JP2015076182A - 電気素子および電気素子の製造方法 - Google Patents

電気素子および電気素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より簡易且つコンパクトに複数の素子が互いに並列に接続された構造の、電気素子(全固体型リチウムイオン電池等)を提供する。【解決手段】全固体型リチウムイオン電池100は、発電または蓄電を行う素子部(電池素子10)をそれぞれ含み互いに電気的に並列に接続されている複数の素子本体(電池本体1)と、第1導電層と、第2導電層と、を備える。素子部は、第1固体電極層(例えば正極層11)と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層12と、第2固体電極層(例えば負極層13)と、がこの順に積層されることにより構成されている。第1導電層は、複数の素子本体の一方の面1aにそれぞれ接合されて、複数の素子本体の一方の面1aを相互に電気的に接続している。第2導電層は、複数の素子本体の他方の面1bにそれぞれ接合されて、複数の素子本体の他方の面1bを相互に電気的に接続している。【選択図】図1

Description

本発明は、電気素子および電気素子の製造方法に関する。
リチウムイオン電池は、一般的に、携帯電話やノートパソコンなどの小型携帯機器の電源として使用されている。また、最近では、小型携帯機器以外に、電気自動車などの電源としても、リチウムイオン電池は使用され始めている。
現在市販されているリチウムイオン電池には、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されている。一方、電解液の代わりに固体電解質を有し、全固体化されたリチウムイオン電池(以下、全固体型リチウムイオン電池)は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、生産性に優れると考えられている。
全固体型リチウムイオン電池は、第1固体電極層と、固体電解質層と、第2固体電極層と、をこの順に積層することにより構成された素子を有している。このような素子を並列または直列に複数接続するため、種々の提案がなされている。
特許文献1には、複数の素子(同文献の全固体型リチウム二次電池)を、スイッチ等を用いて相互に並列に接続することが記載されている。
特許文献2には、複数の素子(同文献の発電要素)を互いに積層するとともに、隣り合う素子の第1固体電極層(正極層)と第2固体電極層(負極層)とを導電性接着剤によって接着することによって、複数の素子を一体化するとともに直列に接続することが記載されている。導電性接着剤は、熱可塑性樹脂と導電性フィラーとを含有している。
特開2012−230861号公報 特開2011−204510号公報
特許文献1のように、スイッチ等を用いて複数の素子を並列に接続する場合、全固体型リチウムイオン電池は、構造が複雑化するとともに大型化してしまう。
また、特許文献2のように、導電性接着剤によって複数の素子を相互に直列に接続する場合、第1固体電極層と第2固体電極層とが導電性接着剤を突き抜けて相互に接触し、第1固体電極層と第2固体電極層との間でリチウムイオンが移動することによる自己放電のために性能低下を引き起こす可能性がある。すなわち、複数の素子を導電性接着剤によって接着する工程などにおいて、導電性接着剤が局所的に薄くなってしまい、第1固体電極層と第2固体電極層とが直接接触する可能性がある。
本発明が解決しようとする課題の一例は、より簡易且つコンパクトに複数の素子が互いに並列に接続された構造の、電気素子(全固体型リチウムイオン電池等)を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題の他の一例は、複数の素子が互いに直列に接続され、且つ、第1固体電極層と第2固体電極層との接触が抑制された構造すなわち製造安定性に優れた構造の、電気素子(全固体型リチウムイオン電池等)を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題のさらに他の一例は、より簡易且つコンパクトな構造で複数の素子を互いに並列に接続することにより、電気素子(全固体型リチウムイオン電池等)を製造することが可能な、電気素子の製造方法を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題のさらに他の一例は、第1固体電極層と第2固体電極層との接触を抑制しつつ(すなわち優れた製造安定性を確保しつつ)、複数の素子を互いに直列に接続することにより、電気素子(全固体型リチウムイオン電池等)を製造することが可能な、電気素子の製造方法を提供することである。
本発明は、
発電または蓄電を行う素子部をそれぞれ含み、互いに電気的に並列に接続されている複数の素子本体と、
第1導電層と、
第2導電層と、
を備え、
前記素子部は、第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成され、
前記第1導電層は、前記複数の素子本体の一方の面にそれぞれ接合されて、前記複数の素子本体の一方の面を相互に電気的に接続しており、
前記第2導電層は、前記複数の素子本体の他方の面にそれぞれ接合されて、前記複数の素子本体の他方の面を相互に電気的に接続している電気素子を提供する。
この電気素子によれば、第1導電層が複数の素子本体の一方の面にそれぞれ接合されるとともに、第2導電層が複数の素子本体の他方の面にそれぞれ接合されることによって、複数の素子本体が互いに電気的に並列に接続されている。
よって、電気素子を、より簡易且つコンパクトに複数の素子本体が互いに並列に接続された構造のものとすることができる。
また、本発明は、
互いに積層された状態で電気的に直列に接続され、且つ、それぞれ発電または蓄電を行う複数の素子部と、
前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部を相互に接合しているとともに電気的に接続している直列接続用導電層と、
を含む素子本体を備え、
前記複数の素子部の各々は、第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成され、
前記直列接続用導電層は、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に配置されて、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合しているとともに電気的に接続しており、
前記直列接続用導電層は、導電性不織布または導電性織布からなる第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
前記第2層は、前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合され、
前記第3層は、前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合されている電気素子を提供する。
この電気素子によれば、直列接続用導電層は、導電性樹脂からなる第2層および第3層の間に、導電性不織布または導電性織布からなる第1層を有する積層構造をなしている。このため、互いに隣り合う素子部の第1固体電極層と第2固体電極層とが相互に接触してしまうことを第1層によって抑制することができる。
つまり、電気素子を、複数の素子部が互いに直列に接続され、且つ、第1固体電極層と第2固体電極層との接触が抑制された構造すなわち製造安定性に優れた構造のものとすることができる。
また、本発明は、
互いに積層された状態で電気的に直列に接続され、且つ、それぞれ発電または蓄電を行う複数の素子部と、
前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部を相互に接合しているとともに電気的に接続している直列接続用導電層と、
を含む素子本体を備え、
前記複数の素子部の各々は、第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成され、
前記直列接続用導電層は、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に配置されて、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合しているとともに電気的に接続しており、
前記直列接続用導電層は、金属からなる第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
前記第2層は、前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合され、
前記第3層は、前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合されている電気素子を提供する。
この電気素子によれば、直列接続用導電層は、導電性樹脂からなる第2層および第3層の間に、金属からなる第1層を有する積層構造をなしている。このため、第1層の存在によって、互いに隣り合う素子部の第1固体電極層と第2固体電極層とが相互に接触してしまうことを抑制することができる。
つまり、電気素子を、複数の素子部が互いに直列に接続され、且つ、第1固体電極層と第2固体電極層との接触が抑制された構造すなわち製造安定性に優れた構造のものとすることができる。
また、本発明は、
互いに積層された状態で電気的に直列に接続され、且つ、それぞれ発電または蓄電を行う複数の素子部と、
前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部を相互に接合しているとともに電気的に接続している直列接続用導電層と、
を含む素子本体を備え、
前記複数の素子部の各々は、第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成され、
前記直列接続用導電層は、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に配置されて、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合しているとともに電気的に接続しており、
前記直列接続用導電層は、第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
前記第1層は、前記第2層および前記第3層よりも、高剛性で且つ電気抵抗が低く、
前記第2層は、前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合され、
前記第3層は、前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合されている電気素子を提供する。
この電気素子によれば、直列接続用導電層は、導電性樹脂からなる第2層および第3層の間に、第1層を有する積層構造をなしている。そして、第1層は、第2層および第3層よりも、高剛性である。このため、第1層の存在によって、互いに隣り合う素子部の第1固体電極層と第2固体電極層とが相互に接触してしまうことを抑制することができる。
つまり、電気素子を、複数の素子部が互いに直列に接続され、且つ、第1固体電極層と第2固体電極層との接触が抑制された構造すなわち製造安定性に優れた構造のものとすることができる。さらに、第1層の電気抵抗が第2層および前記第3層の電気抵抗よりも低いため、直列接続用導電層の電気抵抗を抑制することができる。
また、本発明は、
互いに積層された状態で電気的に直列に接続され、且つ、それぞれ発電または蓄電を行う複数の素子部と、
前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部を相互に接合しているとともに電気的に接続している直列接続用導電層と、
を含む素子本体を備え、
前記複数の素子部の各々は、第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成され、
前記直列接続用導電層は、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に配置されて、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合しているとともに電気的に接続しており、
前記直列接続用導電層は、第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
前記第1層は、前記第2層および前記第3層よりも、弾性率が大きく且つ電気抵抗が低く、
前記第2層は、前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合され、
前記第3層は、前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合されている電気素子を提供する。
