JP2015075152A - 車両のクラッチスリップ発進制御装置 - Google Patents

車両のクラッチスリップ発進制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】クラッチスリップ発進時、早い振動収束により駆動系ねじり共振周波数振動の低減を達成すること。
【解決手段】横置きエンジン2及びモータ/ジェネレータ4と左右前輪10L,10Rとの間の駆動系に設けられた第2クラッチCL2をスリップさせて車両を発進させる制御を行うFFハイブリッド車両である。クラッチスリップ発進制御手段は、ベース目標CL2差回転演算部51aと、振動成分抽出部51bと、CL2差回転上乗せ回転演算部51dと、加算部51hと、を有する。振動成分抽出部51bは、CVT入力回転から駆動系ねじり共振周波数振動成分を抽出する。CL2差回転上乗せ回転演算部51dは、抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分から振動振幅を演算し、振動振幅の大きさに応じてCL2差回転上乗せ回転を演算する。加算部51hは、ベース目標CL2差回転に、CL2差回転上乗せ回転を加算して目標クラッチ差回転とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、駆動源と駆動輪との間の駆動系に設けられた摩擦クラッチをスリップさせて車両を発進させる制御を行う車両のクラッチスリップ発進制御装置に関する。
従来、振動しやすい領域を判定し、スリップロックアップ制御時のスリップ回転を上げて(50→100rpm)、振動を収束させる車両駆動機構の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−257377号公報
しかしながら、従来装置にあっては、振動振幅の大きさにかかわらずスリップ回転の上乗せ回転数を変えない構成としている。このため、振動収束が遅く、最悪の場合は振動が収束しない、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、クラッチスリップ発進時、早い振動収束により駆動系ねじり共振周波数振動の低減を達成することができる車両のクラッチスリップ発進制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、駆動源と駆動輪との間の駆動系に設けられた摩擦クラッチと、前記摩擦クラッチをスリップさせて車両を発進させる制御を行うクラッチスリップ発進制御手段と、を備える。
この車両のクラッチスリップ発進制御装置において、前記クラッチスリップ発進制御手段は、ベース目標クラッチ差回転演算部と、振動成分抽出部と、クラッチ差回転上乗せ回転演算部と、加算部と、を有する。
前記ベース目標クラッチ差回転演算部は、車両発進時に前記摩擦クラッチに与える基本クラッチスリップ回転としてのベース目標クラッチ差回転を演算する。
前記振動成分抽出部と、前記摩擦クラッチの入力回転から駆動系ねじり共振周波数振動成分を抽出する。
前記クラッチ差回転上乗せ回転演算部は、前記抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分から振動振幅を演算し、振動振幅の大きさに応じてクラッチ差回転上乗せ回転を演算する。
前記加算部は、前記ベース目標クラッチ差回転に、前記クラッチ差回転上乗せ回転を加算して目標クラッチ差回転とする。
よって、クラッチスリップ発進時、ベース目標クラッチ差回転に、駆動系ねじり共振周波数振動成分の振動振幅の大きさに応じて演算されたクラッチ差回転上乗せ回転を加算して目標クラッチ差回転とされる。
すなわち、駆動系ねじり共振周波数振動の振動振幅の大きさに応じ、ベース目標クラッチ差回転による基本のクラッチスリップ回転が拡大される。このように、スリップ回転を拡大することにより、μ−v特性においてクラッチ動摩擦係数が安定している領域の動作点を使うため、駆動系ねじり共振周波数振動が低減する。加えて、振動振幅が大きいほどクラッチ差回転上乗せ回転を高くし、振動振幅の大きさに応じてスリップ回転を拡大するので、上乗せ回転を一定で与える場合に比べ、駆動系ねじり共振周波数振動の収束が早くなる。さらに、駆動系ねじり共振周波数振動以外の振動ではスリップ回転を上げないので、高周波ノイズに対してロバストになり、無駄なスリップ回転拡大を実施しない。
この結果、クラッチスリップ発進時、早い振動収束により駆動系ねじり共振周波数振動の低減を達成することができる。
実施例1のクラッチスリップ発進制御装置が適用されたFFハイブリッド車両を示す全体システム図である。 実施例1のハイブリッドコントロールモジュールに有するモータ制御によるクラッチスリップ発進制御系の制御構成例を示すブロック図である。 クラッチスリップ発進制御系のうち目標CL2入力回転数演算ブロックの詳細構成例を示すブロック図である。 実施例1のハイブリッドコントロールモジュールにて実行されるクラッチスリップ発進制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のクラッチスリップ発進制御を行ったときのクラッチフェーシング温度による上限・CL2差回転により拡大したエンジン/モータ回転数・駆動系ねじり共振を抑えたCVT入力回転数・クラッチ保護用上限目標CL2差回転・上限目標CL2差回転・変化率制限後の上乗せ目標CL2差回転・駆動系ねじり共振周波数振動成分の振動抽出・CL2トルク容量指令の各特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明の車両のクラッチスリップ発進制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1のクラッチスリップ発進制御装置が適用されたFFハイブリッド車両(車両の一例)の構成を、「全体システム構成」、「クラッチスリップ発進制御の詳細構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1はFFハイブリッド車両の全体システムを示す。以下、図1に基づいて、FFハイブリッド車両の全体システム構成を説明する。
