JP2015079841A - 光半導体装置用リードフレーム基体、光半導体装置用リードフレーム、および光半導体装置用リードフレームの製造方法 - Google Patents

光半導体装置用リードフレーム基体、光半導体装置用リードフレーム、および光半導体装置用リードフレームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】LED、フォトカプラ、フォトインタラプタなどに使用される光半導体装置用リードフレームであって、可視光域(波長400〜800nm程度)における反射率が極めて良好で、銀または銀合金からなる反射層の厚さが薄くても従来と同等以上の反射率を達成でき、かつ曲げ加工を行っても反射層に割れが発生しない、光半導体装置用リードフレームに用いる基体、さらにその基体を用いた光半導体装置用リードフレームおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】光半導体装置用リードフレームに用いる基体(1)であって、前記基体の表面から深さ1μmまでの範囲(1a)において、断面から観察したときの平均結晶粒径が0.2μm以上1μm以下(但し析出物および晶出物を除く)である、光半導体装置用リードフレーム基体、その基体を用いた光半導体装置用リードフレームおよびその製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、光半導体装置用リードフレームに用いる基体、およびそれを用いた光半導体装置用リードフレームとその製造方法に関する。
光半導体装置用リードフレームは、例えばLED(Light Emitting Diode)素子等の光半導体素子である発光素子を光源に利用した各種表示用・照明用光源の構成部材として広く利用されている。その光半導体装置は、例えば基板にリードフレームを配し、そのリードフレーム上に発光素子を搭載した後、熱、湿気、酸化等の外部要因による発光素子やその周辺部位の劣化を防止するため、発光素子とその周囲を樹脂で封止している。
ところで、LED素子を照明用光源として用いる場合、リードフレームの反射材には可視光波長(例えば400〜800nm)の全領域において光の反射率(以下、単に反射率ともいう。)が高い(例えば硫酸バリウムや酸化アルミニウムなどの基準物質に対する反射率が80%以上)ことが求められている。このため、リードフレーム表面に反射層として銀めっき層を形成することが一般的である。そのめっき層は、光沢度の高いものほど光をよく反射することが知られており、いわゆる光沢銀めっきが多く使用されている。
さらに、より一層の反射率の高い表面を得るために、平滑な基材(基体)を適用することが提案されている。例えば特許文献1には、銅合金板または条からなる基材の少なくとも一方の面に電解処理後に圧延加工を施して、20°入射の光沢度が200%以上、かつ表面粗さRzが1.0μm以下である平滑な基材が提供されており、このような基材を用いて光沢銀めっきを施すことで、より一層の高反射率化が期待できる。
一方で、光沢めっきにおいて基材の表面付近の結晶粒径が影響をおよぼすことが知られている。例えば特許文献2には、表層からの深さが0.5μm以下の範囲において非晶質組織及び粒径が0.1μm未満の結晶粒の占める面積率が1%以下であり、表層からの深さが0.2〜0.5μmの範囲において粒径が0.1μm以上の結晶粒全体に対して粒径が0.1μm以上0.2μm未満の結晶粒が占める個数割合が50%以上である銅合金基材とすることで、めっき皮膜の均一性に優れた基材が提案されている。
さらに特許文献3には、表面の加工変質層の厚さが0.2μm以上である金属基材と、該金属基材の該表面に形成したニッケルめっき層とを備えた光沢ニッケルめっき材が提案されている。
このように、基材表面の結晶粒径を制御した、光沢めっき化に関する技術が開発されつつある。
しかしながら、特許文献1のような平滑な基材を使用して光沢銀めっきを施しても、必ずしも光沢が出るとは限らない場合があることが分かってきた。特に、一般的に光沢銀めっきで反射率の優れた表面を形成するには、3μm以上の被覆厚を要するとされてきた。しかし、近年は銀の価格が高騰しており、また、環境にやさしいリードフレームを提供したいという風潮がある。このような状況下で、銀めっき厚を薄くしたいというニーズに対して検討を進めてきた結果、平滑な基材を使用しても銀めっき厚が薄くなると光沢が出にくくなり、反射率を低下させてしまうことがわかった。
また、特許文献2あるいは特許文献3のように、表面に微細な結晶粒、具体的には平均結晶粒径が0.2μm以上の加工変質層を残存させた基材や、平均結晶粒径が0.1μm以上0.2μm未満ほどの結晶粒を持つ最表層を形成した基材では、必ずしも光沢銀に適用できない場合があり、より一層の原因究明と対策が必要であった。さらに、特許文献2あるいは特許文献3に記載の技術では、曲げ加工を行った際にめっきに割れが発生してしまい、耐食性に劣ることが分かった。
特開平9−087899号公報 特開2011−195927号公報 特開2011−214066号公報
