JP2015080060A - 圧電振動片及び圧電デバイス - Google Patents

圧電振動片及び圧電デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2015080060A
JP2015080060A JP2013215389A JP2013215389A JP2015080060A JP 2015080060 A JP2015080060 A JP 2015080060A JP 2013215389 A JP2013215389 A JP 2013215389A JP 2013215389 A JP2013215389 A JP 2013215389A JP 2015080060 A JP2015080060 A JP 2015080060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base
vibrating piece
protrusion
crystal
piezoelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013215389A
Other languages
English (en)
Inventor
寛崇 霜鳥
Hirotaka Shimotori
寛崇 霜鳥
朋仁 阿部
Tomohito Abe
朋仁 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Dempa Kogyo Co Ltd filed Critical Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority to JP2013215389A priority Critical patent/JP2015080060A/ja
Publication of JP2015080060A publication Critical patent/JP2015080060A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

【課題】圧電振動片をベースの適切な位置に固定でき、振動特性の悪化を回避することが可能な圧電振動片及び圧電デバイスを提供する。
【解決手段】水晶振動子100は、振動部151と、平面領域157が形成された支持突起152a及び平面領域157から隆起した挿入突起153aを有する基部156と、を備える水晶振動片150と、挿入突起153aが挿入される窪み141aを有し、平面領域157の少なくとも一部が窪み141aの周辺の平面状の領域に対向するベース140と、窪み141aに塗布されて水晶振動片150を固定する導電性接着剤171と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電振動片及び圧電デバイスに関する。特に圧電振動片を適切な位置でベースに搭載できる圧電振動片及び圧電デバイスに関する。
携帯電話やパーソナルコンピュータなどの様々な電子機器には、主に周波数の選択や制御のために圧電デバイスが広く使われている。圧電デバイスは機能によって圧電振動子、圧電発振器、SAWデバイスや光学デバイス等に分類できる。そして、圧電素子に水晶を用いた水晶振動子や水晶発振器等が広く知られており、一般的に使われている。
ここで、水晶振動子として、特許文献1では次のようなものが開示されている。まず、凹部空間を有するベースがある。凹部空間にはラーメモード振動をする水晶振動片が収容される。そして、凹部を覆うようにリッドがベースに接合されて、水晶振動片が密閉される。当該水晶振動片は矩形であり、一方の主面の4角部に突起が形成される。当該突起と、凹部の底面にある電極(素子搭載用パッド)とが、導電性接着剤で接合されることで、水晶振動片がベースに固定される。
また、他の水晶振動子として、特許文献2では次のようなものが開示されている。まず、前述の特許文献1と同様に、凹部空間を有するベースがあり、凹部空間に水晶振動片が収容され、凹部を覆うようにリッドがベースに接合される。凹部の底面には樹脂でできた一対の突起が形成される。そして、水晶振動片には突出部が形成されており、一対の突起が当該突出部を挟持することで、水晶振動片がベースに固定される。
特開2008−294506号公報 特開2011−146839号公報
しかし、特許文献1の水晶振動子は、水晶振動片に形成された突起が導電性接着剤で素子搭載用パッドに接合される。したがって、水晶振動片を素子搭載用パッドに載せるときに位置が適切に定まらず、例えば水晶振動片がベースの側面に当たって、水晶振動子が適切な振動特性を発揮できないおそれがある。
また、特許文献2の水晶振動子は、樹脂でできた一対の突起の高さや、水晶振動片の突出部の高さによっては、水晶振動片の突出部を一対の突起に挿入する際に、突起の先端が水晶振動片の突出部以外の領域に当たって適切な振動特性を発揮できないおそれがある。
以上のような事情に鑑みて、本発明は、圧電振動片をベースの適切な位置に固定でき、振動特性の悪化を回避することが可能な圧電振動片及び圧電デバイスの提供を目的とする。
第1観点の圧電振動片は、
振動部と、
前記振動部に接続し、前記振動部と一体に形成された基部と、
前記基部から隆起し、先端に第1の平面領域が形成された突起である第1の支持突起と、
前記第1の平面領域から隆起した突起である第1の挿入突起と、
前記振動部に形成された励振電極と、
前記励振電極から、少なくとも前記第1の支持突起まで伸びた引出電極と、を有することを特徴とする。
第2観点の圧電振動片は、第1観点の圧電振動片において、
前記基部における前記第1の支持突起と反対側の領域に、前記基部から隆起し、先端に第2の平面領域が形成された突起である第2の支持突起と、
前記第2の平面領域から隆起した突起である第2の挿入突起と、をさらに有し、
前記引出電極は、少なくとも第2の支持突起まで伸びる。
第3観点の圧電振動片は、第1観点又は第2観点の圧電振動片において、
前記基部から前記第1の支持突起と同じ方向に隆起し、表面が露出した突起である第3の支持突起をさらに有する。
第1観点の圧電デバイスは、
第1観点の圧電振動片と、
前記第1の平面領域の少なくとも一部が対向する平面状の振動片搭載領域と、前記振動片搭載領域に形成されて前記第1の挿入突起が挿入される第1の窪みと、を有するベースと、
前記第1の窪みに塗布されて前記第1の挿入突起と接し、前記圧電振動片を前記ベースに固定する導電性接着剤と、を有することを特徴とする。
第2観点の圧電デバイスは、第1観点の圧電デバイスにおいて、
前記導電性接着剤は、前記第1の支持突起の側面まで伸びる。
第3観点の圧電デバイスは、第1観点又は第2観点の圧電デバイスにおいて、
前記振動片搭載領域には、前記第1の窪みにつながった第1の溝が伸びる。
第4観点の圧電デバイスは、第3観点の圧電デバイスにおいて、
前記第1の溝の幅は、前記第1の挿入突起における前記第1の溝の幅方向の大きさより小さい。
第5観点の圧電デバイスは、第3観点の圧電デバイスにおいて、
前記第1の溝の幅は、前記第1の窪みの幅と等しい。
第6観点の圧電デバイスは、第5観点の圧電デバイスにおいて、
前記第1の溝と交差し、前記第1の溝の幅と等しい幅を持つ第2の溝をさらに有する。
