JP2015076413A - セラミック電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層体の端面において内部電極の端部に隣接するように開口した空隙部の大きさを縮小してセラミック電子部品の信頼性を向上する。【解決手段】セラミック層150aと平板状の内部電極141aとが交互に積層されて構成された積層体と、内部電極141aに電気的に接続された外部電極と、積層体の内部において内部電極141aに対して間隔を置いて設けられて外部電極と電気的に接続された補助内部導体161aとを備える。内部電極141aにおいて端面に位置する部分および補助内部導体161aにおいて端面に位置する部分を主面に投影した際に、すべての内部電極における側面に直交する方向の一端および他端のうちの最も外側に位置している一端および他端の各々を、少なくとも1つの補助内部導体が包含するように設けられている。【選択図】図8
Description
本発明は、セラミック電子部品に関する。
電気的特性の発現に寄与しない電極であるダミー内部導体を有するセラミック電子部品を開示した先行文献として、特開2010−21524号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載されたセラミック電子部品においては、ダミー内部導体を設けることにより、積層体の端面においてダミー内部導体の端部に隣接するように開口した空隙部を形成している。この空隙部の内部にめっき液を進入させてめっき金属を析出させることにより、アンカー効果によって内部電極と外部電極との接続信頼性を向上している。
積層体を形成する際のグリーンシートの積層位置のバラツキまたは内部電極の形成位置のバラツキなどの原因によって、積層体の側面に直交する方向において複数の内部電極が互いにずれた状態で積層されることがある。この場合、最も位置がずれている内部電極の側面側の端部には、積層体をプレス成型する際の圧力が及びにくいため、この内部電極の端部に隣接して大きな空隙部が形成される。
具体的には、積層された複数の内部電極のうち、積層体の側面に直交する方向において他の内部電極に比べて側面側に最も突出するようにずれて位置している内部電極にて、積層体の側面に直交する方向の両端部のうちの少なくとも一方に、プレス圧不足によって内部電極の厚みに応じた空隙部が形成される。この空隙部は、積層体の端面において開口している。
積層体の端面において内部電極の端部に隣接するように開口した空隙部が大きすぎる場合、空隙部内に進入した水分により、互いに対向する内部電極同士間の絶縁抵抗が低くなって、セラミック電子部品の信頼性が低下することがある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、積層体の端面において内部電極の端部に隣接するように開口した空隙部の大きさを縮小して信頼性を向上したセラミック電子部品を提供することを目的とする。
本発明に基づくセラミック電子部品は、セラミック層と平板状の内部電極とが交互に積層されて構成され、セラミック層と内部電極との積層方向に対して直交する1対の主面、主面同士の間を結ぶ1対の側面、および、1対の主面と1対の側面とにそれぞれ直交する1対の端面を有する積層体と、少なくともいずれかの上記端面上に設けられて内部電極に電気的に接続された外部電極と、積層体の内部において内部電極に対して間隔を置いて設けられて外部電極と電気的に接続された補助内部導体とを備える。内部電極において上記端面に位置する部分および補助内部導体において上記端面に位置する部分を上記主面に投影した際に、すべての内部電極における上記側面に直交する方向の一端および他端のうちの最も外側に位置している一端および他端の各々を、少なくとも1つの補助内部導体が包含するように設けられている。
本発明の一形態においては、補助内部導体が、内部電極と同一の材料によって形成されている。
本発明の一形態においては、補助内部導体において、内部電極の最も外側に位置している上記一端を包含する部分と、内部電極の最も外側に位置している上記他端を包含する部分とが分割されて互いに離間している。
本発明の一形態においては、上記積層方向において、補助内部導体が内部電極と同じ位置に設けられている。
本発明の一形態においては、上記主面に平行で内部電極が位置する断面において、補助内部導体は、内部電極と電気的に接続されている外部電極とは異なる外部電極に電気的に接続されている。
本発明の一形態においては、積層体において、補助内部導体が形成された層の数が、内部電極が形成された層の数と等しい。
本発明の一形態においては、積層体において、補助内部導体が占める総厚みが、内部電極が占める総厚みと等しい。
本発明によれば、積層体の端面において内部電極の端部に隣接するように開口した空隙部の大きさを縮小してセラミック電子部品の信頼性を向上できる。
以下、本発明の実施形態1に係るセラミック電子部品について図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。以下の説明においては、セラミック電子部品としてセラミックコンデンサについて説明するが、電子部品は、コンデンサに限られず、圧電部品、サーミスタまたはインダクタなどを含む。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るセラミック電子部品の外観を示す斜視図である。図2は、図1のセラミック電子部品をII−II線矢印方向から見た断面図である。図3は、図2のセラミック電子部品をIII−III線矢印方向から見た断面図である。図4は、図2のセラミック電子部品をIV−IV線矢印方向から見た断面図である。図5は、図2のセラミック電子部品をV−V線矢印方向から見た断面図である。図6は、図2のセラミック電子部品をVI−VI線矢印方向から見た断面図である。
図1は、本発明の実施形態1に係るセラミック電子部品の外観を示す斜視図である。図2は、図1のセラミック電子部品をII−II線矢印方向から見た断面図である。図3は、図2のセラミック電子部品をIII−III線矢印方向から見た断面図である。図4は、図2のセラミック電子部品をIV−IV線矢印方向から見た断面図である。図5は、図2のセラミック電子部品をV−V線矢印方向から見た断面図である。図6は、図2のセラミック電子部品をVI−VI線矢印方向から見た断面図である。
図1においては、後述する積層体の長手方向をL、積層体の幅方向をW、積層体の厚さ方向をTで示している。図5,6においては、内部電極140の位置ずれを誇張して示している。図5においては、第1内部電極141の位置ずれの一例を示しており、第1補助内部導体161の位置ずれについては示していない。図6においては、第2内部電極142の位置ずれの一例を示しており、第2補助内部導体162の位置ずれについては示していない。
図1〜6に示すように、本発明の実施形態1に係るセラミック電子部品100は、セラミック層150と平板状の内部電極140とが交互に積層された直方体状の積層体110と、積層体110の両端部に設けられて内部電極140と電気的に接続された外部電極と、積層体110の内部において内部電極140に対して間隔を置いて設けられて外部電極と電気的に接続された補助内部導体とを備える。