本発明は、LED、フォトカプラ、フォトインタラプタなどに使用される光半導体装置用リードフレームであって、可視光域(波長400〜800nm程度)における反射率が極めて良好で、銀または銀合金からなる反射層の厚さが薄くても従来と同等以上の反射率を達成でき、かつ曲げ加工を行っても反射層に割れが発生しない、光半導体装置用リードフレームに用いる基体、さらにその基体を用いた光半導体装置用リードフレームおよびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み誠意検討を進めた結果、光半導体装置用リードフレームに用いる基体において、基体の表面から深さ1μmまでの範囲において、断面から観察したときの平均結晶粒径が0.2μm以上1μm以下(但し析出物および晶出物を除く)である基体を使用することにより、光沢銀めっき厚さを3μm未満としても反射率が低下しにくく良好なレベルを示すことを見い出した。また、光沢銀めっきの下地層として中間層(下地めっき層)を有する場合であっても、中間層の厚さを1μm以下とすることで、表層の反射層における平均結晶粒径とほぼ同等の結晶粒径を備えた中間層とすることができるため、同様に良好な反射率を示すことを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち、上記課題は以下の手段により解決される。
(1)光半導体装置用リードフレームに用いる基体であって、
前記基体の表面から深さ1μmまでの範囲において、断面から観察したときの平均結晶粒径が0.2μm以上1μm以下(但し析出物および晶出物を除く)であることを特徴とする、光半導体装置用リードフレーム基体。
(2)前記基体の表面における算術平均粗さRaが、0.1μm以下であることを特徴とする、(1)項に記載の光半導体装置用リードフレーム基体。
(3)前記基体の表面における最大高さRzが、0.35μm以下であることを特徴とする、(1)または(2)項に記載の光半導体装置用リードフレーム基体。
(4)前記基体が、銅もしくは銅合金、鉄もしくは鉄合金、またはアルミニウムもしくはアルミニウム合金からなることを特徴とする、(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の光半導体装置用リードフレーム基体。
(5)(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の光半導体装置用リードフレーム基体を有してなる光半導体装置用リードフレームであって、その最表面に、銀または銀合金からなる反射層を有することを特徴とする、光半導体装置用リードフレーム。
(6)前記反射層の被覆厚が、0.2〜2μmであることを特徴とする、(5)項に記載の光半導体装置用リードフレーム。
(7)前記基体と前記反射層との間に、中間層を厚さ0.001〜1μmで有してなることを特徴とする、(5)または(6)項に記載の光半導体装置用リードフレーム。
(8)前記中間層が、ニッケルもしくはニッケル合金、コバルトもしくはコバルト合金、パラジウムもしくはパラジウム合金、ロジウムもしくはロジウム合金、ルテニウムもしくはルテニウム合金、イリジウムもしくはイリジウム合金、金もしくは金合金、および銅もしくは銅合金からなる群から選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする、(7)項に記載の光半導体装置用リードフレーム。
(9)前記中間層を、1層以上3層以下の単層または復数層として有することを特徴とする、(7)または(8)項に記載の光半導体装置用リードフレーム。
(10)(5)〜(9)項のいずれか1項に記載の光半導体装置用リードフレームを製造する方法であって、前記反射層を電気めっき法で形成することを特徴とする、光半導体装置用リードフレームの製造方法。
(11)前記反射層を電気めっき法で形成する時のめっき液が、光沢銀めっき液または光沢銀合金めっき液であることを特徴とする、(10)項に記載の光半導体装置用リードフレームの製造方法。
(12)前記光沢銀めっき液または光沢銀合金めっき液に、少なくともセレン含有化合物もしくはアンチモン含有化合物のいずれかを添加することを特徴とする、(11)項に記載の光半導体装置用リードフレームの製造方法。
ここで、算術平均粗さRaとは、JIS B0601−2001で規定される表面粗さである。これは、JIS B0601が1994年に改訂される以前は、同様の規定内容で中心線平均粗さRaと呼ばれていたものである。
また、最大高さRzとは、JIS B0601−2001で規定される表面粗さである。
本発明の光半導体装置用リードフレーム基体によれば、基体の表面から深さ1μmまでの範囲において、断面から観察したときの平均結晶粒径が0.2μm以上1μm以下(但し析出物および晶出物を除く)であるので、その上に銀または銀合金からなる反射層を設けた光半導体装置用リードフレームとした場合に、反射層の厚さが薄くても光沢度が高く反射率に優れる。また、本発明の光半導体装置用リードフレーム基体によれば、曲げ加工を行った際でもめっき割れが生じにくい光半導体装置用リードフレームが得られる。
また、本発明の光半導体装置用リードフレームによれば、反射層の厚さが薄くても光沢度が高く反射率に優れるので、光半導体装置用リードフレームとして優れる。さらに、曲げ加工を行った際でもめっき割れが生じにくいので、使用銀量が少なく、かつ環境に優しい光半導体装置用リードフレームとして好適なものである。
