JP2015073622A - ゴルフシャフトの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面の被膜に凹凸や、塗装の色むら等の外観の不良が生じた繊維強化樹脂成形品を再利用して、ゴルフシャフトを製造する方法の提供。【解決手段】表面に被膜が設けられたゴルフシャフト用の繊維強化樹脂成形品を再利用して、ゴルフシャフトを製造する方法であって、前記被膜の少なくとも一部を前記繊維強化樹脂成形品から剥離する剥離工程と、前記剥離工程後の繊維強化樹脂成形品の表面を塗装する第1の塗装工程と、前記第1の塗装工程で形成された塗膜を研磨する研磨工程と、前記研磨工程で研磨された塗膜の表面を塗装する第2の塗装工程と、を有する、ゴルフシャフトの製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、表面の被膜に凹凸や、塗装の色むら等が生じたゴルフシャフト用繊維強化樹脂成形品を再利用して、ゴルフシャフトを製造する方法に関する。
繊維強化樹脂成形品は、様々な分野において使用されている。例えば炭素繊維強化樹脂成形品は、軽量で、強度に優れるため、航空機および自動車等の構成部材;風力発電のプロペラの構成部材;ゴルフシャフト、釣竿、テニスラケット:等に使用されている。
このような繊維強化樹脂成形品の表面には、通常、意匠性や耐久性を向上させる目的で、塗装が施される。ところが、塗装の工程での異物の混入や塗料のはじきにより外観が低下することがある。繊維強化樹脂成形品がゴルフシャフト用途である場合には、塗膜外観が優れていることが商品価値の点で特に重要視される(例えば特許文献1の段落0007等参照。)。そのため、従来、ゴルフシャフト用途においては、表面の被膜に凹凸や、塗装の色むら等が生じた繊維強化樹脂成形品は、再利用されずに廃棄されてきた。
しかしながら、省資源、省エネルギー等の観点から、従来は廃棄されてきた繊維強化樹脂成形品をゴルフシャフトの製造に再利用することが期待される。
本発明の目的は、表面の被膜に凹凸や、塗装の色むら等の外観の不良が生じた繊維強化樹脂成形品を再利用して、ゴルフシャフトを製造することである。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]表面に被膜が設けられたゴルフシャフト用の繊維強化樹脂成形品を再利用して、ゴルフシャフトを製造する方法であって、前記被膜の少なくとも一部を前記繊維強化樹脂成形品から剥離する剥離工程と、前記剥離工程後の繊維強化樹脂成形品の表面を塗装する第1の塗装工程と、前記第1の塗装工程で形成された塗膜を研磨する研磨工程と、前記研磨工程で研磨された塗膜の表面を塗装する第2の塗装工程と、を有する、ゴルフシャフトの製造方法。
[2]前記剥離工程では、無機アルカリ化合物を5〜40質量%、アルカノールアミンを10〜50質量%、芳香族アルコールを10〜50質量%含む剥離剤を用いて前記被膜を剥離する、[1]に記載のゴルフシャフトの製造方法。
[3]前記剥離工程では、前記被膜の全面積のうちの50%以上を剥離する、[1]または[2]のゴルフシャフトの製造方法。
[4]前記繊維強化樹脂成形品が炭素繊維強化樹脂成形品である、[1]〜[3]のいずれかに記載のゴルフシャフトの製造方法。
[5]前記被膜が、ウレタン系塗料、アクリル系塗料、セルロース系塗料、フェノール系塗料、エポキシ系塗料、塩化ビニル系塗料、酢酸ビニル系塗料、ポリビニルアルコール系塗料およびポリエチレン系塗料からなる群より選ばれる1種以上を用いて形成された塗膜である、[1]〜[4]のいずれかに記載のゴルフシャフトの製造方法。
[1]表面に被膜が設けられたゴルフシャフト用の繊維強化樹脂成形品を再利用して、ゴルフシャフトを製造する方法であって、前記被膜の少なくとも一部を前記繊維強化樹脂成形品から剥離する剥離工程と、前記剥離工程後の繊維強化樹脂成形品の表面を塗装する第1の塗装工程と、前記第1の塗装工程で形成された塗膜を研磨する研磨工程と、前記研磨工程で研磨された塗膜の表面を塗装する第2の塗装工程と、を有する、ゴルフシャフトの製造方法。
[2]前記剥離工程では、無機アルカリ化合物を5〜40質量%、アルカノールアミンを10〜50質量%、芳香族アルコールを10〜50質量%含む剥離剤を用いて前記被膜を剥離する、[1]に記載のゴルフシャフトの製造方法。
[3]前記剥離工程では、前記被膜の全面積のうちの50%以上を剥離する、[1]または[2]のゴルフシャフトの製造方法。
[4]前記繊維強化樹脂成形品が炭素繊維強化樹脂成形品である、[1]〜[3]のいずれかに記載のゴルフシャフトの製造方法。
[5]前記被膜が、ウレタン系塗料、アクリル系塗料、セルロース系塗料、フェノール系塗料、エポキシ系塗料、塩化ビニル系塗料、酢酸ビニル系塗料、ポリビニルアルコール系塗料およびポリエチレン系塗料からなる群より選ばれる1種以上を用いて形成された塗膜である、[1]〜[4]のいずれかに記載のゴルフシャフトの製造方法。
本発明の製造方法によれば、表面の被膜に凹凸や、塗装の色むら等の外観の不良が生じた繊維強化樹脂成形品を再利用して、ゴルフシャフトを製造できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、表面の被膜に凹凸や、塗装の色むら等の外観の不良が生じ、従来は廃棄されていたゴルフシャフト用の繊維強化樹脂成形品を再利用して、新規にゴルフシャフトを製造する方法である。ゴルフシャフト用の繊維強化樹脂成形品は、通常は管状であり、一層以上の繊維強化樹脂層から形成される。
