JP2015084099A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一の層間膜上に画素電極と、ゲート配線を形成した半導体装置において、マス
ク枚数を追加することなく、液晶の焼きつきや特性劣化を低減する。
【解決手段】ゲート配線上に絶縁膜を設けることで、ゲート配線が非選択の期間に液晶に
かかるゲート電圧の絶対値を減少させることができる。絶縁膜は遮光性樹脂膜、柱状スペ
ーサーで形成すると、マスク枚数の増加を抑えることができる。また、絶縁膜上に画素電
極を形成し、ゲート配線と画素電極が重なり合うようにすることで、画素電極の電界遮蔽
効果によって、液晶にかかるゲート電圧を減少させることができる。
【選択図】図1

Description

本願発明は薄膜トランジスタ(以下、TFTという)で構成された回路を有する半導体
装置およびその作製方法に関する。例えば、液晶表示パネルに代表される電気光学装置お
よびその様な電気光学装置を部品として搭載した電子機器に関する。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装
置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
近年、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜(厚さ数〜数百nm程度)を用
いて薄膜トランジスタ(TFT)を構成する技術が注目されている。薄膜トランジスタは
ICや電気光学装置のような電子デバイスに広く応用され、特に液晶表示装置のスイッチ
ング素子として開発が急がれている。
液晶表示装置において、高品位な画像を得るために、画素電極をマトリクス状に配置し
、画素電極の各々に接続するスイッチング素子としてTFTを用いたアクティブマトリク
ス型液晶表示装置が注目を集めている。
また、アクティブマトリクス型液晶表示装置において、マスク数の増加を抑え、コスト
を低減することが求められている。
液晶の駆動させるためには、直流駆動の際には焼き付きが問題となるため、交流駆動を
行う必要がある。
画素開口率を向上させる一手段として、ゲート配線が露出した半導体装置の構成が考案
され、試作されている。しかしながら、この半導体装置の構成では、ゲート配線が非選択
の期間はゲート電圧で、-8V〜-11Vもの電圧が液晶にかかってしまっていた。これでは
、ゲート配線が選択されている期間を除いて同極性の電圧が液晶層に印加されてしまうで
、液晶の焼き付き、特性劣化という課題を有していた。焼き付きとは、同一パターンを長
時間表示し続けたとき、画面を切りかえても前の表示パターンが残る現象をいう。
そこで、開口率を向上させる一手段として、同一の層間膜上に画素電極と、ゲート配線
を形成した場合に、さらに液晶の焼き付き、特性劣化という課題を解決する必要がでてく
る。
以上のように、少ないマスク数で液晶表示装置を実現するためには、従来にない全く新
しい画素構成が求められている。
本願発明は、そのような要求に答えるものであり、マスク数及び工程数を増加させるこ
となく、液晶の焼き付き、特性劣化という課題を減少させる画素構造を有する液晶表示装
置を提供することを課題とする。
上述した従来技術の課題を解決するために以下の手段を講じた。
本発明は、ゲート配線が非選択の期間に液晶にかかる同極性のゲート電圧の絶対値を減
少させるために、ゲート配線上に絶縁膜を設けることを特徴とする。絶縁膜としては、遮
光性樹脂膜を用いてもよいし、絶縁膜をセルギャップを維持する機能を有する柱状スペー
サとしてよい。
さらに、画素電極の電界遮蔽効果によって、液晶にかかるゲート電圧を減少させるため
に、絶縁膜上に画素電極を形成し、ゲート配線と画素電極が重なり合うようにすることを
特徴とする。
前記絶縁膜は比誘電率が4.5以下、膜厚を0.5〜4.0μmの厚さとすることが好
ましい。液晶にかかるゲート電圧を減少させるために、前記絶縁膜の比誘電率は低いこと
が好ましい。
また、アクティブマトリクス基板側に絶縁膜として遮光性樹脂膜を用いた場合、対向基
板側に遮光性樹脂膜を形成する工程が不要になる。液晶表示装置の作製工程数を増やすこ
とがない。
前記絶縁膜を柱状スペーサとした場合、マスク枚数を増やすことなく、ゲート配線上に
絶縁膜を形成することができる。
本発明で開示する発明の構成は、同一の絶縁表面にゲート配線と画素電極とが形成され
た半導体装置において、前記ゲート配線を選択的に覆う絶縁膜を有することを特徴とする
半導体装置である。
また、他の発明の構成は、同一の絶縁表面にゲート配線と画素電極とが形成された半導
体装置において、前記ゲート配線を選択的に覆う絶縁膜を有し、前記画素電極の一部が前
記絶縁膜と重なることを特徴とする半導体装置である。
また、他の発明の構成は、一対の基板間に保持された液晶と、前記一対の基板の一方の
基板には画素部が形成され、前記画素部において、同一の絶縁表面にゲート配線と画素電
極とが形成され、前記ゲート配線を選択的に覆う絶縁膜を有することを特徴とする半導体
装置である。
また、他の発明の構成は、一対の基板間に保持された液晶と、前記一対の基板の一方の
基板には画素部が形成され、前記画素部において、同一の絶縁表面にゲート配線と画素電
極とが形成され、前記ゲート配線を選択的に覆う絶縁膜を有し、前記画素電極の一部が前
記絶縁膜と重なることを特徴とする半導体装置である。
また、上記各構成において、前記第2絶縁膜の比誘電率が4.5以下であることを特徴
としている。
また、上記各構成において、前記第2絶縁膜の比誘電率が4.5以下であることを特徴
としている。
また、上記各構成において、前記第2絶縁膜が0.5μm〜5.0μmの厚さであること
を特徴としている。
また、上記各構成において、前記第2絶縁膜の光学濃度が2以上であることを特徴とし
ている。
ゲート配線上に絶縁膜を設けることで、ゲート配線が非選択の期間に液晶にかかるゲー
ト電圧の絶対値を減少させることができる。
さらに、本発明による液晶表示装置の作製方法は、総マスク数及び工程数を増加させるこ
となく、液晶の焼き付きや特性劣化を低減した液晶表示装置を提供することができる。
