JP2015076974A - モータ制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの減磁を正確に特定できるモータ制御システムを提供する。
【解決手段】モータ制御システムは、バッテリ12と、バッテリ12に設けられた電流センサ13および電圧センサ15と、インバータ20と、永久磁石型ロータを有するモータ30と、モータ30のロータ回転位置を検出する回転位置センサ32、モータ30の動作を制御する制御装置40とを備える。制御装置40は、モータのロータ30が回転するときに発生する逆起電圧がバッテリ12の電圧VBより大きくなる回転速度でロータを回転させ、この状態でインバータ20をシャットダウンしてバッテリ電圧VBが上昇しないか、または、バッテリ12に向かってバッテリ電流IBが流れない場合、ロータの永久磁石が減磁していると特定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、永久磁石を有するロータを備えたモータを駆動制御するモータ制御システムに関する。
永久磁石を有するモータでは、規定以上の電流をモータに通電することで、あるいは温度によって、永久磁石の減磁が生じることがある。永久磁石の減磁が生じると、モータの性能が低下するので、減磁を検知して対応を図る必要がある。
例えば、特許文献1には、永久磁石型モータをインバータで駆動制御する制御装置において、dq軸電流Id,Iq、q軸電圧Vq、およびロータ回転速度ωの各制御パラメータと、モータのq軸電圧方程式(Vq=RIq+ωLdId+ωφ)とに基づいて、モータの永久磁石の減磁を判断する手法が記載されている。
特開2010−239790号公報
しかしながら、上記特許文献1の手法では、制御装置の故障時に、モータの減磁を正確に判断することが困難であるとう問題がある。具体的には、制御装置の故障は、永久磁石の減磁だけなく、制御装置に含まれる電流センサ、回転位置センサ等の故障も考えられる。モータ制御に用いられるd軸電流Id、q軸電流Iq、d軸電圧Vd、q軸電圧Vq、およびロータ回転速度ωは、電流センサおよび回転位置センサの各検出値に基づいて導出されているため、これらのセンサが故障している場合には永久磁石の減磁が生じていないにもかかわらずモータの減磁と判断されることが起こり得る。これは、上記q軸電圧方程式により算出されるq軸電圧Vqが、永久磁石の磁力に関わる鎖交磁束φだけでなく、故障の可能性がある電流センサよる検出値に基づいて導出されるd軸電流Idおよびq軸電流Iqの影響を受けるためである。
本発明の目的は、モータの減磁をセンサ故障と切り分けて正確に特定できるモータ制御システムを提供することである。
本発明に係るモータ制御システムは、電圧源と、電圧源に出入りする電流を検出する電流センサと、電圧源の電圧を検出する電圧センサと、電圧源から供給される直流電圧を交流変換するインバータと、インバータから出力される交流電圧によって回転駆動される永久磁石型ロータを有するモータと、該モータのロータ回転位置を検出する回転位置センサと、前記モータの動作を制御する制御装置とを備える、モータ制御システムであって、前記制御装置は、前記モータのロータが回転するときに発生する逆起電圧が前記電圧源の電圧より大きくなる回転速度で前記ロータを回転させ、この状態で前記インバータをシャットダウンして前記電圧源の電圧が上昇しないか、または、前記電圧源に向かって電流が流れない場合、前記ロータの永久磁石が減磁していると特定することを特徴とする。
本発明に係るモータ制御システムでは、モータの減磁が発生していなければモータの逆起電圧(ωφ)が電圧源の電圧より大きくなる状態でモータのロータが回転しているので、逆起電圧によって発生した電力が電圧源に戻されることになる。そのため、電圧源の電圧が上昇する、電圧源に向かう電流の発生等の現象が起きる。これに対し、モータの減磁が発生している場合には、逆起電圧が小さくなるので、上記のような現象は生じない。このような現象を利用して本発明に係るモータ制御装置では、制御パラメータの元情報となる電流センサおよび回転位置センサ等の検出値を用いるのではなく、モータ駆動制御に直接的に関連しない電圧源の電圧および電流を用いて減磁の判断を行うため、インバータ等の故障から切り分けてモータの減磁を正確に特定することができる。したがって、減磁していないモータの誤交換を確実に防止できる。