本発明の製造方法は、表面の被膜に凹凸や、塗装の色むら等の外観の不良が生じ、従来は廃棄されていたゴルフシャフト用の繊維強化樹脂成形品を再利用して、新規にゴルフシャフトを製造する方法である。ゴルフシャフト用の繊維強化樹脂成形品は、通常は管状であり、一層以上の繊維強化樹脂層から形成される。
繊維強化樹脂成形品を構成する樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、アクリル樹脂、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
繊維強化樹脂成形品を構成する繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられる。
繊維強化樹脂成形品を構成する繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられる。
剥離対象の被膜としては、例えば、ウレタン系塗料、アクリル系塗料、セルロース系塗料、フェノール系塗料、エポキシ系塗料、塩化ビニル系塗料、酢酸ビニル系塗料、ポリビニルアルコール系塗料、ポリエチレン系塗料を用いて形成された塗膜や、アルミニウム、クロム等の金属蒸着膜等が挙げられる。
本発明では、表面の被膜に凹凸や、塗装の色むら等の外観の不良が生じたゴルフシャフト用の繊維強化樹脂成形品に対して、剥離工程と、第1の塗装工程と、研磨工程と、第2の塗装工程とを少なくとも実施する。
〔剥離工程〕
剥離工程は、被膜を繊維強化樹脂成形品から剥離する工程である。
剥離工程では、被膜の少なくとも一部を剥離する。剥離する被膜を被膜全体の一部とすることにより、剥離工程の時間を短縮でき、剥離工程に伴うエネルギーも削減できる。
繊維強化樹脂成形品を再利用して得られるゴルフシャフトの表面に形成された塗膜の密着性、塗膜外観等の観点からは、被膜は、全面積のうちの50%以上を剥離することが好ましく、70%以上を剥離することが好ましい。
剥離工程は、被膜を繊維強化樹脂成形品から剥離する工程である。
剥離工程では、被膜の少なくとも一部を剥離する。剥離する被膜を被膜全体の一部とすることにより、剥離工程の時間を短縮でき、剥離工程に伴うエネルギーも削減できる。
繊維強化樹脂成形品を再利用して得られるゴルフシャフトの表面に形成された塗膜の密着性、塗膜外観等の観点からは、被膜は、全面積のうちの50%以上を剥離することが好ましく、70%以上を剥離することが好ましい。
剥離工程としては、以下に説明する溶解膨潤工程と濯ぎ工程と乾燥工程とを有する工程がより好ましい。
(溶解膨潤工程)
溶解膨潤工程は、剥離対象の被膜に剥離剤を接触させて、被膜を溶解・膨潤させる工程である。
剥離剤としては、被膜を良好に剥離でき、かつ、繊維強化樹脂成形品の表面の溶解、膨潤や繊維強化樹脂成形品の強度の低下が起こらない液体が好ましい。このような剥離剤としては、無機アルカリ化合物と、アルカノールアミンと、芳香族アルコールとを含む剥離剤が挙げられ、特に、剥離剤100質量%中、無機アルカリ化合物を5〜40質量%、アルカノールアミンを10〜50質量%、芳香族アルコールを10〜50質量%含むものが好ましい。このような剥離剤は、エポキシ樹脂を含む繊維強化樹脂成形品の表面の塗膜を剥離する際の使用に好適である。また、ウレタン系塗料、アクリル系塗料からなる塗膜の剥離に好適である。
溶解膨潤工程は、剥離対象の被膜に剥離剤を接触させて、被膜を溶解・膨潤させる工程である。
剥離剤としては、被膜を良好に剥離でき、かつ、繊維強化樹脂成形品の表面の溶解、膨潤や繊維強化樹脂成形品の強度の低下が起こらない液体が好ましい。このような剥離剤としては、無機アルカリ化合物と、アルカノールアミンと、芳香族アルコールとを含む剥離剤が挙げられ、特に、剥離剤100質量%中、無機アルカリ化合物を5〜40質量%、アルカノールアミンを10〜50質量%、芳香族アルコールを10〜50質量%含むものが好ましい。このような剥離剤は、エポキシ樹脂を含む繊維強化樹脂成形品の表面の塗膜を剥離する際の使用に好適である。また、ウレタン系塗料、アクリル系塗料からなる塗膜の剥離に好適である。
無機アルカリ化合物としては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等。)、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化カルシウム等。)、水酸化アンモニウム等が挙げられ、1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。なかでも、被膜の剥離がより良好になることから、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムの少なくとも一方がより好ましい。
剥離剤100質量%中の無機アルカリ化合物の含有率は5〜40質量%が好ましく、10〜35質量%がより好ましい。無機アルカリ化合物の含有率が前記下限値未満であると、被膜の剥離が不充分になりやすく、前記上限値を超えると、繊維強化樹脂成形品の表面の溶解や膨潤により、繊維強化樹脂成形品の強度の低下や、再塗装した後の外観が不充分となる場合がある。
