JP2015069783A - 蓄電デバイス製造装置並びに蓄電デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

蓄電デバイス製造装置並びに蓄電デバイスおよびその製造方法 Download PDF

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正興 松岡
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Abstract

【課題】リチウムイオン電池に代表される蓄電デバイスの信頼性を向上することができる技術を提供する。また、信頼性の高い蓄電デバイスを製造することができる蓄電デバイス製造装置を提供する。【解決手段】蓄電デバイス製造装置は、金属箔上に塗布されたスラリーであって、活物質と結着剤とを含むスラリーに対して固化液を噴霧する固化液噴霧部SD1、固化液を噴霧したスラリーの表面に光を照射する光照射部LS、光を照射したスラリーの表面を撮像する撮像部IU、撮像部IUで撮像されたスラリーの表面画像に基づいて、固化液噴霧部SD1からスラリーに対して噴霧する固化液の噴霧量を制御する制御部CU、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、蓄電デバイス製造装置並びに蓄電デバイスおよびその製造方法に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2003−045491号公報(特許文献1)がある。この特許文献1には、「正極シート状物の両面に正極電極物質含有溶液と、電解、絶縁物質含有溶液とを、溶液吐出用スリットを有するダイコータを使用して塗布し、加熱工程を経て正極電極シート状物を形成する」ことが記載されている。また、この特許文献1には、「負極シート状物の両面に負極電極物質含有溶液と、電解、絶縁物質含有溶液とを、ダイコータを使用して塗布し、加熱工程を経て負極電極シート状物を形成する」ことが記載されている。そして、この特許文献1には、「両電極シート状物を積層して電極捲回体を形成する」ことが記載されている。
特開2003−045491号公報
携帯電子機器の発達に伴い、これらの携帯電子機器の電力供給源として、繰り返し充電が可能な小型二次電池が使用されている。中でも、エネルギー密度が高く、サイクルライフが長いとともに、自己放電性が低く、かつ、作動電圧が高いリチウムイオン電池が注目されている。リチウムイオン電池は、上述した利点を有するため、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機などの携帯電子機器に多用されている。
さらに、近年では、電気自動車用電池や電力貯蔵用電池として、高容量、高出力、かつ、高エネルギー密度を実現できる大型のリチウムイオン電池の研究開発が進められている。特に、自動車産業においては、環境問題に対応するため、動力源としてモータを使用する電気自動車や、動力源としてエンジン(内燃機関)とモータとの両方を使用するハイブリッド車の開発が進められている。このような電気自動車やハイブリッド車の電源としてもリチウムイオン電池が注目されている。同様に、太陽光発電や夜間電力を有効利用するための電力貯蔵などの用途での重要性が増してきている。
リチウムイオン電池は、例えば、正極活物質を塗着した正極板と、負極活物質を塗着した負極板と、正極板と負極板の接触を防止するセパレータとを捲回した電極捲回体を備えている。そして、リチウムイオン電池では、この電極捲回体が外装缶に挿入されるとともに、外装缶内に電解液が注入されている。つまり、リチウムイオン電池では、集電用金属箔(集電箔)に正極活物質を塗着した正極板と、集電箔に負極活物質を塗着した負極板とが帯状に形成され、帯状に形成された正極板と負極板が直接接触しないように、セパレータを介して断面渦巻状に捲回されて電極捲回体が形成される。
このように、正極板と負極板とセパレータとを軸芯の回りに捲回して電極捲回体が形成されるが、通常のリチウムイオン電池では、正極板と負極板とセパレータが別部品(別体)により構成されているため、例えば、正極板とセパレータとの間に隙間が存在する。そして、リチウムイオン電池の製造工程では、上述した電極捲回体を形成する前に正極板と負極板を所定の大きさに切断し、加えて、正極板と負極板を切断して、正極の正極集電タブや負極の負極集電タブを形成する。さらに、上述した電極捲回体を形成した後、例えば、正極板に形成されている正極集電タブを正極集電リングに超音波溶着する工程、負極板に形成されている負極集電タブを負極集電リングに超音波溶着する工程が存在する。さらには、電極捲回体は外装缶(容器)に挿入されて、この外装缶に電解液を注入した後、外装缶の内部を密閉するために、外装缶と蓋とを溶接などで接続する工程が存在する。
