JP2015073978A - 光触媒担持体 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属層の厚さを薄くすることで、光触媒機能を大幅に向上できるとともに、金属材料の使用量を少なくして製作コストを低減でき、しかも光透過率を高めて、内装材として使用した際における意匠性を向上し得る光触媒担持体を提供する。【解決手段】基材2の表面に形成した厚さ0.5〜2.5nmの金属薄膜層3と、金属薄膜層3の表面に、光触媒物質を低温度の高速溶射あるいはスパッタリングすることで形成した光触媒層4とを備えた。金属薄膜層3が、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銀、銅、鉄、金、アルミニウム、ニッケルのいずれかから選ばれる一種あるいは二種以上の合金、或いはこれらの金属酸化物からなる。溶射フレームの温度を700℃〜2000℃の低温度に設定した状態で、光触媒物質を高速溶射して、光触媒層4を形成した。【選択図】図1

Description

本発明は、光触媒物質を基材に担持させてなる光触媒担持体に関する。
光を照射することで触媒として機能して、有害物質の除去、空気浄化、脱臭、浄水、殺菌、抗菌、防汚、防曇などの作用を奏する、二酸化チタン(TiO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドミウム(CdS)、などの光触媒物質が知られている。酸化亜鉛及び硫化カドミウムは、光の吸収により分解されて、有害なZn、Cdイオンを発生するので、実用化には至っていないが、二酸化チタン及び酸化タングステンはそのような問題がなく、特に、二酸化チタンは、安価に入手可能で、しかも無害無毒の物質であることから、現在、最も広く採用されている。一方、酸化タングステンは、可視光の照射によっても光触媒機能を有することから近年注目されつつある。
このような光触媒物質を基材に担持させた光触媒担持体としては、合成樹脂製のフィルムなどからなる基材の表面に、溶射あるいは無電解メッキにより白金、銀、亜鉛などからなる金属層を形成し、該金属層に光触媒物質としての二酸化チタンを溶射して光触媒層を形成してなるものが知られている(例えば特許文献1、2参照。)。
一方、光触媒層の形成方法として、溶射やスパッタリングによる製膜方法が知られている。この製膜方法では、基材の表面に金属層を設けた後、或いは金属層を設けることなく基材の表面に直接的に光触媒層を形成することができる。
溶射による製膜方法としては、原料粉であるアナターゼ型の二酸化チタンの粒子がルチル型に変態するのを制御しながら、低温度の溶射フレームを用いて、基材上に前記二酸化チタンの粒子の高速溶射を行い、前記二酸化チタンの粒子のアナターゼ型を維持しながら積層するように構成したもの(例えば、特許文献3参照。)が知られており、スパッタリングによる製膜方法としては、ガスフロースパッタリング(例えば、特許文献4参照。)や、真空槽内に基材を設置して行う通常のスパッタリング(例えば、特許文献5参照。)が知られている。
特開平11−267515号公報 特開平11−347419号公報 特開2006−51439号公報 特開2007−230812号公報 特開2010−106367号公報
ところで、光触媒物質としての二酸化チタンは、結晶構造によって、アナターゼ型とルチル型とブルッカイト型があり、アナターゼ型が最も高い光学活性を示すことが知られている。しかし、アナターゼ型は、800〜900℃以上の高温に曝されるとルチル型に転移し、光触媒としての機能が低下する。また、光触媒物質としての酸化タングステンは、1400℃で溶融し、3000℃では昇華して、光触媒としての機能が低下したり消失したりするという問題がある。
ところが、前記特許文献1、2記載の光触媒担持体では、光触媒物質としての二酸化チタンを約3000℃で溶射して、光触媒層を形成するように構成しているので、光触媒物質として二酸化チタンを用いた場合でも、二酸化チタンがルチル型に転移して、光触媒機能が低下するという問題があった。また、本出願人は、前記特許文献1、2記載の光触媒担持体では、光触媒機能を高めるため、基材の表面に金属層を形成し、この金属層に対して光触媒物質を溶射しているが、金属層の厚さが厚すぎると、かえって光触媒機能を十分に発揮できないという問題を見出した。また、金属層が厚くなると、基材として透明な合成樹脂シートを用いた場合でも、光触媒担持体がどうしても黒くなり、内装材として用いたときに意匠性が低下するという別の問題もある。なお、特許文献1、2には、例えば1m2当たり3g〜7gの銀を被覆する点が記載されているが、銀は比重10.50gなので、1m2当たり1gの銀を被覆すると、その厚さは、(1/10.50)×10-3mmとなり、95.2nmとなるので、1m2当たり3g〜7gの銀を被覆すると、その厚さは285.6nm〜666.4nmとなる。
