JP2015074747A - スチレン系難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】スチレン系難燃性樹脂のビストルクの向上である。【解決手段】(A)ゴム変性スチレン系樹脂99〜80質量部、(B)シンジオクタクチック構造を有するスチレン重合体1〜20質量部であり、(A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)シンジオクタクチック構造を有するスチレン重合体の合計が100質量部に対して、(C)難燃剤5〜30質量部を含有するスチレン系難燃性樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、ビストルクとシャルピー衝撃強度の優れた難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形体に関するものである。
石油系樹脂の中でも、スチレン系樹脂は成形性、寸法精度、耐衝撃性および耐熱性に優れており、その用途は多岐にわたる。その中で、汎用ポリスチレンやゴム変性ポリスチレンは、容器、包装、日用雑貨等の分野で幅広く使用され、難燃性を付与させた難燃ポリスチレンはパーソナルコンピュータ、プリンター、複写機等のOA機器、TV、オーディオ等の家電製品等の分野で使用されている。
また、これら製品は成形品をネジ止めする事が多い。
また、これら製品は成形品をネジ止めする事が多い。
近年、成形体の薄肉化により、従来よりもビストルクが要求されている。ビストルクを向上させるにはゴム分を削減する方法があるが、シャルピー衝撃強度が著しく低下していまう欠点がある。
本発明の課題は、スチレン系難燃性樹脂のビストルクの向上である。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、(A)ゴム変性スチレン系樹脂に少量の(B)シンジオクタクチック構造を有するスチレン重合体を配合し、(C)難燃剤を添加する事によって、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1.(A)ゴム変性スチレン系樹脂99〜80質量部、(B)シンジオクタクチック構造を有するスチレン重合体1〜20質量部であり、(A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)シンジオクタクチック構造を有するスチレン重合体の合計が100質量部に対して、(C)難燃剤5〜30質量部を含有するスチレン系難燃性樹脂組成物。
2.(A)ゴム変性スチレン系樹脂がアタクチックポリスチレンである前記1に記載のスチレン系難燃性樹脂組成物。
3.(B)シンジオクタクチック構造を有するスチレン重合体の結晶融点が160℃〜260℃である前記1又は2に記載のスチレン系難燃性樹脂組成物。
4.前記1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物を成形して得られる成形体。
1.(A)ゴム変性スチレン系樹脂99〜80質量部、(B)シンジオクタクチック構造を有するスチレン重合体1〜20質量部であり、(A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)シンジオクタクチック構造を有するスチレン重合体の合計が100質量部に対して、(C)難燃剤5〜30質量部を含有するスチレン系難燃性樹脂組成物。
2.(A)ゴム変性スチレン系樹脂がアタクチックポリスチレンである前記1に記載のスチレン系難燃性樹脂組成物。
3.(B)シンジオクタクチック構造を有するスチレン重合体の結晶融点が160℃〜260℃である前記1又は2に記載のスチレン系難燃性樹脂組成物。
4.前記1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物を成形して得られる成形体。
本発明に関わるスチレン系難燃性樹脂組成物は、ビストルク・シャルピー衝撃強度を両立されることが出来るため、OA機器や家電部品等の薄肉化に対応する事が出来る為、産業上の利用価値は極めて大である。
本発明で用いる(A)ゴム変性スチレン系樹脂とは、芳香族ビニル化合物を重合して得られるものであり、必要に応じて共役ジエン系ゴム状重合体を加えてゴム変性を行ってもよい。重合方法としては公知の方法、例えば、塊状重合法、塊状・懸濁二段重合法、溶液重合法等により製造することができる。芳香族ビニル化合物系単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の公知のものが使用できるが、好ましくはスチレンである。また、これらの芳香族ビニル化合物系単量体と共重合可能なアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のスチレン系単量体や無水マレイン酸等以外の単量体も、スチレン系樹脂組成物の性能を損なわない程度であれば良い。さらに本発明ではジビニルベンゼン等の架橋剤をスチレン系単量体に対し添加して重合したものであっても差し支えない。
