JP2015085447A - ロボット、ロボットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基体と、多関節アームとを有し、多関節アームの第3屈伸回転軸95に連結される手首部材80と、手首部材80に回動可能に連結されエンドエフェクターが装着されるハンド81と、を備え、手首部材80は、ローター178とローターシャフト180とステーター182とを含むモーターと、そのモーターを位置決めして収容するモーター収容凹部170を有するとともに、モーターが位置決め状態で保持されたモーター収容凹部170の側壁には、ハウジング172の外側に向けて凹んだ放熱用溝部177が形成されている。そして、その放熱用溝部とモーターのステーター182との間には熱伝導性が比較的高い放熱部材99が充填されて固化されていることを特徴とするロボット。
【選択図】図5
Description
また、近年では、多関節アームの動作を人の腕の動きにさらに近づけるべく、捻り動作を行うための関節が上腕部に追加され、捻り動作を行うアームと屈伸動作を行うアームとが交互に連結された7軸構成の多関節アームも開発されている。
また、手首部材に備わる位置(回転)検出器(エンコーダー)などのモーター以外の駆動要素もハウジング内に配置する構成とした場合に、モーターの熱が位置検出器の誤動作を招き、ロボットの駆動に悪影響を及ぼす虞があるという課題があった。
しかも、本適用例において、モーターの駆動により発生する熱を放熱部材により放熱することができるので、手首部材に直接熱が伝わる場合よりも手首部材の発熱が抑制され、ハウジング内に配置された手首部材の駆動要素に対する熱による機械的な不具合を軽減することができる。例えば、手首部材に備わる位置(回転)検出器(エンコーダー)などのモーター以外の駆動要素もハウジング内に配置する構成とした場合に、モーターの熱による位置検出器などの駆動要素の誤動作によって起こり得るロボットの駆動の不具合を抑制することができる。
したがって、多様で細かい作業を高精度にて実行することが可能な小型・軽量のロボットを提供することができる。
したがって、多様で細かい作業を高精度にて実行することが可能な小型・軽量のロボットを提供することができる。
まず、本実施形態1に係るロボットの概略構成について説明する。図1は、実施形態1に係るロボットの概略構成を模式的に示す斜視図である。なお、実施形態における「回転」とは、正転及び逆転を意味する。
基底部70は、ロボット10の台座であり、工場内の作業スペースの床や、作業台などの平面に複数本のボルト(ネジ)によって強固に固定される。なお、固定場所は、水平面(X軸及びY軸を含む面)に限定するものではなく、ロボット10の重量、及び振動に耐え得る強度があれば、移動可能な台車上や、壁面、天井、あるいは後述するようなロボットユニットに設けられたアーム連結部などであっても良い。
なお、制御部72は、ロボット本体とは別体に設けられていても良い。
まず、ロボット10のジョイント73から手首部材80までの多関節アーム構造(腕から手まで)は、本体部71をZ軸方向に貫く第1回転軸91を中心にして水平方向に旋回する。即ち、ジョイント73は、本体部71に対して第1回転軸回りに捻る方向に回動する捻り動作を行う。
また、エンドエフェクターが装着されるハンド81が、多関節アーム構造における一端(末端)であり、本体部71(基底部70側)に取り付けられたジョイント73がロボットアーム構造における他端(根元)に相当する。なお、以降の説明において、ロボットアーム構造におけるハンド81に近い側を「末端側」、基底部70に近い側を「根元側」という表現も用いる。
また、本体部71には、ロボットアーム構造を回転駆動するためのモーター、および複数のギヤを含む減速機構などが組み込まれている。また、以降説明する各回転軸の近傍にも、該当するリンクやエンドエフェクターを駆動するためのモーター、および減速機構などが組み込まれている。
なお、本実施形態1の多関節アームにおいて、第1屈伸回転軸92と略平行な屈伸回転軸は、本体側から順に第1〜第n屈伸回転軸と、追番にて名称を付す。ここで、「略平行」とは、完全に平行である構成に加えて、10°以内の範囲で交差している構成を含むものと定義する。
また、回転軸の延在方向は、ロボットが動作すると変化する(例えば、第1回転軸91を中心に旋回した(捻れた)場合)ため、図1に示す、初期状態に設置された状態を前提として説明する。
