JP2015070203A - 発電材料、発電素子および発電システム - Google Patents

発電材料、発電素子および発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】高温域においても発電性能を十分に発現できる発電材料、その発電材料からなる発電素子、および、その発電素子を用いて得られる発電システムを提供すること。【解決手段】下記一般式(1)で示される発電材料から、発電素子を得る。また、その発電素子を用いて、発電システムを得る。(AxB1−x)NbO3(1)(式中、AおよびBは、互いに相異なって、希土類元素、アルカリ土類金属、アルカリ金属、CdおよびBiから選ばれる少なくとも1つの元素を示し、xは0<x≰1の数値範囲の原子割合を示す。)【選択図】図1

Description

本発明は、発電材料、発電素子および発電システムに関し、詳しくは、発電材料、その発電材料からなる発電素子、および、その発電素子を用いて得られる発電システムに関する。
従来、自動車エンジンなどの内燃機関や、ボイラー、空調設備などの熱交換器、発電機、モータなどの電動機関、照明などの発光装置などの各種エネルギー利用装置では、例えば、排熱、光などとして、多くの熱エネルギーが放出および損失されている。
近年、省エネルギー化の観点から、放出される熱エネルギーを回収し、エネルギー源として再利用することが要求されている。
このような方法として、具体的には、例えば、温度が経時的に上下する熱源と、その熱源の温度変化により、キュリー点に対して−20℃〜キュリー点に対して+10℃の温度範囲の少なくとも一部を含むように経時的に温度が上下され、電気分極する第1デバイスと、その第1デバイスから電力を取り出すための第2デバイスとを備える発電システムが提案されており、また第1デバイスとして、バルク型のピエゾ素子(構造:NbおよびSn添加PZT(Nb/Sn/Pb(Zr,Ti)O)、キュリー点315℃)が用いられることも、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2013−51862号公報
一方、このような発電システムにおいて、より高温の熱源を用いることが検討されている。
しかしながら、引用文献1に記載のNbおよびSn添加PZT(Nb/Sn/Pb(Zr,Ti)O)は、キュリー点が315℃であり、このキュリー点を超える温度領域では発電性能が十分ではないため、高温の熱源を用いることができない場合がある。
そこで、本発明の目的は、高温域においても発電性能を十分に発現できる発電材料、その発電材料からなる発電素子、および、その発電素子を用いて得られる発電システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の発電材料は、下記一般式(1)で示されることを特徴としている。
(A1−x)NbO (1)
(式中、AおよびBは、互いに相異なって、希土類元素、アルカリ土類金属、アルカリ金属、CdおよびBiから選ばれる少なくとも1つの元素を示し、xは0<x≦1の数値範囲の原子割合を示す。)
また、本発明の発電材料は、前記一般式(1)において、Aが、Kであり、Bが、Naであり、xが、1/2であることが好適である。
また、本発明の発電素子は、上記の発電材料からなることを特徴としている。
また、本発明の発電システムは、温度が経時的に上下する熱源と、上記の発電素子からなり、前記熱源の温度変化により電気分極する第1デバイスと、前記第1デバイスから電力を取り出すための第2デバイスとを備えることを特徴としている。
本発明の発電材料からなる本発明の発電素子、および、本発明の発電素子を備える本発明の発電システムは、高温域(例えば、315℃以上)においても、発電性能を十分に発現することができる。
図1は、本発明の発電システムの一実施形態を示す概略構成図である。 図2は、実施例1の発電素子のXRDデータを示す。 図3は、実施例2の発電素子のXRDデータを示す。 図4は、実施例1の発電素子のFE−SEM画像を示す。 図5は、実施例1の発電素子のキュリー点を示すグラフである。 図6は、実施例1の発電素子により得られた発電電圧と温度変化との関係を示すグラフである。
本発明の発電材料は、下記一般式(1)で示される。
(A1−x)NbO (1)
(式中、AおよびBは、互いに相異なって、希土類元素、アルカリ土類金属、アルカリ金属、CdおよびBiから選ばれる少なくとも1つの元素を示し、xは0<x≦1の数値範囲の原子割合を示す。)
一般式(1)において、AおよびBは、互いに相異なって、希土類元素、アルカリ土類金属、アルカリ金属、CdおよびBiから選ばれる少なくとも1つの元素を示す。
一般式(1)において、AおよびBで示される希土類元素としては、例えば、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)が挙げられ、好ましくは、La(ランタン)、Ce(セリウム)が挙げられる。
また、AおよびBで示されるアルカリ土類金属としては、例えば、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)などが挙げられ、好ましくは、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)が挙げられる。
