JP2016065215A - 相分離構造形成用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブロックコポリマーと、該ブロックコポリマー中の第1のブロックと相溶可能な第1のホモポリマーと、該ブロックコポリマー中の第2のブロックと相溶可能な第2のホモポリマーと、の3成分を含む樹脂成分を含有する相分離構造形成用樹脂組成物であって、前記樹脂成分における、前記第1のホモポリマーと、前記第2のホモポリマーの組成比が、前記ブロックコポリマー中の前記第1のブロックと、前記第2のブロックとの組成比と実質的に同じであることを特徴とする相分離構造形成用樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
ブロックコポリマーの相分離構造を利用するためには、ミクロ相分離により形成される自己組織化ナノ構造を、特定の領域のみに形成し、かつ、所望の方向へ配列させることが必須となる。これらの位置制御及び配向制御を実現するために、ガイドパターンによって、相分離パターンを制御するグラフォエピタキシーや、基板の化学状態の違いによって相分離パターンを制御するケミカルエピタキシー等のプロセスが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
このため、ブロックコポリマーの自己組織化により形成される相分離構造を利用して比較的大きいパターンを形成する場合には、分子量を大きくすることにより形成できると考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、厚膜の場合であっても、周期の大きな相分離パターンを形成できる相分離構造形成用樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明の第2の態様は、ブロックコポリマーと、該ブロックコポリマー中の第1のブロックと相溶可能な第1のホモポリマーと、該ブロックコポリマー中の第2のブロックと相溶可能な第2のホモポリマーと、の3成分を含む樹脂成分を含有する相分離構造形成用樹脂組成物であって、前記ブロックコポリマー中の前記第1のブロックを構成するポリマーがX質量%、前記第2のブロックを構成するポリマーがY質量%であるとき、
前記ブロックコポリマー100質量部に対して、前記第1のホモポリマーをX±10質量部、前記第2のホモポリマーをY±10質量部混合されていることを特徴とする相分離構造形成用樹脂組成物である。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」又は「フッ素化アルキレン基」は、アルキル基又はアルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基をいう。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、アクリル酸(CH2=CH−COOH)のカルボキシ基末端の水素原子が有機基で置換された化合物である。
アクリル酸エステルは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該α位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基は、水素原子以外の原子又は基であり、たとえば炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸エステルをα置換アクリル酸エステルということがある。また、アクリル酸エステルとα置換アクリル酸エステルとを包括して「(α置換)アクリル酸エステル」ということがある。
「ヒドロキシスチレン若しくはヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレン若しくはヒドロキシスチレン誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「ヒドロキシスチレン誘導体」とは、ヒドロキシスチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子を有機基で置換したもの、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンのベンゼン環に、水酸基以外の置換基が結合したもの、等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
ヒドロキシスチレンのα位の水素原子を置換する置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
「ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体から誘導される構成単位」とは、ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「ビニル安息香酸誘導体」とは、ビニル安息香酸のα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のカルボキシ基の水素原子を有機基で置換したもの、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のベンゼン環に、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基が結合したもの、等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
「スチレン誘導体」とは、スチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたものを意味する。
