JP2015072974A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭化珪素材料の表面に絶縁膜を形成する際に、炭化珪素材料が高温に曝される時間を短縮することができ、炭化珪素材料の表面荒れや結晶欠陥の進行を防止することができる半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】炭化珪素材料の表面に絶縁膜を形成する半導体装置の製造方法であって、活性ガス雰囲気で炭化珪素材料を所定の温度まで上昇させる昇温工程(t1〜t2)と、炭化珪素材料を所定の温度に保持する温度保持工程(t2〜t3)と、炭化珪素材料を降温させる降温工程とを含み、温度保持工程及び降温工程(t3〜t4)の少なくとも一方が、窒素を含む活性ガス雰囲気で行われる。【選択図】図3

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
従来、炭化珪素(SiC)からなる半導体の表面にシリコン酸化膜を形成する方法として、シリコン(Si)からなる半導体で一般に用いられている熱酸化法を適用することが行われている。炭化珪素を熱酸化する場合には、炭化珪素に含まれる炭素の影響によりシリコン酸化膜と炭化珪素との界面に界面準位が生成されて、炭化珪素内のキャリア移動度を低下させるという課題がある。
この課題を解決する技術として、所望の温度で温度を保持しながら酸化性ガスを供給して酸化を行う一方、所望の温度に達するまでの昇温時及び酸化後の降温時には、酸化炉内を不活性ガス雰囲気にする方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の方法によれば、所望の温度でのみ酸化されるので、ダングリングボンドや酸化膜内の残留カーボンを低減することができる。これにより、炭化珪素からなる半導体と酸化膜との界面準位密度(Dit)を低減することができる。
特開2003−031571号公報
炭化珪素材料に熱酸化膜を形成する場合は、高温による熱処理が必要なため、炭化珪素材料に温度と時間による熱履歴がかかる。ここで、特許文献1に記載の方法では、実際に酸化反応が行われる時間は、所望の温度に到達してから酸化ガスを供給している時間であるが、所望の温度に到達するまでの昇温時及び酸化反応後の降温時においても炭化珪素材料が高温になっている時間帯もある。その結果、酸化反応の時間よりも高温状態の時間が長くなる。
そのため、炭化珪素材料の表面が荒れたり、炭化珪素材料の結晶欠陥が進行したりするという問題点があった。これは、炭化珪素半導体とゲート絶縁膜との界面準位密度の悪化や、電圧制御型トランジスタなどのMOSFETのソース、ドレイン間のリーク電流の増加原因に繋がる。また、トランジスタとダイオードを一つのデバイスに一体化した半導体装置においては、ゲート絶縁膜を形成するトランジスタのための高温処理の工程によって、ダイオードの電極を形成する炭化珪素材料との界面にも熱履歴がかかるために、より顕著にリーク電流が増大する。
上記問題点を鑑み、本発明は、炭化珪素材料の表面に絶縁膜を形成する際に、炭化珪素材料が高温に曝される時間を短縮することができ、炭化珪素材料の表面荒れや結晶欠陥の進行を防止することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、炭化珪素材料の表面に絶縁膜を形成する際に、昇温期間に炭化珪素材料の表面に活性ガスを供給しながら温度を上昇させることを要旨とする。
本発明によれば、炭化珪素材料の表面に絶縁膜を形成する際に、炭化珪素材料が高温に曝される時間を短縮することができ、炭化珪素材料の表面荒れや結晶欠陥の進行を防止することができる半導体装置の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る炉の構成の一例を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法の手順を示すタイミングチャートである。 図3(a)及び図3(b)は、比較例に係る絶縁膜の形成方法の手順を示すタイミングチャートである。 図4(a)〜図4(c)は、本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法の手順を示すタイミングチャートである。 図5(a)〜図5(c)は、本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法の手順を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図6に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図7に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図8に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図9に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図10に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図11に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図12に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図13に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図14に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る半導体装置の構成の一例を示す断面図である。