JP2015071447A - 画像形成装置、制御方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着層を有するラベル用紙を搬送し印刷する際に、簡単な制御及び構成で印字中の搬送精度を確保すると共に、生産性の低下を防止する。【解決手段】巻回面に粘着処理が施され巻回状態にある印字媒体と、巻回状態にある印字媒体の端部を伸張し、所定の方向に搬送する搬送手段と、搬送された印字媒体に印字処理を行う印字手段と、印字媒体の搬送が停止している状態で、印字媒体の端部とは異なる端部であって、巻回面から剥離される直前の端部を所定の方向とは異なる方向に伸張することにより、印字媒体の粘着処理を剥離する剥離手段と、を含む。【選択図】図5

Description

本発明は、画像形成装置、制御方法、及びプログラムに関する。
市場で使用されている、商品のPOP(Point Of Purchase)ラベル、値札、バーコードラベルを始めとする、様々な形態のラベルにおいて、ラベル表面に文字や画像を印字するものとしてラベルプリンタが知られている。ここでいうラベルは、通常、“剥離紙(セパレータ)”の付いたセパレータ付き粘着ラベルが使用されており、このラベルを使用する際には、セパレータとラベルとを分離した上で対象物にラベルを貼り付けるという作業が行われている。
このようなラベル貼り付け作業時に分離されたセパレータは不要物(ごみ)となり、廃棄されるものである。そこで、昨今では、セパレータの廃棄をなくし、省資源化を図るため、“剥離紙(セパレータ)”の付いていないセパレータなしラベル(以下、ノンセパラベルという。)が市場で使用され始めている。
特許文献1には、ロールラベルから送り出されるラベル用紙の印字部における送りスピードを一定に保ち、印字スピードの高速化による生産能力の向上を実現することができるラベルプリンタが開示されている。具体的には、ラベル用紙がロール状に巻かれたロールラベルを保持するラベル用紙供給部と、回転駆動されてラベル用紙供給部側からラベル用紙を繰り出す印字ローラと、印字ローラにより繰り出されたラベル用紙に印字ローラとの間で印字を行うサーマルヘッドで構成される印字部とを備えたラベルプリンタであって、ラベル用紙供給部に保持されるロールラベルを回転させてロールラベルに巻き弛みを生じさせる駆動手段と、駆動手段により生じさせられたロールラベルの巻き弛みの量を検知する検知手段と、巻き弛みの量が所定範囲内となるように駆動手段を制御する制御手段とを備えるラベルプリンタが記載されている。
1枚貼りラベルであるライナーレスラベルは、ラベルの裏面に粘着剤が施されている一方、ラベルの表面には非粘着処理が施されていることが多いが、ライナーレスラベルプリンタではロール状に巻回されるため、その接着作用により、搬送負荷が不安定になり、スムーズに搬送することができないという課題があった。そのため、印字精度が悪くなり、特にバーコード等で印字品質を満足することができないという問題があった。
この課題を解決するために、搬送を行う前に予めロールラベル回転させ、ラベルを剥離することによって搬送負荷が不安定にならないようにする、いわゆる先行剥離動作を行う方法がある。しかしながら、この先行剥離動作を行うために他の動作を止めてしまうと、単位時間当たりの印刷枚数の低下といった印刷の生産性が落ちてしまうという問題があった。
また、特許文献1に記載された技術は、ロールラベルに弛みを意図的に作ることにより、搬送負荷を安定させているが、このラベルプリンタは、剥離紙の付いたセパレータ付き粘着ラベルを対象としており、ライナーレスラベルの先行剥離動作を行うことに伴って、印刷の生産性が落ちてしまうという問題は依然として解消されていない。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、粘着層を有するラベル用紙を搬送し印刷する際に、簡単な制御及び構成で印字中の搬送精度を確保すると共に、生産性の低下を防止することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明における画像形成装置は、巻回面に粘着処理が施され巻回状態にある印字媒体と、前記巻回状態にある印字媒体の端部を伸張し、所定の方向に搬送する搬送手段と、前記搬送された印字媒体に印字処理を行う印字手段と、前記印字媒体の搬送が停止している状態で、前記印字媒体の端部とは異なる端部であって、前記巻回面から剥離される直前の端部を前記所定の方向とは異なる方向に伸張することにより、前記印字媒体の粘着処理を剥離する剥離手段と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、粘着層を有するラベル用紙を搬送し印刷する際に、簡単な制御及び構成で印字中の搬送精度を確保すると共に、生産性の低下を防止することが可能な画像形成装置を得ることができる。
本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の概要について説明する図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置のインクジェット記録部分の概略について説明する図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の制御部の概要について説明する図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置のラベル剥離による負荷の発生について説明する図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の先行剥離動作について説明する図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の