が挙げられる。また、ホスファゼン化合物としては、例えば、環状又は鎖状のホスファゼン化合物が挙げられる。なお、環状ホスファゼン化合物は、シクロホスファゼンとも呼ばれ、リンと窒素とを構成元素とする二重結合を分子内に有する化合物であって、環状構造を有するものである。また、リン酸エステル化合物としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジ2,6−キシレニルホスフェート)、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(DOPO)、芳香族縮合リン酸エステル化合物等の縮合リン酸エステル化合物、及び環状リン酸エステル化合物等が挙げられる。また、亜リン酸エステル化合物としては、例えば、トリメチルホスファイト、及びトリエチルホスファイト等が挙げられる。また、ホスフィン化合物としては、例えば、トリス−(4−メトキシフェニル)ホスフィン、及びトリフェニルホスフィン等が挙げられる。また、前記相溶性リン化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記非相溶性リン化合物は、難燃剤として作用し、かつ、前記混合物に相溶しない非相溶のリン化合物であれば、特に限定されない。また、非相溶とは、この場合、前記ポリフェニレンエーテル化合物、前記エポキシ化合物、及び前記シアネートエステル化合物の混合物中で相溶せず、対象物(リン化合物)が混合物中に島状に分散する状態になることをいう。前記非相溶性リン化合物としては、ホスフィン酸塩化合物、ポリリン酸塩化合物、及びホスホニウム塩化合物等が挙げられる。また、ホスフィン酸塩化合物としては、例えば、ジアルキルホスフィン酸アルミニウム、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル等が挙げられる。また、ポリリン酸塩化合物としては、例えば、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メレム等が挙げられる。また、ホスホニウム塩化合物としては、例えば、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、及びテトラフェニルホスホニウムブロマイド等が挙げられる。また、前記非相溶性リン化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、難燃剤として、上述したように、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物とを併用することによって、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物とのいずれか一方のみを用いた場合より、得られた硬化物の難燃性を高めることができる。そして、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物との併用は、前記ポリフェニレンエーテル化合物と前記エポキシ化合物と前記シアネートエステル化合物との硬化反応の阻害を充分に抑制しつつ、得られた硬化物の難燃性を高めることができると考えられる。さらに、前記硬化反応の阻害を充分に抑制するので、硬化物の耐熱性の低下も充分に抑制できると考えられる。これらのことから、前記樹脂組成物は、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れたものになると考えられる。また、難燃剤として、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物とのいずれかを用いた場合、前記併用の場合と同程度の難燃性を確保しようとすると、前記相溶性リン化合物又は前記非相溶性リン化合物を多量に含有させる必要がある。すなわち、本実施形態における、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物との合計含有量より、前記相溶性リン化合物又は前記非相溶性リン化合物を多量に含有させる必要がある。このように、難燃剤として、前記併用をするのではなく、単に含有量を増やすだけでは、誘電特性や硬化物の耐熱性等が低下することが考えられる。このことから、難燃剤として、前記併用を採用すると、後述するような含有量で、誘電特性や硬化物の耐熱性等の低下を抑制しつつ、難燃性を高めることができる。以上のことから、上記樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れたものになると考えられる。
また、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物との含有比は、質量比で20:80〜80:20であることが好ましく、20:80〜50:50であることが好ましい。このような含有比であれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物になる。このことは、難燃剤として、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物とを併用する上記効果をより発揮することができるためと考えられる。
また、前記樹脂組成物は、リン原子の含有量が、有機成分(前記難燃剤を除く)と前記難燃剤との合計100質量部に対して、1.8〜5.2質量部であることが好ましく、1.8〜5質量部であることがより好ましく、1.8〜4.8質量部であることがさらに好ましい。また、前記難燃剤の含有量としては、前記樹脂組成物における、リン原子の含有量が上記範囲内になるような含有量であることが好ましい。このような含有量であれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物になる。このことは、難燃剤を含有することによる、誘電特性や硬化物の耐熱性等の低下を充分に抑制しつつ、難燃性を充分に高めることができることによると考えられる。なお、有機成分(前記難燃剤を除く)とは、前記ポリフェニレンエーテル化合物、前記エポキシ化合物、及び前記シアネートエステル化合物等の有機成分を含むものであり、その他の有機成分を追加的に添加する場合には、この追加的に添加した有機成分も含むものとする。