また、AおよびBで示されるアルカリ金属としては、例えば、Li(リチウム)、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Rb(ルビジウム)、Cs(セシウム)などが挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
AおよびBとして、好ましくは、それらのいずれもがアルカリ金属であり、より好ましくは、AがKであり、BがNaである。
また、一般式(1)において、xは、Aの原子割合であって、0<x≦1の数値範囲を示し、好ましくは、1/3≦x≦1の数値範囲を示す。換言すれば、Aは、必須成分であり、その原子割合は、0を超過、好ましくは、1/3以上であり、1以下である。
一方、Bの原子割合は、1−x、つまり、1からAの原子割合(0<x≦1)を差し引いた残余の原子割合となる。すなわち、上記一般式(1)において、Bは、任意成分であり、含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
このような一般式(1)で示される発電材料として、具体的には、例えば、LaNbO、LiNbO、KNbO、MgNbO、CaNbO、(K1/2Na1/2)NbO、(Bi1/21/4Na1/4)NbO、(Sr1/100(K1/2Na1/299/100)NbO、(Ba1/100(K1/2Na1/299/100)NbO、(Li1/10(K1/2Na1/29/10)NbOなどが挙げられる。
このような発電材料として、好ましくは、上記一般式(1)において、AおよびBのいずれもがアルカリ金属である発電材料が挙げられる。とりわけ好ましくは、上記一般式(1)において、AがKであり、BがNaであり、xが、1/2である発電材料、すなわち、K1/2Na1/2NbOが挙げられる。K1/2Na1/2NbOによれば、優れた発電効率を得ることができる。
そして、このような発電材料は、公知の方法により製造することができ、また、得られた発電材料から、発電素子を製造することができる。
より具体的には、例えば、まず、上記の化学量論比となるように、各原子の炭酸塩や酸化物など(例えば、K1/2Na1/2NbOを製造する場合には、KCO、NaCO、Nbなど)を混合し、前駆体粉末を調製する。混合方法は、特に制限されず、例えば、公知の湿式混合法などを採用することができる。
次いで、得られた前駆体粉末を、熱処理する。熱処理では、例えば、常温から一定の昇温速度で加熱し、所定の到達温度にて、所定時間保持する。
昇温速度は、例えば、2℃/分以上、好ましくは、4℃/分以上であり、例えば、10℃/分以下、好ましくは、8℃/分以下である。
また、到達温度は、例えば、800℃以上、好ましくは、850℃以上であり、例えば、1100℃以下、好ましくは、1000℃以下である。また、その到達温度における保持時間が、例えば、1時間以上、好ましくは、2時間以上であり、例えば、24時間以下、好ましくは、12時間以下である。
その後、必要に応じて、熱処理後の前駆体粉末を公知の方法により乾式混合し、粉砕する。
また、この方法では、必要により、熱処理後の粉末にバインダーを混合することができる。
バインダーとしては、特に制限されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルアセテート、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体架橋ポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルブチラール(PVB)などが挙げられ、好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール(PVB)が挙げられる。
これらバインダーは、単独使用または2種類以上併用することができる。
バインダーの配合割合は、上記の熱処理後の粉末とバインダーとの総量100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、0.04質量部以上であり、例えば、0.9質量部以下、好ましくは、0.1質量部以下である。
次いで、得られた粉末(必要に応じて、粉末とバインダーとの混合物)を、任意の形状に圧縮成形および焼結する。
圧縮成形および焼結においては、例えば、ホットプレス法、パルス通電焼結法(PECS:Pulse Electric Current Sintering)などが採用される。
例えば、ホットプレス法が採用される場合、処理条件としては、成形圧力が、例えば、10MPa以上、好ましくは、30MPa以上であり、例えば、200MPa以下、好ましくは、100MPa以下である。また、焼結温度が、例えば、950℃以上、好ましくは、1050℃以上であり、例えば、1150℃以下、好ましくは、1125℃以下である。また、その温度における保持時間が、例えば、1時間以上、好ましくは、2時間以上であり、例えば、12時間以下、好ましくは、8時間以下である。
また、パルス通電焼結法が採用される場合、処理条件としては、成形圧力が、例えば、10MPa以上、好ましくは、30MPa以上であり、例えば、200MPa以下、好ましくは、100MPa以下である。また、焼結温度が、例えば、800℃以上、好ましくは、850℃以上であり、例えば、1100℃以下、好ましくは、1000℃以下である。また、その温度における保持時間が、例えば、1分以上、好ましくは、3分以上であり、例えば、1時間以下、好ましくは、30分以下である。