具体的に、正極集電タブと正極集電リングとの接続は、例えば、正極集電タブにアルミニウムリボンを捲きつけ、このアルミニウムリボンに正極集電タブを超音波溶着する工程によって行われている。このとき使用される超音波溶着は、アルミニウムリボンと正極集電タブとを擦りつけることによる原子相互拡散によって、アルミニウムリボンと正極集電タブとを接続するものである。したがって、正極集電タブとアルミニウムリボンとを超音波溶着で接続する場合、アルミニウムリボンと正極集電タブとの擦り合いによって金属異物(アルミニウム)が発生するおそれが高くなる。同様の現象は、負極集電タブと銅リボンの接続でも生じる。つまり、負極集電タブと銅リボンとを超音波溶着で接続する場合、銅リボンと負極集電タブとの擦り合いによって金属異物(銅)が発生するおそれが高くなる。さらに、外装缶と蓋とを接続する工程で使用される溶接(アーク溶接)では、例えば、溶接屑が発生しやすくなる。
以上のことから、電極捲回体を形成する前後に実施される工程によって、電極捲回体の内部に金属異物が侵入するポテンシャルが高くなる。特に、通常のリチウムイオン電池では、正極板と負極板とセパレータが別部品で構成されているため、例えば、正極板とセパレータとの間に隙間が存在し、この隙間に上述した製造工程で発生した金属異物が侵入しやすくなる。このようにして、電極捲回体の内部に金属異物が侵入すると、侵入した金属異物がセパレータを突き破って、正極と負極が金属異物で短絡したり、例えば、正極とセパレータの隙間に侵入した金属異物が正極に付着すると、付着した金属異物が電解液中に溶解し、その後、負極に析出する現象が生じる。そして、負極からの析出によって成長した金属が正極まで達すると、正極と負極とが短絡してしまうおそれがある。
以上、一般的なリチウムイオン電池である電極捲回体を形成するタイプのリチウムイオン電池の改善の余地について説明したが、同様の改善の余地は、電極捲回体を形成するタイプ以外のリチウムイオン電池でも存在する。例えば、正極活物質を塗着した正極板と、負極活物質を塗着した負極板と、正極板と負極板の接触を防止するセパレータからなるリチウムイオン電池であれば、電極捲回体を形成しないラミネートタイプのリチウムイオン電池でも、同様の改善の余地が存在する。つまり、ラミネートタイプのリチウムイオン電池においても、正極板と負極板を所定の大きさに切断するための切断工程によって生じる金属異物が、正極板と負極板とセパレータとの間に侵入すると、金属異物がセパレータを突き破って、正極と負極が金属異物で短絡するおそれがある。例えば、正極とセパレータの隙間に侵入した金属異物が正極に付着すると、付着した金属異物が電解液中に溶解し、その後、負極に析出する現象が生じる。そして、負極からの析出によって成長した金属が正極まで達すると、正極と負極とが短絡してしまうおそれがある。
この点に関し、正極板および負極板に直接セパレータを形成する技術が提案されている。このように、正極板とセパレータとを一体化して形成したり、負極板とセパレータとを一体化して形成することにより、正極板とセパレータとの隙間や負極板とセパレータとの隙間がなくなるため、隙間への金属異物の侵入が防止され、正極と負極との短絡を防止することができる。さらに、金属箔上に活物質(正極活物質や負極活物質)を含むスラリーを塗工した上にセパレータとなる絶縁材料を塗工することにより、生産性の向上や製造装置のコンパクト化も可能となる。
しかしながら、金属箔の表面に活物質を含む電極材料スラリーを塗工した上に連続してセパレータとなる絶縁材料スラリーをスリットダイコータで塗工した場合、電極層と絶縁層の界面の表面粗さが粗くなり、セパレータとして機能する絶縁層の膜厚が薄くなる部分が形成されることになり、正極と負極との短絡が発生するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、リチウムイオン電池に代表される蓄電デバイスの信頼性を向上することができる技術を提供することにある。特に、本発明の目的は、信頼性の高い蓄電デバイスを製造することができる蓄電デバイス製造装置を提供することにある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態における蓄電デバイス製造装置は、(a)金属箔上に塗布されたスラリーであって、活物質と結着剤とを含む前記スラリーに対して固化液を噴霧する固化液噴霧部、(b)前記固化液を噴霧した前記スラリーの表面に光を照射する光照射部、(c)前記光を照射した前記スラリーの表面を撮像する撮像部、(d)前記撮像部で撮像された前記スラリーの表面画像に基づいて、前記固化液噴霧部から前記スラリーに対して噴霧する前記固化液の噴霧量を制御する制御部、を備える。