図1(a)は、本発明の一実施態様の光半導体装置用リードフレーム上に光半導体素子を搭載した状態を模式的に示す一部切り欠き断面図である。図1(b)は、図1(a)中に断面Aとして示した部分の拡大図である。 図2(a)は、本発明の別の実施態様の光半導体装置用リードフレーム上に光半導体素子を搭載した状態を模式的に示す一部切り欠き断面図である。図2(b)は、図2(a)中に断面A’として示した部分の拡大図である。
(光半導体装置用リードフレーム基体)
本発明によれば、光半導体装置用リードフレームに用いる基体(図中の1)において、基体の表面(図中の1b)から深さ1μmまでの範囲(1a)において、厚さ方向の断面を観察したときの平均結晶粒径が0.2μm以上1μm以下(但し析出物および晶出物を除く)である。ここで、基体の表面から深さ1μmまでの範囲とは、加工変質層領域を含むことを意味する。また、基体の表面から深さ1μmまでの範囲(領域)とは、図1(b)に1aとして示した領域であり、本書では「基体の所定深さまでの表面領域」ともいう。
本発明の前記基体によれば、基体の表面から深さ1μmまでの範囲における結晶粒径を0.2μm以上1μm以下とすることで、その上に光沢銀めっき層または光沢銀合金めっき層を反射層(図中の2)として設けると、そのめっき被覆厚が従来のものより薄くても同等以上の高い光沢度および反射率が得られる。これに対して、従来は、めっき被覆を3μm程度以上のめっき被覆厚で設けないと十分な鏡面光沢度、具体的には光沢度で1.5以上のものが得られなかった。
なお、図中、3は光半導体素子(発光素子)、4はボンディングワイヤである。反射層2と光半導体素子3とは、ボンディングワイヤ4によって電気的に接続される。図示しないが、前記光半導体素子を搭載したリードフレームについて、光半導体素子とその周囲を樹脂で封止することによって、光半導体装置が得られる。
本発明に従って、前記の通り基体の所定深さまでの表面領域における平均結晶粒径を制御することで、前記基体の上に銀または銀合金からなる表面層を反射層として形成する際に、銀または銀合金めっき層形成の進行における初期析出層に、微細析出を優先させ、さらに銀または銀合金の室温での再結晶駆動力を最大限に出現させることができる。この結果、銀または銀合金の再結晶が進行し、基体上の反射層の最表面が平滑となり、優れた光沢度及び反射率が得られるものである。
前記範囲内の平均結晶粒径であれば前記の効果は十分に得られるが、より一層の効果を得るためには0.3〜0.5μmの平均結晶粒径であることが好ましい。
本発明において、リードフレーム基体の所定深さまでの表面領域における平均結晶粒径を小さい値に制御することのメリットとしては、例えば、(1)銀または銀合金めっき層が緻密になって光沢度が高くなること、(2)銀または銀合金めっき浴への添加剤(好ましくは、セレン含有化合物もしくはアンチモン含有化合物)による表面平滑化の作用が、薄い被覆厚でも発揮されやすいこと、および(3)中間層(図中の5)を設ける場合にも中間層を微細にすることができて、この結果最表層の銀または銀合金めっきもさらに微細になりやすいこと、などの効果が得られることが挙げられる。
これらの結果、反射層表面での光の反射率が高まるので、反射層の厚さや、また、中間層の厚さと反射層の厚さの合計を、いずれも従来よりも薄くすることができる。
また、例えば、前記特許文献2や特許文献3のように、加工変質層が0.2μmもの厚さで形成されていると、曲げ加工を行った際に加工変質層が伸びに追従できずに割れが発生し、その結果、表層の反射層にも割れが生じ、さらには得られるリードフレームの耐食性に劣る。これに対して、本発明では、基体表面から深さ1μmまでの領域で母材の平均結晶粒径を適正に制御することで、このようなめっき割れを防いで、曲げ加工性に優れた基体と、さらにはその上に反射層を設けたリードフレームとを、得ることができる。
(粒径制御)
本発明においては、基体の表面から深さ1μmまでの範囲にある母材の結晶粒の平均結晶粒径を以下の方法で制御する。
常法にて基体を製造した後、圧延やバフ工程によって加工変質層が形成された場合は、その表層を溶解することで基体の表面から深さ1μmまでの平均結晶粒径を整えるか、もしくは得られた基体に焼鈍などの熱処理を施すことで、前記平均結晶粒径を所望の範囲内に制御できる。また、前記バフ工程を省略し、表層に加工変質層を形成させないなどの手法によって、前記平均結晶粒径を所望の範囲内に制御することも可能である。
この基体の表面から深さ1μmまでの範囲にある母材の結晶粒の平均結晶粒径は、基体の製造条件で制御することができ、あるいは、基体の製造後の処理でも制御することができる。また、基体の製造条件の調整と製造後の処理とを組み合わせて制御してもよい。
例えば、基体の製造後にその表面を溶解処理に付すことで微小な非結晶及び加工変質層を溶解し、基体の表面から深さ1μmまでの範囲にある母材の結晶粒の平均結晶粒径を制御することができる。この溶解処理には、種々の酸を用いることができ、具体的には、(硫酸+過酸化水素水)、王水、フッ化水素酸などの酸を挙げることができる。