外部電極は、積層体110の長手方向の一方の端部に設けられた第1外部電極120、および、積層体110の長手方向の他方の端部に設けられた第2外部電極130を含む。ただし、外部電極の構成は上記に限られず、外部電極は、積層体110の少なくともいずれかの端面上に設けられていればよい。よって、積層体110の1つの端面上において、複数の外部電極が互いに間隔を置いて設けられていてもよい。
互いに隣り合って対向する内部電極140同士において、第1内部電極141は第1外部電極120に電気的に接続され、第2内部電極142は第2外部電極130に電気的に接続されている。
補助内部導体は、積層体110の長手方向の一方の端部に設けられた第1補助内部導体161、および、積層体110の長手方向の他方の端部に設けられた第2補助内部導体162を含む。第1補助内部導体161は第1外部電極120に電気的に接続され、第2補助内部導体162は第2外部電極130に電気的に接続されている。
本実施形態に係る積層体110においては、セラミック層150と内部電極140との積層方向が、積層体110の長手方向Lおよび積層体110の幅方向Wに対して直交している。すなわち、セラミック層150と内部電極140との積層方向は、積層体110の厚さ方向Tと平行である。
積層体110は、厚さ方向Tと直交する1対の主面、幅方向Wと直交する1対の側面、および、長手方向Lと直交する1対の端面を有する。すなわち、積層体110は、セラミック層150と内部電極140との積層方向に対して直交する1対の主面、主面同士の間を結ぶ1対の側面、および、1対の主面と1対の側面とにそれぞれ直交する1対の端面を有する。
上記のように積層体110は、直方体状の外形を有するが、角部および稜線部に丸みを有していてもよい。また、1対の主面、1対の側面および1対の端面のいずれかの面に、凹凸が形成されていてもよい。さらに、積層体110は、立方体状の外形を有していてもよい。
以下、各構成について詳細に説明する。
各セラミック層150の厚さは、焼成後において0.5μm以上5μm以下であることが好ましい。セラミック層150を構成する材料としては、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3またはCaZrO3などを主成分とする誘電体セラミックスを用いることができる。また、これらの主成分に、副成分として、Mn化合物、Mg化合物、Si化合物、Co化合物,Ni化合物または希土類化合物などが添加された材料を用いてもよい。
各セラミック層150の厚さは、焼成後において0.5μm以上5μm以下であることが好ましい。セラミック層150を構成する材料としては、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3またはCaZrO3などを主成分とする誘電体セラミックスを用いることができる。また、これらの主成分に、副成分として、Mn化合物、Mg化合物、Si化合物、Co化合物,Ni化合物または希土類化合物などが添加された材料を用いてもよい。
各内部電極140の厚さは、焼成後において0.3μm以上2.0μm以下であることが好ましい。内部電極140は、平面視にて略矩形状の第1内部電極141と、平面視にて略矩形状の第2内部電極142とを含む。第1内部電極141と第2内部電極142とは、積層体110の厚さ方向Tに沿って等間隔に交互に配置されている。また、第1内部電極141と第2内部電極142とは、セラミック層150を間に挟んで互いに対向するように配置されている。
図3に示すように、第1内部電極141は、積層体110の長手方向の一方の端部から他方の端部に向けて延在している。第1内部電極141は、積層体110の一方の端面において第1外部電極120と接続されている。
図4に示すように、第2内部電極142は、積層体110の長手方向の他方の端部から一方の端部に向けて延在している。第2内部電極142は、積層体110の他方の端面において第2外部電極130と接続されている。
内部電極140を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。
外部電極は、積層体110の両端部を覆うように設けられた下地層と、この下地層を覆うように設けられためっき層とを含む。下地層を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。下地層の厚さは、10.0μm以上50.0μm以下であることが好ましい。
下地層としては、積層体110の両端部に導電性ペーストを塗布して焼き付けたもの、または、内部電極140と同時に焼成したものでもよい。それ以外にも、下地層としては、積層体110の両端部にめっきすることにより形成したもの、または、積層体110の両端部に熱硬化性樹脂を含む導電性樹脂を塗布して硬化させたものでもよい。
めっき層を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。
めっき層は、複数の層から構成されていてもよい。この場合、めっき層としては、Niめっき層の上にSnめっき層が形成された2層構造であることが好ましい。Niめっき層は、半田バリア層として機能する。Snめっき層は、半田との濡れ性が良好である。1層当たりのめっき層の厚さは、1.0μm以上10.0μm以下であることが好ましい。
なお、外部電極において、下地層とめっき層との間に、応力緩和用の導電性樹脂層が形成されていてもよい。
図2〜6に示すように、第1外部電極120は、第1下地層121と第1めっき層122とを含む。第1下地層121は、積層体110の長手方向の一方の端部を覆っている。積層体110の一方の端面において、第1下地層121と第1内部電極141とが電気的に接続している。
第2外部電極130は、第2下地層131と第2めっき層132とを含む。第2下地層131は、積層体110の長手方向の他方の端部を覆っている。積層体110の他方の端面において、第2下地層131と第2内部電極142とが電気的に接続している。
各補助内部導体の厚さは、焼成後において0.3μm以上2.0μm以下であることが好ましい。本実施形態においては、補助内部導体の1層の厚さと、内部電極140の1層の厚さとを略同一にしている。
補助内部導体を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。本実施形態においては、補助内部導体は、内部電極140と同一の材料によって形成されている。
図4に示すように、第1補助内部導体161は、積層体110の長手方向の一方の端部において第2内部電極142に対して間隔を置いて位置し、平面視にて略矩形状の外形を有している。第1補助内部導体161は、積層体110の各側面に対して離間している。第1補助内部導体161は、積層体110の一方の端面において第1外部電極120と接続されている。
図3に示すように、第2補助内部導体162は、積層体110の長手方向の他方の端部において第1内部電極141に対して間隔を置いて位置し、平面視にて略矩形状の外形を有している。第2補助内部導体162は、積層体110の各側面に対して離間している。第2補助内部導体162は、積層体110の他方の端面において第2外部電極130と接続されている。
このように、積層体110の主面に平行で内部電極140が位置する断面において、補助内部導体は、内部電極140と電気的に接続されている外部電極とは異なる外部電極に電気的に接続されている。