第7観点の圧電デバイスは、第1観点ないし第6観点の圧電デバイスにおいて、
第1観点の圧電振動片として、第3観点の圧電振動片に記載の圧電振動片を用い、前記ベースには、前記第3の支持突起が挿入された第2の窪みが形成される。
本発明の圧電デバイスによれば、圧電振動片をベースの適切な位置に固定でき、振動特性の悪化を回避することが可能となる。
水晶振動子100の断面図である。 ベース140の平面図である。 水晶振動片150の斜視図である。 水晶振動片250の斜視図である。 (a)はベース340の平面図である。(b)はベース440の平面図である。 (a)はベース540の平面図である。(b)はベース640の平面図である。 ベース740の平面図である。 水晶振動子800の断面図である。 ベース840の平面図である。 (a)は水晶振動片850の斜視図である。(b)は水晶振動片850の平面図である。 水晶振動子900の断面図である。 ベース940の平面図である。 (a)は水晶振動片950の斜視図である。(b)は水晶振動片950の平面図である。
<第一実施形態>
〔水晶振動子100の全体構成〕
本発明の第一実施形態である水晶振動子100について、はじめに図1から図3を用いて説明する。図1は水晶振動子100の断面図である。図2はベース140の平面図である。図3は水晶振動片150の斜視図である。なお、図1のベース140は図2のA1−A1線についての断面図である。また、図1の水晶振動片150は図3のB1−B1線についての断面図である。
水晶振動子100は直方体状の外形をしており、図1に示されるように、凹部のあるベース140にリッド110を接合した構成になっている。そして、ベース140の凹部に水晶振動片150が収容される。以降の説明では、図1にある通り、ベース140からリッド110に向かう方向をZ方向とする。また、Z方向に垂直な方向であり、水晶振動子100の長辺が伸びる方向をY方向とする。そして、Z方向及びY方向に垂直な方向をX方向とする。なお、Z方向について、ベース140を基準にしたときリッド110の方向を+(プラス)とし、この反対方向を−(マイナス)とする。
ベース140は、例えばセラミックからなり、矩形であり平板状の底面部120と、底面部120に積層された壁部130とを備える。底面部120は、−Z側に配置される第1底面部121と、第1底面部121の+Z側に積層される第2底面部122とからなる。また、壁部130は、底面部120の+Z側の主面の外周部を周回するように形成される。そして、底面部120と壁部130とで囲まれる領域がベース140の凹部となる。なお、図2に示されるように、ベース140を+Z側から見た場合の4つの角部には切欠き142a〜dが形成される。
ベース140の凹部の底面となる底面部120の+Z側の面には、図1及び図2に示されるように、2つの窪み141a、bが形成される。窪み141aは底面部120の−Y側であって+X側に形成され、窪み141bは底面部120の−Y側であって−X側に形成される。窪み141a、bは、第2底面部122に貫通孔を設けることで形成される。したがって、窪み141a、bの側面は、第2底面部122に設けた当該貫通孔の側面であり、窪み141a、bの底面は、当該貫通孔によって露出した第1底面部121の+Z側の面である。また、窪み141a、bは、図1及び図2に示される通り、円柱形状であるが、例えば、四角柱等の角柱形状でもよく、また、半球形状でもよい。
窪み141a、bの表面には接続電極161a、bが形成される。接続電極161a、bは窪み141a、bの内側面及び底面に形成される。そして、接続電極161a、bは、図2に示されるように、窪み141a、bの周囲まで伸びており、ベース140の+Z側から見て矩形になっている。ただし、矩形以外の形状、例えば楕円又は多角形でもよい。
接続電極161a、bは、ベース140の外底面となる底面部120の−Y側の面に形成された実装端子160a、bに導通する。具体的には、接続電極161aは、ベース140の+X側であって−Y側の切欠き142aの側面に形成された図示されない電極を経由して、ベース140の外底面における−Y側に形成された実装端子160aに導通する。また、接続電極161bは、図2に示される、底面部120の+Z側の面に形成された導電路162に導通する。そして、導電路162は、ベース140の−X側であって+Y側の切欠き142cの側面に形成された図示されない電極を経由して、ベース140の外底面における+Y側に形成された実装端子160bに導通する。
そして、ベース120の凹部には、圧電振動片である水晶振動片150が収容される。ここで、一般に水晶は単結晶水晶からの切断角度によって振動特性が異なることが知られており、種々の切断角度の水晶が提案されている。水晶振動片150では例えばATカット型の水晶を用いる。ATカット型の水晶は、水晶振動子や水晶発振器等が常温付近で使用されるにあたって良好な周波数特性が得られる等の利点があり、水晶の3つの結晶軸である電気軸、機械軸及び光学軸のうち、光学軸に対して電気軸周りに35°15′だけ傾いた角度で切り出された水晶である。
水晶振動片150は、図3に示されるように、平板状であり、+Z側から見ると矩形である。水晶振動片150のうち、後述する励振電極154a、bが形成される領域を振動部151と呼ぶ。そして、振動部151の−Y側の領域を基部156と呼ぶ。なお、振動部151と基部156とは、水晶で一体的に形成される。
基部156の−Z側の面には一対の突起である支持突起152a、bが形成される。支持突起152aは、基部156の+X側であって−Y側の角部に設けられる。支持突起152bは、基部156の−X側であって−Y側の角部に設けられる。そして、支持突起152a、bの形状は−Z側から見たとき矩形である。なお、例えば円、楕円又は多角形など、矩形以外の形状でもよい。
支持突起152a、bには、図1に示されるように、先端に平面領域157が設けられる。平面領域157からは、さらに突起が隆起する。当該突起を挿入突起153a、bと呼ぶ。挿入突起153a、bの形状は、−Z側から見たとき矩形である。なお、例えば円、楕円又は多角形など、矩形以外の形状でもよい。そして、−Z側から見たとき、挿入突起153a、bの大きさは支持突起152a、bより小さい。したがって、−Z側から見たとき、平面領域157が表れる。
水晶振動片150の+Z側の面には、当該+Z側の面の中心を含む領域に励振電極154bが形成される。励振電極154bからは引出電極155bが伸びており、引出電極155bは、支持突起152bの側面、平面領域157及び挿入突起153bの表面を覆う。また、水晶振動片150の−Z側の面における励振電極154bと対向する領域には、励振電極154aが形成される。励振電極154aからは、引出電極155aが伸びており、引出電極155aは、支持突起152aの側面、平面領域157及び挿入突起153aの表面を覆う。なお、励振電極154a、b及び引出電極155a、bは、例えば、下層をCr(クロム)の金属膜とし、この表面である上層をAu(金)の金属膜とした2層の構成とする。