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図17に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図18に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図19に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図20に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図21に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図22に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図23に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図24に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る半導体装置の構成の一例を示す断面図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図27に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図28に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図29に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を示す図30に引き続く工程断面図である。 本発明の実施の形態の第3の変形例に係る半導体装置の構成の一例を示す断面図である。 本発明の実施の形態の第3の変形例に係る半導体装置の構成の他の一例を示す断面図である。 図34(a)及び図34(b)は、本発明のその他の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法の手順を示すタイミングチャートである。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。また、本発明の実施の形態において、「第1導電型」と「第2導電型」とは互いに反対導電型である。即ち、第1導電型がn型であれば、第2導電型はp型であり、第1導電型がp型であれば、第2導電型はn型である。以下の説明では第1導電型がn型、第2導電型がp型の場合を説明するが、第1導電型がp型、第2導電型がn型でもあっても良い。n型とp型を入れ替える場合には、印加電圧の極性も逆転する。また、本発明の実施の形態において、「+」、「−」の記号は導入される不純物の相対的な高密度、低密度を示している。
[炉の構成]
まず、本発明の実施の形態に係る炭化珪素半導体の絶縁膜の形成方法に用いられる炉(酸化炉)の一例を説明する。
本発明の実施の形態に係る酸化炉は、図1に示すように、略円筒形で一端部に開閉可能なドア110を有する反応管101と、反応管101の周囲に設けられたヒータ102と、複数のSiC基板104を保持して反応管101の内部に導入されるボート103と、反応管101の他端部に設けられたガス供給管105a〜105cと、ガス供給管105a〜105c上にそれぞれ設けられたガスバルブ106a〜106cと、反応管101の一端部の近傍に設けられた排気管107を備える。排気管107は、排気ポンプ108に接続されている。
ガス供給管105aは、窒素(N)ガス又はアルゴン(Ar)等の不活性ガスを反応管101に適宜供給する。ガス供給管105bは、酸素(O)ガス、水蒸気、又はこれらの混合ガス等の活性ガスを反応管101に適宜供給する。ガス供給管105cは、一酸化窒素(NO)ガス、亜酸化窒素(NO)ガス又はアンモニア(NH)ガス等の窒素を含む活性ガスを反応管101に適宜供給する。
なお、ガス供給管105a〜105cから供給されるガスにより、反応管101内のガスが排気管107を介して系外へ押し出され、順次ガス置換が起きるので、排気ポンプ108は必ずしも必要ではない。また、図示は省略するが、反応管101の内部の数カ所に、熱電対等の温度測定センサが設けられ、反応管101内部の温度を計測できるようになっている。
[絶縁膜の形成方法]
次に、本発明の実施の形態に係る炭化珪素材料の表面に絶縁膜を形成する方法の一例を説明する。本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法は、図2に示すように、時刻t1〜t2における昇温工程(第1の工程)、時刻t2〜t3における温度保持工程(第2の工程)、及び時刻t3〜t4における降温工程(第3の工程)の3工程を有する。