この電気素子によれば、直列接続用導電層は、導電性樹脂からなる第2層および第3層の間に、第1層を有する積層構造をなしている。そして、第1層は、第2層および第3層よりも、弾性率が大きい。このため、第1層の存在によって、互いに隣り合う素子部の第1固体電極層と第2固体電極層とが相互に接触してしまうことを抑制することができる。
つまり、電気素子を、複数の素子部が互いに直列に接続され、且つ、第1固体電極層と第2固体電極層との接触が抑制された構造すなわち製造安定性に優れた構造のものとすることができる。さらに、第1層の電気抵抗が第2層および前記第3層の電気抵抗よりも低いため、直列接続用導電層の電気抵抗を抑制することができる。
また、本発明は、
発電または蓄電を行う素子部をそれぞれ含む複数の素子本体を準備する工程と、
前記複数の素子本体を互いに電気的に並列に接続する工程と、
を備え、
前記素子部は、第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成され、
前記並列に接続する工程は、
第1導電層を、前記複数の素子本体の一方の面にそれぞれ接合することにより、前記複数の素子本体の一方の面を相互に電気的に接続する工程と、
第2導電層を、前記複数の素子本体の他方の面にそれぞれ接合することにより、前記複数の素子本体の他方の面を相互に電気的に接続する工程と、
を含む電気素子の製造方法を提供する。
この製造方法によれば、第1導電層を複数の素子本体の一方の面にそれぞれ接合するとともに、第2導電層を複数の素子本体の他方の面にそれぞれ接合することによって、複数の素子本体を互いに電気的に並列に接続することができる。
よって、より簡易且つコンパクトな構造で複数の素子本体を互いに並列に接続して、電気素子を製造することができる。
また、本発明は、
第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることによりそれぞれ構成され、発電または蓄電を行う複数の素子部を準備する工程と、
前記複数の素子部を互いに積層した状態で電気的に直列に接続する工程と、
を備え、
前記直列に接続する工程は、
前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部どうしを、直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程を含み、
前記直列接続用導電層は、導電性不織布または導電性織布からなる第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
前記直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程では、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に前記直列接続用導電層を配置して、当該直列接続用導電層の前記第2層を前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合し、当該直列接続用導電層の前記第3層を前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合することによって、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合するとともに電気的に接続する電気素子の製造方法を提供する。
この製造方法によれば、直列接続用導電層は、導電性樹脂からなる第2層および第3層の間に、導電性不織布または導電性織布からなる第1層を有する積層構造をなしている。このため、第1層の存在によって、互いに隣り合う素子部の第1固体電極層と第2固体電極層とが相互に接触してしまうことを抑制することができる。
よって、第1固体電極層と第2固体電極層との接触を抑制しつつ(すなわち優れた製造安定性を確保しつつ)、複数の素子部を互いに直列に接続することにより、電気素子を製造することができる。
また、本発明は、
第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることによりそれぞれ構成され、発電または蓄電を行う複数の素子部を準備する工程と、
前記複数の素子部を互いに積層した状態で電気的に直列に接続する工程と、
を備え、
前記直列に接続する工程は、
前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部どうしを、直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程を含み、
前記直列接続用導電層は、金属からなる第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
前記直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程では、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に前記直列接続用導電層を配置して、当該直列接続用導電層の前記第2層を前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合し、当該直列接続用導電層の前記第3層を前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合することによって、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合するとともに電気的に接続する電気素子の製造方法を提供する。
この製造方法によれば、直列接続用導電層は、導電性樹脂からなる第2層および第3層の間に、金属からなる第1層を有する積層構造をなしている。このため、第1層の存在によって、互いに隣り合う素子部の第1固体電極層と第2固体電極層とが相互に接触してしまうことを抑制することができる。
よって、第1固体電極層と第2固体電極層との接触を抑制しつつ(すなわち優れた製造安定性を確保しつつ)、複数の素子部を互いに直列に接続することにより、電気素子を製造することができる。
また、本発明は、
第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることによりそれぞれ構成され、発電または蓄電を行う複数の素子部を準備する工程と、
前記複数の素子部を互いに積層した状態で電気的に直列に接続する工程と、
を備え、
前記直列に接続する工程は、
前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部どうしを、直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程を含み、
前記直列接続用導電層は、第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
前記第1層は、前記第2層および前記第3層よりも、高剛性で且つ電気抵抗が低く、
前記直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程では、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に前記直列接続用導電層を配置して、当該直列接続用導電層の前記第2層を前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合し、当該直列接続用導電層の前記第3層を前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合することによって、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合するとともに電気的に接続する電気素子の製造方法を提供する。
この製造方法によれば、直列接続用導電層は、導電性樹脂からなる第2層および第3層の間に、第1層を有する積層構造をなしている。そして、第1層は、第2層および第3層よりも、高剛性である。このため、第1層の存在によって、互いに隣り合う素子部の第1固体電極層と第2固体電極層とが相互に接触してしまうことを抑制することができる。
よって、第1固体電極層と第2固体電極層との接触を抑制しつつ(すなわち優れた製造安定性を確保しつつ)、複数の素子部を互いに直列に接続することにより、電気素子を製造することができる。
さらに、第1層の電気抵抗が第2層および前記第3層の電気抵抗よりも低いため、直列接続用導電層の電気抵抗を抑制することができる。
また、本発明は、
第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることによりそれぞれ構成され、発電または蓄電を行う複数の素子部を準備する工程と、
前記複数の素子部を互いに積層した状態で電気的に直列に接続する工程と、
を備え、
前記直列に接続する工程は、
前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部どうしを、直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程を含み、
前記直列接続用導電層は、第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
前記第1層は、前記第2層および前記第3層よりも、弾性率が大きく且つ電気抵抗が低く、
前記直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程では、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に前記直列接続用導電層を配置して、当該直列接続用導電層の前記第2層を前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合し、当該直列接続用導電層の前記第3層を前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合することによって、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合するとともに電気的に接続する電気素子の製造方法を提供する。
この製造方法によれば、直列接続用導電層は、導電性樹脂からなる第2層および第3層の間に、第1層を有する積層構造をなしている。そして、第1層は、第2層および第3層よりも、弾性率が大きい。このため、第1層の存在によって、互いに隣り合う素子部の第1固体電極層と第2固体電極層とが相互に接触してしまうことを抑制することができる。
よって、第1固体電極層と第2固体電極層との接触を抑制しつつ(すなわち優れた製造安定性を確保しつつ)、複数の素子部を互いに直列に接続することにより、電気素子を製造することができる。
さらに、第1層の電気抵抗が第2層および前記第3層の電気抵抗よりも低いため、直列接続用導電層の電気抵抗を抑制することができる。
本発明によれば、電気素子を、より簡易且つコンパクトに複数の素子本体が互いに並列に接続された構造のものとすることができる。
また、本発明によれば、電気素子を、複数の素子部が互いに直列に接続され、且つ、第1固体電極層と第2固体電極層との接触が抑制された構造すなわち製造安定性に優れた構造のものとすることができる。
また、本発明によれば、より簡易且つコンパクトな構造で複数の素子本体を互いに並列に接続して、電気素子を製造することができる。
また、本発明によれば、第1固体電極層と第2固体電極層との接触を抑制しつつ(すなわち優れた製造安定性を確保しつつ)、複数の素子部を互いに直列に接続することにより、電気素子を製造することができる。