本発明の液晶表示装置の上面図。 本発明のアクティブマトリクス基板の断面図。 本発明の液晶表示装置の断面図。 アクティブマトリクス基板の作製工程を示す図。 アクティブマトリクス基板の作製工程を示す図。 アクティブマトリクス基板の作製工程を示す図。 本発明の液晶表示装置の断面を示す簡略図。 本発明の液晶表示装置の断面図。 本発明の液晶表示装置の断面を示す簡略図。 本発明の液晶表示装置の断面図。 本発明の液晶表示装置の断面を示す簡略図。 電子機器の一例を示す図。 電子機器の一例を示す図。 電子機器の一例を示す図。
本願発明の実施形態について、以下に説明する。
図1、図3と図7により本発明の構成示す。ただし、ここでは透過型の液晶表示装置の
例にとり、以下に説明する。図1の上面図を鎖線A―A’、鎖線B―B’、鎖線C―C’
で切断し断面を図3に示す。図7は、図3の一部を抽出したものである。図1、図3と図
7において同じ要素は同じ数字で示す。
図3は透過型の液晶表示装置の画素部を示すものである。図3において、基板上に半導
体層405〜406、ゲート絶縁膜483、ゲート電極432b、ソース配線433b、
第1の層間膜461、第二の層間膜462が形成されている。
さらに、第二の層間膜462上に接続電極468、ゲート配線469、ドレイン電極47
0、容量接続電極471が同一の材料で形成されている。図示してはいないが、ゲート配
線はゲート電極と接続している。そして、少なくともゲート配線上に絶縁膜が形成され、
画素電極473とゲート配線469が絶縁膜を挟んで重なることである。本発明では絶縁
膜を遮光性樹脂膜472としている。
本実施形態では、図3及び図7のように、基板(図示しない)に設けられたゲート配線
469上に、絶縁膜として、感光性樹脂膜、例えば、遮光性樹脂膜472を形成し、さら
に遮光性樹脂膜472上に画素電極473及び画素電極474を形成し、配向膜475を
形成したものアクティブマトリクス基板という。
一方、対向基板とは、基板に着色層477、着色層478、平坦化膜479を形成し、
さらに、対向電極480、配向膜481を形成したものを指す。通常、遮光のために、対
向基板側に遮光性樹脂膜を設けるが、本実施形態ではアクティブマトリクス基板に遮光性
樹脂膜を設けているので、対向基板側には遮光性樹脂膜を設ける必要がない。
画素電極のない場合には、液晶表示装置を駆動した場合、アクティブマトリクス基板の
ゲート配線から対向電極へとほぼ垂直方向に電気力線が発生するが、本実施形態の液晶表
示装置を駆動した場合、ゲート配線から、対向電極の方へ発生した電気力線が画素電極に
より遮蔽される。
電気力線とは、各場所での電場の方向を表したものである。液晶は電場との相互作用で
配向状態を変え、液晶の誘電異方性が正の時は、液晶分子長軸が電場に対し平行に、また
、負の場合には電界に対して垂直に配向するようになる。
画素電極(ITO)がゲート配線の上方にあることによる電界遮蔽効果により、ゲート
配線から画素電極により電気力線が遮蔽される。また、感光性樹脂膜例えば、遮光性樹脂
膜472により、ゲート電圧が分圧され、液晶にかかる実効電圧を低減できる。
以上のように、図3及び図7に示す画素構造とした場合、液晶の焼き付き、特性劣化と
いう課題を減少させる透過型の液晶表示装置を実現することができる。
図8〜9に本実施形態の他の構成を示す。なお、図8〜9において図3、図7と同じ
要素は同じ数字で示している。図9は図8の一部を抽出して示している。図3及び図7の
液晶表示装置では、ゲート配線469を絶縁膜で覆い、さらに、画素電極473〜474
で選択的に絶縁膜を覆ったが、図8〜9のように、ゲート配線469を絶縁膜484で覆
っておくのみでもよい。このような構成でも、ゲート配線が非選択の期間に、液晶に印加
される同極性の電圧の絶対値を低減し、液晶の焼き付きを防ぐことができる。また、アク
ティブマトリクス基板側に絶縁膜484として遮光性樹脂膜を用いた場合、対向基板側に
遮光性樹脂膜を形成する工程が不要になる。液晶表示装置の作製工程数は、絶縁膜484
をゲート配線469上に形成しても、増えることはない。また、絶縁膜484を液晶層の
厚さと同等の厚さにして、柱状スペーサの役割をもたせてもよい。
図10〜11のように、ゲート配線469の表面を、絶縁膜485で覆っておくのみで
もよい。絶縁膜485を遮光性樹脂膜とすると、対向基板側に遮光性樹脂膜を形成する工
程が不要になる。図10のように、絶縁膜をゲート配線のエッジに対しせり出した形にし
ても良い。
以上の構成でなる本願発明について、以下に示す実施例でもってさらに詳細な説明を行
うこととする。
本実施例では同一基板上に画素部と、画素部の周辺に設ける駆動回路のTFT(nチャ
ネル型TFT及びpチャネル型TFT)を同時に作製する方法について図4〜図6を用い
て説明する。本実施例では、透過型の表示装置を形成することを特徴としている。
まず、本実施例ではコーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表さ
れるバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスからなる
基板400を用いる。なお、基板400としては、石英基板やシリコン基板、金属基板ま
たはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。また、本実施例の処
理温度に耐えうる耐熱性が有するプラスチック基板を用いてもよい。
次いで、基板400上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜な
どの絶縁膜から成る下地膜401を形成する。本実施例では下地膜401として2層構造
を用いるが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造を用いても良い。下地膜
401の一層目としては、プラズマCVD法を用い、SiH4、NH3、及びN2Oを反応
ガスとして成膜される酸化窒化シリコン膜401aを10〜200nm(好ましくは50〜
100nm)形成する。本実施例では、膜厚50nmの酸化窒化シリコン膜401a(組成