時刻t1〜t2の昇温工程では、炭化珪素材料を所望の温度まで上昇させながら、炭化珪素材料の表面に絶縁膜を形成する。時刻t2〜t3の温度保持工程においては、炭化珪素材料を所望の温度に保持しながら、炭化珪素材料と絶縁膜との界面の窒化処理を行う。時刻t3〜t4の降温工程においては、所望の温度から温度を降下させながら、温度保持工程と同様に窒化処理を行う。
ここで先に、図3(a)及び図3(b)を参照しながら、比較例に係る絶縁膜の形成方法を説明する。図3(a)において、時刻t101〜t102の昇温工程、時刻t102〜t103の温度保持工程、及び時刻t103〜t104の降温工程の3工程を有する。
時刻t101〜t102の昇温工程において、Nガスを炉内に供給しながら温度を上昇させる。時刻t102において所望の温度に達したら、Nガスの供給を停止する。時刻t102〜t103の温度保持工程において、Oガスを炉内に供給し、炭化珪素材料の表面に絶縁膜(酸化膜)を形成する。所望の厚さの絶縁膜を形成後、時刻t103でOガスの供給を停止する。時刻t103〜t104の降温工程において、Nガスを炉内に供給しながら温度を降下させる。また、図3(b)は、時刻t102〜t103の温度保持工程において、Oガスの代わりに、NOガスを供給する点が図3(a)と異なる。この場合でも同様に、NOガスの供給により絶縁膜が形成される。
図3(a)及び図3(b)に示す比較例では、所望の温度に達してから時刻t102〜t103の温度保持工程でのみ酸化を行う。このため、時刻t102〜t103の温度保持工程の高温状態にある時間に加えて、時刻t101〜t102の昇温工程及び時刻t103〜t104の降温工程での高温状態にある時間が長くなる。
次に、本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法について、昇温工程(第1の工程)、温度保持工程(第2の工程)、降温工程(第3の工程)の詳細を工程毎に説明する。なお、以下では絶縁膜の一例として酸化膜を説明するが、絶縁膜の種類は特にこれに限定されるものではない。
[昇温工程]
まず、図4(a)を用いて、時刻T11〜T13の昇温工程について説明する。室温から数百度程度の範囲にある温度Taで炭化珪素材料を炉に投入する。時刻t11において、昇温及び不活性ガスの導入を開始する。不活性ガスとしては、NガスやArガスが使用可能である。時刻t11〜t12において、不活性ガス雰囲気で、炭化珪素材料を温度Tb(1000℃程度)まで上昇させる。炭化珪素材料は、珪素材料とは異なり、1000℃付近までほとんど酸化されない。よって、炭化珪素材料は1000℃付近までは、不活性ガス雰囲気のみで温度を上昇させたほうが界面に不要なトラップを作らない点で好ましい。
なお、炉の昇温速度は、炉の性能によるが、熱履歴を出来る限り軽減するため、短時間で温度を上昇させるのが好ましい。また、炉の温度上昇や下降の速度については、急激な温度変化による熱歪みを考慮する必要がある。
時刻t12において、不活性ガスの導入を継続しながら、活性ガスであるOガスの導入を開始する。活性ガスとしては、Oガスの他にも、水蒸気、水蒸気とOガスを混合したもの、NOガス又はNOガス等が使用可能である。温度Tbは、例えば炭化珪素材料が酸化され得る温度以上であり、適宜設定可能である。なお、時刻t12を予め定めずに所定の温度Tbに達したタイミングでOガスの導入を開始してもよく、温度Tbを予め定めずに所定の時刻t12となったときにOガスの導入を開始してもよい。
時刻t12〜t13において、活性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気で、所望の温度Tcである1200℃程度まで上昇させる。時刻t12〜t13において、活性ガス雰囲気とすることで、炭化珪素材料の表面に絶縁膜(酸化膜)が形成される。絶縁膜は、例えば1nm〜1μm程度の厚さで形成することができる。また、炉内は、常圧でも減圧でも絶縁膜を形成することができる。
時刻t12〜t13の昇温時に絶縁膜を形成することで、時刻t13以降で必要な酸化時間を完全に省くか、もしくは削減することができる。よって、時刻t13〜t14の温度保持工程の高い温度領域による熱履歴を軽減できる。また、時刻t12〜t13の昇温時に所望の膜厚の絶縁膜を形成しておけば、時刻t13以降は窒化処理のみを行えばよく、絶縁膜形成工程の時間を短縮できる。
また、活性ガスの酸化レートは、NOガス又はNOガスよりも、Oガス又は水蒸気の方が高い。時刻t12〜t13の昇温時に、時刻t13以降で用いるガスよりも酸化レートの高いガスを用いることで、時刻t12〜t13の昇温時に形成される絶縁膜を短時間で厚くすることができる。これにより、時刻t13〜t14の温度保持工程前に所望の膜厚をもった絶縁膜を形成することもできる。例えば、3つの工程のうち、時刻t12〜t13の昇温工程で形成する絶縁膜の膜厚を最も厚くすることもできる。
また、炉の性能と所望の温度を考慮し、活性ガスを導入し始める温度や活性ガスと不活性ガスの流量比(混合比)を調整することにより、絶縁膜を所望の厚さで形成することができる。流量比は、活性ガスを増減することで調整することができる。流量比は、活性ガスの流量を増やせば酸化レートが高くなり、減らせば酸化レートは低くなる。また、炉の温度が高いほど、酸化レートは高くなる。