印刷時のキャリッジ駆動、搬送、カッタの動作について説明する図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の印刷時のキャリッジ駆動、搬送、カッタの動作タイミングについて説明する図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置のキャリッジ駆動のタイミングで先行剥離動作を行う場合のタイミングについて説明する図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の先行剥離動作による剥離状態を検出する手段の一例について、(a)透過時、(b)遮蔽時の場合について説明する図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の図8、図9に示す実施形態を実現するためのフローについて説明する図である。 本発明における他の実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置のラベルカットのタイミングで先行剥離動作を行う場合のタイミングについて説明する図である。 本発明における他の実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の図11に示す実施形態を実現するためのフローについて説明する図である。 本発明におけるさらに他の実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置のキャリッジ駆動とラベルカットの両方のタイミングで先行剥離動作を行う場合のタイミングについて説明する図である。 本発明におけるさらに他の実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の図13に示す実施形態を実現するためのフローについて説明する図である。 本発明におけるさらなる他の実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の印刷モードによって先行剥離動作の実施の要否を判定するフローについて説明する図である。
本発明は、ライナーレスのラベル用紙を用いても、粘着剥離による搬送負荷ばらつきの影響を受けずに印字品質を確保し、かつ生産性を低下させない画像形成装置に関するものである。より詳細には、搬送を行う前に予めロールラベルを回転させ、ラベルを剥離することにより搬送負荷が不安定にならない状態における先行剥離動作の実施タイミングに関するものである。要するに、先行剥離動作を、印刷中の副走査が停止しているタイミングで実施することにより、印刷を行うために必要な動作を止めることなく、印刷の生産性に影響を与えないことが特徴になっている。
以下の本実施形態に係る画像形成装置では、“剥離紙(セパレータ)”のない“ノンセパラベル”用プリンタについて詳述する。ラベルプリンタの印字方式には、サーマル方式、ドットインパクト方式、インクジェット方式等があるが、本実施形態では、印字対象物において、より汎用性の高いインクジェット方式のプリンタについて説明する。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。
まず初めに、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の概要について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の概要について説明する図である。
ラベルプリンタ装置100は、剥離紙(セパレータ)がなく、巻回面に粘着処理が施され、巻回状態にあるロールラベル53に対してインクを吐出し印字を行うインクジェット方式のプリンタである。ラベルプリンタ装置100は、インクを吐出するインクジェットヘッド4と、インクジェットヘッド4を搭載し、ガイドレールに案内されて主走査方向に移動するキャリッジ3と、を有する。また、ラベルプリンタ装置100は、印字媒体であるロールラベル53をインクジェットヘッド4の下方に搬送する搬送ベルト12を有する。さらに、ラベルプリンタ装置100は、搬送中のラベル53が搬送ベルト12から浮かないようにベルトへ吸着させるためのファン55と、印字後のラベルをカットするためのカッタ59と、を有する。
ロールラベル53から給紙されたラベル紙は、その端部が搬送ローラ13の駆動により回転する搬送ベルト12によって、キャリッジ3の下まで伸張して送られる。キャリッジ3の下に送られたラベル紙は、キャリッジ3により印字処理される。印刷後のラベル紙はカッタ59の下まで送られ、所定の長さとなったときに、カッタ59が駆動してラベルが切断処理される。切断位置より下流側のラベル紙は、先端がラベルプリンタ装置100本体外部に排出され、搬送ローラ60により後端が保持される位置で停止する。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置のインクジェット記録部分の概略について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置のインクジェット記録部分の概略について説明する図である。
このラベルプリンタ装置100は、左右の側板100L、100R間に横架した主ガイドロッド1、及び図示しない従ガイド部材で、キャリッジ3を摺動自在に保持している。主走査モータ5は、駆動プーリー6と従動プーリー7との間に渡したタイミングベルト8を介して主走査方向に移動走査する。
