JP2023046219A - 相分離構造形成用樹脂組成物、及び、相分離構造を含む構造体の製造方法 - Google Patents

相分離構造形成用樹脂組成物、及び、相分離構造を含む構造体の製造方法 Download PDF

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尚宏 太宰
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Abstract

【課題】プロセスマージンが向上しつつ、ディフェクト発生を抑制することができる相分離構造形成用樹脂組成物の提供。【解決手段】第1aブロックと第1bブロックとを有する第1ブロックコポリマーと、第2aブロックと第2bブロックとを有する第2ブロックコポリマーと、第1aブロック及び第2aブロックと相溶可能なホモポリマーAと、第1bブロック及び第2bブロックと相溶可能なホモポリマーBとを含有し、第1aブロック及び第2aブロックを構成する構成単位は同一であり、第1bブロック及び第2bブロックを構成する構成単位は同一であり、第2ブロックコポリマーは、第1ブロックコポリマーよりも数平均分子量が大きい、相分離構造形成用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、相分離構造形成用樹脂組成物、及び、相分離構造を含む構造体の製造方法に関する。
近年、大規模集積回路(LSI)のさらなる微細化に伴い、より繊細な構造体を加工する技術が求められている。
このような要望に対し、互いに非相溶性のブロック同士が結合したブロックコポリマーの自己組織化により形成される相分離構造を利用して、より微細なパターンを形成する技術の開発が行われている(例えば、特許文献1参照)。
該ブロックコポリマーは、互いに非相溶性のブロック同士の反発によりミクロな領域で分離(相分離)し、熱処理等を行うことで、規則的な周期構造の構造体を形成する。この周期構造として、具体的には、シリンダー(柱状)、ラメラ(板状)、スフィア(球状)等が挙げられる。
ブロックコポリマーの相分離構造を利用するためには、ミクロ相分離により形成される自己組織化ナノ構造を、特定の領域のみに形成し、かつ、所望の方向へ配列させることが必須とされる。これらの位置制御及び配向制御を実現するために、ガイドパターンによって相分離パターンを制御するグラフォエピタキシーや、基板の化学状態の違いによって相分離パターンを制御するケミカルエピタキシー等のプロセスが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
このようなブロックコポリマーを含有する樹脂組成物として、例えば、特許文献2には、ブロックコポリマーと、該ブロックコポリマー中の第1のブロックと相溶可能な第1のホモポリマーと、該ブロックコポリマー中の第2のブロックと相溶可能な第2のホモポリマーと、の3成分を含む樹脂成分を含有する相分離構造形成用樹脂組成物であって、前記樹脂成分における、前記第1のホモポリマーと、前記第2のホモポリマーとの組成比が、前記ブロックコポリマー中の前記第1のブロックと、前記第2のブロックとの組成比と実質的に同じであることを特徴とする、相分離構造形成用樹脂組成物が開示されている。
特開2008-36491号公報 特開2016-065215号公報
プロシーディングスオブエスピーアイイー(Proceedings of SPIE),第7637巻,第76370G-1(2010年).
相分離構造を含む構造体の微細化がますます進むなか、例えば、ガイドパターンによって相分離パターンを制御する場合、ガイドパターンの数nm程度の寸法のばらつきであっても、相分離パターンの位置制御及び配向制御が適切に行えないことがある。
したがって、相分離構造を含む構造体の製造において、プロセスマージンの向上が求められる。
特許文献2に記載の相分離構造形成用樹脂組成物は、ブロックコポリマーの他に、特定の複数のホモポリマーを含有するため、比較的プロセスマージンが大きい。
しかしながら、特許文献2に記載の相分離構造形成用樹脂組成物においては、プロセスマージンは向上するものの、ディフェクト(表面欠陥)が発生しやすくなるという課題がある。このように、プロセスマージン向上と、ディフェクト発生の抑制とはトレードオフの関係であり、それらを両立することは困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、プロセスマージンが向上しつつ、ディフェクト発生を抑制することができる相分離構造形成用樹脂組成物、及び当該相分離構造形成用樹脂組成物を用いて製造する相分離構造を含む構造体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の第1の態様は、第1aブロックと第1bブロックとを有する第1ブロックコポリマーと、第2aブロックと第2bブロックとを有する第2ブロックコポリマーと、前記第1aブロック及び前記第2aブロックと相溶可能なホモポリマーAと、前記第1bブロック及び前記第2bブロックと相溶可能なホモポリマーBとを含有し、前記第1aブロック及び前記第2aブロックを構成する構成単位は同一であり、前記第1bブロック及び前記第2bブロックを構成する構成単位は同一であり、前記第2ブロックコポリマーは、前記第1ブロックコポリマーよりも数平均分子量が大きい、相分離構造形成用樹脂組成物である。
本発明の第2の態様は、支持体上に、第1の態様に係る相分離構造形成用樹脂組成物を塗布して、相分離構造形成用樹脂組成物を含む層を形成する工程と、前記相分離構造形成用樹脂組成物を含む層を相分離させる工程とを有する、相分離構造を含む構造体の製造方法である。
本発明によれば、プロセスマージンが向上しつつ、ディフェクト発生を抑制することができる相分離構造形成用樹脂組成物、及び当該相分離構造形成用樹脂組成物を用いて製造する相分離構造を含む構造体の製造方法を提供することができる。
相分離構造を含む構造体の製造方法の一実施形態例を説明する概略工程図である。 任意工程の一実施形態例を説明する図である。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」又は「フッ素化アルキレン基」は、アルキル基又はアルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基をいう。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「誘導される構成単位」とは、エチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「置換基を有していてもよい」と記載する場合、水素原子(-H)を1価の基で置換する場合と、メチレン基(-CH-)を2価の基で置換する場合との両方を含む。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「α位(α位の炭素原子)」とは、特に断りがない限り、ブロックコポリマーの側鎖が結合している炭素原子を意味する。メタクリル酸メチル単位の「α位の炭素原子」は、メタクリル酸のカルボニル基が結合している炭素原子を意味する。スチレン単位の「α位の炭素原子」は、ベンゼン環が結合している炭素原子のことを意味する。
「数平均分子量」(Mn)は、特に断りがない限り、サイズ排除クロマトグラフィーにより測定される標準ポリスチレン換算の数平均分子量である。
「重量平均分子量」(Mw)は、特に断りがない限り、サイズ排除クロマトグラフィーにより測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。Mn又はMwの値に、単位(gmol)を付したものはモル質量を表す。
本明細書及び本特許請求の範囲において、化学式で表される構造によっては不斉炭素が存在し、エナンチオ異性体(enantiomer)やジアステレオ異性体(diastereomer)が存在し得るものがあるが、その場合は一つの式でそれら異性体を代表して表す。それらの異性体は単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
本明細書において、「構造体の周期」とは、相分離構造の構造体が形成された際に観察される相構造の周期を意味し、互いに非相溶である各相の長さの和をいう。相分離構造が基板表面に対して垂直なシリンダー構造を形成する場合、構造体の周期(L0)は、隣接する2つのシリンダー構造の中心間距離(ピッチ)となる。
構造体の周期(L0)は、重合度N、及び、フローリー-ハギンズ(Flory-Huggins)の相互作用パラメータχなどの固有重合特性によって決まることが知られている。すなわち、χとNとの積「χ・N」が大きくなるほど、ブロックコポリマーにおける異なるブロック間の相互反発は大きくなる。このため、χ・N>10.5(以下「強度分離限界点」という)のときには、ブロックコポリマーにおける異種類のブロック間の反発が大きく、相分離が起こる傾向が強くなる。そして、強度分離限界点においては、構造体の周期はおよそN2/3・χ1/6となり、下式(cy)の関係が成り立つ。つまり、構造体の周期は、分子量と、異なるブロック間の分子量比と、に相関する重合度Nに比例する。
L0 ∝ a・N2/3・χ1/6 ・・・(cy)
[式中、L0は、構造体の周期を表す。aは、モノマーの大きさを示すパラメータである。Nは、重合度を表す。χは、相互作用パラメータであり、この値が大きいほど、相分離性能が高いことを意味する。]
したがって、ブロックコポリマーの組成及び総分子量を調整することによって、構造体の周期(L0)を調節することができる。
(相分離構造形成用樹脂組成物)
本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物は、第1aブロックと第1bブロックとを有する第1ブロックコポリマーと、第2aブロックと第2bブロックとを有する第2ブロックコポリマーと、前記第1aブロック及び前記第2aブロックと相溶可能なホモポリマーAと、前記第1bブロック及び前記第2bブロックと相溶可能なホモポリマーBとを含有し、前記第1aブロック及び前記第2aブロックを構成する構成単位は同一であり、前記第1bブロック及び前記第2bブロックを構成する構成単位は同一であり、前記第2ブロックコポリマーは、前記第1ブロックコポリマーよりも数平均分子量が大きい、相分離構造形成用樹脂組成物である。
<第1ブロックコポリマー>
第1ブロックコポリマーは、複数種類のブロック(同種の構成単位が繰り返し結合した部分構成成分)が結合した高分子化合物である。
第1ブロックコポリマーは、少なくとも第1aブロックと第1bブロックとを有し、第1aブロック及び第1bブロック以外のブロックを有してもよい。