比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)を形成した。次いで、下地膜4
01のニ層目としては、プラズマCVD法を用い、SiH4、及びN2Oを反応ガスとして
成膜される酸化窒化シリコン膜401bを50〜200nm(好ましくは100〜150
nm)の厚さに積層形成する。本実施例では、膜厚100nmの酸化窒化シリコン膜401
b(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)を形成した。
次いで、下地膜上に半導体層402〜406を形成する。半導体層402〜406は、
非晶質構造を有する半導体膜を公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマ
CVD法等)により成膜した後、公知の結晶化処理(レーザー結晶化法、熱結晶化法、ま
たはニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)を行って得られた結晶質半導体膜を所望
の形状にパターニングして形成する。この半導体層402〜406の厚さは25〜80n
m(好ましくは30〜60nm)の厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はない
が、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると
良い。本実施例では、プラズマCVD法を用い、55nmの非晶質シリコン膜を成膜した
後、ニッケルを含む溶液を非晶質シリコン膜上に保持させた。この非晶質シリコン膜に脱
水素化(500℃、1時間)を行った後、熱結晶化(550℃、4時間)を行い、さらに
結晶化を改善するためのレーザーアニ―ル処理を行って結晶質シリコン膜を形成した。そ
して、この結晶質シリコン膜をフォトリソグラフィ法を用いたパターニング処理によって
、半導体層402〜406を形成した。
また、半導体層402〜406を形成した後、TFTのしきい値を制御するために微量
な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを行ってもよい。
また、レーザー結晶化法で結晶質半導体膜を作製する場合には、パルス発振型または連
続発光型のエキシマレーザーやYAGレーザー、YVO4レーザーを用いることができる
。これらのレーザーを用いる場合には、レーザー発振器から放射されたレーザー光を光学
系で線状に集光し半導体膜に照射する方法を用いると良い。結晶化の条件は実施者が適宣
選択するものであるが、エキシマレーザーを用いる場合はパルス発振周波数30Hzとし
、レーザーエネルギー密度を100〜400mJ/cm2(代表的には200〜300mJ/cm2)と
する。また、YAGレーザーを用いる場合にはその第2高調波を用いパルス発振周波数1
〜10kHzとし、レーザーエネルギー密度を300〜600mJ/cm2(代表的には350
〜500mJ/cm2)とすると良い。そして幅100〜1000μm、例えば400μmで線
状に集光したレーザー光を基板全面に渡って照射し、この時の線状レーザー光の重ね合わ
せ率(オーバーラップ率)を80〜98%として行えばよい。
次いで、半導体層402〜406を覆うゲート絶縁膜407を形成する。ゲート絶縁膜
407はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40〜150nmとしてシリ
コンを含む絶縁膜で形成する。本実施例では、プラズマCVD法により110nmの厚さ
で酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成
した。勿論、ゲート絶縁膜は酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコン
を含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
また、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl O
rthosilicate)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高
周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる
。このようにして作製される酸化シリコン膜は、その後400〜500℃の熱アニールに
よりゲート絶縁膜として良好な特性を得ることができる。
次いで、図4(A)に示すように、ゲート絶縁膜407上に膜厚20〜100nmの第
1の導電膜408と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜409とを積層形成する。
本実施例では、膜厚30nmのTaN膜からなる第1の導電膜408と、膜厚370nm
のW膜からなる第2の導電膜409を積層形成した。
TaN膜はスパッタ法で形成し、Taのターゲットを用い、窒素を含む雰囲気内でスパッ
タした。また、W膜は、Wのターゲットを用いたスパッタ法で形成した。その他に6フッ
化タングステン(WF6)を用いる熱CVD法で形成することもできる。いずれにしても
ゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μΩ
cm以下にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図ること
ができるが、W膜中に酸素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化す
る。従って、本実施例では、高純度のW(純度99.9999%)のターゲットを用いた
スパッタ法で、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入がないように十分配慮してW膜
を形成することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現することができた。