このキャリッジ3は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド4y、4m、4c、4k(以下、記録ヘッド4ともいう。)を装着している。具体的には、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド4を構成する液体吐出ヘッドとして、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ等を使用できる。また、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等を使用できる。これらについて、液滴を吐出するための圧力を発生する手段として備えたもの等を使用できる。
一方、用紙を搬送するために、用紙を静電吸着して記録ヘッド4に対向する位置まで搬送するための手段である搬送ベルト12を備えている。この搬送ベルト12は、無端状ベルトであり、搬送ローラ13とテンションローラ14との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成される。
また、搬送ベルト12は、副走査モータ16によってタイミングベルト17及びタイミングプーリー18を介して搬送ローラ13が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。さらに、キャリッジ3の主走査方向の一方側には、搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4の維持回復を行う維持回復機構20が配置され、他方側には、搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4から空吐出を行う空吐出受け21がそれぞれ配置されている。なお、維持回復機構20は、例えば、記録ヘッド4のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングする4個のキャップ部材31、ノズル面を払拭するワイパ部材32、画像形成に寄与しない液滴(空吐出滴)を受ける空吐出受け33等で構成されている。
また、キャリッジ3の主走査方向に沿って両側板間に、所定のパターン(位置識別部、目盛り、スリット等ともいう。以下、スリットという。)を形成したエンコーダスケール23を張装している。キャリッジ3にはエンコーダスケール23のスリットを読み取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ24が設けられている。これらエンコーダスケール23とエンコーダセンサ24とにより、キャリッジ3の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)を構成している。
また、搬送ローラ13の軸に高分解能のエンコーダスケール(コードホール)25を取り付け、このエンコーダスケール25に形成したパターン(スリット)を検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ26を設けている。これらエンコーダスケール25とエンコーダセンサ26とにより、搬送ベルト12の移動量及び移動位置を検出するロータリエンコーダ(副走査エンコーダ)を構成している。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の制御部の概要について説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の制御部の概要について説明する図である。
制御部200は、ラベルプリンタ装置100全体の制御を司り、キャリッジ3の移動制御を行うCPU(Central Processing Unit)201を備えている。また、CPU201が実行するプログラムを含む各種プログラム、その他の固定データを格納するROM(Read Only Memory)202を備えている。さらに、画像データ等を一時格納するRAM(Random Access Memory)203を備えている。そして、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリNVRAM(Non Volatile RAM)204を備えている。また、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理や、その他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC(Application Specific Integrated Circuit)205を備えている。
また、制御部200は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのホストI/F(Interface)206と、記録ヘッド4を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動波形を生成する駆動波形生成手段を含む印刷制御部207と、を備えている。さらに、制御部200は、キャリッジ3側に設けた記録ヘッド4を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC(Integrated Circuit))208を備えている。また、制御部200は、主走査モータ5、副走査モータ16、ロールラベル駆動モータ216、及びカッタ駆動モータ217を駆動するためのモータ駆動部210を備えている。そして、制御部200は、エンコーダセンサ24、26からの各検出信号、ドット形成位置のズレを来たす要因としての環境温度を検出する温度センサ215等の各種センサからの検出信号を入力するためのI/O(Input/Output)213等を備えている。また、この制御部200には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル214が接続されている。
