JP2015078487A - 建物表面の補修構造及び補修工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物表面にひび割れが再度発生することを防止し、改修工事時の粉塵や騒音の発生させることがなく、工程数の少ない、建物表面の補修構造が望まれている。【解決手段】建物表面10のひび割れ12を補修するための建物表面の補修構造20であって、建物表面に対する粘着性を有する裏面22aを備えると共に伸縮性を有するテープ22であって、裏面を建物表面に向けて、ひび割れを覆うようにひび割れに沿って建物表面に貼付けられるようになっているテープと、貼付けられたテープを覆うよう、建物表面に弾性材を塗布して形成される弾性層24と、を備える、建物表面の補修構造を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、建物表面、例えば壁面や屋根面に発生したひび割れを補修するための補修構造及び補修工法に関する。さらに詳細には、コンクリート・モルタル・ボード構造等による壁面の塗装仕上げにおける劣化現象のひび割れを補修するための補修構造及び補修工法に関する。
コンクリート・モルタル・ボード構造の壁面(以下、単に壁面又は建物表面と称する場合がある)の塗装仕上げにおける劣化現象の一つにひび割れ(亀裂、クラックとも呼ぶ)がある。ひび割れの発生原因としては下地自身の動きや温冷・乾湿のサイクルにより熱膨張と収縮とが繰り返し発生すること等が挙げられる。壁面のひび割れた部分から水分が浸入(浸透)すると、壁材としてコンクリート、モルタル、ボードの劣化やエフロレッセンスの析出などに繋がるため、水分の浸入を防止することは建物の長寿命化や価値維持の観点より重要である。
従来、壁面に発生したひび割れを補修するには、ひび割れ幅が0.3mm以下の場合は、塗料用下地調整剤(樹脂モルタル等)で塗りつぶす工法(刷り込み工法と呼ばれる)が行われてきた。また、ひび割れ幅が0.3mmより大きい場合はひび割れに沿って、壁面をU字形に切り出し、プライマーを塗布した後、U字形に切り出した溝中にシーリング材と樹脂モルタルを充填する工法(U又はVカットシール工法と呼ばれる)が行われてきた。
然しながら、これらの従来工法は、以下のような改良すべき課題がある。例えば、刷り込み工法では、使用する樹脂モルタル自体の下地の動きへの追従性が低いため、太陽熱等による壁面の熱膨張や収縮により再度のひび割れの発生の可能性が高いという課題がある。また、U又はVカットシール工法の場合、ひび割れに沿ってU又はV字形に切り出す際に、粉塵・騒音が発生するので作業環境や生活環境が悪くなるという課題がある。また、工程数が多く養生時間の確保による工期の長期化という人件費を含めたコスト面での課題もある。さらに、U又はVカットした溝中のシーリング材が肉痩せしてへこみが生じることから、経年での美観維持が難しい。
特許文献1には、ヘアクラックの補修方法であって、ヘアクラックの内部に配設可能な太さを有する少なくとも2本の線材に、主剤と硬化剤とからなる接着剤の主剤及び硬化剤の何れか一方又は他方を各々付着させると共に、主剤が付着した線材及び硬化剤が付着した線材をヘアクラックに沿って重ねて挿入配置し、主剤と硬化剤とを反応させることによって接着材を硬化させて、ヘアクラックの開口側部分を閉塞する、クラック補修方法が開示されている。クラックの開口側部分を閉塞するため、クラックに沿って線材を挿入するという工程を必要とする。
特開2011−58291号公報
塗料層にひび割れが再度発生することを防止し、改修工事時の粉塵や騒音の発生させることがなく、また工期短縮を図るべく工程数の少ない、建物表面の補修構造が望まれている。
本発明は、建物表面(壁面や屋根面)のひび割れを補修するための建物表面の補修構造であって、前記建物表面に対する粘着性を有する裏面を備えると共に伸縮性を有するテープであって、前記裏面を前記建物表面に向けて、前記ひび割れを覆うように前記ひび割れに沿って前記建物表面に貼付けられるようになっているテープと、前記建物表面に貼付けられた前記テープを覆うよう、前記建物表面に弾性材を塗布して形成される弾性層と、を備える、建物表面の補修構造を提供する。
また、本発明は、前記テープが、前記裏面の反対側に、前記弾性層に対する付着性を有する表面を備える、建物表面の補修構造を提供する。
また、本発明は、前記テープの破断伸度が50%以上である、建物表面の補修構造を提供する。
また、本発明は、前記テープの厚みが、0.05mm以上、0.25mm以下である、建物表面の補修構造を提供する。
