JP2015084373A - 相分離構造を含む構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターン寸法の面内均一性を改善し、ホール寸法の均一性の高い相分離構造を含む構造体の製造方法の提供。【解決手段】支持体上にブロックコポリマー溶液を塗布して膜厚100nm未満のブロックコポリマーを含む層を形成する工程と、該ブロックコポリマーを含む層を相分離させる工程と、を有する相分離構造を含む構造体の製造方法。該ブロックコポリマー溶液に用いられる溶剤が、該ブロックコポリマーのいずれかのブロックのホモポリマーAに対して貧溶媒である溶媒を含む相分離構造を含む構造体の製造方法。ブロックコポリマーを構成するブロックとしては、例えば、芳香族基を有する構成単位、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位、シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位、アルキレンオキシドから誘導される構成単位、かご型シルセスキオキサン構造含有構成単位等のブロックが挙げられる。【選択図】図1

Description

本発明は、相分離構造を含む構造体の製造方法に関する。
近年、大規模集積回路(LSI)のさらなる微細化に伴い、より繊細な構造体を加工する技術が求められている。このような要望に対して、互いに非相溶性のブロック同士を結合させたブロックコポリマーの自己組織化により形成される相分離構造を利用して、より微細なパターンを形成する試みが始まっている。(例えば、特許文献1参照。)。
ブロックコポリマーの相分離構造を利用するためには、ミクロ相分離により形成される自己組織化ナノ構造を、特定の領域のみに形成し、かつ、所望の方向へ配列させることが必須となる。これらの位置制御及び配向制御を実現するために、ガイドパターンによって、相分離パターンを制御するグラフォエピタキシーや、基板の化学状態の違いによって相分離パターンを制御するケミカルエピタキシー等のプロセスが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
ケミカルエピタキシープロセスでは、ブロックコポリマーを構成するいずれかのブロックと親和性を有する、表面処理剤を含む中性化膜、を基板表面に所定のパターンで配置する。この基板表面に配置された中性化膜のパターン(ガイドパターン)により、相分離構造の各相の配向が制御される。このため、所望の相分離構造を形成させるためには、中性化膜を、ブロックコポリマーの周期に合わせて配置することが重要となる。
ブロックコポリマーとしては、スチレンの繰返し単位からなるブロックと、メタクリル酸メチルの繰返し単位からなるブロック、とのブロックコポリマー(PS−b−PMMA)が広く検討されている。
ブロックコポリマーの自己組織化により形成される相分離構造を利用して、より微細なパターンを形成するにあたり、形成されたパターンのパターン寸法の面内均一性(以下、「CDU」と記載することがある。)を評価する評価方法が用いられる。
CDUは、ホール寸法の均一性を評価するにあたり重要な評価方法であるが、このCDUを改善することは困難であった。
特開2008−36491号公報
プロシーディングスオブエスピーアイイ−(Proceedings of SPIE),第7637巻,第76370G−1(2010年).
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、CDUを改善し、ホール寸法の均一性が高い相分離構造を含む構造体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、支持体上にブロックコポリマー溶液を塗布して膜厚100nm未満のブロックコポリマーを含む層を形成する工程と、当該ブロックコポリマーを含む層を相分離させる工程と、を有することを特徴とする相分離構造を含む構造体の製造方法であって、前記ブロックコポリマー溶液に用いられる溶剤が、当該ブロックコポリマーのいずれかのブロックのホモポリマーAに対して貧溶媒である溶媒を含むことを特徴とする、相分離構造を含む構造体の製造方法である。
本発明において、前記溶剤中の前記貧溶媒の割合は、50質量%以下であることが好ましい。
本発明において、前記ブロックコポリマー中の、前記ホモポリマーAを構成する構成単位の割合は、50モル%以上であることが好ましく、50〜80モル%である場合さらに好ましい。
本発明において、支持体上に、中性化膜からなる層を形成する工程を有することが好ましい。
本発明によれば、CDUを改善し、ホール寸法の均一性が高い相分離構造を含む構造体の製造方法を提供することができる。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」又は「フッ素化アルキレン基」は、アルキル基又はアルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基をいう。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、アクリル酸(CH=CH−COOH)のカルボキシ基末端の水素原子が有機基で置換された化合物である。
アクリル酸エステルは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該α位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基は、水素原子以外の原子又は基であり、たとえば炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸エステルをα置換アクリル酸エステルということがある。また、アクリル酸エステルとα置換アクリル酸エステルとを包括して「(α置換)アクリル酸エステル」ということがある。
「ヒドロキシスチレン若しくはヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレン若しくはヒドロキシスチレン誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「ヒドロキシスチレン誘導体」とは、ヒドロキシスチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子を有機基で置換したもの、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンのベンゼン環に、水酸基以外の置換基が結合したもの、等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
ヒドロキシスチレンのα位の水素原子を置換する置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
「ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体から誘導される構成単位」とは、ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「ビニル安息香酸誘導体」とは、ビニル安息香酸のα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のカルボキシ基の水素原子を有機基で置換したもの、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のベンゼン環に、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基が結合したもの、等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
「スチレン」とは、スチレンおよびスチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたものも含む概念とする。
「スチレンから誘導される構成単位」、「スチレン誘導体から誘導される構成単位」とは、スチレン又はスチレン誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
上記α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基)等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
また、α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、水酸基で置換した基が挙げられる。該ヒドロキシアルキル基における水酸基の数は、1〜5が好ましく、1が最も好ましい。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明において、比較例におけるCDU−CD相関関係の一例を説明する図。 本発明において、実施例におけるCDU−CD相関関係の一例を説明する図。
≪相分離構造を含む構造体の製造方法≫
本発明は、支持体上にブロックコポリマー溶液を塗布して膜厚100nm未満のブロックコポリマーを含む層を形成する工程と、当該ブロックコポリマーを含む層を相分離させる工程と、を有することを特徴とする相分離構造を含む構造体の製造方法であって、前記ブロックコポリマー溶液に用いられる溶剤が、当該ブロックコポリマーのいずれかのブロックのホモポリマーAに対して貧溶媒である溶媒を含むことを特徴とする、相分離構造を含む構造体の製造方法である。
[支持体上にブロックコポリマー溶液を塗布して膜厚100nm未満のブロックコポリマーを含む層を形成する工程]
本発明の相分離構造を含む構造体の製造方法においては、支持体上に、ブロックコポリマー溶液を塗布して膜厚100nm未満のブロックコポリマーを含む層を形成する。
<支持体>
支持体は、その表面上にブロックコポリマーを含む溶液を塗布し得るものであれば、その種類は特に限定されない。例えば、シリコン、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属、ガラス、酸化チタン、シリカ、マイカなどの無機物からなる基板、アクリル板、ポリスチレン、セルロース、セルロースアセテート、フェノール樹脂などの有機化合物からなる基板などが挙げられる。