そして、ベース140の開口端面となる、壁部130の+Z側の面に、平板状のリッド110が接合される。リッド110はベース140の凹部を覆うように配置されるため、水晶振動片150が密閉封入されることになる。リッド110は例えばコバールからなる。なお、コバールはFe(鉄)、Ni(ニッケル)及びCo(コバルト)の合金である。そしてリッド110の表面は例えばNiの金属膜で覆われている。そして、壁部130の+Z側の全面に形成された図示しない金属膜と、リッド110とが例えば銀ロウ等のロウ材170で接合される。
〔水晶振動片150の固定〕
次に、水晶振動片150がベース140に固定されることの詳細を、主に図1を参照して説明する。Z方向から見たとき、挿入突起153a、bの大きさが、窪み141a、bの大きさより小さくなるように、挿入突起153a、b及び窪み141a、bを形成する。そして、挿入突起153a、bは、それぞれ窪み141a、bに挿入される。また、Z方向から見たとき、窪み141a、bの大きさが、平面領域157の大きさより小さくなるように、窪み141a、b及び平面領域157を形成する。そして、平面領域157の少なくとも一部は、窪み141a、bの周囲の領域であって、接続電極161a、bが形成された領域の一部に対向する。
窪み141a、bの内部、及び、窪み141a、bの周囲の接続電極161a、bの少なくとも一部には導電性接着剤171が塗布される。導電性接着剤171は挿入突起153a、bの表面、平面領域157、及び、支持突起152a、bの−Z側の側面に接合する。これにより、水晶振動片150が底面部120に固定される。そして、引出電極155a、bと接続電極161a、bとが導電性接着剤171によって導通する。したがって、引出電極155a、bに導通する励振電極154a、bと、接続電極161a、bに導通する実装端子160a、bとが、導通することになる。なお、接続電極161a、bが形成された底面部120の領域で水晶振動片150を固定するため、当該領域(接続電極161a、bが形成された底面部120の領域)を振動片搭載領域と呼ぶことができる。
このように、挿入突起153a、bは窪み141a、bに挿入される。したがって、水晶振動片150をベース140に置いた後に、水晶振動片150の位置がずれることがない。特に、一対の挿入突起153a、bが、一対の窪み141a、bに挿入される。したがって、水晶振動片150をZ方向から見たときに、水晶振動片150の例えば長辺が、Y方向から一定角度異なる方向にずれて配置される、ということが生じない。
また、導電性接着剤171は挿入突起153a、bの表面、平面領域157、及び、支持突起152a、bの−Z側の側面に接合する。よって、導電性接着剤171の接着面積を大きくできる。したがって、水晶振動片150の接合強度を確保できる。
また、平面領域157の少なくとも一部は、底面部120の+Z側の面の領域であって、窪み141a、bの周囲の領域の一部に対向する。よって、少なくとも、基部156における、支持突起152a、bの周囲の領域は、支持突起152a、bの高さ分、底面部120から離れる。したがって、基部156における、支持突起152a、bの周囲の領域に底面部120が当たることがなく、水晶振動子100の振動特性の悪化を防止できる。
特に、平面領域157と振動部151は平行である。したがって、振動部151が底面部120に当たることがなく、水晶振動子100の振動特性の悪化を防止できる。また、振動部151に凸部があるメサ形状の水晶振動子であっても、当該凸部の高さが支持突起152a、bの高さ未満であれば、同様に、当該凸部が底面部120に当たることを防げる。なお、当該凸部の高さが支持突起152a、bの高さと同じであっても、導電性接着剤171の厚さを考慮すると、当該凸部が底面部120に当たることを防げる。
また、水晶振動片150をベース140に固定する際に、導電性接着剤171を窪み141a、bに塗布することができる。したがって、導電性接着剤171の塗布位置の特定が容易になる。
〔水晶振動子100の製造方法〕
(ベース140の形成)
次に水晶振動子100の製造方法を説明する。まず、第1底面部121となる領域を複数有するセラミックグリーンシート(第1底面部シート)を用意する。次に、抜き打ち加工などにより、切欠き142a〜dとなる領域に貫通孔を形成する。次に、スクリーン印刷などにより、例えばW(タングステン)を含んだ導電ペーストを、切欠き142a、cの側面、窪み141a、bの底面となる領域(接続電極161a、bの一部の領域)、実装端子160a、b、及び、必要に応じて形成される導電路となる領域に印刷する。
また、第2底面部122となる領域を複数有するセラミックグリーンシート(第2底面部シート)を用意する。次に、抜き打ち加工などにより、切欠き142a〜dとなる領域、及び、窪み141a、bとなる領域に貫通孔を形成する。次に、スクリーン印刷などにより、例えばWを含んだ導電ペーストを、切欠き142a、cの側面、窪み141a、bとなる領域の貫通孔の側面と周囲(接続電極161a、bとなる領域の一部)、導電路162、及び、必要に応じて形成されるその他の導電路となる領域に印刷する。
また、壁部130となる領域を複数有するセラミックグリーンシート(壁部シート)を用意する。次に、抜き打ち加工などにより、切欠き142a〜dとなる領域及び壁部130の内側でありベース140の凹部となる領域に貫通孔を形成する。
次に、第1底面部シート、第2底面部シート及び壁部シートを、この順序で積層して焼成する。次に、電解メッキ又は無電解メッキにより、スクリーン印刷等で形成したW等の金属表面に、例えば、Ni(ニッケル)の金属膜及びAu(金)の金属膜を順次形成する。そして、第1底面部121、第2底面部122及び壁部130の境界部分で、積層及び焼成したセラミックグリーンシートを分割する。これによりベース140が形成される。
(水晶振動片150の形成と収容)
水晶振動片150は、例えば図示しない水晶ウエハを用い、フォトリソグラフィの技術を使用して形成する。この一例を示すと、まず、水晶ウエハの両主面を、スパッタ等により金属膜で覆う。次に、当該金属膜の表面にレジスト膜を形成する。次に所定領域を露光及び現像することで、水晶ウエハ上に、複数の水晶振動片150に対応する領域及び当該水晶振動片150をつなぐ枝部となる領域にレジスト膜が塗布された状態になり、その他の領域は金属膜が露出された状態になる。次に、エッチングによって、露出した金属膜を除去し、除去した金属膜の下にある水晶を露出させる。次に、エッチングによって露出した水晶を貫通させる。これにより、水晶ウエハは、複数の水晶振動片150及びこれらの水晶振動片150をつなぐ枝部からなる構成となる。次に、水晶ウエハに残ったレジスト及び金属膜を除去する。
次に、再度水晶ウエハの両主面を金属膜及びレジスト膜で覆う。次に、露光、現像及び金属膜のエッチングにより、挿入突起153a、b以外の領域の水晶を露出させる。次に露出した水晶をエッチングすることで挿入突起153a、bを形成する。次に、水晶ウエハに残ったレジスト及び金属膜を除去する。
次に、再度水晶ウエハの両主面を金属膜及びレジスト膜で覆う。次に、露光、現像及び金属膜のエッチングにより、挿入突起153a、b及び支持突起152a、b以外の領域の水晶を露出させる。次に露出した水晶をエッチングすることで支持突起152a、bを形成する。次に、水晶ウエハに残ったレジスト及び金属膜を除去する。