FFハイブリッド車両の駆動系としては、図1に示すように、スタータモータ1と、横置きエンジン2と、第1クラッチ3(略称「CL1」)と、モータ/ジェネレータ4(略称「MG」)と、第2クラッチ5(略称「CL2」)と、ベルト式無段変速機6(略称「CVT」)と、を備えている。ベルト式無段変速機6の出力軸は、終減速ギヤトレイン7と差動ギヤ8と左右のドライブシャフト9R,9Lを介し、左右の前輪10R,10Lに駆動連結される。なお、左右の後輪11R,11Lは、従動輪としている。
前記スタータモータ1は、横置きエンジン2のクランク軸に設けられたエンジン始動用ギヤに噛み合うギヤを持ち、エンジン始動時にクランク軸を回転駆動するクランキングモータである。
前記横置きエンジン2は、クランク軸方向を車幅方向としてフロントルームに配置したエンジンであり、電動ウォータポンプ12と、横置きエンジン2の逆転を検知するクランク軸回転センサ13と、を有する。この横置きエンジン2は、始動方式として12Vバッテリ22を電源とするスタータモータ1によりクランキングする「スタータ始動モード」と、第1クラッチ3を滑り締結しながらモータ/ジェネレータ4によりクランキングする「MG始動モード」と、を有する。「スタータ始動モード」は、低温時条件又は高温時条件の成立により選択され、「MG始動モード」は、スタータ始動以外の条件でのエンジン始動時に選択される。
前記モータ/ジェネレータ4は、第1クラッチ3を介して横置きエンジン2に連結された三相交流の永久磁石型同期モータである。このモータ/ジェネレータ4は、後述する強電バッテリ21を電源とし、ステータコイルには、力行時に直流を三相交流に変換し、回生時に三相交流を直流に変換するインバータ26が、ACハーネス27を介して接続される。
前記第2クラッチ5は、モータ/ジェネレータ4と駆動輪である左右の前輪10R,10Lとの間に介装された油圧作動による湿式の多板摩擦クラッチであり、第2クラッチ油圧により完全締結/スリップ締結/開放が制御される。実施例1の第2クラッチ5は、遊星ギヤによるベルト式無段変速機6の前後進切替機構に設けられた前進クラッチ5aと後退ブレーキ5bを流用している。つまり、前進走行時には、前進クラッチ5aが第2クラッチ5とされ、後退走行時には、後退ブレーキ5bが第2クラッチ5とされる。
前記ベルト式無段変速機6は、プライマリ油室とセカンダリ油室への変速油圧によりベルトの巻き付き径を変えることで無段階の変速比を得る変速機である。このベルト式無段変速機6には、メインオイルポンプ14(メカ駆動)と、サブオイルポンプ15(モータ駆動)と、メインオイルポンプ14からのポンプ吐出圧を調圧することで生成したライン圧PLを元圧として第1,第2クラッチ油圧及び変速油圧を作り出す図外のコントロールバルブユニットと、を有する。なお、メインオイルポンプ14は、モータ/ジェネレータ4のモータ軸(=変速機入力軸)により回転駆動される。サブオイルポンプ15は、主に潤滑冷却用油を作り出す補助ポンプとして用いられる。
前記第1クラッチ3とモータ/ジェネレータ4と第2クラッチ5により1モータ・2クラッチの駆動システムが構成され、この駆動システムによる主な駆動態様として「EVモード」と「HEVモード」と「HEV WSCモード」を有する。「EVモード」は、第1クラッチ3を開放し、第2クラッチ5を締結してモータ/ジェネレータ4のみを駆動源に有する電気自動車モードであり、「EVモード」による走行を「EV走行」という。「HEVモード」は、両クラッチ3,5を締結して横置きエンジン2とモータ/ジェネレータ4を駆動源に有するハイブリッド車モードであり、「HEVモード」による走行を「HEV走行」という。「HEV WSCモード」は、「HEVモード」において、モータ/ジェネレータ4をモータ回転数制御とし、第2クラッチ5を要求駆動力相当の容量にてスリップ締結するCL2スリップ締結モードである。この「HEV WSCモード」は、駆動系にトルクコンバータのような回転差吸収継手を持たないことで、「HEVモード」での停車からの発進域等において、横置きエンジン2(アイドル回転数以上)と左右前輪10L,10Rの回転差をCL2スリップ締結により吸収するために選択される。
なお、図1の回生協調ブレーキユニット16は、ブレーキ操作時、原則として回生動作を行うことに伴い、トータル制動トルクをコントロールするデバイスである。この回生協調ブレーキユニット16には、ブレーキペダルと、横置きエンジン2の吸気負圧を用いる負圧ブースタと、マスタシリンダと、を備える。そして、ブレーキ操作時、ペダル操作量に基づく要求制動力から回生制動力を差し引いた分を液圧制動力で分担するというように、回生分/液圧分の協調制御を行う。