また、積層体110の積層方向において、補助内部導体は内部電極140と同じ位置に設けられている。よって、第1補助内部導体161と第2補助内部導体162とは、積層体110の厚さ方向Tに沿って等間隔に交互に配置されている。
図2,5,6に示すように、本実施形態においては、内部電極140の形成数と補助内部導体の形成数とは同一であり、それぞれ8個である。また、積層体110において、補助内部導体が形成された層の数は、内部電極140が形成された層の数と等しい。なお、内部電極140の形成数と補助内部導体の形成数とは、8個に限られず、それ以上であってもよい。
図5に示すように、第1内部電極141において積層体110の一方の端面に位置する部分、および、第1補助内部導体161において積層体110の一方の端面に位置する部分を主面に投影した際に、各第1内部電極141において側面に直交する方向の一端が位置している領域T1および他端が位置している領域T2を、第1補助内部導体161が包含するように設けられている。
具体的には、4個の第1内部電極141は、積層体110の側面に直交する方向において、互いに位置がずれている。たとえば、図5中の上から2番目の第1内部電極141が積層体110の一方の側面に最も近接し、図5中の下から1番目の第1内部電極141が積層体110の他方の側面に最も近接している。
そのため、4個の第1内部電極141において積層体110の側面に直交する方向の一端の位置がずれている。4個の第1内部電極141において積層体110の側面に直交する方向の一端が位置している領域T1は、上から2番目の第1内部電極141の一端が位置する第1投影線L1から、下から1番目の第1内部電極141の一端が位置する第2投影線L2までの範囲である。
同様に、4個の第1内部電極141において積層体110の側面に直交する方向の他端の位置がずれている。4個の第1内部電極141において積層体110の側面に直交する方向の他端が位置している領域T2は、上から2番目の第1内部電極141の他端が位置する第3投影線L3から、下から1番目の第1内部電極141の他端が位置する第4投影線L4までの範囲である。
各第1補助内部導体161は、領域T1内の位置および領域T2内の位置を包含するように設けられている。したがって、本実施形態においては、第1補助内部導体161は、第1投影線L1より外側の位置から、第4投影線L4より外側の位置まで延在するように設けられている。
これにより、第1内部電極141において積層体110の端面に位置する部分および第1補助内部導体161において積層体110の端面に位置する部分を積層体110の主面に投影した際、すべての第1内部電極141における積層体110の側面に直交する方向の一端および他端のうちの最も外側に位置している一端および他端の各々を、各第1補助内部導体161に包含させることができる。
なお、領域T1および領域T2の各大きさについては、予め実験により最大値を求めておく。また、第1補助内部導体161についても、積層体110の側面に直交する方向において互いに位置がずれる。そのため、第1補助内部導体161の位置ずれについても予め実験により最大値を求めておき、これらの最大値を考慮して第1補助内部導体161の大きさおよび配置を決定する。
すなわち、第1内部電極141および第1補助内部導体161の各位置ずれが最も大きい場合においても、各第1補助内部導体161が、領域T1内の位置および領域T2内の位置を包含するように、第1補助内部導体161の大きさおよび配置を決定する。
上記のように第1補助内部導体161を設けることにより、積層体110の側面に直交する方向において全ての第1内部電極141の一端および他端の位置を覆うように、第1補助内部導体161を位置させることができる。これにより、積層体110の側面に直交する方向の全ての第1内部電極141の両端部に、積層体110をプレス成型する際の圧力を及びやすくすることができる。
図6に示すように、第2内部電極142において積層体110の他方の端面に位置する部分、および、第2補助内部導体162において積層体110の他方の端面に位置する部分を積層体110の主面に投影した際に、各第2内部電極142において積層体110の側面に直交する方向の一端が位置している領域T3および他端が位置している領域T4を、第2補助内部導体162が包含するように設けられている。
具体的には、4個の第2内部電極142は、積層体110の側面に直交する方向において、互いに位置がずれている。たとえば、図6中の上から2番目の第2内部電極142が積層体110の一方の側面に最も近接し、図6中の下から1番目の第2内部電極142が積層体110の他方の側面に最も近接している。
そのため、4個の第2内部電極142において積層体110の側面に直交する方向の一端の位置がずれている。4個の第2内部電極142において積層体110の側面に直交する方向の一端が位置している領域T3は、上から2番目の第2内部電極142の一端が位置する第5投影線L5から、下から1番目の第2内部電極142の一端が位置する第6投影線L6までの範囲である。
同様に、4個の第2内部電極142において積層体110の側面に直交する方向の他端の位置がずれている。4個の第2内部電極142において積層体110の側面に直交する方向の他端が位置している領域T4は、上から2番目の第2内部電極142の他端が位置する第7投影線L7から、下から1番目の第2内部電極142の他端が位置する第8投影線L8までの範囲である。
各第2補助内部導体162は、領域T3内の位置および領域T4内の位置を包含するように設けられている。したがって、本実施形態においては、第2補助内部導体162は、第5投影線L5より外側の位置から、第8投影線L8より外側の位置まで延在するように設けられている。
これにより、第2内部電極142において積層体110の端面に位置する部分および第2補助内部導体162において積層体110の端面に位置する部分を積層体110の主面に投影した際、すべての第2内部電極142における積層体110の側面に直交する方向の一端および他端のうちの最も外側に位置している一端および他端の各々を、各第2補助内部導体162に包含させることができる。
なお、領域T3および領域T4の各大きさについては、予め実験により最大値を求めておく。また、第2補助内部導体162についても、積層体110の側面に直交する方向において互いに位置がずれる。そのため、第2補助内部導体162の位置ずれについても予め実験により最大値を求めておき、これらの最大値を考慮して第2補助内部導体162の大きさおよび配置を決定する。
すなわち、第2内部電極142および第2補助内部導体162の各位置ずれが最も大きい場合においても、各第2補助内部導体162が、領域T3内の位置および領域T4内の位置を包含するように、第2補助内部導体162の大きさおよび配置を決定する。
上記のように第2補助内部導体162を設けることにより、積層体110の側面に直交する方向において全ての第2内部電極142の一端および他端の位置を覆うように、第2補助内部導体162を位置させることができる。これにより、積層体110の側面に直交する方向の全ての第2内部電極142の両端部に、積層体110をプレス成型する際の圧力を及びやすくすることができる。
よって、積層体110の端面において内部電極140の端部に隣接するように開口した空隙部の大きさを縮小することができる。
上記のように、積層体110において、補助内部導体が形成された層の数と内部電極140が形成された層の数とを等しくしているため、積層体110の側面に直交する方向において内部電極140の一端および他端に圧力が及びやすくすることができる。
