JP5612527B2 - 漏油箇所封止施工方法及び漏油箇所封止構造 - Google Patents

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本発明は、漏油箇所封止施工方法及び漏油箇所封止構造に関し、例えば、油管路構成要素の一つであるフランジ部等における漏油箇所の封止を、管路内の油流を止めることなく、かつ、外気温の高低の如何を問わず確実に実行できる漏油箇所封止施工方法及び漏油箇所封止構造に関するものである。
この種の漏油箇所封止施工方法として、本願の出願人は、先に漏油する管継手フランジ連結用ボルトを含むフランジ全体を清掃し、ケレンをして地肌を露出させ、該箇所を脱脂・洗浄した後、漏油箇所を囲むように充填材を付着させると共に該付着物のフランジ全体の付着形状を滑らかに形取ってすばやく硬化させ、ついで該付着形状物の全面を樹脂接着剤とガラスウールとを交互に被覆して複数の層を形成し、更にこれらの複数の被覆層が硬化した後、仕上げ塗装するように構成した漏油箇所封止施工法を提案している(特許文献1)。
また、充填材の付着は、漏油していない場所から行い、漏油箇所は、漏油を拭き取ったところに多孔性パッキンをあてがい滲み出る漏油を吸収し、その上をすばやく充填材で充填する方法も提案している。
また、金属パイプの破損部補修技術として、マスキングテープ、繊維テープ、エポキシ樹脂を主体とする補修材及び金属製ワイヤーをセットした金属パイプの補修セットを使用し、金属パイプに生じた孔をマスキングテープで塞ぎ、その上に繊維テープを補修材を塗布しながら複数回巻き付けたのち、巻き付けた繊維テープの表面に金属製ワイヤーを複数回巻き付け、更にその表面に補修材を塗布し、補修材を硬化させることによって孔の周辺の金属パイプに硬化物を形成して金属配管の腐食、磨耗などにより生じた破損部を補修するように構成した金属パイプの破損部補修方法が提案されている(特許文献2)。
特開2005−140251号公報 特開2000−55288号公報
しかしながら、前述の漏油箇所封止構造において、特許文献1の漏油箇所封止施工方法の場合、春秋季、夏季のような施工箇所の周囲温度が比較的高い時期におけるフランジ部の漏油箇所封止施工は問題なく実行できるものの、冬等の低温期(例えば周囲温度が5℃、0℃等)においては、充填材硬化に時間がかかるため、硬化前に充填材から油が漏れ出てしまい漏油を抑えることが出来ない。また、多孔性パッキンも低温期では油の吸収機能を十分に発揮できないため漏油を抑えることが出来ず、フランジ部の漏油箇所封止施工に採用することができなかった。
また、特許文献2における金属パイプの破損部補修方法の場合、補修材料として、マスキングテープ、繊維テープ、エポキシ樹脂を主体とする補修材及び金属製ワイヤーを用いるものであり、特に金属製ワイヤーを補修箇所に複数回巻き付ける工程を含むことから、補修箇所の管路形状及びその周辺環境によっては金属製ワイヤーの巻き付けが困難となり、施工性が悪く、十分なる破損部補修を行うことができない場合も生じると推定される。
そこで、本発明は、上記特許文献1に開示した漏油箇所封止施工方法の技術を踏まえ、油管を連結させるフランジ部等に生じた漏油箇所の封止を、管路内の油流を止めることなく、かつ、外気温の高低の如何を問わず確実に実行できる漏油箇所封止施工方法及び漏油箇所封止構造を実現し提供することが課題である。
本発明は、油が流通する油管路構成要素における油漏れが生じた漏油箇所を封止する漏油箇所封止施工法であって、漏油箇所及びその周辺の油管路構成要素を清掃し、ケレンをして地肌を露出させる工程と、露出した箇所を脱脂・洗浄する工程と、漏油箇所及びその周辺の油管路構成要素に防食用のプライマー剤を塗布する工程と、漏油箇所を囲むように充填材を付着させる工程と、漏油箇所に低温でも硬化時間の短いエポキシ樹脂系シール剤を塗布し、硬化させて漏油箇所を封止するとともに、封止部分にも充填材を付着させる工程と、付着させた充填材の全体の付着形状を滑らかに形取って硬化させ外形を整える工程と、前記エポキシ樹脂系シール剤よりも硬化時間の遅いエポキシ樹脂剤とガラスウールとを使用し交互に被覆して複数の被覆層を形成する工程と、複数の被覆層