次に、スパッタ又はフォトリソグラフィを用いて、水晶振動片150の図3に示される各種電極(励振電極154a、b及び引出電極155a、b)を形成する。次に、水晶ウエハの水晶振動片150を、水晶ウエハの枝部から折り取ることで、個片になった複数の水晶振動片150を得る。
次に、導電性接着剤171をベース140の窪み141a、bに塗布する。次に、水晶振動片150をベース140の凹部に搭載する。このとき、挿入突起153a、bを窪み141a、bに挿入する。これにより、導電性接着剤171が押しつぶされて窪み141aの周囲まで伸びる。具体的には、導電性接着剤171は、挿入突起153a、bの表面、平面領域157、及び、支持突起152a、bの−Z側の側面まで伸びる。そして、水晶振動片150がベース140に固定される。
(封止)
最後に、リッド110を、ベース140の開口端面となる壁部130の+Z側の面に接合して、水晶振動片150を密閉封入する。この際、予め、当該ベース140の凹部の開口端面、又は、リッド110の−Z側の面の外周部に銀ロウ等のロウ材170を形成する。次に、当該ベース140の凹部の開口端面に、リッド110の−Z側の面を対向させて重ね合せて、シーム溶接等で接合する。
<第一実施形態の変形例>
次に、本発明の第一実施形態の変形例である水晶振動子について説明する。本変形例の水晶振動子が水晶振動子100と異なる点は水晶振動片250である。そこで、この点について図4を用いて説明する。図4は水晶振動片250の斜視図である。なお、以下の説明では、第一実施形態と同様の部分に関しては同じ記号を付してその説明を省略する。
水晶振動片250の基部156には、支持突起152a、bの他に一対の支持突起152c、dが形成される。具体的に説明すると、支持突起152c、dは基部156の+Z側の面に形成される。そして、支持突起152cは、基部156の+X側であって−Y側の角部に設けられる。支持突起152dは、基部156の−X側であって−Y側の角部に設けられる。すなわち、支持突起152c、dは、支持突起152a、bの反対側に形成される。なお、支持突起152c、dの形状は+Z側から見たとき矩形である。
支持突起152c、dは、図4に示されるように、先端に平面領域257が設けられる。平面領域257からは、さらに突起が隆起する。当該突起を挿入突起153c、dと呼ぶ。挿入突起153c、dの形状は、+Z側から見たとき矩形である。そして、+Z側から見たとき、挿入突起153c、dの大きさは支持突起152c、dより小さい。したがって、+Z側から見たとき、平面領域257が表れる。
そして、水晶振動片250の+Z側の面に形成された励振電極154bからは引出電極255bが伸びており、引出電極255bは、支持突起152bの側面、平面領域157(図4では不図示)、挿入突起153bの表面を覆うとともに、支持突起152dの側面、平面領域257、挿入突起153dの表面を覆う。また、水晶振動片250の+Z側の面に形成された励振電極154a(図4では不図示)からは引出電極255aが伸びており、引出電極255aは、支持突起152aの側面、平面領域157(図4では不図示)、挿入突起153aの表面を覆うとともに、支持突起152cの側面、平面領域257、挿入突起153cの表面を覆う。
このように、水晶振動片250は、−Z側に形成される支持突起152a、b及び挿入突起153a、bの他に、+Z側にも、支持突起152c、d及び挿入突起153c、dが形成される。そして、支持突起152a〜d及び挿入突起153a〜dに引出電極255a、bが形成される。
よって、挿入突起153a、bを窪み141a、bに挿入させて、窪み141a、b部分の導電性接着剤171によって、水晶振動片250をベース140に接合させることもできるし、同様に、挿入突起153c、dを窪み141a、bに挿入させて水晶振動片250をベース140に接合させることもできる。すなわち、水晶振動片250の励振電極154a、bのどちらを下方にしても(底面部120に対向させても)、水晶振動片250をベース140に接合させることができる。したがって、水晶振動片250をベース140に搭載する際に、水晶振動片250の上下を判別する工程を不要にできる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態である水晶振動子について説明する。本実施形態の水晶振動子が水晶振動子100と異なる点は、主に、ベース340である。そこで、この点について図5(a)を用いて説明する。図5(a)はベース340の平面図である。なお、以下の説明では、第一実施形態と同様の部分に関しては同じ記号を付してその説明を省略する。
ベース340には、水晶振動子100と同様に、窪み341a、bが形成される。そして、ベース340を+Z側から見て、窪み341a、bにつながる溝343a、bが形成される。溝343a、bは窪み341a、bの+X方向及び−X方向に伸びる。窪み341a、b及び溝343a、bは、第2底面部122に貫通孔を設けることで形成される。したがって、窪み341a、b及び溝343a、bの底面は第1底面部121の+Z側の面となる。なお、溝343a、bの伸びる方向はこれに限定されるものではなく、+X方向若しくは−X方向の一方のみに伸びるものであったり、他の方向に伸びるものであったりしてもよい。
溝343a、bを+Z側から見たときの幅である、溝343a、bのY方向の大きさは、窪み341a、bを+Z側から見たときの直径である、窪み341a、bのY方向の大きさの最大値より小さい。また、溝343a、bの当該幅は、挿入突起153a、bを−Z側から見たときのY方向の大きさより小さい。そして、挿入突起153a、bが窪み341a、bに挿入され、窪み141a、b部分の導電性接着剤171によって、水晶振動片150がベース140に固定される。
このように、窪み341a、bからは溝343a、bが伸びる。よって、窪み341a、bに導電性接着剤171を塗布して、挿入突起153a、bを窪み341a、bに挿入する際に、導電性接着剤171の一部は溝343a、bに流れ込む。したがって、導電性接着剤171が窪み341a、bから溢れだして振動部151に付着したり、隣接する接続電極161a、bまで伸びて接続電極161a、bを短絡させたりするおそれを低減できる。特に、溝343a、bが隣接する接続電極161a、bに向かう方向に伸びない場合は、導電性接着剤171が隣接する接続電極161a、bを短絡させるおそれをさらに低減できる。
また、挿入突起153a、bは窪み341a、bに挿入される。したがって、水晶振動片150をベース140に置いた後に、水晶振動片150の位置がずれることがない。特に、一対の挿入突起153a、bが、一対の窪み341a、bに挿入される。したがって、水晶振動片150をZ方向から見たときに、水晶振動片150の例えば長辺が、所定の方向から一定角度異なる方向にずれて配置される、ということが生じない。また、溝343a、bを+Z方向から見たときの幅は、挿入突起153a、bを−Z側から見たときのY方向の大きさより小さい。したがって、挿入突起153a、bが溝343a、bに入り込んで水晶振動片150が位置ずれする、ということが生じない。
また、平面領域157の少なくとも一部は、底面部120の+Z側の面の領域であって、窪み141a、bの周囲の領域の一部に対向する。よって、少なくとも、基部156における、支持突起152a、bの周囲の領域は、支持突起152a、bの高さ分、底面部120から離れる。したがって、基部156における、支持突起152a、bの周囲の領域に底面部120が当たることがなく、本実施形態の水晶振動子の振動特性の悪化を防止できる。