ここで、制御部200は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナ等の画像読み取り装置、デジタルカメラ等の撮像装置等のホスト側からの画像データ等をケーブル、又はネットワークを介してホストI/F206で受信する。そして、制御部200のCPU201は、ホストI/F206に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC205において必要な画像処理、データの並べ替え処理等を行う。さらに、この画像データを印刷制御部207からヘッドドライバ208に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、ホスト側のプリンタドライバで行っている。
印刷制御部207は、上述した画像データをシリアルデータでヘッドドライバ208に転送すると共に、この画像データの転送及び転送の確定等に必要な転送クロックやラッチ信号、滴制御信号(マスク信号)等をヘッドドライバ208に出力する。また、印刷制御部207は、ROM202に格納されている駆動信号のパターンデータを、D/A(Digital/Analog)変換するD/A変換器を含んでいる。さらに、印刷制御部207は、電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動波形生成部及びヘッドドライバ208に与える駆動波形選択手段を含んでいる。印刷制御部207は、1の駆動パルス(駆動信号)又は複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成し、ヘッドドライバ208に対して出力する。
ヘッドドライバ208は、シリアルに入力される記録ヘッド4の1行分に相当する画像データに基づいて、記録ヘッド4を駆動する。具体的には、印刷制御部207から与えられる駆動波形を構成する駆動信号を、選択的に記録ヘッド4の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子に対して印加することにより記録ヘッド4を駆動する。駆動素子としては、例えば、上述したような圧電素子が挙げられる。このとき、駆動波形を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴(大ドット)、中滴(中ドット)、小滴(小ドット)等、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
また、CPU201は、主走査モータ5に対する駆動出力値(制御値)を算出してモータ駆動部210を介して主走査モータ5を駆動する。駆動出力値は、リニアエンコーダを構成するエンコーダセンサ24からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値と、から算出される。
同様に、CPU201は、副走査モータ16に対する駆動出力値(制御値)を算出してモータ駆動部210を介して副走査モータ16を駆動する。駆動出力値は、ロータリエンコーダを構成するエンコーダセンサ26からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値と、から算出される。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置のラベル剥離による負荷の発生について説明する。図4は、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置のラベル剥離による負荷の発生について説明する図である。
このように構成したラベルプリンタ装置100において、搬送ローラ13によってラベルを搬送すると、搬送ローラ13の駆動に連れ回るように、ロールラベル53がA方向に回転し、ラベルが剥離する。このとき、ラベルの接着作用により、ラベルの剥離負荷があり、搬送精度が不安定になるため、印字精度が悪くなり、特にバーコード等で印字品質を満足できないことがある。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の先行剥離動作について説明する。図5は、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の先行剥離動作について説明する図である。
上述した印字品質の劣化を防ぐため、搬送ローラ13による搬送を行う前に、搬送ローラ13が停止した状態で、ロールラベル駆動モータ216(図3)により、ロールラベル53をA方向に駆動することで剥離する方法(先行剥離動作)が考えられる。すなわち、ロールラベル53が搬送されている端部とは異なる部分であって、粘着面から剥離される直前の端部を剥離するのである。これにより、搬送ローラ13による搬送が行われると、ロールラベル53はB方向に連れ回るので、ラベル剥離が発生せず、不安定な負荷も発生しないことになる。ただし、この先行剥離動作を行うことにより、他の動作(主走査、副走査)を止めてしまうと、生産性(単位時間当たりの印刷枚数)が低下してしまうという問題が発生する。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の印刷時のキャリッジ駆動、搬送、カッタの動作について説明する。図6は、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の印刷時のキャリッジ駆動、搬送、カッタの動作について説明する図である。このラベルプリンタ装置100では、搬送とキャリッジ駆動とを繰り返すことによって印刷を実行している。