さらに、積層体110において、補助内部導体が占める総厚みと内部電極140が占める総厚みとを略等しくしているため、積層体110をプレス成型する際の積層体110内の圧力分布を均一化して、積層体110の側面に直交する方向において内部電極140の一端および他端に圧力がより及びやすくすることができる。
これにより、プレス成型された積層体110の表面において、内部電極140が存在する領域と内部電極140が存在しない領域との境界に現れる段差を小さくすることができる。その結果、セラミック電子部品100の構造欠陥の発生を抑制できる。
また、補助内部導体を、内部電極140と同じ層に内部電極140と同一の材料で内部電極140と同一の厚さで形成することにより、内部電極140を形成する際に、補助内部導体も合わせて形成することができる。そのため、補助内部導体を形成するための特別な装置および工程は必要にならない。また、焼成時の収縮挙動を補助内部導体と内部電極140とで合わせることができるため、補助内部導体の配置を設定しやすくなる。
以下、本実施形態に係るセラミック電子部品の製造方法について説明する。
まず、セラミック粉末を含むセラミックペーストを、スクリーン印刷法などによりシート状に塗布して乾燥させることにより、セラミックグリーンシートを作製する。
まず、セラミック粉末を含むセラミックペーストを、スクリーン印刷法などによりシート状に塗布して乾燥させることにより、セラミックグリーンシートを作製する。
作製した複数のセラミックグリーンシートのうちの一部において、セラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などにより内部電極および補助内部導体を形成するための導電ペーストを所定のパターンとなるように塗布する。このようにして、内部電極および補助内部導体となる導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートと、導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートとを用意する。なお、セラミックペーストと、内部電極および補助内部導体を形成するための導電ペーストとには、公知のバインダーおよび溶媒が含まれていてもよい。
図7は、内部電極および補助内部導体となる導電パターンを形成されたセラミックグリーンシートの外観を示す平面図である。図7に示すように、セラミックグリーンシート15上に、内部電極となる第1導電パターン14と、補助内部導体となる第2導電パターン16とを形成する。
本実施形態においては、第2導電パターン16を間に挟んで2個の第1導電パターン14が位置する基本パターンを、セラミックグリーンシート15上にマトリックス状に配置する。
基本パターンにおいては、第2導電パターン16から見て一方の第1導電パターン14と、第2導電パターン16にて一方の第1導電パターン14側の部分とを含む第1パターン領域1Pが構成されている。また、基本パターンにおいては、第2導電パターン16から見て他方の第1導電パターン14と、第2導電パターン16にて他方の第1導電パターン14側の部分とを含む第2パターン領域2Pが構成されている。
導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層し、その上に、導電パターンが形成された複数のセラミックグリーンシートを順次積層し、さらにその上に、導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定枚数積層することにより、マザー積層体を作製する。
導電パターンが形成された複数のセラミックグリーンシートを順次積層する際には、上記の第1パターン領域1Pと第2パターン領域2Pとが交互に重なるように、複数のセラミックグリーンシート15の位置を互いにずらして積層する。その後、静水圧プレスなどの手段により、マザー積層体を積層方向にプレスする。
図8は、マザー積層体をプレスしている状態を示す断面図である。図8においては、1つの積層体110の一方の端面に相当する部分のみ示している。なお、以下の説明においては、積層体110の一方の端面に相当する部分ついて説明するが、積層体110の他方の端面に相当する部分についても同様である。
図8に示すように、積層されたセラミックグリーンシート150a中において、第1内部電極141となる4個の第1導電パターン141aは、マザー積層体の側面に直交する方向において、互いに位置がずれている。
たとえば、図8中の上から2番目の第1導電パターン141aがマザー積層体の一方の側面に最も近接し、図8中の下から1番目の第1導電パターン141aがマザー積層体の他方の側面に最も近接している。
そのため、4個の第1導電パターン141aにおいてマザー積層体の側面に直交する方向の一端の位置がずれている。4個の第1導電パターン141aにおいてマザー積層体の側面に直交する方向の一端が位置している領域T1は、上から2番目の第1導電パターン141aの一端が位置する第1投影線L1から、下から1番目の第1導電パターン141aの一端が位置する第2投影線L2までの範囲である。
同様に、4個の第1導電パターン141aにおいてマザー積層体の側面に直交する方向の他端の位置がずれている。4個の第1導電パターン141aにおいてマザー積層体の側面に直交する方向の他端が位置している領域T2は、上から2番目の第1導電パターン141aの他端が位置する第3投影線L3から、下から1番目の第1導電パターン141aの他端が位置する第4投影線L4までの範囲である。
各第1補助内部導体161となる第2導電パターン161aは、領域T1内の位置および領域T2内の位置を包含するように設けられている。本実施形態においては、第2導電パターン161aは、第1投影線L1より外側の位置から、第4投影線L4より外側の位置まで延在するように設けられている。
第2導電パターン161aにおいて、マザー積層体の側面に直交する方向の一端をマザー積層体の主面に投影する線を第5投影線L5とし、マザー積層体の側面に直交する方向の他端をマザー積層体の主面に投影する線を第6投影線L6とする。なお、説明を簡単にするために、第2導電パターン161aの位置ずれはないものとしている。また、積層体110の一方の側面をマザー積層体の主面に投影する線を第7投影線L7とし、積層体110の他方の側面をマザー積層体の主面に投影する線を第8投影線L8とする。
マザー積層体の側面に直交する方向において、第5投影線L5から第7投影線L7までの間の領域T0内には、導電パターンが存在していない。同様に、マザー積層体の側面に直交する方向において、第6投影線L6から第8投影線L8までの間の領域T0内には、導電パターンが存在していない。
マザー積層体の側面に直交する方向において、第1投影線L1から第5投影線L5までの間の領域Te内には、第2導電パターン161aのみが存在し、第1導電パターン141aは存在していない。同様に、マザー積層体の側面に直交する方向において、第4投影線L4から第6投影線L6までの間の領域Te内には、第2導電パターン161aのみが存在し、第1導電パターン141aは存在していない。
マザー積層体の側面に直交する方向において、第2投影線L2から第3投影線L3までの間の領域Ta内には、第1導電パターン141aおよび第2導電パターン161aの両方が存在している。