(A)ゴム変性スチレン系樹脂のゴム変性に用いる共役ジエン系ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダムまたはブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−イソプレンのランダム、ブロック又はグラフト共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムなどが挙げられるが、特にポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダム、ブロック又はグラフト共重合体が好ましい。また、これらは一部水素添加されていても差し支えない。
(A)ゴム変性スチレン系樹脂の例として、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体)等が挙げられる。
(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、スチレン系単量体ユニットの立体規則性がシンジオタクチックではない重合体を意味する。
本発明に用いる(B)シンジオタクチック構造を有するスチレン重合体は以下の様である。
シンジオタクチック構造は、その立体化学構造が、炭素− 炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するものであり、そのタクティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法( 1 3 C − N M R ) により定量される。1 3 C − N M R 法により測定されるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2 個の場合はダイアッド、3 個の場合はトリアッド、5 個の場合はペンタッドによって示すことができるが、本発明に言うシンジオタクチックポリスチレンとは、通常はラセミダイアッドで7 5 % 以上、好ましくは8 5 % 以上、若しくはラセミペンタッドで3 0 % 以上、好ましくは5 0 % 以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン, ポリ( アルキルスチレン) , ポリ( ハロゲン化スチレン) , ポリ( ハロゲン化アルキルスチレン) , ポリ( アルコキシスチレン) , ポリ( ビニル安息香酸エステル) ,これらの水素化重合体およびこれらの混合物, あるいはこれらを主成分とする共重合体を示す。
なお、ここでポリ( アルキルスチレン) としては、ポリ( メチルスチレン) , ポリ( エチルスチレン) , ポリ( イソプロピルスチレン) , ポリ( ターシャリーブチルスチレン) ,ポリ( フェニルスチレン) , ポリ( ビニルナフタレン) , ポリ( ビニルスチレン) などがあり、ポリ( ハロゲン化スチレン) としては、ポリ( クロロスチレン) , ポリ( ブロモスチレン) , ポリ( フルオロスチレン) などがある。また、ポリ( ハロゲン化アルキルスチレン) としては、ポリ( クロロメチルスチレン) など、またポリ( アルコキシスチレン)としては、ポリ( メトキシスチレン) , ポリ( エトキシスチレン) などがある。
なお、ここでポリ( アルキルスチレン) としては、ポリ( メチルスチレン) , ポリ( エチルスチレン) , ポリ( イソプロピルスチレン) , ポリ( ターシャリーブチルスチレン) ,ポリ( フェニルスチレン) , ポリ( ビニルナフタレン) , ポリ( ビニルスチレン) などがあり、ポリ( ハロゲン化スチレン) としては、ポリ( クロロスチレン) , ポリ( ブロモスチレン) , ポリ( フルオロスチレン) などがある。また、ポリ( ハロゲン化アルキルスチレン) としては、ポリ( クロロメチルスチレン) など、またポリ( アルコキシスチレン)としては、ポリ( メトキシスチレン) , ポリ( エトキシスチレン) などがある。
なお、これらのうち特に好ましい(B)シンジオタクチック構造を有するスチレン重合体としては、上記の条件を満足するポリスチレン,ポリ(p−メチルスチレン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(エチルスチレン),ポリ(ジビニルベンゼン),ポリ(p−ターシャリーブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチレン),ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フルオロスチレン),水素化ポリスチレンおよびこれらの構造単位を含む共重合体が挙げられる。
このような(B)シンジオタクチック構造を有するスチレン重合体としては、例えば不活性炭化水素溶媒中または溶媒の不存在下に、チタン化合物および水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合することにより製造することができる。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、およびこれらの水素化重合体は公知の方法などにより得ることができる。