まず、図6(a)の初期状態から、ロールラベル53か給紙され、搬送ベルト12により書出位置まで搬送される(b)。そして、キャリッジ3が駆動され、印字が行われる(c)。さらに、搬送ベルト12により1行分搬送され改行される(d)。そして、再びキャリッジ3が駆動され、印字が行われる(e)。さらに、搬送ベルト12により排紙され、カット位置まで搬送される(f)。最後にカッタ59によりラベルがカットされる(g)。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の印刷時のキャリッジ駆動、搬送、カッタの動作タイミング、及びキャリッジ駆動のタイミングで先行剥離動作を行う場合のタイミングについて説明する。図7は、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の印刷時のキャリッジ駆動、搬送、カッタの動作タイミングについて説明する図である。また、図8は、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置のキャリッジ駆動のタイミングで先行剥離動作を行う場合のタイミングについて説明する図である。
図7に示すタイミングチャートの中で、キャリッジ駆動のタイミングでは搬送が停止しているため、先行剥離動作を実施することができる。よって、図8に示すように、キャリッジ駆動のタイミングで先行剥離動作を行うこととしている。これにより、上述した、先行剥離動作を行うために他の動作(主走査、副走査)を止めてしまうと、生産性(単位時間当たりの印刷枚数)が低下してしまうという問題を解決することができる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の先行剥離動作による剥離状態を検出する手段の一例について説明する。図9は、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の先行剥離動作による剥離状態を検出する手段の一例について、(a)透過時、(b)遮蔽時の場合について説明する図である。
図8で説明したタイミングで先行剥離動作を実施するとき、剥離する距離が多すぎる、又は少なすぎることを防止するため、剥離距離を検出し調整する手段が必要になる。図9はその手段の一例である。
図9(a)に示すように、ロールラベル53と搬送ローラ13との間にあるラベルに接触するように可動式のフィラーを設置し、このフィラーによって遮蔽される透過型光センサ(フィラーセンサ)を設ける。図9(a)に示すようにロールラベル53が剥離されていない状態では、透過型光センサ(フィラーセンサ)は透過状態となる。図9(b)に示すようにロールラベル53が剥離されている状態では、透過型光センサ(フィラーセンサ)は遮蔽される状態となる。これにより、剥離量が一定量になっていることを検出することができる。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の図8、図9に示す実施形態を実現するためのフローについて説明する。図10は、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の図8、図9に示す実施形態を実現するためのフローについて説明する図である。
図10において、制御部200がホストI/F206から印刷データを受け取ると、モータ駆動部210が副走査モータ16を駆動し、給紙動作を行う(ステップ(以下、Sという。)101)。次に、S102の処理とS103の処理とを並行して実行する。S102の処理では、モータ駆動部210が主走査モータ5を駆動し、キャリッジ3を駆動しつつ、印刷制御部207がヘッドドライバ208を駆動し、記録ヘッド4から印字を行わせる。S103の処理では、モータ駆動部210がロールラベル駆動モータ216を駆動する。
印刷制御部207は、S104の処理においてフィラーセンサの状態を確認し、フィラーセンサが透過状態であれば、再度S104の処理に戻ってフィラーセンサ状態の確認を継続する。遮蔽状態であれば、S105の処理へ移行してロールラベル駆動モータ216を停止する。S102の処理とS105の処理とが共に終了したらS106の処理へ移行し、印刷制御部207が、印字行が残っているか否かを確認する。
印字行が残っている場合はS107の処理に移行し、モータ駆動部210が副走査モータ16を駆動して改行動作を行い、再びS102の処理とS103の処理とを並行して実行する。印字行が残っていない(1枚終了の)場合はS108の処理へ移行し、モータ駆動部210がカッタ駆動モータ217を駆動してラベルをカットし、S109の処理へ移行する。S109の処理では、印刷制御部207が次のページの有無を確認し、次のページがある場合はS101の処理へ戻り、次のページがない場合は処理を終了する。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置のラベルカットのタイミングで先行剥離動作を行う場合のタイミングについて説明する。図11は、本発明における他の実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置のラベルカットのタイミングで先行剥離動作を行う場合のタイミングについて説明する図である。
図7に示すタイミングチャートの中で、ラベルカットのタイミングでは、搬送が停止しているため、先行剥離動作を実施することができる。よって、図11に示すように、ラベルカットのタイミングで先行剥離動作を行うこととしている。これにより、上述した、先行剥離動作を行うために他の動作(主走査、副走査)を止めてしまうと、生産性(単位時間当たりの印刷枚数)が低下してしまうという問題を解決することができる。
次に、本発明における他の実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の図11に示す実施形態を実現するためのフローについて説明する。図12は、本発明における他の実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の図11に示す実施形態を実現するためのフローについて説明する図である。