また、本発明において用いられる支持体の大きさや形状は、特に限定されるものではない。支持体は必ずしも平滑な表面を有する必要はなく、様々な材質や形状の基板を適宜選択することができる。例えば、曲面を有する基板、表面が凹凸形状の平板、薄片状などの様々な形状のものまで多様に用いることができる。
また、支持体の表面には、無機系および/または有機系の膜が設けられていてもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。
無機系の膜は、たとえばシリコン系材料などの無機系の反射防止膜組成物を基板上に塗工し、焼成等することにより形成できる。
有機系の膜は、たとえば、当該膜を構成する樹脂成分等を有機溶剤に溶解した有機膜形成用材料を、基板上にスピンナー等で塗布し、好ましくは200〜300℃、好ましくは30〜300秒間、より好ましくは60〜180秒間の加熱条件でベーク処理することにより形成できる。このとき用いられる有機膜形成用材料は、レジスト膜のような、光や電子線に対する感受性を必ずしも必要とするものではなく、該感受性を有するものであってもよく、有しないものであってもよい。具体的には、半導体素子や液晶表示素子の製造において一般的に用いられているレジストや樹脂を用いることができる。
また、ブロックコポリマーからなるパターンを用いて有機膜をエッチングすることにより、該パターンを有機膜へ転写し、有機膜パターンを形成できるように、有機膜形成用材料は、エッチング、特にドライエッチング可能な有機膜を形成できる材料であることが好ましい。中でも、酸素プラズマエッチング等のエッチングが可能な有機膜を形成できる材料であることが好ましい。このような有機膜形成用材料としては、従来、有機BARCなどの有機膜を形成するために用いられている材料であってよい。例えば、ブリューワサイエンス社製のARCシリーズ、ロームアンドハース社製のARシリーズ、東京応化工業社製のSWKシリーズなどが挙げられる。
本発明においては、後述するように、支持体上に中性化膜からなる層を形成してもよく、また、中性化膜からなる層上に感光性樹脂からなるパターンを形成してもよい。
支持体に中性化膜からなる層を形成する前に、支持体の表面は、予め洗浄されていてもよい。支持体表面を洗浄することにより、下地剤の塗布が良好に行える場合がある。
洗浄処理としては、従来公知の方法を利用でき、例えば酸素プラズマ処理、オゾン酸化処理、酸アルカリ処理、化学修飾処理等が挙げられる。
本発明においては、支持体上に、ブロックコポリマー溶液を塗布して膜厚100nm未満のブロックコポリマーを含む層を形成する。
具体的には、ブロックコポリマーのいずれかのブロックのホモポリマーAに対して貧溶媒である溶媒を含む溶剤に溶解させたブロックコポリマーをスピンナー等を用いて、膜厚が100nm未満となるように支持体上に塗布する。
<ブロックコポリマー溶液>
・ホモポリマーAに対して貧溶媒である溶媒

ブロックコポリマー溶液は、ブロックコポリマーをホモポリマーAに対して貧溶媒である溶媒を含む溶剤に溶解して作製する。
本発明において、「ホモポリマーA」とは、ブロックコポリマー溶液に使用するブロックコポリマーを構成するいずれかのブロックで構成されるホモポリマーであってもよいが、ブロックコポリマー中の疎水性のブロックで構成されるホモポリマーを「ホモポリマーA」とすることが好ましい。
ここで、疎水性のブロックとは、互いに非相溶であるブロック同士の組み合わせであるブロックコポリマーにおいて、相対的に疎水性が高い方のブロックを指す。
前記疎水性のブロックの構成単位を「ホモポリマーA」とする場合、好ましいホモポリマーとしては、例えば、後述する芳香族基を有する構成単位、アルキレンオキシドから誘導される構成単位又はかご型シルセスキオキサン構造含有構成単位等が挙げられ、より好ましくは、スチレンから誘導される構成単位、かご型シルセスキオキサン(POSS)構造含有構成単位等が挙げられる。
また、本発明において、「ホモポリマーA」は、前記ブロックコポリマー中の50モル%以上のブロックで構成されるホモポリマーを「ホモポリマーA」とすることが好ましく、50〜80モル%である場合さらに好ましい。つまり、前記ブロックコポリマー中の、ホモポリマーAを構成する構成単位の割合が、50モル%以上であるブロッコポリマーをブロックコポリマー溶液に用いることが好ましく50〜80モル%であるブロッコポリマーをブロックコポリマー溶液に用いることがさらに好ましい。
本発明者らは、ブロックコポリマーを構成するいずれかのブロックのホモポリマーに対して貧溶媒である溶媒を含む溶剤に溶解してブロックコポリマー溶液を調製することにより、CDU−CD相関関係から脱却することができ、CDUを改善し、ホール寸法の均一性が高い相分離構造を含む構造体の製造方法を提供することができることを見出した。CDU−CD相関関係から脱却することができる理由としては、貧溶媒である溶媒を含む溶剤に溶解することにより、ブロックコポリマーが相分離をおこしやすくなるためと推察される。
CDU−CD相関関係から脱却する試みとしては、ブロックコポリマー中のブロックコポリマーを構成するブロックの含有比率を調整する方法や、ブロックコポリマーを構成するブロックのホモポリマーを混合する方法等が考えられるが、後述する本願実施例における比較例においても記載しているとおり、これらの方法では、CDU−CD相関関係から脱却することができなかった。
本発明において、「貧溶媒」とは、試験温度23℃にてホモポリマーAの10質量%溶液を調製しようとした場合に、ホモポリマーAが完全に溶解しない溶媒であれば特に限定されない。完全溶解の確認は、目視にて白濁の有無により行う方法等で評価することができる。
例えば、ホモポリマーAが芳香族基を有する構成単位、アルキレンオキシドから誘導される構成単位又はかご型シルセスキオキサン構造含有構成単位で構成される場合、ホモポリマーAに対して貧溶媒となる溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、ブタノール、IPA(イソプロピルアルコール)、ノルマルプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール、TBA(ターシャリーブタノール)、ブタンジオール、エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸セロソルブ、酢酸アミル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル系、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘプタン、イソオクタン、ノルマルデカン等の炭化水素系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン系の溶媒が挙げられ、好ましくは、1−ブトキシ−2−プロパノール、乳酸エチル、ノルマルヘプタン、イソプロパノール、メチルエチルケトン、1−メトキシ−2−プロパノール等が貧溶媒として挙げられる。貧溶媒は1種または2種以上を混合して用いてもよい。
・前記貧溶媒以外の溶媒
本発明においては、ブロックコポリマー溶液に上述の貧溶媒を含む溶媒を用いればよく、さらに、貧溶媒以外の溶媒を含んでいてもよい。貧溶媒以外の溶媒としては、特に限定されず、良溶媒や良溶媒の混合溶媒等が挙げられる。良溶媒や良溶媒の混合溶媒等は限定されない。
良溶媒としては、試験温度23℃にてホモポリマーAの10質量%溶液を調製しようとした場合に、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、ブロックコポリマーを溶解する溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。ただし、ホモポリマーAが芳香族基を有する構成単位、アルキレンオキシドから誘導される構成単位又はかご型シルセスキオキサン構造含有構成単位で構成される場合は、上記で挙げた貧溶媒となるものは除く。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの良溶媒は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、ELが好ましい。
本発明において、溶剤中の貧溶媒の混合割合は、特に限定されるものではないが、50質量%以下であることが好ましく、1〜45質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることがさらに好ましく、20〜30質量%が特に好ましい。
本発明において、ブロックコポリマー溶液における溶剤全体のうち、貧溶媒以外の溶媒の含まれる割合は、特に限定されるものではないが、50質量%以上であることが好ましく、50〜99質量%であることがより好ましく、60〜95質量%であることがさらに好ましい。
ブロックコポリマー溶液中の有機溶剤の使用量は特に限定されるものではなく、塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはブロックコポリマーの固形分濃度が0.1〜70質量%、好ましくは0.2〜50質量%、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲内となる様に用いられる。
・ブロックコポリマー
ブロックコポリマーは、複数種類のブロック(同種の構成単位が繰り返し結合した部分構成成分)が結合した高分子である。ブロックコポリマーを構成するブロックは、2種類であってもよく、3種類以上であってもよく、2種類が好ましい。
本態様においては、ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックは、相分離が起こる組み合わせであれば特に限定されるものではないが、互いに非相溶であるブロック同士の組み合わせであることが好ましい。
また、ブロックが2種含まれる場合について、ブロックコポリマーを構成するブロックをAブロックとBブロックとした場合に、A−BタイプのジブロックコポリマーやA−B−Aタイプのトリブロックコポリマーが挙げられるが、A−Bタイプのジブロックコポリマーであることがより好ましい。
また、ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロック中の少なくとも1種類のブロックからなる相が、他の種類のブロックからなる相よりも、容易に選択的に除去可能な組み合わせであることが好ましい。容易に選択的に除去可能な組み合わせとしては、エッチング選択比が1よりも大きい、1種又は2種以上のブロックとが結合したブロックコポリマーが挙げられる。