窪みにつながる溝は、上記の溝343a、b以外にも種々考えられる。一例として図5(b)に示される溝443a、bを説明する。図5(b)は、溝443a、bが形成されたベース440の平面図である。
溝443a、bは+Z側から見て窪み341a、bにつながるように形成される。そして、溝443a、bは窪み341a、bの+X方向、−X方向、+Y方向及び−Y方向に伸びる。このように、窪み341a、bにつながる溝443a、bが増えることで、より多くの導電性接着剤171が窪み441a、bに流れ込むことが可能になる。したがって、導電性接着剤171が窪み441a、bから溢れだして振動部151に付着したり、導電性接着剤171が隣接する接続電極161a、bまで伸びて接続電極161a、bを短絡させたりするおそれをさらに低減できる。なお、溝443a、bの数を増減させたり、溝443a、bが伸びる方向を変えたりしてもよい。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態である水晶振動子について説明する。本実施形態の水晶振動子が水晶振動子100と異なる点は、主に、ベース540である。そこで、この点について図6(a)を用いて説明する。図6(a)はベース540の平面図である。なお、以下の説明では、第一実施形態と同様の部分に関しては同じ記号を付してその説明を省略する。
ベース540には、接続電極161a、bが形成された領域に溝543a、bが形成される。溝543a、bは、+Z側から見てX方向に伸びるように形成されている。溝543a、bの側面及び底面には、接続電極161a、bの一部となる電極が形成されている。また、溝543a、bは、第2底面部122に貫通孔を設けることで形成される。したがって、溝543a、bの底面は第1底面部121の+Z側の面となる。
溝543a、bを+Z側から見たときの幅である、溝543a、bのY方向の大きさは、挿入突起153a、bを−Z側から見たときのY方向の大きさより大きい。したがって、挿入突起153a、bを溝543a、bに挿入できる。なお、挿入突起153a、bが挿入された溝543a、bの領域を窪みと呼ぶと、溝543a、bは、当該窪みと、当該窪みにつながった溝とからなるといえる。
また、溝543a、bを+Z側から見たときの幅は、支持突起152a、bを−Z側から見たときのY方向の大きさより小さい。したがって、支持突起152a、bは溝543a、bに挿入されない。そして、平面領域157の少なくとも一部は、底面部120の+Z側の面の領域であって、溝543a、bの周囲の領域の一部に対向する。水晶振動片150は、挿入突起153a、bが窪み541a、bに挿入され、窪み541a、b部分の導電性接着剤171によってベース540に固定される。
ここで、各種の仕様等に応じてX方向の大きさが異なる水晶振動片150が使われる場合がある。しかし、本実施形態の水晶振動子では、溝543a、bは、+Z側から見てX方向に伸びるように形成されている。したがって、水晶振動片150のX方向の大きさが異なっていても、水晶振動片150の挿入突起153a、bを溝543a、bに挿入して、水晶振動片150をベース540に固定できる。
また、一対の挿入突起153a、bが、X方向に伸びる一対の溝543a、bに挿入される。したがって、水晶振動片150をZ方向から見たときに、水晶振動片150の例えば長辺が、Y方向から一定角度異なる方向にずれて配置される、ということが生じない。
また、平面領域157の少なくとも一部は、底面部120の+Z側の面の領域であって、溝543a、bの周囲の領域の一部に対向する。よって、少なくとも、基部156における、支持突起152a、bの周囲の領域は、支持突起152a、bの高さ分、底面部120から離れる。したがって、基部156における、支持突起152a、bの周囲の領域に底面部120が当たることがなく、本実施形態の水晶振動子の振動特性の悪化を防止できる。
<第三実施形態の第一変形例>
次に、本発明の第三実施形態の第一変形例である水晶振動子について説明する。本変形例の水晶振動子が第三実施形態と異なる点はベース640である。そこで、この点について図6(b)を用いて説明する。図6(b)はベース640の平面図である。なお、以下の説明では、第三実施形態と同様の部分に関しては同じ記号を付してその説明を省略する。
ベース640には、接続電極161a、bが形成された領域に溝643a、bが形成される。溝643a、bは、+Z側から見てY方向に伸びるように形成されている。溝643a、bの側面及び底面には、接続電極161a、bの一部となる電極が形成されている。また、溝643a、bは、第2底面部122に貫通孔を設けることで形成される。したがって、溝643a、bの底面は第1底面部121の+Z側の面となる。
溝643a、bを+Z側から見たときの幅である、溝643a、bのX方向の大きさは、挿入突起153a、bを−Z側から見たときのX方向の大きさより大きい。したがって、挿入突起153a、bを溝643a、bに挿入できる。なお、挿入突起153a、bが挿入された溝643a、bの領域を窪みと呼ぶと、溝643a、bは、当該窪みと、当該窪みにつながった溝とからなるといえる。
また、溝643a、bを+Z側から見たときの幅は、支持突起152a、bを−Z側から見たときのX方向の大きさより小さい。したがって、支持突起152a、bは溝543a、bに挿入されない。そして、平面領域157の少なくとも一部は、底面部120の+Z側の面の領域であって、溝643a、bの周囲の領域の一部に対向する。
ここで、各種の仕様等に応じてY方向の大きさが異なる水晶振動片150が使われる場合がある。しかし、本実施形態の水晶振動子では、溝643a、bは、+Z側から見てY方向に伸びるように形成されている。したがって、水晶振動片150のY方向の大きさが異なっていても、水晶振動片150の挿入突起153a、bを溝643a、bに挿入して、水晶振動片150をベース640に固定できる。
また、一対の挿入突起153a、bが、Y方向に伸びる一対の溝643a、bに挿入される。したがって、水晶振動片150をZ方向から見たときに、水晶振動片150の例えば長辺が、Y方向から一定角度異なる方向にずれて配置される、ということが生じない。
<第三実施形態の第二変形例>
次に、本発明の第三実施形態の第二変形例である水晶振動子について説明する。本変形例の水晶振動子が第三実施形態と異なる点はベース740である。そこで、この点について図7を用いて説明する。図7はベース740の平面図である。なお、以下の説明では、第三実施形態と同様の部分に関しては同じ記号を付してその説明を省略する。
ベース740には、接続電極161a、bが形成された領域に溝743a、bが形成される。溝743a、bは、+Z側から見て十字に形成されており、X方向に伸びる部分と、Y方向に伸びる部分とからなる。溝743a、bの側面及び底面には、接続電極161a、bの一部となる電極が形成されている。また、溝743a、bは、第2底面部122に貫通孔を設けることで形成される。したがって、溝743a、bの底面は第1底面部121の+Z側の面となる。