また、一実施の形態における蓄電デバイスの製造方法は、(a)金属箔上に塗布されたスラリーであって、活物質と結着剤とを含む前記スラリーに対して固化液を噴霧する工程、(b)前記固化液を噴霧した前記スラリーの表面に光を照射する工程、(c)前記光を照射した前記スラリーの表面を撮像部で撮像する工程、(d)前記撮像部で撮像された前記スラリーの表面画像に基づいて、前記スラリーに対して噴霧する前記固化液の噴霧量を制御する工程、を備える。
さらに、一実施の形態における蓄電デバイスは、(a)正極、(b)負極、(c)前記正極と前記負極とを電気的に分離し、かつ、少なくとも、前記正極あるいは前記負極のいずれかの電極と一体的に形成されたセパレータ、を備える。そして、前記セパレータと一体的に形成された前記電極は、(d1)金属箔、(d2)前記金属箔上に形成された活物質と結着剤とを含む電極層、を含み、前記電極層と接するように前記セパレータが形成されている。このとき、前記電極層と前記セパレータとの界面の表面粗さは、5μm以下である。
一実施の形態によれば、蓄電デバイスの信頼性を向上することができる。また、一実施の形態によれば、信頼性の高い蓄電デバイスを製造できる蓄電デバイス製造装置を提供することができる。
円筒形のリチウムイオン電池の内部構造を示す断面図である。 リチウムイオン電池を製造する具体的な工程の流れを示すフローチャートである。 関連技術1におけるリチウムイオン電池の製造装置の構成例を示す図である。 関連技術2におけるリチウムイオン電池の製造装置の構成例を示す図である。 ダイコータによって電極材料スラリー上に絶縁材料スラリーを塗布する様子を示す模式図である。 金属箔上に電極材料スラリーを塗布し、電極材料スラリー上に絶縁材料スラリーを塗布した状態を示す模式図である。 実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造装置の構成例を示す図である。 制御部の詳細な構成を示す機能ブロック図である。 固化液噴霧部とダイコータとの間を電極材料スラリーが塗布された金属箔が矢印の方向に流れる様子を示す模式図である。 実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造装置の動作の流れを説明するフローチャートである。 実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造装置の動作の流れを説明するフローチャートである。 実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造装置の動作の流れを説明するフローチャートである。 実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造装置の動作の流れを説明するフローチャートである。 図6に示す断面の概念図に基づいて、混合層の膜厚(表面粗さ)を評価した結果を示すグラフである。 実施の形態2におけるリチウムイオン電池の製造装置の構成例を示す図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態1では、本発明の技術的思想を蓄電デバイスの一例であるリチウムイオン電池に適用する例について説明する。
<リチウムイオン電池の構成>
まず、リチウムイオン電池LIBの構成例について説明する。図1は、円筒形のリチウムイオン電池LIBの内部構造を示す断面図である。図1に示すように、底部を有する円筒形の外装缶CSの内部には、正極PELとセパレータSP1、SP2と負極NELからなる電極捲回体WRFが形成されている。具体的に、電極捲回体WRFは、正極PELと負極NELの間にセパレータSP1(SP2)を挟むように積層され、外装缶CSの中心部にある軸芯CRの回りに捲回されている。そして、負極NELは外装缶CSの底部に設けられている負極リード板NTと電気的に接続されており、正極PELは外装缶CSの上部に設けられている正極リード板PTと電気的に接続されている。外装缶CSの内部に形成されている電極捲回体の内部には電解液が注入されている。そして、外装缶CSは、電池蓋CAPにより密閉されている。
正極PELは、正極活物質PASと結着剤(バインダ)を含有する塗液(スラリー)を正極板(正極集電体、金属箔)PEPに塗布して乾燥させた後、加圧することにより形成されている。このとき、本明細書で、正極板PEP上に形成される正極活物質PASと結着剤(バインダ)とを含む層を電極層と呼ぶことにする。この正極PELの上端部には複数の矩形状の正極集電タブPTABが形成されており、この複数の正極集電タブPTABが正極集電リングPRと接続されている。そして、この正極集電リングPRが正極リード板PTと電気的に接続されている。したがって、正極PELは、正極集電タブPTABおよび正極集電リングPRを介して正極リード板PTと電気的に接続されていることになる。複数の正極集電タブPTABは、正極PELの低抵抗化および電流の取り出しを迅速にするために設けられている。