更に、(B)シンジオタクチック構造を有するスチレン重合体に対して、共重合単量体として、上述の各種重合体の他、エチレン,プロピレン,ブテン,ヘキセン,オクテンなどのオレフィン単量体、ブタジエン,イソプレンなどのジエン単量体、環状ジエン単量体やメタクリル酸メチル,無水マレイン酸,アクリロニトリルなどの極性ビニル単量体などを挙げることができる。特に、スチレン繰返し単位が80〜100モル%,p−メチルスチレン繰返し単位が0〜20モル%からなるシンジオタクチックポリスチレンが好ましく用いられる。
(B)シンジオタクチック構造を有するスチレン重合体の分子量については特に制限はないが、重量平均分子量が10,000以上、3,000,000以下であるのが好ましく、特に100,000以上、1,000,000以下であるのが好ましい。ここで重量平均分子量が10,000未満であると、強度低下を引き起こす場合がある。1,000,000を超えると、押出不良(メルトフラクチャー)が生じやすい。さらに、分子量分布については、特に制限はないが、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.5以上8以下であるのが好ましい。
(B)シンジオタクチック構造を有するスチレン重合体の結晶融点は160〜260℃である。260℃を超える融点の場合、通常の成形加工温度での成形が困難となる。
(B)シンジオタクチック構造を有するスチレン重合体は、その添加量として1〜20質量部用いるのが必須であり、好ましくは3〜15質量部である。20質量部を超えると、シャルピー衝撃強度が低下する。
本発明で用いる(C)難燃剤は臭素系難燃剤、リン系難燃剤、塩素系難燃剤等が挙げられる。
臭素系難燃剤としては、トリス(ポリブロモフェノキシ)トリアジン化合物、臭素化ジフェニルアルカン化合物、臭素化フタルイミド化合物、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリアクリレート、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の分子鎖末端のグリシジル基の一部又は全部を封止した変性物等が挙げられる。
臭素系難燃剤としては、トリス(ポリブロモフェノキシ)トリアジン化合物、臭素化ジフェニルアルカン化合物、臭素化フタルイミド化合物、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリアクリレート、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂の分子鎖末端のグリシジル基の一部又は全部を封止した変性物等が挙げられる。
リン系難燃剤としては、赤リン、有機リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスフィン酸塩類、ホスフォン酸塩類、ホスホルアミド化合物等が挙げられ、特に下記化1で表される芳香族ジオールビス(ジアリールホスフェート)化合物が好適に使用される。
リン系難燃剤としては、特にベンゼンジオールビス(ジアリールホスフェート)化合物、ビスフェノールAビス(ジアリールホスフェート)化合物から選択された少なくとも一種の縮合リン酸エステルが好ましく用いられる。
ビスフェノールAビス(ジアリールホスフェート)化合物は、下記に示す化3で表される化合物である。
ビスフェノールAビス(ジアリールホスフェート)化合物として具体的には、ビスフェノールAのビス(ジフェニルホスフェート)、ビス(ジトリルホスフェート)、(ジキシレニルホスフェート)化合物等が挙げられるが、好ましくは、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)化合物である。
ベンゼンジオールビス(ジアリールホスフェート)化合物は、下記に示す化4で表される化合物である。
ベンゼンジオールビス(ジアリールホスフェート)化合物として具体的には、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール等のビス(ジフェニルホスフェート)、ビス(ジトリルホスフェート)、(ジキシレニルホスフェート)化合物等が挙げられるが、好ましくは、ベンゼンジオールのビス(ジフェニルホスフェート)化合物、特に好ましくはレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)である。
(C)難燃剤の添加量としては、(A)ゴム変性スチレン系樹脂と(B)シンジオクタクチック構造を有するスチレン重合体の合計100質量部に対して、5〜30質量部であり、好ましくは7〜22質量部である。5質量部未満だと難燃性が確保できず、30質量部を超えるとシャルピー衝撃強度が著しく低下する。