溝543a、bを+Z側から見たときの幅(Y方向に伸びる部分についてはX方向の大きさであり、X方向に伸びる部分についてはY方向の大きさ)は、挿入突起153a、bを−Z側から見たときのY方向の大きさ及びX方向の大きさより大きい。したがって、挿入突起153a、bを溝743a、bに挿入できる。なお、挿入突起153a、bが挿入された溝743a、bの領域を窪みと呼ぶと、溝743a、bは、当該窪みと、当該窪みにつながった第1の溝と、当該第1の溝に直交する第2の溝とからなるといえる。
また、溝743a、bを+Z側から見たときの幅は、支持突起152a、bを−Z側から見たときのX方向及びY方向の大きさより小さい。したがって、支持突起152a、bは溝743a、bに挿入されない。そして、平面領域157の少なくとも一部は、底面部120の+Z側の面の領域であって、溝743a、bの周囲の領域の一部に対向する。
ここで、各種の仕様等に応じてX方向及びY方向の大きさが異なる水晶振動片150が使われる場合がある。しかし、本実施形態の水晶振動子では、溝743a、bは、+Z側から見て十字に形成されており、X方向に伸びる部分と、Y方向に伸びる部分とからなる。したがって、水晶振動片150のX方向及びY方向の大きさが異なっていても、水晶振動片150の挿入突起153a、bを溝743a、bに挿入して、水晶振動片150をベース740に固定できる。
また、一対の挿入突起153a、bが、一対の溝743a、bに挿入される。したがって、水晶振動片150をZ方向から見たときに、水晶振動片150の例えば長辺が、Y方向から一定角度異なる方向にずれて配置される、ということが生じない。
なお、溝743a、bは、前述の通り、当該窪みと、当該窪みにつながった第1の溝と、当該第1の溝に直交する第2の溝とからなるといえる。しかし、当該第1の溝と当該第2の溝とは直交せずに、直角と異なる角度で交わってもよい。この場合であっても、各種の仕様等に応じてX方向及びY方向の大きさが異なる水晶振動片150をベース740に固定できる。
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態である水晶振動子800について説明する。本実施形態の水晶振動子800が水晶振動子100と異なる点は、主に、水晶振動片850及びベース840である。そこで、この点について図8、図9及び図10を用いて説明する。図8は水晶振動子800の断面図である。図9はベース840の平面図である。図10(a)は水晶振動片850の斜視図である。図10(b)は水晶振動片850の平面図であり、水晶振動片850に形成される電極が省略されている。なお、図8のベース840は図9のA2−A2線についての断面図である。また、図8の水晶振動片850は図10(a)のB2−B2線についての断面図である。また、以下の説明では、第一実施形態と同様の部分に関しては同じ記号を付してその説明を省略する。
ベース840の凹部の底面となる底面部120の+Z側の面には、図8及び図9に示されるように、窪み844が形成される。窪み844は底面部120の+Y側に形成されており、窪み844の深さは窪み141a、bに等しい。窪み844は、第2底面部122に貫通孔を設けることで形成される。したがって、窪み844の底面は、当該貫通孔によって露出した第1底面部121の+Z側の面である。
ベース840の凹部には水晶振動片850が収容される。図10(a)、(b)に示されるように、水晶振動片850は、基部156及び振動部151を有する。そして、水晶振動片850は、振動部151の+Y側に、さらに基部856を有する。基部856の−Z側の面には一対の突起である支持突起852a、bが形成される。支持突起852aは、基部856の+X側であって+Y側の角部に設けられる。支持突起852bは、基部856の−X側であって+Y側の角部に設けられる。そして、支持突起852a、bの形状は−Z側から見たとき矩形である。
支持突起852a、bは、図8に示されるように、先端からさらに突起が隆起する。当該突起を挿入突起853a、bと呼ぶ。挿入突起853a、bの形状は、−Z側から見たとき矩形である。そして、−Z側から見たとき、挿入突起853a、bの大きさは支持突起852a、bより小さい。引出電極155a、bは支持突起852a、b及び挿入突起853a、bに形成されない。しかし、引出電極155a、b及び励振電極854a、bを除いて考えると、図10(b)から分かる通り、水晶振動片850を+Z側から見て、水晶振動片850の中心に対して対称な形状になっている。そして、図8に示される通り、水晶振動片850は、挿入突起153a、bが窪み141a、bに挿入され、窪み141a、b部分の導電性接着剤171によってベース840に固定される。
このように、挿入突起853a、bが窪み844に挿入される。よって、水晶振動子800に衝撃等がかかった場合であっても、挿入突起853a、bが窪み844の底面に接触する可能性はあるが、振動部151が底面部120に接触することを回避できる。したがって、水晶振動子800の振動特性に影響を与えるおそれを低減できる。
また、水晶振動片850は、引出電極155a、b及び励振電極154a、bを除いて考えると、+Z側から見て、水晶振動片850の中心に対して対称な形状になっている。したがって、水晶振動片850の製造時であって、引出電極155a、b及び励振電極154a、bを形成する前までは、Y方向の向きを考慮する必要がなく、製造工程を簡略化できる。
なお、挿入突起853a、bは窪み844の底面に接していてもよい。この場合でも振動部151が底面部120に接触することを回避できる。また、挿入突起853a、bが、導電性接着剤などの接合材で窪み844の底面に接合されてもよい。これにより、水晶振動片850のベース840への接合力を強化できる。また、挿入突起853a、bが設けられていなくてもよい。
また、本実施形態では、図10(b)に示されるとおり、一対の支持突起852a、b及び一対の挿入突起853a、bが形成されたが、支持突起及び挿入突起はそれぞれ一つ又は3つ以上でもよい。また、支持突起852a、b及び挿入突起853a、bの代わりに、基部856に突起を設けてもよい。当該突起の高さは、例えば、基部856から挿入突起853a、bの先端までの高さにする。また、水晶振動片850における、支持突起852a、bの反対面に、突起を設けてもよい。これにより、水晶振動子800に衝撃などがかかった場合であっても、当該突起がリッド110に接触する可能性はあるが、振動部151がリッド110に接触することを回避できる。
<第五実施形態>
次に、本発明の第五実施形態である水晶振動子900について説明する。本実施形態の水晶振動子900が水晶振動子100と異なる点は、主に、水晶振動片950及びベース940である。そこで、この点について図11、図12及び図13を用いて説明する。図11は水晶振動子900の断面図である。図12はベース940の平面図である。図13(a)は水晶振動片950の斜視図である。図13(b)は水晶振動片950の平面図であり、水晶振動片950に形成される電極が省略されている。なお、図11のベース940は図12のA3−A3線についての断面図である。また、図11の水晶振動片950は図13(a)のB3−B3線についての断面図である。また、以下の説明では、第一実施形態と同様の部分に関しては同じ記号を付してその説明を省略する。