なお、図4(b)に示すように、時刻t12〜t13における活性ガスとして、Oガスを用いる代わりにNOガスを用いてもよい。
また、図4(c)に示すように、1000℃前後まで温度が上昇しなければ絶縁膜は形成されないが、時刻t11の昇温工程の開始時からOガスを導入し、時刻t12の温度保持工程以降もOガスの導入を継続してもよい。
また、図5(a)に示すように、時刻t12〜t13において活性ガスとしてOガスを用いて絶縁膜を形成した後に、時刻t13〜t14において活性ガスをNOガスや水蒸気に切り替えてもよい。このように、昇温工程において酸化を行う区間を、異なる活性ガスを順次導入する複数の区間としてもよい。
[温度保持工程]
次に、図4(a)を用いて、時刻t13〜t14の温度保持工程の一例について説明する。時刻t13〜t14の温度保持工程では、主に炭化珪素材料と絶縁膜との界面に存在するダングリングボンドの終端や残留カーボンの除去を目的として、窒素を含む活性ガスを導入することにより窒化処理を行う。窒素を含む活性ガスとしては、NOガスやNOガス又はNHガス等が使用可能である。また、窒素を含む活性ガスと、不活性ガスとの混合雰囲気とすることにより、窒化処理の進行を調整することができる。不活性ガスとしては、Nガス又はArガス等が使用可能である。
図4(a)において、時刻t13の昇温工程の終了時の温度Tcを1200℃まで上昇させており、時刻t13〜t14の温度保持工程では、温度Tcを所定の時間保持する。温度Tcは、窒化処理が可能な温度に設定され、例えば1000℃〜1400℃程度が好適である。温度が1000℃未満であると、炭化珪素材料と反応種が反応を起こしにくい。一方、1200℃〜1300℃と温度を上げていくと、反応速度が向上し、短時間で窒化処理を行うことが出来るが、温度が1400℃を超える場合は、酸化膜が昇華してしまう。
時刻t13〜t14の温度保持工程の時間は、絶縁膜の所望の厚みによって調整すればよい。不活性ガスに対して窒素を含む活性ガスの流量比を高くすれば、反応が高まるので、窒化処理の時間を短縮することができる。
また、窒素を含む活性ガスとして、NOやNOガス等の酸素も含むガスを用いれば、窒化処理と並行して、昇温工程に引き続いて絶縁膜を形成することもできる。このため、時刻t12〜t13の昇温工程で形成する絶縁膜の膜厚に加えて、時刻t13以降で形成する絶縁膜の膜厚を考慮する必要がある。酸化反応の温度は、1000℃〜1400℃程度が好適である。温度が1000℃未満であると、炭化珪素材料と反応種が反応を起こしにくい。温度が1400℃を超える場合は、酸化膜が昇華してしまう。
また、温度保持工程では、異なる活性ガスをそれぞれ用いる複数の窒化処理を順次行ってもよい。例えば図5(b)に示すように、時刻t13〜t14においてNOガスを導入した後、時刻t14〜t15ではNOガスに切り替えて導入してもよい。
[降温工程]
次に、図4(a)を用いて、時刻t14〜t16の降温工程について説明する。図4(a)の時刻t13〜t14における温度保持工程に引き続き、時刻t14〜t16における降温工程においても窒化処理を行うことが可能である。
時刻t13〜t14の温度保持工程における保持温度Tcを1200℃としているので、1200℃からの降温中においても十分窒化処理が可能である。時刻t14〜t15において、窒素を含む活性ガスと不活性ガスとの混合雰囲気で窒化処理を行う。窒素を含む活性ガスとしては、NOガスやNOガス又はNHガス等が使用可能である。不活性ガスとしては、Nガス又はArガス等が使用可能である。このように、時刻t13〜t14の温度保持工程と併せて時刻t14〜t15の降温工程でも窒化処理を行うことができるので、時刻t13〜t14の窒化処理の時間を短縮することで熱履歴を低減することができる。
時刻t14において、例えば1000℃程度の温度Tbとなったら、活性ガスの導入を停止する。そして、時刻t14〜t15において、不活性ガス雰囲気のみで温度を降下させる。なお、時刻t14で活性ガスの導入を停止するときの温度Tbは、時刻t12における活性ガスの導入を開始するときの温度Tbと同じ温度としているが、時刻t12における温度Tbとは異なる温度(時刻t12における温度Tbよりも高温又は低温)であってもよい。また、時刻t14は予め定めずに、所定の温度Tbとなったタイミングで活性ガスの導入を停止してもよく、或いは温度Tbは予め定めずに、ある時刻t14になったときに活性ガスの導入を停止してもよい。
なお、時刻t12〜t13の昇温工程で所望の厚さの絶縁膜を形成できている場合には、時刻t12〜t13の昇温工程から既に窒化処理することもでき、さらに処理時間を短縮することができる。
また、図4(c)に示すように、時刻t13〜t14の降温工程の全期間においてNOガス等の窒素を含む活性ガスを導入してもよい。
また、図5(b)に示すように、時刻t14〜t15において、窒素を含む不活性ガスとして、NOガスの代わりにNHガスを用いてもよい。
また、例えば図5(c)に示すように、時刻t14〜t15におけるNOガスによる窒化処理の後に、時刻t15〜t16においてNHガスによる窒化処理を行ってもよい。このように、複数の窒化処理を組み合わせてもよい。
[半導体装置]