本発明に係る実施の形態であるモータ制御システムの構成を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において回生エネルギーがバッテリに流れる様子を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の制御装置において実行される減磁特定ルーチンを示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
以下では、モータ制御システムが用いられるものとして、モータが搭載される車両を例として説明するが、ベクトル制御を実行するモータ制御装置を用いるものであれば車両以外であってもよい。
また、この車両には、モータとして、モータ機能と発電機機能とを有するモータ・ジェネレータを1台用いるものとして説明するが、これは例示であって、モータ・ジェネレータを2台以上用いるものとしてもよい。また、モータ機能のみを有するモータを1台、発電機機能のみを有するモータを1台用いるものとしてもよい。なお、車両としては、モータの他に、エンジンを搭載するハイブリッド車両であってもよく、この場合、車体に充電口を備えたハイブリッド車両であってもよい。
以下では、モータに接続される電源回路として、電圧源であるバッテリ、電圧変換器、インバータ、平滑コンデンサを含む構成を説明するが、これは例示であって、これら以外の要素を含むものとしてもよい。例えばシステムメインリレー、低電圧DC/DCコンバータ等を含むことができる。また、バッテリとは別に、燃料電池を電圧源として含むものとしてもよい。
図1は、車両に搭載されるモータについてのモータ制御システム8の全体構成を示す図である。モータ制御システム8は、モータ30と、これに接続される電源回路10と、これらの構成要素の動作を全体として制御するモータ制御装置40とを備える。モータ制御装置40は、いくつかの制御機能を有する回路の集合体であって、ここでは、ベクトル制御を行う部分を中心に示され、これとは区別して、特に減磁判断を行う機能の部分を減磁特定部60として示してある。
モータ30は、車両に搭載されるモータ・ジェネレータ(MG)であって、電源回路10に含まれる電圧源としてのバッテリ12から電力が供給されるときはモータとして機能し、図示されていないエンジンによる駆動時、あるいは車両の制動時には発電機として機能する3相同期型モータである。モータ30は、ステータである電機子にコイルが巻回され、ロータに永久磁石が設けられる永久磁石型モータである。
モータ30に設けられる回転位置センサ32は、ロータの回転位置を回転角度θとして検出する機能を有する。かかる回転位置センサ32としては、例えばレゾルバを用いることができる。検出された回転角度θのデータは、適当な信号線でモータ制御装置40に伝送される。モータ制御装置40においては、ベクトル制御に回転角度θが用いられ、また、回転角度θの時間微分からモータ30の回転角速度ωに換算されて、後述するようにモータ30の駆動制御に用いられる。
電源回路10は、モータ30と接続される回路であり、モータ30が駆動モータとして機能するときにこれに電力を供給し、あるいはモータ30が発電機として機能するときは回生電力を受け取ってバッテリ12を充電する機能を有する。電源回路10は、2次電池であるバッテリ12と、バッテリ12側の平滑コンデンサ14と、電圧変換器16と、インバータ20側の平滑コンデンサ18と、インバータ20を含んで構成される。
バッテリ12は、モータ30の駆動電力を供給する電圧源であり、例えば、約200Vの端子間電圧を有するリチウムイオン組電池あるいはニッケル水素組電池等を用いることができる。なお、バッテリ12に代えて、キャパシタ等の蓄電装置を電圧源として用いてもよい。
バッテリ12には、電流センサ13および電圧センサ15が設けられている。電流センサ13はバッテリ12に出入りする電流(以下、「バッテリ電流」という)IBを検出するセンサであり、電圧センサ15はバッテリ12の端子間電圧(以下、「バッテリ電圧」という)VBを検出するセンサである。各センサ13,15によって検出されたバッテリ電流IBおよびバッテリ電圧VBは、モータ制御装置40に伝送されてバッテリ12のSOC(State of Charge)の監視および管理に用いられるほかに、後述するようにモータ30の減磁の判断にも用いられる。