図12において、制御部200がホストI/F206から印刷データを受け取ると、モータ駆動部210が副走査モータ16を駆動し、給紙動作を行う(S201)。次に、S202の処理へ移行し、モータ駆動部210が主走査モータ5を駆動し、キャリッジ3を駆動しつつ、印刷制御部207がヘッドドライバ208を駆動し、記録ヘッド4から印字を行わせる。S203の処理では、印刷制御部207が、印字行が残っているか否かを確認する。
印字行が残っている場合はS204の処理へ移行し、モータ駆動部210が副走査モータ16を駆動して改行動作を行い、再びS202の処理へ戻る。印字行が残っていない(1枚終了の)場合は、S205の処理とS206の処理とを並行して実行する。S205の処理では、モータ駆動部210がカッタ駆動モータ217を駆動し、ラベルをカットする。S206の処理では、モータ駆動部210がロールラベル駆動モータ216を駆動する。
印刷制御部207は、S207の処理においてフィラーセンサの状態を確認し、フィラーセンサが透過状態であれば、再度S207の処理に戻ってフィラーセンサ状態の確認を継続する。遮蔽状態であれば、S208の処理へ移行してロールラベル駆動モータ216を停止する。S205の処理とS208の処理とが共に終了したらS209の処理へ移行する。S209の処理では、印刷制御部207が、次のページの有無を確認し、次のページがある場合はS201の処理へ戻り、次のページがない場合は、処理を終了する。
次に、本発明におけるさらに他の実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置のキャリッジ駆動とラベルカットの両方のタイミングで先行剥離動作を行う場合のタイミングについて説明する。図13は、本発明におけるさらに他の実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置のキャリッジ駆動とラベルカットの両方のタイミングで先行剥離動作を行う場合のタイミングについて説明する図である。
図13に示すように、キャリッジ駆動とラベルカットの両方のタイミングで先行剥離動作を行うことにより、先行剥離動作を実施する機会を増やし、確実に剥離距離を確保することが可能となる。
次に、本発明におけるさらに他の実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の図13に示す実施形態を実現するためのフローについて説明する。図14は、本発明におけるさらに他の実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の図13に示す実施形態を実現するためのフローについて説明する図である。
図14において、制御部200がホストI/F206から印刷データを受け取ると、モータ駆動部210が副走査モータ16を駆動し、給紙動作を行う(S301)。次に、S302の処理とS303の処理とを並行して実行する。S302の処理では、モータ駆動部210が主走査モータ5を駆動し、キャリッジを駆動しつつ、印刷制御部207がヘッドドライバ208を駆動し、記録ヘッド4から印字を行わせる。S303の処理では、モータ駆動部210がロールラベル駆動モータ216を駆動する。
印刷制御部207は、S304の処理においてフィラーセンサの状態を確認し、フィラーセンサが透過状態であれば再度S304の処理に戻ってフィラーセンサ状態の確認を継続する。遮蔽状態であれば、S305の処理ヘ移行してロールラベル駆動モータ216を停止する。S302の処理とS305の処理とが共に終了したらS306の処理へ移行し、印刷制御部207が、印字行が残っているか否かを確認する。
印字行が残っている場合はS307の処理へ移行し、モータ駆動部210が副走査モータ16を駆動して改行動作を行い、再びS302の処理とS303の処理とを並行して実行する。印字行が残っていない(1枚終了の)場合は、S308の処理とS309の処理とを並行して実行する。S308の処理では、モータ駆動部210がカッタ駆動モータ217を駆動し、ラベルをカットする。S309の処理では、モータ駆動部210がロールラベル駆動モータ216を駆動する。
印刷制御部207は、S310の処理においてフィラーセンサの状態を確認し、フィラーセンサが透過状態であれば、再度S310の処理に戻ってフィラーセンサ状態の確認を継続する。遮蔽状態であれば、S311の処理へ移行してロールラベル駆動モータ216を停止する。S308の処理とS311の処理とが共に終了したらS312の処理へ移行する。S312の処理では、印刷制御部207が、次のページの有無を確認し、次のページがある場合にはS301の処理へ戻り、次のページがない場合は、処理を終了する。
次に、本発明におけるさらなる他の実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の印刷モードによって先行剥離動作の実施の要否を判定するフローについて説明する。図15は、本発明におけるさらなる他の実施形態に係る画像形成装置の一例であるラベルプリンタ装置の印刷モードによって先行剥離動作の実施の要否を判定するフローについて説明する図である。
先行剥離動作を行う目的は、搬送負荷を安定させて、印刷精度を高精度にすることである。一般的なプリンタでは、印刷時に、例えば、「高速」、「はやい」、「高画質」のような印刷品質を選択することができる。これらの印刷品質は、印刷速度と画像品質のバランスを選択するものであり、例えば、「高速」は印刷速度が速いが画像品質は低いモードとなり、「高画質」は印刷速度が遅いが画像品質は高いモード、となる。