なお、本実施例では、第1の導電膜408をTaN、第2の導電膜409をWとしたが
、特に限定されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選ばれ
た元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。
また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用
いてもよい。また、AgPdCu合金を用いてもよい。また、第1の導電膜をタンタル(
Ta)膜で形成し、第2の導電膜をW膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化チタン(
TiN)膜で形成し、第2の導電膜をW膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化タンタ
ル(TaN)膜で形成し、第2の導電膜をAl膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化
タンタル(TaN)膜で形成し、第2の導電膜をCu膜とする組み合わせとしてもよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスク410〜415を形成し
、電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。第1のエッチング処理で
は第1及び第2のエッチング条件で行う。本実施例では第1のエッチング条件として、I
CP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチ
ング用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それぞれのガス流量比を25/25/10(
sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入
してプラズマを生成してエッチングを行った。ここでは、松下電器産業(株)製のICP
を用いたドライエッチング装置(Model E645−□ICP)を用いた。基板側(試料
ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電
圧を印加する。この第1のエッチング条件によりW膜をエッチングして第1の導電層の端
部をテーパー形状とする。
この後、レジストからなるマスク410〜415を除去せずに第2のエッチング条件に
変え、エッチング用ガスにCF4とCl2とを用い、それぞれのガス流量比を30/30(
sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入
してプラズマを生成して約30秒程度のエッチングを行った。基板側(試料ステージ)に
も20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。
CF4とCl2を混合した第2のエッチング条件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエッチ
ングされる。なお、ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10
〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。
上記第1のエッチング処理では、レジストからなるマスクの形状を適したものとするこ
とにより、基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第2の導電層の
端部がテーパー形状となる。このテーパー部の角度は15〜45°となる。こうして、第
1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の形状の導電層41
7〜422(第1の導電層417a〜422aと第2の導電層417b〜422b)を形
成する。416はゲート絶縁膜であり、第1の形状の導電層417〜422で覆われない
領域は20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
そして、レジストからなるマスクを除去せずに第1のドーピング処理を行い、半導体層
にn型を付与する不純物元素を添加する。(図4(B))ドーピング処理はイオンドープ
法、若しくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013
〜5×1015atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとして行う。本実施例では
ドーズ量を1.5×1015atoms/cm2とし、加速電圧を80keVとして行った。n型を
付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As
)を用いるが、ここではリン(P)を用いた。この場合、導電層417〜421がn型を
付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整合的に高濃度不純物領域423〜42
7が形成される。高濃度不純物領域423〜427には1×1020〜1×1021atoms/cm
3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加する。
次いで、レジストからなるマスクを除去せずに第2のエッチング処理を行う。
ここでは、エッチングガスにCF4とCl2とO2とを用い、W膜を選択的にエッチングす
る。この時、第2のエッチング処理により第1の導電層428b〜433bを形成する。
一方、第2の導電層417a〜422aは、ほとんどエッチングされず、第2の導電層4
28a〜433aを形成する。次いで、第2のドーピング処理を行って図4(C)の状態
を得る。ドーピングは第2の導電層417a〜422aを不純物元素に対するマスクとし
て用い、第1の導電層のテーパー部下方の半導体層に不純物元素が添加されるようにドー