あるいは、基体の製造条件の調整の例としては、例えばC18045合金においては、基体製造時にける鋳塊の冷却速度、熱間圧延温度、熱処理条件などの全部あるいは一部を制御することで、所定の平均結晶粒径の結晶粒を形成することができる。特に、加工後の最終熱処理の条件による制御では、具体的には、200℃〜500℃で0.08時間〜5時間の熱処理(焼鈍)に付すことで、基体の表面から深さ1μmまでの範囲にある母材の結晶粒の平均結晶粒径を制御することができる。また、バフ工程を省略する場合には、前記基体製造時の焼鈍条件を制御することで、基体の表面から深さ1μmまでの範囲にある母材の結晶粒の平均結晶粒径を制御することができる。
また、本発明においては、基体の表面から深さ1μmまでの範囲にある母材の結晶粒の平均結晶粒径を以下の方法で測定する。
まず、測定対象となる銅合金条材などにおいて、その圧延方向に平行な面であってかつ深さ方向とも平行な面と、別途、その圧延方向に平行な面であってかつ深さ方向に垂直な面とで、FIB(Focused Ion Beam、集束イオンビーム)にて切断して切断面を露出させた後、倍率を8000〜15000倍として該切断面をSIM(Scanning Ion Microscope、走査イオン顕微鏡)で観察する。次いで、当該切断面において、基体の表面から1μmまでの深さで視野中に存在するすべての結晶粒の粒径を1個ずつ測定し、その平均値を算出する。これを合計で3視野について行う。視野の枠を横切って一部しか見えない粒子はカウントせず、3視野での測定値の平均値を求めて、これを平均結晶粒径とする。
本発明において、結晶粒の個々の粒径は、結晶粒内を横断することのできる深さ方向(すなわち、厚さ方向(ND))に最も長い線分と、深さ方向に垂直な方向(すなわち、加工方向(RD)または幅方向(TD))に最も長い線分との平均値として定義する。
さらに、本発明の光半導体装置用リードフレーム基体は、その表面における算術平均粗さRaが、0.1μm以下であることが好ましい。これは、反射層の被覆厚が薄くなるほど、基体表面の表面粗度の影響を受けやすく、光沢度や反射率を低下させる原因の一つとなるためである。下限値は特に規定しないが、現実的には0.001μm以上である。このため、基体表面の算術平均粗さRaは、0.001μm以上0.1μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.05μmの範囲がより効果的である。
さらに、本発明の光半導体装置用リードフレーム基体は、その表面における最大高さRzが、0.35μm以下であることがより好ましい。この値を0.35μm以下とすることで、最大凹凸による光の吸収を抑制することができ、算術平均粗さとは異なる意味合いを持つためである。下限値は特に規定しないが、現実的に達成されるのは0.01μm以上である。このため、基体表面における最大高さRzは、0.01μm以上0.35μm以下が好ましく、0.01μm以上0.32μm以下がより高反射率が達成できるためさらに好ましい。
このようなオーダーの粗度は、光の反射特性に大きく影響を与えるため、サブミクロンオーダーで粗度を制御することが好ましい。
(粗さ制御)
本発明においては、前記基体表面の算術平均粗さRaを、以下の方法で制御する。
算術平均粗さRaは、測定長さ全体の平均粗度である。そこで、基体を製造する際の圧延ロール表面を算術平均粗さRaが0.12μm以下、好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.08μm以下となるように研磨しておいて、その研磨した圧延ロールを用いて圧延加工することで基体を製造すれば、基体表面の算術平均粗さRaを所望の範囲に制御することができる。あるいは、基体表面の算術平均粗さRaは、圧延後の基体表面を機械的に研磨紙によって研磨し、所望の表面粗度Raに調整することでも制御することができる。さらには、圧延加工後の基体表面を、酸洗処理し、その溶解状態を制御することで基体表面を所望の表面粗度Raに制御することもできる。さらには、圧延時に、動粘度が3〜10cSt(センチストークス)の圧延油と、前記ロール表面が所望の算術平均粗さRaである圧延ロールとを組み合わせて用いて圧延することで、基体表面を所望の表面粗度Raに制御することもできる。この圧延油と圧延ロールの組合せによれば、例えばRaが0.08μmの圧延ロールを使用して動粘度7cStの圧延油と組み合わせて圧延することで、Raが0.03μm、Rzが0.3μmの基体表面を得ることができる。
本発明においては、前記基体表面の最大高さRzを、以下の方法で制御する。
Rzは最大高さであるため、同一の算術平均粗さRaを有する基体表面であっても、異なる最大高さRzを有するように調整することができる。例えば、圧延ロール表面の凹凸の深さを、圧延前の圧延ロール研磨時に制御しておけばよい。つまり、所望の最大凹凸を有する研磨紙を使用して圧延ロールを研磨しておき、その圧延ロールを使用して圧延することで基体を製造すれば、基体表面の最大高さRzを所望の範囲に制御することができる。さらに基体表面の最大高さRzは、前記の圧延油と圧延ロールの組み合わせによっても制御することができる。例えばRaが0.08μmの圧延ロールを使用して動粘度が4cStの圧延油と組み合わせて圧延することで、Raが0.08μm、Rzが0.35μmの基体表面を得ることができる。