次に、本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法により形成した絶縁膜を有する半導体装置の一例として、ゲート絶縁膜(ゲート酸化膜)を有する電圧制御型トランジスタを以下で説明する。
本発明の実施の形態に係る半導体装置は、図6に示すように、n型の炭化珪素からなる基体1と、基体1上に形成されたn型の炭化珪素からなるドリフト領域2と、ドリフト領域2上に形成されたp型のウェル領域3と、ウェル領域3上に形成されたn型のソース領域4と、ソース領域4、ウェル領域3及びドリフト領域2の一部に設けられた溝5の表面に形成されたゲート絶縁膜6と、溝5にゲート絶縁膜6を介して埋め込まれたゲート電極7とを備える。ゲート電極7上には層間絶縁膜8が形成されている。ソース領域4上にはソース電極10が形成されている。また、基体1の裏面にはドレイン電極9が形成されている。
本発明の実施の形態に係る半導体装置は、ソース電極10の電位を基準として、ドレイン電極9に正の電位を印加した状態でゲート電極7の電位を制御することにより、トランジスタとして機能する。即ち、ゲート電極7とソース電極10間の電圧を所定の閾値電圧以上(順方向電圧)にすると、ゲート電極7側面に位置するウェル領域3にチャネルとなる反転層が形成されてオン状態となり、ドレイン電極9及びソース電極10間で電流が流れる。
一方、ゲート電極7とソース電極10間の電圧を所定の閾値電圧以下(逆方向電圧)にすると、ウェル領域3の反転層が消滅してオフ状態となり、ドレイン電極9及びソース電極10間の電流が遮断される。
次に、図7〜図15を用いて、本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法を含む半導体装置の製造方法の一例を説明する。
(イ)まず、図7に示すように、n型の炭化珪素からなる基体1上に、n型の炭化珪素からなるエピタキシャル成長層であるドリフト領域2を形成する。
(ロ)次に、ドリフト領域2上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストをパターニングする。パターニングされたレジストをマスクとして用いて、ドリフト領域2にp型不純物及びn型不純物を順次イオン注入する。フッ酸等によりレジストを除去した後、熱処理して不純物を活性化させる。この結果、図8に示すように、p型のウェル領域3及びn型のソース領域4がそれぞれ形成される。
(ハ)次に、ソース領域4上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストをパターニングする。パターニングされたレジストをマスクとして用いて反応性イオンエッチング(RIE)等のエッチングを行い、ソース領域4、ウェル領域3及びドリフト領域2の一部を選択的に除去する。その後、フッ酸等によりレジストを除去する。この結果、図9に示すように溝5が形成される。
(ニ)次に、図10に示すように、本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法を用いて、溝5の表面及びソース領域4上にゲート絶縁膜6を形成する。本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法としては、図4(a)〜図5(c)に示したいずれの方法を用いてもよい。
(ホ)次に、図11に示すように、化学気相成長(CVD)法等によりゲート絶縁膜6上に多結晶シリコン膜7を堆積する。その後、多結晶シリコン膜7をエッチバックし、不純物をイオン注入することにより、図12に示すようにゲート電極7を形成する。
(ヘ)次に、図13に示すように、CVD法等により層間絶縁膜8を堆積する。層間絶縁膜8上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストをパターニングする。パターニングされたレジストをマスクとして用いて、RIE法等により層間絶縁膜8の一部を選択的に除去する。その後、フッ酸等を用いてレジストを除去する。この結果、図14に示すようにゲート電極7の上面が層間絶縁膜8で覆われた構造となる。
(ト)図15に示すように、蒸着法やスパッタ法等により、ソース領域4及び層間絶縁膜8上にソース電極10を形成する。更に、蒸着法やスパッタ法等により、基体1の裏面にドレイン電極9を形成することで、図1に示した半導体装置が完成する。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法を含む半導体装置の製造方法によれば、炭化珪素材料を熱酸化する際に、図4(a)〜図5(c)に示すように昇温工程において酸素を含む活性ガス雰囲気にして炭化珪素材料の表面に絶縁膜を形成することができる。したがって、図3(a)及び図3(b)に示したような温度保持工程の時間のみで絶縁膜を形成する場合に比べて、時間を短縮することが可能となるので、炭化珪素材料に加わる熱履歴を軽減することができる。したがって、炭化珪素材料に与えられる熱履歴の低減により、界面の荒れや結晶欠陥の進行を抑制できるので、界面準位密度(Dit)の低減や逆方向電圧印加時のソース・ドレイン間やトランジスタとダイオードを一体化した半導体デバイスのダイオード側のリーク電流を低減することができる。