ベース940の凹部の底面となる底面部120の+Z側の面には、図11及び図12に示されるように、2つの窪み941a、bが形成される。窪み941aは底面部120の−Y側であって−X側に形成され、窪み941bは底面部120の+Y側であって+X側に形成される。窪み941a、bは、第2底面部122に貫通孔を設けることで形成される。したがって、窪み941a、bの底面は、当該貫通孔によって露出した第1底面部121の+Z側の面である。
窪み941a、bの表面には接続電極961a、bが形成される。接続電極961a、bは窪み941a、bの内側面及び底面に形成される。そして、接続電極961a、bは、図12に示されるように、窪み941a、bの周囲まで伸びており、ベース940の+Z側から見て矩形になっている。ただし、矩形以外の形状、例えば楕円又は多角形でもよい。そして、接続電極961a、bはベース940の外底面に形成された実装端子160a、bに導通する。
ベース940の凹部には水晶振動片950が収容される。水晶振動片950は、図13(a)、(b)に示されるように、励振電極154a、bが形成される振動部151を有する。そして、振動部151の+Y側及び−Y側のそれぞれに基部956a、bを有する。基部956a、bの−Z側の面には一対の突起である支持突起952a、bが形成される。支持突起952aは、基部956aの−X側に設けられる。支持突起952bは、基部956bの+X側に設けられる。したがって、図13に示される通り、支持突起952a、bは、水晶振動片950の−Z側の面の対角線上に配置されることになる。そして、支持突起952a、bの形状は−Z側から見たとき矩形である。
支持突起952a、bには、図11に示されるように、先端に平面領域957が設けられる。平面領域957からは、さらに突起が隆起する。当該突起を挿入突起953a、bと呼ぶ。図13に示される通り、挿入突起953a、bは、水晶振動片950の−Z側の面の対角線上に配置されることになる。
挿入突起953a、bの形状は、−Z側から見たとき矩形である。そして、−Z側から見たとき、挿入突起953a、bの大きさは支持突起952a、bより小さい。したがって、−Z側から見たとき、平面領域957が表れる。そして、励振電極154a、bからは引出電極955a、bが伸びており、引出電極955a、bは、支持突起952a、bの側面、平面領域957及び挿入突起953a、bの表面を覆う。そして、図11に示される通り、水晶振動片950は、挿入突起953a、bが窪み941a、bに挿入され、導電性接着剤171によってベース940に固定される。
このように、支持突起952a、b及び挿入突起953a、bは、水晶振動片950の−Z側の面の対角線上に配置されることになる。よって、水晶振動子900に衝撃等がかかった場合であっても、振動部151が底面部120に接触することを回避できる。したがって、水晶振動子900の振動特性に影響を与えるおそれを低減できる。なお、支持突起952aが基部956aに形成され、支持突起952bが基部956bに形成されればよい。例えば、支持突起952a、bは、水晶振動片950のX方向の中央部にあってもよい。
以上、実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
例えば、上記の実施形態ではATカット型の水晶振動片を用いた場合を示したが、矩形の水晶振動片を使用してもよい。また、振動部に凸部が設けられたメサ型の水晶振動片や、振動部に凹部が設けられた逆メサ型の水晶振動片を使用してもよい。また、Zカット型やBTカット型など、他のカットを用いてもよい。また、基部から振動腕が伸びた音叉型水晶振動片を用いてもよい。また、上記の実施形態では水晶振動子を示したが、発振回路を備えたICを搭載した水晶発振器であっても同様に適用できる。また、上記の実施形態では、水晶振動片は水晶を用いて形成したものであるが、水晶以外の圧電材料、例えばタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム又は圧電セラミックを用いてもよい。
100、800、900 ... 水晶振動子
110 ... リッド
120 ... 底面部
121 ... 第1底面部
122 ... 第2底面部
130 ... 壁部
140、340、440、540、640、740、840、940 ... ベース
141a、b、341a、b、941a、b ... 窪み
142a〜d ... 切欠き
150、250、850、950 ... 水晶振動片
151 ... 振動部
152a〜d、852a、b、952a、b ... 支持突起
153a〜d、853a、b、953a、b ... 挿入突起
154a、b ... 励振電極
155a、b、255a、b、955a、b ... 引出電極
156、856、956a、b ... 基部
157、257、957 ... 平面領域
160a、b ... 実装端子
161a、b、961a、b ... 接続電極
162 ... 導電路
170 ... ロウ材
171 ... 導電性接着剤
343a、b、443a、b、543a、b、643a、b ... 溝
844 ... 窪み

Claims (10)

  1. 振動部と、
    前記振動部に接続し、前記振動部と一体に形成された基部と、
    前記基部から隆起し、先端に第1の平面領域が形成された突起である第1の支持突起と、
    前記第1の平面領域から隆起した突起である第1の挿入突起と、
    前記振動部に形成された励振電極と、
    前記励振電極から、少なくとも前記第1の支持突起まで伸びた引出電極と、を有することを特徴とする圧電振動片。
  2. 前記基部における前記第1の支持突起と反対側の領域に、前記基部から隆起し、先端に第2の平面領域が形成された突起である第2の支持突起と、
    前記第2の平面領域から隆起した突起である第2の挿入突起と、をさらに有し、
    前記引出電極は、少なくとも第2の支持突起まで伸びた、請求項1に記載の圧電振動片。
  3. 前記基部から前記第1の支持突起と同じ方向に隆起し、表面が露出した突起である第3の支持突起をさらに有する、請求項1又は請求項2に記載の圧電振動片。
  4. 請求項1に記載の圧電振動片と、
    前記第1の平面領域の少なくとも一部が対向する平面状の振動片搭載領域と、前記振動片搭載領域に形成されて前記第1の挿入突起が挿入される第1の窪みと、を有するベースと、
    前記第1の窪みに塗布されて前記第1の挿入突起と接し、前記圧電振動片を前記ベースに固定する導電性接着剤と、を有することを特徴とする圧電デバイス。
  5. 前記導電性接着剤は、前記第1の支持突起の側面まで伸びた請求項4に記載の圧電デバイス。
  6. 前記振動片搭載領域には、前記第1の窪みにつながった第1の溝が伸びる請求項4又は請求項5に記載の圧電デバイス。
  7. 前記第1の溝の幅は、前記第1の挿入突起における前記第1の溝の幅方向の大きさより小さい請求項6に記載の圧電デバイス。
  8. 前記第1の溝の幅は、前記第1の窪みの幅と等しい請求項6に記載の圧電デバイス。
  9. 前記第1の溝と交差し、前記第1の溝の幅と等しい幅を持つ第2の溝をさらに有する請求項8に記載の圧電デバイス。