図1(a)は第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の断面図、図1(b)は第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の平面図である。 第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池を構成する部品の平面図であり、このうち図2(a)は枠体を、図2(b)は電池本体を、図2(c)は集電体層を、図2(d)は導電層を、それぞれ示す。 図3(a)〜(d)は第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法における一連の工程を示す断面図である。 図4(a)〜(c)は第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法における一連の工程を示す断面図である。 第2の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の断面図である。 図6(a)〜(e)は第2の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法における一連の工程を示す断面図である。 図7(a)〜(c)は第2の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法における一連の工程を示す断面図である。 第3の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の断面図である。 図9(a)および(b)は第3の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法における一連の工程を示す断面図である。 図10(a)は第4の実施形態および第5の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の断面図、図10(b)は図10(a)の部分拡大図である。 第4の実施形態および第5の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池を構成する部品の平面図であり、このうち図11(a)は枠体を、図11(b)は電池本体を、図11(c)は集電体層を、図11(d)は導電層を、それぞれ示す。 図12(a)および(b)は第4の実施形態および第5の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法における一連の工程を示す断面図である。 図13(a)〜(c)は第4の実施形態および第5の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法における一連の工程を示す断面図である。 第6の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の断面図である。 第7の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
以下に説明する各実施形態では、電気素子が全固体型リチウムイオン電池100であり、電気素子の製造方法が全固体型リチウムイオン電池の製造方法である例を説明する。
〔第1の実施形態〕
図1(a)は第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の断面図、図1(b)は第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の平面図である。図1(a)は図1(b)のA−A線に沿った断面図である。
図2は第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100を構成する部品の平面図であり、このうち図2(a)は枠体30を、図2(b)は電池本体(素子本体)1を、図2(c)は集電体層(第1集電体層51、第2集電体層52)を、図2(d)は導電層(例えば第1導電性粘着フィルム41、第2導電性粘着フィルム42)を、それぞれ示す。
本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100は、発電を行う素子部(電池素子10)をそれぞれ含み互いに電気的に並列に接続されている複数の素子本体(電池本体1)と、第1導電層と、第2導電層と、を備える。素子部は、第1固体電極層(例えば正極層11)と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層12と、第2固体電極層(例えば負極層13)と、がこの順に積層されることにより構成されている。第1導電層は、複数の素子本体の一方の面1aにそれぞれ接合されて、複数の素子本体の一方の面1aを相互に電気的に接続している。第2導電層は、複数の素子本体の他方の面1bにそれぞれ接合されて、複数の素子本体の他方の面1bを相互に電気的に接続している。
第1導電層及び第2導電層は、例えば、それぞれ導電性樹脂層である。
より具体的には、例えば、第1導電層及び第2導電層は、それぞれ導電性粘着フィルムである。すなわち、第1導電層は、第1導電性粘着フィルム41であり、第2導電層は、第2導電性粘着フィルム42である。
全固体型リチウムイオン電池100が有する電池本体1の数は任意の複数とすることができる。本実施形態の場合、例えば、図1(b)に示すように、全固体型リチウムイオン電池100は、4つの電池本体1を有している。
これら電池本体1の一方の面1aに、共通の第1導電性粘着フィルム41がそれぞれ貼り付けられることにより、これら電池本体1の一方の面1aが相互に電気的に接続されている。すなわち、第1導電性粘着フィルム41は、各電池本体1の正極層11を相互に電気的に接続している。
同様に、これら電池本体1の他方の面1aに、共通の第2導電性粘着フィルム42がそれぞれ貼り付けられることにより、これら電池本体1の他方の面1bが相互に電気的に接続されている。すなわち、第2導電性粘着フィルム42は、各電池本体1の負極層13を相互に電気的に接続している。
こうして、これら電池本体1は相互に電気的に並列に接続されている。
上記のように、電池素子10は、正極層11と固体電解質層12と負極層13とがこの順に積層されてなる。本実施形態の場合、各電池本体1は、電池素子10を1つのみ有している。本実施形態の場合、電池本体1は、例えば、電池素子10のみによって構成されている。このため、電池本体1の一方の面1aは、正極層11における固体電解質層12側とは反対側の面(外表面11a)であり、電池本体1の他方の面1bは、負極層13における固体電解質層12側とは反対側の面(外表面13a)である。
複数の電池素子10は、例えば、各々の正極層11どうしが同一面上に位置するとともに、各々の負極層13どうしが同一面上に位置するように、並べて配置されている。より具体的には、例えば、複数の電池素子10は、各々の正極層11の外表面11aどうしが同一面上に位置するとともに、各々の負極層13の外表面13aどうしが同一面上に位置するように、並べて配置されている。
正極層11、固体電解質層12および負極層13は、それぞれ粉末材料をプレス成形することなどによって、薄板状に形成されている。電池素子10は、正極層11、固体電解質層12および負極層13をこの順に積層し、これらをプレス成形などによって互いに一体化することにより、薄板状に形成されている。
電池素子10の平面形状は、任意の形状とすることができる。例えば、図2(b)に示すように円形であっても良いし、その他の形状(例えば矩形状など)であっても良い。正極層11、固体電解質層12および負極層13の平面形状は、互いに同等(互いに同一の形状、或いは、互いに相似形で寸法が若干異なる形状など)とすることができる。
全固体型リチウムイオン電池100は、電池本体1を封止している封止樹脂部20を備えている。封止樹脂部20は、上記の第1導電性粘着フィルム41および第2導電性粘着フィルム42と、樹脂製の枠体30を有する。
枠体30は、例えば、絶縁性樹脂製の薄板からなる。枠体30の平面形状(外形形状)は、任意の形状とすることができる。図2(a)には、枠体30の外形形状が角丸の矩形状である例を示している。
枠体30には、その表裏を貫通する貫通孔33が複数形成されている。本実施形態の場合、例えば、図2(a)に示すように、枠体30には4つの貫通孔33が形成されている。貫通孔33の平面形状は、電池本体1の平面形状と同等である。貫通孔33は、電池本体1をほぼ隙間無く収容する寸法に設定されていることが好ましい。枠体30の厚さは、電池本体1の厚さと同等である。
各貫通孔33内にそれぞれ電池本体1が1つずつ収容されている。
電池本体1は、少なくとも電池素子10が貫通孔33の内周壁面33aに対して非接合な状態で、貫通孔33内に収容されていることが好ましい。ここで、非接合な状態とは、接着されている状態でもなく、粘着している状態でもない。
ただし、貫通孔33に電池本体1が収容された状態で、電池本体1の側面(周面)が貫通孔33の内周壁面33aに当接していることが好ましい。
第1導電層(例えば第1導電性粘着フィルム41)は、枠体30の一方の面31に接合されている(例えば貼り付けられている)。同様に、第2導電層(例えば第2導電性粘着フィルム42)は、枠体30の他方の面32に接合されている(例えば貼り付けられている)。
更に、第1導電層(例えば第1導電性粘着フィルム41)は、複数の貫通孔33の各々の一端を一括して封止(閉塞)している。同様に、第2導電層(例えば第2導電性粘着フィルム42)は、複数の貫通孔33の各々の他端を一括して封止(閉塞)している。
ここで、貫通孔33の一端を封止(閉塞)するとは、貫通孔33の一端側の開口を封止(閉塞)することを意味する。同様に、貫通孔33の他端を封止(閉塞)するとは、貫通孔33の他端側の開口を封止(閉塞)することを意味する。
第1導電層(例えば第1導電性粘着フィルム41)は、貫通孔33の一端を完全に閉塞することが可能な形状及び寸法であることが好ましいが、その平面形状は、任意の形状とすることができる。
同様に、第2導電層(例えば第2導電性粘着フィルム42)は、貫通孔33の他端を完全に閉塞することが可能な形状及び寸法であることが好ましいが、その平面形状は、任意の形状とすることができる。
第1導電層および第2導電層の平面形状は、例えば、枠体30の外形形状と同等の形状とすることができる(図2(d)参照)。
全固体型リチウムイオン電池100は、更に、第1集電体層51と第2集電体層52とを有する。第1集電体層51は、第1導電性粘着フィルム41を介して各電池本体1の一方の面1aに対して電気的に接続されている。第2集電体層52は、第2導電性粘着フィルム42を介して各電池本体1の他方の面1bに対して電気的に接続されている。第1集電体層51および第2集電体層52は、それぞれ薄板状に形成されている。
第1導電性粘着フィルム41および第2導電性粘着フィルム42は、それぞれ両面が粘着性を有している。そして、第1集電体層51は、第1導電性粘着フィルム41における電池本体1側とは反対側の面に貼り付けられている。同様に、第2集電体層52は、第2導電性粘着フィルム42における電池本体1側とは反対側の面に貼り付けられている。
第1集電体層51および第2集電体層52の平面形状は、任意の形状とすることができる。第1集電体層51および第2集電体層52の平面形状は、例えば、第1導電性粘着フィルム41および第2導電性粘着フィルム42と同等の形状とすることができる(図2(c)参照)。これにより、第1集電体層51は、第1導電性粘着フィルム41とともに貫通孔33の一端を閉塞することができ、第2集電体層52は、第2導電性粘着フィルム42とともに貫通孔33の他端を閉塞することができる。
次に、全固体型リチウムイオン電池100の各構成要素の材料の例を説明する。
正極層11は、正極活物質を含んで構成されており、必要に応じて、導電助剤、固体電解質などを含んでいる。正極活物質は、特に限定されず、一般的に公知のものを用いることができる。正極層11は、一例として、アモルファスLiMoSの粉末と、アセチレンブラック(AB)の粉末と、Li1112の粉末と、の混合物により構成することができる。
負極層13は、負極活物質を含んで構成されており、必要に応じて、導電助剤、固体電解質などを含んでいる。負極活物質は、特に限定されず、一般的に公知のものを用いることができる。負極層13は、一例として、アモルファスLi−Si−P硫化物の粉末により構成することができる。この粉末としては、例えば、Li22Siの粉末と、グラファイトの粉末と、Li1112の粉末と、の混合物が挙げられる。
固体電解質層12を構成する固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有するものであれば特に限定されず、一般的に公知のものを用いることができる。固体電解質層12は、一例として、Li1112ガラスの粉末により構成することができる。
枠体30を構成する樹脂材料は、貫通孔33の内部に電池本体1を収容保持するのに十分な強度を確保できる材料であれば特に限定されない。一例として、枠体30は、PET、塩化ビニル等のフィルムにより構成することができる。
第1導電性粘着フィルム41および第2導電性粘着フィルム42は、例えば、粘着性樹脂中に、導電性微粒子を分散させることにより構成されている。導電性微粒子としては、Ni等の金属粒子、非導電性粒子に金属をコーティングしてなる粒子、カーボン粒子などが挙げられる。粘着性樹脂は、導電性微粒子を分散することができ、且つ、粘着性を示す樹脂(粘着剤)である。このような粘着性樹脂としては、(メタ)アクリル系熱可塑性樹脂(アクリル系粘着剤)などが挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルの総称であるものとする。
第1集電体層51および第2集電体層52は、例えば、SUS、アルミニウム等の金属材料により構成された金属箔である。ただし、第1集電体層51および第2集電体層52は、金属またはカーボンを、合成樹脂製のフィルム、不織布、織布、または紙にコーティングすることにより構成されていても良い。
次に、本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法を説明する。
図3(a)〜(d)および図4(a)〜(c)は第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法における一連の工程を示す断面図である。