「スチレンから誘導される構成単位」、「スチレン誘導体から誘導される構成単位」とは、スチレン又はスチレン誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
上記α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基)等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
また、α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、水酸基で置換した基が挙げられる。該ヒドロキシアルキル基における水酸基の数は、1〜5が好ましく、1が最も好ましい。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明は、ブロックコポリマーと、該ブロックコポリマー中の第1のブロックと相溶可能な第1のホモポリマーと、該ブロックコポリマー中の第2のブロックと相溶可能な第2のホモポリマーと、の3成分を含む樹脂成分を含有する相分離構造形成用樹脂組成物であって、前記樹脂成分における、前記第1のホモポリマーと、前記第2のホモポリマーの組成比が、前記ブロックコポリマー中の前記第1のブロックと、前記第2のブロックとの組成比と実質的に同じであることを特徴とする相分離構造形成用樹脂組成物である。
本発明の相分離構造形成用樹脂組成物が含有する樹脂成分は、ブロックコポリマーと、第1のホモポリマーと、第2のホモポリマーとの3成分を含む。
・ブロックコポリマー
ブロックコポリマーは、複数種類のブロック(同種の構成単位が繰り返し結合した部分構成成分)が結合した高分子である。ブロックコポリマーを構成するブロックは、2種類であってもよく、3種類以上であってもよい。
本態様においては、ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックは、相分離が起こる組み合わせであれば特に限定されるものではないが、互いに非相溶であるブロック同士の組み合わせであることが好ましい。また、ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロック中の少なくとも1種類のブロックからなる相が、他の種類のブロックからなる相よりも、容易に選択的に除去可能な組み合わせであることが好ましい。
また、ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロック中の少なくとも1種類のブロックからなる相が、他の種類のブロックからなる相よりも、容易に選択的に除去可能な組み合わせであることが好ましい。容易に選択的に除去可能な組み合わせとしては、エッチング選択比が1よりも大きい、1種又は2種以上のブロックとが結合したブロックコポリマーが挙げられる。
以下、本明細書において、ブロックコポリマーの周期を「L0」と記載することがある。
ブロックコポリマーの周期は、重合度N、及び、フローリー−ハギンズ(Flory−Huggins)の相互作用パラメータχ、などの固有重合特性によって決まる。すなわち、「χN」が大きくなるほど、ブロックコポリマーにおける異なるブロック間の相互反発は大きくなる。このため、χN>10(以下「強度分離限界点」という)のときには、ブロックコポリマーにおける異種類のブロック間の反発が大きく、相分離が起こる傾向が強くなる。そして、強度分離限界点においては、ブロックコポリマーの周期は、およそN2/3χ1/6となる。つまり、ブロックコポリマーの周期は、分子量Mnと、異なるブロック間の分子量比と、に相関する重合度Nに比例する。従って、用いるブロックコポリマーの組成及び総分子量を調整することにより、ブロックコポリマーの周期を調節することができる。
スチレン又はその誘導体としては、たとえば、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−n−オクチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−ニトロスチレン、3−ニトロスチレン、4−クロロスチレン、4−フルオロスチレン、4−アセトキシビニルスチレン、4−ビニルベンジルクロリド、1−ビニルナフタレン、4−ビニルビフェニル、1−ビニル−2−ピロリドン、9−ビニルアントラセン、ビニルピリジン等が挙げられる。
(α置換)アクリル酸としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
(α置換)アクリル酸エステルとしては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸アントラセン、アクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメタン、アクリル酸プロピルトリメトキシシラン等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸アントラセン、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメタン、メタクリル酸プロピルトリメトキシシラン等のメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
これらのなかでも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチルが好ましい。
アルキレンオキシドとしては、たとえば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソプロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