また、本発明は、前記テープがフィルムを基材とし、前記テープの裏面にアクリル系粘着材を有する、建物表面の補修構造を提供する。
また、前記建物表面は壁面であり、前記弾性材は弾性塗料又は微弾性塗料であって、前記弾性層は前記弾性塗料又は微弾性塗料を塗布して形成される塗料層である、建物表面の補修構造を提供する。
前記弾性塗料又は微弾性塗料はアクリル系塗料である、建物表面の補修構造を提供する。
また、本発明は、前記弾性層が、前記テープを覆うように前記テープに沿って所定の幅で塗布される第1の弾性層と、前記第1の弾性層を覆う前記建物表面の領域に塗布される第2の弾性層と、から構成される、建物表面の補修構造を提供する。
また、本発明は、前記テープは透明又は半透明であり、前記テープの両側部が所定の幅で前記テープの中央部と色分けされている、建物表面の補修構造を提供する。
また、本発明は、建物表面のひび割れを補修する建物表面の補修工法であって、前記建物表面に対する粘着性を有する裏面を備え、伸縮性を有するテープを、前記裏面を前記建物表面に向けて、前記ひび割れを覆うように前記ひび割れに沿って前記建物表面に貼付けることと、貼付けられた前記テープを覆うよう、前記建物表面に弾性材を塗布して弾性層を形成することと、を含む、建物表面の補修工法を提供する。
また、本発明は、前記建物表面は壁面であり、前記弾性材は弾性塗料又は微弾性塗料であって、前記弾性層は前記弾性塗料又は微弾性塗料を塗布して形成される塗料層である、建物表面の補修工法を提供する。
本発明の建物表面の補修構造によれば、テープが建物表面に対する粘着性を有する裏面と伸縮性とを有するので、ひび割れ幅の変化に応じてひび割れ部からの微小な剥離を生じ、ゼロスパンテンション現象(防水層や塗料層を下地に施工した後、下地にひび割れができ隙間(スパン)ゼロの状態から防水層や塗料層が引っ張られる現象)を緩和することができる。また同時にテープを覆うよう形成される弾性層が、伸縮したテープに追従することで弾性層に働く力が緩和される。このような作用により、弾性層にひび割れが再度発生することを防止することができ、延いては、建物表面に雨水の浸入を防ぐことができる。また、従来のように、ひび割れに沿って建物表面をU字形にカッティングする必要が無く、また、テープを貼付けた後は、すぐに弾性塗料又は微弾性塗料等の弾性材を塗布することができるので工期の短縮を図ることができる。
本発明の実施形態による補修構造を示す平面図であり、構造が理解できるよう塗料層等の一部を省略して示している。 図1のII−II線に沿った断面図である。 ひび割れに沿ってテープを貼付けた状態を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態において同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付して示し、理解を容易にするために、これら図面は縮尺を適宜変更している。また、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した発明とその均等物におよぶ点に留意されたい。
本実施形態による、建物表面の補修構造について説明する。補修構造20は、壁面10(建物表面の一例)に発生したひび割れ12(亀裂と呼ぶ場合がある)を、塗料等による複合層により補修する補修構造である。図1及び図2に示すように、補修構造20は、壁面10の表面に塗布されるプライマー29と、ひび割れ12に沿ってひび割れを覆うように壁面10に貼付けられるテープ22と、テープ22を貼付けた後、テープ22及び壁面10の上に、壁面10に貼付けられたテープ22を覆うよう弾性塗料又は微弾性塗料(弾性材の一例)を塗布して形成される塗料層24(弾性層の一例)とから構成されている。補修構造20は、さらに、塗料層24の上に塗布されるトップコートからなる仕上げ層28を含んでもよい。
本実施形態の、ひび割れ12に沿って、ひび割れ12を覆うように貼付けられるテープ22は、伸縮性を有し、その破断伸度は、例えば、気温が5度の場合50%以上、20度の場合50%以上、60度の場合50%以上である。また、テープ22は、裏面22aと、その反対側にある表面22bとを備える。テープ22の裏面22a(図2参照)は壁面10に対して粘着性を有する。そして、テープ22の裏面22aを壁面10に向けて押しつけることにより、テープ22を壁面10に貼付けることができる。また、テープ22の表面22bは、テープ22の上に弾性塗料又は微弾性塗料を塗布して形成された塗料層24に対して付着性を有し、テープ22の表面22bに塗布された塗料は剥がれ難くなっている。