正極PELを構成する正極活物質PASには、例えば、コバルト酸リチウムや、マンガンを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物、もしくは、ニッケル、コバルト、マンガンを含む複合酸化物、あるいは、オリビン型リン酸鉄に代表されるオリビン型化合物などが使用されるが、これらに限定されるわけではない。
マンガンを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物は、熱的安定性に優れているため、例えば、信頼性の高いリチウムイオン電池を構成することができる。また、正極活物質PASには、マンガンを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物だけを用いてもよいが、他の物質も含んでいてもよい。このような他の物質としては、例えば、Li+xMO(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mn、Al、Mg、Zr、Tiなど)で表わされるオリビン型化合物などを挙げることができる。さらに、層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoOやLiNi1−xCox−yAl(0.1≦x≦0.3、0.01≦y≦0.2)などの他、少なくとも、Co、NiおよびMnを含む酸化物(LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn5/12Ni5/12Co1/6、LiNi3/5Mn1/5Co1/5)などを用いることができる。
結着剤は、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどを使用することができる。さらに、正極板には、例えば、アルミニウムなどの導電性金属からなる金属箔や網状金属などが使用される。
負極NELは、負極活物質NASと結着剤(バインダ)を含有する塗液を負極板(負極集電体、金属箔)NEPに塗布して乾燥させた後、加圧することにより形成されている。このとき、本明細書で、負極板NEP上に形成される負極活物質NASと結着剤(バインダ)とを含む層を電極層と呼ぶことにする。この負極NELの下端部には複数の矩形状の負極集電タブNTABが形成されており、この複数の負極集電タブNTABが負極集電リングNRと接続されている。そして、この負極集電リングNRが負極リード板NTと電気的に接続されている。したがって、負極NELは、負極集電タブNTABおよび負極集電リングNRを介して負極リード板NTと電気的に接続されていることになる。
負極NELを構成する負極活物質NASには、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛)、人造黒鉛、膨張黒鉛などの黒鉛材料、ピッチを焼成して得られるコークスなどの易黒鉛化性炭素質材料、フルフリルアルコール樹脂(PFA)やポリパラフェニレン(PPP)およびフェノール樹脂を低温焼成して得られる非晶質炭素などの難黒鉛化性炭素質材料に代表される炭素材料が挙げられる。また、負極活物質NASとしては、炭素材料の他に、リチウムやリチウム含有化合物も使用することができる。リチウム含有化合物としては、Li−Alなどのリチウム合金や、SiやSnなどのリチウムとの合金化が可能な元素を含む合金を挙げることができる。さらに、負極活物質NASとして、Sn酸化物やSi酸化物などの酸化物系材料も用いることも可能である。
ここで、本明細書で、正極活物質PASと負極活物質NASとを総称して、活物質と呼ぶ場合がある。つまり、本明細書で単に活物質と呼ぶ場合には、正極活物質PASと負極活物質NASとを包含する概念として使用している。
結着剤は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどを使用することができる。さらに、負極板には、例えば、銅などの導電性金属からなる金属箔や網状金属などが使用される。
なお、導電助剤は、通常、正極に含有させる電子導電助剤として用いるもので、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト、カーボンファイバ、カーボンナノチューブなどの炭素材料から構成することが望ましい。このような炭素材料の中でも、添加量と導電性の効果、および、スラリーの製造容易性の観点から、導電助剤としては、アセチレンブラックまたはケッチェンブラックが特に望ましい。これらの導電助剤は、負極に含有させることも可能であり、望ましい場合もある。