このような方法により、前駆体粉末を圧縮成形すると同時に焼結することができる。
また、上記の方法の他、例えば、まず、前駆体粉末を圧縮成形し、その後、別途焼結することもできる。
圧縮成形における成形条件は、特に制限されないが、成形圧力が、例えば、10MPa以上、好ましくは、30MPa以上であり、例えば、200MPa以下、好ましくは、100MPa以下である。また、成形時間が、例えば、1分以上、好ましくは、3分以上であり、例えば、10分以下、好ましくは、5分以下である。
また、圧縮成形においては、例えば、単軸プレス成形機、CIP成形機(冷間静水等方圧プレス機)など、公知の成形機を用いることができ、また、これらを併用することもできる。
好ましくは、まず、熱処理後の粉末を、単軸プレス成形機によって、例えば、10MPa以上、好ましくは、30MPa以上、例えば、100MPa以下、好ましくは、50MPa以下で、例えば、1分以上、好ましくは、3分以上、例えば、10分以下、好ましくは、5分以下、圧縮成形する。その後、さらに、CIP成形機によって、例えば、30MPa以上、好ましくは、50MPa以上、例えば、200MPa以下、好ましくは、100MPa以下で、例えば、1分以上、好ましくは、3分以上、例えば、10分以下、好ましくは、5分以下、圧縮成形する。
その後、この方法では、得られた成形体を、公知の焼結装置により焼結する。
焼結条件としては、焼結温度が、例えば、850℃以上、好ましくは、900℃以上であり、例えば、1300℃以下、好ましくは、1250℃以下である。また、その温度における保持時間が、例えば、1時間以上、好ましくは、2時間以上であり、例えば、48時間以下、好ましくは、24時間以下である。
このような方法によっても、前駆体粉末を圧縮成形し、焼結することができる。
そして、これにより、上記一般式(1)で示される発電材料を得るとともに、その発電材料からなる発電素子を得ることができる。
さらに、この方法では、得られた発電材料(発電素子)を、アニール処理することもできる。アニール処理では、例えば、発電材料(発電素子)を、所定温度にて、所定時間保持する。
また、アニール処理における温度条件は、例えば、800℃以上、好ましくは、900℃以上であり、例えば、1100℃以下、好ましくは、1000℃以下である。また、その温度における保持時間が、例えば、1時間以上、好ましくは、2時間以上であり、例えば、24時間以下、好ましくは、12時間以下である。
このようなアニール処理によって、発電材料(発電素子)の純度を向上させ、また、物理的安定性および化学的安定性の向上を図ることができる。
なお、発電素子は、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、上記一般式(1)で示される発電材料の他の発電材料や、酸化物(例えば、Nb)などを含有することができる。
また、発電素子の形状は、特に制限されず、例えば、薄膜状(シート状)、円盤状など、種々の形状を選択することができる。
また、発電素子のサイズは、特に制限されないが、例えば、発電素子を略矩形の薄膜状に形成する場合には、その一辺長さは、例えば、0.5mm以上、好ましくは、10mm以上であり、例えば、30mm以下、好ましくは、15mm以下である。また、厚みが、例えば、0.1mm以上、好ましくは、0.2mm以上であり、例えば、5mm以下、好ましくは、1mm以下である。
また、発電素子を円盤状に形成する場合には、その直径長さは、例えば、5mm以上、好ましくは、10mm以上であり、例えば、50mm以下、好ましくは、30mm以下である。また、厚みが、例えば、0.1mm以上、好ましくは、0.2mm以上であり、例えば、5mm以下、好ましくは、1mm以下である。
このような発電材料の比誘電率は、例えば、500以上、好ましくは、1000以上であり、例えば、25000以下、好ましくは、20000以下である。
また、発電材料のキュリー点(誘電率が急激に変化する温度)は、例えば、150℃以上、好ましくは、200℃以上であり、例えば、500℃以下、好ましくは、450℃以下である。
また、上記した発電材料は、複数(2つ以上)のキュリー点を有する場合がある。
このように、キュリー点が複数存在する場合、その最高キュリー点は、例えば、350℃以上、好ましくは、400℃以上であり、例えば、500℃以下、好ましくは、450℃以下である。
また、最低キュリー点は、例えば、150℃以上、好ましくは、200℃以上であり、例えば、300℃以下、好ましくは、250℃以下である。
そして、本発明の発電材料からなる本発明の発電素子は、上記のようなキュリー点を有するため、高温域(例えば、315℃以上)においても、発電性能を十分に発現することができる。
そのため、本発明の発電素子は、ピエゾ素子や焦電素子などとして、発電システムに用いることができる。
図1は、本発明の発電システムの一実施形態を示す概略構成図である。
図1において、発電システム1は、温度が経時的に上下する熱源2と、熱源2の温度変化により温度が経時的に上下され、電気分極する第1デバイス3と、第1デバイス3から電力を取り出すための第2デバイス4と、第1デバイス3の温度を検知する検知手段としての温度センサ8と、第1デバイスに電界を印加する電界印加手段としての電界印加装置9と、温度センサ8による検知温度が、第1デバイス3のキュリー点以上であるときに、電界印加装置9を作動させるための制御手段としての制御ユニット10とを備えている。