FFハイブリッド車両の電源システムとしては、図1に示すように、モータ/ジェネレータ電源としての強電バッテリ21と、12V系負荷電源としての12Vバッテリ22と、を備えている。
前記強電バッテリ21は、モータ/ジェネレータ4の電源として搭載された二次電池であり、例えば、多数のセルにより構成したセルモジュールを、バッテリパックケース内に設定したリチウムイオンバッテリが用いられる。この強電バッテリ21には、強電の供給/遮断/分配を行うリレー回路を集約させたジャンクションボックスが内蔵され、さらに、バッテリ冷却機能を持つ冷却ファンユニット24と、バッテリ充電容量(バッテリSOC)やバッテリ温度を監視するリチウムバッテリコントローラ86と、が付設される。
前記強電バッテリ21とモータ/ジェネレータ4は、DCハーネス25とインバータ26とACハーネス27を介して接続される。インバータ26には、力行/回生制御を行うモータコントローラ83が付設される。つまり、インバータ26は、強電バッテリ21の放電によりモータ/ジェネレータ4を駆動する力行時、DCハーネス25からの直流をACハーネス27への三相交流に変換する。また、モータ/ジェネレータ4での発電により強電バッテリ21を充電する回生時、ACハーネス27からの三相交流をDCハーネス25への直流に変換する。
前記12Vバッテリ22は、スタータモータ1及び補機類である12V系負荷の電源として搭載された二次電池であり、例えば、エンジン車等で搭載されている鉛バッテリが用いられる。強電バッテリ21と12Vバッテリ22は、DC分岐ハーネス25aとDC/DCコンバータ37とバッテリハーネス38を介して接続される。DC/DCコンバータ37は、強電バッテリ21からの数百ボルト電圧を12Vに変換するものであり、このDC/DCコンバータ37を、ハイブリッドコントロールモジュール81により制御することで、12Vバッテリ22の充電量を管理する構成としている。
FFハイブリッド車両の制御システムとしては、図1に示すように、車両全体の消費エネルギーを適切に管理する機能を担う統合制御手段として、ハイブリッドコントロールモジュール81(略称:「HCM」)を備えている。このハイブリッドコントロールモジュール81に接続される制御手段として、エンジンコントロールモジュール82(略称:「ECM」)と、モータコントローラ83(略称:「MC」)と、CVTコントロールユニット84(略称:「CVTCU」)と、リチウムバッテリコントローラ86(略称:「LBC」)と、を有する。ハイブリッドコントロールモジュール81を含むこれらの制御手段は、CAN通信線90(CANは「Controller Area Network」の略称)により双方向情報交換可能に接続される。
前記ハイブリッドコントロールモジュール81は、各制御手段、イグニッションスイッチ91、アクセル開度センサ92、車速センサ93等からの入力情報に基づき、様々な制御を行う。エンジンコントロールモジュール82は、横置きエンジン2の燃料噴射制御や点火制御や燃料カット制御等を行う。モータコントローラ83は、インバータ26によるモータジェネレータ4の力行制御や回生制御等を行う。CVTコントロールユニット84は、第1クラッチ3の締結油圧制御、第2クラッチ5の締結油圧制御、ベルト式無段変速機6の変速油圧制御等を行う。リチウムバッテリコントローラ86は、強電バッテリ21のバッテリSOCやバッテリ温度等を管理する。
[クラッチスリップ発進制御の詳細構成]
図2は、実施例1のハイブリッドコントロールモジュール81に有するモータ制御によるクラッチスリップ発進制御系の制御構成例を示す。以下、図2に基づき、クラッチスリップ発進制御系の制御構成を説明する。
モータ回転数制御によるクラッチスリップ発進制御系は、図2に示すように、目標CL2入力回転数演算ブロック51と、モータアクチュエータ制御ブロック52と、を備えている。
前記目標CL2入力回転数演算ブロック51は、エンジン/MG回転、CVT入力回転、CVT出力回転(車速)、シフトレンジ、クラッチフェーシング温度、CL2トルク容量指令(要求駆動力相当)、TCS,VDC,ABSスピン判定を入力する。そして、これらの情報に基づき、目標CL2入力回転数(=目標モータ回転数)を演算し、モータアクチュエータ制御ブロック52へ出力する。ここで、クラッチフェーシング温度は、センサで検出しても良いし、雰囲気温度や差回転や締結トルク等から推定しても良い。
前記モータアクチュエータ制御ブロック52は、モータ回転数制御部52aと、モータトルク制御部52bと、インバータSW制御部52cと、を有する。そして、目標CL2入力回転数演算ブロック51から入力される目標CL2入力回転数(=目標モータ回転数)を得るモータ回転制御によるモータ駆動指令をインバータ26へ出力する。
図3は、クラッチスリップ発進制御系のうち目標CL2入力回転数演算ブロック51の詳細構成例を示す。以下、図3に基づき、目標CL2入力回転数演算ブロック51の詳細構成を説明する。
前記目標CL2入力回転数演算ブロック51は、図3に示すように、ベース目標CL2差回転演算部51aと、振動成分抽出部51bと、振動振幅演算部51cと、CL2差回転上乗せ回転演算部51dと、CL2制振制御作動/非作動判定部51eと、作動/非作動処理部51fと、変化率制限部51gと、加算部51hと、を備えている。そして、上限目標CL2差回転演算部51iと、クラッチ保護用上限目標CL2差回転演算部51jと、振動成分減衰演算部51kと、セレクトロー部51mと、加算部51nと、を備えている。