また、特許文献3記載の発明では、溶射フレームの温度(溶射ガン先端から200mmの位置で測定した温度)を700〜2000℃に設定し、1000m/秒の噴出速度で高速溶射して、二酸化チタンがアナターゼ型からルチル型に転移することを防止して、光触媒機能を維持できる。しかし、基材の表面にアルミニウム、亜鉛、すず、ニッケルなどのアンダーコート層を形成して、アンダーコート層に光触媒物質を溶射する場合において、アンダーコート層の厚さを50μm〜100μm程度に設定しているので、特許文献1、2記載の発明と同様に、光触媒機能のより一層の向上に余地があり、しかも透明性が低下して、内装材として用いたときに意匠性が低下するという問題がある。
本発明の目的は、金属層の厚さを薄くすることで、光触媒機能を大幅に向上できるとともに、金属材料の使用量を少なくして製作コストを低減でき、しかも光透過率を高めて、内装材として使用した際における意匠性を向上し得る光触媒担持体を提供することである。
本発明に係る光触媒担持体は、基材の表面に形成した厚さ0.5〜2.5nmの金属薄膜層と、前記金属薄膜層の表面に、光触媒物質を低温度の高速溶射あるいはスパッタリングすることで形成した光触媒層とを備えたものである。
この光触媒担持体では、基材の表面に金属薄膜層を形成し、この金属薄膜層の表面に光触媒層を形成しているので、基材の表面に直接的に光触媒層を形成する場合と比較して、金属薄膜層が助触媒として機能して、光触媒機能を全体的に向上できる。また、光触媒が直接基材に接触することによる基材の劣化を防止できる。しかも、金属薄膜層の厚さを0.5〜2.5nmに設定しているので、特許文献1、2記載の発明のように金属層の厚さが、285.6nm〜666.4nmのような厚肉である場合と比較して、光触媒機能を大幅に向上できるとともに、金属材料の使用量を大幅に少なくして製作コストを低減でき、しかも光透過率を高めて意匠性を向上できる。なお、金属層の厚さを薄くすることで、光触媒機能を大幅に向上できるメカニズムは明確ではないが、次のようなメカニズムにより向上したものと推察される。即ち、金属箔膜層はナノサイズの助触媒機能を発揮する金属粒子が基材表面に点在して形成されており、この金属粒子上に該金属粒子の数10倍の大きさの光触媒粒子が1乃至数個重なって光触媒層が形成されていると推定される。即ち、光触媒粒子の基材表面側の底面に金属粒子が分散して食い込んだ状態であって、光触媒粒子と金属粒子とが接触し助触媒機能を発揮する境界部分の長さが長く、且つ、光触媒粒子間には空隙が存在しているので、分解対象物がこの境界線部分にまで到達し酸化、還元されることにより光触媒機能を大幅に向上できると想定される。
ここで、前記金属薄膜層が、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銀、銅、鉄、金、アルミニウム、ニッケルのいずれかから選ばれる一種あるいは二種以上の合金、或いはこれらの金属酸化物からなることが好ましい。
前記基材が透明樹脂シートからなることが好ましい。本発明では、金属薄膜層の厚さが極めて薄く可視光透過性を十分に確保できるので、基材を透明樹脂シートで構成することで、可視光を透過し得る光触媒担持体を実現できる。
前記光触媒物質の溶射量が0.5〜6g/m2であることが好ましい。光触媒物質の溶射量は、多すぎても光触媒機能が向上せず、少なすぎると十分な光触媒機能が得られないことから、0.5〜6g/m2であることが好ましい。
前記光触媒物質が二酸化チタン及び/又は酸化タングステンからなるものを採用できる。二酸化チタンは、紫外線を受けたときに強い酸化還元作用と超親水作用を発現して、有害物質の除去、空気浄化、脱臭、浄水、殺菌、抗菌、防汚、防曇など作用を奏する。また、酸化タングステンは、二酸化チタンと比較して高価であるが、可視光や蛍光灯照明によっても、例えば揮発性有機合物を二酸化炭素と水に分解して無害化できるので、建物の内装材として好適に採用できる。