電圧変換器16は、バッテリ12側の電圧をリアクトルのエネルギー蓄積作用を利用して例えば約650Vに昇圧する機能を有する回路で、昇圧コンバータとも呼ばれる。なお、電圧変換器16は双方向機能を有し、インバータ20側からの電力をバッテリ12側に充電電力として供給するときには、インバータ20側の高圧をバッテリ12に適した電圧に降圧する作用も有する。
バッテリ12側の平滑コンデンサ14と、インバータ20側の平滑コンデンサ18は、それぞれの側の正極母線と負極母線との間における電圧、電流の変動を抑制し平滑化する機能を有する。なお、インバータ20側の正極母線と負極母線との間の電圧VHは、システム電圧と呼ばれるものである。
インバータ20は、モータ制御装置40の制御の下で作動する複数のスイッチング素子を含んで構成され、交流電力と直流電力との間の電力変換を行う回路である。インバータ20は、車両が力行のとき、バッテリ12側からの直流電力を交流3相駆動電力に変換し、モータ30に駆動電力として供給する直交変換機能と、車両が制動のとき、逆にモータ30からの交流3相回生電力を直流電力に変換し、バッテリ12側に充電電流として供給する交直変換機能とを有する。
インバータ20とモータ30とを接続する3つの各配線を流れる電流は、モータ30の各相に流れる電流として、適当な電流検出センサ31を用いて検出され、モータ制御装置40に伝送される。モータ30の各相コイルは中性点で共通接続されるので、モータ30を流れる各相電流は、(U相電流値Iu+V相電流値Iv+W相電流値Iw)=0となる。したがって、3つの相電流をそれぞれ検出しなくても、2つの相電流を検出し、残りの相電流は上記の関係を用いて計算から求めることができる。図1の例では、U相電流Iu、V相電流Ivを検出することが示されているので、残りのW相電流Iwは計算で求めることになる。検出される各相電流は、適当な信号線でモータ制御装置40に伝送される。モータ制御装置40では、ベクトル制御において、まずd軸電流値Idとq軸電流値Iqに変換され、これがd軸電流指令値Id*とq軸電流指令値Iq*と比較されて電流フィードバックに用いられる。
モータ制御装置40は、電源回路10等の制御を通して、車両に搭載されるモータ30の作動を全体として制御する機能を有する。特にここでは、ベクトル制御によってモータ30の作動を制御し、またモータ30の永久磁石の減磁について判断する機能を有する。最初に、ベクトル制御に関する部分を説明し、その後に、減磁特定部60について説明する。
モータ30の動作制御は、モータ30の動作条件によって矩形波モード、過変調モード、正弦波PWMモードの間で切り替えられる。ここでは、主として、正弦波PWM制御を行う構成について説明する。
ベクトル制御に関する部分は、正弦波PWM制御における電流フィードバック制御を行う部分である。すなわち、正弦波PWM制御モードにおいては、3相2相座標変換部42においてモータ30の各相電流値をd軸電流値Idとq軸電流値Iqとに変換し、一方でトルク指令値T*からd軸電流指令値Id*とq軸電流指令値Iq*を算出する。そして、d軸電流指令値Id*にd軸電流値Idをフィードバックし、q軸電流指令値Iq*にq軸電流値Iqをフィードバックする電流フィードバックが行われる。
ここで、トルク指令値T*は、図示されていないアクセルの開度等から求められるユーザの要求トルクに基づいて算出される。電流指令生成部44は、例えば予め作成したテーブル等を用いて、トルク指令値T*をd軸電流指令値Id*とq軸電流指令値Iq*の組として算出する機能を有する。
減算器46は、d軸電流指令値Id*からd軸電流値Idを減算してd軸電流偏差ΔIdを算出し、減算器48は、q軸電流指令値Iq*からq軸電流値Iqを減算してq軸電流偏差ΔIqを算出する機能を有する。
PI制御部50は、d軸電流偏差ΔIdとq軸電流偏差ΔIqについて、所定のゲインの下で比例積分制御を行ってこれらに対応する制御偏差を求め、その制御偏差に応じたd軸電圧指令値Vd*とq軸電圧指令値Vq*を算出する機能を有する。
2相3相座標変換部52は、先ほどの3相2相座標変換部42と互いに逆変換の関係にあるもので、dq電圧値を各相電圧値に変換する機能を有する。すなわち、モータ30の回転角度θに基づいて、d軸電圧指令値Vd*とq軸電圧指令値Vq*を、各相電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換する機能を有する。なお、これらの変換に際し、インバータ20に電圧変換器16から供給されるシステム電圧VHも反映される。