第1aブロック及び第1bブロックは、相分離が起こる組み合わせであれば特に限定されるものではないが、互いに非相溶であるブロック同士の組み合わせであることが好ましい。
また、第1ブロックコポリマーを含む層を形成した際に、第1aブロック又は第1bブロックからなる層が、他のブロックからなる層よりも、容易に選択的に除去可能な組み合わせであることが好ましい。
第1ブロックコポリマーとしては、例えば、芳香族炭化水素基を有する構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;芳香族炭化水素基を有する構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;芳香族炭化水素基を有する構成単位のブロックと、シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;アルキレンオキシドから誘導される構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;アルキレンオキシドから誘導される構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;かご型シルセスキオキサン構造含有構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;かご型シルセスキオキサン構造含有構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー;かご型シルセスキオキサン構造含有構成単位のブロックと、シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロックと、を結合させたブロックコポリマー等が挙げられる。
≪芳香族炭化水素基を有する構成単位≫
芳香族炭化水素基を有する構成単位における芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環であってもよい。
芳香族炭化水素基を有する構成単位における芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基を有する構成単位としては、上記の中でも、スチレン、スチレン誘導体、1-ビニルナフタレン、4-ビニルビフェニル、1-ビニル-2-ピロリドン、9-ビニルアントラセン、又は、ビニルピリジンから誘導される構成単位であることが好ましく、スチレン又はスチレン誘導体から誘導される構成単位であることがより好ましい。
スチレン又はスチレン誘導体として、具体的には、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、4-n-オクチルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン、4-メトキシスチレン、4-t-ブトキシスチレン、4-ヒドロキシスチレン、4-ニトロスチレン、3-ニトロスチレン、4-クロロスチレン、4-フルオロスチレン、4-アセトキシビニルスチレン、4-クロロメチルスチレン等が挙げられる。
≪(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位≫
本明細書において、「(α置換)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステル、及び、アクリル酸エステルにおけるα位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されているものを含むものである。
(α置換)アクリル酸エステルとしては、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸アントラセン、アクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメタン、アクリル酸プロピルトリメトキシシラン等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸アントラセン、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメタン、メタクリル酸プロピルトリメトキシシラン等のメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
(α置換)アクリル酸エステルとしては、上記の中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸t-ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t-ブチルが好ましく、メタクリル酸メチルがより好ましい。
≪(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位≫
本明細書において、「(α置換)アクリル酸」とは、アクリル酸、及び、アクリル酸におけるα位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されているものを含むものである。
(α置換)アクリル酸として、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
≪シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位から誘導される構成単位≫
シロキサン又はその誘導体として、具体的には、ジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、ジフェニルシロキサン、メチルフェニルシロキサン等が挙げられる。
≪アルキレンオキシドから誘導される構成単位から誘導される構成単位≫
アルキレンオキシドとして、具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソプロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
≪かご型シルセスキオキサン構造含有構成単位から誘導される構成単位≫
かご型シルセスキオキサン(POSS)構造含有構成単位としては、下記一般式(a0-1)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2023046219000001
[式中、Rは水素原子、炭素数1~5のアルキル基又は炭素数1~5のハロゲン化アルキル基を表す。Vは置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。Rは置換基を有していてもよい1価の炭化水素基を表し、複数のRはそれぞれ同じであってもよく異なっていてもよい。*は結合手を示す。]
前記式(a0-1)中、Rの炭素数1~5のアルキル基は、炭素数1~5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。炭素数1~5のハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1~5のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1~5のアルキル基又は炭素数1~5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
前記式(a0-1)中、Rにおける1価の炭化水素基は、炭素数1~20が好ましく、より好ましくは1~10であり、さらに好ましくは1~8である。ただし、該炭素数には、後述の置換基における炭素数を含まないものとする。
における1価の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよく、なかでも脂肪族炭化水素基であることが好ましく、1価の脂肪族飽和炭化水素基(アルキル基)であることがより好ましい。
前記アルキル基として、より具体的には、鎖状の脂肪族炭化水素基(直鎖状または分岐鎖状のアルキル基)、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状のアルキル基は、炭素数が1~8が好ましく、1~5がより好ましく、1~3がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n-プロピル基が好ましく、メチル基、エチル基又はイソブチル基がより好ましく、エチル基又はイソブチル基がさらに好ましく、エチル基が特に好ましい。
分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3~5が好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基又はtert-ブチル基であることが最も好ましい。
構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか、又は該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3~8であることが好ましく、4~6であることがより好ましく、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3~6のモノシクロアルカンから1つ以上の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式基としては、炭素数7~12のポリシクロアルカンから1つ以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1~5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、炭素数1~5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1~5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
における1価の炭化水素基が芳香族炭化水素基となる場合、該芳香族炭化水素基としては、芳香環を少なくとも1つ有する1価の炭化水素基である。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5~30であることが好ましく、5~20がより好ましく、6~15がさらに好ましく、6~12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、後述の置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-ナフチルエチル基、2-ナフチルエチル基等のアリールアルキル基)等が挙げられる。