R0における1価の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよく、なかでも脂肪族炭化水素基であることが好ましく、1価の脂肪族飽和炭化水素基(アルキル基)であることがより好ましい。
前記アルキル基として、より具体的には、鎖状の脂肪族炭化水素基(直鎖状または分岐鎖状のアルキル基)、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜8が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましく、メチル基、エチル基又はイソブチル基がより好ましく、エチル基又はイソブチル基がさらに好ましく、エチル基が特に好ましい。
分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜5が好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基又はtert−ブチル基であることが最も好ましい。
構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか、又は該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜8であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから1つ以上の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから1つ以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、後述の置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基)等が挙げられる。
前記アリール基又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
V0における2価の炭化水素基としての脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、又は構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH2−]、エチレン基[−(CH2)2−]、トリメチレン基[−(CH2)3−]、テトラメチレン基[−(CH2)4−]、ペンタメチレン基[−(CH2)5−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−C(CH2CH3)2−CH2−等のアルキルエチレン基;−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、後述の置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。
前記アリール基又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
芳香族基を有する構成単位、(α置換)アクリル酸、又は(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位の割合が前記の好ましい範囲内であると、支持体表面に対して垂直方向に配向したシリンダー状の相分離構造が得られやすい。
本態様においては、特に、スチレンのブロックとメタクリル酸メチルのブロックとを有するブロックコポリマーを用いることが好ましい。
またブロックコポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.0〜3.0が好ましく、1.0〜1.5がより好ましく、1.0〜1.3がさらに好ましい。なお、Mwは質量平均分子量を示す。
本発明の相分離構造形成用樹脂組成物が含有する樹脂成分は、第1のホモポリマーと、第2のホモポリマーとを含む。
ここで、第1のホモポリマーは、ブロックコポリマー中の第1のブロック(第1のブロック鎖ともいう)と相溶可能であるホモポリマーであり、第2のホモポリマーは、ブロックコポリマー中の第2のブロック(第2のブロック鎖ともいう)と相溶可能であるホモポリマーである。
ポリメタクリル酸メチルと近似した構造であるホモポリマーとは、ポリメタクリル酸メチルと相溶するホモポリマーであれば、適宜設計変更可能である。具体的には、ポリアクリル酸メチルが挙げられる。
つまり、ブロックコポリマーとして、ポリスチレン−ポリメタクリル酸メチル共重合体(PS−PMMA)の上記の例によれば、第1のホモポリマーとして、ポリスチレンを、第2のホモポリマーとして、ポリメタクリル酸メチルを採用することが好ましい。
本発明の相分離構造形成用樹脂組成物は、第1のホモポリマーと、第2のホモポリマーの組成比が、ブロックコポリマー中の第1のブロックと、第2のブロックの組成比と実質的に同じである。
明確に同一の組成比である場合としては、例えば、ブロックコポリマー中の第1のブロックを構成するポリマーがx質量%、第2ブロックを構成するポリマーがy質量%であるとき、前記第1のホモポリマーをx質量部、前記第2のホモポリマーをy質量部混合されていることをいう。
前記ブロックコポリマー100質量部に対して、前記第1のホモポリマーをX±5質量部混合されていることが好ましく、X±3質量部混合されていることがより好ましく、X±1質量部混合されていることが特に好ましい。
前記ブロックコポリマー100質量部に対して、前記第2のホモポリマーをY±5質量部混合されていることが好ましく、Y±3質量部混合されていることがより好ましく、Y±1質量部混合されていることが特に好ましい。