この製造方法は、発電を行う素子部(電池素子10)をそれぞれ含む複数の素子本体(電池本体1)を準備する工程と、複数の素子本体を互いに電気的に並列に接続する工程と、を備える。素子部は、第1固体電極層(例えば正極層11)と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層12と、第2固体電極層(例えば負極層13)と、がこの順に積層されることにより構成されている。
並列に接続する工程は、第1導電層を、複数の素子本体の一方の面1aにそれぞれ接合することにより、複数の素子本体の一方の面1aを相互に電気的に接続する工程と、第2導電層を、複数の素子本体の他方の面1bにそれぞれ接合することにより、複数の素子本体の他方の面1bを相互に電気的に接続する工程と、を含む。
以下、具体的な工程の一例を説明する。なお、以下に説明する工程は、最終的に全固体型リチウムイオン電池100を作製することが可能な順序であれば、以下に例示する以外の順序で行っても良い。
先ず、図3(a)に示すように、固体電解質層12の粉末材料をプレス成形することによって、固体電解質層12を作製する。
次に、図3(b)に示すように、負極層13の粉末材料を、先に作製した固体電解質層12に対して積層し、該粉末材料をプレス成形する。これにより、負極層13を固体電解質層12と一体的に作製する。
また、図3(c)に示すように、正極層11の粉末材料をプレス成形することによって、正極層11を作製する。
次に、負極層13と一体化させた固体電解質層12に対して正極層11を重ねて、負極層13、固体電解質層12および正極層11をプレスする。これにより、正極層11を固体電解質層12に対して一体化させる。こうして、正極層11と、固体電解質層12と、負極層13と、がこの順に積層されてなる電池素子10を含む電池本体1が得られる(図3(d))。電池本体1は、所要数(例えば4つ)作製する。
次に、枠体30を準備する。枠体30は、樹脂製の薄板に、パンチング等によって複数の貫通孔33を形成することなどにより得られたものである。
また、第1集電体層51および第2集電体層52を準備する。第1集電体層51の一方の面には、第1集電体層51と同一の形状及び寸法の第1導電性粘着フィルム41を貼り付け、第2集電体層52の他方の面には、第2集電体層52と同一の形状及び寸法の第2導電性粘着フィルム42を貼り付ける。
次に、複数の電池本体1を封止樹脂部20内に封止するとともに、複数の電池本体1を相互に電気的に並列に接続する。
先ず、図4(a)に示すように、枠体30の他方の面32に第2導電性粘着フィルム42を貼り付けることにより、各貫通孔33の他端を一括して封止する。
次に、図4(b)に示すように、枠体30の各貫通孔33内にそれぞれ電池本体1を1つずつ挿入する。すなわち、電池本体1を、枠体30の各貫通孔33内に、少なくとも電池素子10が貫通孔33の内周壁面33aに対して非接合な状態で収容する。このとき、各電池本体1の他方の面1bに対して、第2導電性粘着フィルム42を貼り付ける。これにより、各電池本体1の他方の面1bが、第2導電性粘着フィルム42を介して相互に電気的に接続される。
次に、図4(c)に示すように、各電池本体1の一方の面1aと、枠体30の一方の面31と、に第1導電性粘着フィルム41を貼り付けることにより、各貫通孔33の一端を一括して封止する。これにより、各電池本体1の一方の面1aが、第1導電性粘着フィルム41を介して相互に電気的に接続される。
つまり、第1導電性粘着フィルム41と第2導電性粘着フィルム42とによって、複数の電池本体1が互いに電気的に並列に接続された状態となる。
こうして、全固体型リチウムイオン電池100が得られる。
以上のような第1の実施形態によれば、全固体型リチウムイオン電池100は、発電を行う電池素子10をそれぞれ含み互いに電気的に並列に接続されている複数の電池本体1と、第1導電層と、第2導電層と、を備える。電池素子10は、正極層11と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層12と、負極層13と、がこの順に積層されることにより構成されている。第1導電層は、複数の電池本体1の一方の面1aにそれぞれ接合されて、複数の電池本体1の一方の面1aを相互に電気的に接続している。第2導電層は、複数の電池本体1の他方の面1bにそれぞれ接合されて、複数の電池本体1の他方の面1bを相互に電気的に接続している。
すなわち、第1導電層が複数の電池本体1の一方の面1aにそれぞれ接合されるとともに、第2導電層が複数の電池本体1の他方の面1bにそれぞれ接合されることによって、複数の電池本体1が互いに電気的に並列に接続されている。
よって、全固体型リチウムイオン電池100を、より簡易且つコンパクトに複数の電池本体1が互いに並列に接続された構造のものとすることができる。
なお、各電池本体1の一方の面1aには第1導電層(例えば第1導電性粘着フィルム41)が接合されているので、第1導電層を介して電池本体1を外部へ電気的に接続することができる。同様に、各電池本体1の他方の面1bには第2導電層(例えば第2導電性粘着フィルム42)が接合されているので、第2導電層を介して電池本体1を外部へ電気的に接続することができる。
また、第1導電層は、第1導電性粘着フィルム41であり、複数の電池本体1の一方の面1aにそれぞれ貼り付けられており、第2導電層は、第2導電性粘着フィルム42であり、複数の電池本体1の他方の面1bにそれぞれ貼り付けられている。よって、導電性粘着フィルムを所望の形状に切断することによって第1導電性粘着フィルム41および第2導電性粘着フィルム42を作製し、第1導電性粘着フィルム41を複数の電池本体1の一方の面1aに貼り付けるとともに、第2導電性粘着フィルム42を複数の電池本体1の他方の面1bに貼り付けることによって、容易に、複数の電池本体1を電気的に並列に接続することができる。
また、第1導電性粘着フィルム41および第2導電性粘着フィルム42は、それぞれ両面が粘着性を有しており、全固体型リチウムイオン電池100は、第1導電性粘着フィルム41における電池本体1側とは反対側の面に貼り付けられた第1集電体層51と、第2導電性粘着フィルム42における電池本体1側とは反対側の面に貼り付けられた第2集電体層52と、を更に備える。つまり、第1導電性粘着フィルム41により、容易に第1集電体層51と電池本体1とが電気的に接続され、第2導電性粘着フィルム42により、容易に第2集電体層52と電池本体1とが電気的に接続されている。よって、全固体型リチウムイオン電池100を、より製造が容易な構造のものとすることができる。
また、全固体型リチウムイオン電池100は、樹脂製の枠体30であって、その表裏を貫通する複数の貫通孔33が形成された枠体30を更に備え、複数の貫通孔33の各々に、複数の電池本体1のうちの1つずつが収容されている。そして、第1導電層は、枠体30の一方の面31に接合されており、第2導電層は、枠体30の他方の面32に接合されている。つまり、各電池本体1は、枠体30と、第1導電層と、第2導電層と、によって封止されている。よって、全固体型リチウムイオン電池100を安定的な構造のものとすることができる。
なお、全固体型リチウムイオン電池100は、有機電解液を有していないため、有機電解液の漏れの心配が無いとともに、それぞれ導電性樹脂層からなる第1導電層および第2導電層が有機電解液によって溶解してしまう心配もない。よって、導電性樹脂層からなる第1導電層および第2導電層を用いた封止が可能である。
また、第1導電層は、複数の貫通孔33の各々の一端を一括して封止しており、第2導電層は、複数の貫通孔33の各々の他端を一括して封止している。よって、第1導電層および第2導電層によって貫通孔33の両端が容易且つ確実に封止された構造を実現することができる。また、全固体型リチウムイオン電池100を簡単な工程で製造することができる。
また、電池本体1を、少なくとも電池素子10が貫通孔33の内周壁面33aに対して非接合な状態で、貫通孔33内に収容することにより、少なくとも電池素子10は、貫通孔33の内周壁面33aによって強固には拘束されず、貫通孔33内においてある程度自由に移動することが可能となる。これにより、電池本体1に不要な応力が加わってしまうことを抑制できるので、全固体型リチウムイオン電池100の品質を容易に安定させることができる。つまり、全固体型リチウムイオン電池100を、生産性に優れ、且つ、品質を容易に安定させることが可能な構造のものとすることができる。
〔第2の実施形態〕
図5は第2の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の断面図である。本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100と同様に構成されている。
本実施形態の場合、各電池本体1は、電池素子10の他に、第3導電性粘着フィルム61と第4導電性粘着フィルム62とを備えている。
第3導電性粘着フィルム61は、正極層11の外表面11aに貼り付けられている。第4導電性粘着フィルム62は、負極層13の外表面13aに貼り付けられている。第3導電性粘着フィルム61および第4導電性粘着フィルム62を含む電池本体1が、各貫通孔33に収容されている。
第3導電性粘着フィルム61が正極層11の外表面11aに貼り付けられていることにより、第3導電性粘着フィルム61は、正極層11の崩壊を抑制する支持体として機能する。同様に、第4導電性粘着フィルム62が負極層13の外表面13aに貼り付けられていることにより、第4導電性粘着フィルム62は、負極層13の崩壊を抑制する支持体として機能する。よって、正極層11および負極層13の崩壊が抑制されている。
本実施形態の場合、第3導電性粘着フィルム61および第4導電性粘着フィルム62の外周面は、枠体30の内周壁面33aに対して粘着している場合もあるが、少なくとも電池素子10(正極層11、固体電解質層12および負極層13)は、枠体30の内周壁面33aに対して非接合状態となっている。このため、本実施形態においても、少なくとも電池素子10に不要な応力が作用してしまうことが抑制されている。
本実施形態の場合、第1導電性粘着フィルム41の一方の面(図5における下面)は、第3導電性粘着フィルム61における電池素子10側とは反対側の面すなわち電池本体1の一方の面1aと、枠体30の一方の面31と、に貼り付けられている。また、第2導電性粘着フィルム42の一方の面(図5における上面)は、第4導電性粘着フィルム62における電池素子10側とは反対側の面すなわち電池本体1の他方の面1bと、枠体30の他方の面32と、に貼り付けられている。
第3導電性粘着フィルム61および第4導電性粘着フィルム62は、例えば、粘着性樹脂中に導電性微粒子を分散させることにより構成された粘着性樹脂層と、金属箔と、を積層することにより構成されている。粘着性樹脂層の導電性微粒子としては、Ni等の金属粒子、非導電性粒子に金属をコーティングしてなる粒子、カーボン粒子などが挙げられる。粘着性樹脂は、導電性微粒子を分散することができ、且つ、粘着性を示す樹脂(粘着剤)である。このような粘着性樹脂としては、(メタ)アクリル系熱可塑性樹脂(アクリル系粘着剤)などが挙げられる。金属箔は、アルミニウム箔等である。第3導電性粘着フィルム61および第4導電性粘着フィルム62は、片面(金属箔側とは反対側の面)のみが粘着性を有する。第3導電性粘着フィルム61および第4導電性粘着フィルム62における粘着性を有する面(つまり粘着性樹脂層)が、正極層11および負極層13に対してそれぞれ貼り付けられている。
次に、本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法を説明する。
図6(a)〜(e)および図7(a)〜(c)は本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法における一連の工程を示す断面図である。
先ず、図6(a)に示すように、固体電解質層12の粉末材料をプレス成形することによって、固体電解質層12を作製する。
次に、図6(b)に示すように、負極層13の粉末材料を、先に作製した固体電解質層12に対して積層し、該粉末材料をプレス成形する。これにより、負極層13を固体電解質層12と一体的に作製する。
次に、図6(c)に示すように、正極層11の粉末材料を第3導電性粘着フィルム61に対してプレスすることによって、正極層11を第3導電性粘着フィルム61と一体的に成形する。この際、第3導電性粘着フィルム61は、正極層11の崩壊を抑制する支持体として機能する。
次に、図6(d)に示すように、負極層13と一体化させた固体電解質層12に対して、正極層11および第3導電性粘着フィルム61を重ね、且つ、負極層13の外表面13a側には、第4導電性粘着フィルム62を配置して、第3導電性粘着フィルム61、正極層11、固体電解質層12、負極層13および第4導電性粘着フィルム62をプレスする。これにより、第4導電性粘着フィルム62に対して負極層13を一体化させるとともに、正極層11を固体電解質層12に対して一体化させる。こうして、第3導電性粘着フィルム61と、正極層11と、固体電解質層12と、負極層13と、第4導電性粘着フィルム62と、がこの順に積層されてなる電池本体1が得られる。
