JP6488788B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、摩擦クラッチを開放する減速時、モータと駆動輪の間に介装された摩擦クラッチのスリップイン制御を行うハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、エンジン始動要求時、第2クラッチCL2のスリップを開始させるCL2スリップイン制御を、モータトルクを上昇させて行うハイブリッド車両のエンジン始動制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−69817号公報
しかしながら、従来装置は、モータトルクの上昇勾配として一定傾きの勾配を与え、CL2スリップイン制御を開始するようにしている。このため、第2クラッチCL2を開放する減速時、モータトルクの上昇傾きとして急な勾配角度を与えると、締結状態のクラッチプレートを引き剥がすスリップ開始域でのトルク急変により、スリップインショックを生じることがある、という問題があった。一方、モータトルクの上昇傾きとして緩やかな勾配角度を与えると、第2クラッチCL2での差回転の発生が遅れてしまい、この遅れによりエンジン回転数が低下し、エンジンストールを招くことがある、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、摩擦クラッチのスリップイン制御が行われる減速時、スリップインショック抑制と、エンジンストール防止との両立を図るハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、駆動源にエンジンとモータを有し、モータと駆動輪との間に摩擦クラッチを介装した駆動系を備える。
このハイブリッド車両において、摩擦クラッチを開放する減速時、車速の低下によりスリップイン車速になると、クラッチトルク容量の低下とモータトルクの上昇により前記摩擦クラッチをスリップ締結状態にするスリップイン制御を開始するコントローラを設ける。
コントローラは、スリップイン制御中、モータトルクの上昇傾きを、制御開始からの前半域においてトルク上昇が緩やかな上昇勾配にし、後半域に入ると前半域の上昇勾配よりトルク上昇が急な上昇勾配にする。
よって、スリップイン制御中、モータトルクの上昇傾きが、制御開始からの前半域においてトルク上昇が緩やかな上昇勾配にされ、後半域に入ると前半域の上昇勾配よりトルク上昇が急な上昇勾配にされる。
即ち、スリップイン制御の開始からの前半域においてトルク上昇が緩やかな上昇勾配にされることで、締結状態のクラッチプレートを引き剥がすスリップ開始域でトルク急変が抑えられる。そして、スリップイン制御の後半域に入るとトルク上昇が急な上昇勾配にされることで、摩擦クラッチが速やかにスリップ状態に移行することにより、エンジン回転数の低下が抑えられる。
この結果、摩擦クラッチのスリップイン制御が行われる減速時、スリップインショック抑制と、エンジンストール防止との両立を図ることができる。
実施例1の制御装置が適用されたFFハイブリッド車両を示す全体システム図である。 実施例1のハイブリッドコントロールモジュールにおいて減速時に実行されるCL2スリップイン制御処理の流れを示すフローチャートである。 図2のCL2スリップイン制御処理においてステップS04のモータトルクの上昇勾配切り替えで用いられるトランスミッション入力回転数(車速)に対するCL2開放中モータトルク傾きの関係を示すモータトルク傾き特性図である。 図2のCL2スリップイン制御処理においてステップS04のモータトルクの上昇勾配切り替えで用いられるCL2開放中モータトルク傾きをトランスミッション入力回転数に対する傾きと車速に対する傾きのセレクトハイで決めることを示すブロック図である。 図2のCL2スリップイン制御処理においてステップS05のCL2開放中モータトルク演算で用いられるEVモード/HEVモード/Dレンジ/Rレンジでの切り替え処理を示すブロック図である。 ドライブ走行シーンでの減速時に実施例1のCL2スリップイン制御が行われるときのスリップイン要求判定・CL2スリップ判定・CL2トルク容量指令・実CL2トルク容量・モータトルク指令・モータ回転数・目標モータ回転数・トランスミッション入力回転数・車速・ATF油温の各特性を示すタイムチャートである。 コースト走行シーンでのブレーキ踏み込み減速時に実施例1のCL2スリップイン制御を行うことによる協調回生制御の車速領域拡大効果を示す比較特性図である。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における制御装置は、左右前輪を駆動輪とし、変速機としてベルト式無段変速機を搭載したFFハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1のFFハイブリッド車両の制御装置の構成を、「全体システム構成」、「CL2スリップイン制御処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の制御装置が適用されたFFハイブリッド車両の全体システムを示す。以下、図1に基づいて、FFハイブリッド車両の全体システム構成を説明する。
FFハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、横置きエンジン2と、第1クラッチ3(略称「CL1」)と、モータジェネレータ4(略称「MG」)と、第2クラッチ5(略称「CL2」)と、ベルト式無段変速機6(略称「CVT」)と、を備えている。ベルト式無段変速機6の出力軸は、終減速ギアトレイン7と差動ギア8と左右のドライブシャフト9R,9Lを介し、左右の前輪10R,10Lに駆動連結される。なお、左右の後輪11R,11Lは、従動輪としている。