リンク76の末端側にはジョイント77が組み合わされており、さらにこのジョイント77の末端側にはリンク78が組み付けられている。リンク78は、ジョイント77の末端側に延在するように配置されている。リンク78が組み付けられたジョイント77は、リンク76の末端側をX軸方向に貫く第2屈伸回転軸93を中心にして駆動される。
また、ジョイント79の末端側には、手首部材80が組み合わされており、この手首部材80は、ジョイント79の末端側をX軸方向に貫く第3屈伸回転軸95を中心にして駆動される。
手首部材80の末端側には、この手首部材80に延在するようにハンド81が配置されている。ハンド81は、手首部材80の末端側を手首部材80からハンド81の延在方向に沿うY軸方向、即ち、円柱状をなしたハンド81の略中心を貫く捻れ回転軸96を中心にしてハンド81が手首部材80に対して捻れ方向に回動するように駆動される。
まず、多関節アームの最末端の屈伸回転軸である第3屈伸回転軸95とは異なる回転軸(関節)の関節駆動機構について図面を参照して説明する。図2は、関節駆動機構としてのアクチュエーター2の正面構造を模式的に示す一部断面図である。なお、図2では、多関節アームの各関節部において根元側のアーム部材(リンクまたはジョイント)を基点リンク110と呼び、その基点リンク110に対して回動させる末端側のアーム部材を回動リンク112として説明する。
図2において、アクチュエーター2は、モーター22、減速機24、減速機出力軸カラー26、減速機出力軸30、及び少なくとも一部としてモーター22のモーターフレーム32を有する動力伝達軸34で構成されている。
この他に、アクチュエーター2には、回転数検出部(位置検出器)44及びメカニカルブレーキ46が設けられるが、設ける位置は図示された位置以外でもよい。
図3は、ロボット10のジョイント79に対して手首部材80を屈伸させる駆動伝達部50の構造を模式的に示す斜視図であって、当該駆動伝達部50以外の部材を一部省略するとともに、ジョイント79内部の駆動伝達部50の構造を説明する便宜上、一部を透視して示す図である。
そして、駆動プーリー85と従動プーリー86とは無縁の動力伝達索条としてのタイミングベルト87を介して連結されている。また、駆動プーリー85と従動プーリー86との間には、タイミングベルト87のテンションを調整するためにタイミングベルト87の動きに従って回動可能に接触させたプーリーを有するアイドラー88が配置されている。
以上、説明した構成のロボット10は産業用ロボットには限定されず、医療用ロボットや家庭用ロボットであっても良い。
ローターシャフト180の回転力は減速機164に伝達され、減速機164はこの回転力のトルクを増大させたトルク出力を出力する。
図5において、ローターシャフト180、ローター178、およびステーター182を備えたモーターが位置決め状態で保持されたモーター収容凹部170の側壁には、ハウジング172の外側に向けて凹んだ放熱用溝部177が形成されている。そして、その放熱用溝部とモーターのステーター182との間には熱伝導性が比較的高い放熱部材99が充填されて固化されている。
しかも、ハウジング172のモーター収容凹部170のモーター(ステーター182)周辺の側壁には放熱用溝部177が設けられ、その放熱用溝部177とモーターとの隙間に銀ペーストなどの放熱部材99が充填されて固化されているので、モーターの駆動により発生する熱を放熱部材99により放熱することができる。
したがって、手首部材80の発熱が抑制され、ハウジング172内に配置された手首部材80の駆動要素に対する熱による機械的な不具合を軽減することができるので、多様で細かい作業を高精度にて実行することが可能な小型・軽量のロボット10を提供することができる。
ここで、複数の放熱用溝部177を形成するとき、放熱用溝部177の形状をすべて同じに揃える必要はない。例えば図6に示すように、モーター収容凹部170の凹底部170A側に向かって深い放熱用溝部177や浅い放熱用溝部177´を形成してもよい。また、放熱用溝部177,177´のステーター182側(図4、図5を参照)からハウジング172の外側に向けての深さも変化させてよい。いずれにしても、手首部材80に接続されるハンド81に装着されたエンドエフェクターに所定の作業を実行させるべく移動させたときに、手首部材に加わるモーメントの力に対して耐えうる剛性を損なわない範囲で放熱用溝部177,177´やその他の切欠き等の形状や大きさを決定する。例えば、複数の放熱用溝部177,177´の大きさ(容積)の合計が、モーター収容凹部170の容積の50%〜70%を目安に形成することにより、放熱性や剛性、あるいは、後述するモーターの圧入の作業性などを確保することが可能となる。