前記アリール基又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1~4であることが好ましく、1~2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1~5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1~5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記式(a0-1)中、Vにおける2価の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
における2価の炭化水素基としての脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、又は構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1~10であることが好ましく、1~6がより好ましく、1~4がさらに好ましく、1~3が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[-CH-]、エチレン基[-(CH-]、トリメチレン基[-(CH-]、テトラメチレン基[-(CH-]、ペンタメチレン基[-(CH-]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、-CH(CH)-、-CH(CHCH)-、-C(CH-、-C(CH)(CHCH)-、-C(CH)(CHCHCH)-、-C(CHCH-等のアルキルメチレン基;-CH(CH)CH-、-CH(CH)CH(CH)-、-C(CHCH-、-CH(CHCH)CH-、-C(CHCH-CH-等のアルキルエチレン基;-CH(CH)CHCH-、-CHCH(CH)CH-等のアルキルトリメチレン基;-CH(CH)CHCHCH-、-CHCH(CH)CHCH-等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1~5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、脂環式炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、炭素数が3~20であることが好ましく、3~12であることがより好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3~6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7~12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5~30であることが好ましく、5~20がより好ましく、6~15がさらに好ましく、6~12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、後述の置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-ナフチルエチル基、2-ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。
前記アリール基又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1~4であることが好ましく、1~2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
以下に、前記式(a0-1)で表される構成単位の具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2023046219000002
第1ブロックコポリマーとして、より具体的には、スチレンから誘導される構成単位のブロックとアクリル酸から誘導される構成単位のブロックとを有するブロックコポリマー;スチレンから誘導される構成単位のブロックとアクリル酸メチルから誘導される構成単位のブロックとを有するブロックコポリマー;スチレンから誘導される構成単位のブロックとアクリル酸エチルから誘導される構成単位のブロックとを有するブロックコポリマー;スチレンから誘導される構成単位のブロックとアクリル酸t-ブチルから誘導される構成単位のブロックとを有するブロックコポリマー;スチレンから誘導される構成単位のブロックとメタクリル酸から誘導される構成単位のブロックとを有するブロックコポリマー;スチレンから誘導される構成単位のブロックとメタクリル酸メチルから誘導される構成単位のブロックとを有するブロックコポリマー;スチレンから誘導される構成単位のブロックとメタクリル酸エチルから誘導される構成単位のブロックとを有するブロックコポリマー;スチレンから誘導される構成単位のブロックとメタクリル酸t-ブチルから誘導される構成単位のブロックとを有するブロックコポリマー;かご型シルセスキオキサン(POSS)構造含有構成単位のブロックとアクリル酸から誘導される構成単位のブロックとを有するブロックコポリマー;かご型シルセスキオキサン(POSS)構造含有構成単位のブロックとアクリル酸メチルから誘導される構成単位のブロックとを有するブロックコポリマー等が挙げられる。
第1ブロックコポリマーとしては、上記の中でも、芳香族炭化水素基を有する構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸又は(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックとを含むことが好ましく、芳香族炭化水素基を有する構成単位のブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックとを含むことがより好ましく、スチレンから誘導される構成単位のブロックと、メタクリル酸メチルから誘導される構成単位のブロックとを含むことがさらに好ましい。
すなわち、第1ブロックコポリマーにおける第1aブロックが、芳香族炭化水素基を有する構成単位のブロックであり、第1bブロックが、(α置換)アクリル酸又は(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックであることが好ましく、第1aブロックが、芳香族炭化水素基を有する構成単位のブロックであり、第1bブロックが、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックであることがより好ましく、第1aブロックが、スチレンから誘導される構成単位のブロックであり、第1bブロックが、メタクリル酸メチルから誘導される構成単位のブロックであることがさらに好ましい。
より具体的には、第1ブロックコポリマーは、ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーであることが好ましい。
第1ブロックコポリマーが、芳香族炭化水素基を有する構成単位(u1)(以下、「構成単位(u1)」ともいう)と、(α置換)アクリル酸又は(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(u2)(以下、「構成単位(u2)」ともいう)とを含む場合、構成単位(u1)と構成単位(u2)との質量比(構成単位(u1)の含有量:構成単位(u2)の含有量)は、60:40~90:10であることが好ましく、60:40~80:20であることがより好ましい。
第1ブロックコポリマーにおける構成単位(u1)と構成単位(u2)との質量比が上記の好ましい範囲内であれば、本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物によって、支持体表面に対して垂直方向に配向したシリンダー形状の相分離構造体がより得られやすくなる。また、該構造体を形成する際のプロセスマージンがより向上し、かつ、ディフェクト発生をより抑制することができる。
第1ブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)は、30000~200000であることが好ましく、40000~180000であることがより好ましく、45000~150000であることがさらに好ましい。
第1ブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)が上記の好ましい範囲内であれば、プロセスマージンがより向上しやすくなり、また、ディフェクト発生をより抑制しやすくなる。
第1ブロックコポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.0~3.0が好ましく、1.0~1.5がより好ましく、1.0~1.3がさらに好ましい。なお、Mwは重量平均分子量である。
<第2ブロックコポリマー>
第2ブロックコポリマーは、第2aブロックと第2bブロックとを有するブロックコポリマーである。該第2aブロックを構成する構成単位は、上述した第1ブロックコポリマーにおける第1aブロックを構成する構成単位と同一である。該第2bブロックを構成する構成単位は、上述した第1ブロックコポリマーにおける第1bブロックを構成する構成単位と同一である。
すなわち、第2ブロックコポリマーにおける第2aブロックが、芳香族炭化水素基を有する構成単位のブロックであり、第2bブロックが、(α置換)アクリル酸又は(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックであることが好ましく、第2aブロックが、芳香族炭化水素基を有する構成単位のブロックであり、第2bブロックが、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位のブロックであることがより好ましく、第2aブロックが、スチレンから誘導される構成単位のブロックであり、第2bブロックが、メタクリル酸メチルから誘導される構成単位のブロックであることがさらに好ましい。
第2ブロックコポリマーが、芳香族炭化水素基を有する構成単位(u1)と、(α置換)アクリル酸又は(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(u2)とを含む場合、構成単位(u1)と構成単位(u2)との質量比(構成単位(u1)の含有量:構成単位(u2)の含有量)は、60:40~90:10であることが好ましく、60:40~80:20であることがより好ましい。
第2ブロックコポリマーにおける構成単位(u1)と構成単位(u2)との質量比が上記の好ましい範囲内であれば、本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物によって、支持体表面に対して垂直方向に配向したシリンダー形状の相分離構造体がより得られやすくなる。また、該構造体を形成する際のプロセスマージンがより向上し、かつ、ディフェクト発生をより抑制することができる。