前記横置きエンジン2は、スタータモータ1と、クランク軸方向を車幅方向としてフロントルームに配置したエンジンであり、電動ウォータポンプ12と、横置きエンジン2の逆転を検知するクランク軸回転センサ13と、を有する。この横置きエンジン2は、エンジン始動方式として、第1クラッチ3を滑り締結しながらモータジェネレータ4によりクランキングする「MG始動モード」と、12Vバッテリ22を電源とするスタータモータ1によりクランキングする「スタータ始動モード」と、を有する。なお、「スタータ始動モード」は、極低温時条件等の限られた条件の成立時にのみに選択される。
前記モータジェネレータ4は、第1クラッチ3を介して横置きエンジン2に連結された三相交流の永久磁石型同期モータである。このモータジェネレータ4は、後述する強電バッテリ21を電源とし、ステータコイルには、力行時に直流を三相交流に変換し、回生時に三相交流を直流に変換するインバータ26が、ACハーネス27を介して接続される。なお、横置きエンジン2とモータジェネレータ4の間に介装された第1クラッチ3は、油圧作動による乾式又は湿式の多板クラッチであり、第1クラッチ油圧により完全締結/スリップ締結/開放が制御される。
前記第2クラッチ5は、モータジェネレータ4と駆動輪である左右の前輪10R,10Lとの間に介装された油圧作動による湿式多板摩擦クラッチであり、第2クラッチ油圧により完全締結/スリップ締結/開放が制御される。実施例1における第2クラッチ5は、遊星ギアによる前後進切替機構に設けられた前進クラッチ5aと後退ブレーキ5bを流用している。つまり、前進走行時には、前進クラッチ5aが第2クラッチ5とされ、後退走行時には、後退ブレーキ5bが第2クラッチ5とされる。
前記ベルト式無段変速機6は、プライマリプーリ6aと、セカンダリプーリ6bと、両プーリ6a,6bに掛け渡されたベルト6cと、を有する。そして、プライマリ油室とセカンダリ油室へ供給されるプライマリ圧とセカンダリ圧により、ベルト6cの巻き付き径を変えることで無段階の変速比を得る変速機である。ベルト式無段変速機6には、油圧源として、モータジェネレータ4のモータ軸(=変速機入力軸)により回転駆動されるメインオイルポンプ14(メカ駆動)と、補助ポンプとして用いられるサブオイルポンプ15(モータ駆動)と、を有する。そして、油圧源からのポンプ吐出圧を調圧することで生成したライン圧PLを元圧とし、第1クラッチ圧、第2クラッチ圧及びベルト式無段変速機6のプライマリ圧とセカンダリ圧を作り出すコントロールバルブユニット6dを備えている。
前記第1クラッチ3とモータジェネレータ4と第2クラッチ5により、1モータ・2クラッチと呼ばれるハイブリッド駆動システムが構成され、主な駆動態様として、「EVモード」、「HEVモード」、「WSCモード」を有する。「EVモード」は、第1クラッチ3を開放し、第2クラッチ5を締結してモータジェネレータ4のみを駆動源に有する電気自動車モードであり、「EVモード」による走行を「EV走行」という。「HEVモード」は、両クラッチ3,5を締結して横置きエンジン2とモータジェネレータ4を駆動源に有するハイブリッド車モードであり、「HEVモード」による走行を「HEV走行」という。「WSCモード」は、「HEVモード」又は「EVモード」において、第2クラッチ5をスリップ締結するCL2スリップ締結モードである。なお、「WSCモード」は、ハイブリッド駆動系に、トルクコンバータ等の回転差吸収要素を持たないことで設定されるモードである。特に、最低回転数をエンジンアイドル回転数とする「HEVモード」では、発進域や停車域において、第2クラッチ5をスリップ締結することにより、エンジン回転数とトランスミッション入力回転数の差回転を吸収する。
FFハイブリッド車両の制動系は、図1に示すように、ブレーキ操作ユニット16と、ブレーキ液圧制御ユニット17と、左右前輪ブレーキユニット18R,18Lと、左右後輪ブレーキユニット19R,19Lと、を備えている。この制動系では、ブレーキ操作時にモータジェネレータ4により回生を行うとき、ペダル操作に基づく要求制動力に対し、要求制動力から回生制動力を差し引いた分を、液圧制動力で分担する協調回生制御が行われる。
前記ブレーキ操作ユニット16は、ブレーキペダル16a、横置きエンジン2の吸気負圧を用いる負圧ブースタ16b、マスタシリンダ16c、等を有する。この協調回生ブレーキユニット16は、ブレーキペダル16aへ加えられるドライバーからのブレーキ踏力に応じ、所定のマスタシリンダ圧を発生するもので、電動ブースタを用いない簡易構成によるユニットとされる。
前記ブレーキ液圧制御ユニット17は、図示していないが、電動オイルポンプ、増圧ソレノイドバルブ、減圧ソレノイドバルブ、油路切り替えバルブ、等を有して構成される。ブレーキコントロールユニット85によるブレーキ液圧制御ユニット17の制御により、ブレーキ非操作時にホイールシリンダ液圧を発生する機能と、ブレーキ操作時にホイールシリンダ液圧を調圧する機能と、を発揮する。ブレーキ非操作時の液圧発生機能を用いる制御が、トラクション制御(TCS制御)や車両挙動制御(VDC制御)やエマージェンシーブレーキ制御(自動ブレーキ制御)、等である。ブレーキ操作時の液圧調整機能を用いる制御が、協調回生制御、アンチロックブレーキ制御(ABS制御)、等である。
前記左右前輪ブレーキユニット18R,18Lは、左右前輪10R,10Lのそれぞれに設けられ、左右後輪ブレーキユニット19R,19Lは、左右後輪11R,11Lのそれぞれに設けられ、各輪に液圧制動力を付与する。これらのブレーキユニット18R,18L,19R,19Lには、ブレーキ液圧制御ユニット17で作り出されたブレーキ液圧が供給される図外のホイールシリンダを有する。
