JP2015081312A - スチレン系難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動性および耐熱性を共に向上させた樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供する。
【解決手段】(A)ゴム変性スチレン系樹脂を100質量部に対して、(B)臭素含有難燃剤10〜20質量部、(C)難燃化助剤1〜10質量部、(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体0.5〜5質量部を含むスチレン系難燃性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

流動性及び耐熱性を共に向上させたスチレン系難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供する。
石油系樹脂の中でも、スチレン系樹脂は成形性、耐衝撃性および耐熱性に優れており、その用途は多岐にわたる。その中で、汎用ポリスチレンやゴム変性ポリスチレンは、容器、包装、日用雑貨等の分野で幅広く使用され、難燃性を付与させた難燃ポリスチレンはパーソナルコンピュータ、プリンター、複写機等のOA機器、TV、オーディオ等の家電製品等の分野で使用されている。
中でも大型あるいは固定されて使用される機器では、内部機構の大型/複雑化と共に放熱が大きくなるため、より高度な耐熱性が要求される。更には近年、成形品の薄肉化/軽量化が進んでおり、流動性と耐熱性をより高度にバランスする材料が求められている。
また機器の外面に利用される外装カバーは、防火エンクロージャとして燃焼あるいは高温物質の飛散や火炎の吹き出しなどを防止する役割を担っている。小型の機器においてはUL94 V−1の難燃性能を有する材料であれば使用可能であるが、大型の機器及び固定して使用される機器においては、高度な難燃性(UL94 5V)が要求される。
流動性向上には低分子量の可塑化成分の追添加が一般的な手法であるが、低分子量成分の増加は耐熱性を低下させるため、流動性と耐熱性は二律背反の関係にある。このように従来の材料では双方の要求を共に満たすことは困難であり、これを満たす樹脂組成物が待ち望まれている。
WO08/123240号公報 特開2007-126520号公報
本発明はこのような現状を鑑み、上記の問題点を解決し、流動性および耐熱性を共に向上させた樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供することである。
本発明は、(A)ゴム変性スチレン系樹脂を100質量部に対して、(B)臭素含有難燃剤10〜20質量部、(C)難燃化助剤1〜10質量部、(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体0.5〜5質量部を含むスチレン系難燃性樹脂組成物である。
また、本発明は上記樹脂組成物を成形して得られる成形体を提供する。
本発明で得られる樹脂組成物は、流動性および耐熱性を共に向上させることができるため、容器・包装分野およびOA機器や家電部品等での使用が有利になる。
(D−1)スチレンと1,3-ブタジエンのブロック共重合体のGPCチャートである。
本発明において使用する(A)ゴム変性スチレン系樹脂とは、芳香族ビニル化合物を重合して得られるものであり、必要に応じて共役ジエン系ゴム状重合体を加えてゴム変性を行ってもよい。重合方法としては公知の方法、例えば、塊状重合法、塊状・懸濁二段重合法、溶液重合法等により製造することができる。芳香族ビニル化合物系単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の公知のものが使用できるが、好ましくはスチレンである。また、これらの芳香族ビニル化合物系単量体と共重合可能なアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のスチレン系単量体や無水マレイン酸等以外の単量体も、スチレン系樹脂組成物の性能を損なわない程度であれば良い。さらに本発明ではジビニルベンゼン等の架橋剤をスチレン系単量体に対し添加して重合したものであっても差し支えない。
本発明の(A)ゴム変性スチレン系樹脂のゴム変性に用いる共役ジエン系ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダムまたはブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−イソプレンのランダム、ブロック又はグラフト共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムなどが挙げられるが、特にポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダム、ブロック又はグラフト共重合体が好ましい。また、これらは一部水素添加されていても差し支えない。
本発明の(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム成分として70質量%以上が、シス−1、4結合を90モル%以上の比率で含有するハイシスポリブタジエンゴムを用いたものが好適に用いられる。1,4−シス結合含量が10〜40モル%であるローシスポリブタジエンゴムを用いた場合、離型性が低下するため、好ましくない。