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、難燃剤として、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物とからなるものであってもよいし、この2種以外の難燃剤も含有してもよい。また、難燃剤として、前記相溶性リン化合物及び前記非相溶性リン化合物以外の難燃剤を含有してもよいが、ハロゲンフリーの観点から、ハロゲン系難燃剤は含有しないことが好ましい。
また、本実施形態に係る樹脂組成物は、前記ポリフェニレンエーテル化合物と前記エポキシ化合物と前記シアネートエステル化合物と前記難燃剤とからなるものであってもよいが、これらを含んでいれば、他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分として、例えば、充填材や添加剤等が挙げられる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、上述したように、充填材を含有してもよい。充填材としては、樹脂組成物の硬化物の、耐熱性や難燃性を高めるために添加するもの等が挙げられ、特に限定されない。また、充填材を含有させることによって、耐熱性や難燃性等をさらに高めることができる。充填材としては、具体的には、球状シリカ等のシリカ、アルミナ、酸化チタン、及びマイカ等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、タルク、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、及び炭酸カルシウム等が挙げられる。また、充填材としては、この中でも、シリカ、マイカ、及びタルクが好ましく、球状シリカがより好ましい。また、充填材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、充填材としては、そのまま用いてもよいが、エポキシシランタイプ、又はアミノシランタイプのシランカップリング剤で表面処理したものを用いてもよい。
また、充填材を含有する場合、その含有量は、有機成分(前記難燃剤を除く)と前記難燃剤との合計100質量部に対して、10〜200質量部であることが好ましく、30〜150質量部であることが好ましい。
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、上述したように、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤及びアクリル酸エステル系消泡剤等の消泡剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、染料や顔料、滑剤、湿潤分散剤等の分散剤等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、プリプレグを製造する際には、プリプレグを形成するための基材(繊維質基材)に含浸する目的でワニス状に調製して用いてもよい。すなわち、樹脂組成物は、通常、ワニス状に調製されたものとしてもよい。このようなワニス状の樹脂組成物は、例えば、以下のようにして調製される。
まず、ポリフェニレンエーテル化合物、エポキシ化合物、シアネートエステル化合物、及び相溶型の難燃剤等の、有機溶媒に溶解できる各成分を、有機溶媒に投入して溶解させる。この際、必要に応じて、加熱してもよい。その後、必要に応じて用いられる、有機溶媒に溶解しない成分、例えば、無機充填材、及び非相溶型の難燃剤等を添加して、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサー、ロールミル等を用いて、所定の分散状態になるまで分散させることにより、ワニス状の組成物が調製される。ここで用いられる有機溶媒としては、ポリフェニレンエーテル化合物、エポキシ化合物、シアネートエステル化合物、及び難燃剤等を溶解させ、硬化反応を阻害しないものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、トルエンやメチルエチルケトン(MEK)等が挙げられる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物を、繊維質基材に含浸させることによって、プリプレグとしてもよい。すなわち、本発明の実施形態に係るプリプレグは、前記樹脂組成物を繊維質基材に含浸させて得られたものである。このようなプリプレグを製造する方法としては、例えば、前記樹脂組成物、例えば、ワニス状に調製された樹脂組成物を繊維質基材に含浸させた後、乾燥する方法が挙げられる。
プリプレグを製造する際に用いられる繊維質基材としては、具体的には、例えば、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、パルプ紙、及びリンター紙等が挙げられる。なお、ガラスクロスを用いると、機械強度が優れた積層板が得られ、特に偏平処理加工したガラスクロスが好ましい。偏平処理加工としては、具体的には、例えば、ガラスクロスを適宜の圧力でプレスロールにて連続的に加圧してヤーンを偏平に圧縮することにより行うことができる。なお、繊維質基材の厚みとしては、例えば、0.02〜0.3mmのものを一般的に使用できる。
樹脂組成物の繊維質基材への含浸は、浸漬及び塗布等によって行われる。この含浸は、必要に応じて複数回繰り返すことも可能である。また、この際、組成や濃度の異なる複数の樹脂組成物を用いて含浸を繰り返し、最終的に希望とする組成及び含浸量に調整することも可能である。
樹脂組成物が含浸された繊維質基材は、所望の加熱条件、例えば、80〜180℃で1〜10分間加熱されることにより半硬化状態(Bステージ)のプリプレグが得られる。