が硬化した後、仕上げ塗装する工程と、を有することを最も主要な特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、特に、油が流通する油管路構成要素に生じた漏油箇所の封止を、前記漏油箇所に5℃での初期硬化時間が3分以内であるような初期硬化時間の短いエポキシ樹脂系シール剤を用いて封止するようにしているので、管路内の油流を止めることなく、かつ、外気温の高低を問わず、すなわち、外気温の低い冬場、外気温の高い夏場、更には、春秋季の如何を問わず、しかも、従来例のように、マスキングテープや金属製ワイヤーを用いることなく確実に実行でき、また、油管路構成要素の防食を図り、しかも、外観体裁が良好で耐久性にも優れる漏油箇所封止構造を簡略に得ることができる漏油箇所封止施工方法を実現し提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、エポキシ樹脂系シール剤として本剤としてビスフェノールF型エポキシ樹脂、硬化剤としてポリチオール、三級アミンを含むエポキシ樹脂系の接着剤を使用する構成の基に、請求項1に記載の発明と同様な効果を奏する漏油箇所封止施工方法を実現し提供することができる。
請求項3記載の発明によれば、エポキシ樹脂剤としてエポキシ樹脂系シール剤よりも硬化時間の遅い本剤としてビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤としてポリチオール、ポリアミドアミン、ジメチルアミノメチル、フェノール、シリカを含むエポキシ樹脂系の接着剤を使用する構成の基に、請求項1および2に記載の発明と同様な効果を奏する漏油箇所封止施工方法を実現し提供することができる。
請求項4記載の発明によれば、前記複数の被覆層を形成する工程の後、当該複数の被覆層が硬化した後に仕上げ塗装する工程を具備する構成の基に、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏する漏油箇所封止施工方法を実現し提供することができる。
請求項5記載の発明によれば、清掃、ケレン、脱脂・洗浄、防食用のプライマー剤層の塗布形成及びエポキシ樹脂系シール剤によるフランジ部の漏油箇所の封止、フランジ部外周への充填材の付着、付着させた充填材の整形、整形した領域の外周へのエポキシ樹脂剤と、ガラスウールとを使用しての複数層からなる被覆層の形成、塗装層の形成という一連の工程によって、従来例のように、マスキングテープや金属製ワイヤーを用いることなく、フランジ部の防食を図り、漏油箇所を確実に封止し、しかも、外観体裁が良好で耐久性にも優れる漏油箇所封止構造を簡略に得ることができる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の漏油箇所封止施工方法を実現し提供することができる。
請求項6記載の発明によれば、油が流通し、漏油箇所を有する油管路構成要素に対して、防食用のプライマー剤層、漏油箇所を封止し5℃での初期硬化時間が3分以内であるような初期硬化時間の短いエポキシ樹脂系シール剤の層、充填材の層、整形した充填材の外周領域への形成したエポキシ樹脂剤、ガラスウールからなる被覆層、及び塗装層を形成しているので、油管路構成要素の防食を図り、漏油箇所を確実に封止し、しかも、外観体裁が良好で耐久性にも優れる漏油箇所封止構造を実現し提供することができる。
請求項7記載の発明によれば、エポキシ樹脂系シール剤として本剤としてビスフェノールF型エポキシ樹脂、硬化剤としてポリチオール、三級アミンを含むエポキシ樹脂系の接着剤を使用する構成の基に、請求項6に記載の発明と同様な効果を奏する漏油箇所封止構造を実現し提供することができる。
請求項8記載の発明によれば、エポキシ樹脂剤としてエポキシ樹脂系シール剤よりも硬化時間の遅い本剤としてビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤としてポリチオール、ポリアミドアミン、ジメチルアミノメチル、フェノール、シリカを含むエポキシ樹脂系の接着剤を使用する構成の基に、請求項6および7に記載の発明と同様な効果を奏する漏油箇所封止構造を実現し提供することができる。