本実施形態のテープ22の基材は、フィルムから形成されており、その裏面22aには、アクリル系粘着材を有する。弾性塗料又は微弾性塗料にアクリル系塗料を用いれば、フィルムによるテープ22を用いることで、その上に塗布される弾性塗料又は微弾性塗料との付着性が高くなり、補修後も塗料層24が剥がれ難くなる。
本実施形態の塗料層24を形成する弾性塗料又は微弾性塗料は、合成樹脂エマルジョン系の弾性又は微弾性を有する塗料である。合成樹脂エマルジョンとしては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、架橋反応型樹脂、これら複数の樹脂を含有するものなどが用いられ、防水性を有するものが好ましい。本実施形態では、テープ22の基材であるフィルムと付着性、接着性の高いアクリル樹脂系の微弾性塗料を用いているが、これは1例であり、テープ22との付着性、接着性が高いものであれば他の弾性塗料・微弾性塗料でも構わない。テープ22の基材としてアクリル系フィルムを採用してもよい。また、弾性塗料は、例えばJIS A 6909の試験項目において、20度で120%以上の伸び率を有する塗料であり、微弾性塗料は、例えば約50〜100%の伸び率を有する塗料である。
テープ22は透明又は半透明な基材から形成されており、テープ22を介して、作業者はひび割れ12の位置を確認しつつ、テープ22をひび割れ12に沿ってひび割れ12を覆うように貼付けることができる。
本実施形態のテープ22は、その両側部において、図3に示すように、ガイド23aを有してもよい。ガイド23aは、所定の幅W3で中央部分23bと色分けすることにより形成される。テープ22は、壁面10に接着することにより、ひび割れ12の幅が変化しても、テープ22がその変化に追従して伸縮し、塗料層24に再度ひび割れが発生することを防止する。そのため、テープ22がひび割れの変化に追従できるよう、ひび割れの幅方向(図3のA方向又はB方向)において、ひび割れ12からテープ22の側部まで所定の距離を確保し、ある程度の接着力により壁面10に接着するよう、テープ22を貼付ける必要がある。テープ22は、ひび割れ12からひび割れの幅方向に、テープ22の接着力を確保できるよう、テープ22の両側部から距離W3の幅でガイド23aを形成している。作業者は、両側部のガイド23aに挟まれた透明又は半透明な中央部分23bにひび割れが含まれるように確認しながら、テープ22をひび割れ12に沿って壁面10に貼付けることができる。ひび割れ12が、テープ22の中央部分23bからはみ出る、すなわちひび割れ12がガイド23aに含まれるようであれば、テープ22を切断し、図3に示すようにテープ22の貼付け方向を変更する。ひび割れ12が延びる方向が緩やかに変化している場合は、テープ22をひび割れ12が延びる方向に合わせて折り曲げて貼付けてもよい。ひび割れ12が、テープ22のガイド23aに挟まれる中央部分23bに含まれるよう、テープ22を貼付ければ、テープ22はひび割れ幅の変化に追従して伸縮することができる。
テープ22の幅W1は、ひび割れ幅やひび割れ自身が振れる大きさに合わせて、5cm〜10cm程度のものを使用する。ガイド23aの幅W3は、0.5cm〜2.0cm程度とするのが適当であり、好ましくは1cm程度である。
テープ22は、0.05mm以上、0.25mm以下の薄いフィルムから形成される。このような薄いフィルムからなるテープ22を用いて補修することで、テープ22の上に弾性塗料や微弾性塗料を塗布した後は、テープ22とその周囲との段差が小さくなり、テープ22の位置が目立つことがなく、補修直後における美観が低下することない。なお、このテープ22の厚さは一例であり、塗料をより厚く塗布する場合には、0.25mmより厚いフィルムによるテープ22を用いても構わない。
テープ22をこのような幅や厚さで形成すると、壁面10にテープ22を貼付けることができると共に、適度にテープ22がひび割れ幅の変化に追従して、塗料層24に再度ひび割れが発生することを防止することができる。
テープ22をひび割れ12に沿って貼付けた後、弾性塗料又は微弾性塗料をテープ22及び壁面10の上に、すなわち貼付けたテープ22を覆うよう壁面10に塗布し塗料層24を形成する。