次に、枠体30を準備する。
また、第1集電体層51および第2集電体層52を準備し、第1集電体層51の一方の面には、第1集電体層51と同一の形状及び寸法の第1導電性粘着フィルム41を貼り付け、第2集電体層52の他方の面には、第2集電体層52と同一の形状及び寸法の第2導電性粘着フィルム42を貼り付ける。
次に、図7(a)に示すように、枠体30の他方の面32に第2導電性粘着フィルム42を貼り付けることにより、各貫通孔33の他端を一括して封止する。
次に、図7(b)に示すように、枠体30の各貫通孔33内にそれぞれ電池本体1を挿入する。このとき、各電池本体1の第4導電性粘着フィルム62における電池素子10側とは反対側の面すなわち各電池本体1の他方の面1bに対して、第2導電性粘着フィルム42を貼り付ける。
次に、図7(c)に示すように、各電池本体1の第3導電性粘着フィルム61における電池素子10側とは反対側の面すなわち各電池本体1の一方の面1aと、枠体30の一方の面31と、に第1導電性粘着フィルム41を貼り付けることにより、各貫通孔33の一端を閉塞する。こうして、全固体型リチウムイオン電池100が得られる。
以上のような第2の実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる他に、以下の効果が得られる。
また、本実施形態の場合、全固体型リチウムイオン電池100は、正極層11に貼り付けられた第3導電性粘着フィルム61と、負極層13に貼り付けられた第4導電性粘着フィルム62と、を有する。よって、第3導電性粘着フィルム61が正極層11の崩壊を抑制する支持体として機能するとともに、第4導電性粘着フィルム62が負極層13の崩壊を抑制する支持体として機能するので、正極層11および負極層13の崩壊が抑制されている。このため、電池本体1が大寸法(大面積)であっても、電池本体1を安定的な構造のものとすることができる。
特に、正極層11を第3導電性粘着フィルム61に対してプレスすることによって成形した後、正極層11、固体電解質層12および負極層13をプレスして一体化するので、このプレスの際には、第3導電性粘着フィルム61によって正極層11が保持されている。よって、このプレスの際に正極層11が崩壊してしまうことを抑制することができる。
また、正極層11、固体電解質層12および負極層13をプレスにより一体化する際に、負極層13における固体電解質層12側とは反対側に第4導電性粘着フィルム62を配置した状態でプレスを行うので、このプレスの際に負極層13が崩壊してしまうことを抑制することができる。
〔第3の実施形態〕
図8は第3の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の断面図である。本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100は、以下に説明する点で、上記の第2の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100と相違し、その他の点では、上記の第2の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100と同様に構成されている。
上記の各実施形態では、各電池本体1がそれぞれ単数(1つ)の電池素子10を有する例を説明したが、本実施形態の場合、各電池本体1は、互いに積層された状態で電気的に直列に接続された複数(例えば2つ)の電池素子10を有している。
そして、電池本体1を構成する複数の電池素子10は、直列接続用導電性樹脂層(直列接続用導電層)80を介して相互に接合されているとともに電気的に接続されている。すなわち、直列接続用導電性樹脂層80は、電池本体1を構成する複数の電池素子10のうち、互いに隣り合う電池素子10の正極層11と負極層13との間に配置され、これら正極層11および負極層13を相互に接合しているとともに電気的に接続している。
なお、本実施形態の場合、上記の第2および第3の実施形態と同様に、各電池素子10の表裏の面には、それぞれ第3導電性粘着フィルム61および第4導電性粘着フィルム62が貼り付けられている。
そして、直列接続用導電性樹脂層80は、例えば、1つの電池本体1を構成する2つの電池素子10のうち、一方の電池素子10に貼り付けられた第3導電性粘着フィルム61と、他方の電池素子10に貼り付けられた第4導電性粘着フィルム62と、の間に介装されて、これら第3導電性粘着フィルム61と第4導電性粘着フィルム62とを相互に電気的に接続している。
直列接続用導電性樹脂層80は、例えば、両面が粘着性を有する導電性粘着フィルムである。直列接続用導電性樹脂層80は、第1導電性粘着フィルム41および第2導電性粘着フィルム42と同様の構造のものである。すなわち、直列接続用導電性樹脂層80は、例えば、粘着性樹脂中に、導電性微粒子を分散させることにより構成されており、その両面が粘着性を有する。直列接続用導電性樹脂層80は、1つの電池本体1を構成する2つの電池素子10のうち、一方の電池素子10に貼り付けられた第3導電性粘着フィルム61と、他方の電池素子10に貼り付けられた第4導電性粘着フィルム62と、に貼り付けられて、これら第3導電性粘着フィルム61と第4導電性粘着フィルム62とを相互に電気的に接続している。つまり、直列接続用導電性樹脂層80は、1つの電池本体1を構成する2つの電池素子10のうち、一方の電池素子10の正極層11と、他方の電池素子10の負極層13と、に対して、それぞれ間接的に貼り付けられて、これら正極層11と負極層13を相互に(間接的に)接合している。
図9(a)および(b)は第3の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法における一連の工程のうち、電池本体1を作製する工程を示す断面図である。
図9(a)に示すように、表裏の面にそれぞれ第3導電性粘着フィルム61および第4導電性粘着フィルム62が貼り付けられた電池素子10を2つ準備する。そして、これら電池素子10のうち一方の第3導電性粘着フィルム61と、他方の第4導電性粘着フィルム62とを、導電性粘着フィルムからなる直列接続用導電性樹脂層80を介して相互に接続する。これにより、図9(b)に示すように、電池本体1が得られる。
以上のような第3の実施形態によっても、上記の第2の実施形態と同様の効果が得られる。
また、各電池本体1は、相互に直列に接続された複数の電池素子10を有するので、全固体型リチウムイオン電池100が出力する電圧が上記の第2の実施形態よりも増大する。
なお、上記の第3の実施形態では、電池本体1が第3導電性粘着フィルム61および第4導電性粘着フィルム62を有する例を説明したが、上記の第1の実施形態と同様に、電池本体1は、第3導電性粘着フィルム61および第4導電性粘着フィルム62を有していなくても良い。
〔第4の実施形態〕
図10(a)は第4の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の断面図、図10(b)は図10(a)の部分拡大図である。図11は第4の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100を構成する部品の平面図であり、このうち図11(a)は枠体30を、図11(b)は電池本体1を、図11(c)は集電体層(第1集電体層51、第2集電体層52)を、図11(d)は導電層(例えば第1導電性粘着フィルム41、第2導電性粘着フィルム42)を、それぞれ示す。
本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100は、互いに積層された状態で電気的に直列に接続され且つそれぞれ発電を行う複数の素子部(電池素子10)と、複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部を相互に接合しているとともに電気的に接続している直列接続用導電層90と、を含む素子本体(電池本体1)を備えている。複数の素子部の各々は、第1固体電極層(例えば正極層11)と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層12と、第2固体電極層(例えば負極層13)と、がこの順に積層されることにより構成されている。直列接続用導電層90は、互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の第1固体電極層と他方の素子部の第2固体電極層と、の間に配置されて、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合しているとともに電気的に接続している。直列接続用導電層90は、導電性不織布または導電性織布からなる第1層91(図10(b))と、それぞれ導電性樹脂からなり第1層91の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層93(図10(b))および第3層92(図10(b))と、を含む積層構造をなしている。第2層93は、一方の素子部の第1固体電極層に接合され、第3層92は、他方の素子部の第2固体電極層に接合されている。
第1層91が導電性不織布からなる場合、その導電性不織布は、導電性繊維からなる。同様に、第1層91が導電性織布からなる場合、その導電性織布は、導電性繊維からなる。第1層91を構成する導電性繊維は、PET等の樹脂からなる線状の芯材を、金属からなる被膜によりコーティングすることにより構成されたものである。この被膜は、単層の金属膜からなるものであっても良いし、複数層の金属膜からなるものであっても良い。被膜が複数層の金属膜からなる場合、各層の金属膜のうち、隣り合う層の金属膜は、互いに異種の金属からなるものとすることができる。被膜を構成する金属の種類は特に限定されないが、例えば、Cu、Au、Al、Ni、或いはそれらの合金等とすることができる。
第2層93および第3層92を構成する導電性樹脂は、例えば、導電性粘着剤である。そして、第2層93は、一方の素子部の第1固体電極層に貼り付けられ、第3層92は、他方の素子部の第2固体電極層に貼り付けられている。すなわち、直列接続用導電層90は、例えば、中間層である第1層91が導電性不織布または導電性織布からなり、両面が粘着性を有する導電性粘着フィルムである。
第2層93および第3層92を構成する導電性粘着剤は、例えば、粘着性樹脂中に、導電性微粒子を分散させることにより構成されている。導電性微粒子としては、Ni等の金属粒子、非導電性粒子に金属をコーティングしてなる粒子、カーボン粒子などが挙げられる。粘着性樹脂は、導電性微粒子を分散することができ、且つ、粘着性を示す樹脂(粘着剤)である。このような粘着性樹脂としては、(メタ)アクリル系熱可塑性樹脂(アクリル系粘着剤)などが挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルの総称であるものとする。
ここで、第1層91は、例えば、導電性樹脂からなる第2層93および第3層92(例えば導電性粘着剤からなる粘着層である第2層93および第3層92)よりも、高剛性で且つ電気抵抗が低い層(シート)である。また、第1層91は、例えば、導電性樹脂からなる第2層93および第3層92(例えば導電性粘着剤からなる粘着層である第2層93および第3層92)よりも、弾性率が大きく且つ電気抵抗が低い層(シート)である。
直列接続用導電層90の平面形状は、任意の形状とすることができる。直列接続用導電層90の平面形状は、例えば、電池素子10の平面形状と同等の形状にすることができる。
電池本体1が有する電池素子10の数は任意の複数とすることができる。本実施形態の場合、例えば、図10(a)に示すように、電池本体1は、2つの電池素子10を有している。
本実施形態における電池素子10の構成は、上記の第1の実施形態と同様である(図10(a)、図11(b)参照)。
本実施形態における封止樹脂部20(枠体30、第1導電性粘着フィルム41および第2導電性粘着フィルム42)は、枠体30に形成されている貫通孔33の数が1つだけである点でのみ、上記の第1の実施形態と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態と同様に構成されている(図11(a)、(d)参照)。
本実施形態における第1集電体層51および第2集電体層52の構成は、上記の第1の実施形態と同様である(図11(c)参照)。
次に、本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法を説明する。
図12(a)、(b)および図13(a)〜(c)は本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法における一連の工程を示す断面図である。
この製造方法は、第1固体電極層(例えば正極層11)と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層12と、第2固体電極層(例えば負極層13)と、がこの順に積層されることによりそれぞれ構成され、発電を行う複数の素子部(電池素子10)を準備する工程と、複数の素子部を互いに積層した状態で電気的に直列に接続する工程と、を備える。