本発明においては、混合する第1のホモポリマー及び第2のホモポリマーがそれぞれ上記範囲の分子量であることが好ましい。
上述のように、低分子のホモポリマーを採用することにより、相分離構造形成用樹脂組成物中で、分子の動きが活発となるため、相分離構造が形成しやすくなると考えられる。
また、相分離構造の形成は、後述するように熱処理により行うため、加熱による反応性を向上させる観点から、相分離構造形成用樹脂組成膜のTgを低くすることも好ましいと考えられる。
上記の範囲とすることにより、より良好に相分離構造を形成できると考えられる。
ブレンドポリマーの混合比は、30質量部以上50質量部以下がより好ましく、30質量部以上45質量部以下が特に好ましく、30質量部以上40質量部以下が極めて好ましい。
ブレンドポリマーの含有量を上記の範囲とすることにより、形成した相分離パターンの周期(L0)を変更することなく、パターン寸法の面内均一性(CDU)を向上させることができる。
式l:y=2.3x+b (−75≦b≦−60)
式m:y=2.3x+b (−80≦b<−75)
式l’:y=2.3x+b (−75≦b≦−70)
式m’:y=2.3x+b (−79≦b<−75)
式l’’:y=2.3x+b (−75≦b≦−72)
式m’’:y=2.3x+b (−78≦b<−75)
相分離構造形成用樹脂組成物は、上記樹脂成分を有機溶剤に溶解して作製することができる。有機溶剤としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、樹脂を主成分とする膜組成物の溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。たとえば極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。また、極性溶剤としてPGMEおよびシクロヘキサノンを配合する場合は、PGMEA:(PGME+シクロヘキサノン)の質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
相分離構造形成用樹脂組成物中の有機溶剤の使用量は特に限定されるものではなく、塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的には樹脂成分の固形分濃度が0.2〜70質量%、好ましくは0.2〜50質量%の範囲内となる様に用いられる。
本発明の相分離構造形成用樹脂組成物を用いた相分離構造を含む構造体の形成方法について説明する。
相分離構造を含む構造体の製造方法は、基板上に、中性化膜を塗布し、該中性化膜からなる層を形成する工程と、前記中性化膜からなる層の上に、本発明の相分離構造形成用樹脂組成物を含む層を形成する工程と、当該相分離構造形成用樹脂組成物を含む層を相分離させる工程と、を有すればよい。
まず、基板上に、表面処理剤を含む中性化膜を形成する。
基板は、その表面上に相分離構造形成用樹脂組成物を塗布し得るものであれば、その種類は特に限定されない。例えば、シリコン、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属、ガラス、酸化チタン、シリカ、マイカなどの無機物からなる基板、アクリル板、ポリスチレン、セルロース、セルロースアセテート、フェノール樹脂などの有機化合物からなる基板などが挙げられる。
また、本発明において用いられる基板の大きさや形状は、特に限定されるものではない。基板は必ずしも平滑な表面を有する必要はなく、様々な材質や形状の基板を適宜選択することができる。例えば、曲面を有する基板、表面が凹凸形状の平板、薄片状などの様々な形状のものまで多様に用いることができる。
洗浄処理としては、従来公知の方法を利用でき、例えば酸素プラズマ処理、水素プラズマ処理、オゾン酸化処理、酸アルカリ処理、化学修飾処理等が挙げられる。例えば、基板を硫酸/過酸化水素水溶液等の酸溶液に浸漬させた後、水洗し、乾燥させる。その後、当該基板の表面に、相分離構造形成用樹脂組成物層を形成することができる。
本発明においては、まず、基板を中性化処理することが好ましい。なお、中性化処理とは、基板表面を、ブロックコポリマーを構成するいずれのポリマーとも親和性を有するように改変する処理をいう。中性化処理を行うことにより、相分離によって特定のポリマーからなる相のみが基板表面に接することを抑制することができる。このため、相分離によって基板表面に対して垂直方向に配向されたラメラ構造を形成させるためには、ブロックコポリマーを含む層を形成する前に、基板表面に、用いるブロックコポリマーの種類に応じた中性化膜を形成しておく。
このような中性化膜としては、樹脂組成物からなる膜を用いることができる。表面処理剤として用いられる樹脂組成物は、ブロックコポリマーを構成するポリマーの種類に応じて、薄膜形成に用いられる従来公知の樹脂組成物の中から適宜選択することができる。表面処理剤として用いられる樹脂組成物は、熱重合性樹脂組成物であってもよく、ポジ型レジスト組成物やネガ型レジスト組成物等の感光性樹脂組成物であってもよい。
その他、化合物を表面処理剤とし、当該化合物を塗布して形成された非重合性膜を中性化膜としてもよい。例えば、フェネチルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等を表面処理剤として形成されたシロキサン系有機単分子膜も、中性化膜として好適に用いることができる。
これらの表面処理剤からなる中性化膜は、常法により形成することができる。
例えば、前述の、PS−PMMAブロックコポリマーを用いる場合には、表面処理剤として、PSとPMMAの両方を構成単位として含む物樹脂組成物や、芳香環等のPSと親和性が高い部位と、極性の高い官能基等のPMMAと親和性の高い部位の両方を含む化合物又は組成物を用いることが好ましい。