熱源2としては、温度が経時的に上下する熱源であれば、特に制限されないが、例えば、内燃機関、発光装置などの各種エネルギー利用装置が挙げられる。
内燃機関は、例えば、車両などの動力を出力する装置であって、例えば、単気筒型または多気筒型が採用されるとともに、その各気筒において、多サイクル方式(例えば、2サイクル方式、4サイクル方式、6サイクル方式など)が採用される。
このような内燃機関では、各気筒において、ピストンの昇降運動が繰り返されており、これにより、例えば、4サイクル方式では、吸気工程、圧縮工程、爆発工程、排気工程などが順次実施され、燃料が燃焼され、動力が出力されている。
このような内燃機関において、排気工程では、高温の排気ガスが、排気ガス管を介して排気され、その排気ガスを熱媒体として熱エネルギーが伝達され、排気ガス管の内部温度が上昇する。
一方、その他の工程(排気工程を除く工程)では、排気ガス管中の排気ガス量が低減されるため、排気ガス管の内部温度は、排気工程に比べて、下降する。
このように、内燃機関の温度は、排気工程において上昇し、吸気工程、圧縮工程および爆発工程において下降し、つまり、経時的に上下する。
とりわけ、上記の各工程は、ピストンサイクルに応じて、周期的に順次繰り返されるため、内燃機関における各気筒の排気ガス管の内部は、上記の各工程の繰り返しの周期に伴って、周期的に温度変化、より具体的には、高温状態と低温状態とが、周期的に繰り返される。
発光装置は、点灯(発光)時には、例えば、赤外線、可視光などの光を熱媒体として、その熱エネルギーにより温度上昇し、一方、消灯時には温度低下する。そのため、発光装置は、経時的に、点灯(発光)および消灯することにより、その温度が経時的に上下する。
とりわけ、例えば、発光装置が、経時的に照明の点灯および消灯が断続的に繰り返される発光装置(明滅(点滅)式の発光装置)である場合には、その発光装置は、点灯(発光)時における光の熱エネルギーにより、周期的に温度変化、より具体的には、高温状態と低温状態とが、周期的に繰り返される。
また、熱源2としては、さらに、例えば、複数の熱源を備え、それら複数の熱源間の切り替えにより、温度変化を生じることもできる。
より具体的には、例えば、熱源として、低温熱源(冷却材など)と、その低温熱源より温度の高い高温熱源(例えば、加熱材など)との2つの熱源を用意し、経時的に、それら低温熱源および高温熱源を、交互に切り替えて用いる形態が挙げられる。
これにより、熱源としての温度を、経時的に上下させることができ、とりわけ、低温熱源および高温熱源の切り替えを、周期的に繰り返すことにより、周期的に温度変化させることができる。
切り替え可能な複数の熱源を備える熱源2としては、特に制限されないが、例えば、燃焼用低温空気供給系、蓄熱式熱交換器、高温ガス排気系、および、供給/排気切替弁を備えた高温空気燃焼炉(例えば、再公表96−5474号公報に記載される高温気体発生装置)、例えば、高温熱源、低温熱源および水素吸蔵合金を用いた海水交換装置(水素吸蔵合金アクチュエータ式海水交換装置)などが挙げられる。
これら熱源2としては、上記熱源を単独使用または2種類以上併用することができる。
熱源2として、好ましくは、経時により周期的に温度変化する熱源が挙げられる。
また、熱源2として、好ましくは、内燃機関が挙げられる。
第1デバイス3は、熱源2の温度変化に応じて電気分極するデバイスである。
ここでいう電気分極とは、結晶の歪みにともなう正負イオンの変位により誘電分極し電位差が生じる現象、例えばピエゾ効果、および/または、温度変化により誘電率が変化し電位差が生じる現象、例えば焦電効果などのように、材料に起電力が発生する現象と定義する。
このような第1デバイス3として、より具体的には、例えば、ピエゾ効果により電気分極するデバイス、焦電効果により電気分極するデバイスなどが挙げられる。
ピエゾ効果は、応力または歪みが加えられたときに、その応力または歪みの大きさに応じて電気分極する効果(現象)である。
そして、この発電システム1では、ピエゾ効果により電気分極する第1デバイス3(以下、ピエゾ素子(圧電素子))として、上記した発電素子(好ましくは、K1/2Na1/2NbO)を用いることができる。
第1デバイス3としてピエゾ素子が用いられる場合には、ピエゾ素子は、例えば、その周囲が固定部材により固定され、体積膨張が抑制された状態において、熱源2に接触するか、または、熱源2の熱を伝達する熱媒体(上記した排気ガス、光など)に接触(曝露)されるように配置される。
固定部材としては、特に制限されず、例えば、後述する第2デバイス4(例えば、金電極、銀電極など)を用いることもできる。
そして、このような場合には、ピエゾ素子は、熱源2の経時的な温度変化により、(場合により熱媒体(上記した排気ガス、光など)を介して)加熱または冷却され、これにより、膨張または収縮する。
このとき、ピエゾ素子は、固定部材により体積膨張が抑制されているため、ピエゾ素子は、固定部材に押圧され、ピエゾ効果(圧電効果)、または、キュリー点付近での相変態により、電気分極する。これにより、詳しくは後述するが、第2デバイス4を介して、ピエゾ素子から電力が取り出される。
また、このようなピエゾ素子は、通常、加熱状態または冷却状態が維持され、その温度が一定(すなわち、体積一定)になると、電気分極が中和され、その後、冷却または加熱されることにより、再度、電気分極する。