なお、以下において、ブロックコポリマーを構成するブロックのうち、後の任意工程で選択的に除去されないブロックをPブロック、選択的に除去されるブロックをPブロックということがある。
本発明において「ブロックコポリマーの周期」とは、相分離構造が形成された際に観察される相構造の周期を意味し、互いに非相溶である各相の長さの和である。ブロックコポリマーの周期は、該ブロックコポリマーの分子1つ分の長さに相当する。
ブロックコポリマーの周期は、重合度N、及び、フローリー−ハギンズ(Flory−Huggins)の相互作用パラメータχ、などの固有重合特性によって決まる。すなわち、「χN」が大きくなるほど、ブロックコポリマーにおける異なるブロック間の相互反発は大きくなる。このため、χN>10(以下「強度分離限界点」という)のときには、ブロックコポリマーにおける異種類のブロック間の反発が大きく、相分離が起こる傾向が強くなる。そして、強度分離限界点においては、ブロックコポリマーの周期は、およそN2/3χ1/6となる。つまり、ブロックコポリマーの周期は、分子量Mnと、異なるブロック間の分子量比と、に相関する重合度Nに比例する。従って、用いるブロックコポリマーの組成及び総分子量を調整することにより、ブロックコポリマーの周期を調節することができる。
ブロックコポリマーを構成するブロックとしては、例えば、芳香族基を有する構成単位のブロック、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロック、(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位のブロック、シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロック、アルキレンオキシドから誘導される構成単位のブロック、かご型シルセスキオキサン構造含有構成単位のブロック等のブロックが挙げられる。
芳香族基を有する構成単位としては、フェニル基、ナフチル基等の芳香族基を有する構成単位が挙げられ、本発明においてはスチレン又はその誘導体から誘導される構成単位であることが好ましい。
スチレン又はその誘導体としては、たとえば、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−n−オクチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−ニトロスチレン、3−ニトロスチレン、4−クロロスチレン、4−フルオロスチレン、4−アセトキシビニルスチレン、4−ビニルベンジルクロリド、1−ビニルナフタレン、4−ビニルビフェニル、1−ビニル−2−ピロリドン、9−ビニルアントラセン、ビニルピリジン等が挙げられる。
(α置換)アクリル酸は、アクリル酸、又は、アクリル酸におけるα位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されているもの、の一方又は両方を意味する。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基等が挙げられる。
(α置換)アクリル酸としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
(α置換)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル、又は、アクリル酸エステルにおけるα位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されているもの、の一方又は両方を意味する。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基等が挙げられる。
(α置換)アクリル酸エステルとしては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸アントラセン、アクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメタン、アクリル酸プロピルトリメトキシシラン等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸アントラセン、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメタン、メタクリル酸プロピルトリメトキシシラン等のメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
これらのなかでも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチルが好ましい。
シロキサン又はその誘導体としては、たとえば、ジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、ジフェニルシロキサン、メチルフェニルシロキサン等が挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、たとえば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソプロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
かご型シルセスキオキサン(POSS)構造含有構成単位としては、下記一般式(a0−1)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2015084373
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を表す。Vは置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。Rは置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を表し、複数のRはそれぞれ同じであってもよく異なっていてもよい。*は結合手を示す。]
前記式(a0−1)中、Rの炭素数1〜5のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
前記式(a0−1)中、Rにおける1価の炭化水素基は、炭素数1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜8である。ただし、該炭素数には、後述の置換基における炭素数を含まないものとする。
における1価の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよく、なかでも脂肪族炭化水素基であることが好ましく、1価の脂肪族飽和炭化水素基(アルキル基)であることがより好ましい。
前記アルキル基として、より具体的には、鎖状の脂肪族炭化水素基(直鎖状または分岐鎖状のアルキル基)、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜8が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましく、メチル基、エチル基又はイソブチル基がより好ましく、エチル基又はイソブチル基がさらに好ましく、エチル基が特に好ましい。
分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜5が好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基又はtert−ブチル基であることが最も好ましい。
構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか、又は該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜8であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから1つ以上の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから1つ以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
における1価の炭化水素基が芳香族炭化水素基となる場合、該芳香族炭化水素基としては、芳香環を少なくとも1つ有する1価の炭化水素基である。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、後述の置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基)等が挙げられる。
前記アリール基又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記式(a0−1)中、Vにおける2価の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
における2価の炭化水素基としての脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、又は構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましく、1〜3が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、脂環式炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、後述の置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。
前記アリール基又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
以下に、前記式(a0−1)で表される構成単位の具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2015084373
本発明においては、ブロックコポリマーとして2種のブロックを含むことが好ましく、A−Bタイプのジブロックコポリマーであることがより好ましい。