本発明では、臭素系難燃剤を使用した場合、必要に応じて難燃化助剤を用いる事が出来る。難燃化助剤とは難燃剤の難燃効果を更に高める働きをするものであり、例えば酸化アンチモンとして三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ等、ホウ素系化合物としてホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、無水ホウ酸亜鉛、無水ホウ酸等、スズ系化合物として酸化第二スズ、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛等、モリブデン系化合物として酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム等、ジルコニウム系化合物として酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム等、また亜鉛系化合物として硫化亜鉛等が挙げられる。なかでも三酸化アンチモンを使用することが特に好ましい。
本発明では、リン系難燃剤を使用した場合、必要に応じてポリフェニレンエーテル樹脂を用いる事が出来る。ポリフェニレンエーテル樹脂とは、下記化6に示す構造単位を主鎖に有する重合体であって、単独重合体又は共重合体のいずれでもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は目的を損なわない範囲で他の添加剤を添加する事が出来る。例えば、核剤のアルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエート)をはじめとするカルボン酸の金属塩、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホスフェートナトリウムをはじめとするリン酸の金属塩、タルク、フタロシアニン誘導体等。酸化防止剤のフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等。滑剤の脂肪酸系滑剤、脂肪族アマイド系滑剤、金属石鹸系滑剤等。充填剤のタルク等。着色剤の顔料、染料等。帯電防止剤の非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等である。
本発明の樹脂組成物の混合方法は、公知の混合技術を適用することが出来る。例えばミキサー型混合機、V型ブレンダー、及びタンブラー型混合機等の混合装置で出来る。
本発明の押出溶融混練方法は特に制限はなく公知の溶融技術を適用出来る。好適な溶融混練装置として、バンバリー型ミキサー、ニーダー、ロール、単軸押出機、特殊単軸押出機、及び二軸押出機等がある。
本発明の樹脂組成物から成形品を得る成形法には特に制限は無いが、好ましくは射出成形および真空成形である。
以下に例を挙げて具体的に本発明を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(A)ゴム変性スチレン系樹脂:実施例及び比較例で使用した(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、それぞれ以下の組成である。ゴム状重合体にシス1、4結合を90モル%以上の比率で含有するハイシスポリブタジエンゴムを使用したゴム変性スチレン系樹脂である。このゴム変性スチレン系樹脂の組成は、マトリックス部分の還元粘度が0.76dl/gであり、ゴム状重合体の含有量が9.1質量%であり、ゴム状重合体のゲル含有量が26質量%であり、及びゴム状重合体の体積平均粒子径2.8μmである。ここで言う還元粘度、ゴム状重合体の質量%、ゴム状重合体のゲル含有量の質量%、ゴム状重合体の体積平均粒子径は以下の方法で測定した。
還元粘度(ηsp/C)の測定:ゴム変性スチレン系樹脂1gにメチルエチルケトン17.5mlとアセトン17.5mlの混合溶媒を加え、温度25℃で2時間振とう溶解した後、遠心分離で不溶分を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を取り出し、250mlのメタノールを加えて樹脂分を析出させ、不溶分を濾過乾燥する。同操作で得られた樹脂分をトルエンに溶解してポリマー濃度0.4%(質量/体積)の試料溶液を作成した。この試料溶液、及び純トルエンを30℃の恒温でウベローデ型粘度計により溶液流下秒数を測定して、下式にて算出した。
ηsp/C=(t1/t0−1)/C
t0:純トルエン流下秒数
t1:試料溶液流下秒数
C :ポリマー濃度
ηsp/C=(t1/t0−1)/C
t0:純トルエン流下秒数
t1:試料溶液流下秒数
C :ポリマー濃度
ゴム状重合体含有量の測定:該スチレン系難燃性樹脂組成物をクロロホルムに溶解させ、一定量の一塩化ヨウ素/氷酢酸溶液を加え暗所に約30分放置後、15質量%のヨウ化カリウム溶液と純水50mlを加え、過剰の一塩化ヨウ素を0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、付加した一塩化ヨウ素量から算出した。
ゲル含有量の測定:ゴム変性スチレン系樹脂をトルエンに3.3%(質量/体積)の割合で加え、温度25℃で40分振とう溶解した後、遠心分離(回転数10000〜14000rpm、分離時間30分)で不溶分(ゲル分)を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を除去してゲルを得た。次に、この膨潤ゲルを温度100℃で2時間予備乾燥した後、温度120℃の真空乾燥機で1時間乾燥した。デシケータで常温まで冷却し精秤し下式にて算出した。
ゲル分率(%)=[(m1−m0)/S]×100