PSとPMMAの両方を構成単位として含む樹脂組成物としては、例えば、PSとPMMAのランダムコポリマー、PSとPMMAの交互ポリマー(各モノマーが交互に共重合しているもの)等が挙げられる。
その他、PSと親和性が高い部位とPMMAと親和性の高い部位の両方を含む化合物としては、フェネチルトリクロロシラン等のアリール基と極性の高い置換基の両方を含む化合物や、アルキルシラン化合物等のアルキル基と極性の高い置換基の両方を含む化合物等が挙げられる。
また、本発明においては、後述するように、中性化膜の上に感光性樹脂からなるパターンを形成する。そこでパターンの密着性の観点から中性化膜は感光性樹脂組成物と近い極性であることがより好ましい。
本発明においては、前記工程(基板上に、中性化膜を塗布し、該中性化膜からなる層を形成する工程)を行った後に、中性化膜からなる層上に、相分離構造形成用樹脂組成物層を形成することが好ましい。
前記工程(前記中性化膜からなる層の上に、複数種類のポリマーが結合した質量平均分子量150000以上のブロックコポリマーを塗布し、該塗布膜厚が23nm以下であって、該ブロックコポリマーを含む層を形成する工程)の後、中性化膜上の、当該相分離構造形成用樹脂組成物層を相分離させることが好ましい。
また、熱処理は、窒素等の反応性の低いガス中で行われることが好ましい。
なお、本発明は、感光性樹脂組成物等を物理的なガイドに用いて相分離パターンの配向性を制御する手法(グラフォエピタキシー)を用いてもよい。
本発明において、前記工程(当該相分離構造形成用樹脂組成物層を相分離させる工程)の後、前記相分離構造形成用樹脂組成物層のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックのうちの少なくとも一種類のブロックからなる相を選択的に除去することにより、パターンを形成してもよい。
具体的には、相分離構造を形成させた後の基板上の相分離構造形成用樹脂組成物層のうち、PBブロックからなる相中のブロックの少なくとも一部(図1における相3a)を選択的に除去(低分子量化)することにより、パターンを形成する方法が挙げられる。予めPBブロックの一部を選択的に除去することにより、現像液に対する溶解性を高められる結果、PBブロックからなる相がPAブロックからなる相よりも選択的に除去しやすくなる。
PS−PMMAのブロックコポリマー1と、ブレンドポリマー1とを溶剤(PGMEA)に溶解し、相分離構造形成用樹脂組成物溶液を調製した。
<ブロックコポリマー1>
ポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)とのブロックコポリマー。
Mn:122000
PS/PMMA組成比(質量比) 64.3/35.7
分散度:1.02
周期(L0):50.5nm
相分離構造:シリンダー
以下、「BCP1」と記載することがある。
<ブレンドポリマー1>
Homo−ポリスチレンと、Homo−メタクリル酸メチルとのブレンドポリマー。
スチレン/メタクリル酸メチル=64.3/35.7のブレンドポリマー
以下、「BP1」と記載することがある。
添加したホモポリマーの分子量(Homo−ポリスチレン(以下、「Homo−PS」と記載する。)及びHomo−メタクリル酸メチル(以下、「Homo−PMMA」と記載する。)の各分子量)は以下の通りである。
実施例1:分子量2000
実施例2:分子量5000
実施例3:分子量10000
同様に、実施例2について表2に、実施例3について表3に混合比等を記載する。
次いで、中性化膜の基板密着部以外の部分を溶剤(PGMEA)で除去し、中性化膜からなる層上に各相分離構造形成用樹脂組成物(実施例1〜3)のPGMEA溶液(2質量%)をそれぞれスピンコート(回転数1500rpm、60秒)した。
相分離構造形成用樹脂組成物層の塗布膜厚は、30nm、50nm、70nmとした。
相分離構造形成用樹脂組成物層を90℃で60秒間ソフトベークし、相分離構造形成用樹脂組成物が塗布された基板を、窒素気流下、210℃又は230℃で300秒間加熱させてアニールすることにより、相分離構造を形成させた。その後、ブロックの選択的除去処理を行い、ホールパターンを形成した。形成されたホールパターンを画像解析し、開口率を求めた。開口率は、良好な円形ホールが形成された割合を開口率とした。以下の表中、開口率が80%以上のものを◎、50%以上のものを○、50%未満のものを△とした。
実施例1〜3の相分離構造形成用樹脂組成物をそれぞれ用いた場合の結果を表4〜6に記載する。
PS−PMMAのブロックコポリマー2と、ブレンドポリマー2とを溶剤(PGMEA)に溶解し、相分離構造形成用樹脂組成物溶液を調製した。
<ブロックコポリマー2>
ポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)とのブロックコポリマー。
Mn:122000
PS/PMMA組成比(質量比) 69.1/30.9
分散度:1.02
周期(L0):62.1nm
相分離構造:シリンダー
以下、「BCP2」と記載することがある。
<ブレンドポリマー2>
Homo−ポリスチレンと、Homo−メタクリル酸メチルとのブレンドポリマー。
スチレン/メタクリル酸メチル=69.1/30.9のブレンドポリマー
以下、「BP2」と記載することがある。
添加したホモポリマーの分子量(Homo−ポリスチレン(以下、「Homo−PS」と記載する。)及びHomo−メタクリル酸メチル(以下、「Homo−PMMA」と記載する。)の各分子量)は以下の通りである。
実施例4:分子量2000
実施例5:分子量5000
実施例6:分子量10000
同様に、実施例5について表8に、実施例6について表9に混合比等を記載する。