PWM生成部54は、各相電圧指令値Vu,Vv,Vwと所定の搬送波であるキャリアとの比較によって、インバータ20を構成する各スイッチング素子に対する制御信号を発生する機能を有する。インバータ20は、上記のように交流電力と直流電力との間の電力変換を行う回路であり、図1の例では6つのスイッチング素子を含むので、PWM生成部54からは6つの制御信号がインバータ20に供給される。これによって、各相電圧指令値に対応する各相のPWM信号がモータ30に供給される。
上記3相2相座標変換部42は、モータ30の各相電流のうち2つの電流値と回転角度θを取得し、各相電流値に基づいてd軸電流値Idとq軸電流値Iqを算出する機能を有する。図1の例では、U相電流値IuとV相電流値Ivと、モータ30の回転角度θに基づいて座標変換が行われている。
このようにして、正弦波PWM制御モードにおいては、トルク指令値T*に対応する電流指令値Id*,Iq*に対し、モータ30の実電流値Id,Iqがフィードバックされる制御が行われる。
以上でベクトル制御に関する部分の説明を行ったので、次に、モータ制御装置40の減磁特定部60について説明する。減磁特定部60は、モータ30に含まれる永久磁石に減磁が生じているか否かを判断する機能を有する。
図2は、本実施形態における減磁判断の原理を説明するための図であり、モータ30のロータが回転することによって生じる逆起電力が回生エネルギーとしてバッテリ12に流れ込んでいる様子が示されている。
図2に示すように、モータ30の回生時、永久磁石を含む図示しないロータが回転することによって電機子コイルには逆起電力が生じる。このときの逆起電力の電圧、すなわち逆起電圧がバッテリ電圧VBよりも高ければ、インバータ20および電力変換器16を介してバッテリ12に回生エネルギーとして流れて充電されることになる。
ここで、モータ制御に用いられるq軸電圧Vqの電圧方程式はVq=RIq+ωLdId+ωφで表される。ここにおいて、Rは電機子抵抗、Iqはq軸電流、ωはモータ30のロータの回転角速度、Ldはロータのd軸インダクタンス、Idはd軸電流、φは電機子鎖交磁束であり、右辺の最終項ωφが逆起電圧に相当する。
したがって、例えば、車両外部から入力して駆動輪を回転させ、駆動輪に連結されたモータ30のロータを回転させる等によって回生状態をつくる。そして、インバータ20をシャットダウンにするとともに電圧変換器16を通電可能な状態にしたとき、バッテリ電圧VBが上昇するか、または、バッテリ12に向かってバッテリ電流IBが流れたかを監視する。
モータ30に減磁が生じていない場合には、上述したようにωφ>VBとなって、バッテリ電圧VBが上昇するか、または、バッテリ12へ向かってバッテリ電流IBが流れる現象が見られる。これに対し、モータ30に減磁が生じていれば、ωφ<VBとなるためバッテリ電圧VBは上昇せず、バッテリ12へ向かってバッテリ電流IBが流れることはない。
このような現象の有無によって、モータ30の減磁を正確に特定することができる。次に、図3を参照して、減磁特定部60における処理について説明する。図3は、減磁特定部60において実行される減磁特定ルーチンを示すフローチャートである。この減磁特定ルーチンは、ディーラのサービスピットや自動車性能試験場等に設置された走行ローラ上に車両の駆動輪を載せて、走行ローラを回転駆動して駆動輪を回転させた状態として、実行することができる。
図3に示すように、まず、ステップS10において、モータ30の逆起電圧ωφがバッテリ電圧VBよりも大きくなる所定のモータ回転数Nとなったとき、インバータ20をシャットダウンした状態にする。具体的には、インバータ20に含まれる6つのスイッチング素子を何れもオフした状態とする。ここで、上記所定のモータ回転数Nは、減磁していない永久磁石を有する新品のモータ30を用いた実験等で得られた値を予め記憶しておくことができる。ただし、これに限定されるものではなく、電圧センサ15によって検出される実際のバッテリ電圧VBと永久磁石の規定の鎖交磁束φとに基づいてωφ>VBとなるモータ回転数を算出し、これを所定回転数Nとして適宜に用いる構成としてもよい。これにより、実際の状況に応じたバッテリ電圧VBを用いてモータ30の減磁をより正確に特定できる利点がある。