(基体材料)
本発明においては、基体を構成する金属または合金の材料としては、銅もしくは銅合金、鉄もしくは鉄合金、またはアルミニウムもしくはアルミニウム合金等が好ましく、中でも導電性の良い銅または銅合金が好ましい。
例えば、銅合金としては、CDA(Copper Development Association)掲載合金である「C14410(Cu−Sn系銅合金材料、例えば、Cu−0.15Sn、古河電気工業(株)製、商品名:EFTEC−3)」、「C19400(Cu−Fe系銅合金材料、例えば、Cu−2.3Fe−0.03P−0.15Zn)」、および「C18045(Cu−Cr−Sn−Zn系銅合金材料、例えば、Cu−0.3Cr−0.25Sn−0.5Zn、古河電気工業(株)製、商品名:EFTEC−64T)」等を用いることができる。ここで、各元素の前の数字の単位は質量%である。これらの基体は、それぞれ導電率や強度などの特性が異なるため、適宜要求特性により選定して使用することができる。光半導体装置用リードフレームの放熱性を向上させるという観点からは、導電率が50%IACS以上の銅合金の条材とすることが好ましい。
また、鉄もしくは鉄合金としては、例えば、42アロイ(Fe−42質量%Ni)やステンレスなどを使用することができる。
また、アルミニウムもしくはアルミニウム合金としては、例えば「A1100」、「A2014」、「A3003」、および「A5052」などのアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用することができる。これらの「AXXXX」は、それぞれ日本工業規格(例えば、JIS H 4000:2006など)にその成分が規定されている。
本発明においては、基体の厚さには特に制限はないが、通常0.05mm〜1mmであり、好ましくは0.1mm〜0.8mmである。
以下、本発明の光半導体装置用リードフレーム基体を有してなる光半導体装置用リードフレームの構成層やその製造方法について説明する。
(反射層)
本発明の前記基体上に、最表層として、銀または銀合金からなる反射層を形成することで、反射層厚が薄くても光沢度及び光の反射率に優れた光半導体装置用リードフレームを得ることが出来る。特に、従来の光沢銀めっき液を用いためっき被覆(反射層)においては、めっき厚が少なくとも2μm以上ないと光沢度1.5以上を得ることが難しく、特に表面粗度が平滑な基体でも所望の反射率を達成できない場合があった。光沢銀めっき液の性質上、めっき層形成の初期に析出する結晶粒が光沢化に重要である。本発明においては、この初期段階の析出を適正に制御するものである。
本発明の光半導体装置用リードフレームによれば、銀または銀合金からなる反射層の厚さが2μm以下においても光沢度1.5以上を達成できる。
さらには、本発明の光半導体装置用リードフレームによれば、光の反射率が、波長450nmで90%以上、波長600nmで95%以上を奏することができる。
反射層は厚さを2μm以上としても前記効果は発揮されるが、貴金属使用量が増大し、かつ、反射率向上の効果も飽和する。一方、下限値に関しては、特に制限されるものではないが、耐熱性及び反射率を向上させるための再結晶めっき層を形成するには0.2μm以上が好ましい。これらを考慮して、反射層の厚さは、好ましくは0.2〜2μm、より好ましくは0.5〜2μm、特に好ましくは1〜2μmである。
また、反射層は光の反射率に優れた層であり、銀または銀合金からなるめっき層として形成されていればよいが、波長450nmにおける反射率で硫酸バリウム試験片を100%とした際に90%以上であることが好ましく、さらに好ましくは95%以上である。その結果、光半導体装置に組み込んだ際の光の取り出し効率が良くなり、光半導体装置の輝度が高められる。また、耐熱性の高温加速試験(120℃で120時間の保持を行う。)後に、反射率の低下率が25%以内であることが好ましい。
なお、反射率の低下率は、下記式で示すものとする。
低下率(%)={(初期の反射率−加熱後の反射率)/初期の反射率}×100
(中間層)
さらに本発明において、前記基体と反射層の間に、中間層を好ましくは厚さ0.001〜1μmで形成することで、前記基体と反射層の密着性及び得られるリードフレームの耐熱性をより効果的に改善できる。この中間層は、基体の所定深さまでの表面領域の結晶粒径の影響により引き続き微細に成長し、最表層の前記反射層での反射率向上に寄与する。しかしながら、中間層の厚さが厚くなりすぎると基体の平滑性を損なう可能性があることと、曲げ加工性を考慮して、中間層の厚さは最大でも1μmまでとする。一方、中間層の厚さの下限値は、耐熱性改善および曲げ加工性向上を考慮して、0.001μm以上が適当である。これらを考慮し、中間層の厚さは、より好ましくは0.01〜0.8μm、さらに好ましくは0.2〜0.5μmである。
添付の図面には、中間層5を設けた態様を図2に示した。一方、中間層5を設けない態様を図1に示した。