  10. 請求項1に記載の圧電振動片として、請求項3に記載の圧電振動片を用い、前記ベースには、前記第3の支持突起が挿入された第2の窪みが形成された請求項4ないし請求項9のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
JP2013215389A 2013-10-16 2013-10-16 圧電振動片及び圧電デバイス Pending JP2015080060A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013215389A JP2015080060A (ja) 2013-10-16 2013-10-16 圧電振動片及び圧電デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013215389A JP2015080060A (ja) 2013-10-16 2013-10-16 圧電振動片及び圧電デバイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015080060A true JP2015080060A (ja) 2015-04-23

Family

ID=53011167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013215389A Pending JP2015080060A (ja) 2013-10-16 2013-10-16 圧電振動片及び圧電デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015080060A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20170005636A1 (en) * 2015-07-01 2017-01-05 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Crystal oscillator package
WO2020195818A1 (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 株式会社村田製作所 振動素子、振動子及び振動素子の製造方法
US12034432B2 (en) 2019-03-27 2024-07-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. Vibration element, vibrator, and method for producing vibration element with a vibrating piece having a protruding part for improved vibration characteristics

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20170005636A1 (en) * 2015-07-01 2017-01-05 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Crystal oscillator package
KR20170004207A (ko) * 2015-07-01 2017-01-11 삼성전기주식회사 수정 진동자 및 이를 포함하는 수정 진동자 패키지
US10200011B2 (en) * 2015-07-01 2019-02-05 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Crystal oscillator package
KR102117476B1 (ko) * 2015-07-01 2020-06-01 삼성전기주식회사 수정 진동자 및 이를 포함하는 수정 진동자 패키지
WO2020195818A1 (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 株式会社村田製作所 振動素子、振動子及び振動素子の製造方法
JPWO2020195818A1 (ja) * 2019-03-27 2021-12-09 株式会社村田製作所 振動素子、振動子及び振動素子の製造方法
JP7227571B2 (ja) 2019-03-27 2023-02-22 株式会社村田製作所 振動素子、振動子及び振動素子の製造方法
US12034432B2 (en) 2019-03-27 2024-07-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. Vibration element, vibrator, and method for producing vibration element with a vibrating piece having a protruding part for improved vibration characteristics

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010035714A1 (ja) 音叉型圧電振動片、および音叉型圧電振動デバイス
JP6252209B2 (ja) 圧電振動片および当該圧電振動片を用いた圧電デバイス
JP5605501B2 (ja) 音叉型振動子
JP2015080060A (ja) 圧電振動片及び圧電デバイス
JP5988125B1 (ja) 水晶振動子及び水晶振動デバイス
JP4645991B2 (ja) 水晶デバイスと音叉型水晶振動片ならびに音叉型水晶振動片の製造方法
JP2013042410A (ja) 圧電振動素子、圧電振動子、電子デバイス、及び電子機器
JP2016039516A (ja) 圧電デバイス
CN110235363B (zh) 音叉型压电振动片及使用该音叉型压电振动片的音叉型压电振子
JP6295835B2 (ja) 圧電振動片および当該圧電振動片を用いた圧電デバイス
JP2004320297A (ja) 圧電振動デバイス
JP6179838B2 (ja) 水晶振動子及び水晶振動デバイス
JP2018056860A (ja) 水晶素子、水晶デバイスおよび水晶素子の製造方法
JP4605083B2 (ja) 圧電振動片の製造方法
JP7227571B2 (ja) 振動素子、振動子及び振動素子の製造方法
JP6476752B2 (ja) 圧電デバイスの製造方法
JP4020031B2 (ja) 圧電振動片と圧電振動片を利用した圧電デバイス、ならびに圧電デバイスを利用した携帯電話装置および圧電デバイスを利用した電子機器
WO2022181113A1 (ja) 圧電素子及び圧電デバイス
JP2013093797A (ja) 水晶振動デバイス
JP2017201772A (ja) 圧電片、圧電振動素子、圧電振動デバイス及び圧電片の製造方法
JP6787735B2 (ja) 水晶素子および水晶デバイス
JP6525766B2 (ja) 水晶振動素子集合ウエハ
JP2015185969A (ja) 圧電振動片、圧電デバイス、及び圧電振動片の製造方法
JP6587389B2 (ja) 圧電振動片および圧電振動子
JP2023104491A (ja) 圧電素子及び圧電デバイス