更に、温度保持工程及び降温工程の少なくとも一方において、窒素を含む活性ガス雰囲気で窒化処理することで、炭化珪素材料と絶縁膜との界面に発生しているダングリングボンドを終端したり、残留カーボンを除去することができる。この効果により、熱履歴が少なく、界面順位密度(Dit)が低く、緻密性の高い絶縁膜を形成することができる。
例えば、本発明の実施の形態に係る半導体装置として説明した電圧制御型トランジスタなどのMOSFETのゲート絶縁膜では、チャネルが形成されたときのキャリアの移動度が高く、高速で動作する半導体装置を提供することができ、ソースやドレインの界面荒れや結晶欠陥の進行や界面順位密度の悪化による逆方向印加時のリーク電流を低減することができるので、MOSFETのオン動作とオフ動作のトレードオフを改善することができる。
また、昇温工程で用いる活性ガスとして、Oガス若しくは水蒸気又はその両方を用いるか、NOガス又はNOガス等の窒素も含む活性ガスを炉体内の雰囲気中に含ませることで、炭化珪素材料の表面が酸化し、絶縁膜を形成することができる。
また、温度保持工程で用いるガスとして、NOガス、NOガス又はNHガスを炉体内の雰囲気中に含ませることで、炭化珪素材料と絶縁膜の界面に存在するダングリングボンドを終端したり、残留カーボンを除去することができる。
また、降温工程で用いるガスとして、NOガス、NOガス、又はNHガスを炉体内の雰囲気中に含ませることで、炭化珪素材料と絶縁膜の界面に存在するダングリングボンドを終端したり、残留カーボンを除去することができる。
また、昇温工程、温度保持工程及び降温工程のそれぞれにおいて、活性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気にすることで、酸化レートや窒化処理の反応速度を制御することができる。
また、昇温工程、温度保持工程及び降温工程のそれぞれにおいて、不活性ガスとしてN又はArを用いることとしたので、半導体製造工程に通常利用される不活性ガスを利用することができる。
(第1の変形例)
次に、本発明の実施の形態の半導体装置の第1の変形例を説明する。第1の変形例に係る半導体装置は、図16に示すように、トランジスタとダイオードが一つのデバイスに一体化されている構造を備える点が、図6に示した構造と異なる。
図16に示すように、第1の変形例に係る半導体装置において、ソース領域4、ウェル領域3及びドリフト領域2の一部を貫通する溝5a,5bが形成されている。一方の溝5aにはゲート絶縁膜6を介してゲート電極7が埋め込まれている。他方の溝5bには、ヘテロ接合領域11が埋め込まれている。ヘテロ接合領域11とドリフト領域2とによりヘテロ接合ダイオード(ユニポーラダイオード)が形成される。
次に、第1の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を説明する。
(イ)図7及び図8の手順は、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法と実質的に同様である。次に、ソース領域4上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストをパターニングする。パターニングされたレジストをマスクとして用いて、RIE等によりソース領域4、ウェル領域3及びドリフト領域2の一部を選択的に除去する。その後、フッ酸等を用いてレジストを除去する。この結果、図17に示すように溝5a,5bが形成される。
(ロ)次に、本発明の実施の形態に係る熱酸化法を用いて、図18に示すように、溝5a,5bの表面及びソース領域4上にゲート絶縁膜6を形成する。その後、ゲート絶縁膜6上にレジストを塗布して、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストをパターニングする。パターニングされたレジストをマスクとして用いて、RIE法等によりゲート絶縁膜6の一部を選択的に除去する。この結果、図19に示すように溝5aにゲート絶縁膜6が形成される。
(ハ)次に、図20に示すように、CVD法等により、溝5a,5b及びソース領域4上に多結晶シリコン膜12を堆積し、エッチバックすることにより、図21に示すように溝5a,5bに多結晶シリコン膜12を埋め込む。
(ニ)次に、多結晶シリコン膜12及びソース領域4上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストをパターニングする。パターニングされたレジストをマスクとして用いて、溝5a,5bに埋め込まれている多結晶シリコン膜12に対してp型不純物等をイオン注入する。その後、フッ酸等でレジストを除去し、熱処理を行う。この結果、図22に示すように、ゲート電極7及びヘテロ接合領域11が形成される。
(ホ)次に、図23に示すように、CVD法等により、ソース領域4、ゲート電極7及びヘテロ接合領域11上に層間絶縁膜8を堆積する。層間絶縁膜8上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストをパターニングする。パターニングされたレジストをマスクとして用いて、RIE法等により層間絶縁膜8の一部を選択的に除去する。その後、フッ酸等を用いてレジストを除去する。この結果、図24に示すようにゲート電極7の上面が層間絶縁膜8で覆われた構造となる。