ここで、上述した印字精度について、画像品質が低い印字モードであれば印字精度はあまり気にされず、逆に画像品質が高い印字モードでは印字精度も重視されることになる。よって、選択された印刷品質で要求される画像品質が高い場合は、先行剥離動作を実施し、求められる画像品質が低い場合は、速度を重視して、先行剥離動作を実施しないことが望ましい。
図15において、制御部200がホストI/F206から印刷データを受け取ると、S401の処理で、印刷制御部207は、印刷データの印刷画質を確認し、「高速」であればS402の処理へ移行し、先行剥離動作を実施しないものと判断して、処理を終了する。印刷画質が「はやい」、又は「高画質」であれば、S403の処理へ移行し、先行剥離動作を実施するものと判断定して、処理を終了する。
なお、図10、図12、図14、及び図15に示した本発明の実施形態におけるラベルプリンタ装置100を構成する各機能ブロックの各動作は、コンピュータ上のプログラムに実行させることもできる。すなわち、画像形成装置100のCPU201が、ROM202に格納されたプログラムをロードし、プログラムの各処理ステップが順次実行されることによって行われる。
本発明では、搬送を行う前に予めロールラベル回転させてラベルが剥離することで搬送負荷が不安定にならないようにする先行剥離動作を、印刷中の副走査が停止しているタイミングで実施している。これにより、印刷を行うために必要な動作を止めることがないため、生産性に影響が出ない。したがって、粘着層を有するラベル用紙を搬送し印刷する際に、簡単な制御及び構成で印字中の搬送精度を確保すると共に、生産性の低下を防止することが可能な搬送装置、画像形成装置、制御方法、及びプログラムが得られる。
以上、本発明の好適な実施形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。
1 主ガイドロッド
3 キャリッジ
4、4y、4m、4c、4k インクジェット(記録ヘッド)
5 主走査モータ
6 駆動プーリー
7 従動プーリー
8、17 タイミングベルト
12 搬送ベルト
13、60 搬送ローラ
14 テンションローラ
16 副走査モータ
18 タイミングプーリー
20 維持回復機構
21、33 空吐出受け
23、25 エンコーダスケール
24、26 エンコーダセンサ
31 キャップ部材
32 ワイパ部材
53 ロールラベル
55 ファン
59 カッタ
100 ラベルプリンタ装置
100L、100R 側板
200 制御部
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 NVRAM
205 ASIC
206 ホストI/F
207 印刷制御部
208 ヘッドドライバ
210 モータ駆動部
213 I/O
214 操作パネル
215 センサ
216 ロールラベル駆動モータ
217 カッタ駆動モータ
特開2004−189304号公報

Claims (7)

  1. 巻回面に粘着処理が施され巻回状態にある印字媒体と、
    前記巻回状態にある印字媒体の端部を伸張し、所定の方向に搬送する搬送手段と、
    前記搬送された印字媒体に印字処理を行う印字手段と、
    前記印字媒体の搬送が停止している状態で、前記印字媒体の端部とは異なる端部であって、前記巻回面から剥離される直前の端部を前記所定の方向とは異なる方向に伸張することにより、前記印字媒体の粘着処理を剥離する剥離手段と、
    を含むことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記印字媒体の搬送が停止している状態は、前記印字手段により前記印字媒体に対して印字処理が行われているタイミングであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記印字処理が行われた印字媒体を、所定の長さで切断する切断手段をさらに含み、前記印字媒体の搬送が停止している状態は、前記切断手段により前記印字媒体に対して切断処理が行われているタイミングであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記印字媒体の粘着処理を剥離する量が一定となるよう調整する調整手段を含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記剥離手段は、前記印字処理の精度が要求される印字モードでは前記粘着処理を剥離し、前記印字処理の精度が要求されない印字モードでは前記粘着処理を剥離しないことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 巻回面に粘着処理が施され巻回状態にある印字媒体に印字処理を行う画像形成装置の制御方法であって、
    前記巻回状態にある印字媒体の端部を伸張し、所定の方向に搬送する工程と、
    前記搬送する工程により搬送された印字媒体に印字処理を行う工程と、
    前記印字媒体の搬送が停止している状態で、前記印字媒体の端部とは異なる端部であって、前記巻回面から剥離される直前の端部を前記所定の方向とは異なる方向に伸張することにより、前記印字媒体の粘着処理を剥離する工程と、
    を含むことを特徴とする制御方法。
  7. 巻回面に粘着処理が施され巻回状態にある印字媒体に印字処理を行う画像形成装置のコンピュータに、
    前記巻回状態にある印字媒体の端部を伸張し、所定の方向に搬送する処理と、
    前記搬送する処理により搬送された印字媒体に印字処理を行う処理と、
    前記印字媒体の搬送が停止している状態で、前記印字媒体の端部とは異なる端部であって、前記巻回面から剥離される直前の端部を前記所定の方向とは異なる方向に伸張することにより、前記印字媒体の粘着処理を剥離する処理と、
    を実現させるためのプログラム。
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