前記ベース目標CL2差回転演算部51aは、アクセル開度と車速からベース目標CL2差回転を演算する。
前記振動成分抽出部51bは、CVT入力回転から駆動系ねじり共振周波数振動成分を、バンドパスフィルタBPFとハイパスフィルタHPFの組み合わせにより抽出する。
前記振動振幅演算部51cは、抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分から振動振幅を演算する。
前記CL2差回転上乗せ回転演算部51dは、演算された振動振幅の大きさに応じてCL2差回転を上乗せする回転数を演算する。
前記CL2制振制御作動/非作動判定部51eは、CL2スリップ判定信号、車速、TCS,VDC,ABSスピン判定、各種異常信号を入力し、CL2スリップ発進時によるCL2制振制御作動条件が成立しているか否かを判定する。
前記作動/非作動処理部51fは、CL2制振制御作動時、CL2差回転上乗せ回転演算部51dにより演算された上乗せ回転とし、CL2制振制御非作動時、上乗せ回転=0とする処理を行う。
前記変化率制限部51gは、上乗せするCL2差回転に変化率制限処理を実施する。
前記加算部51hは、ベース目標CL2差回転に、変化率制限処理が実施された上乗せ回転を加算してCL2差回転とする。
前記上限目標CL2差回転演算部51iは、アクセル開度と車速から上限目標CL2差回転を演算する。
前記クラッチ保護用上限目標CL2差回転演算部51jは、第2クラッチCL2のクラッチフェーシング温度をモニターしてクラッチ保護用の上限目標CL2差回転を演算する。
前記振動成分減衰演算部51kは、CVT入力回転信号から駆動系ねじり共振周波数振動成分を減衰させたCVT入力回転を演算する。
前記セレクトロー部51mは、加算部51hからのCL2差回転と、上限目標CL2差回転演算部51iからの上限目標CL2差回転と、クラッチ保護用上限目標CL2差回転演算部51jからの上限目標CL2差回転と、のうち、セレクトローにより選択したものを目標CL2差回転とする。
前記加算部51nは、振動成分減衰演算部51kからの駆動系ねじり共振周波数振動成分を減衰させたCVT入力回転に、セレクトロー部51mからの目標CL2差回転を加算し、最終の目標CL2入力回転数を演算する。
図4は、ハイブリッドコントロールモジュール81にて実行されるクラッチスリップ発進制御処理の流れを示す(クラッチスリップ発進制御手段)。以下、クラッチスリップ発進制御処理構成をあらわす図4の各ステップについて説明する。このフローチャートによるクラッチスリップ発進制御は、HEV WSCモードの選択時に実行される。
ステップS01では、アクセル開度と車速からベースの目標CL2差回転を演算し、ステップS02へ進む。
ステップS02では、ステップS01でのベースの目標CL2差回転演算に続き、CVT入力回転から駆動系ねじり共振周波数付近の振動成分(=駆動系ねじり共振周波数振動成分)を抽出するフィルタを施し、ステップS03へ進む。
具体的には、バンドパスフィルタBPFとハイパスフィルタHPFの組み合わせにより駆動系ねじり共振周波数振動成分のみを抽出する。すなわち、2次のバンドパスフィルタBPFだと、低周波数域のゲインが高く、DC成分が残るため、加減速時にBPF出力がオフセットしてしまう。そこで、ハイパスフィルタHPFを追加して低周波数成分のゲインを下げる。このように、バンドパスフィルタBPFとハイパスフィルタHPFを組み合わせると低周波数成分を下げて、共振周波数付近のみ抽出できる。
ステップS03では、ステップS02での駆動系ねじり共振周波数振動成分の抽出に続き、抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分から振動振幅(振動周波数の半周期の移動最大値)を演算する。そして、演算された振動振幅の大きさに応じてCL2差回転を上乗せする回転数を演算し、ステップS04へ進む。
ここで、CL2差回転の上乗せ回転は、周知のP制御、PI制御、PID制御などで、振動振幅が大きいほど高い上乗せする回転数を演算する。
ステップS04では、ステップS03でのCL2差回転の上乗せ回転の演算に続き、第2クラッチCL2の入力/出力回転からCL2差回転を演算することでCL2スリップを判定し、かつ、CVT出力回転から車速を演算し、CL2スリップ発進時によるCL2制振制御作動条件が成立しているか否かを判断する。YES(作動条件成立)の場合はステップS06へ進み、NO(作動条件非成立)の場合はステップS05へ進む。
なお、TCSやVDC(横滑り防止制御装置)、ABS作動フラグを他の演算部から信号を受け取った場合には、作動条件非成立と判断する。
ステップS05では、ステップS05での作動条件非成立であるとの判断に続き、拡大するCL2差回転をリセット(0)にし、ステップS06へ進む。
ステップS06では、ステップS05での作動条件成立であるとの判断、或いは、ステップS06での拡大するCL2差回転リセットに続き、ステップS03で演算した上乗せするCL2差回転に変化率制限処理を施し、ステップS01で演算したベース目標CL2差回転に加算してCL2差回転とし、ステップS07へ進む。
ステップS07では、ステップS06でのCL2差回転(=ベース目標CL2差回転+上乗せCL2差回転)の演算に続き、CL2差回転に上限処理を施し、ステップS08へ進む。