第1ブロックコポリマーにおける第1aブロックを構成する構成単位及び第1bブロックを構成する構成単位の質量比と、第2ブロックコポリマーにおける第2aブロックを構成する構成単位及び第2bブロックを構成する構成単位の質量比とは、同一であっても、異なっていてもよいが、実質的に同一であることが好ましい。
本明細書において、実質的に同一とは、第1ブロックコポリマーにおける第1aブロックを構成する構成単位及び第1bブロックを構成する構成単位の質量比(1a:1b)がX1a:Y1b(X1a+Y1b=100)である場合、第2ブロックコポリマーにおける第2aブロックを構成する構成単位及び第2bブロックを構成する構成単位の質量比(2a:2b)がX1a±10:Y1b±10(X1a+Y1b=100)であることを意味する。
具体的には、第1ブロックコポリマーにおける第1aブロックを構成する構成単位及び第1bブロックを構成する構成単位の質量比が60:40である場合、第2ブロックコポリマーにおける第2aブロックを構成する構成単位及び第2bブロックを構成する構成単位の質量比は、50:50~70:30の範囲内であることが好ましい。
第1ブロックコポリマーと第2ブロックコポリマーとの質量比は、第1ブロックコポリマーの含有量:第2ブロックコポリマーの含有量が、99:1~1:99であることが好ましく、80:20~20:80であることがより好ましく、70:30~30:70であることがさらに好ましく、60:40~40:60であることが特に好ましい。
第1ブロックコポリマーと第2ブロックコポリマーとの質量比が上記の好ましい範囲内であれば、ディフェクトの発生をより抑制することができる。
第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーの総含有量は、本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物の固形分の全量100質量%に対して、40質量%以上が好ましく、40質量%以上99.5質量%以下がより好ましく、45質量%以上99質量%以下がさらに好ましく、50質量%以上90質量%以下が特に好ましい。
第2ブロックコポリマーは、上述した第1ブロックコポリマーよりも数平均分子量(Mn)が大きいものであり、第2ブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)は、30000~200000であることが好ましく、40000~180000であることがより好ましく、45000~150000であることがさらに好ましい。
第2ブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)が上記の好ましい範囲内であれば、プロセスマージンがより向上しやすくなり、また、ディフェクト発生をより抑制しやすくなる。
第1ブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)と第2ブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)との比(第2ブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)/第1ブロックコポリマーの数平均分子量(Mn))は、1超であり、1超1.1以下であることが好ましく、1.02以上1.1以下であることがより好ましく、1.04以上1.08以下であることがさらに好ましい。
第1ブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)と第2ブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)との比が、上記の好ましい範囲内であれば、ディフェクトの発生をより抑制することができる。
本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物は、ブロックコポリマーを3種以上含有してもよい。ブロックコポリマーを3種以上含有する場合、任意の1種が第1ブロックコポリマーとなり、それよりも数平均分子量(Mn)が大きい任意の1種が第2ブロックコポリマーとなる。
第2ブロックコポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.0~3.0が好ましく、1.0~1.5がより好ましく、1.0~1.3がさらに好ましい。
<ホモポリマーA>
ホモポリマーAは、上述した第1ブロックコポリマーにおける第1aブロック及び第2ブロックコポリマーにおける第2aブロックと相溶可能なホモポリマーである。
本明細書において、「第1aブロック及び第2aブロックと相溶可能なホモポリマー」とは、第1aブロック及び第2aブロックを構成する構成単位と同一の構成単位を有するホモポリマーであるか、又は、相溶性が大きく変化しない程度に第1aブロック及び第2aブロックを構成する構成単位の構造が変更された構成単位を有するホモポリマーであることを意味する。
相溶性が大きく変化しない程度に構造が変更された構成単位を有するホモポリマーAとしては、例えば、第1aブロック及び第2aブロックが、芳香族炭化水素基を有する構成単位(u1)のブロックである場合、該芳香族炭化水素基に、炭素原子数1~5のアルキル基が置換された構成単位を有するホモポリマー等が挙げられる。
より具体的には、第1aブロック及び第2aブロックが、スチレンから誘導される構成単位のブロックである場合、ホモポリマーAとしては、ポリスチレン、α-メチルスチレン等が挙げられる。
ホモポリマーAは、上記の中でも、第1aブロック及び第2aブロックを構成する構成単位と同一の構成単位を有するホモポリマーであることが好ましく、具体的には、ポリスチレンであることが好ましい。
ホモポリマーAの数平均分子量(Mn)は、1000以上30000未満であることが好ましく、1000以上15000以下であることがより好ましく、1500以上8000以下であることがさらに好ましく、2000以上5000以下であることが特に好ましい。
ホモポリマーAの数平均分子量(Mn)が上記の好ましい下限値以上であれば、プロセスマージンがより向上する。
一方で、ホモポリマーAの数平均分子量(Mn)が上記の好ましい上限値以下であれば、ディフェクトの発生をより抑制できる。
ホモポリマーAは、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
<ホモポリマーB>
ホモポリマーBは、上述した第1ブロックコポリマーにおける第1bブロック及び第2ブロックコポリマーにおける第2bブロックと相溶可能なホモポリマーである。
本明細書において、「第1bブロック及び第2bブロックと相溶可能なホモポリマー」とは、第1bブロック及び第2bブロックを構成する構成単位と同一の構成単位を有するホモポリマーであるか、又は、相溶性が大きく変化しない程度に第1bブロック及び第2bブロックを構成する構成単位の構造が変更された構成単位を有するホモポリマーであることを意味する。
相溶性が大きく変化しない程度に構造が変更された構成単位を有するホモポリマーBとしては、例えば、第1bブロック及び第2bブロックが、(α置換)アクリル酸又は(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(u2)のブロックである場合、該(α置換)アクリル酸又は(α置換)アクリル酸エステルとは異なる(α置換)アクリル酸又は(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有するホモポリマー等が挙げられる。
より具体的には、第1bブロック及び第2bブロックが、メタクリル酸メチルから誘導される構成単位のブロックである場合、ホモポリマーBとしては、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸t-ブチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸t-ブチル等が挙げられる。
ホモポリマーBは、上記の中でも、第1bブロック及び第2bブロックを構成する構成単位と同一の構成単位を有するホモポリマーであることが好ましく、具体的には、ポリメタクリル酸メチルであることが好ましい。
ホモポリマーBの数平均分子量(Mn)は、1000以上30000未満であることが好ましく、1000以上15000以下であることがより好ましく、1500以上8000以下であることがさらに好ましく、2000以上5000以下であることが特に好ましい。
ホモポリマーBの数平均分子量(Mn)が上記の好ましい下限値以上であれば、プロセスマージンがより向上する。
一方で、ホモポリマーBの数平均分子量(Mn)が上記の好ましい上限値以下であれば、ディフェクトの発生をより抑制できる。
ホモポリマーBは、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
ホモポリマーA及びBの総含有量は、上述した第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーの合計100質量部に対して、1質量部以上200質量部未満が好ましく、5質量部以上150質量部以下がより好ましく、10質量部以上100質量部以下がさらに好ましい。
第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーの合計量に対するホモポリマーA及びBの総含有量が、上記の好ましい下限値以上であれば、プロセスマージンがより向上する。
一方で、ホモポリマーA及びBの総含有量が、上記の好ましい上限値以下であれば、ディフェクトの発生をより抑制できる。
ホモポリマーA及びBの総含有量は、本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物の固形分の全量100質量%に対して、60質量%以下が好ましく、0.5質量%以上60質量%以下がより好ましく、1質量%以上55質量%以下がさらに好ましく、10質量%以上50質量%以下が特に好ましい。
相分離構造形成用樹脂組成物全量に対するホモポリマーA及びBの総含有量が、上記の好ましい下限値以上であれば、プロセスマージンがより向上する。
一方で、ホモポリマーA及びBの総含有量が、上記の好ましい上限値以下であれば、ディフェクトの発生をより抑制できる。
ホモポリマーAの含有量とホモポリマーBの含有量との質量比は、第1ブロックコポリマー中の第1aブロックと第1bブロックとの質量比と実質的に同じであることが好ましい。