塗料層24は、図1及び図2に示すように、テープ22を覆うようにテープ22に沿って所定の幅W2で塗布される第1の塗料層25と、少なくとも第1の塗料層25を覆う壁面10の領域に、又は壁面10の全体に塗布される第2の塗料層26とから構成されている。第1の塗料層25は、例えば、ウールローラーを使用することにより、弾性塗料又は微弾性塗料を、テープ22の幅W1より広い所定の幅W2で厚塗りすることにより形成される。所定の幅W2は例えば、テープ22の幅W1より1cm程度広い幅である。第2の塗料層26は、例えばマスチックローラーや砂骨材ローラーを使用することで、弾性塗料又は微弾性塗料を壁面に薄塗りすることにより形成される。このように弾性塗料又は微弾性塗料を塗布して塗料層24を形成することで、テープ22を中心に弾性塗料又は微弾性塗料を厚く塗ることができる。そして、塗料層24はテープ22と協働し、ひび割れ幅の変化に追従してひび割れの再発を防ぐことができる。なお、図では第1の塗料層25と第2の塗料層26とからなる2層の塗料層で構成された塗料層24を示しているが、塗料層24はこれに限定されず、塗料層24は1層の塗料層から構成されてもよい。また、塗り幅が異なる3層以上の塗料層で構成されてもよい。
塗料層24の上には、さらにトップコート(上塗材)を塗布して仕上げ層28を形成してもよい。仕上げ層28により塗料層24の保護や色付けがされる。なお、塗料層24としてアクリル系の弾性塗料又は微弾性塗料を塗布した場合、アクリルシリコン樹脂塗料をトップコートとして使用するのがよい。
本実施形態による、建物表面の補修構造を実現するための補修工法を以下に示す。
補修対象のひび割れ12が発生した壁面10のゴミ等を取り除きプライマー29を塗布する。ひび割れ12のひび割れ幅が所定値、例えば0.3mm以上の場合はひび割れ12にシーリング材を注入してもよい。
次に、テープ22の裏面22aを壁面10に向け、ひび割れ12の位置を確認しつつ、ひび割れ12に沿ってひび割れ12を覆うようテープ22を壁面10に貼付ける。
次に、ウールローラーを用いて、テープ22を覆うようテープ22に沿って、弾性塗料又は微弾性塗料を塗布し第1の塗料層25を形成する。そして、マスチックローラーを用いて第1の塗料層25を覆うよう、弾性塗料又は微弾性塗料を壁面10に塗布し、第2の塗料層26を形成する。第1の塗料層25の上にさらに第2の塗料層26を形成することで、第2の塗料層26のみが形成された個所と比較して、ひび割れ周辺の塗料層がより厚く形成される。
そして、必要に応じて、第2の塗料層26の上にトップコートを塗布し仕上げ層28を形成して壁面の補修が完了する。
言い換えれば、本実施形態の建物表面の補修工法は、ひび割れ12の周辺部分にプライマー29をテープ22の幅より幅広に塗布する工程と、ひび割れに沿って片面粘着性を有する伸縮性かつ熱可塑性のテープ22を貼り付けしてひび割れを覆う工程と、プライマーを塗布する工程とテープによりひび割れを覆う工程とにより形成されたひび割れ補強部分(22、29)を含めて壁面を塗装改修する工程とを有する方法である。
本実施形態の補修工法により補修した部分について、表1に示す条件で下地亀裂追従試験を行った。また、比較のため、従来の刷り込み工法及びUカット工法により補修した部分についても同様の下地亀裂追従試験行っている。表1には、各工法の試験体の仕様、各試験体の試験結果も示している。各工法の試験体として、長さ150mm、幅200mmの大きさで、試験体の中央に長さ方向に沿って亀裂又はUカットを形成したものを用意した。そして、本実施形態の補修工法により補修した試験体には、亀裂に沿って幅W1が50mmのテープを貼り付けている。
Figure 2015078487
下地亀裂追従試験の試験条件は、試験機器として、株式会社島津製作所製の万能引張試験機(AG2000−IS)を用い、引張速度を1mm/min、試験温度は5度とした。また試験方法として、ひび割れ幅の初期状態を0.0mmとし、その後、ひび割れ幅を0.3mmと2.0mmとなる状態を繰り返し行い、100サイクル行った後の、各試験体の状態を観察した。
表1に示すように、従来の刷り込み工法で補修した試験体には、塗料層にひび割れが再度発生することが確認された。また、Uカット工法により補修した試験体にも、塗料層にひび割れが発生した。一方、本実施形態の補修工法により補修した試験体には、テープ及び塗料層にひび割れが発生していないことが確認された。
本実施形態による補修工法による補修部分の接着試験を行った。試験体の構成として、試験体の壁面にプライマーを塗布しテープを貼付け、その上から、微弾性塗料(0.8kg/m2)を塗布し、さらにトップコートとして、アクリルシリコン樹脂塗料(0.3kg/m2)を塗布した。
接着試験は、クロスカット法により実施した。クロスカット法は、基板に塗布した塗膜に、互いに直行する縦横6本(間隔=2mm)の切り込みにより格子を作り、粘着テープを塗膜の格子に貼付け、引き離したときの塗料の剥離した個数をカウントすることで、接着性を評価する方法である。