ここで、CL2差回転に上限処理を施すのは、CL2差回転を上げすぎると、下記2つの跳ね返りがあるためである。
(1) CL2差回転を上げすぎると、回転違和感などになるため、上限を設定できるようにする。この場合、ステップS01と同様に、アクセル開度と車速から演算する。
(2) CL2差回転を上げすぎると、クラッチフェーシング耐久性に影響があるため、クラッチフェーシング温度をモニターして制限する。このとき、クラッチフェーシング温度での一発判定により制限するのに加え、温度履歴を時間積算でも制限する。
ステップS08では、ステップS07でのCL2差回転への上限処理実施に続き、駆動系ねじり共振周波数振動成分を減衰させたCVT入力回転に、上限処理を施した後のCL2差回転を加算し、最終の目標CL2入力回転数とし、リターンへ進む。
すなわち、駆動系ねじり振動が発生すると、CVT入力回転も振動するため、目標回転数も振動してしまう。そのため、CVT入力回転信号から駆動系ねじり共振周波数振動成分を減衰させる。具体的な駆動系ねじり共振周波数振動成分を減衰はノッチフィルタを用いる。但し、ノッチフィルタは、低周波数域の位相が遅れてしまい、目標回転が狙いよりも小さくなり、正駆動力要求時にプライマリ回転よりも目標回転が小さくなるリスクがあるため、低周波数成分の位相を進ませる位相進み補償器を追加する。
次に、作用を説明する。
実施例1のFFハイブリッド車両のクラッチスリップ発進制御装置における作用を、[クラッチスリップ発進制御処理作用]、[HEV WSCモードでのクラッチスリップ発進制御作用]に分けて説明する。
[クラッチスリップ発進制御処理作用]
HEV WSCモードでのCL2スリップ発進時、第2クラッチCL2の差回転を拡大するクラッチスリップ発進制御処理作用を、図4に示すフローチャートに基づき説明する。
CL2スリップ発進時であるというCL2制振制御作動条件が成立すると、図4のフローチャートにおいて、ステップS01→ステップS02→ステップS03→ステップS04→ステップS06→ステップS07→ステップS08へと進む流れが繰り返される。
ステップS01では、アクセル開度と車速からベースの目標CL2差回転が演算され、ステップS02では、CVT入力回転から駆動系ねじり共振周波数振動成分を抽出するフィルタ(バンドパスフィルタBPFとハイパスフィルタHPFの組み合わせ)が施される。ステップS03では、抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分から振動振幅が演算され、演算された振動振幅の大きさに応じてCL2差回転を上乗せする回転数が演算される。
ステップS04では、CL2スリップ判定と車速判定によりCL2スリップ発進時によるCL2制振制御作動条件が成立していることが判断される。ステップS06では、ステップS03で演算した上乗せするCL2差回転に変化率制限処理が施され、ステップS01で演算したベース目標CL2差回転に加算してCL2差回転とされる。ステップS07では、CL2差回転に、アクセル開度と車速からの演算による上限処理と、クラッチフェーシング温度のモニターによる上限処理が施される。ステップS08では、駆動系ねじり共振周波数振動成分を減衰させたCVT入力回転に、上限処理を施した後のCL2差回転が加算され、最終の目標CL2入力回転数とされる。
このように、ベース目標CL2差回転に、変化率制限処理が施された上乗せ目標CL2差回転を加算し、これをCL2差回転とすることで、第2クラッチCL2の差回転が拡大される。但し、演算されたCL2差回転に対しては、アクセル開度と車速からの演算による上限処理と、クラッチフェーシング温度のモニターによる上限処理が施される。
[HEV WSCモードでのクラッチスリップ発進制御作用]
HEV WSCモードでのCL2スリップ発進時、CL2差回転拡大により駆動系ねじり共振周波数振動を抑制するクラッチスリップ発進制御作用を、図5に示すタイムチャートに基づき説明する。
時刻t1はアクセル踏み込み開始時刻であり、時刻t2は車両の発進開始時刻であり、時刻t3からCVT入力回転数の点線特性に示すように、駆動系ねじり共振周波数振動が発生している。したがって、時刻t3から駆動系ねじり共振周波数振動の振動振幅に応じた上乗せ目標CL2差回転が、ベース目標CL2差回転に加算される。このとき、時刻t3〜時刻t4の上乗せ目標CL2差回転特性に示すように、上乗せ目標CL2差回転は、変化率制限を受けるため、エンジン/モータ回転数(=目標CL2入力回転数)が緩やかな勾配により上昇する。
時刻t4になると、上限目標CL2差回転により上限回転が制限され、時刻t5まではエンジン/モータ回転数(=目標CL2入力回転数)が、上限CL2入力回転数のままで維持される。そして、時刻t5になると、駆動系ねじり共振周波数振動が応答良く収束し、上限目標CL2差回転による制限が解除され、時刻t5〜時刻t6の上乗せ目標CL2差回転特性に示すように、上乗せ目標CL2差回転は、変化率制限を受けながら、ベース目標CL2差回転に向かって緩やかな勾配により低下する。ちなみに、このタイムチャートによると、クラッチ保護用上限目標CL2差回転による制限は受けない。
すなわち、図5の矢印Aに示すハッチング領域が、CL2差回転拡大領域となり、このCL2差回転を振動振幅の大きさによって拡大することにより、図5の矢印Bに示すように、早い振動収束により駆動系ねじり共振周波数振動が低減されていることがわかる。