アルカノールアミンは、N(CmH2mOH)nR3−n(ただし、Rは水素原子または炭化水素基である。mは1以上の整数である。好ましくはmは4以下であり、2以下がより好ましい。nは1,2,3のいずれかである。)で表される化合物である。炭化水素基としては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等。)、フェニル基、アルキルフェニル基(トリル基等。)、ジアルキルフェニル基等が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、具体的には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、モノエチルジエタノールアミン、モノプロピルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジプロピルエタノールアミン、フェニルジエタノールアミン、トリルジエタノールアミン等が挙げられ、1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。なかでも、被膜の剥離がより良好になることから、モノエタノールアミンおよびジエタノールアミンの少なくとも一方が好ましい。
アルカノールアミンとしては、具体的には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、モノエチルジエタノールアミン、モノプロピルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジプロピルエタノールアミン、フェニルジエタノールアミン、トリルジエタノールアミン等が挙げられ、1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。なかでも、被膜の剥離がより良好になることから、モノエタノールアミンおよびジエタノールアミンの少なくとも一方が好ましい。
剥離剤100質量%中のアルカノールアミンの含有率は10〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。アルカノールアミンの含有率が前記下限値未満であると、被膜の剥離が不充分になりやすく、前記上限値を超えると、繊維強化樹脂成形品の表面の溶解や膨潤により、繊維強化樹脂成形品の強度の低下や、再塗装した後の外観が不充分となる場合がある。
芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ヒドロキシベンジルアルコール、ヒドロキシフェネチルアルコール、メトキシフェニルメタノール、ジヒドロキシフェニルメタノール等が挙げられ、1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。なかでも、被膜の剥離がより良好になることから、ベンジルアルコールおよびフェネチルアルコールの少なくとも一方が好ましい。
剥離剤100質量%中の芳香族アルコールの含有率は10〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。芳香族アルコールの含有率が前記下限値未満であると、被膜の剥離が不充分になりやすく、前記上限値を超えると、繊維強化樹脂成形品の表面の溶解や膨潤により、繊維強化樹脂成形品の強度の低下や、再塗装した後の外観が不充分となる場合がある。
剥離剤は、無機アルカリ化合物、アルカノールアミンおよび芳香族アルコール以外の任意成分を含んでもよい。
任意成分としては、例えば、被膜の剥離をより高める成分として、アセチレン系ジオール誘導体を含有できる。アセチレン系ジオール誘導体としては、テトラメチルデシンジオール、テトラメチルデシンジオールエトキシレート、テトラメチルドデシンジオール、テトラメチルドデシンジオールエトキシレート、ジメチルオクチンジオール等が挙げられ、1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。なかでも、被膜の剥離がより良好になることから、、テトラメチルデシンジオールエトキシレートおよびテトラメチルドデシンジオールエトキシレートの少なくとも一方が好ましい。
任意成分としては、例えば、被膜の剥離をより高める成分として、アセチレン系ジオール誘導体を含有できる。アセチレン系ジオール誘導体としては、テトラメチルデシンジオール、テトラメチルデシンジオールエトキシレート、テトラメチルドデシンジオール、テトラメチルドデシンジオールエトキシレート、ジメチルオクチンジオール等が挙げられ、1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。なかでも、被膜の剥離がより良好になることから、、テトラメチルデシンジオールエトキシレートおよびテトラメチルドデシンジオールエトキシレートの少なくとも一方が好ましい。
剥離剤100質量%中のアセチレン系ジオール誘導体の含有率は0.1〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましい。アセチレン系ジオール誘導体の含有率が前記下限値以上であると、被膜の剥離がより良好になり、前記上限値以下であると、繊維強化樹脂成形品の表面の溶解、膨潤がより抑制され、繊維強化樹脂成形品の強度の低下や、再塗装した後の外観の低下を低減できる。
前記任意成分としては、アルカリ化合物、アルカノールアミンおよび芳香族アルコールを均一に溶解または分散させるために、水を含有できる。水の含有率は、剥離剤100質量%中、70質量%以下が好ましい。