2種のブロックの組み合わせたブロックコポリマーとしては、例えば、芳香族基を有する構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;芳香族基を有する構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;芳香族基を有する構成単位のブロックと、シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;アルキレンオキシドから誘導される構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;アルキレンオキシドから誘導される構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;かご型シルセスキオキサン構造含有構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;かご型シルセスキオキサン構造含有構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;かご型シルセスキオキサン構造含有構成単位のブロックと、シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー等が挙げられ、かかるブロックコポリマーとして、具体的には、スチレンのブロックとアクリル酸のブロックとを有するブロックコポリマー、スチレンのブロックとアクリル酸メチルのブロックとを有するブロックコポリマー、スチレンのブロックとアクリル酸エチルのブロックとを有するブロックコポリマー、スチレンのブロックとアクリル酸t−ブチルのブロックとを有するブロックコポリマー、スチレンのブロックとメタクリル酸のブロックとを有するブロックコポリマー、スチレンのブロックとメタクリル酸メチルのブロックとを有するブロックコポリマー、スチレンのブロックとメタクリル酸エチルのブロックとを有するブロックコポリマー、スチレンのブロックとメタクリル酸t−ブチルのブロックとを有するブロックコポリマー、かご型シルセスキオキサン(POSS)構造含有構成単位のブロックとアクリル酸のブロックとを有するブロックコポリマー、かご型シルセスキオキサン(POSS)構造含有構成単位のブロックとアクリル酸メチルのブロックとを有するブロックコポリマー、等が挙げられる。
本態様においては、特に、スチレンのブロック(PS)とメタクリル酸メチルのブロック(PMMA)とを有するブロックコポリマーを用いることが好ましい。
本発明に係る相分離構造を含む構造体の形状や大きさは、ブロックコポリマーを構成する各ブロックの体積分率や、ブロックコポリマーの分子量により規定される。例えば、ブロックコポリマー中に占めるPブロックの体積分率を比較的小さくすることにより、Pブロックからなる相中にPブロックからなる相がシリンダー状に存在するシリンダー構造を形成させることができる。一方で、ブロックコポリマー中に占めるPブロックとPブロックの体積分率を同程度にすることにより、Pブロックからなる相とPブロックからなる相とが交互に積層されたラメラ構造を形成させることができる。また、ブロックコポリマーの分子量を大きくすることにより、各相の大きさを大きくすることができる。
本発明においては、目的とする相分離構造を含む構造体を得るための体積分率にあわせて、2種のブロックを構成する構成単位のモル比を調整すればよく、そのうえで、いずれかのブロックをホモポリマーAとし、ホモポリマーAに対する貧溶媒を選択すればよい。
例えば、芳香族基を有する構成単位のブロックと、前記(α置換)アクリル酸または(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックによるブロックコポリマーで、シリンダー状の相分離構造を得る場合には、芳香族基を有する構成単位と、前記(α置換)アクリル酸又は(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位とのモル比が60:40〜90:10であることが好ましく、65:35〜80:20であることがより好ましい。
この場合、上述のとおり、疎水性のブロックは芳香族基を有する構成単位のブロックである。また、ブロックコポリマー中、50モル%以上となる構成単位も芳香族基を有する構成単位であるため、当該構成単位をホモポリマーAの構成単位とすることが好ましく、50〜80モル%となる場合さらに好ましい。
疎水性のブロックの構成単位がブロックコポリマー中、50モル%以上とならない場合は、本発明にかかるブロックコポリマー溶液は、ホモポリマーAに対して貧溶媒である溶媒を含むことから、50モル%以上の構成単位の方をホモポリマーAとすることが好ましく、50〜80モル%の場合さらに好ましい。
ブロックコポリマーの質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、150000以上である。本発明においては、160000以上であることが好ましく、180000以上であることがより好ましい。
またブロックコポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.0〜3.0が好ましく、1.0〜1.5がより好ましく、1.0〜1.3がさらに好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
ブロックコポリマー溶液には、上記ブロックコポリマー以外に、さらに、所望により、混和性のある添加剤、例えば中性化膜からなる層の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料、増感剤、塩基増殖剤、塩基性化合物等を適宜、添加含有させることができる。
[ブロックコポリマーを含む層を相分離させる工程]
本発明において、前記工程(支持体上にブロックコポリマー溶液を塗布して膜厚100nm未満のブロックコポリマーを含む層を形成する工程)の後、当該ブロックコポリマーを含む層を相分離させる。
ブロックコポリマーを含む層の相分離は、ブロックコポリマーを含む層が形成された後に熱処理し、相分離構造を形成させる。熱処理の温度は、用いるブロックコポリマーを含む層のガラス転移温度以上であり、かつ熱分解温度未満で行うことが好ましい。例えば、ブロックコポリマーが、PS−PMMA(Mw:18k−18k)の場合には、160〜270℃で30〜3600秒間熱処理を行うことが好ましい。
また、熱処理は、窒素等の反応性の低いガス中で行われることが好ましい。
本発明においては、上記の熱処理により、ブロックコポリマーを含む層を、Pブロックからなる相とPブロックからなる相とに相分離させた相分離構造を含む構造体を得ることができる。
本発明においては、後述の中性化膜を用いた場合には中性化膜上に相分離構造を形成することができる。
また、本発明において、感光性樹脂パターンを中性化膜上に形成し、感光性樹脂パターン上にブロックコポリマーを含む層を形成した場合には、感光性樹脂パターンの向きに沿った相分離構造を含む構造体を得ることができる。即ち、本発明により、相分離構造の配向性が制御可能となると考えられる。
なお、本発明は、感光性樹脂組成物等を物理的なガイドに用いて相分離パターンの配向性を制御する手法(グラフォエピタキシー)を用いてもよい。
<任意工程>
本発明において、前記工程(当該ブロックコポリマーを含む層を相分離させる工程)の後、前記ブロックコポリマーを含む層のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックのうちの少なくとも一種類のブロックからなる相を選択的に除去することにより、パターンを形成してもよい。
具体的には、相分離構造を形成させた後の基板上のブロックコポリマーを含む層のうち、Pブロックからなる相中のブロックの少なくとも一部を選択的に除去(低分子量化)することにより、パターンを形成する方法が挙げられる。予めPブロックの一部を選択的に除去することにより、現像液に対する溶解性を高められる結果、Pブロックからなる相がPブロックからなる相よりも選択的に除去しやすくなる。
このような選択的除去処理は、Pブロックに対しては影響せず、Pブロックを分解除去し得る処理であれば、特に限定されるものではなく、樹脂膜の除去に用いられる手法の中から、PブロックとPブロックの種類に応じて、適宜選択して行うことができる。また、基板表面に予め中性化膜が形成されている場合には、当該中性化膜もPブロックからなる相と同様に除去される。このような除去処理としては、例えば、酸素プラズマ処理、オゾン処理、UV照射処理、熱分解処理、及び化学分解処理等が挙げられる。
上記の様にしてブロックコポリマーからなる層の相分離によりパターンを形成させた基板は、そのまま使用することもできるが、さらに熱処理を行うことにより、基板上の高分子ナノ構造体の形状を変更することもできる。熱処理の温度は、用いるブロックコポリマーのガラス転移温度以上であり、かつ熱分解温度未満で行うことが好ましい。また、熱処理は、窒素等の反応性の低いガス中で行われることが好ましい。
<中性化膜形成工程>
本発明においては、支持体上にブロックコポリマーを含む層を形成する工程の前に、支持体表面を中性化処理する工程(支持体上に、中性化膜からなる層を形成する工程)を有することが好ましい。中性化処理とは、支持体(以下、「基板」ということがある。)表面を、ブロックコポリマーを構成するいずれのポリマーとも親和性を有するように改変する処理をいう。中性化処理を行うことにより、相分離によって特定のポリマーからなる相のみが基板表面に接することを抑制することができる。このため、相分離によって基板表面に対して垂直方向に配向されたラメラ構造を形成させるためには、ブロックコポリマーを含む層を形成する前に、基板表面に、用いるブロックコポリマーの種類に応じた中性化膜を形成しておくことが好ましい。
具体的には、基板表面に、ブロックコポリマーを構成するいずれのポリマーとも親和性を有する表面処理剤を含む薄膜(中性化膜)を形成する。
このような中性化膜としては、樹脂組成物からなる膜を用いることができる。表面処理剤として用いられる樹脂組成物は、ブロックコポリマーを構成するポリマーの種類に応じて、薄膜形成に用いられる従来公知の樹脂組成物の中から適宜選択することができる。表面処理剤として用いられる樹脂組成物は、熱重合性樹脂組成物であってもよく、ポジ型レジスト組成物やネガ型レジスト組成物等の感光性樹脂組成物であってもよい。