このような(A)ゴム変性スチレン系樹脂の例として、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体)等が挙げられる。
(B)臭素系難燃剤としては、臭素化フタルイミド化合物、臭素化ジフェニルアルカン化合物、トリス(ポリブロモフェノキシ)トリアジン化合物、ハロゲン含有芳香族ジオールのエーテル誘導体、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリアクリレート、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の分子鎖末端のグリシジル基の一部又は全部を封止した変性物等が挙げられ、特に(B−1)臭素化フタルイミド化合物、(B−2)臭素化ジフェニルアルカン化合物、(B−3)トリス(ポリブロモフェノキシ)トリアジン化合物、(B−4)ハロゲン含有芳香族ジオールのエーテル誘導体から選択された少なくとも一種の臭素含有難燃剤であることが好ましい。
本発明で使用する(B‐1)臭素化フタルイミド化合物は、下記に示す(化1)で表される化合物である。
Figure 2015081312
(ここで、RはCnH2n(nは0〜6の整数)の構造のアルキレン基、X1およびX2はそれぞれ独立に整数1〜4の臭素原子でありX1+X2≧2を表す。)
(B−1)臭素化フタルイミド化合物として、メチレン−ビス−フタルイミド、エチレン−ビス−フタルイミド、プロピレン−ビス−フタルイミド、ブチレン−ビス−フタルイミド、ペンチレン−ビス−フタルイミド、ヘキシレン−ビス−フタルイミド等のジブロモ置換体、トリブロモ置換体、テトラブロモ置換体、ペンタブロモ置換体、ヘキサブロモ置換体、ヘプタブロモ置換体、オクタブロモ置換体が挙げられる。好ましくは、エチレン−ビス−フタルイミド、プロピレン−ビス−フタルイミド、ブチレン−ビス−フタルイミド、ペンチレン−ビス−フタルイミド、ヘキシレン−ビス−フタルイミドのオクタブロモ置換体である。
本発明で使用する(B−2)臭素化ジフェニルアルカン化合物は、下記に示す(化2)で表される化合物である。
Figure 2015081312
(ここで、RはCnH2n(nは1〜10の整数)の構造のアルキレン基、X1およびX2はそれぞれ独立に整数1〜5の臭素原子でありX1+X2≧2を表す。)
(B−2)臭素化ジフェニルアルカン化合物として、ジフェニルメタン、1,2−ジフェニルエタン、1,3−ジフェニルプロパン、1,6−ジフェニルヘキサン等のジブロモ置換体、トリブロモ置換体、テトラブロモ置換体、ペンタブロモ置換体、ヘキサブロモ置換体、ヘプタブロモ置換体、オクタブロモ置換体、ノナブロモ置換体、デカブロモ置換体が挙げられる。好ましくは、ジフェニルアルカンのオクタブロモ置換体、ノナブロモ置換体、デカブロモ置換体であり、特に好ましくはデカブロモジフェニルエタンである。
本発明で使用する(B−3)トリス(ポリブロモフェノキシ)トリアジン化合物は、下記に示す(化3)で表される化合物である。
Figure 2015081312
(ここで、Xは独立に整数1〜3の臭素原子でありX1+X2+X3≧3を表す。)
(B−3)トリス(ポリブロモフェノキシ)トリアジン化合物として、トリフェノキシトリアジンのトリブロモ置換体、テトラブロモ置換体、ペンタブロモ置換体、ヘキサブロモ置換体、ヘプタブロモ置換体、オクタブロモ置換体、ノナブロモ置換体が挙げられる。好ましくは、トリフェノキシトリアジンのオクタブロモ置換体、ノナブロモ置換体であり、特に好ましくはトリス(トリブロモフェノキシ)トリアジンである。
本発明で使用する(B−4)ハロゲン含有芳香族ジオールのエーテル誘導体は、軟化点が105℃〜150℃、分子量が2,000〜10,000の範囲にあり、下記に示す(化4)で表される化合物である。
Figure 2015081312
(ここで、R1、R2は水素または(化5)または(化6)から選ばれた同一または異種の基であり、X1、X2、X3およびX4はそれぞれ独立に整数1〜4の臭素原子あるいは塩素原子であり、nは0を含む自然数である。)
Figure 2015081312
Figure 2015081312
(ここで、R3は炭素数1〜8のアルキル基または(化7)から選ばれた同一または異種の基である。)
Figure 2015081312
(ここで、Yはそれぞれ独立に整数1〜5の臭素原子あるいは塩素原子である。)
(B)臭素含有難燃剤は、その添加量として10〜20質量部用いるのが必須であり、好ましくは12〜18質量部である。(B)臭素含有難燃剤が10質量部より少ないと難燃性が確保できず、20質量部より多いとシャルピー衝撃強度が低下する。