FFハイブリッド車両の電源系は、図1に示すように、モータジェネレータ4の電源としての強電バッテリ21と、12V系負荷の電源としての12Vバッテリ22と、を備えている。
前記強電バッテリ21は、モータジェネレータ4の電源として搭載された二次電池であり、例えば、多数のセルにより構成したセルモジュールを、バッテリパックケース内に設定したリチウムイオンバッテリが用いられる。この強電バッテリ21には、強電の供給/遮断/分配を行うリレー回路を集約させたジャンクションボックスが内蔵され、さらに、バッテリ冷却機能を持つ冷却ファンユニット24と、バッテリ充電容量(バッテリSOC)やバッテリ温度を監視するリチウムバッテリコントローラ86と、が付設される。
前記強電バッテリ21とモータジェネレータ4は、DCハーネス25とインバータ26とACハーネス27を介して接続される。インバータ26には、力行/回生制御を行うモータコントローラ83が付設される。つまり、インバータ26は、強電バッテリ21の放電によりモータジェネレータ4を駆動する力行時、DCハーネス25からの直流をACハーネス27への三相交流に変換する。また、モータジェネレータ4での発電により強電バッテリ21を充電する回生時、ACハーネス27からの三相交流をDCハーネス25への直流に変換する。
前記12Vバッテリ22は、スタータモータ1及び補機類である12V系負荷の電源として搭載された二次電池であり、例えば、エンジン車等に搭載されている鉛バッテリが用いられる。強電バッテリ21と12Vバッテリ22は、DC分岐ハーネス25aとDC/DCコンバータ37とバッテリハーネス38を介して接続される。DC/DCコンバータ37は、強電バッテリ21からの数百ボルト電圧を12Vに変換するものであり、このDC/DCコンバータ37を、ハイブリッドコントロールモジュール81により制御することで、12Vバッテリ22の充電量を管理する構成としている。
FFハイブリッド車両の電子制御系は、図1に示すように、車両全体の消費エネルギーを適切に管理する統合制御機能を担う電子制御ユニットとして、ハイブリッドコントロールモジュール81(略称:「HCM」)を備えている。他の電子制御ユニットとして、エンジンコントロールモジュール82(略称:「ECM」)と、モータコントローラ83(略称:「MC」)と、CVTコントロールユニット84(略称:「CVTCU」)と、を有する。さらに、ブレーキコントロールユニット85(略称:「BCU」)と、リチウムバッテリコントローラ86(略称:「LBC」)と、を有する。これらの電子制御ユニット81,82,83,84,85,86は、CAN通信線90(CANは「Controller Area Network」の略称)により双方向情報交換可能に接続され、互いに情報を共有する。
前記ハイブリッドコントロールモジュール81は、他の電子制御ユニット82,83,84,85,86、イグニッションスイッチ91等からの情報を入力する。そして、これらの入力情報に基づき、様々な統合制御を行う。
前記エンジンコントロールモジュール82は、ハイブリッドコントロールモジュール81、エンジン回転数センサ92等からの情報を入力する。そして、これらの入力情報に基づき、横置きエンジン2の始動制御や燃料噴射制御や点火制御や燃料カット制御、エンジンアイドル回転制御、等を行う。
前記モータコントローラ83は、ハイブリッドコントロールモジュール81、モータ回転数センサ93等からの情報を入力する。そして、これらの入力情報に基づき、インバータ26に対する制御指令によりモータジェネレータ4の力行制御や回生制御、モータクリープ制御、モータアイドル制御、等を行う。
前記CVTコントロールユニット84は、ハイブリッドコントロールモジュール81、アクセル開度センサ94、車速センサ95、インヒビタースイッチ96、ATF油温センサ97、トランスミッション入力回転数センサ102等からの情報を入力する。そして、これらの入力情報に基づき、コントロールバルブユニット6dへ制御指令を出力し、第1クラッチ3の締結油圧制御、第2クラッチ5の締結油圧制御、ベルト式無段変速機6のプライマリ圧とセカンダリ圧による変速油圧制御、等を行う。
前記ブレーキコントロールユニット85は、ハイブリッドコントロールモジュール81、ブレーキスイッチ98、ブレーキストロークセンサ99等からの情報を入力する。そして、これらの入力情報に基づき、ブレーキ液圧制御ユニット17へ制御指令を出力し、TCS制御、VDC制御、自動ブレーキ制御、協調回生制御、ABS制御、等を行う。
前記リチウムバッテリコントローラ86は、バッテリ電圧センサ100、バッテリ温度センサ101等からの入力情報に基づき、強電バッテリ21のバッテリSOCやバッテリ温度等を管理する。
[CL2スリップイン制御処理構成]
図2は、実施例1のハイブリッドコントロールモジュール81(コントローラ)にて減速時に実行される実行されるCL2スリップイン制御処理の流れを示す。以下、減速時、CL2スリップ要求判定により制御を開始し、CL2スリップ判定により制御を終了するCL2スリップイン制御処理構成をあらわす図2の各ステップについて説明する。
ステップS01では、減速時に処理を開始し、各電子制御ユニット82,83,84,85,86(各ECU)からCAN通信線90を介して必要データを受信し、ステップS2へ進む。