その他、化合物を表面処理剤とし、当該化合物を塗布して形成された非重合性膜を中性化膜としてもよい。例えば、フェネチルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等を表面処理剤として形成されたシロキサン系有機単分子膜も、中性化膜として好適に用いることができる。
これらの表面処理剤からなる中性化膜は、常法により形成することができる。
このような表面処理剤としては、例えば、ブロックコポリマーを構成する各ポリマーの構成単位をいずれも含む樹脂組成物や、ブロックコポリマーを構成する各ポリマーと親和性の高い構成単位をいずれも含む樹脂等が挙げられる。
例えば、後述する、PS−PMMAブロックコポリマーを用いる場合には、表面処理剤として、PSとPMMAの両方を構成単位として含む物樹脂組成物や、芳香環等のPSと親和性が高い部位と、極性の高い官能基等のPMMAと親和性の高い部位の両方を含む化合物又は組成物を用いることが好ましい。
PSとPMMAの両方を構成単位として含む樹脂組成物としては、例えば、PSとPMMAのランダムコポリマー、PSとPMMAの交互ポリマー(各モノマーが交互に共重合しているもの)等が挙げられる。
また、PSと親和性が高い部位とPMMAと親和性の高い部位の両方を含む組成物としては、例えば、モノマーとして、少なくとも、芳香環を有するモノマーと極性の高い置換基を有するモノマーとを重合させて得られる樹脂組成物が挙げられる。芳香環を有するモノマーとしては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、及びこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等を有するモノマーが挙げられる。また、極性の高い置換基を有するモノマーとしては、トリメトキシシリル基、トリクロロシリル基、カルボキシ基、水酸基、シアノ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等を有するモノマーが挙げられる。
その他、PSと親和性が高い部位とPMMAと親和性の高い部位の両方を含む化合物としては、フェネチルトリクロロシラン等のアリール基と極性の高い置換基の両方を含む化合物や、アルキルシラン化合物等のアルキル基と極性の高い置換基の両方を含む化合物等が挙げられる。
また、本発明においては、後述するように、中性化膜の上に感光性樹脂からなるパターンを形成してもよい。そこでパターンの密着性の観点から中性化膜は感光性樹脂組成物と近い極性であることがより好ましい。
[ガイドパターン形成工程]
本発明のパターン形成方法においては、[支持体(基板)上に、中性化膜(下地剤)からなる層を形成する工程]の後、[支持体上にブロックコポリマー溶液を塗布して膜厚100nm未満のブロックコポリマーを含む層を形成する工程]の前に、中性化膜からなる層上にパターンが形成されたガイドパターンを予め設けてもよい。これにより、ガイドパターンの形状・表面特性に応じた相分離構造の配列構造制御が可能となる。例えば、ガイドパターンがない場合にはランダムな指紋状の相分離構造が形成されるブロックコポリマーであっても、基板表面にレジスト膜の溝構造を導入することにより、その溝に沿って配向した相分離構造が得られる。このような原理でガイドパターンを導入してもよい。またガイドパターンの表面が、ブロックコポリマーを構成するいずれかのポリマーと親和性を備えることにより、基板表面に対して垂直方向に配向されたラメラ構造やシリンダー構造からなる相分離構造を形成しやすくすることもできる。
具体的には、例えば、基板表面上に、後述の感光性樹脂組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて現像処理し、好ましくは純水を用いて水リンスを行い、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、マスクパターンに忠実なガイドパターンを形成することができる。
また、ガイドパターンの形成において、ナノインプリントリソグラフィにより、ガイドパターンを形成してもよい。ナノインプリントリソグラフィでは、所望のパターンが形成されたモールドを、表面に樹脂層等ナノインプリント材料が形成された基体に押し付けて、必要に応じて加熱や露光等を行い樹脂層を硬化した後に、モールドを剥離することでガイドパターンを形成することができる。
ガイドパターンの基板表面(若しくは中性化膜表面)からの高さは、基板表面に形成されるブロックコポリマーを含む層の厚み以上であることが好ましい。ガイドパターンの基板表面(若しくは中性化膜表面)からの高さは、例えば、ガイドパターンを形成するレジスト組成物(感光性樹脂組成物)を塗布して形成されるレジスト膜の膜厚によって適宜調整することができる。
また、ガイドパターンが形成された基板表面上にブロックコポリマーの溶液が流し込まれた後、相分離を起こすために、熱処理がなされる。このため、ガイドパターンを形成するレジスト組成物としては、耐溶剤性と耐熱性に優れたレジスト膜を形成し得るものであることが好ましい。
<感光性樹脂組成物>
本発明において、ガイドパターンを形成する工程において用いる感光性樹脂組成物は、露光により酸を発生し、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する感光性樹脂組成物であることが好ましく、従来公知のものを適宜使用できる。例えば、国際公開第2012/046770号パンフレット、国際公開第2012/169620号パンフレット、特許第5227846号公報、特許第5225555号公報等が挙げられる。
また、ナノインプリントによるガイドパターン形成方法に用いられるナノインプリント材料としては、例えば、特開2007−072374、特開2007−329276、特開2008−246876に記載のシリコン系化合物含有材料や、当該シリコン系化合物のかわりにアクリル樹脂等を用いた有機材料等が挙げられる。
[トップコート層形成工程]
本発明においては、加熱により極性が変化し、かつ、前記ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを制御するトップコート材料を、前記ブロックコポリマーを含む層上に塗布してトップコート膜を形成することが好ましい。
前記ブロックコポリマーを含む層上に、該トップコート材料を用いてトップコート膜を設けることにより、該層の表面状態を良好にコントロールでき、より安定に相分離させることができる。
本実施形態において、トップコート膜の形成は、たとえば、前記ブロックコポリマーを含む層上に、該トップコート材料を、スピンナー等を用いて塗布することにより実施できる。該塗布の後、ベーク処理を行ってもよい。その際、加熱温度を80〜280℃とすることが好ましく、加熱時間を10〜600秒間とすることが好ましい。
層上に形成されるトップコート膜の厚さは、2〜500nmであることが好ましく、より好ましくは厚さ5〜200nmであり、さらに好ましくは厚さ10〜100nmであ。トップコート膜の厚さが前記の好ましい範囲内にあることで、外部環境の影響を充分に遮断することができ、相分離がより良好に起こりやすくなる。
トップコート材料には、後述のトップコート材料を用いることができる。
≪トップコート材料≫
本発明の相分離構造を含む構造体の製造方法において、用いることが好ましいトップコート材料について説明する。
本発明においてトップコート材料とは、加熱により極性が変化する構成単位(Tc1)を有する高分子化合物と、前記ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを制御する表面エネルギー制御剤と、を含有することを特徴とする、トップコート材料(以下「トップコート材料(1)」ともいう)である。
また、本発明のトップコート材料は、加熱により極性が変化する構成単位(Tc1)と、前記ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを制御する構成単位(Tc2)と、を有する高分子化合物、を含有することを特徴とする、トップコート材料(以下「トップコート材料(2)」ともいう)であってもよい。
<トップコート材料(1)>
トップコート材料(1)は、加熱により極性が変化する構成単位(Tc1)を有する高分子化合物と、前記ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを制御する表面エネルギー制御剤と、を含有する。
(高分子化合物)
トップコート材料(1)に用いられる高分子化合物は、加熱により極性が変化する構成単位(Tc1)を有する。
構成単位(Tc1)を有することで、相分離の時に、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを適度な高さに維持することができる。
「加熱により極性が変化する構成単位」とは、加熱により構造が変わり、極性基の露出状態が変化する繰返し単位をいう。たとえば、開環構造が加熱により脱水縮合して環構造を形成するのに伴い、極性基の露出状態が変化する繰返し単位などが挙げられる。
極性基としては、たとえば−COO、−SO 、−NH ;カルボキシ基、水酸基、アミノ基、スルホ基(−SOH)等が挙げられる。
構成単位(Tc1)としては、たとえば、下記の化学式で表される構成単位が挙げられる。
化学式(Tc1−1)で表される構成単位は、塩基性成分の存在下、加熱により極性が増大する構成単位である。化学式(Tc1−2)で表される構成単位は、加熱により極性が減少する構成単位である。
Figure 2015084373
高分子化合物が有する構成単位(Tc1)は、1種でもよく2種以上でもよい。
構成単位(Tc1)として、加熱により極性が増大する構成単位、又は、加熱により極性が減少する構成単位のいずれを選択すべきか、については、ブロックコポリマーの種類や、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーの程度などによって適宜決定される。
構成単位(Tc1)のなかでも、前記の化学式(Tc1−1)で表される構成単位、又は、化学式(Tc1−2)で表される構成単位を用いることが好ましい。
高分子化合物中の構成単位(Tc1)の割合は、該高分子化合物を構成する全構成単位に対し、10〜90モル%が好ましく、30〜80モル%がより好ましく、40〜80モル%がさらに好ましい。