本発明では(B)臭素含有難燃剤と共に(C)難燃化助剤を用いる。難燃化助剤とは難燃剤の難燃効果を更に高める働きをするものであり、例えば酸化アンチモンとして三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ等、ホウ素系化合物としてホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、無水ホウ酸亜鉛、無水ホウ酸等、スズ系化合物として酸化第二スズ、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛等、モリブデン系化合物として酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム等、ジルコニウム系化合物として酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム等、また亜鉛系化合物として硫化亜鉛等が挙げられる。好ましくは三酸化アンチモンである。
(C)難燃化助剤は1〜10質量部用いるのが必須であり、好ましくは2〜8質量部である。難燃化助剤が1質量部より少ないと難燃性が確保できず、10質量部より多いとシャルピー衝撃強度が低下する。
(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体は、スチレンと1,3-ブタジエンとを重合して得られることを特徴とするブロック共重合体である。Z平均分子量が20万未満だと耐熱性が著しく低下し、50万を超えると流動性を著しく低下させる。好ましくは25万≦Mz≦40万である。
(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体は、共重合体中のスチレン含有量が10~50質量%である。好ましくは10~40質量%である。共重合体中のスチレン含有量が10質量%未満であると耐熱性向上効果が乏しく、50質量%を超えると耐衝撃性が著しく低下する。
(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体の配合量は、0.5〜5質量部である。(D)ブロック共重合体が0.5質量部より少ないと、流動性向上の効果が発現せず。また、5質量部を超えると、耐熱性が大きく低下するため好ましくない。好ましくは1〜4質量部である。
(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体は、(イ)Mwが20万未満であるスチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体、および/または(ロ)Mwが20万以上であるスチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体の樹脂組成物である。
(イ)/(ロ)の質量比としては、40〜90/10〜60の割合である。(イ)成分が40未満であると樹脂組成物の流動性が低下し、90を超えると本発明樹脂組成物の耐衝撃性向上効果が乏しいため好ましくない。好ましくは50〜70/30〜50である。
本発明の樹脂組成物には、本発明の要旨を超えない範囲で各種添加物、例えば染顔料、着色防止剤、滑剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、充填剤、相溶化剤等の公知の添加剤、酸化チタンやカーボンブラックなどの着色剤などの改質剤を添加できる。これらの添加方法は特に限定される訳では無く、公知の方法、例えば、使用する(A)ゴム変性スチレン系樹脂の重合開始前、重合途中の反応液に対して、または重合終了後、または(B)臭素含有難燃剤、(C)難燃化助剤、及び(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万でありスチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体を配合する際、更には、押出機や成形機においても添加することができる。
本発明の樹脂組成物の混合方法は、公知の混合技術を適用することが出来る。例えばミキサー型混合機、V型他ブレンダー、及びタンブラー型混合機等の混合装置であらかじめ予備混合しておいた混合物を、更に溶融混練することで均一なスチレン系難燃性樹脂組成物とすることが出来る。溶融混練にも特に制限はなく公知の溶融技術を適用出来る。好適な溶融混練装置として、バンバリー型ミキサー、ニーダー、ロール、単軸押出機、特殊単軸押出機、及び二軸押出機等がある。更に押出機等の溶融混練装置の途中から難燃剤等の添加剤を別途に添加する方法がある。
本発明の樹脂組成物から成形品を得る成形法には特に制限は無いが、好ましくは真空成形および射出成形である。
以下に本発明を参考例、実施例及び比較例によって詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(A)ゴム変性スチレン系樹脂:実施例及び比較例で使用した(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、それぞれ以下の組成である。ゴム状重合体にシス1、4結合を90モル%以上の比率で含有するハイシスポリブタジエンゴムを使用したゴム変性スチレン系樹脂である。このゴム変性スチレン系樹脂の組成は、マトリックス部分の還元粘度が0.76dl/gであり、ゴム状重合体の含有量が9.1質量%であり、ゴム状重合体のゲル含有量が26質量%であり、及びゴム状重合体の体積平均粒子径2.8μmである。ここで言う還元粘度、ゴム状重合体の質量%、ゴム状重合体のゲル含有量の質量%、ゴム状重合体の体積平均粒子径は以下の方法で測定した。