(ヘ)次に、図25に示すように、蒸着法やスパッタ法等により、ソース領域4及び層間絶縁膜8上にソース電極10を形成する。更に、蒸着法やスパッタ法等により、基体1の裏面にドレイン電極9を形成することで、図16に示した半導体装置が完成する。
第1の変形例によれば、トランジスタとヘテロ接合ダイオードを一つのデバイスに一体化した半導体装置においては、ゲート絶縁膜の形成工程で加わるダイオード側への熱履歴も低減することができる。熱履歴の低減により、ヘテロ接合によるダイオードと炭化珪素材料の界面の界面準位密度の悪化を軽減したり、接合面の荒れや結晶欠陥の進行を防ぐことができるしたがって、ゲート絶縁膜の形成工程の熱履歴で生じるヘテロ接合ダイオードの逆方向電圧印加時におけるリーク電流も低減することができる。
(第2の変形例)
次に、本発明の実施の形態に係る半導体装置の第2の変形例を説明する。第2の変形例に係る半導体装置は、図26に示すように、トランジスタとダイオードを一つのデバイスに一体化した構造であり、ショットキーバリアダイオード(ユニポーラダイオード)を備える点が、図16に示した第1の変形例に係る半導体装置の構成と異なる。
図26に示すように、第2の変形例に係る半導体装置の溝5bには、ソース電極10と接続された金属電極13が埋設されている。金属電極13の材料としては、例えばニッケル(Ni)やアルミニウム(Al)等が使用可能である。金属電極13とドリフト領域2とにより、ショットキーバリアダイオードが形成される。
次に、第2の変形例に係る半導体装置の製造方法の一例を説明する。
(イ)図7〜図12の手順は、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法と実質的に同様である。次に、ソース領域4上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストをパターニングする。パターニングされたレジストをマスクとして用いて、RIE法等によりソース領域4、ウェル領域3及びドリフト領域2の一部を除去する。その後、フッ酸等を用いてレジストを除去する。この結果、図27に示すように溝5bが形成される。
(ロ)次に、図28に示すように、CVD法等により、溝5b及びソース領域4上に層間絶縁膜8を堆積する。層間絶縁膜8上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストをパターニングする。パターニングされたレジストをマスクとして用いて、RIE法等により、層間絶縁膜8の一部を選択的に除去する。この結果、図29に示すようにゲート電極7の上面が層間絶縁膜8で覆われた構造となる。
(ハ)次に、スパッタ法や蒸着法等により、溝5b及びソース領域4上に金属膜を堆積する。金属膜上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストをパターニングする。パターニングしたレジストをマスクとして用いて、RIE等でエッチングを行うことにより、金属膜の一部を選択的に除去する。この結果、図30に示すように、金属電極13が溝5bに埋め込まれる。
(ニ)次に、図31に示すように、蒸着法やスパッタ法等により、ソース領域4及び層間絶縁膜8上にソース電極10を形成する。更に、蒸着法やスパッタ法等により、基体1の裏面にドレイン電極9を形成することで、図16に示した半導体装置が完成する。
第2の変形例によれば、トランジスタとダイオードを一つのデバイスに一体化した半導体装置においては、ゲート絶縁膜の形成工程で加わるダイオード側への熱履歴も低減することができる。即ち、熱履歴の低減により、ショットキー接合によるダイオードと炭化珪素材料の界面の界面準位密度の悪化を軽減したり、接合面の荒れや結晶欠陥の進行を防ぐことができるしたがって、ゲート絶縁膜の形成工程の熱履歴で生じるショットキーダイオードの逆方向電圧印加時におけるリーク電流も低減することができる。
(第3の変形例)
次に、本発明の実施の形態に係る半導体装置の第3の変形例を説明する。第3の変形例に係る半導体装置は、図32に示すように、n型の炭化珪素からなる基体1と、基体1上に形成された炭化珪素からなるドリフト領域2と、ドリフト領域2上に形成されたn型のソース領域4と、ドリフト領域2上にソース領域4を囲むように形成されたp型のウェル領域3と、ソース領域4に接続されたソース電極10と、ドリフト領域2及びウェル領域3上に形成されたゲート絶縁膜6と、ゲート絶縁膜6上に配置されたゲート電極7と、ゲート電極7を覆うように形成された層間絶縁膜8とを備える。基体1の裏面にはドレイン電極9が形成されている。
ゲート絶縁膜6は、ドリフト領域2及びウェル領域3上に形成された酸化膜6aと、酸化膜6a上に堆積された堆積絶縁膜6bとを備える。堆積絶縁膜6bとしては、窒化膜や酸化膜が使用可能である。
第3の変形例に係る半導体装置を製造する際に、まずドリフト領域2の表面に堆積絶縁膜6bを堆積する。堆積方法は、常圧又は減圧による化学気相成長(CVD)法が適している。その後、本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法を用いることにより、ドリフト領域2が酸化されて、図16に示すように堆積絶縁膜6bとドリフト領域2との間に酸化膜6aが形成される。