上記のように、実施例1では、クラッチスリップ発進時、ベース目標CL2差回転に、駆動系ねじり共振周波数振動成分の振動振幅の大きさに応じて演算されたCL2差回転上乗せ回転を加算して目標クラッチ差回転とする構成とした。
すなわち、駆動系ねじり共振周波数振動の振動振幅の大きさに応じ、ベース目標CL2差回転による基本のクラッチスリップ回転が拡大される。このように、CL2スリップ回転を拡大することにより、第2クラッチCL2のμ−v特性においてクラッチ動摩擦係数が安定している領域の動作点を使うため、駆動系ねじり共振周波数振動が低減する。加えて、振動振幅が大きいほどCL2差回転上乗せ回転を高くし、振動振幅の大きさに応じてCL2スリップ回転を拡大するので、上乗せ回転を一定で与える場合に比べ、駆動系ねじり共振周波数振動の収束が早くなる。さらに、駆動系ねじり共振周波数振動以外の振動ではCL2スリップ回転を上げないので、高周波ノイズに対してロバストになり、無駄なCL2スリップ回転拡大を実施しない。
この結果、HEV WSCモードでのCL2スリップ発進時、早い振動収束により駆動系ねじり共振周波数振動の低減を達成することができる。
実施例1では、アクセル開度と車速に応じて上限目標CL2差回転を演算する上限目標CL2差回転演算部51iを有し、加算部51hにより演算された目標CL2差回転の上限を、上限目標CL2差回転により制限する構成とした。
例えば、アクセル開度や車速が低い発進直後に目標CL2差回転の上限を制限しないと、大きな目標CL2差回転に向かってエンジン/モータ回転数が急上昇することがあり、乗員に対し回転吹け上がり違和感を与えることになる。
これに対し、アクセル開度と車速に応じて目標CL2差回転の上限を制限することで、回転吹け上がり違和感防止と、駆動系ねじり振動の低減と、の両立を図ることができる。
実施例1では、クラッチ温度情報に基づきクラッチ保護用上限目標CL2差回転を演算するクラッチ保護用上限目標CL2差回転演算部51jを有し、加算部51hにより演算された目標CL2差回転の上限を、クラッチ保護用上限目標CL2差回転により制限する構成とした。
例えば、第2クラッチCL2のフェーシング温度が高いとき、目標CL2差回転の上限を制限しないと、CL2差回転(スリップ量)の拡大によりさらに第2クラッチCL2のフェーシング温度が上昇し、フェーシング耐久性が低下する。
これに対し、クラッチ温度情報に基づきCL2差回転の上限を制限することで、第2クラッチCL2を熱影響から保護し、クラッチフェーシング耐久性を向上することができる。
実施例1では、クラッチ保護用上限目標CL2差回転演算部51jは、演算されるクラッチ保護用上限目標CL2差回転に対して変化率制限を施さない構成とした。
例えば、クラッチ保護用上限目標CL2差回転の上昇に対して変化率制限を施すと、第2クラッチCL2のフェーシング温度の上昇抑制が遅れる。
これに対し、クラッチ保護用上限目標CL2差回転に変化率制限を施さないことで、第2クラッチCL2の温度保護と、駆動系ねじり振動の低減と、の両立を図ることができる。
実施例1では、CL2差回転上乗せ回転に対して変化率制限を施す変化率制限部51gを有し、加算部51hは、ベース目標CL2差回転に、変化率制限が施されたCL2差回転上乗せ回転を加算して目標クラッチ差回転とする構成とした。
例えば、CL2差回転上乗せ回転に対して変化率制限を施さないと、目標CL2差回転が大きく変動するとき、目標CL2差回転に向かって急勾配によりエンジン/モータ回転数が上昇したり低下したりし、乗員に対し回転違和感を与える。
これに対し、CL2差回転上乗せ回転に変化率制限を施すことで、急勾配の回転変動による回転違和感防止と、駆動系ねじり振動の低減と、の両立を図ることができる。
実施例1では、CVT入力回転信号から駆動系ねじり共振周波数振動成分を減衰させたCVT入力回転を演算する振動成分減衰演算部51kと、目標CL2差回転に、CVT入力回転を加算して最終の目標CL2入力回転数とする加算部51nと、を有する構成とした。
すなわち、HEV WSC発進時、プライマリ回転(=CVT入力回転)は、駆動系ねじり共振周波数(6Hz〜7Hz)で振動し、目標CL2入力回転数の演算にCVT入力回転を使っているため、目標CL2入力回転数も振動し、駆動系ねじり共振の収束を妨げることになる。
このため、目標CL2入力回転にしようとするCVT入力回転に、駆動系ねじり共振周波数成分を除去するフィルタ(ノッチフィルタ)を施すことで、CVT入力回転信号から駆動系ねじり共振周波数振動成分を減衰させている。
したがって、目標CL2入力回転数を演算する際、駆動系ねじり共振周波数振動の収束性を妨げる要因を排除することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のFFハイブリッド車両のクラッチスリップ発進制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 駆動源(横置きエンジン2、モータ/ジェネレータ4)と駆動輪(左右前輪10L,10R)との間の駆動系に設けられた摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)と、前記摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)をスリップさせて車両を発進させる制御を行うクラッチスリップ発進制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)と、を備えた車両(FFハイブリッド車両)のクラッチスリップ発進制御装置において、