請求項9記載の発明によれば、前記エポキシ樹脂剤とガラスウールとを交互に積層した被覆層の外周を覆う仕上げ塗装層を有する構成をもって請求項6乃至8のいずれか1項に記載の漏油箇所封止構造を実現し提供することができる。
請求項10記載の発明によれば、油が流通し、漏油箇所を有するフランジ部に対して、防食用のプライマー剤層、漏油箇所の封止するエポキシ樹脂系シール剤の層、充填材の層、整形した充填材の外周領域への形成したエポキシ樹脂剤、ガラスウールからなる被覆層、及び塗装層を形成しているので、フランジ部の防食を図り、漏油箇所を確実に封止し、しかも、外観体裁が良好で耐久性にも優れる請求項6乃至9のいずれか1項に記載の漏油箇所封止構造を実現し提供することができる。
図1は本発明の実施例に係る漏油箇所封止施工方法の一連の工程を示すフローチャートである。 図2は本実施例に係る漏油箇所封止施工方法におけるフランジ部を清掃、ケレンして地肌を露出させる工程を示す説明図である。 図3は本実施例に係る漏油箇所封止施工方法における露出した箇所を脱脂・洗浄する工程を示す説明図である。 図4は本実施例に係る漏油箇所封止施工方法における漏油箇所及びその周辺のフランジ部に防食用のプライマー剤を塗布する工程を示す説明図である。 図5は本実施例に係る漏油箇所封止施工方法におけるフランジ部における漏油箇所を囲むように充填材を付着させる工程を示す説明図である。 図6は本実施例に係る漏油箇所封止施工方法における漏油箇所にエポキシ樹脂系シール剤を塗布し、硬化させて漏油箇所を封止するとともに、封止部分にも充填材を付着させる工程を示す説明図である。 図7は本実施例に係る漏油箇所封止施工方法における付着させた充填材の全体の付着形状をフランジ部を覆うように滑らかに形取って硬化させ外形を整える工程を示す説明図である。 図8は本実施例に係る漏油箇所封止施工方法における外形が整えられた充填材の外周にエポキシ樹脂剤とガラスウールとを使用し交互に被覆して複数の被覆層を形成する工程を示す説明図である。 図9は本実施例に係る漏油箇所封止施工方法において複数の被覆層が硬化した後、仕上げ塗装をする工程を示す説明図である。 図10は本実施例に係る漏油箇所封止施工方法により形成する複数の被覆層を示す部分拡大断面図である。 図11は本実施例に係る漏油箇所封止施工方法に使用するプライマー剤の特性を示す図である。 図12は本実施例に係る漏油箇所封止施工方法に使用するエポキシ樹脂系シール剤の特性を示す図である。 図13は本実施例に係る漏油箇所封止施工方法に使用するエポキシ樹脂剤の特性を示す図である。
本発明は、油管を連結させるフランジ部等に生じた漏油箇所の封止を、管路内の油流を止めることなく、かつ、外気温の高低の如何を問わず確実に実行できる漏油箇所封止施工方法を提供するという目的を、油が流通する油管路構成要素であって、油管、管継手、連結用ボルトを含み、かつ、漏油箇所を有するフランジ部を清掃し、ケレンをして地肌を露出させる工程と、露出した箇所を脱脂・洗浄する工程と、漏油箇所及びその周辺のフランジ部に防食用のプライマー剤を塗布する工程と、前記フランジ部における漏油箇所を囲むように充填材を付着させる工程と、前記フランジ部における漏油箇所に低温でも初期硬化時間の短い本剤としてビスフェノールF型エポキシ樹脂、硬化剤としてポリチオール、三級アミンを含むエポキシ樹脂系シール剤を塗布し、硬化させて漏油箇所を封止するとともに、封止部分にも充填材を付着させる工程と、付着させた充填材の全体の付着形状を前記フランジ部を覆うように滑らかに形取って硬化させ外形を整える工程と、外形が整えられた充填材の外周に対して、前記エポキシ樹脂系シール剤よりも硬化時間の遅い本剤としてビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤としてポリチオール、ポリアミドアミン、ジメチルアミノメチル、フェノール、シリカを含むエポキシ樹脂剤とガラスウールとを使用し交互に被覆して複数の被覆層を形成する工程と、複数の被覆層が硬化した後、仕上げ塗装する工程と、を有する構成により実現した。
以下、本発明の実施例に係る漏油箇所封止施工方法及び漏油箇所封止構造について詳細に説明する。