また前記中間層は、ニッケルもしくはニッケル合金、コバルトもしくはコバルト合金、パラジウムもしくはパラジウム合金、ロジウムもしくはロジウム合金、ルテニウムもしくはルテニウム合金、イリジウムもしくはイリジウム合金、金もしくは金合金、および銅もしくは銅合金からなる群から選ばれた少なくとも1種で構成することが好ましい。これらの金属または合金からなる中間層は、前記基体と反射層の密着性向上および基体成分の上層への拡散防止に効果的である。中でも、ニッケル、コバルトは被覆も容易であり比較的安価であることからより好ましい。中間層は1層以上で形成されていればよい。例えばニッケル層形成後にパラジウム層を形成するなど、中間層は2層以上で形成されていても良い。生産性やコストを考慮して中間層は3層以内とするのが好ましい。
(中間層の形成方法)
中間層の形成は、電気めっき(湿式めっき)、蒸着、スパッタ法などによるが、電気めっき法が最も簡便で生産性がよいため好ましい。めっき条件は常法に従って適宜に設定することができる。
(反射層の形成方法)
さらに本発明は、反射層は電気めっき法で形成することで、より生産性良く効果的に形成できるため好ましい。特に光沢銀めっき液を用いた電気めっき法によれば、優れた光沢度を持ち高反射率な反射層を形成することができる。光沢銀めっきまたは光沢銀合金めっきは、銀めっき層または銀合金めっき層の直下に存在する層(中間層か、あるいは基体)の結晶粒径に整合して初期析出が得られるが、その結晶が微細なだけではなく、特定の結晶粒径を有する本発明の基体において大変効果的であることが分かった。
特に、光沢銀めっき液に添加剤としてセレン含有化合物またはアンチモン含有化合物を含有しためっき液を用いることが好ましい。セレン含有化合物の例としては、酸化セレン、セレノシアン酸カリウム、亜セレン酸などが挙げられる。また、アンチモン含有化合物の例としては、酒石酸アンチモニルカリウムなどが代表例である。これらのセレン含有化合物またはアンチモン含有化合物は、通常銀めっき液に1体積%以下の容量で含有させ、これらの化合物を少なくとも1種以上含有させることが好ましい。
めっき液は、その他の成分として、界面活性剤や有機系レベラーを含有していても構わない。
また、本発明における銀または銀合金からなる反射層は、少なくとも光の反射に寄与する部分(つまり、少なくとも光半導体素子が発する光を反射する領域)の最表面に形成されていればよい。他の部分においては、反射層を設ける必要はなく、また反射層以外の層が形成されていても、反射率の点からは特に問題はない。
さらには、銀または銀合金からなる反射層は部分的に形成されていてもよく、片面めっきや、ストライプめっき、スポットめっきなどの部分めっきで形成してもよい。反射層が部分的に形成されるリードフレームを製造することは、反射層が不要となる部分の金属使用量を削減できるので、環境負荷が少ないリードフレームを得ることができ、その結果環境負荷が少ない光半導体装置を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1として、厚さ0.5mm、幅180mmの表1−1に示す基体に、以下に示す前処理を行った後、表1−1に示す中間層と反射層をそれぞれ電気めっきを施すことによって形成し、光半導体装置用リードフレーム基体を作製した。中間層は、設けた場合と設けなかった場合とがある。
また、従来例のめっき上がり品については、板厚0.25mm、幅180mmの表1−1に示す基体に、以下に示す前処理を行った後、表1−1に示す反射層を電気めっき処理を施すことで形成し、光半導体装置用リードフレーム基体を作製した。
基体の表面から深さ1μmまでの範囲にある母材の結晶粒の平均結晶粒径は、発明例1〜12では、最終焼鈍の熱処理温度を200℃〜500℃で2時間とし、加工変質層も含めた深さ1μmまでの範囲にある結晶粒径を調整した。他の合金からなる基体(発明例13〜23)では、酸洗溶液として硫酸61ml/L、過酸化水素水35ml/L、1−プロパノール10ml/Lの溶液を作製し、常法で得られた基体の表面を上記溶液に室温で浸漬時間30秒間浸漬することで、表層の加工変質層を除去し、基体の表面から深さ1μmまでの範囲にある母材の結晶粒の平均結晶粒径を調整した。
一方、比較例1では、最終焼鈍の熱処理温度を100℃で0.5時間とした。また従来例は、常法で得られた基体を、10%硫酸酸洗溶液に室温で浸漬時間30秒間浸漬することで、表層の酸化膜を除去するだけで加工変質層は除去しないものとした。この結果、基体の表面から深さ1μmまでの範囲にある母材の結晶粒の平均結晶粒径は、前記所定の結晶粒径を外れて小さかった。
また、比較例2では、最終焼鈍の熱処理温度を600℃で6時間とした。この結果、基体の表面から深さ1μmまでの範囲にある母材の結晶粒の平均結晶粒径は、前記所定の結晶粒径を外れて大きかった。
また、前記基体表面の算術平均粗さRaおよび最大高さRzは、圧延時のロール粗度、圧延油の動粘度、圧延加工率を変更し、特定の表面粗度を達成するように制御した。各実施例と比較例で具体的には、動粘度が4cSt(センチストークス)の圧延油を使用し、実施例1〜5、9〜12、14〜23、および比較例1と2は圧延ロールの粗度Ra=0.04μm、実施例6はロール粗度Ra=0.03μm、実施例7および13はロール粗度0.05μm、実施例8はロール粗度0.08μmのものをそれぞれ使用した。なお、同じ条件での処理に付しても得られる基体表面の粗度Ra及びRzが異なるものがあるが、基材の硬度に応じて、同じロール粗度条件であっても、得られる基体表面の粗度が変化することによるものである。