剥離剤は、任意成分として、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤;芳香族アルコール以外のアルコール系溶剤、グリコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤、炭化水素系溶剤、キレート剤、防錆剤、安定剤、pH調整剤などを含んでもよい。
剥離剤は、アルカリ化合物、アルカノールアミンおよび芳香族アルコールと、必要に応じて配合される任意成分とを混合用容器内に投入し、均一に攪拌混合することによって製造できる。また、各成分の混合は、被膜の剥離処理を行う処理槽内や処理容器内で行ってもよい。
剥離剤を被膜に接触させる方法としては、特に限定されないが、被膜が設けられた繊維強化樹脂成形品を剥離剤中に浸漬する方法、剥離剤をスプレー、シャワー等により被膜に噴き付ける方法、剥離剤を刷毛等を利用して被膜に塗布する方法等が挙げられる。
剥離剤の温度は30〜80℃が好ましく、40〜80℃であることがより好ましい。剥離剤の温度が前記下限値以上であると、被膜の剥離がより容易となり、前記上限値以下であると、繊維強化樹脂成形品の表面の溶解、膨潤や、繊維強化樹脂成形品の強度の低下を抑制できる。
剥離剤を被膜に接触させる時間は、被膜、剥離剤の種類や、被膜の膜厚に応じて適宜選択されるが、通常、5分間〜24時間程度である。
剥離剤の温度は30〜80℃が好ましく、40〜80℃であることがより好ましい。剥離剤の温度が前記下限値以上であると、被膜の剥離がより容易となり、前記上限値以下であると、繊維強化樹脂成形品の表面の溶解、膨潤や、繊維強化樹脂成形品の強度の低下を抑制できる。
剥離剤を被膜に接触させる時間は、被膜、剥離剤の種類や、被膜の膜厚に応じて適宜選択されるが、通常、5分間〜24時間程度である。
溶解膨潤工程は複数回行ってもよい。例えば、剥離剤をスプレー、シャワー等により被膜に噴き付けて第1の溶解膨潤工程を行い、所定時間の経過後、再度、剥離剤をスプレー、シャワー等により被膜に噴き付ける第2の溶解膨潤工程を行ってもよい。
また、溶解膨潤工程の途中に、被膜の剥離に要する時間を短縮するために、被膜の剥離を促進する剥離促進処理を施すことが好ましい。剥離促進処理としては、ウエス等の拭き取り材で被膜を拭き取る方法、繊維強化樹脂成形品を超音波洗浄器中に浸漬させ、超音波を照射する方法、繊維強化樹脂成形品を揺動させる方法、繊維強化樹脂成形品が浸漬されている槽内の剥離剤を攪拌する方法等の処理が挙げられる。
具体的には、剥離剤をスプレー、シャワー等により被膜に噴き付けて第1の溶解膨潤工程を行い、所定時間の経過後、被膜を拭き取り材で拭き取る剥離促進処理を行い、ついで、剥離剤をスプレー、シャワー等により被膜に再度噴き付ける第2の溶解膨潤工程を行う形態等が挙げられる。
具体的には、剥離剤をスプレー、シャワー等により被膜に噴き付けて第1の溶解膨潤工程を行い、所定時間の経過後、被膜を拭き取り材で拭き取る剥離促進処理を行い、ついで、剥離剤をスプレー、シャワー等により被膜に再度噴き付ける第2の溶解膨潤工程を行う形態等が挙げられる。
(濯ぎ工程)
濯ぎ工程は、溶解膨潤工程後に、濯ぎ液によって繊維強化樹脂成形品の表面を濯いで、剥離剤と共に、溶解・膨潤した被膜を繊維強化樹脂成形品の表面から除去する工程である。
具体的には、繊維強化樹脂成形品を濯ぎ液中に浸漬する方法、濯ぎ液をスプレーやシャワーにより繊維強化樹脂成形品に噴き付ける方法、濯ぎ液を繊維強化樹脂成形品に掛け流す方法、濯ぎ液を染み込ませたウエス等により繊維強化樹脂成形品の表面を拭き取る方法などが挙げられる。繊維強化樹脂成形品を濯ぎ液中に浸漬する方法では、被膜の除去性がより高くなることから、超音波洗浄器中で超音波を照射しながら浸漬することが好ましい。
濯ぎ工程は、溶解膨潤工程後に、濯ぎ液によって繊維強化樹脂成形品の表面を濯いで、剥離剤と共に、溶解・膨潤した被膜を繊維強化樹脂成形品の表面から除去する工程である。
具体的には、繊維強化樹脂成形品を濯ぎ液中に浸漬する方法、濯ぎ液をスプレーやシャワーにより繊維強化樹脂成形品に噴き付ける方法、濯ぎ液を繊維強化樹脂成形品に掛け流す方法、濯ぎ液を染み込ませたウエス等により繊維強化樹脂成形品の表面を拭き取る方法などが挙げられる。繊維強化樹脂成形品を濯ぎ液中に浸漬する方法では、被膜の除去性がより高くなることから、超音波洗浄器中で超音波を照射しながら浸漬することが好ましい。
濯ぎ液は、水、有機溶剤及びその混合物が挙げられる。有機溶剤としては、乾燥工程における乾燥速度が速くなることから、大気圧での沸点が150℃以下のものが好ましい。大気圧での沸点が150℃以下の有機溶剤としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、キシレン等が挙げられる。なかでも、揮発性が高く、また、被膜の除去性に優れることから、エタノール、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトンが好ましい。これらの有機溶剤は1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。
また、濯ぎ液として水溶性有機溶剤と水の両方を用い、まず、水溶性有機溶剤で濯いだ後、水で濯ぐ方法を適用してもよい。水溶性有機溶剤としては、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール化合物;エチレングリコールやジエチレングリコールのアルキルエーテル、プロピレングリコールやジプロピレングリコールのアルキルエーテルなどのグリコールエーテル化合物;アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン化合物;N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミドなどのアミド化合物;ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これら水溶性有機溶剤は1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。