次いで、中性化膜の基板密着部以外の部分を溶剤(PGMEA)で除去し、中性化膜からなる層上に相分離構造形成用樹脂組成物(実施例4〜6)のPGMEA溶液(2質量%)をそれぞれスピンコート(回転数1500rpm、60秒)した。
相分離構造形成用樹脂組成物層の塗布膜厚は、30nm、50nm、70nmとした。
相分離構造形成用樹脂組成物層を90℃で60秒間ソフトベークし、相分離構造形成用樹脂組成物が塗布された基板を、窒素気流下、210℃又は230℃で300秒間加熱させてアニールすることにより、相分離構造を形成させた。その後、ブロックの選択的除去処理を行い、ホールパターンを形成した。形成されたホールパターンを画像解析し、開口率を求めた。開口率は、良好な円形ホールが形成された割合を開口率とした。以下の表中、開口率が80%以上のものを◎、50%以上のものを○、50%未満のものを△とした。
実施例4〜6の相分離構造形成用樹脂組成物をそれぞれ用いた場合の結果を表10〜12に記載する。
PS−PMMAのブロックコポリマー3と、ブレンドポリマー3とを溶剤(PGMEA)に溶解し、相分離構造形成用樹脂組成物溶液を調製した。
<ブロックコポリマー3>
ポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)とのブロックコポリマー。
Mn:200000
PS/PMMA組成比(質量比) 69.1/30.9
分散度:1.02
周期(L0):54nm
相分離構造:シリンダー
以下、「BCP3」と記載することがある。
<ブレンドポリマー3>
Homo−ポリスチレンと、Homo−メタクリル酸メチルとのブレンドポリマー。
スチレン/メタクリル酸メチル=69.1/30.9のブレンドポリマー
以下、「BP3」と記載することがある。
添加したホモポリマーの分子量(Homo−ポリスチレン(以下、「Homo−PS」と記載する。)及びHomo−メタクリル酸メチル(以下、「Homo−PMMA」と記載する。)の各分子量)は2000とした。
実施例7について、前記BCP3と前記BP3とを表13に示す各混合比(質量部)で混合した。
[パターン寸法の面内均一性(CDU)の評価]
ホールパターン中の100個のホールを、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧300V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により、CHパターン上空から観察し、各ホールのホール直径(nm)を測定し、「CD(nm)」とした。そして、その測定結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を求めた。その結果を「CDU(nm)」として表13に示す。
このようにして求められる3σは、その値が小さいほど、該レジスト膜に形成された複数のホールの寸法(CD)均一性が高いことを意味する。
また、ホールパターンを構成する複数のガイドホールのうち、良好な円形ホール(○)が形成されたガイドホールの割合をホール開口率として求めた。その結果を表13に併記する。
ブロックコポリマー4と、Homo−PMMAと、を溶剤(PGMEA)に溶解し、相分離構造形成用樹脂組成物溶液を調製した。
<ブロックコポリマー4>
ポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)とのブロックコポリマー。
Mn:200000
PS/PMMA組成比(質量比) 69.1/30.9
分散度:1.02
周期(L0):49nm
相分離構造:シリンダー
以下、「BCP4」と記載することがある。
<Homo−PMMA>
ポリメタクリル酸メチルのホモポリマー
分子量:10000
ブロックコポリマー4と、Homo−PSと、を溶剤(PGMEA)に溶解し、相分離構造形成用樹脂組成物溶液を調製した。
<ブロックコポリマー4>
ポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)とのブロックコポリマー。
Mn:200000
PS/PMMA組成比(質量比) 69.1/30.9
分散度:1.02
周期(L0):49nm
相分離構造:シリンダー
以下、「BCP3」と記載することがある。
<Homo−PS>
ポリスチレンのホモポリマー
分子量:10000
ブロックコポリマー4と、PMMAのHomo−PMMA2と、を溶剤(PGMEA)に溶解し、相分離構造形成用樹脂組成物溶液を調製した。
<ブロックコポリマー4>
ポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)とのブロックコポリマー。
Mn:200000
PS/PMMA組成比(質量比) 69.1/30.9
分散度:1.02
周期(L0):49nm
相分離構造:シリンダー
以下、「BCP4」と記載することがある。
<Homo−PMMA2>
ポリメタクリル酸メチルのホモポリマー
分子量:20000
ブロックコポリマー5と、ブレンドポリマー5とを溶剤(PGMEA)に溶解し、相分離構造形成用樹脂組成物溶液を調製した。
<ブロックコポリマー5>
ポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)とのブロックコポリマー。
Mn:200000
PS/PMMA組成比(質量比) 66/34
分散度:1.02
周期(L0):54nm
相分離構造:シリンダー
以下、「BCP5」と記載することがある。
<ブレンドポリマー5>
Homo−ポリスチレンと、Homo−メタクリル酸メチルとのブレンドポリマー。
混合比:スチレン/メタクリル酸メチル=66/34
以下、「BP5」と記載することがある。