ピングする。こうして、第1の導電層と重なる不純物領域434〜438を形成する。こ
の不純物領域へ添加されたリン(P)の濃度は、第1の導電層のテーパー部の膜厚に従っ
て緩やかな濃度勾配を有している。なお、第1の導電層のテーパー部と重なる半導体層に
おいて、第1の導電層のテーパー部の端部から内側に向かって若干、不純物濃度が低くな
っているものの、ほぼ同程度の濃度である。また、第1の不純物領域423〜427にも
不純物元素が添加され、不純物領域439〜443を形成する。
次いで、図5(A)に示すように、レジストからなるマスクを除去せずに第3のエッチ
ング処理を行う。この第3のエッチング処理では第1の導電層のテーパー部を部分的にエ
ッチングして、半導体層と重なる領域を縮小するために行われる。第3のエッチングは、
エッチングガスにCHF3を用い、反応性イオンエッチング法(RIE法)を用いて行う
。第3のエッチングにより、第1の導電層444〜449が形成される。この時、同時に
絶縁膜416もエッチングされて、絶縁膜450a〜d、451が形成される。
上記第3のエッチングによって、第1の導電層444〜448と重ならない不純物領域
(LDD領域)434a〜438aが形成される。なお、不純物領域(GOLD領域)4
34b〜438bは、第1の導電層444〜448と重なったままである。
このようにすることで、本実施例は、第1の導電層444〜448と重なる不純物領域
(GOLD領域)434b〜438bにおける不純物濃度と、第1の導電層444〜44
8と重ならない不純物領域(LDD領域)434a〜438aにおける不純物濃度との差
を小さくすることができ、信頼性を向上させることができる。
次いで、レジストからなるマスクを除去した後、図5(B)に示すように、新たにレジ
ストからなるマスク452〜454を形成して第3のドーピング処理を行う。この第3の
ドーピング処理により、pチャネル型TFTの活性層となる半導体層に前記一導電型とは
逆の導電型を付与する不純物元素が添加された不純物領域455〜460を形成する。第
2の導電層428a〜432aを不純物元素に対するマスクとして用い、p型を付与する
不純物元素を添加して自己整合的に不純物領域を形成する。本実施例では、不純物領域4
55〜460はジボラン(B26)を用いたイオンドープ法で形成する。この第3のドー
ピング処理の際には、nチャネル型TFTを形成する半導体層はレジストからなるマスク
452〜454で覆われている。第1のドーピング処理及び第2のドーピング処理によっ
て、不純物領域455〜460にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されているが、その
いずれの領域においてもp型を付与する不純物元素の濃度を2×1020〜2×1021atom
s/cm3となるようにドーピング処理することにより、pチャネル型TFTのソース領域お
よびドレイン領域として機能するために何ら問題は生じない。本実施例では、pチャネル
型TFTの活性層となる半導体層の一部が露呈しているため、不純物元素(ボロン)を添
加しやすい利点を有している。
以上までの工程でそれぞれの半導体層に不純物領域が形成される。
次いで、レジストからなるマスク452〜454を除去して第1の層間絶縁膜461を
形成する。この第1の層間絶縁膜461としては、プラズマCVD法またはスパッタ法を
用い、厚さを100〜200nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本実施例では
、プラズマCVD法により膜厚150nmの酸化窒化シリコン膜を形成した。勿論、第1
の層間絶縁膜461は酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む
絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
次いで、図5(C)に示すように、それぞれの半導体層に添加された不純物元素を活性
化処理する工程を行う。この活性化工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で
行う。熱アニール法としては、酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の
窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜550℃で行えばよく、本実施例
では550℃、4時間の熱処理で活性化処理を行った。なお、熱アニール法の他に、レー
ザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができ
る。
なお、本実施例では、上記活性化処理と同時に、結晶化の際に触媒として使用したニッ
ケルが高濃度のリンを含む不純物領域439、441、442、455、458にゲッタ
リングされ、主にチャネル形成領域となる半導体層中のニッケル濃度が低減される。この
ようにして作製したチャネル形成領域を有するTFTはオフ電流値が下がり、結晶性が良
いことから高い電界効果移動度が得られ、良好な特性を達成することができる。
また、第1の層間絶縁膜を形成する前に活性化処理を行っても良い。ただし、用いた配
線材料が熱に弱い場合には、本実施例のように配線等を保護するため層間絶縁膜(シリコ
ンを主成分とする絶縁膜、例えば窒化珪素膜)を形成した後で活性化処理を行うことが好
ましい。
さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜550℃で1〜12時間の熱
処理を行い、半導体層を水素化する工程を行う。本実施例では水素を約3%の含む窒素雰
囲気中で410℃、1時間の熱処理を行った。この工程は層間絶縁膜に含まれる水素によ
り半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラ
ズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
また、活性化処理としてレーザーアニール法を用いる場合には、上記水素化を行った後