ここで、「必要データ」とは、アクセル開度センサ94、ブレーキスイッチ98、車速センサ95、トランスミッション入力回転数センサ102、インヒビタースイッチ96、ATF油温センサ97、等からのデータをいう。つまり、アクセル開度情報、ブレーキ操作情報、車速情報、トランスミッション入力回転数情報、レンジ位置情報、ATF油温情報、等を必要情報とする。なお、「HEVモード」、「EVモード」のモード情報は、ハイブリッドコントロールモジュール81が保有する。
ステップS02では、ステップS01でのデータ受信、或いは、ステップS07でのCL2スリップ判定無しとの判断に続き、スリップイン要求が有るか否かの判定をし、YES(スリップイン要求有り)の場合はステップS03へ進み、NO(スリップイン要求無し)の場合はエンドへ進む。
ここで、「スリップイン要求」は、減速時、車速がCL2スリップイン車速を超えている間は「スリップイン要求無し」と判定され、車速がCL2スリップイン車速以下になると「スリップイン要求有り」と判定される。
この「CL2スリップイン車速」は、コースト走行シーンでのブレーキ踏み込み減速時、車速の低下にしたがって順に協調回生制御→ギアガタ詰め制御→CL2スリップイン制御を行うとき、ギアガタ詰め制御を終了する前の車速に設定する。そして、「スリップイン車速」は、協調回生制御を伴う「EVモード」での減速時のとき、協調回生制御を伴う「HEVモード」での減速時よりも低車速にする。
ステップS03では、ステップS02でのスリップイン要求有りとの判定に続き、第2クラッチCL2の油圧を下げるように、第2クラッチCL2へのCL2トルク容量指令を下げ、ステップS04へ進む。
ここで、「CL2トルク容量指令」は、モータトルクより高くて第2クラッチCL2が滑らない容量を持たせる指令から、モータトルクより低くて第2クラッチCL2が滑る容量になる指令まで低下させる。
ステップS04では、ステップS03でのCL2の油圧下げに続き、トランスミッション入力回転数、車速、ATF油温等によりモータトルクの上昇勾配(=CL2開放中モータトルク傾き)を切り替え、ステップS05へ進む。
ここで、CL2開放中モータトルク傾きの切り替えを、図3及び図4に基づき説明する。
CL2開放中モータトルク傾きは、図3に示すように、制御開始からの前半域においてトルク上昇が緩やかなCL2開放中モータトルク傾きにし、後半域に入ると前半域のCL2開放中モータトルク傾きよりトルク上昇が急なCL2開放中モータトルク傾きにする。
即ち、減速から停車への移行をあらわす減速停車情報として、トランスミッション入力回転数と車速を用い、図3に示すように、CL2スリップイン制御の前半域では上昇勾配α1を一定にする。CL2スリップイン制御の後半域では停車に近づくほど勾配角度が次第に増大する上昇勾配(α2→α3→α4、α1<α2<α3<α4)にする。そして、図3の破線特性に示すように、スリップイン制御の後半域でのCL2開放中モータトルク傾きを、ATF油温が低温であるほど急な勾配角度によるCL2開放中モータトルク傾きにする。
さらに、図4に示すように、トランスミッション入力回転数とATF油温によりCL2開放中モータトルク傾きを決め(ブロックB1)、車速とATF油温によりCL2開放中モータトルク傾きを決める(ブロックB2)。そして、2つの決めた傾きのうち、より大きい傾きを最終のCL2開放中モータトルク傾きとして選択する(ブロックB3)。
ステップS05では、ステップS04でのモータトルクの上昇勾配の切り替えに続き、ステップS04で決められたCL2開放中モータトルク傾きと、モータトルク値の前回値とに基づき、CL2開放中モータトルクを演算し、ステップS06へ進む。
ここで、「CL2開放中モータトルク」は、図5に示すように、4つの状態判定(EV Dレンジ、HEV Dレンジ、EV Rレンジ、HEV Rレンジ)により切り替えて、最終のCL2開放中モータトルクが演算される。
即ち、Dレンジ/Rレンジ判定ブロックB4、EV/HEV判定ブロックB5、状態判定ブロックB6を有し、状態判定ブロックB6からは切り替え指令を出す。モータトルク演算ブロックB7においてEV DレンジCL2開放中モータトルクが演算され、モータトルク演算ブロックB8においてHEV DレンジCL2開放中モータトルクが演算される。さらに、モータトルク演算ブロックB9においてEV RレンジCL2開放中モータトルクが演算され、モータトルク演算ブロックB10においてHEV RレンジCL2開放中モータトルクが演算される。そして、切り替えブロックB11において、状態判定ブロックB6からの切り替え指令に基づき、モータトルク演算ブロックB7〜B10のうち、1つのブロックが選択され、最終のCL2開放中モータトルクの演算がなされる。
ステップS06では、ステップS05でのCL2開放中モータトルク演算に続き、ステップS05で演算されたCL2開放中モータトルクを得る指令を、モータコントローラ83を介してインバータ26に出力し、ステップS07へ進む。
ステップS07では、ステップS06でのCL2開放中モータトルク出力に続き、第2クラッチCL2のスリップ判定がなされたか否かを判断する。YES(CL2スリップ判定有り)の場合はエンドへ進み、NO(CL2スリップ判定無し)の場合はステップS02へ戻る。
ここで、「CL2スリップ判定」は、第2クラッチCL2のスリップ量を監視し、スリップ量がスリップ判定閾値以上になるとCL2スリップ判定有りとする。
次に、作用を説明する。
実施例1のFFハイブリッド車両の制御装置における作用を、「CL2スリップイン制御処理作用」、「CL2スリップイン制御作用」、「CL2スリップイン制御の特徴作用」に分けて説明する。
[CL2スリップイン制御処理作用]
以下、図2のフローチャートに基づき、CL2スリップイン制御処理作用を説明する。