図8中の矢印10で示すようにマザー積層体の主面同士を挟むようにプレス成型した場合、導電パターンが最も密に位置している領域Ta内の部分の圧力が最も高くなる。逆に、導電パターンが存在していない領域T0内の部分の圧力が最も低くなる。
特に、領域T0内において、第2導電パターン161aの端部に隣接する位置に圧力が及びにくいため、第2導電パターン161aの端部に隣接して開口した大きな空隙部h1が形成される。
一方、第1導電パターン141aの一端が位置する領域T1内、および、第1導電パターン141aの他端が位置する領域T2内の各々においては、第2導電パターン161aが必ず存在しているため、第2導電パターン161aが設けられていない場合に比較して、プレス成型する際の圧力が及びやすくなっている。
その結果、第1導電パターン141aの端部に隣接する位置に圧力が及びやすくなるため、第1導電パターン141aの端部に隣接して開口した空隙部h2の大きさは、第2導電パターン161aが設けられていない場合に比較して小さくなる。
次に、マザー積層体を所定の形状にカットして分割することにより、複数の直方体状の軟質積層体を作製する。なお、直方体状の軟質積層体をバレル研磨して、軟質積層体の角部を丸めてもよい。
軟質積層体を焼成することにより硬化させて、積層体110を作製する。焼成温度は、セラミック材料および導電材料の種類に応じて適宜設定され、たとえば、900℃以上1300℃以下の範囲内で設定される。
次に、外部電極形成用の導電ペーストを積層体110の両端部に各種印刷法またはディップ法などにより塗布し、外部電極形成用の導電ペーストを塗布した積層体110を加熱することにより下地層を設ける。外部電極形成用の導電ペーストを塗布した積層体110を加熱する温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
次に、下地層上に、めっき法により金属成分を付着させることによってめっき層を設ける。めっき層を設ける方法としては、電解めっき法が好ましい。
下地層を設ける工程およびめっき層を設ける工程により、内部電極140と電気的に接続されるように積層体110の両端部に外部電極を設けることができる。上記の工程により、本実施形態に係るセラミック電子部品100を作製することができる。
上記のように積層体110を形成することにより、積層体110の端面において内部電極140の端部に隣接するように開口した空隙部の大きさを縮小することができる。
内部電極140の端部に隣接するように開口した空隙部の大きさを縮小することにより、この空隙部内に空気中の水分が進入して互いに対向する内部電極140同士間の絶縁抵抗が低くなってセラミック電子部品100の信頼性が低下することを抑制できる。
なお、積層体110の端面において補助内部導体の端部に隣接するように開口した空隙部が形成されるが、補助内部導体は、外部電極と電気的に接続されて、セラミック層を挟んで対向する内部電極と同電位を有している。そのため、仮に、積層体110の端面において補助内部導体の端部に隣接するように開口した空隙部に侵入した水分によって、互いに対向する補助内部導体と内部電極との間において絶縁抵抗の低下が発生した場合においても、セラミック電子部品の性能を維持することができる。
以下、本発明の実施形態2に係るセラミック電子部品について図を参照して説明する。なお、本実施形態に係るセラミック電子部品は、補助内部導体の大きさのみ実施形態1に係るセラミック電子部品100とは異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態2)
図9は、本発明の実施形態2に係るセラミック電子部品を図2のIII−III線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図10は、本実施形態に係るセラミック電子部品を図2のIV−IV線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図11は、本実施形態に係るセラミック電子部品を図2のV−V線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図12は、本実施形態に係るセラミック電子部品を図2のVI−VI線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。
図9は、本発明の実施形態2に係るセラミック電子部品を図2のIII−III線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図10は、本実施形態に係るセラミック電子部品を図2のIV−IV線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図11は、本実施形態に係るセラミック電子部品を図2のV−V線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図12は、本実施形態に係るセラミック電子部品を図2のVI−VI線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。
図11,12においては、内部電極140の位置ずれを誇張して示している。図11においては、第1内部電極141の位置ずれの一例を示している。図12においては、第2内部電極142の位置ずれの一例を示している。
図9〜12に示すように、本実施形態においては、補助内部導体が、積層体110の一方の側面から他方の側面に亘って設けられている。
図10に示すように、第1補助内部導体161xは、積層体110の長手方向の一方の端部において第2内部電極142に対して間隔を置いて位置し、平面視にて略矩形状の外形を有している。第1補助内部導体161xは、積層体110の側面同士を繋ぐように位置している。第1補助内部導体161xは、積層体110の一方の端面において第1外部電極120と接続されている。
図9に示すように、第2補助内部導体162xは、積層体110の長手方向の他方の端部において第1内部電極141に対して間隔を置いて位置し、平面視にて略矩形状の外形を有している。第2補助内部導体162xは、積層体110の側面同士を繋ぐように位置している。第2補助内部導体162xは、積層体110の他方の端面において第2外部電極130と接続されている。
本実施形態に係るセラミック電子部品においては、補助内部導体を積層体110の一方の側面から他方の側面に亘って設けているため、補助内部導体の大きさおよび配置を決定するために内部電極140の最大の位置ずれを求める実験を不要にできる。
以下、本発明の実施形態3に係るセラミック電子部品について図を参照して説明する。なお、本実施形態に係るセラミック電子部品は、各補助内部導体が2分割されて互いに離間している点のみ実施形態1に係るセラミック電子部品100とは異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態3)