、エキシマレーザーやYAGレーザー等のレーザー光を照射することが望ましい。
次いで、第1の層間絶縁膜461上に無機絶縁膜材料または有機絶縁物材料から成る第
2の層間絶縁膜462を形成する。本実施例では、膜厚1.6μmのアクリル樹脂膜を形
成した。
そして、駆動回路506において、各不純物領域とそれぞれ電気的に接続する配線46
3〜467を形成する。なお、これらの配線は、膜厚50nmのTi膜と、膜厚500n
mの合金膜(AlとTiとの合金膜)を形成し、さらにTi膜または窒化チタン(TiN
)膜を100〜200nmの厚さで形成して3層構造とする。
また、画素部507においては、ドレイン電極470、ゲート配線469、接続電極4
68を形成する。(図6)この接続電極468によりソース配線(433bと449の積
層)は、画素TFTと電気的な接続が形成される。また、ゲート配線469は、画素TF
Tのゲート電極と電気的な接続が形成される。また、ドレイン電極470は、画素TFT
のドレイン領域と電気的な接続が形成される。さらに、容量接続電極471は、保持容量
を形成する一方の電極として機能する半導体層と電気的な接続が形成される。
その後、遮光性樹脂膜472を全面に形成し、フォトマスクを用いたパターニング処理
により、少なくとも、ゲート配線469と重なるように、遮光性樹脂膜は、設けられる。
その後、透明導電膜を全面に形成し、フォトマスクを用いたパターニング処理により、画
素電極473を、少なくとも、ドレイン電極470と接続電極471と重なるように設け
られる。
透明導電膜の材料は、酸化インジウム(In23)や酸化インジウム酸化スズ合金(I
23―SnO2;ITO膜)などをスパッタ法や真空蒸着法などを用いて形成して用い
ることができる。このような材料のエッチング処理は塩酸系の溶液により行う。しかし、
特にITO膜のエッチングは残渣が発生しやすいので、エッチング加工性を改善するため
に酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)を用いても良い。酸化インジウム酸
化亜鉛合金は表面平滑性に優れ、ITO膜に対して熱安定性にも優れているので、ドレイ
ン配線の端面で、Al膜が画素電極と接触して腐蝕反応をすることを防止できる。同様に
、酸化亜鉛(ZnO)も適した材料であり、さらに可視光の透過率や導電率を高めるため
にガリウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(ZnO:Ga)などを用いることができる。
以上の様にして、nチャネル型TFT501とpチャネル型TFT502からなるCM
OS回路、及びnチャネル型TFT503を有する駆動回路506と、画素TFT504
、保持容量505とを有する画素部507を同一基板上に形成することができる。こうし
て、アクティブマトリクス基板が完成する。
駆動回路506のnチャネル型TFT501はチャネル形成領域600、ゲート電極の
一部を構成する第1の導電層444と重なる低濃度不純物領域434b(GOLD領域)
、ゲート電極の外側に形成される低濃度不純物領域434a(LDD領域)とソース領域
またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領域439を有している。このnチャネ
ル型TFT501と電極466で接続してCMOS回路を形成するpチャネル型TFT5
02にはチャネル形成領域601、ゲート電極と重なる不純物領域457、ゲート電極の
外側に形成される不純物領域458、ソース領域またはドレイン領域として機能する高濃
度不純物領域455を有している。また、nチャネル型TFT503にはチャネル形成領
域602、ゲート電極の一部を構成する第1の導電層446と重なる低濃度不純物領域4
36b(GOLD領域)、ゲート電極の外側に形成される低濃度不純物領域437a(L
DD領域)とソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領域441を有
している。
画素部の画素TFT504にはチャネル形成領域603、ゲート電極の一部を構成する
第1の導電層447と重なる低濃度不純物領域437b(GOLD領域)、ゲート電極の
外側に形成される低濃度不純物領域437a(LDD領域)とソース領域またはドレイン
領域として機能する高濃度不純物領域443を有している。また、保持容量505の一方
の電極として機能する半導体層458〜460には、それぞれp型を付与する不純物元素
が添加されている。保持容量505は、絶縁膜451を誘電体として、電極(448と4
32bの積層)と、半導体層458〜460とで形成している。
本実施例で作製するアクティブマトリクス基板の画素部の上面図を図1に示す。なお、
図6に対応する部分には同じ符号を用いている。図6中の鎖線A−A’は図1中の鎖線A
―A’で切断した断面図に対応している。また、図6中の鎖線B−B’は図1中の鎖線B
―B’で切断した断面図に対応している。図6中の鎖線C−C’は図1中の鎖線C―C’
で切断した断面図に対応している。
また、本実施例で示す工程に従えば、アクティブマトリクス基板の作製に必要なフォト
マスクの数を7枚とすることができ、対向基板に遮光性樹脂膜を形成する工程が不要にな
る。
本実施例では、実施例1で作製したアクティブマトリクス基板から、透過型の液晶表示
装置を作製する工程を以下に説明する。説明には図2〜図3を用いる。
まず、実施例1に従い、図2の状態のアクティブマトリクス基板を得た後、図3のアク
ティブマトリクス基板に形成された絶縁膜からなる遮光性樹脂膜472と画素電極473
上及び画素電極474上に配向膜475を形成し、その後、ラビング処理を行う。なお、
本実施例では配向膜475を形成する前に、アクリル樹脂膜等の有機樹脂膜をパターニン
グすることによって基板間隔を保持するための柱状のスペーサ(図示しない)を所望の位
置に形成した。また、柱状のスペーサに代えて、球状のスペーサを基板全面に散布しても
よい。
次いで、対向基板476を用意する。次いで、対向基板476上に第一の着色層477