ここで、実質的に同じとは、第1ブロックコポリマー中の第1aブロックと第1bブロックとの質量比(1a:1b)がXa:Ybである場合(Xa+Yb=100)、ホモポリマーAの含有量がXa±10質量部、ホモポリマーBの含有量がYb±10質量部(Xa+Yb=100)であることを意味する。
具体的には、第1ブロックコポリマー中の第1aブロックと第1bブロックとの質量比(1a:1b)が60:40である場合、第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーの合計100質量部に対して、ホモポリマーAの含有量が50~70質量部、ホモポリマーBの含有量が30~50質量部(ホモポリマーAの含有量+ホモポリマーBの含有量=100質量部)の範囲内であることが好ましい。
上述の通り、第1ブロックコポリマー中の第1aブロックと第1bブロックとの質量比(1a:1b)は、60:40~90:10であることが好ましく、60:40~80:20であることがより好ましいため、ホモポリマーAの含有量とホモポリマーBの含有量との質量比(ホモポリマーAの含有量:ホモポリマーBの含有量)は、該好ましい質量比と実質同一又は同一であることが好ましい。
上記の中でも、ホモポリマーAの含有量とホモポリマーBの含有量との質量比は、前記第1ブロックコポリマー中の第1aブロックと第1bブロックとの質量比と同一であることが好ましい。
第1ブロックコポリマーにおける第1aブロックを構成する構成単位及び第1bブロックを構成する構成単位の質量比(1a:1b)と、第2ブロックコポリマーにおける第2aブロックを構成する構成単位及び第2bブロックを構成する構成単位の質量比(2a:2b)とがそれぞれ異なる場合、ホモポリマーAの含有量とホモポリマーBの含有量との質量比は、第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーの含有割合に応じた、第1ブロックコポリマー中の第1aブロック及び第2ブロックコポリマー中の第2aブロックの平均値と、第1ブロックコポリマー中の第1bブロック及び第2ブロックコポリマー中の第2bブロックの平均値との比と同一であることが好ましい。
具体的には、第1ブロックコポリマーと第2ブロックコポリマーとの含有割合が50:50であり、第1ブロックコポリマーにおける第1aブロックを構成する構成単位及び第1bブロックを構成する構成単位の質量比を(1a:1b)、第2ブロックコポリマーにおける第2aブロックを構成する構成単位及び第2bブロックを構成する構成単位の質量比を(2a:2b)とした場合、ホモポリマーAの含有量とホモポリマーBの含有量との質量比(ホモポリマーAの含有量:ホモポリマーBの含有量)は、(1a+2a)/2:(1b+2b)/2であることが好ましい。
第1ブロックコポリマー中の第1aブロックと第1bブロックとの質量比は、NMR測定により算出した各ブロックの質量比に、第1aブロックを構成する構成単位を誘導するモノマーの分子量、及び、第1bブロックを構成する構成単位を誘導するモノマーの分子量をそれぞれ乗じて、全体を100%としたときの比率である。
例えば、第1ブロックコポリマーがポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーである場合、ポリスチレンブロックと、ポリメタクリル酸メチルブロックとの質量比は、NMR測定により算出したポリスチレンブロックと、ポリメタクリル酸メチルブロックとの質量比に、スチレンの分子量(104.15)及びメタクリル酸メチルの分子量(100.12)をそれぞれ乗じて、全体を100%とすることで算出することができる。
<有機溶剤成分>
本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物は、上述した第1ブロックコポリマー、第2ブロックコポリマー、ホモポリマーA、及び、ホモポリマーBを有機溶剤成分に溶解することにより調製できる。
有機溶剤成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、樹脂を主成分とする組成物の溶剤として公知のものの中から任意のものを用いることができる。
有機溶剤成分としては、例えば、γ-ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル-n-ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2-ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物;前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などが挙げられる。
有機溶剤成分は、単独で用いてもよいし、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶剤も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9~9:1、より好ましくは2:8~8:2の範囲内とすることが好ましい。
たとえば極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9~9:1、より好ましくは2:8~8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9~9:1、より好ましくは2:8~8:2、さらに好ましくは3:7~7:3である。また、極性溶剤としてPGMEおよびシクロヘキサノンを配合する場合は、PGMEA:(PGME+シクロヘキサノン)の質量比は、好ましくは1:9~9:1、より好ましくは2:8~8:2、さらに好ましくは3:7~7:3である。
また、相分離構造形成用樹脂組成物中の有機溶剤成分として、その他には、PGMEAもしくはEL、又は前記PGMEAと極性溶剤との混合溶剤と、γ-ブチロラクトンと、の混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者との質量比が好ましくは70:30~95:5とされる。
相分離構造形成用樹脂組成物に含まれる有機溶剤成分は、特に限定されるものではなく、塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定され、一般的には固形分濃度が0.2~70質量%、好ましくは0.2~50質量%の範囲内となるように用いられる。
<任意成分>
本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物は、上述した第1ブロックコポリマー、第2ブロックコポリマー、ホモポリマーA、及び、ホモポリマーB以外の任意成分を含有してもよい。
任意成分としては、他の樹脂、界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料、増感剤、塩基増殖剤、塩基性化合物等が挙げられる。
本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物の好ましい態様としては、第1ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーと、前記第1ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーよりも数平均分子量(Mn)が大きい第2ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーと、ポリスチレンと、ポリメタクリル酸メチルとを含有する相分離構造形成用樹脂組成物である。
加えて、該相分離構造形成用樹脂組成物において、第1ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマー、第2ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマー、ポリスチレン、及び、ポリメタクリル酸メチルの数平均分子量(Mn)・含有量・質量比がそれぞれ上述した好ましい範囲内であることが好ましい。
本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物のより好ましい態様としては、第1ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーと、前記第1ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーよりも数平均分子量(Mn)が大きい第2ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーと、ポリスチレンと、ポリメタクリル酸メチルとを含有する相分離構造形成用樹脂組成物であり、
第1ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマー及び第2ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)が、それぞれ98000~120000であり、
第1ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマー及び第2ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーにおける質量比(ポリスチレン:ポリメタクリル酸メチル)が、それぞれ70:30~72:28であり、
ポリスチレン及びポリメタクリル酸メチルの数平均分子量(Mn)が、それぞれ1000~3000であり、
ポリスチレン及びポリメタクリル酸メチルの総含有量が、第1ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマー及び第2ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーの総含有量100質量部に対して、15~55質量部である、相分離構造形成用樹脂組成物である。
該相分離構造形成用樹脂組成物は、プロセスマージンがより向上し、ディフェクト発生をより抑制することができる。
以上説明した本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物は、第1ブロックコポリマーの他に、第1ブロックコポリマーよりも数平均分子量(Mn)が大きい第2ブロックコポリマーと、ホモポリマーAと、ホモポリマーBとを含有する。
本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物は、第2ブロックコポリマーを含有することにより、該相分離構造形成用樹脂組成物により製造される構造体の周期に、ある程度幅をもたせることができる。これにより、ガイドパターンの寸法のばらつき等による影響が緩和され、プロセスマージンが向上する。