複数の素子部を互いに積層した状態で電気的に直列に接続する工程は、複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部どうしを、直列接続用導電層90を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程を含む。
直列接続用導電層90は、導電性不織布または導電性織布からなる第1層91と、それぞれ導電性樹脂からなり第1層91の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層93および第3層92と、を含む積層構造をなしている。
複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部どうしを直列接続用導電層90を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程では、互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の第1固体電極層と他方の素子部の第2固体電極層と、の間に直列接続用導電層90を配置して、当該直列接続用導電層90の第2層93を一方の素子部の第1固体電極層に接合し、当該直列接続用導電層90の第3層92を他方の素子部の第2固体電極層に接合することによって、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合するとともに電気的に接続する。
以下、具体的な工程の一例を説明する。なお、以下に説明する工程は、最終的に全固体型リチウムイオン電池100を作製することが可能な順序であれば、以下に例示する以外の順序で行っても良い。
先ず、複数(例えば2つ)の電池素子10を作製する。電池素子10を作製する工程は、第1の実施形態において電池本体1を作製する工程(図3(a)〜(d))と同様である。
次に、図12(a)および(b)に示すように、予め電池素子10と同形状に形成した直列接続用導電層90を介して、2つの電池素子10を相互に接合する。すなわち、一方の電池素子10の正極層11の外表面11aと、他方の電池素子10の負極層13の外表面13aと、に直列接続用導電層90の表裏の面をそれぞれ貼り付ける。これにより、一方の電池素子10の正極層11と他方の電池素子10の負極層13とが相互に接合されるとともに電気的に接続される。すなわち、図12(b)に示すように、2つの電池素子10が互いに積層された状態で電気的に直列に接続された状態となる。
また、枠体30を準備する。枠体30は、樹脂製の薄板に、パンチング等によって貫通孔33を形成することにより得られたものである。
また、第1集電体層51および第2集電体層52を準備する。第1集電体層51の一方の面には、第1集電体層51と同一の形状及び寸法の第1導電性粘着フィルム41を貼り付け、第2集電体層52の他方の面には、第2集電体層52と同一の形状及び寸法の第2導電性粘着フィルム42を貼り付ける。
次に、図13(a)に示すように、枠体30の他方の面32に第2導電性粘着フィルム42を貼り付けることにより、貫通孔33の他端を封止する。
次に、図13(b)に示すように、枠体30の貫通孔33内に電池本体1を挿入する。このとき、電池本体1の他方の面1bに対して、第2導電性粘着フィルム42を貼り付ける。
次に、図13(c)に示すように、電池本体1の一方の面1aと、枠体30の一方の面31と、に第1導電性粘着フィルム41を貼り付けることにより、貫通孔33の一端を封止する。こうして、全固体型リチウムイオン電池100が得られる。
以上のような第4の実施形態によれば、全固体型リチウムイオン電池100は、互いに積層された状態で電気的に直列に接続され且つそれぞれ発電を行う複数の電池素子10と、複数の電池素子10のうちの互いに隣り合う電池素子10を相互に接合しているとともに電気的に接続している直列接続用導電層90と、を含む電池本体1を備えている。複数の電池素子10の各々は、正極層11と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層12と、負極層13と、がこの順に積層されることにより構成されている。直列接続用導電層90は、互いに隣り合う電池素子10のうち、一方の電池素子10の正極層11と他方の電池素子10の負極層13と、の間に配置されて、これら正極層11および負極層13を相互に接合しているとともに電気的に接続している。
そして、直列接続用導電層90は、導電性不織布または導電性織布からなる第1層91と、それぞれ導電性樹脂からなり第1層91の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層93および第3層92と、を含む積層構造をなしている。第2層93は、一方の電池素子10の正極層11に接合され、第3層92は、他方の電池素子10の負極層13に接合されている。
直列接続用導電層90は、導電性樹脂からなる第2層93および第3層92の間に、導電性不織布または導電性織布からなる第1層91を有する積層構造をなしている。このため、互いに隣り合う電池素子10の正極層11と負極層13とが相互に接触してしまうことを、第1層91によって抑制することができる。
つまり、全固体型リチウムイオン電池100を、複数の電池素子10が互いに直列に接続され、且つ、正極層11と負極層13との接触が抑制された構造すなわち製造安定性に優れた構造のものとすることができる。
また、第1層91が、第2層93および第3層92よりも高剛性の層であることにより、互いに隣り合う電池素子10の正極層11と負極層13とが相互に接触してしまうことを、第1層91によって好適に抑制することができる。また、第1層91が、第2層93および第3層92よりも弾性率が大きい層であることにより、互いに隣り合う電池素子10の正極層11と負極層13とが相互に接触してしまうことを、第1層91によって好適に抑制することができる。
また、第2層93および第3層92を構成する導電性樹脂を、導電性粘着剤とすることにより、第2層93および第3層92をそれぞれ電池素子10に対して貼り付けることによって、容易に電池素子10どうしを接合することができる。
加えて、第2層93および第3層92を構成する導電性樹脂を、導電性粘着剤とすることにより、直列接続用導電層90を柔軟性に優れたものとすることができる。このため、電池素子10に作用する応力を、直列接続用導電層90によって緩和することができる。
また、本実施形態のように、直列接続用導電層90の第1層91を導電性不織布または導電性織布により構成することによって、後述する第5の実施形態と比べても、直列接続用導電層90は、柔軟性及びコシの強さに優れたものとなる。よって、例えば製造時等において直列接続用導電層90にシワが形成されてしまうことなどを抑制することができる。
〔第5の実施形態〕
本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100は、直列接続用導電層90の第1層91が金属からなる点でのみ、上記の第4の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100と相違し、その他の点では、上記の第4の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100と同様に構成されている。すなわち、本実施形態の場合、直列接続用導電層90の第1層91は、金属箔からなる。第1層91を構成する金属の種類は特に限定されないが、例えば、Al、Cu、Au、ステンレス、Ni、Ti等とすることができる。
第1層91は、導電性樹脂からなる第2層93および第3層92(例えば導電性粘着剤からなる粘着層である第2層93および第3層92)よりも、高剛性で且つ電気抵抗が低い層(シート)である。また、第1層91は、導電性樹脂からなる第2層93および第3層92(例えば導電性粘着剤からなる粘着層である第2層93および第3層92)よりも、弾性率が大きく且つ電気抵抗が低い層(シート)である。
また、本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法は、直列接続用導電層90として、第1層91が金属からなるものを用いる点でのみ、上記の第4の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法と相違し、その他の点では、上記の第4の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池の製造方法と同様である。
本実施形態によっても、上記の第4の実施形態と同様の効果が得られる。
また、第1層91は、第2層93および第3層92よりも高剛性の層であるので、互いに隣り合う電池素子10の正極層11と負極層13とが相互に接触してしまうことを、第1層91によって好適に抑制することができる。また、第1層91は、第2層93および第3層92よりも弾性率が大きい層であるので、互いに隣り合う電池素子10の正極層11と負極層13とが相互に接触してしまうことを、第1層91によって好適に抑制することができる。
〔第6の実施形態〕
図14は第6の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の断面図である。本実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100は、以下に説明する点で、上記の第4または第5の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100と相違し、その他の点では、上記の第4または第5の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100と同様に構成されている。
本実施形態の場合、図14に示すように、枠体30には、複数の貫通孔33が形成されている。そして、複数の貫通孔33の各々に、それぞれ電池本体1が収容されている。第1導電(例えば第1導電性粘着フィルム41)は、各電池本体1の一方の面1aに接合されて、各電池本体1の一方の面1aを相互に電気的に接続しているとともに、複数の貫通孔33の各々の一端を一括して封止している。また、第2導電層(例えば第2導電性粘着フィルム42)は、各電池本体1の他方の面1bに接合されて、各電池本体1の他方の面1bを相互に電気的に接続しているとともに、複数の貫通孔33の各々の他端を一括して封止している。
つまり、本実施形態の場合、第1導電層と第2導電層とによって、複数の電池本体1が相互に並列に接続されている。
第1導電層および第2導電層は、例えば、それぞれ導電性樹脂層である。
より具体的には、例えば、第1導電層は第1導電性粘着フィルム41であり、第1導電性粘着フィルム41は、各電池本体1の一方の面1aに貼り付けられている。また、第2導電層は第2導電性粘着フィルム42であり、第2導電性粘着フィルム42は、各電池本体1の他方の面1bに貼り付けられている。
以上のような第6の実施形態によっても、上記の第4または第5の実施形態と同様の効果が得られる。
また、複数の電池本体1が、第1導電層と第2導電層とによって相互に並列に接続されているので、全固体型リチウムイオン電池100全体の容量が上記の第4または第5の実施形態よりも増大する。
〔第7の実施形態〕
図15は第7の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100の断面図である。
本実施形態の場合、全固体型リチウムイオン電池100の封止樹脂部20は、全固体型リチウムイオン電池100の側面を封止する樹脂製の周縁封止部70を更に有している。
図15は、上記の第1の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100(図1(a))の側面を周縁封止部70によって封止した例を示している。
周縁封止部70は、第1導電性粘着フィルム41の外周端面41aと、枠体30の外周面34と、第2導電性粘着フィルム42の外周端面42aと、を一括して封止している。
より具体的には、周縁封止部70は、第1集電体層51の外周端面51aと、第1導電性粘着フィルム41の外周端面41aと、枠体30の外周面34と、第2導電性粘着フィルム42の外周端面42aと、第2集電体層52の外周端面52aと、を一括して封止している。
なお、図示は省略するが、上記の第2〜第6の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100(図5、図8、図10(a)、図14)についても、同様に、それぞれ側面を周縁封止部70によって封止することができる。
周縁封止部70は、例えば、エポキシ樹脂を塗布および硬化させることによって構成されている。ただし、周縁封止部70は、光硬化型アクリル樹脂であっても良いし、粘着フィルムであっても良い。
本実施形態によれば、上記の各実施形態と同様の効果が得られる他、以下の効果が得られる。