前記クラッチスリップ発進制御手段(図3)は、
車両発進時に前記摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)に与える基本クラッチスリップ回転としてのベース目標クラッチ差回転(ベース目標CL2差回転)を演算するベース目標クラッチ差回転演算部(ベース目標CL2差回転演算部51a)と、
前記摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)の入力回転(CVT入力回転)から駆動系ねじり共振周波数振動成分を抽出する振動成分抽出部51bと、
前記抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分から振動振幅を演算し、振動振幅の大きさに応じてクラッチ差回転上乗せ回転(CL2差回転上乗せ回転)を演算するクラッチ差回転上乗せ回転演算部(CL2差回転上乗せ回転演算部51d)と、
前記ベース目標クラッチ差回転(ベース目標CL2差回転)に、前記クラッチ差回転上乗せ回転(CL2差回転上乗せ回転)を加算して目標クラッチ差回転とする加算部51hと、
を有する。
このため、クラッチスリップ発進時(CL2スリップ発進時)、早い振動収束により駆動系ねじり共振周波数振動の低減を達成することができる。
(2) 前記クラッチスリップ発進制御手段(図3)は、アクセル開度と車速に応じて上限目標差回転(上限目標CL2差回転)を演算する上限目標差回転演算部(上限目標CL2差回転演算部51i)を有し、
前記上限目標差回転演算部(上限目標CL2差回転演算部51i)は、前記加算部51hにより演算された目標クラッチ差回転(目標CL2差回転)の上限を、前記上限目標差回転(上限目標CL2差回転)により制限する。
このため、(1)の効果に加え、回転吹け上がり違和感防止と、駆動系ねじり振動の低減と、の両立を図ることができる。
(3) 前記クラッチスリップ発進制御手段(図3)は、クラッチ温度情報に基づきクラッチ保護用上限目標差回転(クラッチ保護用上限目標CL2差回転)を演算するクラッチ保護用上限目標差回転演算部(クラッチ保護用上限目標CL2差回転演算部51j)を有し、
前記クラッチ保護用上限目標差回転演算部(クラッチ保護用上限目標CL2差回転演算部51j)は、前記加算部51hにより演算された目標クラッチ差回転(目標CL2差回転)の上限を、前記クラッチ保護用上限目標差回転(クラッチ保護用上限目標CL2差回転)により制限する。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)を熱影響から保護し、クラッチフェーシング耐久性を向上することができる。
(4) 前記クラッチ保護用上限目標差回転演算部(クラッチ保護用上限目標CL2差回転演算部51j)は、演算されるクラッチ保護用上限目標差回転(クラッチ保護用上限目標CL2差回転)に対して変化率制限を施さない。
このため、(3)の効果に加え、摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)の温度保護と、駆動系ねじり振動の低減と、の両立を図ることができる。
(5) 前記クラッチスリップ発進制御手段(図3)は、前記クラッチ差回転上乗せ回転(CL2差回転上乗せ回転)に対して変化率制限を施す変化率制限部51gを有し、
前記加算部51hは、前記ベース目標クラッチ差回転(ベース目標CL2差回転)に、前記変化率制限が施されたクラッチ差回転上乗せ回転(CL2差回転上乗せ回転)を加算して目標クラッチ差回転(目標CL2差回転)とする。
このため、(1)〜(4)の効果に加え、急勾配の回転変動による回転違和感防止と、駆動系ねじり振動の低減と、の両立を図ることができる。
(6) 前記クラッチスリップ発進制御手段(図3)は、クラッチ入力回転信号(CVT入力回転信号)から駆動系ねじり共振周波数振動成分を減衰させたクラッチ入力回転(CVT入力回転)を演算する振動成分減衰演算部51kと、
前記目標クラッチ差回転(目標CL2差回転)に、前記クラッチ入力回転(CVT入力回転)を加算して最終の目標クラッチ入力回転数(目標CL2入力回転数)とする加算部51nと、を有する。
このため、(1)〜(5)の効果に加え、目標クラッチ入力回転数(目標CL2入力回転数)を演算する際、駆動系ねじり共振周波数振動の収束性を妨げる要因を排除することができる。
以上、本発明の車両のクラッチスリップ発進制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、クラッチ保護用上限目標差回転演算部として、クラッチフェーシング温度をモニターし、クラッチ保護用上限目標CL2差回転を演算するクラッチ保護用上限目標CL2差回転演算部51jの例を示した。しかし、クラッチ保護用上限目標差回転演算部としては、クラッチ温度を積算し、熱履歴を演算してクラッチ保護用上限目標CL2差回転を演算するような例としても良い。
実施例1では、変化率制限部51gとして、CL2差回転上乗せ回転の上昇/下降に対して同様に変化率制限を施す例を示した。しかし、変化率制限部としては、CL2差回転上乗せ回転の上昇/下降に対して別々に変化率制限を施すような例としても良い。