また、1種のブロックコポリマーと、特定の複数のホモポリマーを含有する従来の相分離構造形成用樹脂組成物においては、該ホモポリマーを含有することで、固有の構造周期の自由度が増すことで、プロセスマージンを向上させることはできたが、固有の構造周期の自由度が増すことで、ディフェクトが発生しやすいという課題があった。
一方で、本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物は、従来の相分離構造形成用樹脂組成物の構成に、さらに第2ブロックコポリマーを含有することにより、複数のホモポリマーを含有することによって生じるディフェクトの発生という課題を解決することができる。
したがって、本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物によれば、相分離構造を含む構造体の製造において、プロセスマージンを向上させることができ、かつ、ディフェクト発生を抑制することができる。
(相分離構造を含む構造体の製造方法)
本実施形態の相分離構造を含む構造体の製造方法は、上述した実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物を塗布して、相分離構造形成用樹脂組成物を含む層を形成する工程と、前記相分離構造形成用樹脂組成物を含む層を相分離させる工程とを有する。
本実施形態の相分離構造を含む構造体の好ましい製造方法としては、基板上に、下地剤を塗布し、下地剤層を形成する工程(以下「工程(i)」ともいう)と、前記下地剤層の上に、上述した実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物を含む層を形成する工程(以下「工程(ii)」ともいう)と、前記相分離構造形成用樹脂組成物を含む層を相分離させる工程(以下「工程(iii)」ともいう)とを有する。
以下、かかる相分離構造を含む構造体の製造方法について、図1を参照しながら具体的に説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、相分離構造を含む構造体の製造方法の一実施形態例を示す。
図1に示す実施形態では、まず、支持体1上に下地剤を塗布して、下地剤層2を形成する(図1(I);工程(i))。
次に、下地剤層2上に、上述した実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物を塗布して、上述した実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物から形成される層(以下、「BCP層3」ともいう)を形成する(図1(II);工程(ii))。
次に、加熱してアニール処理を行い、BCP層3を、相3aと相3bとに相分離させる(図1(III);工程(iii))。
かかる実施形態の製造方法、すなわち、工程(i)~(iii)を有する製造方法によれば、下地剤層2が形成された支持体1上に、相分離構造を含む構造体3’が製造される。
[工程(i)]
工程(i)では、支持体1上に、下地剤を塗布して、下地剤層2を形成する。
支持体1上に下地剤層2を設けることによって、支持体1表面と、BCP層3と、の親水疎水バランスを制御することができる。
下地剤層2が、上述した第1aブロック及び第2aブロックを構成する構成単位を有する樹脂成分を含有する場合、BCP層3のうち第1ブロックコポリマーの第1aブロックからなる相、及び、第2ブロックコポリマーの第2aブロックからなる相と、支持体1との密着性が高まる。
下地剤層2が、上記第1bブロック及び第2bブロックを構成する構成単位を有する樹脂成分を含有する場合、BCP層3のうち第1ブロックコポリマーの第1bブロックからなる相、及び、第2ブロックコポリマーの第2bブロックからなる相と、支持体1との密着性が高まる。
これに伴い、BCP層3の相分離によって、支持体1表面に対して垂直方向に配向されたシリンダー構造が形成されやすくなる。
下地剤:
下地剤としては、樹脂組成物を用いることができる。
下地剤用の樹脂組成物は、上述した第1aブロック、第2aブロック、第1bブロック、及び、第2bブロックの種類に応じて、薄膜形成に用いられる従来公知の樹脂組成物の中から適宜選択することができる。
下地剤用の樹脂組成物は、例えば熱重合性樹脂組成物であってもよく、ポジ型レジスト組成物やネガ型レジスト組成物等の感光性樹脂組成物であってもよい。その他、化合物を表面処理剤とし、該化合物を塗布して形成された非重合性膜を下地剤層としてもよい。例えば、フェネチルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等を表面処理剤として形成されたシロキサン系有機単分子膜も、下地剤層として好適に用いることができる。
このような樹脂組成物としては、第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーが有する構成単位と、同一の構成単位を有する樹脂を含有する樹脂組成物であることが好ましい。
例えば、第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーが、ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーである場合、該樹脂組成物は、芳香環を有するモノマーと、極性の高い官能基を有するモノマーと、を重合させて得られる樹脂を含有する樹脂組成物であることが好ましい。
該芳香環を有するモノマーとしては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いたアリール基、又は、これらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等を有するモノマーが挙げられる。
該極性の高い官能基を有するモノマーとしては、トリメトキシシリル基、トリクロロシリル基、エポキシ基、グリシジル基、カルボキシ基、水酸基、シアノ基、アルキル基の水素原子の一部がヒドロキシ基で置換されたヒドロキシアルキル基等を有するモノマーが挙げられる。
第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーが、ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーである場合、下地剤用の樹脂組成物が含有する樹脂として、具体的には、スチレンから誘導される構成単位と、(α置換)アクリル酸エステル(好ましくは、メタクリル酸メチル)から誘導される構成単位とを有する樹脂が好ましく、スチレンから誘導される構成単位と、(α置換)アクリル酸エステル(好ましくは、メタクリル酸メチル)から誘導される構成単位とを有するランダムコポリマー、又は、スチレンから誘導される構成単位と、(α置換)アクリル酸エステル(好ましくは、メタクリル酸メチル)から誘導される構成単位とを有する交互コポリマーがより好ましい。
また、上記の中でも、スチレンから誘導される構成単位と、メタクリル酸メチルから誘導される構成単位と、メタクリル酸2-ヒドロキシエチルから誘導される構成単位とを有するコポリマーが好ましい。
下地剤用の樹脂組成物は、上記樹脂を溶媒に溶解させて製造することができる。
かかる溶媒としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、例えば、上述した実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物についての説明の中で例示した有機溶剤成分と同様のものが挙げられる。
支持体1は、その表面上に樹脂組成物を塗布し得るものであれば、その種類は特に限定されない。例えば、金属(シリコン、銅、クロム、鉄、アルミニウム等)、ガラス、酸化チタン、シリカ、マイカなどの無機物からなる基板;SiO等酸化物からなる基板;SiN等窒化物からなる基板;SiON等の酸化窒化物からなる基板;アクリル、ポリスチレン、セルロース、セルロースアセテート、フェノール樹脂などの有機物からなる基板が挙げられる。これらの中でも、金属の基板が好適であり、例えばシリコン基板(Si基板)又は銅基板(Cu基板)において、シリンダー構造の構造体が形成されやすい。中でも、Si基板が特に好適である。
支持体1の大きさや形状は、特に限定されるものではない。支持体1は、必ずしも平滑な表面を有する必要はなく、様々な形状の基板を適宜選択できる。例えば、曲面を有する基板、表面が凹凸形状の平板、薄片状などの形状の基板が挙げられる。
支持体1の表面には、無機系及び/又は有機系の膜が設けられていてもよい。
無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。
無機系の膜は、例えば、シリコン系材料などの無機系の反射防止膜組成物を、支持体上に塗工し、焼成等することにより形成できる。
有機系の膜は、例えば、該膜を構成する樹脂成分等を有機溶剤に溶解した有機膜形成用材料を、基板上にスピンナー等で塗布し、好ましくは200~300℃、好ましくは30~300秒間、より好ましくは60~180秒間の加熱条件でベーク処理することにより形成できる。この有機膜形成用材料は、レジスト膜のような、光や電子線に対する感受性を必ずしも必要とするものではなく、感受性を有するものであってもよく、有しないものであってもよい。具体的には、半導体素子や液晶表示素子の製造において一般的に用いられているレジストや樹脂を用いることができる。
また、BCP層3を加工して形成される、ブロックコポリマーからなるパターン、を用いて有機系の膜をエッチングすることにより、該パターンを有機系の膜へ転写し、有機系の膜パターンを形成できるように、有機膜形成用材料は、エッチング、特にドライエッチング可能な有機系の膜を形成できる材料であることが好ましい。中でも、酸素プラズマエッチング等のエッチングが可能な有機系の膜を形成できる材料であることが好ましい。このような有機膜形成用材料としては、従来、有機BARCなどの有機膜を形成するために用いられている材料であってよい。例えば、日産化学工業株式会社製のARCシリーズ、ロームアンドハース社製のARシリーズ、東京応化工業株式会社製のSWKシリーズなどが挙げられる。
下地剤を支持体1上に塗布して下地剤層2を形成する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法により形成できる。
例えば、下地剤を、スピンコート又はスピンナーを用いる等の従来公知の方法により支持体1上に塗布して塗膜を形成し、乾燥させることにより、下地剤層2を形成できる。