一方、従来例では、圧延ロール粗度をRa=1.3μmとすることによって、算術平均粗さRaは本発明で規定する所定の範囲内を満たすが、最大高さRzは本発明で規定する所定の範囲を外れるように調整した。
なお、各被覆層の厚さは、蛍光X線膜厚測定装置(SFT−9400、商品名:SII社製)を使用し、コリメータ径0.5mmを使用して任意の箇所10点を測定し、その平均値を算出することで被覆厚さとして求めた。
さらに前記基体の表面から深さ1μmまでの範囲における母材の平均結晶粒径は、次のように測定した。まず、各基体を、圧延方向に平行な面であってかつ深さ方向とも平行な面と、別途、その圧延方向に平行な面であってかつ深さ方向に垂直な面とで、FIBにより切断して3視野分の測定用試料を作製した。この試料の切断面に対して、倍率8000〜15000倍でSIM像観察を行った。次いで、当該切断面において、基体の表面から1μmまでの深さで視野中に存在するすべての結晶粒の粒径を1個ずつ測定し、その平均値を算出した。ここで、結晶粒の個々の粒径は、結晶粒内を横断する深さ方向(すなわち、厚さ方向(ND))に最も長い線分と、深さ方向に垂直な方向(すなわち、加工方向(RD)または幅方向(TD))に最も長い線分の平均値として定義する。これを合計で3視野について行った。視野の枠を横切って一部しか見えない粒子はカウントせず、3視野での測定値の平均値を求めて、これを平均結晶粒径とした。
基体として用いた材料の内、「C14410(Cu−Sn系銅合金材料:Cu−0.15Sn、EFTEC−3)」、「C18045(Cu−Cr−Sn−Zn系銅合金材料:Cu−0.3Cr−0.25Sn−0.5Zn、EFTEC−64T)」、「C19400(Cu−Fe系銅合金材料:Cu−2.3Fe−0.03P−0.15Zn)」は銅または銅合金製の基体を表し、Cの後の数値はCDA(Copper Development Association)規格による種類を示す。なお、「C14410(EFTEC−3)」および「C18045(EFTEC−64T)」は、古河電気工業株式会社製の銅合金材料(かっこ内は商品名)である。
なお、各基体に対して電解脱脂・酸洗の工程を経た前処理を行った。また、それぞれ銀めっきもしくは銀合金めっきを行う前は、銀ストライクめっきを行った。
(前処理条件)
[カソード電解脱脂]
脱脂液:NaOH 60g/L
脱脂条件:電流密度 2.5A/dm、温度 60℃、脱脂時間 60秒
[酸洗]
酸洗液:10%硫酸
酸洗条件:浸漬時間 30秒、温度 室温(25℃)
[Agストライクめっき]0.01μm
めっき液:KAg(CN) 4.45g/L、KCN 60g/L
めっき条件:電流密度 2A/dm、処理時間 4秒、温度 25℃
(中間層めっき条件)
[Niめっき]
めっき液:Ni(SONH・4HO 500g/L、NiCl 30g/L、HBO 30g/L
めっき条件:電流密度 5A/dm、温度 50℃
[Coめっき]
めっき液:Co(SONH・4HO 500g/L、CoCl 30g/L、HBO 30g/L
めっき条件:電流密度 5A/dm、温度 50℃
[Rhめっき]
めっき液:RHODEX(商品名、日本エレクトロプレイティングエンジニヤース(株)製)
めっき条件:電流密度 1.3A/dm、温度 50℃
[Pdめっき]
めっき液:Pd(NHCl 45g/L、NHOH 90ml/L、(NHSO 50g/L
めっき条件:電流密度 1A/dm、温度 30℃
[Auめっき]
めっき液:KAu(CN) 14.6g/L、C 150g/L、K 180g/L
めっき条件:電流密度 1A/dm、温度 40℃
[Cuめっき]
めっき液:CuSO・5HO 250g/L、HSO 50g/L、NaCl 0.1g/L
めっき条件:電流密度 6A/dm、温度 40℃
[Ruめっき]
めっき液:RuNOCl・5HO 10g/L、NHSOH 15g/L
めっき条件:電流密度 1A/dm、温度 50℃
(反射層めっき条件)
[光沢Ag−Seめっき]
めっき液:AgCN 75g/L、KCN 120g/L、KCO 15g/L、添加剤(Se含有化合物、AG−20(商品名、メタローテクノロジーズジャパン社製)) 20ml/L
めっき条件:電流密度 6A/dm、温度 30℃
[光沢Ag−Sbめっき]
めっき液:AgCN 75g/L、KCN 150g/L、KCO 15g/L、添加剤(Sb含有化合物、AG−10C(商品名、メタローテクノロジーズジャパン社製)) 30ml/L
めっき条件:電流密度 6A/dm、温度 25℃
以上のようにして得られた各発明例、従来例および比較例の試料について、以下のようにして特性を試験、評価した。
(1A)光沢度測定:光沢度計(VSR−300A(商品名、日本電色工業(株)製))を使用し、測定面積φ0.5mmで、圧延筋と平行方向に光を入射した時の光沢度を3回測定し、その平均値を算出して、光沢度を求めた。
(1B)反射率測定:分光光度計(V660(商品名、日本分光(株)製))において、皮膜形成後の全反射率を300nm〜800nmにかけて連続測定を実施した。このうち、450nmおよび600nmにおける全反射率(%)を表1−2に示す。それぞれ波長450nmでの全反射率を90%以上、波長600nmでの全反射率を95%以上であることを要求特性とした。