図13は、本発明の実施形態3に係るセラミック電子部品を図2のIII−III線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図14は、本実施形態に係るセラミック電子部品を図2のIV−IV線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図15は、本実施形態に係るセラミック電子部品を図2のV−V線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図16は、本実施形態に係るセラミック電子部品を図2のVI−VI線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。
図13は、本発明の実施形態3に係るセラミック電子部品を図2のIII−III線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図14は、本実施形態に係るセラミック電子部品を図2のIV−IV線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図15は、本実施形態に係るセラミック電子部品を図2のV−V線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図16は、本実施形態に係るセラミック電子部品を図2のVI−VI線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。
図15,16においては、内部電極140の位置ずれを誇張して示している。図15においては、第1内部電極141の位置ずれの一例を示している。図16においては、第2内部電極142の位置ずれの一例を示している。
図13〜16に示すように、本実施形態においては、補助内部導体において、各内部電極140の一端が位置している領域を包含する部分と、各内部電極140の他端が位置している領域を包含する部分とが分割されて互いに離間している。
具体的には、第1補助内部導体161yは、領域T1内の位置を包含する部分と、領域T2内の位置を包含する部分とに分割されて互いに離間している。第2補助内部導体162yは、領域T3内の位置を包含する部分と、領域T4内の位置を包含する部分とに分割されて互いに離間している。
本実施形態に係るセラミック電子部品においては、各補助内部導体を分割して、内部電極140の端部に隣接するように開口した空隙部の大きさを縮小するために必要な部分のみに補助内部導体を設けている。その結果、補助内部導体を構成する導電ペーストの使用量を低減できる。
以下、本発明の実施形態4に係るセラミック電子部品について図を参照して説明する。なお、本実施形態に係るセラミック電子部品は、補助内部導体の積層位置のみ実施形態1に係るセラミック電子部品100とは異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態4)
図17は、本発明の実施形態4に係るセラミック電子部品を図2のV−V線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図17においては、内部電極140の位置ずれを誇張して示している。図17においては、第1内部電極141の位置ずれの一例を示している。以下の説明においては、積層体110の一方の端面について説明するが、積層体110の他方の端面についても同様である。
図17は、本発明の実施形態4に係るセラミック電子部品を図2のV−V線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図17においては、内部電極140の位置ずれを誇張して示している。図17においては、第1内部電極141の位置ずれの一例を示している。以下の説明においては、積層体110の一方の端面について説明するが、積層体110の他方の端面についても同様である。
本発明の実施形態4に係るセラミック電子部品においては、積層体110の積層方向において、内部電極140と補助内部導体とが異なる位置に設けられている。すなわち、内部電極140となる第1導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートと、補助内部導体となる第2導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートとが異なる。
図17に示すように、第1内部電極141が積層体110の積層方向の中央部に設けられ、第1補助内部導体161が積層体110の積層方向の両端部に設けられている。すなわち、積層体110の積層方向の中央部のみがコンデンサとして機能し、積層体110の積層方向の両端部はコンデンサとして機能しない。
第1内部電極141の形成数と第1補助内部導体161の形成数とは同一であり、それぞれ6個である。よって、内部電極140の形成数と補助内部導体の形成数とは同一であり、それぞれ12個である。そのため、積層体110において、補助内部導体が形成された層の数は、内部電極140が形成された層の数と等しい。なお、内部電極140の形成数と補助内部導体の形成数とは、12個に限られず、それ以上であってもよい。補助内部導体の1層の厚さと内部電極140の1層の厚さとが略同一である。
本実施形態においても、積層体110において、補助内部導体が形成された層の数と内部電極140が形成された層の数とを等しくしているため、積層体110の側面に直交する方向において内部電極140の一端および他端に圧力が及びやすくすることができる。
さらに、積層体110において、補助内部導体が占める総厚みと内部電極140が占める総厚みとを略等しくしているため、積層体110をプレス成型する際の積層体110内の圧力分布を均一化して、積層体110の側面に直交する方向において内部電極140の一端および他端に圧力がより及びやすくすることができる。
これにより、プレス成型された積層体110の表面において、内部電極140が存在する領域と内部電極140が存在しない領域との境界に現れる段差を小さくすることができる。その結果、セラミック電子部品100の構造欠陥の発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態5に係るセラミック電子部品について図を参照して説明する。なお、本実施形態に係るセラミック電子部品は、補助内部導体の積層位置のみ実施形態1に係るセラミック電子部品100とは異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態5)
図18は、本発明の実施形態5に係るセラミック電子部品を図2のV−V線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図18においては、内部電極140の位置ずれを誇張して示している。図18においては、第1内部電極141の位置ずれの一例を示している。以下の説明においては、積層体110の一方の端面について説明するが、積層体110の他方の端面についても同様である。
図18は、本発明の実施形態5に係るセラミック電子部品を図2のV−V線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図18においては、内部電極140の位置ずれを誇張して示している。図18においては、第1内部電極141の位置ずれの一例を示している。以下の説明においては、積層体110の一方の端面について説明するが、積層体110の他方の端面についても同様である。