、第二の着色層478、平坦化膜479を形成する。図示はしていないが、第三の着色層
も対向基板476上に設けられている。通常、遮光のために、対向基板側に遮光性樹脂膜
を設けるが、本実施例ではアクティブマトリクス基板に遮光性樹脂膜を設けているので、
対向基板側には遮光性樹脂膜を設ける必要がない。
次いで、平坦化膜479上に透明導電膜からなる対向電極480を少なくとも画素部に
形成し、対向基板の全面に配向膜481を形成し、ラビング処理を施した。
そして、画素部と駆動回路が形成されたアクティブマトリクス基板と対向基板とをシー
ル材(図示せず)で貼り合わせる。シール材にはフィラーが混入されていて、このフィラ
ーと柱状スペーサによって均一な間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、
両基板の間に液晶材料482を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止する。液
晶材料482には公知の液晶材料を用いれば良い。このようにして図3に示す透過型液晶
表示装置が完成する。そして、必要があれば、アクティブマトリクス基板または対向基板
を所望の形状に分断する。
さらに、アクティブマトリクス基板及び対向基板に偏光板(図示しない)を貼りつけた。
そして、公知の技術を用いてFPCを貼りつけた。
以上のようにして作製される液晶表示パネルは各種電子機器の表示部として用いること
ができる。
また、本実施例では、アクティブマトリクス基板側に絶縁膜として遮光性樹脂膜を設け
るので、対向基板に遮光性樹脂膜を形成する工程が不要になる。結果として、液晶表示装
置の作製工程数を増やすことなく、液晶の焼きつきや特性劣化を低減した液晶表示装置を
完成させることができる。
なお、本実施例は、実施例1または実施例3のいずれか一と自由に組み合わせることが
可能である。
本実施例では、実施例1で示したアクティブマトリクス基板のTFTの半導体層を形成
する結晶質半導体層の他の作製方法について示す。本実施例では特開平7−130652
号公報で開示されている触媒元素を用いる結晶化法を適用することもできる。以下に、そ
の場合の例を説明する。
実施例1と同様にして、ガラス基板上に下地膜、非晶質半導体層を25〜80nmの厚さ
で形成する。例えば、非晶質シリコン膜を55nmの厚さで形成する。そして、重量換算で
10ppmの触媒元素を含む水溶液をスピンコート法で塗布して触媒元素を含有する層を
形成する。触媒元素にはニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、鉄(Fe)、パラジ
ウム(Pd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、白金(Pt)、銅(Cu
)、金(Au)などである。この触媒元素を含有する層170は、スピンコート法の他に
スパッタ法や真空蒸着法によって上記触媒元素の層を1〜5nmの厚さに形成しても良い。
そして、結晶化の工程では、まず400〜500℃で1時間程度の熱処理を行い、非晶
質シリコン膜の含有水素量を5atom%以下にする。そして、ファーネスアニール炉を用い
、窒素雰囲気中で550〜600℃で1〜8時間の熱アニールを行う。以上の工程により
結晶質シリコン膜から成る結晶質半導体層を得ることができる。
このようにして作製された結晶質半導体層から島状半導体層を作製すれば、実施例1と
同様にしてアクティブマトリクス基板を完成させることができる。しかし、結晶化の工程
においてシリコンの結晶化を助長する触媒元素を使用した場合、島状半導体層中には微量
(1×1017〜1×1019atoms/cm3程度)の触媒元素が残留する。勿論、そのような状
態でもTFTを完成させることが可能であるが、残留する触媒元素を少なくともチャネル
形成領域から除去する方がより好ましかった。この触媒元素を除去する手段の一つにリン
(P)によるゲッタリング作用を利用する手段がある。
この目的におけるリン(P)によるゲッタリング処理は、図5(C)で説明した活性化
工程で同時に行うことができる。ゲッタリングに必要なリン(P)の濃度は高濃度n型不
純物領域の不純物濃度と同程度でよく、活性化工程の熱アニールにより、nチャネル型T
FTおよびpチャネル型TFTのチャネル形成領域から触媒元素をその濃度でリン(P)
を含有する不純物領域へ偏析させることができる。その結果その不純物領域には1×10
17〜1×1019atoms/cm3程度の触媒元素が偏析した。このようにして作製したTFTは
オフ電流値が下がり、結晶性が良いことから高い電界効果移動度が得られ、良好な特性を
達成することができる。
本願発明を実施して形成された画素部は様々な電気光学装置(アクティブマトリクス型
液晶ディスプレイ)に用いることができる。即ち、それら電気光学装置を表示部に組み込
んだ電子機器全てに本願発明を実施できる。
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター(リア型
またはフロント型)、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナ
ビゲーション、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピ
ュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図12、図13
及び図14に示す。
図12(A)はパーソナルコンピュータであり、本体2001、画像入力部2002、
表示部2003、キーボード2004等を含む。本発明を表示部2003に適用すること
ができる。
図12(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示部2102、音声入力部21
03、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106等を含む。本発明を
表示部2102に適用することができる。
図12(C)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体2201