濯ぎ液の温度は、5〜90℃が好ましい。なお、沸点が90℃以下の有機溶剤を濯ぎ液として使用する場合には、濯ぎ液の温度は該有機溶剤の沸点以下とする。
濯ぎ液は、繊維強化樹脂成形品の表面から剥離剤および被膜をより容易に除去できることから、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、これらのいずれをも使用できるが、アニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤が好ましい。
(乾燥工程)
乾燥工程は、濯ぎ工程で使用した濯ぎ液を繊維強化樹脂成形品から除去する工程である。
乾燥方法としては、濯ぎ液が繊維強化樹脂成形品の表面から蒸発する方法であればよく、熱風による乾燥法、空気の吹き付けによる乾燥法、赤外線の照射による乾燥法、減圧による乾燥法などが挙げられる。また、自然乾燥でもよい。
乾燥温度は特に限定されないが、通常、5〜150℃であり、10〜120℃が好ましい。
乾燥工程は、濯ぎ工程で使用した濯ぎ液を繊維強化樹脂成形品から除去する工程である。
乾燥方法としては、濯ぎ液が繊維強化樹脂成形品の表面から蒸発する方法であればよく、熱風による乾燥法、空気の吹き付けによる乾燥法、赤外線の照射による乾燥法、減圧による乾燥法などが挙げられる。また、自然乾燥でもよい。
乾燥温度は特に限定されないが、通常、5〜150℃であり、10〜120℃が好ましい。
〔第1の塗装工程〕
第1の塗装工程は、剥離工程後の繊維強化樹脂成形品の表面を塗装する工程である。この工程は、ゴルフシャフトの製造で通常実施される方法と同様に行うことができ、下塗り塗装に相当する。この下塗り塗装は複数回実施してもよい。第1の塗装工程での塗装は、通常、得られるゴルフシャフトにおいて、グリップとなる部分(握り部分)以外の部分に施す。
塗装方法としては、スプレー法、ディッピング法、はけ塗り法、スクイージング法が挙げられる。その後、必要に応じて、熱硬化、紫外線硬化、溶剤乾燥等の方法により、塗膜を硬化させる。第1の塗装工程で塗装する塗膜の総膜厚は0.1〜100μmの範囲が好ましい。
第1の塗装工程で塗装する塗料としては、ウレタン系塗料、アクリル系塗料、セルロース系塗料、フェノール系塗料、エポキシ系塗料、塩化ビニル系塗料、酢酸ビニル系塗料、ポリビニルアルコール系塗料、ポリエチレン系塗料等が挙げられる。
第1の塗装工程は、剥離工程後の繊維強化樹脂成形品の表面を塗装する工程である。この工程は、ゴルフシャフトの製造で通常実施される方法と同様に行うことができ、下塗り塗装に相当する。この下塗り塗装は複数回実施してもよい。第1の塗装工程での塗装は、通常、得られるゴルフシャフトにおいて、グリップとなる部分(握り部分)以外の部分に施す。
塗装方法としては、スプレー法、ディッピング法、はけ塗り法、スクイージング法が挙げられる。その後、必要に応じて、熱硬化、紫外線硬化、溶剤乾燥等の方法により、塗膜を硬化させる。第1の塗装工程で塗装する塗膜の総膜厚は0.1〜100μmの範囲が好ましい。
第1の塗装工程で塗装する塗料としては、ウレタン系塗料、アクリル系塗料、セルロース系塗料、フェノール系塗料、エポキシ系塗料、塩化ビニル系塗料、酢酸ビニル系塗料、ポリビニルアルコール系塗料、ポリエチレン系塗料等が挙げられる。
〔研磨工程〕
研磨工程は、第1の塗装工程により塗装した塗膜の表面全体を研磨する工程である。研磨工程を行うことにより、第1の塗装工程で形成された塗膜表面の凹凸を平滑にし、最終的に得られるゴルフシャフトの外観を向上させることができ、かつ、第2の塗装工程で塗装される塗膜との密着性を高めることができる。また、研磨工程により、得られるゴルフシャフトの質量を規定の範囲内に調整したり、第1の塗装工程による塗膜の膜厚を調整したりすることもできる。
研磨方法としては、ゴルフシャフトをその軸を中心に回転させながら、サンドペーパーやグラインダー等により研磨する方法が挙げられる。サンドペーパー等の番手は#240〜#1200が用いられる。
研磨工程は、第1の塗装工程により塗装した塗膜の表面全体を研磨する工程である。研磨工程を行うことにより、第1の塗装工程で形成された塗膜表面の凹凸を平滑にし、最終的に得られるゴルフシャフトの外観を向上させることができ、かつ、第2の塗装工程で塗装される塗膜との密着性を高めることができる。また、研磨工程により、得られるゴルフシャフトの質量を規定の範囲内に調整したり、第1の塗装工程による塗膜の膜厚を調整したりすることもできる。
研磨方法としては、ゴルフシャフトをその軸を中心に回転させながら、サンドペーパーやグラインダー等により研磨する方法が挙げられる。サンドペーパー等の番手は#240〜#1200が用いられる。
研磨工程は、第1の塗装工程後の繊維強化樹脂成形品の表面の凹凸が消失し、かつ、第2の塗装工程で塗装される塗膜の密着性が向上するように、表面がほぼ均一に粗面状になるまで、行うことが好ましい。必要があれば、塗膜の膜厚を調整したり、ゴルフシャフトの質量を調整するために、研磨の程度を制御してもよい。