図1は、本実施例に係る漏油箇所封止施工方法の一連の工程を示すフローチャート、図2〜図9は各工程の説明図である。
本実施例に係る漏油箇所封止施工方法は、まず、図1、図2に示すように、油が流通する油管路構成要素であって、油管2、管継手3、連結用ボルト4を含み、かつ、漏油箇所Pを有するフランジ部1を清掃する工程を行う。
すなわち、漏油箇所P、及びその付近の付着物を取り除き、かつ、清掃して地肌を露出させる。この際に、汚れ等が取り難いときは水で洗い落としても、また無機又は有機溶剤で膨潤させた後、清掃しても良い。
更に、手作業、電動工具等を併用してフランジ部1の既存の塗装や錆等を取り除く(ケレンを用いるのが好ましい。)ケレンを行い、金属地肌を露出させる工程を行う。
次に、図1、図3に示すように、露出した箇所を脱脂・洗浄する工程を行う。
すなわち、脱脂・洗浄工程では、前記金属地肌及びこれらの周辺の後述するような充填材を充填する領域を、有機溶剤を用いて、油分、ごみ等を脱脂、洗浄する。
次に、図1、図4に示すように、漏油箇所P及びその周辺のフランジ部1の全体に防食用のリポキシ系プライマー剤を塗布する工程を行い、漏油箇所及びその周辺のフランジ部全体の金属面に防食用の薄膜であるプライマー剤層5を形成する。
前記リポキシ系プライマー剤としては、例えば、商品名:リポキシR−806DA(昭和高分子(株))を用いる。このリポキシ系プライマー剤の特性を図11に示す。
ここに、リポキシ系プライマー剤は、リポキシ(変性エポキシ樹脂の一種で、一般にビニルエステル樹脂、別名エポキシアクリレート樹脂と呼ばれる熱硬化性樹脂)をベースとして金属製配管と充填剤等の樹脂との接着性を向上させたものである。プライマー剤は配管素材への充填材等の樹脂の接着性の向上を目的として使用するため、配管素材が金属以外である場合には、配管素材の材質に合わせて適切なプライマー材を選定することが出来る。また、プライマー剤は充填剤を確実に接着するために、フランジ部を除く配管部分の配管長手方向において10cm程度の範囲に塗布すると良い。5cm未満であると充填剤の接着力が弱く剥がれる可能性が高くなる。
次に、図1、図5に示すように、フランジ部1における漏油箇所Pを残しその周辺を囲むように、かつ、前記フランジ部1全体に充填材6を付着させる工程を行う。
前記充填材6としては、硅砂にエポキシ系ビニルエステル樹脂接着剤を混合した充填材(硬化時間、20〜30分)が用いられる。この際、ボルト等はエポキシ樹脂系シール剤7を予め充填しても良い。ボルト等はフランジの漏油箇所からフランジにあるボルト貫通用穴を通じて油が漏れ出す可能性が高い。そのため、ボルト等をエポキシ樹脂接着剤7にて充填することで漏油を事前に防止する事が出来る。
更に、図1、図6に示すように、漏油箇所Pの油分を清掃後、前記フランジ部1における漏油箇所Pに低温でも初期硬化時間の短い本剤としてビスフェノールF型エポキシ樹脂、硬化剤としてポリチオール、三級アミンを含むエポキシ樹脂系シール剤7を塗布し、硬化させて漏油箇所Pを封止するとともに、封止部分を覆うように前記充填材6を付着させる工程を行う。
エポキシ樹脂系シール剤7としては、例えば、商品名:F60、エフテック(株)を使用する。図12にエポキシ樹脂系シール剤7(F−60)の冬場、春秋、夏場における硬化時間に関する特性を示す。これまでは、難燃性、耐熱性および耐食性を合わせもち、かつ、冬場(5℃)において30分で実用強度となるような初期硬化時間の短いエポキシ樹脂接着剤は存在しなかったため、硬化する前に油が漏れだししまう等、冬場の施工は困難であり、前記エポキシ樹脂系シール剤7を使用することで飛躍的に施工性が向上する。
次に、図1、図7に示すように、前記フランジ部1全体の外周に付着させた充填材6の全体の付着形状を、前記フランジ部1全体を覆うように、かつ、滑らかに形取って硬化させて外形を整える工程を行う。外形を整えることで、次工程のエポキシ樹脂剤8と、ガラスウール9の接着性が向上する。