構成単位(Tc1)の割合を前記の好ましい範囲内とすることによって、相分離の時に、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを適度な高さに容易に維持できる。
トップコート材料(1)に用いられる高分子化合物は、構成単位(Tc1)以外の構成単位を有していてもよい。
構成単位(Tc1)以外の構成単位としては、前記ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを制御する構成単位(Tc2)、ガラス転移温度(Tg)を調整する構成単位(Tc3)等が挙げられる。
・構成単位(Tc2)
構成単位(Tc2)としては、後述の<トップコート材料(2)>のなかで説明する構成単位(Tc2)と同様である。
高分子化合物が有する構成単位(Tc2)は、1種でもよく2種以上でもよい。
構成単位(Tc2)のなかでも、後述の一般式(Tc2−1)で表される構成単位、一般式(Tc2−2)で表される構成単位、及び、一般式(Tc2−3)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、一般式(Tc2−1)で表される構成単位、及び、一般式(Tc2−2)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
高分子化合物が構成単位(Tc2)を有する場合、高分子化合物中の構成単位(Tc2)の割合は、該高分子化合物を構成する全構成単位に対し、10〜90モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、20〜60モル%がさらに好ましい。
構成単位(Tc2)の割合を前記の好ましい範囲内とすることによって、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを容易に制御できる。
トップコート材料(1)中、構成単位(Tc1)を有する高分子化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
トップコート材料(1)に用いられる高分子化合物は、少なくとも構成単位(Tc1)を有する重合体であり、該構成単位(Tc1)に加えて、構成単位(Tc2)を有する共重合体であることが好ましい。
かかる共重合体の中でも好ましくは、前記化学式(Tc1−1)で表される構成単位と、後述の一般式(Tc2−1)で表される構成単位と、後述の一般式(Tc2−2)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体等が挙げられる。
トップコート材料(1)に用いられる高分子化合物の好適な具体例としては、後述の<トップコート材料(2)>のなかで例示する高分子化合物の好適な具体例と同様のものが挙げられる。
トップコート材料(1)に用いられる高分子化合物の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではなく、1000〜50000が好ましく、1500〜30000がより好ましく、2000〜30000が最も好ましい。前記の好ましい範囲内とすることによって、溶媒に対する溶解性がより良好となる。
該高分子化合物の分子量分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0〜6.0が好ましく、1.0〜5.0がより好ましく、1.0〜4.0が最も好ましい。
高分子化合物は、各構成単位を誘導するモノマーを、たとえばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソ酪酸ジメチルのようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等により重合させることによって得ることができる。
トップコート材料(1)中、高分子化合物の含有量は、形成しようとするトップコート膜厚等に応じて調整すればよい。トップコート材料(1)中、高分子化合物の濃度は、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.2〜7質量%である。
(表面エネルギー制御剤)
トップコート材料(1)は、前記構成単位(Tc1)を有する高分子化合物に加えて、前述した≪相分離構造を含む構造体の製造方法≫における、前記ブロックコポリマーを含む層、の表面エネルギーを制御する表面エネルギー制御剤を含有する。
表面エネルギー制御剤を含有することで、相分離の時に、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーが適度な高さとなるように制御できる。
表面エネルギー制御剤としては、たとえば、加熱によりトップコート材料中の高分子化合物間及び高分子化合物内で化学結合を形成する成分(架橋剤)が挙げられる。
表面エネルギー制御剤として、具体的には、ジアミン、トリアミン等の架橋剤が挙げられ、なかでもジアミン又はトリアミンを用いることがより好ましく、ジアミンを用いることが特に好ましい。
表面エネルギー制御剤として好適な具体例を以下に示す。
Figure 2015084373
トップコート材料(1)中、表面エネルギー制御剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
トップコート材料(1)中、表面エネルギー制御剤の含有量は、前記高分子化合物100質量部に対して2〜500質量部であることが好ましく、5〜300質量部であることがより好ましい。
表面エネルギー制御剤の含有量が好ましい下限値以上であれば、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを容易に制御できる。一方、好ましい上限値以下であれば、成膜性がより良好となる。
(任意成分)
トップコート材料(1)には、前述した高分子化合物及び表面エネルギー制御剤の他に、さらに所望により混和性のある添加剤などを含有させることができる。
・溶媒
トップコート材料(1)は、前述した高分子化合物及び表面エネルギー制御剤を溶媒に溶解させて製造することができる。
かかる溶媒としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、たとえば、水、アンモニア水(好ましくは10〜50質量%)、メタノール、アンモニア水とメタノールとの混合溶剤、水とメタノールとの混合溶剤、アンモニア水とエタノールとの混合溶剤等が挙げられる。
<トップコート材料(2)>
トップコート材料(2)は、加熱により極性が変化する構成単位(Tc1)と、前記ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを制御する構成単位(Tc2)と、を有する高分子化合物、を含有する。
(高分子化合物)
トップコート材料(2)に用いられる高分子化合物は、加熱により極性が変化する構成単位(Tc1)と、前記ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを制御する構成単位(Tc2)と、を有する。
・構成単位(Tc1)
構成単位(Tc1)としては、前述の<トップコート材料(1)>のなかで説明した構成単位(Tc1)と同様である。
高分子化合物が有する構成単位(Tc1)は、1種でもよく2種以上でもよい。
構成単位(Tc1)として、加熱により極性が増大する構成単位、又は、加熱により極性が減少する構成単位のいずれを選択すべきか、については、ブロックコポリマーの種類や、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーの程度などによって適宜決定される。
構成単位(Tc1)のなかでも、前記の化学式(Tc1−1)で表される構成単位、又は、化学式(Tc1−2)で表される構成単位を用いることが好ましい。
高分子化合物中の構成単位(Tc1)の割合は、該高分子化合物を構成する全構成単位に対し、10〜90モル%が好ましく、30〜80モル%がより好ましく、40〜80モル%がさらに好ましい。
構成単位(Tc1)の割合を前記の好ましい範囲内とすることによって、相分離のときに、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを適度な高さに容易に維持できる。
・構成単位(Tc2)
構成単位(Tc2)は、前記ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを制御する構成単位である。
構成単位(Tc2)を有することで、相分離の時に、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーが適度な高さとなるように制御できる。
構成単位(Tc2)としては、前記構成単位(Tc1)を有する高分子化合物の極性を調整できるものであればよく、下記の一般式(Tc2−1)で表される構成単位、一般式(Tc2−2)で表される構成単位、及び、一般式(Tc2−3)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
Figure 2015084373
[式中、x1は、0又は1である。Rはフッ素原子、又は、フッ素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。x2は、0〜4の整数である。Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を表す。複数のRはそれぞれ同じであってもよく異なっていてもよい。Rは、フッ素原子、又は、フッ素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。yは、0〜3の整数である。Rは、置換基で置換されていてもよい炭化水素基を表す。Rにおける置換基は、フッ素原子、又は、フッ素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基である。]
前記式(Tc2−1)中、x1は、0又は1である。
x2は、0〜4の整数であり、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1であり、特に好ましくは1である。
前記式(Tc2−1)中、Rは、フッ素原子、又は、フッ素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。Rにおける炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよく、なかでも脂肪族炭化水素基であることが好ましく、1価の脂肪族飽和炭化水素基(アルキル基)であることがより好ましい。