前記光触媒層は、溶射フレームの温度を700℃〜2000℃の低温度に設定した状態で、光触媒物質を高速溶射して形成することが好ましい。光触媒物質としての二酸化チタンは、800〜900℃以上の高温に曝されるとアナターゼ型からルチル型に転移し、光触媒としての機能が低下するので、溶射フレームの温度は700℃〜2000℃に設定することが好ましい。また、光触媒物質としての酸化タングステンは、1400℃で溶融し、3000℃では昇華して、光触媒としての機能が低下したり消失したりするので、溶射フレームの温度は700℃〜2000℃、より好ましくは700℃以上1400℃未満の低温に設定することが好ましい。
厚さ方向の可視光透過率が40%以上であることが好ましい。このように構成することで、光触媒担持体を建築物や自動車などの内装材として使用した際における意匠性を向上できる。
本発明に係る光触媒担持体によれば、基材の表面に金属薄膜層を形成し、この金属薄膜層の表面に光触媒層を形成しているので、基材の表面に直接的に光触媒層を形成する場合と比較して、金属薄膜層が助触媒として機能して、光触媒機能を全体的に向上できる。しかも、金属薄膜層の厚さを0.5〜2.5nmに設定しているので、特許文献1、2記載の発明のように金属層の厚さが、285.6nm〜666.4nmのような厚肉である場合と比較して、光触媒機能を大幅に向上できるとともに、金属材料の使用量を大幅に少なくして製作コストを低減でき、しかも光透過率を高めて意匠性を向上できる。さらに、光触媒が直接基材に接触することによる基材の劣化を防止できる。これによって、本発明に係る光触媒担持体は、単体での使用や接着剤、粘着剤あるいはヒートラミネーションなどにより様々な部材に貼り合わせて広範囲の用途に展開できる。
光触媒担持体の要部縦断面図 低温度の高速溶射装置の概略説明図 スパッタリング装置の概略説明図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、光触媒担持体1は、基材2と、基材2の表面に形成した金属薄膜層3と、金属薄膜層3の表面に形成した光触媒層4とを備えている。
基材2としては、合成樹脂フィルム、合成樹脂シート、ガラス、織布、不織布、紙、プラスチック、石材、金属、セラミックタイル、石膏ボード、木材等からなるものを好適に採用できる。特に、この光触媒担持体1においては、金属薄膜層3が極めて薄く、可視光の透過性が良いので、透明な合成樹脂フィルムやガラスからなる基材2を採用して、光触媒担持体1の厚さ方向の可視光の透過率が40%以上、好ましくは60%以上となるように設定することで、建築物の内装材として用いたときにおける意匠性を向上できる。
金属薄膜層3を構成する金属としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銀、銅、鉄、金、アルミニウム、ニッケルのいずれかから選ばれる一種あるいは二種以上の合金、或いはこれらの金属酸化物を採用できる。この金属薄膜層3は、光触媒物質による触媒機能を向上する助触媒として機能する。
金属薄膜層3の膜厚は、厚過ぎると、光触媒機能が低下するとともに、金属使用量が増えて、製作コストが高くなり、しかも光触媒担持体1の透明性が低下して、内装材等として用いたときにおける意匠性が低下し、また薄過ぎると、十分な光触媒機能が得られないので、0.5〜2.5nm、より好ましくは0.8〜2.0nmに設定することが好ましい。金属薄膜層3の膜厚は、1m2における重さで表すと、0.016〜0.050g/m2に設定することになる。
基材2の表面に対する金属薄膜層3の形成方法は、基材2の材質などに応じて最適なものを適宜に採用でき、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)、レーザーアブレーション法などの物理的気相成長法(PVD)や、熱CVD(thermal Chemical Vapor Deposition)、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、高周波プラズマCVD、電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD、光CVD、レーザーCVD、原子層エピタキシーなどの化学的気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)や、電解メッキや無電解メッキなどのメッキ法、陽極酸化、塗布法、ゾルーゲル法などの液相成長法などを採用できる。