、カメラ部2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表示部2205等を含む
。本発明は表示部2205に適用できる。
図12(D)はゴーグル型ディスプレイであり、本体2301、表示部2302、アー
ム部2303等を含む。本発明は表示部2302に適用することができる。
図12(E)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレ
ーヤーであり、本体2401、表示部2402、スピーカ部2403、記録媒体2404
、操作スイッチ2405等を含む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(Di
gtial Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲ
ームやインターネットを行うことができる。
本発明は表示部2402に適用することができる。
図12(F)はデジタルカメラであり、本体2501、表示部2502、接眼部250
3、操作スイッチ2504、受像部(図示しない)等を含む。本願発明を表示部2502
に適用することができる。
図13(A)はフロント型プロジェクターであり、投射装置2601、スクリーン26
02等を含む。本発明は投射装置2601の一部を構成する液晶表示装置2808やその
他の信号制御回路に適用することができる。
図13(B)はリア型プロジェクターであり、本体2701、投射装置2702、ミラ
ー2703、スクリーン2704等を含む。本発明は投射装置2702の一部を構成する
液晶表示装置2808やその他の信号制御回路に適用することができる。
なお、図13(C)は、図13(A)及び図13(B)中における投射装置2601、
2702の構造の一例を示した図である。投射装置2601、2702は、光源光学系2
801、ミラー2802、2804〜2806、ダイクロイックミラー2803、プリズ
ム2807、液晶表示装置2808、位相差板2809、投射光学系2810で構成され
る。投射光学系2810は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施形態は三板式
の例を示したが、特に限定されず、例えば単板式であってもよい。また、図13(C)中
において矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや
、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
また、図13(D)は、図13(C)中における光源光学系2801の構造の一例を示
した図である。本実施形態では、光源光学系2801は、リフレクター2811、光源2
812、レンズアレイ2813、2814、偏光変換素子2815、集光レンズ2816
で構成される。なお、図13(D)に示した光源光学系は一例であって特に限定されない
。例えば、光源光学系に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位
相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
ただし、図13に示したプロジェクターにおいては、透過型の液晶表示装置を用いた場
合を示しており、反射型の液晶表示装置での適用例は図示していない。
図14(A)は携帯電話であり、本体2901、音声出力部2902、音声入力部29
03、表示部2904、操作スイッチ2905、アンテナ2906等を含む。本願発明を
表示部2904に適用することができる。
図14(B)は携帯書籍(電子書籍)であり、本体3001、表示部3002、300
3、記憶媒体3004、操作スイッチ3005、アンテナ3006等を含む。本発明は表
示部3002に適用することができる。
図14(C)はディスプレイであり、本体3101、支持台3102、表示部3103
等を含む。本発明は表示部3103に適用することができる。本発明のディスプレイは特
に大画面化した場合において有利であり、対角10インチ以上(特に30インチ以上)の
ディスプレイには有利である。
以上の様に、本願発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用するこ
とが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜3のどのような組み合わせから
なる構成を用いても実現することができる。

Claims (5)

  1. 半導体層と、
    前記半導体層と絶縁膜を介して重なる領域を有するゲート配線と、
    前記ゲート配線上の柱状スペーサと、
    前記絶縁膜上に設けられ、前記半導体層と電気的に接続された導電層と、
    前記絶縁膜上に設けられ、前記導電層を介して前記半導体層と電気的に接続された画素電極と、を有し、
    前記導電層は、ドレイン電極としての機能を有し、
    前記導電層は、前記半導体層と接する領域と、前記画素電極の上面と接する領域と、有し、
    前記柱状スペーサは、前記ゲート配線と重なる領域を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1において、
    前記絶縁膜は、無機絶縁膜であることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記画素電極の上面は、前記導電層と接する領域と、前記導電層と接しない領域と、を有することを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一において、
    前記ゲート配線及び前記導電層は、同一の導電材料を有することを特徴とする半導体装置
  5. 請求項1乃至4のいずれか一において、
    前記導電層と前記半導体層とが接する前記領域は、前記柱状スペーサと重ならないことを特徴とする半導体装置。
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