本実施形態の場合、全固体型リチウムイオン電池100は、周縁封止部70を有しているので、大気中の水分が第1導電層(第1導電性粘着フィルム41)および第2導電層(第2導電性粘着フィルム42)を通して貫通孔33の内部に浸入してしまうことを抑制することができる。よって、全固体型リチウムイオン電池100をより安定的な構造のものとすることができる。
上記の各実施形態では、第1導電層および第2導電層がそれぞれ導電性粘着フィルムである例を説明したが、第1導電層および第2導電層は、それぞれ導電性樹脂を電池本体1に対して(或いは電池本体1および枠体30に対して)塗布して硬化させることにより構成されていても良い。或いは、第1導電層および第2導電層は、予め成型された導電性樹脂を導電性接着剤によって電池本体1に対して(或いは電池本体1および枠体30に対して)貼り付けたものであっても良い。
上記の各実施形態では、電気素子が全固体型リチウムイオン電池100である例を説明したが、電気素子は、キャパシタであっても良い。キャパシタを構成する第1固体電極層および第2固体電極層は、それぞれ活物質(正極活物質および負極活物質)の何れも含んでいない点で、上記の正極層11および負極層13と相違する。電気素子がキャパシタの場合、素子部は、蓄電を行う。
実施例では、以下の条件で、上記の第3の実施形態に係る全固体型リチウムイオン電池100(図8)を作製した。
<第3導電性粘着フィルムおよび第4導電性粘着フィルム>
第3導電性粘着フィルム61、第4導電性粘着フィルム62は、片面が粘着性を有する導電性粘着フィルムからなる。この導電性粘着フィルムは、厚さ0.05mmのAl箔の一方の面に0.035mmの厚さの粘着性樹脂層が形成されたものであり、その総厚が0.085mmである。粘着性樹脂層は、粘着性樹脂中に導電性微粒子としてNi粒子を分散させることにより構成されており、導電性を有する。第3導電性粘着フィルム61および第4導電性粘着フィルム62は、そのような構造の導電性粘着フィルムを直径13mmの円形に切り取ったものである。
<正極層>
正極層11の材料としては、アモルファスLiMoSの粉末と、アセチレンブラックの粉末と、Li1112の粉末と、を重量比1:1:1で混合してなる粉末材料を34mg用いた。
正極層11の粉末材料を導電性粘着フィルム61における粘着剤層側の面に対してプレスすることによって、正極層11を第3導電性粘着フィルム61と一体的に成形した。このプレス成形は室温で行い、プレス圧力は250MPaとした。正極層11は、第3導電性粘着フィルム61と同じ直径(13mm)の円板形とした。
正極層11と第3導電性粘着フィルム61との合計の厚さは150μmとした。
<固体電解質層>
Li1112ガラスの粉末400mgをプレス成形することにより固体電解質層12を作製した。固体電解質層12は、直径14mmの円板形とした。このプレス成形は、室温で行い、プレス圧力は377MPaとした。固体電解質層12の厚さは200μmとした。
<負極層>
負極層13の材料としては、Li22Siの粉末と、グラファイトの粉末と、Li1112の粉末と、を重量比27:53:20で混合してなる粉末材料を14mg用いた。負極層13の粉末材料を、成形後の固体電解質層12に対して積層プレスすることにより、負極層13を固体電解質層12と一体的にプレス成形した。
このプレス成形は室温で行い、プレス圧力は377MPaとした。負極層13は、固体電解質層12と同じ直径(14mm)の円板形とした。負極層13と導電性粘着フィルム62との合計の厚さは150μmとした。
<電池素子>
第3導電性粘着フィルム61、正極層11、固体電解質層12、負極層13および第4導電性粘着フィルム62をこの順に積層する。なお、第4導電性粘着フィルム62は、粘着剤層側の面を負極層13側に配置する。そして、第3導電性粘着フィルム61、正極層11、固体電解質層12、負極層13および第4導電性粘着フィルム62の積層体をプレスすることによって、電池素子10を一体形成する。電池素子10は合計8つ作製した。電池素子10の厚さは、500μmとした。
<直列接続用導電性樹脂層>
直列接続用導電性樹脂層80は、両面が粘着性を有する導電性粘着フィルムからなる。この導電性粘着フィルムは、0.035mmの厚さの粘着性樹脂層からなる。この粘着性樹脂層は、粘着性樹脂中に導電性微粒子としてNi粒子を分散させることにより構成されており、導電性を有する。直列接続用導電性樹脂層80は、このような構造の導電性粘着フィルムを直径13mmの円形に切り取ったものである。
<電池本体>
直列接続用導電性樹脂層80を間に挟んで2つの電池素子10を積層することによって、直列接続用導電性樹脂層80により2つの電池素子10を直列に接続し、電池本体1を作製した。すなわち、直列接続用導電性樹脂層80を、2つの電池素子10のうちの一方の電池素子10の第3導電性粘着フィルム61と、他方の電池素子10の第4導電性粘着フィルム62とに貼り付けることにより、電池本体1を作製した。電池本体1は合計4つ作製した。電池本体1の厚さは1mmとした。
<枠体>
枠体30としては、一辺40mmの正方形状(角が丸められている)で厚さ1mmのPETフィルムに、直径15mmの貫通孔33を4つ、前後左右対称に形成したものを用いた。
<集電体層>
第1集電体層51および第2集電体層52として、それぞれ厚さ8μmのSUS304箔を用いた。第1集電体層51および第2集電体層52の平面形状は、平面視における枠体30の外形形状と等しくした。
<第1導電性粘着フィルムおよび第2導電性粘着フィルム>
第1導電性粘着フィルム41および第2導電性粘着フィルム42は、直列接続用導電性樹脂層80と同じ構造の導電性粘着フィルムを、第1集電体層51および第2集電体層52と同じ平面形状に切り取ったものである。第1導電性粘着フィルム41は第1集電体層51の一方の面に貼り付け、第2導電性粘着フィルム42は第2集電体層52の一方の面に貼り付けた。
<全固体型リチウムイオン電池>
枠体30の他方の面32には、第2導電性粘着フィルム42を介して第2集電体層52を貼り付けた。
そして、枠体30の4つの貫通孔33の各々に、電池本体1を挿入した。ここで、各電池本体1の他方の面1bには、第2導電性粘着フィルム42を介して、第2集電体層52を貼り付けた。
そして、枠体30の一方の面31には、第1導電性粘着フィルム41を介して第1集電体層51を貼り付けた。ここで、第1集電体層51は、第1導電性粘着フィルム41を介して、各電池本体1の一方の面1aにも貼り付けた。
こうして、図9に模式的構造を示す全固体型リチウムイオン電池100を得た。全固体型リチウムイオン電池100は、厚さ1mmで、一辺が40mmの角丸の正方形状であり、重量は2.7gである。
このように作製した全固体型リチウムイオン電池100は、以下の特性を示した。
電圧:4V
容量:2.6mAh
エネルギー密度:3.3Wh/kg
5.6Wh/L
1 電池本体(素子本体)
1a 一方の面
1b 一方の面
10 電池素子(素子部)
11 正極層(第1固体電極層)
11a 外表面
12 固体電解質層
13 負極層(第2固体電極層)
13a 外表面
20 封止樹脂部
30 枠体
31 一方の面
32 他方の面
33 貫通孔
33a 内周壁面
34 外周面
41 第1導電性粘着フィルム(第1導電層)
41a 外周端面
42 第2導電性粘着フィルム(第2導電層)
42a 外周端面
51 第1集電体層
51a 外周端面
52 第2集電体層
52a 外周端面
61 第3導電性粘着フィルム
62 第4導電性粘着フィルム
70 周縁封止部
80 直列接続用導電性樹脂層
90 直列接続用導電層
91 第1層
92 第3層
93 第2層
100 全固体型リチウムイオン電池(電気素子)

Claims (24)

  1. 発電または蓄電を行う素子部をそれぞれ含み、互いに電気的に並列に接続されている複数の素子本体と、
    第1導電層と、
    第2導電層と、
    を備え、
    前記素子部は、第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成され、
    前記第1導電層は、前記複数の素子本体の一方の面にそれぞれ接合されて、前記複数の素子本体の一方の面を相互に電気的に接続しており、
    前記第2導電層は、前記複数の素子本体の他方の面にそれぞれ接合されて、前記複数の素子本体の他方の面を相互に電気的に接続している電気素子。
  2. 前記第1導電層及び前記第2導電層は、それぞれ導電性樹脂層である請求項1に記載の電気素子。
  3. 前記第1導電層は、第1導電性粘着フィルムであり、前記複数の素子本体の一方の面にそれぞれ貼り付けられており、
    前記第2導電層は、第2導電性粘着フィルムであり、前記複数の素子本体の他方の面にそれぞれ貼り付けられている請求項2に記載の電気素子。
  4. 前記第1導電性粘着フィルムおよび前記第2導電性粘着フィルムは、それぞれ両面が粘着性を有しており、
    当該電気素子は、前記第1導電性粘着フィルムにおける前記素子本体側とは反対側の面に貼り付けられた第1集電体層と、前記第2導電性粘着フィルムにおける前記素子本体側とは反対側の面に貼り付けられた第2集電体層と、を更に備える請求項3に記載の電気素子。
  5. 樹脂製の枠体であって、その表裏を貫通する複数の貫通孔が形成された枠体を更に備え、
    前記複数の貫通孔の各々に、前記複数の素子本体のうちの1つずつが収容され、
    前記第1導電層は、前記枠体の一方の面に接合されており、
    前記第2導電層は、前記枠体の他方の面に接合されている請求項1乃至4の何れか一項に記載の電気素子。
  6. 前記第1導電層は、前記複数の貫通孔の各々の一端を一括して封止しており、
    前記第2導電層は、前記複数の貫通孔の各々の他端を一括して封止している請求項5に記載の電気素子。
  7. 前記素子本体は、
    互いに積層された状態で電気的に直列に接続された複数の前記素子部と、
    互いに隣り合う前記素子部の前記第1固体電極層と前記第2固体電極層との間に配置され、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合しているとともに電気的に接続している直列接続用導電層と、
    を備える請求項1乃至6の何れか一項に記載の電気素子。
  8. 前記直列接続用導電層は、導電性粘着フィルムであり、互いに隣り合う層の前記素子部の前記第1固体電極層と前記第2固体電極層とにそれぞれ貼り付けられることにより、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合している請求項7に記載の電気素子。
  9. 当該電気素子は全固体型リチウムイオン電池である請求項1乃至8の何れか一項に記載の電気素子。
  10. 互いに積層された状態で電気的に直列に接続され、且つ、それぞれ発電または蓄電を行う複数の素子部と、
    前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部を相互に接合しているとともに電気的に接続している直列接続用導電層と、
    を含む素子本体を備え、
    前記複数の素子部の各々は、第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成され、
    前記直列接続用導電層は、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に配置されて、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合しているとともに電気的に接続しており、
    前記直列接続用導電層は、導電性不織布または導電性織布からなる第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
    前記第2層は、前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合され、
    前記第3層は、前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合されている電気素子。
  11. 互いに積層された状態で電気的に直列に接続され、且つ、それぞれ発電または蓄電を行う複数の素子部と、
    前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部を相互に接合しているとともに電気的に接続している直列接続用導電層と、
    を含む素子本体を備え、
    前記複数の素子部の各々は、第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成され、
    前記直列接続用導電層は、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に配置されて、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合しているとともに電気的に接続しており、