還元粘度(ηsp/C)の測定:ゴム変性スチレン系樹脂1gにメチルエチルケトン17.5mlとアセトン17.5mlの混合溶媒を加え、温度25℃で2時間振とう溶解した後、遠心分離で不溶分を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を取り出し、250mlのメタノールを加えて樹脂分を析出させ、不溶分を濾過乾燥する。同操作で得られた樹脂分をトルエンに溶解してポリマー濃度0.4%(質量/体積)の試料溶液を作成した。この試料溶液、及び純トルエンを30℃の恒温でウベローデ型粘度計により溶液流下秒数を測定して、下式にて算出した。
ηsp/C=(t1/t0−1)/C
t0:純トルエン流下秒数
t1:試料溶液流下秒数
C :ポリマー濃度
ゴム状重合体含有量の測定:該スチレン系難燃性樹脂組成物をクロロホルムに溶解させ、一定量の一塩化ヨウ素/氷酢酸溶液を加え暗所に約30分放置後、15質量%のヨウ化カリウム溶液と純水50mlを加え、過剰の一塩化ヨウ素を0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、付加した一塩化ヨウ素量から算出した。
ゲル含有量の測定:ゴム変性スチレン系樹脂をトルエンに3.3%(質量/体積)の割合で加え、温度25℃で40分振とう溶解した後、遠心分離(回転数10000〜14000rpm、分離時間30分)で不溶分(ゲル分)を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を除去してゲルを得た。次に、この膨潤ゲルを温度100℃で2時間予備乾燥した後、温度120℃の真空乾燥機で1時間乾燥した。デシケータで常温まで冷却し精秤し下式にて算出した。
ゲル分率(%)=[(m1−m0)/S]×100
m0:遠心沈降管質量
m1:乾燥ゲル+遠心沈降管質量
S:試料樹脂質量
ゴム状重合体の体積平均粒子径の測定:ゴム変性スチレン系樹脂をジメチルホルムアミドに完全に溶解させ、レーザー回析方式粒度分布装置にて測定した。
(B‐1)臭素化フタルイミド化合物:商品名SAYTEX BT−93(アルベマール日本社製)を使用した。
(B‐2)臭素化ジフェニルアルカン化合物:商品名SAYTEX 8010(アルベマール日本社製)を使用した。
(B‐3)トリス(ポリブロモフェノキシ)トリアジン化合物:商品名SR245(第一工業製薬社製)を使用した。
(B‐4)ハロゲン含有芳香族ジオールのエーテル誘導体:商品名EC14(大日本インキ社製)を使用した。
(C)難燃化助剤:三酸化アンチモン商品名AT−3CN(鈴裕化学社製)を使用した。
(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体には、(D−1)スチレンと1,3-ブタジエンのブロック共重合体であるクレイトン社製の商品名DX410(Mz:36万、スチレン含有量:18%、ブタジエン含有量82%、(イ)/(ロ)質量比:62/38)を用いた。
比較として(D)Z平均分子量Mzが20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体の代わりに、(D−2)スチレンと1,3-ブタジエンのブロック共重合体であるクレイトン社製の商品名DX405(Mz:12万、スチレン含有量:24%、ブタジエン含有量:76%、(イ)/(ロ)の質量比:98/2)を用いた。
比較として(D)Z平均分子量Mzが20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体の代わりに、(D−3)スチレンとイソプレンのブロック共重合体であるクレイトン社製の商品名D1111(Mz:21万、スチレン含有量:22%、イソプレン含有量78%、(イ)/(ロ)の質量比:64/36)を用いた。
次に、本発明の樹脂組成物の混合方法を述べる。(A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)臭素含有難燃剤、(C)難燃化助剤、(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体を表に示す量にて配合し、これら全成分をヘンシェルミキサー(三井三池化工社製、FM20B)にて予備混合し、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)に供給してストランドとし、水冷してからペレタイザーへ導きペレット化した。この際、シリンダー温度200℃、供給量30kg/時間とした。なお、比較例についても(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体の代わりに各種ブロック共重合体を配合し、同様の操作を行った。
実施例及び比較例に示した各種測定は以下の方法により実施した。
<分子量>
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、次の条件で測定した。
GPC機種:昭和電工株式会社製Shodex GPC−101
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 10μm MIXED−C
移動相:クロロホルム