前記アルキル基として、より具体的には、鎖状の脂肪族炭化水素基(直鎖状または分岐鎖状のアルキル基)、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜8が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましく、メチル基又はエチル基が特に好ましい。
分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10が好ましく、3〜8がより好ましく、3〜6がさらに好ましい。
構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか、又は該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜8であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから1つ以上の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから1つ以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
鎖状の脂肪族炭化水素基、又は、環状の脂肪族炭化水素基は、それぞれフッ素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい。すなわち、該脂肪族炭化水素基の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。又は、該脂肪族炭化水素基のメチレン基(−CH−)が酸素原子(−O−)又はカルボニル基(−C(=O)−)で置換されていてもよい。
における1価の炭化水素基が芳香族炭化水素基となる場合、該芳香族炭化水素基としては、芳香環を少なくとも1つ有する1価の炭化水素基である。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、後述の置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基)等が挙げられる。
前記アリール基又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
芳香族炭化水素基は、フッ素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい。すなわち、該芳香族炭化水素基の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。又は、該芳香族炭化水素基のメチレン基(−CH−)が酸素原子(−O−)又はカルボニル基(−C(=O)−)で置換されていてもよい。
前記の式(Tc2−2)、式(Tc2−3)中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を表す。複数のRは、それぞれ同じであってもよく異なっていてもよい。
Rの炭素数1〜5のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
前記式(Tc2−2)中、Rは、前記式(Tc2−1)中のRと同様のものが挙げられる。
yは、0〜3の整数であり、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
前記式(Tc2−3)中、Rは、置換基で置換されていてもよい炭化水素基を表す。
における炭化水素基は、前記式(Tc2−1)中のRにおける炭化水素基と同様のものが挙げられる。
における置換基は、フッ素原子、又は、フッ素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、前記式(Tc2−1)中のRと同様のものが挙げられる。
以下に、前記式(Tc2−1)で表される構成単位の具体例を示す。
式中、R11は、水素原子、又は、フッ素原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。R11における炭化水素基は、前記式(Tc2−1)中のRにおける炭化水素基と同様のものが挙げられる。下記化学式中、波線は「くさび型結合」と「破線結合」の両方を意味する。
Figure 2015084373
以下に、前記式(Tc2−2)で表される構成単位の具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
式中、R12は、水素原子、又は、フッ素原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。R12における炭化水素基は、前記式(Tc2−1)中のRにおける炭化水素基と同様のものが挙げられる。
Figure 2015084373
以下に、前記式(Tc2−3)で表される構成単位の具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
式中、R13は、水素原子、又は、フッ素原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。R13における炭化水素基は、前記式(Tc2−1)中のRにおける炭化水素基と同様のものが挙げられる。
Figure 2015084373
高分子化合物が有する構成単位(Tc2)は、1種でもよく2種以上でもよい。
構成単位(Tc2)のなかでも、前記の一般式(Tc2−1)で表される構成単位、一般式(Tc2−2)で表される構成単位、及び、一般式(Tc2−3)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、
一般式(Tc2−1)で表される構成単位、及び、一般式(Tc2−2)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
高分子化合物中の構成単位(Tc2)の割合は、該高分子化合物を構成する全構成単位に対し、10〜90モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、20〜60モル%がさらに好ましい。
構成単位(Tc2)の割合を前記の好ましい範囲内とすることによって、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを容易に制御できる。
トップコート材料(2)に用いられる高分子化合物は、構成単位(Tc1)及び構成単位(Tc2)以外の構成単位を有していてもよい。
構成単位(Tc1)及び構成単位(Tc2)以外の構成単位としては、ガラス転移温度(Tg)を調整する構成単位(Tc3)等が挙げられる。
トップコート材料(2)中、構成単位(Tc1)と構成単位(Tc2)とを有する高分子化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
トップコート材料(2)に用いられる高分子化合物は、少なくとも構成単位(Tc1)と構成単位(Tc2)とを有する共重合体である。
かかる共重合体として、具体的には、前記化学式(Tc1−2)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−1)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体;前記化学式(Tc1−2)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−2)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体;前記化学式(Tc1−2)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−3)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体;前記化学式(Tc1−2)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−1)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−2)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体;前記化学式(Tc1−2)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−1)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−3)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体;前記化学式(Tc1−2)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−2)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−3)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体;前記化学式(Tc1−1)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−1)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−2)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体、等が挙げられる。これらの中でも、前記化学式(Tc1−1)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−1)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−2)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体がより好ましい。
以下に、トップコート材料(2)に用いられる高分子化合物の好適な具体例を示す。
式中、R、R、R及びyは、前記式(Tc2−1)〜(Tc2−3)中のR、R、R及びyとそれぞれ同様である。
式中、R1a及びR1bは、それぞれ独立に、前記式(Tc2−1)中のRと同様である。