m0:遠心沈降管質量
m1:乾燥ゲル+遠心沈降管質量
S:試料樹脂質量
ゲル分率(%)=[(m1−m0)/S]×100
m0:遠心沈降管質量
m1:乾燥ゲル+遠心沈降管質量
S:試料樹脂質量
ゴム状重合体の体積平均粒子径の測定:ゴム変性スチレン系樹脂をジメチルホルムアミドに完全に溶解させ、レーザー回析方式粒度分布装置にて測定した。
(B)シンジオタクチック構造を有するスチレン重合体
スチレン−p−メチルスチレン共重合体(p−メチルスチレン共重合比率12モル%)、Mw=23万、融点250℃を用いた。
比較として使用した、スチレン系樹脂(GP)は、還元粘度0.83dl/g、スチレン系樹脂中の流動パラフィン含有量が0.8質量%であるスチレン重合体を使用した。
スチレン−p−メチルスチレン共重合体(p−メチルスチレン共重合比率12モル%)、Mw=23万、融点250℃を用いた。
比較として使用した、スチレン系樹脂(GP)は、還元粘度0.83dl/g、スチレン系樹脂中の流動パラフィン含有量が0.8質量%であるスチレン重合体を使用した。
(C)難燃剤
(C−1)トリス(ポリブロモフェノキシ)トリアジン化合物
商品名:ピロガードSR245(第一工業製薬社製)を使用した。
臭素含有量:68質量%
(C−2)エチレンビスペンタブロモベンゼン
商品名:SAYTEX8010(アルベマール日本社製)を使用した。
臭素含有量:82質量%
(C−3)ベンゼンジオールビス(ジアリールホスフェート)化合物
商品名:CR−733S(大八化学工業社製)を使用した。
リン含有量10.5質量%
(C−1)トリス(ポリブロモフェノキシ)トリアジン化合物
商品名:ピロガードSR245(第一工業製薬社製)を使用した。
臭素含有量:68質量%
(C−2)エチレンビスペンタブロモベンゼン
商品名:SAYTEX8010(アルベマール日本社製)を使用した。
臭素含有量:82質量%
(C−3)ベンゼンジオールビス(ジアリールホスフェート)化合物
商品名:CR−733S(大八化学工業社製)を使用した。
リン含有量10.5質量%
難燃助剤として、三酸化アンチモンの商品名AT−3CN(鈴裕化学社製)を使用した。
ポリフェニレンエーテル系樹脂は、商品名PX100F(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、極限粘度0.38dl/g)を使用した。
次に、本発明の樹脂組成物の混合方法を述べる。(A)ゴム変性スチレン系樹脂と(B)シンジオタクチック構造を有するスチレン重合体と(C)難燃剤と、必要に応じてスチレン系樹脂(GP)と難燃助剤とポリフェニレンエーテル樹脂とを、表1に示す量にて配合し、これら全成分をヘンシェルミキサー(三井三池化工社製、FM20B)にて予備混合し、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)に供給してストランドとし、水冷してからペレタイザーへ導きペレット化した。この際、シリンダー温度230℃、供給量30kg/時間とした。
実施例及び比較例に示した各種測定は以下の方法により実施した。
<分子量>
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、次の条件で測定した。
GPC機種:昭和電工株式会社製Shodex GPC−101
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 10μm MIXED−C
移動相:クロロホルム
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃
検出器:示差屈折計
本発明における各成分の分子量測定は、単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、次の条件で測定した。
GPC機種:昭和電工株式会社製Shodex GPC−101
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 10μm MIXED−C
移動相:クロロホルム
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃
検出器:示差屈折計
本発明における各成分の分子量測定は、単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。
<結晶融点>
ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社DSC装置(Q2000)を用い、窒素気流化、昇温条件10℃/minで測定した。
ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社DSC装置(Q2000)を用い、窒素気流化、昇温条件10℃/minで測定した。
<ビストルク>
ビストルクの試験片は、得られたペレットを温度70℃×3時間で加熱乾燥後、射出成形機(日本製鋼所(株)製、J100E−P)にて、ボス付き試験片を成形した。ボス形状は、外径7.0mm、内径2.5mm、高さ15mm、穴高さ10mm、底厚4mmとした。この際、シリンダー温度240℃、金型温度40℃とした。このボス付き試験片のボス穴に直径3.0mm、長さ8mmのネジを、トルクドライバー(中村製作所(株)製、20DPSK)にて挿入し、完全にねじ込んだ後、さらに、このネジに回転力を加えてボスが破壊するまで行い、最大トルクを測定した。