    前記直列接続用導電層は、金属からなる第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
    前記第2層は、前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合され、
    前記第3層は、前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合されている電気素子。
  12. 互いに積層された状態で電気的に直列に接続され、且つ、それぞれ発電または蓄電を行う複数の素子部と、
    前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部を相互に接合しているとともに電気的に接続している直列接続用導電層と、
    を含む素子本体を備え、
    前記複数の素子部の各々は、第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成され、
    前記直列接続用導電層は、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に配置されて、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合しているとともに電気的に接続しており、
    前記直列接続用導電層は、第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
    前記第1層は、前記第2層および前記第3層よりも、高剛性で且つ電気抵抗が低く、
    前記第2層は、前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合され、
    前記第3層は、前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合されている電気素子。
  13. 互いに積層された状態で電気的に直列に接続され、且つ、それぞれ発電または蓄電を行う複数の素子部と、
    前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部を相互に接合しているとともに電気的に接続している直列接続用導電層と、
    を含む素子本体を備え、
    前記複数の素子部の各々は、第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成され、
    前記直列接続用導電層は、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に配置されて、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合しているとともに電気的に接続しており、
    前記直列接続用導電層は、第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
    前記第1層は、前記第2層および前記第3層よりも、弾性率が大きく且つ電気抵抗が低く、
    前記第2層は、前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合され、
    前記第3層は、前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合されている電気素子。
  14. 前記導電性樹脂は導電性粘着剤であり、
    前記第2層は、前記一方の素子部の前記第1固体電極層に貼り付けられ、
    前記第3層は、前記他方の素子部の前記第2固体電極層に貼り付けられている請求項10乃至13の何れか一項に記載の電気素子。
  15. 当該電気素子は全固体型リチウムイオン電池である請求項10乃至14の何れか一項に記載の電気素子。
  16. 発電または蓄電を行う素子部をそれぞれ含む複数の素子本体を準備する工程と、
    前記複数の素子本体を互いに電気的に並列に接続する工程と、
    を備え、
    前記素子部は、第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることにより構成され、
    前記並列に接続する工程は、
    第1導電層を、前記複数の素子本体の一方の面にそれぞれ接合することにより、前記複数の素子本体の一方の面を相互に電気的に接続する工程と、
    第2導電層を、前記複数の素子本体の他方の面にそれぞれ接合することにより、前記複数の素子本体の他方の面を相互に電気的に接続する工程と、
    を含む電気素子の製造方法。
  17. 前記第1導電層及び前記第2導電層は、それぞれ導電性樹脂層である請求項16に記載の電気素子の製造方法。
  18. 前記第1導電層は、第1導電性粘着フィルムであり、
    前記第2導電層は、第2導電性粘着フィルムであり、
    前記複数の素子本体の一方の面を相互に電気的に接続する工程では、前記第1導電性粘着フィルムを、前記複数の素子本体の一方の面にそれぞれ貼り付けることにより、前記複数の素子本体の一方の面を相互に電気的に接続し、
    前記複数の素子本体の他方の面を相互に電気的に接続する工程では、前記第2導電性粘着フィルムを、前記複数の素子本体の他方の面にそれぞれ貼り付けることにより、前記複数の素子本体の他方の面を相互に電気的に接続する請求項16または17に記載の電気素子の製造方法。
  19. 表裏を貫通する複数の貫通孔が形成された樹脂製の枠体の前記複数の貫通孔の各々に、前記複数の素子本体のうちの1つずつを収容する工程と、
    前記第1導電層を前記枠体の一方の面に接合するとともに、前記第1導電層によって前記複数の貫通孔の各々の一端を一括して封止する工程と、
    前記第2導電層を前記枠体の他方の面に接合するとともに、前記第2導電層によって前記複数の貫通孔の各々の他端を一括して封止する工程と、
    を更に備える請求項16乃至18の何れか一項に記載の電気素子の製造方法。
  20. 第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることによりそれぞれ構成され、発電または蓄電を行う複数の素子部を準備する工程と、
    前記複数の素子部を互いに積層した状態で電気的に直列に接続する工程と、
    を備え、
    前記直列に接続する工程は、
    前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部どうしを、直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程を含み、
    前記直列接続用導電層は、導電性不織布または導電性織布からなる第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
    前記直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程では、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に前記直列接続用導電層を配置して、当該直列接続用導電層の前記第2層を前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合し、当該直列接続用導電層の前記第3層を前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合することによって、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合するとともに電気的に接続する電気素子の製造方法。
  21. 第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることによりそれぞれ構成され、発電または蓄電を行う複数の素子部を準備する工程と、
    前記複数の素子部を互いに積層した状態で電気的に直列に接続する工程と、
    を備え、
    前記直列に接続する工程は、
    前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部どうしを、直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程を含み、
    前記直列接続用導電層は、金属からなる第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
    前記直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程では、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に前記直列接続用導電層を配置して、当該直列接続用導電層の前記第2層を前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合し、当該直列接続用導電層の前記第3層を前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合することによって、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合するとともに電気的に接続する電気素子の製造方法。
  22. 第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることによりそれぞれ構成され、発電または蓄電を行う複数の素子部を準備する工程と、
    前記複数の素子部を互いに積層した状態で電気的に直列に接続する工程と、
    を備え、
    前記直列に接続する工程は、
    前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部どうしを、直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程を含み、
    前記直列接続用導電層は、第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
    前記第1層は、前記第2層および前記第3層よりも、高剛性で且つ電気抵抗が低く、
    前記直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程では、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に前記直列接続用導電層を配置して、当該直列接続用導電層の前記第2層を前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合し、当該直列接続用導電層の前記第3層を前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合することによって、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合するとともに電気的に接続する電気素子の製造方法。
  23. 第1固体電極層と、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質層と、第2固体電極層と、がこの順に積層されることによりそれぞれ構成され、発電または蓄電を行う複数の素子部を準備する工程と、
    前記複数の素子部を互いに積層した状態で電気的に直列に接続する工程と、
    を備え、
    前記直列に接続する工程は、
    前記複数の素子部のうちの互いに隣り合う素子部どうしを、直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程を含み、
    前記直列接続用導電層は、第1層と、それぞれ導電性樹脂からなり前記第1層の一方の面と他方の面とにそれぞれ形成された第2層および第3層と、を含む積層構造をなし、
    前記第1層は、前記第2層および前記第3層よりも、弾性率が大きく且つ電気抵抗が低く、
    前記直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程では、前記互いに隣り合う素子部のうち、一方の素子部の前記第1固体電極層と他方の素子部の前記第2固体電極層と、の間に前記直列接続用導電層を配置して、当該直列接続用導電層の前記第2層を前記一方の素子部の前記第1固体電極層に接合し、当該直列接続用導電層の前記第3層を前記他方の素子部の前記第2固体電極層に接合することによって、これら第1固体電極層および第2固体電極層を相互に接合するとともに電気的に接続する電気素子の製造方法。
  24. 前記導電性樹脂は導電性粘着剤であり、
    前記直列接続用導電層を介して相互に接合するとともに電気的に接続する工程では、前記第2層を前記一方の素子部の前記第1固体電極層に貼り付けるとともに、前記第3層を前記他方の素子部の前記第2固体電極層に貼り付ける請求項20乃至23の何れか一項に記載の電気素子の製造方法。
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