次に、図1、図8に示すように、外形が整えられた充填材6の外周に対して、前記エポキシ樹脂系シール剤7よりも硬化時間の遅い本剤としてビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤としてポリチオール、ポリアミドアミン、ジメチルアミノメチル、フェノール、シリカを含むエポキシ樹脂剤8と、ガラスウール9とを使用し、交互に被覆して複数(本実施例では合計7層)の被覆層10を形成する工程を行う。エポキシ樹脂剤8は、エポキシ樹脂系シール剤7に比較して、粘度が低いためガラスウールへの浸透性に優れている。エポキシ樹脂剤8としては、例えば、商品名:F300、エフテック(株)を使用する。図13にエポキシ樹脂剤8(F−300)の冬場、春秋、夏場における硬化時間に関する特性を示す。エポキシ樹脂剤8としては、耐熱性、耐油性及び弾性を有すれば、エポキシ樹脂ビニルエステル樹脂接着剤や樹脂系接着剤として飽和ポリエステル樹脂等を用いても良い。
前記被覆層10は、まず、エポキシ樹脂剤8を塗布して第1層である接着剤層8aを形成し、この上に第2層であるガラスウール層9aを層状に敷き占めるように設ける。これによりエポキシ樹脂剤8は、前記ガラスウール層9aへ容易に浸透する。
次いで、同様にして第3層として接着剤層8bを設け、その上に第4層としてガラスウール層9bを設ける。
更に同様にして、第5層として接着剤層8cを設け、その上に第6層としてガラスウール層9cを設ける。更に、この上に上述した場合と同様にして第7層として接着剤層8dを設けた後、被覆層10全体を硬化させる。
次に、被覆層10の最上層(第7層)の表面に、図1、図9に示すように、この技術分野において通常用いられる周知の塗料を塗布し、塗装層11を形成する仕上げ塗装の工程を行う。この際、フランジ部1と同様の色調の塗料を用いることが好ましい。
但し、この仕上げ塗装工程は、本発明において必須構成のものではなく、仕上げ塗装を行うか否かは自在である。仕上げ塗装を行う場合は、前記複数の被覆層を形成する工程の後、当該複数の被覆層が硬化した後に仕上げ塗装を行なう。
ここでは、この仕上げ工程は、最後に設けられた接着剤層8d上に塗装する例を挙げたが、この接着剤層8dを被覆する前の第6層のガラスウール層9cに対して塗料を塗装するようにしても良い。
仕上げ塗装は、ガラスウール層9cを保護する目的と、美観を整えるためにおこなわれるため、屋内等の日風雨日光等による外的要因が少ない箇所や美観上問題ない箇所には行わなくても良い。
このようにして一連の工程により形成されるフランジ部1における全体の層構造の一部を図10に拡大して示す。
なお、被覆層10としては、漏洩封止施工箇所を物理的接触や風雨日光等の外的要因から防護するためのもので、施工箇所の状況に応じて、7層構造とする他、3層、5層、9層構造とする等、その層数は種々の実施形態とすることが可能であることは言うまでもない。
本実施例によれば、油管2を連結させるフランジ部1に生じた漏油箇所Pの封止を、前記フランジ部1における漏油箇所Pに低温でも初期硬化時間の短いエポキシ樹脂系シール剤7を用いて封止するようにしているので、管路内の油流を止めることなく、かつ、外気温の高低を問わず、すなわち、外気温の低い冬場、外気温の高い夏場、更には、春秋季の如何を問わず、しかも、従来例のように、マスキングテープや金属製ワイヤーを用いることなく確実に実行できる漏油箇所封止施工方法を実現し提供することができる。
また、本実施例によれば、清掃、ケレン、脱脂・洗浄、防食用のプライマー剤層5の塗布形成及びエポキシ樹脂系シール剤7による漏油箇所Pの封止、フランジ部1外周への充填材6の付着、付着させた充填材6の整形、整形した領域の外周へのエポキシ樹脂剤8と、ガラスウール9とを使用しての複数層からなる被覆層10の形成、塗装層11の形成という一連の工程によって、前記フランジ部1の防食を図り、漏油箇所Pを確実に封止し、しかも、外観体裁が良好で耐久性にも優れる漏油箇所封止構造を簡略に得ることができる漏油箇所封止施工方法を実現し提供することができる。
本発明の漏油箇所封止施工法は、上述したようなフランジ部の漏油箇所に適用する場合の他、油が流通するパイプ間の接続箇所や油入機器等における漏れ油の恐れのある変電設備、水力設備、一般設備の各接続箇所に季節や地域による外気温変化を気にすることなく簡単、かつ、容易に適用することができる。特に、設備を停止して漏洩箇所の油を抜き取る作業を行うことが難しい設備においては、設備を停止する必要がないため、設備を停止するための関係各所との調整が必要なく効果が高い。