そのため、上記したように熱源2が周期的に温度変化し、高温状態と低温状態とが周期的に繰り返される場合などには、ピエゾ素子が周期的に繰り返し加熱および冷却されるため、ピエゾ素子の電気分極およびその中和が、周期的に繰り返される。
その結果、後述する第2デバイス4により、電力が、周期的に変動する波形(例えば、交流、脈流など)として取り出される。
焦電効果は、例えば、絶縁体(誘電体)などを加熱および冷却する時に、その温度変化に応じて絶縁体が電気分極する効果(現象)であって、第1効果および第2効果を含んでいる。
第1効果は、絶縁体の加熱時および冷却時において、その温度変化により自発分極し、絶縁体の表面に、電荷を生じる効果とされている。
また、第2効果は、絶縁体の加熱時および冷却時において、その温度変化により結晶構造に圧力変形が生じ、結晶構造に加えられる応力または歪みにより、圧電分極を生じる効果(ピエゾ効果、圧電効果)とされている。
そして、この発電システム1では、焦電効果により電気分極する第1デバイス3(以下、焦電素子)として、上記した発電素子(好ましくは、K1/2Na1/2NbO)を用いることができる。
第1デバイス3として焦電素子が用いられる場合には、焦電素子は、熱源2に接触するか、または、熱源2の熱を伝達する熱媒体(上記した排気ガス、光など)に接触(曝露)されるように配置される。
このような場合において、焦電素子は、熱源2の経時的な温度変化により、(場合により熱媒体(上記した排気ガス、光など)を介して)加熱または冷却され、その焦電効果(第1効果および第2効果を含む)により、電気分極する。これにより、詳しくは後述するが、第2デバイス4を介して、焦電素子から電力が取り出される。
また、このような焦電素子は、通常、加熱状態または冷却状態が維持され、その温度が一定になると、電気分極が中和され、その後、冷却または加熱されることにより、再度、電気分極する。
そのため、上記したように熱源2が周期的に温度変化し、高温状態と低温状態とが周期的に繰り返される場合などには、焦電素子が周期的に繰り返し加熱および冷却されるため、焦電素子の電気分極およびその中和が、周期的に繰り返される。
その結果、後述する第2デバイス4により、電力が、周期的に変動する波形(例えば、交流、脈流など)として取り出される。
これら第1デバイス3は、単独使用または2種類以上併用することができる。
なお、第1デバイス3(絶縁体(誘電体))は、熱源2の温度変化によって電気分極するが、その電気分極は、電子分極、イオン分極および配向分極のいずれでもよい。
例えば、配向分極によって分極が発現する材料(例えば、液晶材料など)では、その分子構造を変化させることにより、発電効率の向上を図ることができるものと期待されている。
図1において、第2デバイス4は、第1デバイス3から電力を取り出すために設けられる。
このような第2デバイス4は、より具体的には、特に制限されないが、例えば、上記の第1デバイス3を挟んで対向配置される2つの電極(例えば、金電極、銀電極など)、例えば、それら電極に接続される導線などを備えており、第1デバイス3に電気的に接続されている。
温度センサ8は、第1デバイス3の温度を検知するため、第1デバイス3に近接または接触して設けられる。温度センサ8は、第1デバイス3の温度として、第1デバイス3の表面温度を直接検知するか、または、第1デバイス3の周囲の雰囲気温度を検知し、例えば、赤外放射温度計や、熱電対温度計などの公知の温度センサが用いられる。
電界印加装置9は、第1デバイス3に電界を印加するため、第1デバイス3に直接または近接して設けられる。具体的には、電界印加装置9は、例えば、上記した第2デバイス4とは別途、上記の第1デバイス3を挟んで対向配置される2つの電極(例えば、金電極、銀電極など)、電圧印加電源V、およびそれらに接続される導線などを備えており、第1デバイス3から離間し、それら電極間に第1デバイス3を介在させるように、配置されている。
制御ユニット10は、発電システム1における電気的な制御を実行するユニット(例えば、ECU:Electronic Control Unit)であり、CPU、ROMおよびRAMなどを備えるマイクロコンピュータで構成されている。
この制御ユニット10は、温度センサ8および電界印加装置9に電気的に接続されており、後述するように、上記した温度センサ8による検知温度が第1デバイス3のキュリー点以上であるときに電界印加装置9を作動させる。
そして、図1に示す発電システム1では、その第2デバイス4が、昇圧器5、交流/直流変換器(AC−DCコンバーター)6およびバッテリー7に、順次、電気的に接続されている。
このような発電システム1により、発電するには、例えば、まず、熱源2の温度を経時的に上下、好ましくは、周期的に温度変化させ、その熱源2により、第1デバイス3を、加熱および/または冷却する。
そして、このような温度変化に応じて、上記した第1デバイス3を、好ましくは、周期的に電気分極させる。その後、第2デバイス4を介することにより、電力を、第1デバイス3の周期的な電気分極に応じて周期的に変動する波形(例えば、交流、脈流など)として、取り出す。
具体的には、好ましくは、熱電システム1において、熱源2は、第1デバイス3を、そのキュリー点に対して−20℃から、キュリー点に対して+10℃の温度範囲の少なくとも一部を含むように、経時的に温度変化させる。
なお、上記の発電素子からなる第1デバイス3に、キュリー点が複数存在する場合、いずれのキュリー点を選択してもよい。