このようにして得られたプリプレグを用いて金属張積層板を作製する方法としては、プリプレグを一枚または複数枚重ね、さらにその上下の両面又は片面に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧成形して積層一体化することによって、両面金属箔張り又は片面金属箔張りの積層体を作製することができるものである。すなわち、本発明の実施形態に係る金属張積層板は、上述のプリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られたものである。また、加熱加圧条件は、製造する積層板の厚みやプリプレグの樹脂組成物の種類等により適宜設定することができる。例えば、温度を170〜210℃、圧力を1.5〜4.0MPa、時間を60〜150分間とすることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れたものである。このため、この樹脂組成物を用いて得られたプリプレグは、誘電特性、耐熱性及び難燃性に優れた金属張積層板を製造することができるプリプレグである。また、このプリプレグを用いた金属張積層板は、誘電特性、耐熱性及び難燃性に優れたプリント配線板を製造することができる。
そして、作製された金属張積層体の表面の金属箔をエッチング加工等して回路形成をすることによって、金属張積層体の表面に回路として導体パターンを設けたプリント配線板を得ることができるものである。すなわち、本発明の実施形態に係るプリント配線板は、前記金属張積層板の表面の金属箔を部分的に除去することにより回路形成して得られたものである。このように得られるプリント配線板は、誘電特性、耐熱性及び難燃性が優れたものである。
本明細書は、上述したように、様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、重量平均分子量が500〜5000のポリフェニレンエーテル化合物と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、シアネートエステル化合物と、難燃剤とを含有する。そして、前記難燃剤が、前記ポリフェニレンエーテル化合物、前記エポキシ化合物、及び前記シアネートエステル化合物の混合物に相溶する相溶性リン化合物と、前記混合物に相溶しない非相溶性リン化合物とを含有する。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れた樹脂組成物を提供することができる。このことは、難燃剤として、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物とを併用することによって、得られた硬化物の難燃性を、より高めることができることを、本発明者等が見出したことでなされたものである。すなわち、難燃剤として、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物とを併用することによって、相溶性リン化合物及び非相溶性リン化合物のいずれかを用いた場合より、得られた硬化物の難燃性を高めることができることによる。そして、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物との併用は、ポリフェニレンエーテル化合物とエポキシ化合物とシアネートエステル化合物との硬化反応の阻害を充分に抑制しつつ、得られた硬化物の難燃性を高めることができると考えられる。そして、前記硬化反応の阻害を充分に抑制するので、硬化物の耐熱性の低下も充分に抑制できると考えられる。これらのことから、上記樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れたものになると考えられる。
以上のことから、上記のような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れた樹脂組成物が得られる。
また、前記樹脂組成物において、前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物との含有比が、質量比で20:80〜80:20であることが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。このことは、難燃剤として、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物とを併用する上記効果をより発揮することができるためと考えられる。
また、前記樹脂組成物において、リン原子の含有量が、有機成分(前記難燃剤を除く)と前記難燃剤との合計100質量部に対して、1.8〜5.2質量部であることが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。このことは、難燃剤を含有することによる、誘電特性や硬化物の耐熱性等の低下を充分に抑制しつつ、難燃性を充分に高めることができることによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、前記相溶性リン化合物が、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、亜リン酸エステル化合物、及びホスフィン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、前記非相溶性リン化合物が、ホスフィン酸塩化合物、ポリリン酸塩化合物、及びホスホニウム塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリフェニレンエーテル化合物は、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1〜5個有することが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。