上述した結着剤(バインダ)をさらに詳細に説明すると、結着剤は、活物質および導電助剤を結着させる機能を有していることが望ましい。結着剤としては、例えば、ポリビニリデンフルオライド系ポリマー(主成分モノマーであるビニリデンフルオライドを80質量%以上含有する含フッ素モノマー群の重合体)、ゴム系ポリマーなどを使用することができる。なお、結着剤としては、これらのポリマーを2種類以上含んでいてもよい。また、結着剤は、溶媒に溶解した溶液の形態で供給される物質が望ましい。
ポリビニリデンフルオライド系ポリマーを合成するための含フッ素モノマー群としては、ビニリデンフルオライドや、ビニリデンフルオライドと他のモノマーとの混合物でビニリデンフルオライドを80質量%以上含有するモノマー混合物などを挙げることができる。他のモノマーとしては、例えば、ビニルフルオライド、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フルオロアルキルビニルエーテルなどを挙げることができる。
ゴム系ポリマーとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴム、フッ素ゴムなどを挙げることができる。
電極層中における結着剤の含有量は、乾燥後の電極層を基準として0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であって、10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であることが望ましい。結着剤の含有量が少なすぎると、乾燥後の電極層の機械的強度が不足して、電極層が金属箔(集電箔)から剥離するおそれがある。一方、結着剤の含有量が多すぎると、電極層中の活物質の量が減少して、電池容量が低くなるおそれがある。
本実施の形態1で使用する正極板PEPや負極板NEPは、例えば、金属箔(集電箔)から構成される。ただし、この金属箔は、シート状の箔に限定されることはなく、その基体としては、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレス鋼、チタン(Ti)などの純金属もしくは合金性導電材料を用いながら、その形状として、網、パンチドメタル、フォームメタルや、板状に加工した箔などを使用することができる。基体の厚みとしては、例えば、5μmから30μm、より望ましくは、8μmから16μmを選択することができる。
また、セパレータSP1(SP2)は、正極PELと負極NELとを電気的に分離する機能を有していることから、絶縁材料から構成される。セパレータSP1(SP2)を構成する絶縁材料は、例えば、アルミナ(Al)やシリカ(SiO)などの無機酸化物を使用することができる。また、ポリプロピレンやポリエチレンの微粒子を混合したスラリーを用いることで、セパレータSP1(SP2)にシャットダウン特性を持たせることもできる。絶縁材料に用いる無機酸化物からなる粒子を結着させるために結着剤として、例えば、樹脂が用いられる。
<関連技術1におけるリチウムイオン電池の製造方法>
次に、リチウムイオン電池の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図2は、リチウムイオン電池を製造する具体的な工程の流れを示すフローチャートである。また、図3は、関連技術1におけるリチウムイオン電池の製造装置の構成例を示す図である。
図2に示すように、リチウムイオン電池の製造工程は、正極製造工程と、負極製造工程と、電池セル組立工程と、を含んでいる。
まず、リチウムイオン電池の正極の一部または負極の一部を構成する電極層を形成するために使用する電極材料は、例えば、以下に示す構成をしている。すなわち、電極材料は、充放電によりリチウムイオンの放出・吸蔵が可能な活物質からなる粉末と、導電性を向上させる機能を有する導電助剤からなる粉末とを、これらの粉末を結着させるための結着剤や溶剤などと混練・分散した高粘度の液体である電極材料スラリーとして供給される。
図3に示すように、リチウムイオン電池の製造装置は、巻き出しロールRL1と巻き取りロールRL4とを有し、この巻き出しロールRL1と巻き取りロールRL4とに金属箔EPが巻かれている。そして、巻き出しロールRL1と巻き取りロールRL4とを回転させることにより、金属箔EPは、巻き出しロールRL1から供給される一方、巻き取りロールRL4へ巻き取られるようになっている。巻き出しロールRL1と巻き取りロールRL4の間には、ローラRL2が配置されており、このローラRL2と対向するようにダイコータDC1が設けられている。このダイコータDC1の内部に上述した電極材料スラリーESが充填されており、ダイコータDC1によって、巻き出しロールRL1から供給される金属箔EPの表面に、薄く、かつ、均一に電極材料スラリーESが塗布される。