光触媒層4を構成する光触媒物質としては、光を照射することで触媒効果を示す光半導体や、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドミウム(CdS)、二酸化チタン(TiO2)、酸化タングステン(WO3)などを採用できるが、酸化亜鉛及び硫化カドミウムは、光の吸収により分解されて、有害なZnイオン、Cdイオンを発生するので、二酸化チタン又は酸化タングステン、あるいは二酸化チタンと酸化タングステンとを任意の割合で混合したものを採用することが好ましい。さらに、ゼオライト、アパタイト、活性炭などの吸着剤を所定の割合で混合してもよい。光触媒物質の粒径は、5nm〜500nm、好ましくは7nm〜300nmに設定され、担持させる光触媒物質の量は、少なすぎると光触媒機能が十分に得られず、多すぎても光触媒機能が殆ど向上しないので、0.5〜6g/m2、好ましくは0.5〜3.0g/m2に設定できる。なお、光触媒物質として、光電着法、光析出法や含浸法により、金属薄膜層3で使用可能な金属材料を助触媒として担持させたものを採用することもできる。
金属薄膜層3の表面に光触媒層4を形成する方法としては、フレーム溶射、高速フレーム溶射、爆発溶射、電気式溶射、コールドスプレーなどの溶射方法や、直流スパッタ、高周波スパッタ、マグネトロンスパッタ、イオンビーム・スパッタなどのスパッタリング法あるいは液相析出法など、周知の方法を採用できる。ただし、これら以外の方法により、光触媒層4を形成することも可能である。
(溶射方法)
溶射方法としては、次のような構成の溶射装置10を用いて、例えば光触媒物質としてアナターゼ型の二酸化チタンを溶射する場合には、溶射フレーム16の温度を700℃〜2000℃の低温度に設定した状態で、金属薄膜層3の表面に光触媒物質の粉末4Aを高速溶射することになる。ただし、酸化タングステンは、1400℃で溶融し、3000℃では昇華するので、光触媒物質として、酸化タングステンを溶射する場合には、溶射フレーム16の温度を700℃〜2000℃、より好ましくは700℃以上1400℃未満の低温に設定することが好ましい。
図2に示すように、溶射装置10は、燃焼空間を構成するチャンバ11と、チャンバ11に接続したノズル12と、ノズル12に連通した筒状のバレル13とを備えている。なお、チャンバ11とノズル12とバレル13には冷却水通路14が形成され、冷却水通路14内へ冷却水を供給することで、チャンバ11とノズル12とバレル13における過剰な温度上昇による破損が防止されるように構成されている。また、符号15は、チャンバ11内の燃料に点火するプラグである。
この溶射装置10を用いて金属薄膜層3の表面に光触媒物質の粉末4Aを高速溶射する際には、チャンバ11内へ燃料と酸素ガスとを供給して、チャンバ11内にて燃料を燃焼させ、発生した燃焼ガスをノズル12のスロート12aを通じてバレル13内へ高速で供給し、バレル13の先端に溶射フレーム(火炎)16を形成する。このとき、燃料と酸素ガスの供給量を調整することで、溶射フレーム16の温度を所望温度に調整することになる。
一方、バレル13の基部内に光触媒物質の粉末4Aを供給し、燃焼ガスに乗せて光触媒物質の粉末4Aを溶射フレーム16に供給して、金属薄膜層3の表面に光触媒物質の粉末4Aを高速溶射することになる。なお、光触媒物質は粉末状態で溶射装置10へ供給することもできるが、溶射装置10への搬送過程で凝集することがあるので、水に混入してスラリー化し、圧縮空気とともに霧状にバレル13の基部内へ供給することが好ましい。
(スパッタリング法)
スパッタリング装置20として、図3に示すように、基材2を収容可能な大きさの真空槽21と、真空槽21の上板の下面に固定したカソード22と、真空槽21の下板の上面に固定した基材2の設置台23と、カソード22と設置台23に接続された直流電源24と、真空槽21内を減圧する真空ポンプ25とを備えた周知の構成のものを用いることになる。
スパッタリングに際しては、設置台23に金属薄膜層3側を上側にして基材2を設置し、カソード22の下面に光触媒物質からなるターゲット26を固定し、真空ポンプ25により真空槽21内を略真空状態に減圧した状態で、カソード22側をプラス極とし、設置台23側をマイナス極として、カソード22と設置台23とに直流電圧を印加することで、ターゲット26と基材2間において電子やイオンを高速で移動させ、イオンがターゲット26に衝突して、ターゲット26から光触媒物質が飛散して基材2に付着することを利用して、金属薄膜層3の表面に光触媒層4を形成することになる。なお、スパッタリングによりルチル型の二酸化チタン被膜が形成される場合には、光触媒層4にレーザー光線を順次照射して、ルチル型の二酸化チタンをアナターゼ型の二酸化チタンに転移させることが好ましい。また、スパッタリング方法として、ガスフロースパッタリングを採用することもできる。