本発明の実施形態5に係るセラミック電子部品においては、積層体110の積層方向において、内部電極140と補助内部導体とが異なる位置に設けられている。すなわち、内部電極140となる第1導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートと、補助内部導体となる第2導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートとが異なる。
図18に示すように、第1内部電極141が積層体110の積層方向の両端部に設けられ、第1補助内部導体161が積層体110の積層方向の中央部に設けられている。すなわち、積層体110の積層方向の両端部のみがコンデンサとして機能し、積層体110の積層方向の中央部はコンデンサとして機能しない。
第1内部電極141の形成数と第1補助内部導体161の形成数とは同一であり、それぞれ6個である。よって、内部電極140の形成数と補助内部導体の形成数とは同一であり、それぞれ12個である。そのため、積層体110において、補助内部導体が形成された層の数は、内部電極140が形成された層の数とは等しい。なお、内部電極140の形成数と補助内部導体の形成数とは、12個に限られず、それ以上であってもよい。補助内部導体の1層の厚さと内部電極140の1層の厚さとが略同一である。
本実施形態においても、積層体110において、補助内部導体が形成された層の数と内部電極140が形成された層の数とを等しくしているため、積層体110の側面に直交する方向において内部電極140の一端および他端に圧力が及びやすくすることができる。
さらに、積層体110において、補助内部導体が占める総厚みと内部電極140が占める総厚みとを略等しくしているため、積層体110をプレス成型する際の積層体110内の圧力分布を均一化して、積層体110の側面に直交する方向において内部電極140の一端および他端に圧力がより及びやすくすることができる。
これにより、プレス成型された積層体110の表面において、内部電極140が存在する領域と内部電極140が存在しない領域との境界に現れる段差を小さくすることができる。その結果、セラミック電子部品100の構造欠陥の発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態6に係るセラミック電子部品について図を参照して説明する。なお、本実施形態に係るセラミック電子部品は、補助内部導体の積層位置のみ実施形態1に係るセラミック電子部品100とは異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態6)
図19は、本発明の実施形態6に係るセラミック電子部品を図2のV−V線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図19においては、内部電極140の位置ずれを誇張して示している。図19においては、第1内部電極141の位置ずれの一例を示している。以下の説明においては、積層体110の一方の端面について説明するが、積層体110の他方の端面についても同様である。
図19は、本発明の実施形態6に係るセラミック電子部品を図2のV−V線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図19においては、内部電極140の位置ずれを誇張して示している。図19においては、第1内部電極141の位置ずれの一例を示している。以下の説明においては、積層体110の一方の端面について説明するが、積層体110の他方の端面についても同様である。
本発明の実施形態6に係るセラミック電子部品においては、積層体110の積層方向において、内部電極140と補助内部導体とが異なる位置に設けられている。すなわち、内部電極140となる第1導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートと、補助内部導体となる第2導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートとが異なる。
図19に示すように、第1内部電極141と第1補助内部導体161とは、積層体110の積層方向においてランダムに設けられている。第1内部電極141の形成数と第1補助内部導体161の形成数とは同一であり、それぞれ6個である。
よって、内部電極140の形成数と補助内部導体の形成数とは同一であり、それぞれ12個である。そのため、積層体110において、補助内部導体が形成された層の数は、内部電極140が形成された層の数と等しい。なお、内部電極140の形成数と補助内部導体の形成数とは、12個に限られず、それ以上であってもよい。補助内部導体の1層の厚さと内部電極140の1層の厚さとが略同一である。
本実施形態においても、積層体110において、補助内部導体が形成された層の数と内部電極140が形成された層の数とを等しくしているため、積層体110の側面に直交する方向において内部電極140の一端および他端に圧力が及びやすくすることができる。
さらに、積層体110において、補助内部導体が占める総厚みと内部電極140が占める総厚みとを略等しくしているため、積層体110をプレス成型する際の積層体110内の圧力分布を均一化して、積層体110の側面に直交する方向において内部電極140の一端および他端に圧力がより及びやすくすることができる。
これにより、プレス成型された積層体110の表面において、内部電極140が存在する領域と内部電極140が存在しない領域との境界に現れる段差を小さくすることができる。その結果、セラミック電子部品100の構造欠陥の発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態7に係るセラミック電子部品について図を参照して説明する。なお、本実施形態に係るセラミック電子部品は、補助内部導体の積層位置および厚さのみ実施形態1に係るセラミック電子部品100とは異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態7)
図20は、本発明の実施形態7に係るセラミック電子部品を図2のV−V線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図20においては、内部電極140の位置ずれを誇張して示している。図20においては、第1内部電極141の位置ずれの一例を示している。以下の説明においては、積層体110の一方の端面について説明するが、積層体110の他方の端面についても同様である。
図20は、本発明の実施形態7に係るセラミック電子部品を図2のV−V線矢印方向と同一の方向から見た断面図である。図20においては、内部電極140の位置ずれを誇張して示している。図20においては、第1内部電極141の位置ずれの一例を示している。以下の説明においては、積層体110の一方の端面について説明するが、積層体110の他方の端面についても同様である。
本発明の実施形態7に係るセラミック電子部品においては、積層体110の積層方向において、内部電極140と補助内部導体とが異なる位置に設けられている。すなわち、内部電極140となる第1導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートと、補助内部導体となる第2導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートとが異なる。