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃
検出器:示差屈折計
本発明における各成分の分子量測定は、単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。
また、本発明における(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体の(イ)/(ロ)質量比は、JIS K 7252−2の積分分子量分布曲線から算出した。
<スチレンおよびブタジエン含有量>
(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体のスチレン含有量およびブタジエン含有量の測定はJIS K 6231−2に準拠し、熱分解ガスクロマトグラフを用いて行った。
<試験片作成>
射出成形機:日本製鋼所株式会社製J100E−P
得られたペレットを温度70℃×3時間で加熱乾燥後、射出成形機にて、JIS K 7139に記載のA型試験片(ダンベル)を成形した。
<耐衝撃性>
本発明における樹脂組成物の耐衝撃性はシャルピー衝撃値により評価した。
シャルピー衝撃値は、JIS K 7111−1に準拠し、エッジワイズ衝撃で、1.0Jの錘を用いて試験を行った。
強度が10未満だと大型成形品としての強度が不十分であり、シャルピー衝撃強度は10KJ/m2以上を合格とした。
<耐熱性>
荷重たわみ温度(HDT)
荷重たわみ温度は、JIS K 7191に基づき測定を行った。
測定装置:No.148−HD−PC−3(安田精機製)
応力:1.80MPa
支点間距離:64mm
試験片サイズ:長さ80mm 幅10mm 高さ4mm フラットワイズ
荷重たわみ温度が69℃未満だと大型OA機器、家電製品の放熱に対するに不十分であり、69℃以上を合格とした。
<流動性>
メルトフローレート(MFR)
メルトフローレートの測定は、得られたペレットをJISK7210に基づき測定を行った。
試験温度:200℃
試験荷重:49N
メルトフローレートは4以上を合格とした。
[燃焼性]
燃焼性の評価用試験片は、射出成形機(日本製鋼所(株)製、J100E−P)にて、127×12.7×2.0mmの燃焼用試験片を成形した。米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ社のサブジェクト94号の垂直燃焼試験方法(UL94)に基づき、燃焼試験を行った。この試験法で大型機器外装カバーで要求される5Vの評価となった場合を合格とし、5Vに満たなかった場合を不合格とした。
(A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)臭素含有難燃剤、(C)難燃化助剤、(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体の各配合量と共に評価結果を表1〜4に示す。
Figure 2015081312
Figure 2015081312
Figure 2015081312
Figure 2015081312
表1および表2の実施例より、本発明の樹脂組成物は、流動性、耐熱性、耐衝撃性、燃焼性に優れていることがわかる。
表3および4の比較例より、本発明の規定を満足しない樹脂組成物は、耐衝撃性、耐熱性、流動性、燃焼性に劣る。

(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体の配合量が規定外である、あるいは規定以外の共重合体を用いると、耐熱性、流動性が共に上昇する効果が得られない。(比較例1〜4)。また(B)臭素含有難燃剤、(C)難燃化助剤の配合量が規定外であると難燃性もしくは耐衝撃性が要求を満たさない(比較例5〜8)。
本発明の樹脂組成物は、流動性および耐熱性に優れているため、大型のプリンター、複写機等のOA機器、TV、オーディオ等の家電製品での利用が有利になる。

Claims (3)

  1. (A)ゴム変性スチレン系樹脂を100質量部に対して、(B)臭素含有難燃剤10〜20質量部、(C)難燃化助剤1〜10質量部、(D)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万であり、かつ、スチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体0.5〜5質量部を含むスチレン系難燃性樹脂組成物。
  2. (C)Z平均分子量(Mz)が20万≦Mz≦50万でありスチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体であって、下記(イ)/(ロ)成分の質量比が40〜90/10〜60の割合である請求項1に記載の樹脂組成物。
    (イ)Mwが20万未満であるスチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体
    (ロ)Mwが20万以上であるスチレンと1,3-ブタジエンからなるブロック共重合体
  3. 請求項1、又は2に記載の樹脂組成物を成形して得られる成形体。
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