減速時、車速の低下によりスリップイン車速になると、図2のフローチャートにおいて、ステップS01→ステップS02→ステップS03→ステップS04→ステップS05→ステップS06→ステップS07へと進む。そして、ステップS07において、CL2スリップ判定無しと判断されている間は、ステップS02→ステップS03→ステップS04→ステップS05→ステップS06→ステップS07へと進む流れが繰り返される。そして、ステップS07において、CL2スリップ判定有りと判断されると、ステップS07からエンドへ進む。
即ち、ステップS02では、スリップイン要求が有るか否かの判定がなされ、次のステップS03では、第2クラッチCL2の油圧を下げるように、第2クラッチCL2へのCL2トルク容量指令が下げられる。次のステップS04では、トランスミッション入力回転数、車速、ATF油温等によりモータトルクの上昇勾配であるCL2開放中モータトルク傾きが切り替えられる。次のステップS05では、ステップS04で決められたCL2開放中モータトルク傾きと、モータトルク値の前回値とに基づき、CL2開放中モータトルクが演算される。次のステップS06では、演算されたCL2開放中モータトルクを得る指令を、モータコントローラ83を介してインバータ26に出力される。
従って、スリップイン車速からトランスミッション入力回転数(車速)が、所定回転数(所定車速)まで下がるまでのCL2スリップイン制御の前半域では、図3に示すように、緩やかなモータトルクの傾きによる一定の上昇勾配α1とされる。トランスミッション入力回転数(車速)が、所定回転数(所定車速)まで下がった後のCL2スリップイン制御の後半域では、停車に近づくほど勾配角度が次第に増大する上昇勾配α2,α3,α4とされる。
[CL2スリップイン制御作用]
以下、実施例1のCL2スリップイン制御作用を、「ドライブ走行シーンでの減速時のCL2スリップイン制御作用(図6)」、「コースト走行シーンでのブレーキ踏み込み減速時のCL2スリップイン制御作用(図7)」に分けて説明する。
(ドライブ走行シーンでの減速時のCL2スリップイン制御作用)
図6は、ドライブ走行シーンでの減速時に実施例1のCL2スリップイン制御が行われるときのタイムチャートである。
図6において、時刻t1はCL2スリップイン制御開始時刻、時刻t2はCL2スリップ開始時刻、時刻t3はモータトルク傾きの急上昇開始時刻、時刻t4はモータトルク傾きの上昇勾配増加時刻、時刻t5はCL2スリップイン制御終了時刻である。
例えば、信号停車等でアクセル踏み込み量をゆっくり戻しながら減速するとき、CL2スリップイン制御開始時刻t1までは、モータトルク指令は一定のままで、アクセル戻し操作に応じてCL2トルク容量指令が低下する。そして、車速の低下によりCL2スリップイン車速になる時刻t1になると、スリップイン要求判定に基づき、CL2スリップイン制御が開始され、CL2トルク容量指令が一気に低下する。モータトルク指令は、時刻t1から一定の上昇勾配α1による緩やかな傾きにより上昇を開始し、上昇勾配α1は時刻t3まで保たれる。
その後、締結状態の第2クラッチCL2が、時刻t2にて低下した実CL2トルク容量に対してモータトルクが上回ることで、クラッチプレートが引き剥がされてスリップを開始すると、時刻t2以降、モータ回転数は徐々に低下する。そして、時刻t3になり、モータトルク傾きが急上昇を開始すると、第2クラッチCL2のスリップ進行が促される。その後、時刻t4でモータトルク傾きが上昇勾配を増加させると、時刻t5では、第2クラッチCL2の差回転がスリップ判定閾値以上になり、CL2スリップ判定がなされ、CL2スリップイン制御が終了する。このため、時刻t5以降は第2クラッチCL2が非締結状態になり、モータ回転数は、第2クラッチCL2が差回転を許容することで、目標モータ回転数まで上げられる。
このように、ドライブ走行シーンでの減速時には、CL2スリップイン制御の開始からの前半域(時刻t1〜時刻t3)において、トルク上昇が緩やかな上昇勾配にされる。このため、締結状態の第2クラッチCL2のクラッチプレートを引き剥がすスリップ開始域でトルク急変が抑えられる。そして、CL2スリップイン制御の後半域(時刻t3〜t5)に入ると、トルク上昇が急な上昇勾配にされることで、第2クラッチCL2が速やかにスリップ状態に移行することにより、エンジン回転数の低下が抑えられる。
(コースト走行シーンでのブレーキ踏み込み減速時のCL2スリップイン制御作用)
図7は、コースト走行シーンでのブレーキ踏み込み減速時に実施例1のCL2スリップイン制御を行うことによる協調回生制御領域の拡大効果を示す比較特性図である。なお、車速の関係は、V1<V2<V3<V4<V5である。
まず、比較例(図7の破線特性)は、CL2スリップイン制御が開始されると、モータトルクを急な上昇傾きによる一定勾配とし、第2クラッチCL2をスリップ締結状態にする。そして、コースト走行シーンでのブレーキ踏み込み減速時、車速の低下にしたがって順に協調回生制御→ギアガタ詰め制御→CL2スリップイン制御を行うとき、ギアガタ詰め制御が終了した後、CL2スリップイン制御を開始するものとする。
この比較例の場合、コースト駆動力が負から正に切り替わる協調回生終了車速V5までが協調回生制御区間になり、協調回生終了車速V5からギアガタ詰め制御終了車速V3までがギアガタ詰め制御区間になる。そして、ギアガタ詰め制御終了車速V3(=CL2スリップイン車速)からCL2スリップ判定車速V1までがCL2スリップイン制御区間になる。