2a及びR2bは、それぞれ独立に、前記式(Tc2−2)中のRと同様である。
及びyは、それぞれ独立に、前記式(Tc2−2)中のyと同様である。
3a及びR3bは、それぞれ独立に、前記式(Tc2−3)中のRと同様である。
Figure 2015084373
Figure 2015084373
Figure 2015084373
トップコート材料(2)に用いられる高分子化合物の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではなく、1000〜50000が好ましく、1500〜30000がより好ましく、2000〜30000が最も好ましい。前記の好ましい範囲内であれば、溶媒に対して充分な溶解性がある。
該高分子化合物の分子量分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0〜6.0が好ましく、1.0〜5.0がより好ましく、1.0〜4.0が最も好ましい。
高分子化合物は、各構成単位を誘導するモノマーを、たとえばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソ酪酸ジメチルのようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等により重合させることによって得ることができる。
トップコート材料(2)中、高分子化合物の含有量は、形成しようとするトップコート膜厚等に応じて調整すればよい。トップコート材料(2)中、高分子化合物の濃度は、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.2〜7質量%である。
(任意成分)
トップコート材料(2)には、前述した高分子化合物の他に、さらに所望により混和性のある添加剤、たとえば、前記表面エネルギー制御剤などを含有させることができる。
・溶媒
トップコート材料(2)は、前述した高分子化合物を溶媒に溶解させて製造することができる。
かかる溶媒としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、たとえば、水、アンモニア水(好ましくは10〜50質量%)、メタノール、アンモニア水とメタノールとの混合溶剤、水とメタノールとの混合溶剤、アンモニア水とエタノールとの混合溶剤等が挙げられる。
また、[トップコート層形成工程]を含む場合、トップコート膜を除去せずに、選択的除去の操作を行ってもよいが、これに限定されず、トップコート膜を除去した後に該選択的除去の操作を行ってもよい。このうち、トップコート膜を除去した後に、ブロックからなる相の選択的除去の操作を行うことは、トップコート膜を均一に除去できる点で好ましい。
トップコート膜の除去は、トップコート材料の種類等に応じて適宜行うことができる。トップコート膜の除去は、トップコート材料の溶媒を、トップコート膜に塗布する方法により実施できる。トップコート材料の溶媒については、後述の、トップコート材料の溶媒と同様のものが挙げられる。
上記の様にしてブロックコポリマーからなる層の相分離によりパターンを形成させた基板は、そのまま使用することもできるが、さらに熱処理を行うことにより、基板上の高分子ナノ構造体の形状を変更することもできる。熱処理の温度は、用いるブロックコポリマーのガラス転移温度以上であり、かつ熱分解温度未満で行うことが好ましい。また、熱処理は、窒素等の反応性の低いガス中で行われることが好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。混合溶剤はすべて質量比とする。
≪溶解性試験≫
表1に示す各溶媒にポリスチレン1gを10質量%濃度になるようにの各溶媒に添加して、溶解性試験を行った。ポリスチレン添加後、目視で確認し、白濁しているものを貧溶媒、白濁していないものを良溶媒とした。その結果を表1に示す。
Figure 2015084373
表1中、各数字は以下の意味を示す。
1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
2:1−ブトキシ−2−プロパノール
3:エチルエトキシプロピオネート
4:乳酸エチル
5:ヘプタン
6:イソプロパノール
7:メチルエチルケトン
8:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
9:γ―ブチルラクトン
10:酢酸ブチル
≪実施例1〜4、比較例1≫
PS−PMMAのブロックコポリマー(Mw150000、PS/PMMA組成比(モル比)70/30、分散度1.02、周期51nm)を表2に示す配合の溶剤に溶かし、ブロックコポリマー溶液を調整した。
8インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚82nmの有機系反射防止膜を形成した。
次に、当該有機反射防止膜上に、中性化膜として、PGMEAを用いて0.5〜1.0質量%の濃度に調整した樹脂組成物(スチレン/メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメタン/メタクリル酸プロピルトリメトキシシラン=88/17/5からなるMw43400、Mw/Mn1.77の共重合体)を、スピンナーを用いて塗布し、250℃、2分間焼成して乾燥させることにより、膜厚10nmの中性化膜からなる層を基板上に形成した。
次いで、中性化膜からなる層上にPS−PMMAのブロックコポリマー(実施例1〜4、比較例1)のブロックコポリマー溶液(2質量%)をそれぞれスピンコート(回転数1500rpm、60秒)した。
ブロックコポリマーからなる層の塗布膜厚は、それぞれ17、20、22、25、28、30nmのものを形成した。PS−PMMAブロックコポリマーが塗布された基板を、窒素気流下、240℃で60秒間加熱させてアニールすることにより、相分離構造を形成させた。相分離構造を画像解析し、ホール寸法及びパターン寸法の面内均一性を求めた。
[パターン寸法の面内均一性(CDU)の評価]
上記CHパターン中の100個のホールを、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧300V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により、CHパターン上空から観察し、各ホールのホール直径(nm)を測定した。そして、その測定結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を求めた。その結果を「CDU(nm)」として表2に示す。表2中「Average CDU」として、ブロックコポリマーの塗布膜厚を変えた場合(17、20、22、25、28、30nm)の平均値を記載した。
このようにして求められる3σは、その値が小さいほど、該レジスト膜に形成された複数のホールの寸法(CD)均一性が高いことを意味する。
表2にCD(nm)を併記する。CDもCDUと同様に、ブロックコポリマーの塗布膜厚を変えた場合(17、20、22、25、28、30nm)の平均値(Average CD)である。
Figure 2015084373
表2に示したように、比較例1と実施例1〜4を比べると、Average CDが同等であるものの、CDUの値は小さくなり、CDUが改善されていた。
≪比較例3〜5≫
[比較例3]
ブロックコポリマー溶剤として、1[100]、1/9[90/10]、1/9[75/25]、1/9[50/50]、9[100]の溶剤を用いたこと以外は実施例1と同様にパターンを形成した。比較例3ではいずれの溶剤を用いた場合でも、シリンダーパターンを形成することができなかった。
[比較例4]
ブロックコポリマー溶剤として、1[100]、1/10[90/10]、1/10[75/25]、1/10[50/50]、10[100]の溶剤を用いたこと以外は実施例1と同様にパターンを形成した。比較例4ではいずれの溶剤を用いた場合でも、シリンダーパターンを形成することができなかった。
[比較例5]
ブロックコポリマー溶剤として、1[100]、1/8[90/10]、1/8[75/25]、1/8[50/50]、8[100]の溶剤を用いたこと以外は実施例1と同様にパターンを形成した。比較例5ではいずれの溶剤を用いた場合でも、シリンダーパターンを形成することができなかった。
≪実施例5〜20、比較例6〜7≫
下記表3〜4に示す溶剤を用い、ブロックコポリマーの塗布膜厚を30nmとしたこと以外は、実施例1と同様にパターンを形成し、CDUを求めた。その結果を表3〜4に併記する。
Figure 2015084373
Figure 2015084373
実施例5〜20のCDU−CDの相関関係を図2に示す。図2に示すように、貧溶媒を添加した溶剤を用いた実施5〜20では、CDU−CDの相関関係から脱却できることが判明した。
≪比較例6≫
ブロックコポリマー中のスチレンの含有率を変化させた場合、及びスチレンのホモポリマーを混合した場合のCDU−CDの相関関係について検討した。
その結果を図1に示す。図1に示すように、スチレンの含有率を変化させる、又はスチレンのホモポリマーを混合した場合には、CDU−CDの相関関係から脱却することができなかった。

Claims (4)

  1. 支持体上にブロックコポリマー溶液を塗布して膜厚100nm未満のブロックコポリマーを含む層を形成する工程と、
    当該ブロックコポリマーを含む層を相分離させる工程と、
    を有する相分離構造を含む構造体の製造方法であって、
    前記ブロックコポリマー溶液に用いられる溶剤が、当該ブロックコポリマーのいずれかのブロックのホモポリマーAに対して貧溶媒である溶媒を含むことを特徴とする、相分離構造を含む構造体の製造方法。
  2. 前記溶剤中の前記貧溶媒の割合が、50質量%以下である、請求項1に記載の相分離構造を含む構造体の製造方法。
  3. 前記ブロックコポリマー中の、前記ホモポリマーAを構成する構成単位の割合が、50モル%以上である、請求項1又は2に記載の相分離構造を含む構造体の製造方法。
  4. 支持体上に、中性化膜からなる層を形成する工程を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の相分離構造を含む構造体の製造方法。
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