次に、光触媒担持体1の評価試験について説明する。
厚さが0.1mmで、大きさが210mm×297mmのポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルム材からなる6枚の基材を製作し、そのうちの4枚の基材2の表面に対して膜厚が0.8nm、2.0nm、3.0nm、8.0nmとなるように、白金(Pt)からなる金属薄膜層を無電解メッキにより製膜した。
そして、金属薄膜層を形成した4枚の基材と、金属薄膜層を形成していない2枚の基材のうちの1枚の基材の表面に対して、溶射フレームの温度を700℃〜2000℃の低温度に設定した状態で、金属薄膜層の表面に光触媒物質として、二酸化チタン(TiO2)の粉末を高速溶射して、3g/m2の二酸化チタンの光触媒層を形成し、金属薄膜層の膜厚が0.8nm、2.0nm、3.0nm、8.0nmの実施例1、2と比較例1、2の試験片を製作するとともに、金属薄膜層を省略し、光触媒層のみを形成した比較例3の試験片と、金属薄膜層及び光触媒層を省略した基材のみからなる比較例4の試験片を製作した。
そして、実施例1、2及び比較例1〜4の試験前における透明性を、JIS K 7361に準拠して、ヘイズメーターNDH2000(日本電色工業(株)製)を用いて測定した
。その結果を表1に示す。判定基準は、○;透過率60%以上、△;透過率40〜60%未満、×;40%未満とした。
また、6個のシャーレに0.001%の濃度のメチレンブルー水溶液30mlをそれぞれ注入し、実施例1、2、比較例1〜4の6つの試験片を、その全体がメチレンブルー水溶液に浸漬されるようにシャーレにそれぞれセットして、室内蛍光灯により820ルックスの光を連続照射して、2日後におけるメチレンブルー水溶液の退色状態を目視にて評価した。その結果を表1に示す。ただし、表中の「○」はメチレンブルー水溶液が、目視にて色を判別できない程度に、略無色に退色していることを示し、「×」はメチレンブルー水溶液が殆ど退色していないか、全く退色しておらず、目視にてメチレンブルー水溶液の色を明確に判別できることを示す。
Figure 2015073978
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてその構成を変更し得ることは勿論である。
1 光触媒担持体
2 基材
3 金属薄膜層
4 光触媒層
4A 粉末
10 溶射装置
11 チャンバ
12 ノズル
12a スロート
13 バレル
14 冷却水通路
15 点火プラグ
16 溶射フレーム
20 スパッタリング装置
21 真空槽
22 カソード
23 設置台
24 直流電源
25 真空ポンプ
26 ターゲット

Claims (7)

  1. 基材の表面に形成した厚さ0.5〜2.5nmの金属および/又は金属酸化物薄膜層と、
    前記金属および/又は金属酸化物薄膜層の表面に、光触媒物質を低温度の高速溶射あるいはスパッタリングすることで形成した光触媒層と、
    を備えた光触媒担持体。
  2. 前記金属および/又は金属酸化物薄膜層が、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銀、銅、鉄、金、アルミニウム、ニッケルのいずれかから選ばれる一種あるいは二種以上の合金、或いはこれらの金属酸化物からなる請求項1記載の光触媒担持体。
  3. 前記光触媒物質の溶射量が0.5〜6g/m2である請求項1又は2記載の光触媒担持体。
  4. 前記光触媒物質が二酸化チタン及び/又は酸化タングステンからなる請求項1〜3のいずれか1項記載の光触媒担持体。
  5. 前記光触媒層は、溶射フレームの温度を700℃〜2000℃の低温度に設定した状態で、光触媒物質を高速溶射して形成した請求項1〜4のいずれか1項記載の光触媒担持体。
  6. 前記基材が透明樹脂シートからなる請求項1〜5のいずれか1項記載の光触媒担持体。
  7. 厚さ方向の可視光透過率が40%以上である請求項6記載の光触媒担持体。
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