1 フランジ部
2 油管
3 管継手
4 連結用ボルト
5 プライマー剤層
6 充填材
7 エポキシ樹脂系シール剤
8 エポキシ樹脂剤
8a 接着剤層
8b 接着剤層
8c 接着剤層
8d 接着剤層
9 ガラスウール
9a ガラスウール層
9b ガラスウール層
9c ガラスウール層
10 被覆層
11 塗装層

Claims (10)

  1. 油が流通する油管路構成要素における油漏れが生じた漏油箇所を封止する漏油箇所封止施工法であって、
    漏油箇所及びその周辺の油管路構成要素を清掃し、ケレンをして地肌を露出させる工程と、
    露出した箇所を脱脂・洗浄する工程と、
    漏油箇所及びその周辺の油管路構成要素にプライマー剤を塗布する工程と、
    漏油箇所を残し、その周辺を囲むように充填材を付着させる工程と、
    漏油箇所の油分を清掃した後に、5℃での初期硬化時間が3分以内であるような初期硬化時間の短いエポキシ樹脂系シール剤を塗布し、硬化させて漏油箇所を封止するとともに、封止部分を覆うように前記充填材を付着させる工程と、
    付着させた前記充填材の全体の付着形状を滑らかに形取って硬化させ外形を整える工程と、
    前記エポキシ樹脂系シール剤よりも硬化時間の遅いエポキシ樹脂剤とガラスウールとを使用し交互に被覆して複数の被覆層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする漏油箇所封止施工法。
  2. 前記エポキシ樹脂系シール剤をビスフェノールF型エポキシ樹脂、硬化剤としてポリチオール、三級アミンを含むことを特徴とする請求項1に記載の漏油箇所封止施工法。
  3. 前記エポキシ樹脂剤がビスフェノールA型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の漏油箇所封止施工法。
  4. 前記複数の被覆層を形成する工程の後、当該複数の被覆層が硬化した後に仕上げ塗装する工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の漏油箇所封止施工法。
  5. 前記漏油箇所がフランジ部であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の漏油箇所封止施工法。
  6. 油が流通する油管路構成要素における油漏れが生じた漏油箇所を封止する漏油箇所封止構造であって、
    清掃、ケレンにより地肌が露出し、かつ、脱脂・洗浄された漏油箇所及びその周辺の油管路構成要素に塗布された防食用のプライマー剤層と、
    漏油箇所を封止し5℃での初期硬化時間が3分以内であるような初期硬化時間の短いエポキシ樹脂系シール剤層と、
    前記エポキシ樹脂系シール剤層及び前記プライマー剤層の外周全体を覆い、かつ、外形が滑らかに形取られた充填材層と、
    前記充填材層の外周全体を覆う前記エポキシ樹脂系シール剤よりも硬化時間の遅いエポキシ樹脂剤とガラスウールとを交互に積層した被覆層と、
    を有することを特徴とする漏油箇所封止構造。
  7. 前記エポキシ樹脂系シール剤をビスフェノールF型エポキシ樹脂、硬化剤としてポリチオール、三級アミンを含むことを特徴とする請求項6に記載の漏油箇所封止構造。
  8. 前記エポキシ樹脂剤がビスフェノールA型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項6又は7に記載の漏油箇所封止構造。
  9. 前記エポキシ樹脂剤とガラスウールとを交互に積層した被覆層の外周を覆う仕上げ塗装層を有することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の漏油箇所封止構造。
  10. 前記漏油箇所がフランジ部であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の漏油箇所封止構造。
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