また、前記樹脂組成物において、前記エポキシ化合物が、ビスフェノール型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルアラルキル型エポキシ化合物、及びナフタレン環含有エポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリフェニレンエーテル化合物が、ポリフェニレンエーテルの水酸基の少なくとも一部を、前記エポキシ化合物のエポキシ基で予め反応させた反応生成物を含むことが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。
また、前記樹脂組成物において、硬化触媒として、金属石鹸を含有することが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリフェニレンエーテル化合物の含有量が、前記ポリフェニレンエーテル化合物と前記エポキシ化合物と前記シアネートエステル化合物との合計100質量部に対して、20〜50質量部であることが好ましい。また、前記エポキシ化合物の含有量が、前記合計100質量部に対して、20〜50質量部であることが好ましい。また、前記シアネートエステル化合物の含有量が、前記合計100質量部に対して、20〜50質量部であることが好ましい。
このような構成によれば、ポリフェニレンエーテルの有する優れた誘電特性を維持したまま、硬化物の耐熱性及び難燃性により優れた樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記樹脂組成物を繊維質基材に含浸させて得られることを特徴とする。
このような構成によれば、誘電特性、耐熱性、及び難燃性に優れた金属張積層板を製造することができるプリプレグが得られる。
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られることを特徴とする。
このような構成によれば、誘電特性、耐熱性、及び難燃性に優れたプリント配線板を製造することができる金属張積層板が得られる。
また、本発明の他の一態様に係るプリント配線板は、前記金属張積層板の表面の金属箔を部分的に除去することにより回路形成して得られることを特徴とする。
このような構成によれば、誘電特性、耐熱性、及び難燃性に優れたプリント配線板が得られる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[実施例1〜21、及び比較例1〜5]
本実施例において、樹脂組成物を調製する際に用いる各成分について説明する。
(ポリフェニレンエーテル化合物:PPE)
PPE−1:ポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製のSA90、固有粘度(IV)0.083dl/g、末端水酸基数2個、重量平均分子量Mw1700)
PPE−2:ポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製のSA120、固有粘度(IV)0.125dl/g、末端水酸基数1個、重量平均分子量Mw2600)
PPE−3:
PPE−3は、ポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製のnoryl640−111、固有粘度(IV)0.45dl/g、末端水酸基数1個、重量平均分子量Mw47000)を分配再配列したものである。具体的には、以下のように分配再配列した。
前記ポリフェニレンエーテル(noryl640−111)200g、フェノール種としてビスフェノールA 65g、開始剤として過酸化ベンゾイル(日油株式会社製のナイパーBW)65gをそれぞれ配合し、これに溶剤であるトルエン400gを加えて90℃で1時間混合した。そうすることによって、分配再配列されたポリフェニレンエーテル(末端水酸基数5個、重量平均分子量Mw2000)が得られた。
PPE−4:ポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製のnoryl640−111、固有粘度(IV)0.45dl/g、末端水酸基数1個、重量平均分子量Mw47000)
(エポキシ化合物)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロン850S、平均エポキシ基数2個)
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンN680、平均エポキシ基数6個)
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンHP7200、平均エポキシ基数2.3個)
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンN865、平均エポキシ基数5.6個)
ナフタレン環含有エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンHP4700、平均エポキシ基数4個)
(シアネートエステル化合物)
ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン株式会社製のBadcy)
ノボラック型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン株式会社製のPT−30)
ビスフェノールM型シアネートエステル樹脂(ハンツマン・ジャパン株式会社製のXU−366)
(相溶性リン化合物)
リン酸エステル化合物:芳香族縮合リン酸エステル化合物(大八化学工業株式会社製のPX−200:リン濃度9質量%)
ホスファゼン化合物:環状ホスファゼン化合物(大塚化学株式会社製のSPB−100:リン濃度13質量%)
(非相溶性リン化合物)
ホスフィン酸塩化合物:トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム(クラリアントジャパン株式会社製のエクソリットOP−935:リン濃度23質量%)
ポリリン酸塩化合物:ポリリン酸メラミン(BASF社製のMelapur200:リン濃度13質量%)