或いは、まず本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法を用いてドリフト領域2の表面に酸化膜6aを形成した後に、酸化膜6a上に堆積絶縁膜6bを堆積しても図16の構造を形成することができる。第3の変形例に係る半導体装置を製造するための他の工程は、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程と実質的に同様である。
第3の変形例によれば、堆積絶縁膜6bの厚さの分だけゲート絶縁膜6を形成する時間を減らすことができる。このため、時間低減分を窒化処理に費やすことができ、ゲート絶縁膜6の工程にかかる時間を短縮し、熱履歴を低減することができる。
また、堆積絶縁膜6bと、炉を用いて形成する酸化膜6aを組み合わせることで、所望のゲート絶縁膜6の膜厚に対して、炉で形成する酸化膜6aを薄くすることができる。このため、炉における工程時間が減り、熱履歴を低減することができる。
なお、図33に示す半導体装置は、図32に示した半導体装置を更に変形させた構造であり、トランジスタとダイオード(ユニポーラダイオード)が一つのデバイスに一体化されている構造を備える点が、図32に示した構造と異なる。ドリフト領域2上にはヘテロ接合領域11が形成され、ヘテロ接合領域11とドリフト領域2とによりヘテロ接合ダイオードが形成される。図32に示した構造でも、ゲート絶縁膜6を、本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法で形成した酸化膜6aと、酸化膜6a上に形成された堆積絶縁膜6bとの2層とすることができる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、図34(a)に示すように、時刻t13〜t14の温度保持工程においては、NO等の窒素を含むガスで窒化処理を行い、窒化処理が十分なされている場合には、時刻t14〜t15の降温工程においては、Nガス等の不活性ガスのみ供給してもよい。このように、温度保持工程及び降温工程の少なくともいずれか一方で窒化処理が行われればよい。
また、図34(b)に示すように、時刻t13〜t14の温度保持工程においては、Oガス等の窒素を含まない活性ガスを供給することにより、窒化処理を行わず、酸化膜を形成してもよい。その後、時刻t14〜t15の降温工程において、窒素を含む活性ガスを供給することにより窒化処理を行ってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る絶縁膜の形成方法における昇温工程、温度保持工程及び降温工程の一連の手順を複数組み合わせることにより、複数層の絶縁膜を積層してもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…基体
2…ドリフト領域
3…ウェル領域
4…ソース領域
5,5a,5b…溝
6…ゲート絶縁膜
6a…酸化膜
6b…堆積絶縁膜
7…ゲート電極
8…層間絶縁膜
9…ドレイン電極
10…ソース電極
11…ヘテロ接合領域
13…金属電極
101…反応管
102…ヒータ
103…ボート
104…SiC基板
105a〜105c…ガス供給管
106a〜106c…ガスバルブ
107…排気管
108…排気ポンプ
110…ドア

Claims (7)

  1. 炭化珪素材料の表面に絶縁膜を形成する半導体装置の製造方法であって、
    活性ガス雰囲気で前記炭化珪素材料を所定の温度まで上昇させる昇温工程と、
    前記炭化珪素材料を所定の温度に保持する温度保持工程と、
    前記炭化珪素材料を降温させる降温工程
    とを含み、
    前記温度保持工程及び降温工程の少なくとも一方が、窒素を含む活性ガス雰囲気で行われる
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記昇温工程における活性ガス雰囲気は、酸素ガス、水蒸気若しくはこれらの混合、又は一酸化窒素ガス若しくは亜酸化窒素ガスの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記温度保持工程が窒素を含む活性ガス雰囲気で行われ、当該窒素を含む活性ガス雰囲気が、一酸化窒素ガス、亜酸化窒素ガス又はアンモニアガスの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記降温工程が窒素を含む活性ガス雰囲気で行われ、当該窒素を含む活性ガス雰囲気が、一酸化窒素ガス、亜酸化窒素ガス又はアンモニアガスの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記昇温工程、温度保持工程及び降温工程のそれぞれにおいて、活性ガスと不活性ガスとを混合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記不活性ガスは、窒素又はアルゴンであることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記半導体装置が電圧制御型トランジスタであり、
    前記絶縁膜がゲート酸化膜である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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