これに対し、実施例1では、CL2スリップイン制御が開始されると、前半域のモータトルクを緩やかな傾きによる上昇勾配とし、後半域のモータトルクを急な傾きによる上昇勾配とする。そして、アクセルオフ/ブレーキオンによる減速時、車速の低下にしたがって順に協調回生制御→ギアガタ詰め制御→CL2スリップイン制御を行うとき、CL2スリップイン車速を、ギアガタ詰め制御を終了する前の車速に設定している。
したがって、実施例1の場合、コースト駆動力が負から正に切り替わる協調回生終了車速V4(<車速V5)までが協調回生制御区間になり、協調回生終了車速V4からCL2スリップイン車速V3までがギアガタ詰め制御区間になる。そして、CL2スリップイン車速V3から制御前半域終了車速V2までがギアガタ詰め制御とCL2スリップイン制御の併用区間になり、制御前半域終了車速V2からCL2スリップ判定車速V1までがCL2スリップイン制御区間になる。
このように、コースト走行シーンでのブレーキ踏み込み減速時には、実施例1の場合、CL2スリップイン制御の前半域において、モータトルクを緩やかな傾きによる上昇勾配に設定していることで、このCL2スリップイン制御の前半域が、ギアガタ詰めショックを防止するギアガタ詰め制御の一部を分担する。このため、比較例と実施例1とでCL2スリップイン車速V3を同じ車速にした場合、協調回生終了車速V5(比較例)が協調回生終了車速V4(実施例1)まで低下し、その分、回生量が増大され、燃費の向上が図られる。
なお、「ギアガタ詰めショック」とは、駆動系伝達トルクが負トルクから正トルクに切り替わったとき、差動ギア8が負トルク側に寄ったギア隙間を一気に無くすように移動し、歯面当たりが生じることによるショックをいう。なお、コースト走行シーンでCL2スリップイン制御を行うと、駆動系伝達トルクが負トルクから正トルクに切り替わる。
[CL2スリップイン制御の特徴作用]
実施例1では、CL2スリップイン制御中、モータトルクの上昇傾きを、制御開始からの前半域においてトルク上昇が緩やかな上昇勾配にし、後半域に入ると前半域の上昇勾配よりトルク上昇が急な上昇勾配にする構成とした。
即ち、CL2スリップイン制御の開始からの前半域においてトルク上昇が緩やかな上昇勾配にされることで、締結状態の第2クラッチCL2のクラッチプレートを引き剥がすスリップ開始域でトルク急変が抑えられる。そして、CL2スリップイン制御の後半域に入るとトルク上昇が急な上昇勾配にされることで、第2クラッチCL2が速やかにスリップ状態に移行することにより、エンジン回転数の低下が抑えられる。
この結果、第2クラッチCL2のCL2スリップイン制御が行われる減速時、スリップインショック抑制と、エンジンストール防止との両立が図られる。
実施例1では、モータトルクの上昇勾配の切り替えに、減速から停車への移行をあらわす減速停車情報として、トランスミッション入力回転数、又は、車速を用いる。そして、CL2スリップイン制御の前半域では上昇勾配α1を一定にし、後半域では停車に近づくほど勾配角度が次第に増大する上昇勾配(α2,α3,α4)にする構成とした。
即ち、CL2スリップイン制御の後半域において、停車に近づくほど勾配角度が次第に増大する上昇勾配(α2,α3,α4)にしたことで、後半域が開始されてから早期にCL2スリップ判定域に入る。
従って、CL2スリップイン制御の後半域の上昇勾配(α2,α3,α4)に入る切り替え車速を低速側にしても、エンジンストールが確実に防止される。
実施例1では、減速停車情報としてトランスミッション入力回転数と車速を用い、トランスミッション入力回転数により決められた上昇勾配と、車速により決められた上昇勾配とのうち、より大きい上昇勾配を選択する構成とした。
即ち、トランスミッション入力回転数は、ベルト式無段変速機6のロー変速比により、車速(=トランスミッション出力回転数)を増幅させた回転数情報になる。一方、車速(=トランスミッション出力回転数)は、駆動輪である左右の前輪10L,10Rが制動ロック気味になると、直ちに低下する回転数情報になる。
従って、ブレーキ非操作による減速時、トランスミッション入力回転数により精度の良い減速停車情報が得られ、ブレーキ操作による減速時、車速により応答の良い減速停車情報が得られる。
実施例1では、CL2スリップイン制御の後半域でのモータトルクの上昇勾配を、ATF油温が低温であるほど急な勾配角度にする構成とした。
即ち、ATF油温が低温時には、ATF作動油の粘性が上がり、第2クラッチCL2の実CL2トルク容量の低下応答性が遅くなる。
従って、ATF油温の低温時、モータトルクを急な勾配角度により上げることで、第2クラッチCL2のスリップ状態への応答遅れが防止される。
実施例1では、車速の低下にしたがって順に協調回生制御→ギアガタ詰め制御→CL2スリップイン制御と遷移するとき、スリップイン車速を、ギアガタ詰め制御を終了する前の車速に設定する構成とした。
即ち、コースト走行シーンでのブレーキ踏み込み減速時には、CL2スリップイン制御の前半域において、モータトルクを緩やかな傾きによる上昇勾配にしていることで、ギアガタ詰めショックを防止するギアガタ詰め制御の一部が分担される。そして、ギアガタ詰め制御を終了する前にCL2スリップイン制御が開始されることで、ギアガタ詰め制御の終了を待つ場合に比べ、協調回生制御を終了させる車速が低下する。
従って、コースト走行シーンでのブレーキ踏み込み減速時、ギアガタ詰めショックを防止しながら、協調回生制御を終了させる車速低下により回生量が増大され、燃費の向上が図られる。
実施例1では、スリップイン車速を、協調回生制御を伴う「EVモード」での減速時、協調回生制御を伴う「HEVモード」での減速時よりも低車速にする構成とした。
即ち、横置きエンジン2が停止している「EVモード」の選択時には、エンジンストールしないため、第2クラッチCL2を開放するタイミングを、「HEVモード」の選択時より遅くすることができる。