(1C)耐熱性:120℃の温度で120時間、大気中にて熱処理を行った後、上記反射率測定を実施した。その結果、波長450nmおよび波長600nmの全反射率を表1−2に示し、120時間後の全反射率の低下率が25%以内であることで、耐熱性が特に優れるレベルとして表1−2に示した。なお、低下率=(初期の反射率−加熱後の反射率)/初期の反射率×100(%)で示すものとする。
(1D)曲げ加工性:各試料について、曲げ加工半径0.25mmにてV曲げ試験を圧延方向に対して直角方向(GW)に実施後、その頂上部をマイクロスコープ(VHX200(商品名);キーエンス社製)にて観察倍率200倍で観察した。その結果、割れが認められなかったものを「優」として「○」で示し、実用上問題とならない軽微な割れが生じているものを「可」として「△」で示し、実用上問題となる大きな割れが生じたものを「不可」として「×」で、表1−2に示した。
Figure 2015079841
Figure 2015079841
これらの結果から明らかなように、本発明に従って、基体の表面から深さ1μmまでの範囲において、断面から観察したときの平均結晶粒径が0.2μm以上1μm以下(但し析出物および晶出物を除く)とすることで、反射層形成後に、被覆厚が2μm以下と薄くても光沢度1.5以上、好ましい発明例では光沢度2.0以上を達成している。このように、本発明によれば、貴金属使用量を低減することができるため、省資源化及びコストダウンを容易に達成することが出来る。
また、本発明の好ましい態様に従って、中間層を0.001〜1μmの範囲内で形成することで、基体の平滑性及び結晶粒径依存を損なうことなく最表層としての反射層を形成でき、同様に光沢度1.5以上を薄い反射層厚さでも達成し、さらに耐熱性が大きく向上したリードフレーム材としての基体を得ることが出来る。
1 基体
1a 基体の表面から深さ1μmまでの領域
1b 基体の表面
2 反射層
3 光半導体素子
4 ボンディングワイヤ
5 中間層

Claims (12)

  1. 光半導体装置用リードフレームに用いる基体であって、
    前記基体の表面から深さ1μmまでの範囲において、断面から観察したときの平均結晶粒径が0.2μm以上1μm以下(但し析出物および晶出物を除く)であることを特徴とする、光半導体装置用リードフレーム基体。
  2. 前記基体の表面における算術平均粗さRaが、0.1μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の光半導体装置用リードフレーム基体。
  3. 前記基体の表面における最大高さRzが、0.35μm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の光半導体装置用リードフレーム基体。
  4. 前記基体が、銅もしくは銅合金、鉄もしくは鉄合金、またはアルミニウムもしくはアルミニウム合金からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光半導体装置用リードフレーム基体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光半導体装置用リードフレーム基体を有してなる光半導体装置用リードフレームであって、その最表面に、銀または銀合金からなる反射層を有することを特徴とする、光半導体装置用リードフレーム。
  6. 前記反射層の被覆厚が、0.2〜2μmであることを特徴とする、請求項5に記載の光半導体装置用リードフレーム。
  7. 前記基体と前記反射層との間に、中間層を厚さ0.001〜1μmで有してなることを特徴とする、請求項5または6に記載の光半導体装置用リードフレーム。
  8. 前記中間層が、ニッケルもしくはニッケル合金、コバルトもしくはコバルト合金、パラジウムもしくはパラジウム合金、ロジウムもしくはロジウム合金、ルテニウムもしくはルテニウム合金、イリジウムもしくはイリジウム合金、金もしくは金合金、および銅もしくは銅合金からなる群から選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする、請求項7に記載の光半導体装置用リードフレーム。
  9. 前記中間層を、1層以上3層以下の単層または復数層として有することを特徴とする、請求項7または8に記載の光半導体装置用リードフレーム。
  10. 請求項5〜9のいずれか1項に記載の光半導体装置用リードフレームを製造する方法であって、前記反射層を電気めっき法で形成することを特徴とする、光半導体装置用リードフレームの製造方法。
  11. 前記反射層を電気めっき法で形成する時のめっき液が、光沢銀めっき液または光沢銀合金めっき液であることを特徴とする、請求項10に記載の光半導体装置用リードフレームの製造方法。
  12. 前記光沢銀めっき液または光沢銀合金めっき液に、少なくともセレン含有化合物もしくはアンチモン含有化合物のいずれかを添加することを特徴とする、請求項11に記載の光半導体装置用リードフレームの製造方法。
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