実施例1では、駆動系のトランスミッションとして、ベルト式無段変速機CVTを搭載した例を示した。しかし、駆動系のトランスミッションとしては、CVTに限らず、複数のギヤ段を自動変速する自動変速機AT、2つのクラッチを持つデュアルクラッチトランスミッションDCT、手動変速機を自動化した自動マニュアルトランスミッションAMT等、クラッチスリップ発進する全てを含む。
実施例1では、クラッチスリップ発進制御を、モータ制御により行う例を示した。しかし、クラッチスリップ発進制御は、モータ以外で実施する例としても良く、この場合は、図2のモータアクチュエータ制御ブロック52が、当該アクチュエータ制御ブロックに変わる。
実施例1では、本発明のクラッチスリップ発進制御装置をFFハイブリッド車両に適用する例を示した。しかし、本発明の制御装置は、FFハイブリッド車両に限らず、他のハイブリッド車両(FRハイブリッド車両や4WDハイブリッド車両)、電気自動車、エンジン車等に対しても適用することができる。要するに、駆動源と駆動輪との間の駆動系に設けられた摩擦クラッチをスリップさせて車両を発進させる制御を行う車両であれば適用できる。
2 横置きエンジン(駆動源)
3 第1クラッチ
4 モータ/ジェネレータ(駆動源)
5 第2クラッチ(摩擦クラッチ)
6 ベルト式無段変速機
10R,10L 左右前輪(駆動輪)
11R,11L 左右後輪
81 ハイブリッドコントロールモジュール(クラッチスリップ発進制御手段)
51 目標CL2入力回転数演算ブロック
51a ベース目標CL2差回転演算部
51b 振動成分抽出部
51c 振動振幅演算部
51d CL2差回転上乗せ回転演算部
51e CL2制振制御作動/非作動判定部
51f 作動/非作動処理部
51g 変化率制限部
51h 加算部
51i 上限目標CL2差回転演算部
51j クラッチ保護用上限目標CL2差回転演算部
51k 振動成分減衰演算部
51m セレクトロー部
51n 加算部

Claims (6)

  1. 駆動源と駆動輪との間の駆動系に設けられた摩擦クラッチと、前記摩擦クラッチをスリップさせて車両を発進させる制御を行うクラッチスリップ発進制御手段と、を備えた車両のクラッチスリップ発進制御装置において、
    前記クラッチスリップ発進制御手段は、
    車両発進時に前記摩擦クラッチに与える基本クラッチスリップ回転としてのベース目標クラッチ差回転を演算するベース目標クラッチ差回転演算部と、
    前記摩擦クラッチの入力回転から駆動系ねじり共振周波数振動成分を抽出する振動成分抽出部と、
    前記抽出した駆動系ねじり共振周波数振動成分から振動振幅を演算し、振動振幅の大きさに応じてクラッチ差回転上乗せ回転を演算するクラッチ差回転上乗せ回転演算部と、
    前記ベース目標クラッチ差回転に、前記クラッチ差回転上乗せ回転を加算して目標クラッチ差回転とする加算部と、
    を有することを特徴とする車両のクラッチスリップ発進制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両のクラッチスリップ発進制御装置において、
    前記クラッチスリップ発進制御手段は、アクセル開度と車速に応じて上限目標差回転を演算する上限目標差回転演算部を有し、
    前記上限目標差回転演算部は、前記加算部により演算された目標クラッチ差回転の上限を、前記上限目標差回転により制限する
    ことを特徴とする車両のクラッチスリップ発進制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載された車両のクラッチスリップ発進制御装置において、
    前記クラッチスリップ発進制御手段は、クラッチ温度情報に基づきクラッチ保護用上限目標差回転を演算するクラッチ保護用上限目標差回転演算部を有し、
    前記クラッチ保護用上限目標差回転演算部は、前記加算部により演算された目標クラッチ差回転の上限を、前記クラッチ保護用上限目標差回転により制限する
    ことを特徴とする車両のクラッチスリップ発進制御装置。
  4. 請求項3に記載された車両のクラッチスリップ発進制御装置において、
    前記クラッチ保護用上限目標差回転演算部は、演算されるクラッチ保護用上限目標差回転に対して変化率制限を施さない
    ことを特徴とする車両のクラッチスリップ発進制御装置。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載された車両のクラッチスリップ発進制御装置において、
    前記クラッチスリップ発進制御手段は、前記クラッチ差回転上乗せ回転に対して変化率制限を施す変化率制限部を有し、
    前記加算部は、前記ベース目標クラッチ差回転に、前記変化率制限が施されたクラッチ差回転上乗せ回転を加算して目標クラッチ差回転とする
    ことを特徴とする車両のクラッチスリップ発進制御装置。
  6. 請求項1から5までの何れか一項に記載された車両のクラッチスリップ発進制御装置において、
    前記クラッチスリップ発進制御手段は、クラッチ入力回転信号から駆動系ねじり共振周波数振動成分を減衰させたクラッチ入力回転を演算する振動成分減衰演算部と、
    前記目標クラッチ差回転に、前記クラッチ入力回転を加算して最終の目標クラッチ入力回転数とする加算部と、
    を有することを特徴とする車両のクラッチスリップ発進制御装置。
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