すなわち、熱電システム1において、第1デバイス3は、その高温状態における温度が、低温状態における温度を超過し、キュリー点に対して−20℃以上になるように、かつ、その低温状態における温度が、上記の高温状態における温度未満であり、キュリー点に対して+10℃以下になるように、温度変化する。
また、好ましくは、第1デバイス3は、そのキュリー点に対して−18℃〜キュリー点に対して+8℃の温度範囲の少なくとも一部を含むように、さらに好ましくは、キュリー点に対して−15℃〜キュリー点に対して+5℃の温度範囲の少なくとも一部を含むように、経時的に温度変化させる。
このような第1デバイス3は、そのキュリー点を含まないように温度変化することができる。
具体的には、第1デバイス3は、例えば、高温状態における温度および低温状態における温度のいずれもがキュリー点を超過するとともに、低温状態における温度がキュリー点に対して+10℃以下となるように、温度変化することができる。また、第1デバイス3は、例えば、高温状態における温度および低温状態における温度のいずれもがキュリー点未満であるとともに、高温状態における温度がキュリー点に対して−20℃以上となるように、温度変化することもできる。
さらに、第1デバイス3は、そのキュリー点を含むように、すなわち、高温状態における温度がキュリー点を超過し、かつ、低温状態における温度がキュリー点未満となるように、温度変化することができる。
第1デバイス3として、好ましくは、そのキュリー点を含むように温度変化することが挙げられる。
このような発電システム1では、通常、第1デバイス3の温度の変化量が大きいほど、大きな電圧を取り出すことができるが、第1デバイス3が、キュリー点に対して−20℃〜キュリー点に対して+10℃の温度範囲の少なくとも一部を含むように経時的に温度が上下される場合には、温度の変化量が小さくても、大きな電圧を取り出すことができ、優れた効率で発電することができる。
第1デバイス3の温度として、具体的には、その低温状態における温度が、例えば、キュリー点に対して−40℃以上、好ましくは、キュリー点に対して−30℃以上、さらに好ましくは、キュリー点に対して−20℃以上であり、高温状態における温度が、キュリー点に対して+30℃以下、好ましくは、キュリー点に対して+20℃以下、さらに好ましくは、キュリー点に対して+10℃以下である。
すなわち、第1デバイス3は、とりわけ好ましくは、キュリー点に対して−20℃〜キュリー点に対して+10℃の範囲において、温度変化する。
このような場合において、第1デバイス3の温度は、高温状態における温度が、例えば、30〜1200℃、好ましくは、100〜800℃、より好ましくは、200〜450℃であり、低温状態における温度が、上記の高温状態における温度未満であって、高温状態と低温状態との温度差が、例えば、10〜100℃、好ましくは、20〜50℃である。
また、それら高温状態と低温状態との繰り返し周期は、例えば、1/50〜100サイクル/秒、好ましくは、1/20〜50サイクル/秒である。
なお、第1デバイス3の温度は、赤外線放射温度計などにより測定することができる。
そして、熱源2の温度は、第1デバイス3を上記範囲で温度変化させることができる範囲に設定される。
より具体的には、熱源2の温度は、高温状態における温度が、例えば、50〜1200℃、好ましくは、200〜900℃であり、低温状態における温度が、上記の高温状態における温度未満、より具体的には、例えば、50〜800℃、好ましくは、200〜500℃であり、高温状態と低温状態との温度差が、例えば、10〜600℃、好ましくは、20〜500℃である。
また、それら高温状態と低温状態との繰り返し周期は、例えば、1/50〜100サイクル/秒、好ましくは、1/20〜50サイクル/秒である。
一方、このような発電システム1では、温度条件によっては、第1デバイス3の温度が、そのキュリー点を超過する場合がある。そして、第1デバイス3のキュリー点以上の環境下において、第1デバイス3を用いると、第1デバイス3に損傷を生じ、発電性能が低下する場合や、発電不能となる場合がある。
そこで、好ましくは、この発電システム1では、温度センサ8により第1デバイス3の温度を検知し、その検知温度が第1デバイス3のキュリー点以上であるときに、制御ユニット10により、電界印加装置9を作動させ、第1デバイス3に電界を印加する。
具体的には、熱源2の温度変化により経時的に上下される第1デバイス3の温度を、温度センサ8により連続的に検知し、その検知温度が第1デバイス3のキュリー点以上になった時点からキュリー点未満になる時点まで、電界印加装置9の電極に電圧を印加し、第1デバイス3に電界を印加する。
電界の強さは、例えば、0.01〜5kV/mm、好ましくは、0.2〜3.5kV/mm、より好ましくは、0.5〜2kV/mmである。
そして、温度センサ8により検知される検知温度が第1デバイス3のキュリー点未満になった時点から、再度、キュリー点以上になる時点まで、電界の印加を停止する。
これにより、第1デバイス3が、そのキュリー点を越える環境下に曝される場合にも、第1デバイス3が損傷することを抑制することができる。
また、例えば、第1デバイス3のキュリー点が複数存在する場合には、その最低キュリー点以上であるときから、最低キュリー点未満になるまでの間、電界印加装置9を作動させ、また、その最低キュリー点未満になった時点から、再度、最低キュリー点以上になる時点まで、電界の印加を停止することができる。