〔第2の塗装工程〕
第2の塗装工程は、第1の塗装工程および研磨工程の後に繊維強化樹脂成形品の表面を塗装する工程である。この工程は、ゴルフシャフトの製造で通常実施される方法と同様に行うことができ、例えば、中塗り塗装と、その後の上塗り塗装に相当する。この中塗り塗装および上塗り塗装は、それぞれ複数回実施してもよい。第2の塗装工程での塗装は、通常、第1の塗装工程と同様に、得られるゴルフシャフトにおいて、グリップとなる部分(握り部分)以外の部分に施す。
塗装方法としては、スプレー法、ディッピング法、はけ塗り法、スクイージング法が挙げられる。その後、必要に応じて、熱硬化、紫外線硬化、溶剤乾燥等の方法により、塗膜を硬化させる。第2の塗装工程で塗装する塗膜の総膜厚は0.1〜100μmの範囲が好ましい。
第2の塗装工程で塗装する塗料としては、第1の塗装工程と同様の塗料が使用できる。
なお、意匠性を高めるために、第2の塗装工程において、アルミニウム、クロム等の金属蒸着膜のコーティングを行ってもよい。金属蒸着膜のコーティングを行った場合は例えば第1の塗装工程と同様の塗料を用いてさらに塗装を行うことが意匠性の点から好ましい。
第2の塗装工程は、第1の塗装工程および研磨工程の後に繊維強化樹脂成形品の表面を塗装する工程である。この工程は、ゴルフシャフトの製造で通常実施される方法と同様に行うことができ、例えば、中塗り塗装と、その後の上塗り塗装に相当する。この中塗り塗装および上塗り塗装は、それぞれ複数回実施してもよい。第2の塗装工程での塗装は、通常、第1の塗装工程と同様に、得られるゴルフシャフトにおいて、グリップとなる部分(握り部分)以外の部分に施す。
塗装方法としては、スプレー法、ディッピング法、はけ塗り法、スクイージング法が挙げられる。その後、必要に応じて、熱硬化、紫外線硬化、溶剤乾燥等の方法により、塗膜を硬化させる。第2の塗装工程で塗装する塗膜の総膜厚は0.1〜100μmの範囲が好ましい。
第2の塗装工程で塗装する塗料としては、第1の塗装工程と同様の塗料が使用できる。
なお、意匠性を高めるために、第2の塗装工程において、アルミニウム、クロム等の金属蒸着膜のコーティングを行ってもよい。金属蒸着膜のコーティングを行った場合は例えば第1の塗装工程と同様の塗料を用いてさらに塗装を行うことが意匠性の点から好ましい。
以上説明したように本発明の製造方法は、再利用対象である繊維強化樹脂成形品から、被膜の少なくとも一部を剥離する剥離工程と、該剥離工程後の繊維強化樹脂成形品の表面を塗装する第1の塗装工程と、第1の塗装工程で形成された塗膜を研磨する研磨工程と、研磨工程で研磨された前記塗膜の表面を塗装する第2の塗装工程と、を有する。
本発明の製造方法により、表面の被膜に凹凸や、塗装の色むら等の外観の不良が生じ、従来は廃棄されていた繊維強化樹脂成形品を再利用して、新規にゴルフシャフトを製造できる。
本発明の製造方法により、表面の被膜に凹凸や、塗装の色むら等の外観の不良が生じ、従来は廃棄されていた繊維強化樹脂成形品を再利用して、新規にゴルフシャフトを製造できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本実施例において、「%」は、特に断りがない限り「質量%」を示す。
〔実施例1〜19、比較例1および2〕
(剥離工程)
表1〜3に示すように各成分を混合して、各例の剥離剤を調製した。
次いで、各例の剥離剤を、ゴルフシャフト用の炭素繊維強化エポキシ樹脂成形品(長さ100cmの管状体)に設けられた塗膜(ウレタン系塗料またはアクリル系塗料からなる塗膜)に接触させ、塗膜を溶解・膨潤させた。具体的には、炭素繊維強化エポキシ樹脂成形品ごと剥離剤中に浸漬した。その際の剥離剤の温度、剥離剤の接触時間は各表に示すとおりとした(溶解膨潤工程)。
次いで、水(30℃)を掛け流して基材の表面を濯ぎ、剥離剤と共に剥離した塗膜を基材の表面から除去し(濯ぎ工程)、その後、水を乾燥除去した(乾燥工程)。
なお、実施例16では、溶解膨潤工程の途中で、剥離促進処理を行った。具体的には、塗膜に剥離剤を1時間接触させた後、拭き取り材(ウエス)により塗膜を拭き取って除去し、再度、残存する塗膜に剥離剤を1時間接触させた。すなわち、接触時間は2時間である。
(剥離工程)
表1〜3に示すように各成分を混合して、各例の剥離剤を調製した。
次いで、各例の剥離剤を、ゴルフシャフト用の炭素繊維強化エポキシ樹脂成形品(長さ100cmの管状体)に設けられた塗膜(ウレタン系塗料またはアクリル系塗料からなる塗膜)に接触させ、塗膜を溶解・膨潤させた。具体的には、炭素繊維強化エポキシ樹脂成形品ごと剥離剤中に浸漬した。その際の剥離剤の温度、剥離剤の接触時間は各表に示すとおりとした(溶解膨潤工程)。
次いで、水(30℃)を掛け流して基材の表面を濯ぎ、剥離剤と共に剥離した塗膜を基材の表面から除去し(濯ぎ工程)、その後、水を乾燥除去した(乾燥工程)。
なお、実施例16では、溶解膨潤工程の途中で、剥離促進処理を行った。具体的には、塗膜に剥離剤を1時間接触させた後、拭き取り材(ウエス)により塗膜を拭き取って除去し、再度、残存する塗膜に剥離剤を1時間接触させた。すなわち、接触時間は2時間である。
剥離工程が終了した時点での炭素繊維強化エポキシ樹脂成形品(繊維強化樹脂成形品)について、以下の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
<評価>
[塗膜除去率]