しかも、本適用例において、モーターの駆動により発生する熱を、モーターの周辺に形成した放熱用溝部177,177´およびそこに充填した放熱部材99により放熱することができるので、手首部材80に直接熱が伝わる場合よりも手首部材80の発熱が抑制され、ハウジング172内に配置された手首部材80の駆動要素に対する熱による機械的な不具合を軽減することができる。
次に、ロボットの実施形態2について、図面を参照して説明する。
図8は、実施形態2に係るロボットを模式的に示す説明図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
図8において、本実施形態2のロボット200は、胴体部213に、実施形態1のロボット10と同じ構成の2つの第1ロボットアーム10Aおよび第2ロボットアーム10Bが設置されてなる双腕ロボットである。
同様に、第2アーム連結部215Bの胴体部213側とは反対側の第2ロボットアーム10B設置面側は、第2アーム連結部215Bの突設方向に貫く第0回転軸J0BL回りに回動可能な第2アーム固定部J0Bを有している。そして、第2アーム固定部J0Bには、上記実施形態1のロボット10と同一構成の第2ロボットアーム10Bの本体部71が固定されている。
例えば、金属ペーストのような流動体では、シリコンオイルベースでカーボンやアルミなどを分散させた熱伝導性フリースなどを用いることができる。
また、固体であれば、グラファイトシートや、熱硬化型のシリコーンゴム、あるいは、例えばインジウムなどの比較的柔軟な金属を用いることもできる。
Claims (5)
- 基体と、前記基体に設けられた多関節アームと、前記多関節アームに連結される手首部材と、前記手首部材に回動可能に連結されエンドエフェクターが装着されるハンドと、を備え、
前記手首部材は、ローターとローターシャフトとステーターとを含むモーターと、
前記モーターを位置決めして収容するモーター収容凹部を有するとともに、前記手首部材の外形を形成するハウジングと、を備えたロボットの製造方法であって、
前記ステーターの位置決め部を含むモーター組込み凹部と、前記モーター組込み凹部に組み込まれた前記ステーターを固定するねじのねじ穴と、前記モーター組込み凹部の側壁から前記ハウジングの外側に向けて凹んだ放熱用溝部と、を形成するハウジング加工工程と、
前記モーター組込み凹部の前記位置決め部に前記ステーターを位置決めしてから、前記ねじにより前記ステーターを固定するステーター組込み工程と、
常態で流動性を有し熱伝導性が高い放熱部材を前記ステーターと前記放熱用溝部との隙間に注入する放熱部材注入工程と、
前記放熱部材を固化させる放熱部材固化工程と、を含むことを特徴とするロボットの製造方法。 - 請求項1に記載のロボットの製造方法において、
前記放熱部材として金属ペーストを用いることを特徴とするロボットの製造方法。 - 基体と、前記基体に設けられた多関節アームと、
多関節アームの一部を構成する手首部材と、を備えたロボットであって、
前記手首部材は、ローターとローターシャフトとステーターとを含むモーターと、
前記モーターを位置決めして収容するモーター収容凹部を有するとともに、前記手首部材の外形を形成するハウジングと、を備え、
前記ハウジングは、前記ステーターの位置決め部を含むモーター組込み凹部と、前記モーター組込み凹部に組み込まれた前記ステーターを固定するための穴部と、前記モーター組込み凹部の側壁に放熱用溝部と、が形成され、前記放熱用溝部には放熱材が充填されていることを特徴とするロボット。 - 請求項3に記載のロボットにおいて、
前記放熱部材は、金属ペーストを充填して固化させたものであることを特徴とするロボット。 - 請求項3または4に記載のロボットにおいて、
前記基体に複数の前記多関節アームを設けたことを特徴とするロボット。
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