なお、電界印加装置9を作動させずとも、経時的に上下される第1デバイス3の温度を、最低キュリー点に対して−20℃〜最低キュリー点に対して+10℃の温度範囲とすれば、第1デバイス3が損傷することを抑制することができる。
また、例えば、電界印加装置9を作動させるタイミングによっては、発電システム1の発電効率の向上を図ることができる。
具体的には、このような発電システム1では、より効率的に発電するため、第1デバイス3の温度状態に応じて、第1デバイス3に電圧を印加する。
すなわち、この発電システム1では、上記した熱源2による加熱および/または冷却とともに、温度センサ8によって、第1デバイス3の温度を連続的に測定し、第1デバイス3が昇温状態であるか、降温状態であるかを検知する。より具体的には、例えば、温度センサ8によって検知される第1デバイス3の温度が、予め設定された所定の値(例えば、0.2℃/sなど)以上上昇したときに、昇温状態であると検知され、また、第1デバイス3の温度が、予め設定された所定の値(例えば、0.2℃/sなど)以上下降したときに、降温状態であると検知される。
そして、この発電システム1では、第1デバイス3が昇温状態であると検知されたときには、電圧印加装置9を作動させ、第1デバイス3に所定の電圧を印加する。なお、電圧の大きさは、目的および用途に応じて、適宜設定される。電圧を印加する時間は、第1デバイス3が降温状態に至るまでであり、具体的には、昇温状態中である。
そして、第1デバイス3が降温状態であると検知されたときには、制御ユニット10によって制御回路21を切り替え、電圧印加装置9を停止させ、第1デバイス3に対する電圧の印加を停止する。電圧の印加を停止する時間は、第1デバイス3が昇温状態に至るまでであり、具体的には、降温状態中である。
このように、上記の発電システム1では、第1デバイス3の昇温が検知されたときには、電圧印加装置9が作動され、第1デバイス3に電圧が印加される。一方、第1デバイス3の降温が検知されたときには、電圧印加装置9が停止され、電圧の印加が停止される。
このように電圧印加装置9を作動させることによって、第1デバイス3に電圧を印加することにより、第1デバイス3から効率的に電力を取り出すことができる。
そして、このようにして発電システム1により取り出された電力を、第2デバイス4に接続される昇圧器5において、周期的に変動する波形(例えば、交流、脈流など)の状態で昇圧する。昇圧器5としては、交流電圧を、例えば、コイル、コンデンサなどを用いた簡易な構成により、優れた効率で昇圧できる昇圧器が、用いられる。
次いで、昇圧器5において昇圧された電力を、交流/直流変換器6において直流電圧に変換した後、バッテリー7に蓄電する。
このような発電システム1によれば、温度が経時的に上下する熱源2を用いるため、変動する電圧(例えば、交流電圧)を取り出すことができ、その結果、一定電圧(直流電圧)として取り出す場合に比べて、簡易な構成により、優れた効率で昇圧して、蓄電することができる。
また、熱源2が、周期的に温度変化する熱源であれば、電力を、周期的に変動する波形として取り出すことができ、その結果、簡易な構成により、より優れた効率で昇圧して、蓄電することができる。
とりわけ、このような発電システム1では、温度センサ8により第1デバイス3の温度が検知され、その検知温度が第1デバイス3のキュリー点以上であるときに、制御ユニット10により電界印加装置9が作動され、第1デバイス3に電界が印加される。
そのため、第1デバイス3が、そのキュリー点を越える環境下に曝される場合にも、第1デバイス3が損傷することを抑制することができ、発電システム1の発電性能が低下することや、発電不能となることを抑制することができる。その結果、高温環境下においても、優れた効率で発電することができる。
そして、本発明の発電システムは、本発明の発電素子を備えるため、高温域(例えば、315℃以上)においても、発電性能を十分に発現することができる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。以下に示す実施例の数値は、実施形態において記載される数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。
実施例1
COの粉末と、NaCOの粉末と、Nbの粉末とを、それらのモル比が、KCO:NaCO:Nb=1:1:2となるように配合し、イオン交換水とともに、ジルコニアボールを用いた湿式ボールミル(ニッカトー社製)によって24時間撹拌混合し、乾燥させた。
次いで、得られた粉末を、空気中において5℃/分の昇温速度で加熱し、880℃において4時間熱処理した後、ジルコニアボールを用いた乾式ボールミル(ニッカトー社製)によって12時間混合し、粉砕した。
次いで、バインダーとしてポリビニルアルコールを、熱処理後の粉末とポリビニルアルコールとの総量100質量部に対して、0.04質量部となるように添加し、湿式ボールミルによって、2時間撹拌混合した。
次いで、得られた混合物を金型に充填し、ホットプレス装置(富士電波工業社製)によって60MPaで1100℃において2時間加熱(ホットプレス)することにより、直径20mmの成形体を得た。
その後、得られた成形体を、空気中において900℃において4時間加熱し、アニール処理した。これにより、(K1/2Na1/2)NbOからなる発電材料、および、その発電材料からなる発電素子を得た。
実施例2