従って、協調回生制御を伴う「EVモード」での減速時、スリップイン車速を低車速化することで、回生量のさらなる増大が達成される。
次に、効果を説明する。
実施例1のFFハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) 駆動源にエンジン(横置きエンジン2)とモータ(モータジェネレータ4)を有し、モータ(モータジェネレータ4)と駆動輪(左右の前輪10R,10L)との間に摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)を介装した駆動系を備えるハイブリッド車両(FFハイブリッド車両)において、
摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)を開放する減速時、車速の低下によりスリップイン車速になると、クラッチトルク容量の低下とモータトルクの上昇により摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)をスリップ締結状態にするCL2スリップイン制御を開始するコントローラ(ハイブリッドコントロールモジュール81)を設け、
コントローラ(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、CL2スリップイン制御中、モータトルクの上昇傾きを、制御開始からの前半域においてトルク上昇が緩やかな上昇勾配にし、後半域に入ると前半域の上昇勾配よりトルク上昇が急な上昇勾配にする。
このため、摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)のCL2スリップイン制御が行われる減速時、スリップインショック抑制と、エンジンストール防止との両立を図ることができる。
(2) コントローラ(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、モータトルクの上昇勾配の切り替えに、減速から停車への移行をあらわす減速停車情報(トランスミッション入力回転数、又は、車速)を用い、CL2スリップイン制御の前半域では上昇勾配α1を一定にし、後半域では停車に近づくほど勾配角度が次第に増大する上昇勾配(α2,α3,α4)にする。
このため、(1)の効果に加え、CL2スリップイン制御の後半域の上昇勾配(α2,α3,α4)に入る切り替え車速を低速側にしても、エンジンストールを確実に防止することができる。
(3) モータ(モータジェネレータ4)と駆動輪(左右の前輪10L,10R)との間に変速機(ベルト式無段変速機6)を備え、
コントローラ(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、減速停車情報として変速機入力回転数(トランスミッション入力回転数)と車速を用い、変速機入力回転数(トランスミッション入力回転数)により決められた上昇勾配と、車速により決められた上昇勾配とのうち、より大きい上昇勾配を選択する。
このため、(2)の効果に加え、ブレーキ非操作による減速時、変速機入力回転数(トランスミッション入力回転数)により精度の良い減速停車情報を得ることができると共に、ブレーキ操作による減速時、車速により応答の良い減速停車情報を得ることができる。
(4) 摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)は、締結/開放作動を油圧により行う油圧クラッチであり、
コントローラ(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、CL2スリップイン制御の後半域でのモータトルクの上昇勾配を、クラッチ作動油温(ATF油温)が低温であるほど急な勾配角度にする。
このため、(1)〜(3)の効果に加え、クラッチ作動油温(ATF油温)の低温時、モータトルクを急な勾配角度により上げることで、摩擦クラッチ(第2クラッチCL2)のスリップ状態への応答遅れを防止することができる。
(5) コントローラ(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、車速の低下にしたがって順に協調回生制御→ギアガタ詰め制御→CL2スリップイン制御と遷移するとき、スリップイン車速を、ギアガタ詰め制御を終了する前の車速に設定する。
このため、(1)〜(4)の効果に加え、コースト走行シーンでのブレーキ踏み込み減速時、ギアガタ詰めショックを防止しながら、協調回生制御を終了させる車速低下により回生量が増大され、燃費の向上を図ることができる。
(6) ハイブリッド車両(FFハイブリッド車両)は、駆動態様として、モータ(モータジェネレータ4)のみを駆動源とする「EVモード」と、エンジン(横置きエンジン2)とモータ(モータジェネレータ4)を駆動源とする「HEVモード」と、を有し、
コントローラ(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、スリップイン車速を、協調回生制御を伴う「EVモード」での減速時、協調回生制御を伴う「HEVモード」での減速時よりも低車速にする。
このため、(5)の効果に加え、協調回生制御を伴う「EVモード」での減速時、スリップイン車速を低車速化することで、回生量のさらなる増大を達成することができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、変速機として、プライマリプーリ6aとセカンダリプーリ6bにベルト6cを掛け渡し、プライマリプーリ圧Ppriとセカンダリプーリ圧Psecを変速油圧とするベルト式無段変速機6を用いる例を示した。しかし、変速機としては、ステップATと呼ばれる自動変速機、手動変速機構造で変速を自動化したAMT、2つのクラッチを持ち手動変速機構造で変速を自動化したDCT、等を用いる例であっても良い。