ビストルクの試験片は、得られたペレットを温度70℃×3時間で加熱乾燥後、射出成形機(日本製鋼所(株)製、J100E−P)にて、ボス付き試験片を成形した。ボス形状は、外径7.0mm、内径2.5mm、高さ15mm、穴高さ10mm、底厚4mmとした。この際、シリンダー温度240℃、金型温度40℃とした。このボス付き試験片のボス穴に直径3.0mm、長さ8mmのネジを、トルクドライバー(中村製作所(株)製、20DPSK)にて挿入し、完全にねじ込んだ後、さらに、このネジに回転力を加えてボスが破壊するまで行い、最大トルクを測定した。
<シャルピー衝撃強度>
シャルピー衝撃強度の試験片は、得られたペレットを温度70℃×3時間で加熱乾燥後、射出成形機(日本製鋼所(株)製、J100E−P)にて、JIS K 7139に記載のA型試験片(ダンベル)を成形した。この際の成形条件はJIS K 6926−2に準拠して行った。測定はJIS K 7111−1に基づき、エッジワイズ衝撃で、1.0Jの錘を用いて行った。
シャルピー衝撃強度の試験片は、得られたペレットを温度70℃×3時間で加熱乾燥後、射出成形機(日本製鋼所(株)製、J100E−P)にて、JIS K 7139に記載のA型試験片(ダンベル)を成形した。この際の成形条件はJIS K 6926−2に準拠して行った。測定はJIS K 7111−1に基づき、エッジワイズ衝撃で、1.0Jの錘を用いて行った。
<燃焼性>
燃焼性の評価用試験片は、得られたペレットを温度70℃×3時間で加熱乾燥後、射出成形機(日本製鋼所(株)製、J100E−P)にて、127×12.7×2.0mmの燃焼用試験片を成形した。この際、シリンダー温度190℃、金型温度30℃とした。米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ社のサブジェクト94号の垂直燃焼試験方法(UL94)に基づき、燃焼試験を行った。この試験法でV−2、V−1、V−0、5Vの評価となった場合を合格とし、それ以外を不合格とした。
燃焼性の評価用試験片は、得られたペレットを温度70℃×3時間で加熱乾燥後、射出成形機(日本製鋼所(株)製、J100E−P)にて、127×12.7×2.0mmの燃焼用試験片を成形した。この際、シリンダー温度190℃、金型温度30℃とした。米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ社のサブジェクト94号の垂直燃焼試験方法(UL94)に基づき、燃焼試験を行った。この試験法でV−2、V−1、V−0、5Vの評価となった場合を合格とし、それ以外を不合格とした。
各配合量と共に評価結果を表1〜3に示す。
実施例より、本発明の規定を満足する物は、難燃性を有し、ビストルクが向上し、尚且つ、シャルピー強度も向上している。
例えば、(B)シンジオタクチック構造を有するスチレン重合体が0質量部の比較例1よりも、実施例1、2はビストルクが向上し、尚且つ、シャルピー衝撃強度も向上している。さらに、規定量20質量部を超えている比較例2はビストルクは向上するが、シャルピーの向上が見られない。
また、比較例としてスチレン系樹脂(GP)では、添加量に比例して、ビストルクは向上するが、シャルピー衝撃強度は低下する。(比較例1、11、12)
難燃剤種を変えても、同挙動を示す。(実施例3〜8、比較例3〜8)
例えば、(B)シンジオタクチック構造を有するスチレン重合体が0質量部の比較例1よりも、実施例1、2はビストルクが向上し、尚且つ、シャルピー衝撃強度も向上している。さらに、規定量20質量部を超えている比較例2はビストルクは向上するが、シャルピーの向上が見られない。
また、比較例としてスチレン系樹脂(GP)では、添加量に比例して、ビストルクは向上するが、シャルピー衝撃強度は低下する。(比較例1、11、12)
難燃剤種を変えても、同挙動を示す。(実施例3〜8、比較例3〜8)
(C)難燃剤が規定量5質量部未満だと、難燃性能が得られない。(比較例9)また、規定量30質量部を超えると、シャルピー衝撃強度が著しく低下する。(比較例10)
Claims (4)
- (A)ゴム変性スチレン系樹脂99〜80質量部、(B)シンジオクタクチック構造を有するスチレン重合体1〜20質量部であり、(A)ゴム変性スチレン系樹脂、(B)シンジオクタクチック構造を有するスチレン重合体の合計が100質量部に対して、(C)難燃剤5〜30質量部を含有するスチレン系難燃性樹脂組成物。
- (A)ゴム変性スチレン系樹脂がアタクチックポリスチレンである請求項1に記載のスチレン系難燃性樹脂組成物。
- (B)シンジオクタクチック構造を有するスチレン重合体の結晶融点が160℃〜260℃である請求項1又は請求項2に記載のスチレン系難燃性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形して得られる成形体。
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