添加したホモポリマーの分子量(Homo−ポリスチレン(以下、「Homo−PS」と記載する。)及びHomo−メタクリル酸メチル(以下、「Homo−PMMA」と記載する。)の各分子量)は2000とした。
実施例8について、ブレンドポリマー5を表17に示す各混合比で混合した。
[パターン寸法の面内均一性(CDU)の評価]
ホールパターン中の100個のホールを、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧300V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により、CHパターン上空から観察し、各ホールのホール直径(nm)を測定し、「CD(nm)」とした。そして、その測定結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を求めた。その結果を「CDU(nm)」として表17に示す。
このようにして求められる3σは、その値が小さいほど、該レジスト膜に形成された複数のホールの寸法(CD)均一性が高いことを意味する。
また、「CDU/CD」も併記する。
ブロックコポリマー6と、ブレンドポリマー6とを溶剤(PGMEA)に溶解し、相分離構造形成用樹脂組成物溶液を調製した。
<ブロックコポリマー6>
ポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)とのブロックコポリマー。
Mn:200000
PS/PMMA組成比(質量比) 67/33
分散度:1.02
周期(L0):51nm
相分離構造:シリンダー
以下、「BCP6」と記載することがある。
<ブレンドポリマー6>
Homo−ポリスチレンと、Homo−メタクリル酸メチルとのブレンドポリマー。
スチレン/メタクリル酸メチル=67/33のブレンドポリマー
以下、「BP6」と記載することがある。
添加したホモポリマーの分子量(Homo−ポリスチレン(以下、「Homo−PS」と記載する。)及びHomo−メタクリル酸メチル(以下、「Homo−PMMA」と記載する。)の各分子量)は2000とした。
実施例9について、ブレンドポリマー6を表18に示す各混合比で混合した。
[パターン寸法の面内均一性(CDU)の評価]
ホールパターン中の100個のホールを、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧300V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により、CHパターン上空から観察し、各ホールのホール直径(nm)を測定し、「CD(nm)」とした。そして、その測定結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を求めた。その結果を「CDU(nm)」として表18に示す。
このようにして求められる3σは、その値が小さいほど、該レジスト膜に形成された複数のホールの寸法(CD)均一性が高いことを意味する。
また、「CDU/CD」も併記する。
ブロックコポリマー7と、ブレンドポリマー7とを溶剤(PGMEA)に溶解し、相分離構造形成用樹脂組成物溶液を調製した。
<ブロックコポリマー7>
ポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)とのブロックコポリマー。
Mn:200000
PS/PMMA組成比(質量比) 67/33
分散度:1.02
周期(L0):48nm
相分離構造:シリンダー
以下、「BCP7」と記載することがある。
<ブレンドポリマー7>
Homo−ポリスチレンと、Homo−メタクリル酸メチルとのブレンドポリマー。
スチレン/メタクリル酸メチル=67/33のブレンドポリマー
以下、「BP7」と記載することがある。
添加したホモポリマーの分子量(Homo−ポリスチレン(以下、「Homo−PS」と記載する。)及びHomo−メタクリル酸メチル(以下、「Homo−PMMA」と記載する。)の各分子量)は2000とした。
実施例10について、ブレンドポリマー7を表19に示す各混合比で混合した。
[パターン寸法の面内均一性(CDU)の評価]
ホールパターン中の100個のホールを、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧300V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により、CHパターン上空から観察し、各ホールのホール直径(nm)を測定し、「CD(nm)」とした。そして、その測定結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を求めた。その結果を「CDU(nm)」として表19に示す。
このようにして求められる3σは、その値が小さいほど、該レジスト膜に形成された複数のホールの寸法(CD)均一性が高いことを意味する。
また、「CDU/CD」も併記する。
ブロックコポリマー8と、ブレンドポリマー8とを溶剤(PGMEA)に溶解し、相分離構造形成用樹脂組成物溶液を調製した。
<ブロックコポリマー8>
ポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)とのブロックコポリマー。
Mn:200000
PS/PMMA組成比(質量比) 68.3/31.7
分散度:1.02
周期(L0):44nm
相分離構造:シリンダー
以下、「BCP8」と記載することがある。
<ブレンドポリマー8>
Homo−ポリスチレンと、Homo−メタクリル酸メチルとのブレンドポリマー。
スチレン/メタクリル酸メチル=68.3/31.7のブレンドポリマー
以下、「BP8」と記載することがある。