実施例1では、CL2スリップイン制御の前半域では上昇勾配α1を一定にし、後半域では停車に近づくほど勾配角度が次第に増大する上昇勾配(α2,α3,α4)にする例を示した。しかし、CL2スリップイン制御の前半域では緩やかな一定の上昇勾配にし、後半域では急な一定の上昇勾配とするような2段階勾配とする例としても良い。又、CL2スリップイン制御の前半域から後半域にかけて2次関数特性等のような曲線特性で与えるようにしても良い。
実施例1では、減速停車情報としてトランスミッション入力回転数と車速を用い、トランスミッション入力回転数により決められた上昇勾配と、車速により決められた上昇勾配とのうち、より大きい上昇勾配を選択する例を示した。しかし、減速停車情報としてトランスミッション入力回転数のみを用いて上昇勾配を決める例としても良いし、又、減速停車情報として車速のみを用いて上昇勾配を決める例としても良い。さらに、これらの情報に、車両減速度情報を加え、車両減速度が大きいほど早期にスリップ移行を達成するように上昇勾配を決める例としても良い。
実施例1では、本発明の制御装置を、1モータ・2クラッチの駆動形式によるFFハイブリッド車両に適用する例を示した。しかし、本発明の制御装置は、FRハイブリッド車両や1モータ・2クラッチの駆動形式以外のハイブリッド車両に対しても適用することができる。要するに、駆動源にエンジンとモータを有し、モータと駆動輪との間に摩擦クラッチを介装した駆動系を備えるハイブリッド車両に適用することができる。
2 横置きエンジン(エンジン)
3 第1クラッチ
4 モータジェネレータ(モータ)
5 第2クラッチ(摩擦クラッチ)
6 ベルト式無段変速機(変速機)
8 差動ギア
10L,10R 左右の前輪(駆動輪)
14 メインオイルポンプ
81 ハイブリッドコントロールモジュール(コントローラ)
82 エンジンコントロールモジュール
83 モータコントローラ
84 CVTコントロールユニット
85 ブレーキコントロールユニット
86 リチウムバッテリコントローラ

Claims (6)

  1. 駆動源にエンジンとモータを有し、前記モータと駆動輪との間に摩擦クラッチを介装した駆動系を備えるハイブリッド車両において、
    前記摩擦クラッチを開放する減速時、車速の低下によりスリップイン車速になると、クラッチトルク容量の低下とモータトルクの上昇により前記摩擦クラッチをスリップ締結状態にするスリップイン制御を開始するコントローラを設け、
    前記コントローラは、スリップイン制御中、前記モータトルクの上昇傾きを、制御開始からの前半域においてトルク上昇が緩やかな上昇勾配にし、後半域に入ると前記前半域の上昇勾配よりトルク上昇が急な上昇勾配にする
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記モータと駆動輪との間に変速機を備え、
    前記コントローラは、前記スリップイン車速からスリップ判定車速までのスリップイン制御区間における前記モータトルクの上昇勾配の切り替えに、減速から停車への移行をあらわす減速停車情報として、変速機入力回転数、又は、車速を用い、
    前記スリップイン車速から変速機入力回転数又は車速が、所定回転数又は所定車速まで下がるまでのスリップイン制御の前半域では、緩やかなモータトルクの傾きによる一定の上昇勾配し、変速機入力回転数又は車速が、所定回転数又は所定車速まで下がった後のスリップイン制御の後半域では、停車に近づくほど勾配角度が次第に増大する上昇勾配にする
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    記コントローラは、前記減速停車情報として変速機入力回転数と車速を用い、前記変速機入力回転数により決められた上昇勾配と、前記車速により決められた上昇勾配とのうち、より大きい上昇勾配を選択する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記摩擦クラッチは、締結/開放作動を油圧により行う油圧クラッチであり、
    前記コントローラは、スリップイン制御の後半域での前記モータトルクの上昇勾配を、クラッチ作動油温が低温であるほど急な勾配角度にする
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記コントローラは、車速の低下にしたがって順に協調回生制御→ギアガタ詰め制御→スリップイン制御と遷移するとき、前記スリップイン車速を、前記ギアガタ詰め制御を終了する前の車速に設定する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項5に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記ハイブリッド車両は、駆動態様として、前記モータのみを駆動源とするEVモードと、前記エンジンと前記モータを駆動源とするHEVモードと、を有し、
    前記コントローラは、前記スリップイン車速を、協調回生制御を伴う前記EVモードでの減速時、協調回生制御を伴う前記HEVモードでの減速時よりも低車速にする
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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