次いで、ステップS12において、モータ30が所定の回転数となったとき、電圧変換器16の上アームのスイッチング素子17(図2参照)をオンしてモータ30とバッテリ12間を通電可能な状態とし、バッテリ電圧VBおよびバッテリ電流IBを監視する。
続くステップS14において、バッテリ電圧VBが上昇し、かつ、バッテリ12に向かってバッテリ電流IBが流れたかを判定する。バッテリ電圧VBが上昇しかつバッテリ12に向かってバッテリ電流IBが流れたとき、続くステップS16でモータ以外の故障ありと判断する。ここで、モータ以外の故障としては、例えば、電流センサ31の故障、回転位置センサ32の故障、インバータ20の故障等の可能性がある。他方、バッテリ電圧VBが上昇しないか、または、バッテリ12へ向かってバッテリ電流IBが流れなかったとき、続くステップS18でモータ30の減磁が生じていると特定される。このようにしてモータ30の減磁判定を行った後、処理を終了する。
上述したように、本実施形態のモータ制御装置40によれば、モータ30の制御パラメータ(Id、Iq、Vq)の元情報となる電流センサ31および回転位置センサ32等の検出値を用いるのではなく、モータ駆動制御に直接的に関連しないバッテリ12の電圧VBやバッテリ12に向かって流れるバッテリ電流IBを用いて減磁の判断を行うため、電流センサ31、回転位置センサ32およびインバータ20の故障から切り分けてモータ30の減磁を正確に特定することができる。したがって、減磁が生じていないモータ30を誤交換してしまうことをなくすことができる。
なお、本発明は上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲内で、種々の変更や改良が行われてもよい。
例えば、上記においては図3に示す減磁特定ルーチンは、外部入力により駆動輪を介してモータ30を回転させて実行すると説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ディーラのサービスピット等において車両の駆動輪をジャッキアップして浮かせた状態でアクセルを踏み込むことによってインバータ20による制御でモータ30を回転させ、その後、インバータ20をシャットダウンしてロータが惰性回転した状態で実行してもよい。
また、エンジンを搭載したハイブリッド車両において、エンジンから動力を受けて回転駆動されるモータについては、エンジンによってモータを所定回転数に回転させた状態として、上記のような減磁判断処理を行ってもよい。この場合、駆動輪をジャッキアップしたり走行ローラに載せたりすることなく、減磁特定作業を容易に行うことができる。
本発明に係るモータ制御システムは、永久磁石を有するモータにおいて永久磁石の減磁判断を行う制御装置に利用できる。
8 モータ制御システム、10 電源回路、12 バッテリ(電圧源)、13,31 電流センサ、14,18 平滑コンデンサ、15 電圧センサ、16 電圧変換器、17 スイッチグ素子、20 インバータ、30 モータ、32 回転位置センサ、40 モータ制御装置、42 3相2相座標変換部、44 電流指令生成部、46,48 減算器、50 PI制御部、52 3相2相座標変換部、54 PWM生成部、60 減磁特定部。

Claims (1)

  1. 電圧源と、電圧源に出入りする電流を検出する電流センサと、電圧源の電圧を検出する電圧センサと、電圧源から供給される直流電圧を交流変換するインバータと、インバータから出力される交流電圧によって回転駆動される永久磁石型ロータを有するモータと、該モータのロータ回転位置を検出する回転位置センサと、前記モータの動作を制御する制御装置とを備える、モータ制御システムであって、
    前記制御装置は、前記モータのロータが回転するときに発生する逆起電圧が前記電圧源の電圧より大きくなる回転速度で前記ロータを回転させ、この状態で前記インバータをシャットダウンして前記電圧源の電圧が上昇しないか、または、前記電圧源に向かって電流が流れない場合、前記ロータの永久磁石が減磁していると特定することを特徴とするモータ制御システム。
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