添加したホモポリマーの分子量(Homo−ポリスチレン(以下、「Homo−PS」と記載する。)及びHomo−メタクリル酸メチル(以下、「Homo−PMMA」と記載する。)の各分子量)は2000とした。
実施例11について、ブレンドポリマー8を表20に示す各混合比で混合した。
[パターン寸法の面内均一性(CDU)の評価]
ホールパターン中の100個のホールを、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧300V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により、CHパターン上空から観察し、各ホールのホール直径(nm)を測定し、「CD(nm)」とした。そして、その測定結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を求めた。その結果を「CDU(nm)」として表20に示す。
このようにして求められる3σは、その値が小さいほど、該レジスト膜に形成された複数のホールの寸法(CD)均一性が高いことを意味する。
また、「CDU/CD」も併記する。
ブロックコポリマー9と、ブレンドポリマー9とを溶剤(PGMEA)に溶解し、相分離構造形成用樹脂組成物溶液を調製した。
<ブロックコポリマー9>
ポリスチレン(PS)とポリメタクリル酸メチル(PMMA)とのブロックコポリマー。
Mn:200000
PS/PMMA組成比(質量比) 67.4/32.6
分散度:1.02
周期(L0):40nm
相分離構造:シリンダー
以下、「BCP9」と記載することがある。
<ブレンドポリマー9>
Homo−ポリスチレンと、Homo−メタクリル酸メチルとのブレンドポリマー。
スチレン/メタクリル酸メチル=67.4/32.6のブレンドポリマー
以下、「BP9」と記載することがある。
添加したホモポリマーの分子量(Homo−ポリスチレン(以下、「Homo−PS」と記載する。)及びHomo−メタクリル酸メチル(以下、「Homo−PMMA」と記載する。)の各分子量)は2000とした。
実施例12について、ブレンドポリマー9を表21に示す各混合比で混合した。
[パターン寸法の面内均一性(CDU)の評価]
ホールパターン中の100個のホールを、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧300V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により、CHパターン上空から観察し、各ホールのホール直径(nm)を測定し、「CD(nm)」とした。そして、その測定結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を求めた。その結果を「CDU(nm)」として表21に示す。
このようにして求められる3σは、その値が小さいほど、該レジスト膜に形成された複数のホールの寸法(CD)均一性が高いことを意味する。
また、「CDU/CD」も併記する。
2 ・・・ 中性化膜
3 ・・・ 相分離構造形成用樹脂組成物層
3a ・・・ PBブロックからなる相
3b ・・・ PAブロックからなる相
Claims (7)
- ブロックコポリマーと、
該ブロックコポリマー中の第1のブロックと相溶可能な第1のホモポリマーと、
該ブロックコポリマー中の第2のブロックと相溶可能な第2のホモポリマーと、
の3成分を含む樹脂成分を含有する相分離構造形成用樹脂組成物であって、
前記樹脂成分における、前記第1のホモポリマーと、前記第2のホモポリマーの組成比が、前記ブロックコポリマー中の前記第1のブロックと、前記第2のブロックとの組成比と実質的に同じであることを特徴とする相分離構造形成用樹脂組成物。 - ブロックコポリマーと、
該ブロックコポリマー中の第1のブロックと相溶可能な第1のホモポリマーと、
該ブロックコポリマー中の第2のブロックと相溶可能な第2のホモポリマーと、
の3成分を含む樹脂成分を含有する相分離構造形成用樹脂組成物であって、
前記ブロックコポリマー中の前記第1のブロックを構成するポリマーがX質量%、前記第2のブロックを構成するポリマーがY質量%であるとき、
前記ブロックコポリマー100質量部に対して、前記第1のホモポリマーをX±10質量部、前記第2のホモポリマーをY±10質量部混合されていることを特徴とする相分離構造形成用樹脂組成物。 - 前記樹脂成分中、前記第1のホモポリマーと、前記第2のホモポリマーとのブレンドポリマーが、30質量部以上60質量部以下混合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の相分離構造形成用樹脂組成物。
- 前記第1のホモポリマーが、ブロックコポリマー中の第1のブロックを構成するホモポリマーと同一のホモポリマーであり、
前記第2のホモポリマーが、ブロックコポリマー中の第2のブロックを構成するホモポリマーと同一のホモポリマーである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の相分離構造形成用樹脂組成物。 - 前記第1及び/又は第2のホモポリマーの分子量が、10000未満である請求項1〜4のいずれか1項に記載の相分離構造形成用樹脂組成物。
- 前記ブロックコポリマー100質量部に対し、第1及び第2のホモポリマーの全量が40質量部以上250質量部未満である請求項1〜5のいずれか1項に記載の相分離構造形成用樹脂組成物。
- 前記ブロックコポリマーが、ポリスチレン−ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーである請求項1〜6のいずれか1項に記載の相分離構造形成用樹脂組成物。
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