図20に示すように、第1内部電極141と第1補助内部導体161とは、積層体110の積層方向においてランダムに設けられている。第1補助内部導体161の形成数は3個であり、第1内部電極141の形成数の6個の半分である。
よって、補助内部導体の形成数は6個であり、内部電極140の形成数の12個の半分である。補助内部導体の1層の厚さは、内部電極140の1層の厚さの2倍である。そのため、積層体110において、補助内部導体が占める総厚みは、内部電極140が占める総厚みと略等しい。なお、内部電極140の形成数と補助内部導体の形成数との関係は上記に限られず、補助内部導体が占める総厚みと内部電極140が占める総厚みとが略等しければよい。
本実施形態においても、積層体110において、補助内部導体が占める総厚みと内部電極140が占める総厚みとを略等しくしているため、積層体110をプレス成型する際の積層体110内の圧力分布を均一化して、積層体110の側面に直交する方向において内部電極140の一端および他端に圧力がより及びやすくすることができる。
これにより、プレス成型された積層体110の表面において、内部電極140が存在する領域と内部電極140が存在しない領域との境界に現れる段差を小さくすることができる。その結果、セラミック電子部品100の構造欠陥の発生を抑制できる。
以下、本発明の効果を確認した実験例について説明する。
(実験例)
1.5mm以上1.8mm以下の長さおよび0.7mm以上1.0mm以下の幅の外形寸法を有する400個のセラミック電子部品を作製して実験を行なった。
(実験例)
1.5mm以上1.8mm以下の長さおよび0.7mm以上1.0mm以下の幅の外形寸法を有する400個のセラミック電子部品を作製して実験を行なった。
各セラミック電子部品の作製において、補助内部導体以外の構成については共通にした。まず、共通の構成について説明する。
セラミック層を構成する材料の主成分として、BaTiO3を用いた。各セラミック層の平均厚さを1.6μmとした。内部電極を構成する材料として、Niを用いた。内部電極の平均厚さを0.8μmとした。内部電極の形成数を320個にした。
外部電極の下地層を構成する材料として、Cuを用いた。外部電極のめっき層としては、Niめっき層の上にSnめっき層が形成された2層構造のめっき層とした。
実施例1,2においては、実施形態1に係るセラミック電子部品100と同様の構成を有する補助内部導体を320個設けた。比較例1,2においては、補助内部導体を設けなかった。実施例1,2および比較例1,2の各々において、100個のセラミック電子部品を作製した。なお、セラミック電子部品における内部電極および補助内部導体の構成は、セラミック電子部品を樹脂で固め、少なくとも内部電極および補助内部導体が露出するまで樹脂ごと研磨することで確認することができる。
実施例1の100個のセラミック電子部品と、比較例1の100個のセラミック電子部品とを用いて高温負荷試験を行なった。高温負荷試験の条件として、セラミック電子部品を85℃に加熱した状態でセラミック電子部品に定格電圧を印加した。試験開始後1000時間経過までに、セラミック電子部品の絶縁抵抗値(logIR)が107を下回ったものを不良品と判断した。
また、実施例2の100個のセラミック電子部品と、比較例2の100個のセラミック電子部品とを用いて高温高湿負荷試験を行なった。高温高湿負荷試験の条件として、湿度85%の雰囲気中においてセラミック電子部品を85℃に加熱した状態でセラミック電子部品に定格電圧を印加した。試験開始後1000時間経過までに、セラミック電子部品の絶縁抵抗値(logIR)が107を下回ったものを不良品と判断した。
表1は、実施例1,2および比較例1,2の実験結果をまとめたものである。
表1に示すように、高温負荷試験において、比較例1の100個のセラミック電子部品のうちの5個に不良品が発生していた。実施例1の100個のセラミック電子部品には、不良品は発生しなかった。
高温高湿負荷試験において、比較例2の100個のセラミック電子部品のうちの10個に不良品が発生していた。実施例2の100個のセラミック電子部品には、不良品は発生しなかった。
本実験例によって、補助内部導体を設けることにより、互いに対向する内部電極同士間の絶縁抵抗が低くなってセラミック電子部品の信頼性が低下することを抑制できることが確認された。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1P 第1パターン領域、2P 第2パターン領域、14,141a 第1導電パターン、15,150a セラミックグリーンシート、16,161a 第2導電パターン、100 セラミック電子部品、110 積層体、120 第1外部電極、121,131 下地層、122 第1めっき層、130 第2外部電極、132 第2めっき層、140 内部電極、141 第1内部電極、142 第2内部電極、150 セラミック層、161,161x,161y 第1補助内部導体、162,162x,162y 第2補助内部導体、L1 第1投影線、L2 第2投影線、L3 第3投影線、L4 第4投影線、L5 第5投影線、L6 第6投影線、L7 第7投影線、L8 第8投影線、h1,h2 空隙部。
Claims (7)
- セラミック層と平板状の内部電極とが交互に積層されて構成され、該セラミック層と該内部電極との積層方向に対して直交する1対の主面、該主面同士の間を結ぶ1対の側面、および、前記1対の主面と前記1対の側面とにそれぞれ直交する1対の端面を有する積層体と、
少なくともいずれかの前記端面上に設けられて前記内部電極に電気的に接続された外部電極と、
前記積層体の内部において前記内部電極に対して間隔を置いて設けられて前記外部電極と電気的に接続された補助内部導体と
を備え、
前記内部電極において前記端面に位置する部分および前記補助内部導体において前記端面に位置する部分を前記主面に投影した際に、すべての前記内部電極における前記側面に直交する方向の一端および他端のうちの最も外側に位置している一端および他端の各々を、少なくとも1つの前記補助内部導体が包含するように設けられている、セラミック電子部品。 - 前記補助内部導体が、前記内部電極と同一の材料によって形成されている、請求項1に記載のセラミック電子部品。
- 前記補助内部導体において、前記内部電極の最も外側に位置している前記一端を包含する部分と、前記内部電極の最も外側に位置している前記他端を包含する部分とが分割されて互いに離間している、請求項1または2に記載のセラミック電子部品。
- 前記積層方向において、前記補助内部導体が前記内部電極と同じ位置に設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載のセラミック電子部品。
- 前記主面に平行で前記内部電極が位置する断面において、前記補助内部導体は、前記内部電極と電気的に接続されている前記外部電極とは異なる前記外部電極に電気的に接続されている、請求項4に記載のセラミック電子部品。
- 前記積層体において、前記補助内部導体が形成された層の数が、前記内部電極が形成された層の数と等しい、請求項1から5のいずれか1項に記載のセラミック電子部品。
- 前記積層体において、前記補助内部導体が占める総厚みが、前記内部電極が占める総厚みと等しい、請求項1から6のいずれか1項に記載のセラミック電子部品。
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