グリップ部分を除く、塗装されたゴルフシャフトの塗膜部分を100マスに区分したときに、100マスのうち何マスにあたる部分が剥離できているか、目視により数えることで、塗膜除去率を算出した。例えば、100マスのうち、98マスに相当する部分が剥離できているとき、剥離面積は98%である。
[塗膜除去率]
グリップ部分を除く、塗装されたゴルフシャフトの塗膜部分を100マスに区分したときに、100マスのうち何マスにあたる部分が剥離できているか、目視により数えることで、塗膜除去率を算出した。例えば、100マスのうち、98マスに相当する部分が剥離できているとき、剥離面積は98%である。
[繊維強化樹脂成形品の表面状態]
剥離工程後の繊維強化樹脂成形品の表面状態を目視により以下の3段階で評価した。
なお、下記に記載の各面積は、塗膜を100マスに区分したときに、100マスのうち何マスにあたる部分に膨潤等が起きているか、目視により数えることで、算出した。例えば、100マスのうち、5マスに相当する部分が膨潤しているとき、膨潤面積は5%である。
○:繊維強化樹脂成形品表面に全く変化が無かった。
△:繊維強化樹脂成形品表面がごく僅かに膨潤した(膨潤面積5%未満)。
×:繊維強化樹脂成形品表面に膨潤、溶解、白化が見られた(膨潤、溶解、白化面積5%以上)。
剥離工程後の繊維強化樹脂成形品の表面状態を目視により以下の3段階で評価した。
なお、下記に記載の各面積は、塗膜を100マスに区分したときに、100マスのうち何マスにあたる部分に膨潤等が起きているか、目視により数えることで、算出した。例えば、100マスのうち、5マスに相当する部分が膨潤しているとき、膨潤面積は5%である。
○:繊維強化樹脂成形品表面に全く変化が無かった。
△:繊維強化樹脂成形品表面がごく僅かに膨潤した(膨潤面積5%未満)。
×:繊維強化樹脂成形品表面に膨潤、溶解、白化が見られた(膨潤、溶解、白化面積5%以上)。
(第1の塗装工程)
次いで、剥離工程後の炭素繊維強化エポキシ樹脂成形品の表面(グリップとなる部分以外の表面)に、下塗り塗装(ウレタン系塗料、黒色)をスプレー法により施した。その後、120℃で30分間硬化させた。塗膜の膜厚は20μmとした。
次いで、剥離工程後の炭素繊維強化エポキシ樹脂成形品の表面(グリップとなる部分以外の表面)に、下塗り塗装(ウレタン系塗料、黒色)をスプレー法により施した。その後、120℃で30分間硬化させた。塗膜の膜厚は20μmとした。
(研磨工程)
次いで、第1の塗装工程で塗装が施された炭素繊維強化エポキシ樹脂成形品の表面をサンドペーパー(#240〜#1200)により研磨した。なお、比較例1および2では、この研磨工程を実施しなかった。
次いで、第1の塗装工程で塗装が施された炭素繊維強化エポキシ樹脂成形品の表面をサンドペーパー(#240〜#1200)により研磨した。なお、比較例1および2では、この研磨工程を実施しなかった。
(第2の塗装工程)
次いで、研磨工程後に、中塗り塗装(ウレタン系、黒色)をスプレー法により施した。中塗り塗装は、グリップとなる部分以外の表面に施した。その後、120℃で30分間硬化させた。塗膜の膜厚は10μmとした。
次いで、上塗り塗装(アクリル系、黒色)をスプレー法にて施した。上塗り塗装は、グリップとなる部分以外の表面に施した。その後、120℃で30分間硬化させた。塗膜の膜厚は10μmとした。
このようにしてゴルフシャフトを得た。
次いで、研磨工程後に、中塗り塗装(ウレタン系、黒色)をスプレー法により施した。中塗り塗装は、グリップとなる部分以外の表面に施した。その後、120℃で30分間硬化させた。塗膜の膜厚は10μmとした。
次いで、上塗り塗装(アクリル系、黒色)をスプレー法にて施した。上塗り塗装は、グリップとなる部分以外の表面に施した。その後、120℃で30分間硬化させた。塗膜の膜厚は10μmとした。
このようにしてゴルフシャフトを得た。
第2の塗装工程が終了して得られたゴルフシャフトについて、以下のように機械的強度、外観、塗膜密着性を評価した。結果を表1〜3に示す。
[シャフトの機械的強度]
JIS K 7074:1988に基づいて、得られたシャフトの三点曲げ強度Bを測定し、下記式により強度低下率を求めた。なお、剥離工程を行う前の炭素繊維強化エポキシ樹脂成形品の三点曲げ強度をAとした。そして、以下の3段階で評価した。
強度低下率(%)=[(A−B)/A]×100
○:強度低下率が1%未満。
△:強度低下率が1%以上5%未満。
×:強度低下率が5%以上。
JIS K 7074:1988に基づいて、得られたシャフトの三点曲げ強度Bを測定し、下記式により強度低下率を求めた。なお、剥離工程を行う前の炭素繊維強化エポキシ樹脂成形品の三点曲げ強度をAとした。そして、以下の3段階で評価した。
強度低下率(%)=[(A−B)/A]×100
○:強度低下率が1%未満。
△:強度低下率が1%以上5%未満。
×:強度低下率が5%以上。
[シャフト外観]
得られたシャフトの外観を目視により以下の3段階で評価した。なお、下記に記載の各面積は、グリップ部分を除くシャフト表面を100マスに区分したときに、100マスのうち何マスにあたる部分に異状が認められたか、目視により数えることで、算出した。例えば、100マスのうち、5マスに相当する部分に異状が認められるとき、異状面積は5%である。
○:シャフト表面に凹凸、塗料のはじき、色むらが全く無かった。
△:シャフト表面にごく僅かの凹凸、塗料のはじき、色むらが見られた(異状面積5%未満)。
×:シャフト表面に凹凸、塗料のはじき、色むらが見られた(異状面積5%以上)。