また、同時に耐水性を確認するため、上述の試験体を水に浸漬して、初期、1週間後、2週間後、8週間後の状態における塗料の剥離した個数をカウントした。また、耐熱性を確認するため、80度の気温に維持された場所に試験体を放置して、初期、1週間後、2週間後、8週間後の状態の、塗料の剥離した個数をカウントした。試験結果を、表2に示す。
Figure 2015078487
いずれの場合も塗料の剥離は確認されず、補修個所の微弾性塗料とテープとの接着力が高いことが分かる。
すなわち、本実施形態による補修工法により補修した部分は、従来の工法と比較して、ひび割れが発生しにくく、また、経年においても塗料が剥がれることがない。
以上、本実施形態による補修構造及び補修工法について、図を参照することにより説明した。本実施形態による補修構造によれば、補修した後も塗料層にひび割れが再度発生することを防止することができる。また、従来の工法のように壁面をU字形に切り出すことがないので、改修工事時に粉塵や騒音が発生しない。また、テープを貼付けた後、すぐに塗料を塗布することができるので工期を短縮することができる。また、薄いテープを貼付けるので、補修部分が目立つことがなく、施工直後においても壁面の美観が低下することがない。
なお、本実施形態では、建物表面が壁面であり、弾性層が、弾性材である弾性塗料又は微弾性塗料からなる場合について説明したが、それに限定されず、建物表面を屋根面とし、弾性を有する防水材を塗布することにより弾性層を形成してもよい。
10 壁面(建物表面)
12 ひび割れ
20 補修構造
22 テープ
23a ガイド
23b 中央部分
24 塗料層(弾性層)
25 第1の塗料層(第1の弾性層)
26 第2の塗料層(第2の弾性層)
28 仕上げ層
29 プライマー

Claims (11)

  1. 建物表面のひび割れを補修するための建物表面の補修構造であって、
    前記建物表面に対する粘着性を有する裏面を備えると共に伸縮性を有するテープであって、前記裏面を前記建物表面に向けて、前記ひび割れを覆うように前記ひび割れに沿って前記建物表面に貼付けられるようになっているテープと、
    前記建物表面に貼付けられた前記テープを覆うよう、前記建物表面に弾性材を塗布して形成される弾性層と、を備える、建物表面の補修構造。
  2. 前記テープは、前記裏面の反対側に、前記弾性層に対する付着性を有する表面を備える、請求項1に記載の、建物表面の補修構造。
  3. 前記テープの破断伸度が50%以上である、請求項1又は2に記載の、建物表面の補修構造。
  4. 前記テープの厚みが0.05mm以上、0.25mm以下である、請求項1から3の何れか一項に記載の、建物表面の補修構造。
  5. 前記テープはフィルムを基材とし、前記テープの裏面にアクリル系粘着材を有する、請求項1から4の何れか一項に記載の、建物表面の補修構造。
  6. 前記建物表面は壁面であり、前記弾性材は弾性塗料又は微弾性塗料であって、前記弾性層は前記弾性塗料又は微弾性塗料を塗布して形成される塗料層である、請求項1から5の何れか一項に記載の、建物表面の補修構造。
  7. 前記弾性塗料又は微弾性塗料はアクリル系塗料である、請求項6に記載の建物表面の補修構造。
  8. 前記弾性層は、前記テープを覆うように前記テープに沿って所定の幅で塗布される第1の弾性層と、前記第1の弾性層を覆う前記建物表面の領域に塗布される第2の弾性層と、から構成される、請求項1から7の何れか一項に記載の、建物表面の補修構造。
  9. 前記テープは透明又は半透明であり、前記テープの両側部が所定の幅で前記テープの中央部分と色分けされている、請求項1から8の何れか一項に記載の、建物表面の補修構造。
  10. 建物表面のひび割れを補修する建物表面の補修工法であって、
    前記建物表面に対する粘着性を有する裏面を備えると共に伸縮性を有するテープを、前記裏面を前記建物表面に向けて、前記ひび割れを覆うように前記ひび割れに沿って前記建物表面に貼付けることと、
    貼付けられた前記テープを覆うよう、前記建物表面に弾性材を塗布して弾性層を形成することと、を含む、建物表面の補修工法。
  11. 前記建物表面は壁面であり、前記弾性材は弾性塗料又は微弾性塗料であって、前記弾性層は前記弾性塗料又は微弾性塗料を塗布して形成される塗料層である、請求項10に記載の、建物表面の補修工法。
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