塗膜の乾燥方法としては、下地剤に含まれる溶媒を揮発させることができればよく、例えば、ベークする方法等が挙げられる。この際、ベーク温度は、80~300℃が好ましく、180~270℃がより好ましく、230~260℃がさらに好ましい。ベーク時間は、30~500秒間が好ましく、60~400秒間がより好ましい。
塗膜の乾燥後における下地剤層2の厚さは、10~100nm程度が好ましく、40~80nm程度がより好ましい。
支持体1に下地剤層2を形成する前に、支持体1の表面は、予め洗浄されていてもよい。支持体1表面を洗浄することにより、下地剤の塗布性が向上する。
洗浄処理方法としては、従来公知の方法を利用でき、例えば酸素プラズマ処理、オゾン酸化処理、酸アルカリ処理、化学修飾処理等が挙げられる。
下地剤層2を形成した後、必要に応じて、溶剤等のリンス液を用いて下地剤層2をリンスしてもよい。該リンスにより、下地剤層2中の未架橋部分等が除去されるため、ブロックコポリマーを構成する少なくとも1つのブロックとの親和性が向上し、支持体1表面に対して垂直方向に配向されたシリンダー構造からなる相分離構造が形成されやすくなる。
尚、リンス液は、未架橋部分を溶解し得るものであればよく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、乳酸エチル(EL)等の溶剤、又は市販のシンナー液等を用いることができる。
また、該洗浄後は、リンス液を揮発させるため、ポストベークを行ってもよい。このポストベークの温度条件は、80~300℃が好ましく、100~270℃がより好ましく、120~250℃がさらに好ましい。ベーク時間は、30~500秒間が好ましく、60~240秒間がより好ましい。かかるポストベーク後における下地剤層2の厚さは、1~10nm程度が好ましく、2~7nm程度がより好ましい。
[工程(ii)]
工程(ii)では、下地剤層2が形成された支持体1上に、相分離構造形成用樹脂組成物を塗布して、BCP層3を形成する。
下地剤層2の上にBCP層3を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えばスピンコート又はスピンナーを用いる等の従来公知の方法により、下地剤層2上に、上述した実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、乾燥させる方法が挙げられる。
乾燥温度としては、60~120℃が好ましく、乾燥時間としては、30~100秒が好ましい。
BCP層3の厚さは、相分離が起こるために十分な厚さであればよく、支持体1の種類、又は、形成される相分離構造の構造周期サイズもしくはナノ構造体の均一性等を考慮すると、20~100nmが好ましく、30~80nmがより好ましい。
例えば、支持体1がSi基板の場合、BCP層3の厚さは、好ましくは10~100nm、より好ましくは30~80nmに調整される。
[工程(iii)]
工程(iii)では、支持体1上に形成されたBCP層3を相分離させる。
工程(ii)後の支持体1を加熱してアニール処理を行うことで、支持体1上に、相3aと相3bとに相分離した相分離構造を含む構造体3’が製造される。
アニール処理の温度条件は、用いられている第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーのガラス転移温度以上であり、かつ、熱分解温度未満で行うことが好ましく、例えば、第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーがいずれもポリスチレン-ポリメチルメタクリレート(PS-b-PMMA)ブロックコポリマー(数平均分子量(Mn)45000~150000)の場合には、180~270℃が好ましい。加熱時間は、30秒から30分が好ましい。
また、アニール処理は、窒素等の反応性の低いガス中で行われることが好ましい。
以上説明した実施形態の相分離構造を含む構造体の製造方法は、上述した実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物が用いられているため、プロセスマージンが大きく、かつ、ディフェクトの発生が抑制される。
加えて、実施形態の相分離構造を含む構造体の製造方法によれば、支持体表面に、位置及び配向性がより自在にデザインされたナノ構造体を備える支持体を製造し得る。例えば、形成される構造体は、支持体との密着性が高く、支持体表面に対して垂直方向に配向されたシリンダー構造からなる相分離構造をとりやすい。
[任意工程]
相分離構造を含む構造体の製造方法は、上述した実施形態に限定されず、工程(i)~(iii)以外の工程(任意工程)を有してもよい。
かかる任意工程としては、BCP層3のうち、上述した第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーを構成するブロックのうち、第1aブロック及び第2aブロックからなる相、又は、第1bブロック及び第2bブロックからなる相を選択的に除去する工程(以下「工程(iv)」という。)、ガイドパターン形成工程等が挙げられる。
・工程(iv)について
工程(iv)では、下地剤層2の上に形成された、BCP層3のうち、上述した第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーを構成するブロックのうち、第1aブロック及び第2aブロックからなる相、又は、第1bブロック及び第2bブロックからなる相を選択的に除去する。これにより、微細なパターン(高分子ナノ構造体)が形成される。
例えば、上記工程(iii)において、支持体表面に対して垂直方向に配向されたシリンダー構造からなる相分離構造が形成された場合、工程(iv)によりホールパターンが形成される。
ブロックからなる相を選択的に除去する方法としては、BCP層3に対して酸素プラズマ処理を行う方法、水素プラズマ処理を行う方法、紫外線を照射し、溶剤現像する方法等が挙げられる。
例えば、BCP層3を相分離した後、該BCP層3に対して酸素プラズマ処理や水素プラズマ処理等を行うことにより、第1aブロック及び第2aブロックからなる相は選択的に除去されず、第1bブロック及び第2bブロックからなる相が選択的に除去される。
また、例えば、BCP層3を相分離した後、該BCP層3に対して紫外線を照射し、溶剤(例えば、イソプロピルアルコール)で現像を行うことにより、第1aブロック及び第2aブロックからなる相は選択的に除去されず、第1bブロック及び第2bブロックからなる相が選択的に除去される。
図2は、工程(iv)の一実施形態例を示す。
図2に示す実施形態においては、工程(iii)で支持体1上に製造された構造体3’に、酸素プラズマ処理を行うことによって、相3aが選択的に除去され、離間した相3bからなるパターン(高分子ナノ構造体)が形成されている。この場合、相3bが第1aブロック及び第2aブロックからなる相であり、相3aが第1bブロック及び第2bブロックからなる相である。
上記のようにしてBCP層3の相分離によってパターンが形成された支持体1は、そのまま使用することもできるが、さらに加熱することにより、支持体1上のパターン(高分子ナノ構造体)の形状を変更することもできる。
加熱の温度条件は、用いる第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーのガラス転移温度以上であり、かつ、熱分解温度未満が好ましい。また、加熱は、窒素等の反応性の低いガス中で行われることが好ましい。
・ガイドパターン形成工程について
相分離構造を含む構造体の製造方法においては、上述した工程(i)と工程(ii)との間に、下地剤層上にガイドパターンを設ける工程(ガイドパターン形成工程)を有してもよい。これにより、相分離構造の配列構造制御が可能となる。
例えば、ガイドパターンを設けない場合に、ランダムな指紋状の相分離構造が形成されるブロックコポリマーであっても、下地剤層表面にレジスト膜の溝構造を設けることにより、その溝に沿って配向した相分離構造が得られる。このような原理で、下地剤層2上にガイドパターンを設けてもよい。また、ガイドパターンの表面が、上記第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーを構成するいずれかのブロックと親和性を有することにより、支持体表面に対して垂直方向に配向されたシリンダー構造からなる相分離構造が形成しやすくなる。
ガイドパターンは、例えばレジスト組成物を用いて形成できる。
ガイドパターンを形成するレジスト組成物は、一般的にレジストパターンの形成に用いられるレジスト組成物やその改変物の中から、上記第1ブロックコポリマー及び第2ブロックコポリマーを構成するいずれかのブロックと親和性を有するものを適宜選択して用いることができる。該レジスト組成物としては、レジスト膜露光部が溶解除去されるポジ型パターンを形成するポジ型レジスト組成物、レジスト膜未露光部が溶解除去されるネガ型パターンを形成するネガ型レジスト組成物のいずれであってもよいが、ネガ型レジスト組成物であることが好ましい。ネガ型レジスト組成物としては、例えば、酸発生剤と、酸の作用により有機溶剤を含有する現像液への溶解性が酸の作用により減少する基材成分とを含有し、該基材成分が、酸の作用により分解して極性が増大する構成単位を有する樹脂成分、を含有するレジスト組成物が好ましい。
ガイドパターンが形成された下地剤層上にBCP組成物が流し込まれた後、相分離を起こすためにアニール処理が行われる。このため、ガイドパターンを形成するレジスト組成物としては、耐溶剤性と耐熱性とに優れたレジスト膜を形成し得るものであることが好ましい。
本実施形態の相分離構造を含む構造体の製造方法は、上述した実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物が用いられているため、上記のようなガイドパターン形成工程を有する製造方法においても、プロセスマージンが向上しつつ、ディフェクト発生を抑制することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<相分離構造形成用樹脂組成物の調製>
表1に示す各成分を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させ混合し、各例の相分離構造形成用樹脂組成物(固形分濃度1.5質量%)をそれぞれ調製した。
また、表1に、各例の相分離構造形成用樹脂組成物のホモポリマーA及びホモポリマーBの総含有量(質量部)を「ホモポリマーA、ホモポリマーBの総含有量」として、並びに、第1ブロックコポリマーの数平均分子量と第2ブロックコポリマーの数平均分子量との比(第2ブロックコポリマーの数平均分子量/第1ブロックコポリマーの数平均分子量)を「数平均分子量比」として併記した。
Figure 2023046219000003