(金属石鹸)
オクタン酸亜鉛(DIC株式会社製)
[調製方法]
まず、各成分を表1〜3に記載の配合割合で、固形分濃度が60質量%となるように、トルエンに添加し、混合させた。その混合物を、60分間攪拌することによって、ワニス状の樹脂組成物(ワニス)が得られた。
次に、得られたワニスをガラスクロス(日東紡績株式会社製の♯7628タイプ、Eガラス)に含浸させた後、100〜170℃で約3〜6分間加熱乾燥することによりプリプレグを得た。その際、ポリフェニレンエーテル化合物、エポキシ化合物、及びシアネートエステル化合物等の、硬化反応により樹脂を構成する成分の含有量(レジンコンテント)が約40質量%となるように調整した。
そして、得られた各プリプレグを4枚重ねて積層し、温度200℃、2時間、圧力3MPaの条件で加熱加圧することにより、所定の厚みの評価基板を得た。具体的には、例えば、得られた各プリプレグを4枚重ねて積層することによって、厚み約0.8mmの評価基板を得た。
上記のように調製された各プリプレグ及び評価基板を、以下に示す方法により評価を行った。
[誘電特性(誘電率及び誘電正接)]
1GHzにおける評価基板の誘電率及び誘電正接を、IPC−TM650−2.5.5.9に準拠の方法で測定した。具体的には、インピーダンスアナライザ(アジレント・テクノロジー株式会社製のRFインピーダンスアナライザ HP4291B)を用い、1GHzにおける評価基板の誘電率及び誘電正接を測定した。
[難燃性]
評価基板から、長さ125mm、幅12.5mmのテストピースを切り出した。そして、このテストピースについてUnderwriters Laboratoriesの”Test for Flammability of Plastic Materials−UL 94” に準じて、燃焼試験を10回行った。具体的には、5個のテストピールをそれぞれ2回ずつ燃焼試験を行った。その燃焼試験の際の燃焼持続時間の合計時間により、燃焼性を評価した。
[ガラス転移温度(Tg)]
セイコーインスツルメンツ株式会社製の粘弾性スペクトロメータ「DMS100」を用いて、プリプレグのTgを測定した。このとき、曲げモジュールで周波数を10Hzとして動的粘弾性測定(DMA)を行い、昇温速度5℃/分の条件で室温から280℃まで昇温した際のtanδが極大を示す温度をTgとした。
[吸湿半田耐熱性]
吸湿半田耐熱性は、JIS C 6481に準拠の方法で測定した。具体的には、評価基板を、121℃、2気圧(0.2MPa)、2時間のプレッシャークッカーテスト(PCT)を行い、各サンプルで行い、サンプル数5個で、260℃の半田槽中に20秒間浸漬し、ミーズリングや膨れ等の発生の有無を目視で観察した。ミーズリングや膨れ等の発生が確認できなければ、「○」と評価し、発生が確認できれば、「×」と評価した。また、別途、260℃の半田槽の代わりに、288℃の半田槽を用いて、同様の評価を行った。
上記各評価における結果は、表1〜3に示す。
Figure 2015086329
Figure 2015086329
Figure 2015086329
表1〜3からわかるように、ポリフェニレンエーテル化合物、エポキシ化合物、及びシアネートエステル化合物を含み、難燃剤として、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物とを併用する樹脂組成物を用いた場合(実施例1〜21)は、難燃剤として、相溶性リン化合物及び非相溶性リン化合物のいずれか一方のみを含有する樹脂組成物を用いた場合(比較例1,2)より、難燃性に優れた積層板を製造することができた。
また、難燃剤として、相溶性リン化合物及び非相溶性リン化合物のいずれか一方のみを含有した場合において、難燃性を高めるために、難燃剤の含有量を増やすと(比較例3,4)、硬化物の耐熱性が低下した。
また、ポリフェニレンエーテル化合物として、重量平均分子量が500〜5000であるポリフェニレンエーテル化合物を用いた場合(実施例1〜21)は、重量平均分子量が5000を超えるポリフェニレンエーテル化合物を用いた場合(比較例5)より、耐熱性及び難燃性に優れた積層板を製造することができた。このことから、難燃剤として、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物とを併用しても、ポリフェニレンエーテル化合物として、重量平均分子量が500〜5000であるポリフェニレンエーテル化合物を用いなければ、耐熱性及び難燃性に充分に優れた積層板が製造できないことがわかった。
これらのことから、ポリフェニレンエーテル化合物、エポキシ化合物、及びシアネートエステル化合物を含む樹脂組成物において、難燃剤として、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物とを併用することによって、誘電特性に優れ、かつ、硬化物の耐熱性及び難燃性に優れた組成物が得られることがわかる。
[実施例22,23]
次に、ポリフェニレンエーテル化合物とエポキシ化合物とを予め反応(プレリアクト)させた場合について説明する。すなわち、ポリフェニレンエーテル化合物として、ポリフェニレンエーテルの水酸基の少なくとも一部を、前記エポキシ化合物のエポキシ基で予め反応させた反応生成物を含む樹脂組成物に係る実施例を説明する。
[反応生成物の調製]
PPE−1と、上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、下記触媒とを、表4に記載の配合割合となるように、各成分をトルエンに添加した後、100℃で6時間攪拌させた。そうすることによって、PPE−1とビスフェノールA型エポキシ樹脂とが予め反応(プレリアクト)した反応生成物が得られる。
(プレリアクト時の触媒)
2E4MZ:2−エチル−4−イミダゾール(四国化成工業株式会社製)
[プレリアクトの結果(反応量)]
エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)を反応させる前のポリフェニレンエーテル(PPE−1)の有する全水酸基数を1としたときの、プレリアクトによる反応量を測定した。すなわち、エポキシ樹脂を反応させる前のポリフェニレンエーテルの有する全水酸基数を1としたときの、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応して減少した水酸基数を測定した。具体的には、エポキシ樹脂を反応させる前のポリフェニレンエーテルの溶液、及びエポキシ樹脂を反応させた後のポリフェニレンエーテルの溶液を、紫外線吸光光度計(株式会社島津製作所製のUVmini−1240)を用いて、測定波長318nmでそれぞれ測定した。エポキシ樹脂を反応させる前のポリフェニレンエーテルの溶液の吸光度を1としたときの、エポキシ樹脂を反応させた後の低分子量ポリフェニレンエーテルの溶液の吸光度の比を測定した。この比から、エポキシ樹脂を反応させる前のポリフェニレンエーテルの有する全水酸基数を1としたときの、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応して減少した水酸基数を算出した。
その結果、実施例22では、反応量が略1であった。すなわち、PPE−1の有する水酸基の略全てが、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応した反応生成物が得られた。また、実施例23では、反応量が略1/2であった。すなわち、PPE−1の有する水酸基の略1/2が、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応した反応生成物が得られた。
[樹脂組成物の調製]
実施例1〜21におけるポリフェニレンエーテル及びエポキシ化合物の代わりに、上記反応生成物を用い、表4に示す配合割合にしたこと以外、実施例1〜21と同様にして、樹脂組成物を得た。
また、その評価は、実施例1〜21と同様に行い、その結果は、表4に示す。
Figure 2015086329
表4からわかるように、ポリフェニレンエーテル化合物、エポキシ化合物、及びシアネートエステル化合物を含み、難燃剤として、相溶性リン化合物と非相溶性リン化合物とを併用していれば、ポリフェニレンエーテル化合物とエポキシ化合物とを予め反応させたとしても、誘電特性、耐熱性及び難燃性に優れた積層板が得られた。

Claims (12)

  1. 重量平均分子量が500〜5000のポリフェニレンエーテル化合物と、
    1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、
    シアネートエステル化合物と、
    難燃剤とを含有し、
    前記難燃剤が、前記ポリフェニレンエーテル化合物、前記エポキシ化合物、及び前記シアネートエステル化合物の混合物に相溶する相溶性リン化合物と、前記混合物に相溶しない非相溶性リン化合物とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記相溶性リン化合物と前記非相溶性リン化合物との含有比が、質量比で20:80〜80:20である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. リン原子の含有量が、有機成分(前記難燃剤を除く)と前記難燃剤との合計100質量部に対して、1.8〜5.2質量部である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記相溶性リン化合物が、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、亜リン酸エステル化合物、及びホスフィン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記非相溶性リン化合物が、ホスフィン酸塩化合物、ポリリン酸塩化合物、及びホスホニウム塩化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記ポリフェニレンエーテル化合物は、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1〜5個有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ化合物が、ビスフェノール型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルアラルキル型エポキシ化合物、及びナフタレン環含有エポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記ポリフェニレンエーテル化合物が、ポリフェニレンエーテルの水酸基の少なくとも一部を、前記エポキシ化合物のエポキシ基で予め反応させた反応生成物を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 硬化触媒として、金属石鹸を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記ポリフェニレンエーテル化合物、前記エポキシ化合物、及び前記シアネートエステル化合物の各含有量が、前記ポリフェニレンエーテル化合物と前記エポキシ化合物と前記シアネートエステル化合物との合計100質量部に対して、それぞれ、20〜50質量部、20〜50質量部、20〜50質量部である請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物を繊維質基材に含浸させて得られることを特徴とするプリプレグ。
  11. 請求項10に記載のプリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られることを特徴とする金属張積層板。
  12. 請求項11に記載の金属張積層板の表面の金属箔を部分的に除去することにより回路形成して得られることを特徴とするプリント配線板。
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