得られたシャフトの外観を目視により以下の3段階で評価した。なお、下記に記載の各面積は、グリップ部分を除くシャフト表面を100マスに区分したときに、100マスのうち何マスにあたる部分に異状が認められたか、目視により数えることで、算出した。例えば、100マスのうち、5マスに相当する部分に異状が認められるとき、異状面積は5%である。
○:シャフト表面に凹凸、塗料のはじき、色むらが全く無かった。
△:シャフト表面にごく僅かの凹凸、塗料のはじき、色むらが見られた(異状面積5%未満)。
×:シャフト表面に凹凸、塗料のはじき、色むらが見られた(異状面積5%以上)。
[塗膜密着性]
得られたシャフトにおける塗膜密着性をJIS K 5400に基づいて、碁盤目試験により評価した。なお、認められた塗膜の剥離は、いずれも、第1の塗装工程で塗装された塗膜と、第2の塗装工程で塗装された塗膜との間で生じた。
◎:塗膜の剥離が全く無かった。
○:塗膜がごく僅かに剥離した(100マス中、剥離箇所が5マス未満)。
△:塗膜が僅かに剥離した(100マス中、剥離箇所が5マス以上10マス未満)。
×:塗膜の剥離が目立った(100マス中、剥離箇所が10マス以上)。
得られたシャフトにおける塗膜密着性をJIS K 5400に基づいて、碁盤目試験により評価した。なお、認められた塗膜の剥離は、いずれも、第1の塗装工程で塗装された塗膜と、第2の塗装工程で塗装された塗膜との間で生じた。
◎:塗膜の剥離が全く無かった。
○:塗膜がごく僅かに剥離した(100マス中、剥離箇所が5マス未満)。
△:塗膜が僅かに剥離した(100マス中、剥離箇所が5マス以上10マス未満)。
×:塗膜の剥離が目立った(100マス中、剥離箇所が10マス以上)。
各実施例によれば、外観および塗膜密着性が良好なシャフトが得られた。また、シャフトの機械的強度の低下も抑制されていた。
特に、剥離工程で、無機アルカリ化合物、アルカノールアミン及び芳香族アルコールを含んだ剥離剤を用いた実施例4〜10、13〜19では、これらの特性がより優れていた。また、剥離剤として無機アルカリ化合物の含有率が5〜40質量%であるものを使用した場合に、これらの特性が特に優れていた。また、剥離工程終了後の塗膜残存率が50%以上の場合、外観および塗膜密着性がより良好なシャフトが得られ、塗膜残存率が70%以上の場合にはこれらの特性がより良好であった。さらに、剥離促進処理を実施した実施例16では、剥離工程の接触時間が短くても、良好な結果が得られた。
これに対し、研磨工程を実施しなかった比較例1および2では、シャフト外観に凹凸、塗料のはじき、色むらが見られ、塗膜密着性も不充分であった。
特に、剥離工程で、無機アルカリ化合物、アルカノールアミン及び芳香族アルコールを含んだ剥離剤を用いた実施例4〜10、13〜19では、これらの特性がより優れていた。また、剥離剤として無機アルカリ化合物の含有率が5〜40質量%であるものを使用した場合に、これらの特性が特に優れていた。また、剥離工程終了後の塗膜残存率が50%以上の場合、外観および塗膜密着性がより良好なシャフトが得られ、塗膜残存率が70%以上の場合にはこれらの特性がより良好であった。さらに、剥離促進処理を実施した実施例16では、剥離工程の接触時間が短くても、良好な結果が得られた。
これに対し、研磨工程を実施しなかった比較例1および2では、シャフト外観に凹凸、塗料のはじき、色むらが見られ、塗膜密着性も不充分であった。
本発明の製造方法によれば、従来は廃棄されていた繊維強化樹脂成形品をゴルフシャフトの製造に再利用して、新規にゴルフシャフトを製造できる。よって、省資源、省エネルギー、廃棄物削減等の観点から、有用である。
Claims (5)
- 表面に被膜が設けられたゴルフシャフト用の繊維強化樹脂成形品を再利用して、ゴルフシャフトを製造する方法であって、
前記被膜の少なくとも一部を前記繊維強化樹脂成形品から剥離する剥離工程と、
前記剥離工程後の繊維強化樹脂成形品の表面を塗装する第1の塗装工程と、
前記第1の塗装工程で形成された塗膜を研磨する研磨工程と、
前記研磨工程で研磨された塗膜の表面を塗装する第2の塗装工程と、を有する、ゴルフシャフトの製造方法。 - 前記剥離工程では、無機アルカリ化合物を5〜40質量%、アルカノールアミンを10〜50質量%、芳香族アルコールを10〜50質量%含む剥離剤を用いて前記被膜を剥離する、請求項1に記載のゴルフシャフトの製造方法。
- 前記剥離工程では、前記被膜の全面積のうちの50%以上を剥離する、請求項1または2のゴルフシャフトの製造方法。
- 前記繊維強化樹脂成形品が炭素繊維強化樹脂成形品である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフシャフトの製造方法。
- 前記被膜が、ウレタン系塗料、アクリル系塗料、セルロース系塗料、フェノール系塗料、エポキシ系塗料、塩化ビニル系塗料、酢酸ビニル系塗料、ポリビニルアルコール系塗料およびポリエチレン系塗料からなる群より選ばれる1種以上を用いて形成された塗膜である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴルフシャフトの製造方法。
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JP2013210377A JP2015073622A (ja) | 2013-10-07 | 2013-10-07 | ゴルフシャフトの製造方法 |
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