表1中、各略号はそれぞれ以下の意味を有する。[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
BCP1-1(100k):ポリスチレンとポリメタクリル酸メチルとのブロックコポリマー(PS-b-PMMA)、数平均分子量(Mn)100000、PS/PMMA組成比(質量比)71/29。
BCP1-2(106k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)106000、PS/PMMA組成比(質量比)71/29。
BCP2-1(102k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)102000、PS/PMMA組成比(質量比)71/29。
BCP2-2(110k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)110000、PS/PMMA組成比(質量比)71/29。
BCP3-1(110k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)110000、PS/PMMA組成比(質量比)71/29。
BCP3-2(116k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)116000、PS/PMMA組成比(質量比)71/29。
BCP4-1(95k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)95000、PS/PMMA組成比(質量比)71/29。
BCP4-2(100k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)100000、PS/PMMA組成比(質量比)71/29。
BCP5-1(96k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)96000、PS/PMMA組成比(質量比)66/34。
BCP5-2(102k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)102000、PS/PMMA組成比(質量比)66/34。
BCP6-1(104k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)104000、PS/PMMA組成比(質量比)73/27。
BCP6-2(110k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)110000、PS/PMMA組成比(質量比)73/27。
BCP7-1(100k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)100000、PS/PMMA組成比(質量比)71/29。
BCP7-2(106k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)106000、PS/PMMA組成比(質量比)71/29。
BCP8-1(96k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)96000、PS/PMMA組成比(質量比)66/34。
BCP8-2(100k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)100000、PS/PMMA組成比(質量比)71/29。
BCP9-1(45k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)45000、PS/PMMA組成比(質量比)70/30。
BCP9-2(48k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)48000、PS/PMMA組成比(質量比)72/28。
BCP10-1(144k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)144000、PS/PMMA組成比(質量比)73/27。
BCP10-2(150k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)150000、PS/PMMA組成比(質量比)73/27。
BCP11-1(98k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)98000、PS/PMMA組成比(質量比)71/29。
BCP12-1(100k):PS-b-PMMA、数平均分子量(Mn)100000、PS/PMMA組成比(質量比)66/34。
なお、上記において、表中の略号は異なっている場合であっても、数平均分子量(Mn)及びPS/PMMA組成比(質量比)が同一の場合は、同一のブロックコポリマー(PS-b-PMMA)である。
PS1(2k):ポリスチレン、数平均分子量(Mn)2000。
PS2(5k):ポリスチレン、数平均分子量(Mn)5000。
PMMA1(2k):ポリメタクリル酸メチル、数平均分子量(Mn)2000。
PMMA2(5k):ポリメタクリル酸メチル、数平均分子量(Mn)5000。
<ホールパターンの形成>
上述した各例の相分離構造形成用樹脂組成物を用い、以下に示す工程(i)~(iii)により、相分離構造を含む構造体を形成し、次いで工程(iv)により、ホールパターンを形成した。
工程(i):
12インチシリコンウェハ上に、濃度2wt%のPGMEA溶液に調製した下地剤用樹脂組成物(ポリスチレン/ポリメタクリル酸メチル/ポリメタクリル酸2-ヒドロキシエチルの共重合体、組成比(質量比):ポリスチレン/ポリメタクリル酸メチル/ポリメタクリル酸2-ヒドロキシエチル=82/12/6)を、スピンナーを用いて塗布し、250℃300秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚60nmの下地剤層を基板上に形成した。
工程(ii):
次いで、下地剤層の基板密着部以外の部分を、溶剤OK73シンナー(東京応化工業社製)で除去し、下地剤層上に、各例の相分離構造形成用樹脂組成物をスピンコートした後、乾燥のため90℃60秒間ソフトベークし、膜厚45nmの相分離構造形成用樹脂組成物層を形成した。
工程(iii):
この基板を、窒素気流下260℃15分間加熱させてアニールすることにより、相分離構造(シリンダー構造)を形成した。
工程(iv):
相分離構造が形成された基板に対し、CLEAN TRACK LITHIUS Pro-Z(東京エレクトロン社製)を用いて、紫外線を照射し、イソプロピルアルコールで現像を行い、PMMAからなる相を選択的に除去し、ホールパターンを形成した。
[開口率の評価]
上記<ホールパターンの形成>で形成されたそれぞれのホールパターンについて、画像解析ソフト(DSAーAPPS、日立ハイテク社製)を用いて画像解析を行い、各ホールパターンの開口率(%)をそれぞれ求めた。良好な円形ホールが形成された割合を開口率とした。その結果を表2に示す。
[グレインホール数の評価]
上記<ホールパターンの形成>で形成されたそれぞれのホールパターンについて、画像解析ソフト(DSAーAPPS、日立ハイテク社製)を用いて画像解析を行い、1350nm角の画像から、グレイン内の良好な円形ホール数の平均値(グレインホール数(個))を求めた。グレインホール数が大きいほど、同ピッチ・同形状のホールパターンがより連続して形成されていること、すなわち、プロセスマージンの増加及びディフェクトの低減を意味する。その結果を表2に示す。
Figure 2023046219000004
表2に示す結果から、実施例の相分離構造形成用樹脂組成物を用いて形成されたホールパターンは、比較例の相分離構造形成用樹脂組成物を用いて形成されたホールパターンに比べて、開口率及びグレインホール数の値が高いことが確認できる。
したがって、実施例の相分離構造形成用樹脂組成物によれば、プロセスマージンが向上し、かつ、ディフェクト発生を抑制できることが確認できる。
1…支持体、2…下地剤層、3…BCP層、3’…構造体、3a…相、3b…相。

Claims (6)

  1. 第1aブロックと第1bブロックとを有する第1ブロックコポリマーと、
    第2aブロックと第2bブロックとを有する第2ブロックコポリマーと、
    前記第1aブロック及び前記第2aブロックと相溶可能なホモポリマーAと、
    前記第1bブロック及び前記第2bブロックと相溶可能なホモポリマーBとを含有し、
    前記第1aブロック及び前記第2aブロックを構成する構成単位は同一であり、
    前記第1bブロック及び前記第2bブロックを構成する構成単位は同一であり、
    前記第2ブロックコポリマーは、前記第1ブロックコポリマーよりも数平均分子量が大きい、相分離構造形成用樹脂組成物。
  2. 前記第1ブロックコポリマーの数平均分子量と前記第2ブロックコポリマーの数平均分子量との比(第2ブロックコポリマーの数平均分子量/第1ブロックコポリマーの数平均分子量)は、1超1.1以下である、請求項1に記載の相分離構造形成用樹脂組成物。
  3. 前記ホモポリマーAは、前記第1aブロック及び前記第2aブロックを構成する構成単位と同一の構成単位を有するホモポリマーであり、
    前記ホモポリマーBは、前記第1bブロック及び前記第2bブロックを構成する構成単位と同一の構成単位を有するホモポリマーである、請求項1又は2に記載の相分離構造形成用樹脂組成物。
  4. 前記ホモポリマーAの含有量と前記ホモポリマーBの含有量との質量比は、前記第1ブロックコポリマー中の前記第1aブロックと第1bブロックとの質量比と実質的に同じである、請求項1~3のいずれか一項に記載の相分離構造形成用樹脂組成物。
  5. 前記第1ブロックコポリマー及び前記第2ブロックコポリマーが、ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマーであり、
    前記ホモポリマーAが、ポリスチレンであり、
    前記ホモポリマーBが、ポリメタクリル酸メチルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の相分離構造形成用樹脂組成物。
  6. 支持体上に、請求項1~5のいずれか一項に記載の相分離構造形成用樹脂組成物を塗布して、相分離構造形成用樹脂組成物を含む層を形成する工程と、
    前記相分離構造形成用樹脂組成物を含む層を相分離させる工程とを有する、相分離構造を含む構造体の製造方法。
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