ホットプレス装置に代えて、放電プラズマ焼結機(SPSシンテックス株式会社製)を用い、パルス通電焼結法を採用して、50MPaで920℃において5分間加熱することにより成形体を得た以外は、実施例1と同様にして、(K1/2Na1/2)NbOからなる発電材料、および、その発電材料からなる発電素子を得た。
評価
1.組成解析
(1)X線回折
実施例1により得られた発電素子を、X線回折(X−Ray Diffraction:XRD)装置を用いて測定した。なお、実施例1の発電素子については、アニール処理の前後において測定した。得られたXRDデータを、炭素(C)および(K0.65Na0.35)NbOのJCPDSカードデータと共に図2に示す。
また、実施例2により得られた発電素子を、X線回折装置を用いて測定した。得られたXRDデータを、(K0.65Na0.35)NbOのJCPDSカードデータと共に図3に示す。
(2)FE−SEM
実施例1により得られた発電素子を、FE−SEM(電界放射型走査電子顕微鏡:Field Emission−Scanning Electron Microscope)により撮影し、表面を分析した。
その結果、見掛け密度は4.40g/cmであった。なお、この密度は、(K1/2Na1/2)NbOの理論密度4.46g/cmと近く、相対密度は99%であった。得られたFE−SEM画像を図4に示す。
また、実施例2により得られた発電素子についても同様に表面を分析したところ、見掛け密度は4.51g/cmであった。なお、この密度は、(K1/2Na1/2)NbOの理論密度4.46g/cmと近く、相対密度は98.4%であった。
(3)まとめ
XRDデータおよび密度より、得られた発電素子が、(K1/2Na1/2)NbOを含むことが確認された。
なお、図5に示すように、(K1/2Na1/2)NbOには、200℃と420℃との2つのキュリー点が存在する(参照文献:Preparation and characterization of (K0.5Na0.5)NbO ceramics.H. Birol et al./Journal of the European Ceramic Society 26 (2006) 861-866)。
これは、K1/2Na1/2NbOは、常温では斜方晶系、200℃以上では正方晶系、420℃以上では立方晶系となり、結晶構造が温度に応じて段階的に変化するためであると推察される。
2.発電性能
実施例1で得られたK1/2Na1/2NbOを含む発電素子を第1デバイス(ピエゾ素子)とし、厚みを1.2mmサイズに研削した。次いで、その表面および裏面に、金スパッタを用いて金イオンを約10分間蒸着させ、金電極(第2デバイス)を形成した。
その後、20mm×20mmのアルミテープを用いて、2つの導線(リード線)の一方側を各金電極上に貼着させるとともに、他方側をデジタルマルチメータに接続した。
熱源としてヒートガンを用い、その噴射口を発電素子に向けるとともに、噴射口が発電素子から3cm離間するように、ヒートガンおよび発電素子を、それぞれ配置した。
ヒートガンから熱風を噴き出し、経時的にヒートガンのON/OFFを切り替えることにより、ヒートガンおよび熱風の温度を経時的に上下させ、この温度変化により、発電素子の温度を経時的に上下させるとともに電気分極させ、電極および導線を介して、発電電圧(電力)を取り出した。
なお、発電素子の温度を赤外線放射温度計により測定し、その温度が、100℃(最低キュリー点に対して−100℃)〜450℃(最高キュリー点に対して+30℃)の範囲の少なくとも一部を含み、また、その温度変化量が約50〜80℃となるように、熱風温度を調整した。また、加熱と放冷とは、加熱/放冷=10s/10s周期で切り替えた。
そして、発電素子から取り出された電力の電圧変化を電圧計により観測した。発電電圧と温度変化との関係を、図6に示す。
さらに、上記の加熱および放冷条件において、発電素子を加熱している間に、電圧印加装置(型番:MODEL677B、トレックジャパン社製)によって発電素子に電圧を印加した以外は、上記と同様にして発電電圧(電力)を取り出した。
なお、電圧の強さを100Vとし、発電素子を加熱している間(1周期あたり10秒)中において、100Vの電圧印加状態を維持する時間(電圧印加時間)を1周期あたり9.8秒とした。発電電圧と温度変化との関係を、図6に併せて示す。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で示されることを特徴とする、発電材料。
    (A1−x)NbO (1)
    (式中、AおよびBは、互いに相異なって、希土類元素、アルカリ土類金属、アルカリ金属、CdおよびBiから選ばれる少なくとも1つの元素を示し、xは0<x≦1の数値範囲の原子割合を示す。)
  2. 前記一般式(1)において、
    Aが、Kであり、
    Bが、Naであり、
    xが、1/2であることを特徴とする、請求項1に記載の発電材料。
  3. 請求項1または2に記載の発電材料からなることを特徴とする、発電素子。
  4. 温度が経時的に上下する熱源と、
    請求項3に記載の発電素子からなり、前記熱源の温度変化により電気分極する第1デバイスと、
    前記第1デバイスから電力を取り出すための第2デバイスと
    を備えることを特徴とする、発電システム。
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