そして、図3に示すように、リチウムイオン電池の製造装置には、金属箔EPの裏面に接しながら、金属箔EPを一定速度で搬送するためのローラ搬送系が設けられており、このローラ搬送系によって、電極材料スラリーESを塗布した金属箔EPは、乾燥室DRYとして示す熱風乾燥炉に搬送される。その後、乾燥室DRYにおいて、金属箔EPに塗布された電極材料スラリーESを加熱することにより、電極材料スラリーESに含まれる溶剤成分を蒸発させる。これにより、金属箔EP上の電極材料スラリーESが固化されて、金属箔EP上に電極層が形成される。続いて、電極層を形成した金属箔EPに圧縮処理や切断処理に代表される加工を行なうことにより、例えば、フィルム状の正極や負極(正極と負極とを総称して電極と呼ぶ)を形成することができる。通常、電極の製造工程では、上述した工程を金属箔EPの表面と裏面とに対して別々に実施することにより、金属箔EPの両面に電極層が形成された電極を製造する。
その後、図2に示す電池セル組立工程では、捲回と呼ばれる工程で、上述したフィルム状の正極と負極から、電池セルに必要な長さの正極と負極を切り出す。また、これらの正極と負極とを電気的に分離するためのセパレータを、フィルム状のセパレータ材料から電池セルに必要な長さで切り出す。そして、切り出した正極と負極の間に切り出したセパレータを挟みながら巻き合わせる(捲回)。このように形成された電極捲回体を組み立てて溶接する。その後、電極捲回体を外装缶(電池缶)内に挿入した後、外装缶の内部に電解液を注入する(抽液)。続いて、外装缶を完全に密閉することにより(封口)、電池セルを製造する。
次に、電池セルの検査工程が実施される。この電池セルの検査工程では、例えば、上述した工程で製造されたリチウムイオン電池の電池セルに対して、繰り返し充放電し、電池セルの性能および信頼性に関する検査が行なわれる。具体的には、電池セルの容量や電圧、充電時または放電時の電流や電圧などの検査が行われる(単電池検査)。この結果、この電池セルの検査工程で、電池セルの選別が行なわれ、検査をパスした電池セルが、良品としてのリチウムイオン電池として出荷される。
このように構成されている関連技術1の製造工程では、電極捲回体を形成する前後に実施される工程によって、電極捲回体の内部に金属異物が侵入するポテンシャルが高くなる。特に、関連技術1では、正極と負極とセパレータとが別部品で構成されているため、例えば、正極とセパレータとの間に隙間が存在し、この隙間に金属異物が侵入しやすくなる。このようにして、電極捲回体の内部に金属異物が侵入すると、侵入した金属異物がセパレータを突き破って、正極と負極が金属異物で短絡するおそれがある。また、正極とセパレータの隙間に侵入した金属異物が正極に付着すると、付着した金属異物が電解液中に溶解し、その後、負極に析出する現象が生じる。そして、負極からの析出によって成長した金属が正極まで達すると、正極と負極とが短絡してしまうおそれがある。
さらに、正極と負極とセパレータとを別部品で組み立てる際には、合計で4枚のシートを同時に巻き合わせることになり、部品の位置合わせが難しいこと、正極ロール、負極ロール、および、2本のセパレータロールの合計4本のフィルムロールを配置する必要があり、リチウムイオン電池の製造装置が大きくなってしまう。
<関連技術2におけるリチウムイオン電池の製造方法>
この点に関し、電極とセパレータとの間に金属異物が侵入することを抑制するために、電極とセパレータとを別体ではなく、一体として形成する関連技術2がある。図4は、関連技術2におけるリチウムイオン電池の製造装置の構成例を示す図である。
図4において、金属箔EPは、巻き出しロールRL1から送り出され、ローラRL2に対向するように配置されたダイコータ(スリットダイコータ)DC1から供給される電極材料スラリーESが金属箔EPの表面に塗布される。続いて、ローラRL3と対向する位置に配置されたダイコータDC2から供給される絶縁材料スラリーISが電極材料スラリーES上に塗布される。その後、金属箔EP上に塗布された電極材料スラリーESと電極材料スラリーES上に塗布された絶縁材料スラリーISは、乾燥室DRYを通過することにより乾燥された後、金属箔EPは巻き取りロールRL4に巻き取られて電極が製造される。
このように関連技術2においては、ダイコータDC1によって金属箔EP上に電極材料スラリーESを塗布した後、ダイコータDC2によって電極材料スラリーES上に絶縁材料スラリーISを塗布している。以下では、ダイコータDC2による絶縁材料スラリーISの塗布工程の詳細について説明する。
図5は、ダイコータDC2によって電極材料スラリーES上に絶縁材料スラリーISを塗布する様子を示す模式図である。図5に示すように、ダイコータDC2には、口金100が設けられており、絶縁材料スラリーを貯蔵したタンク(図示せず)より定量ポンプ(図示せず)によって、口金100に設けられたマニホールド101に絶縁材料スラリーが供給される。マニホールド101において、絶縁材料スラリーの圧力分布を均一にした後、口金100に設けられたスリット102へ絶縁材料スラリーが供給され、絶縁材料スラリーがスリット102から吐出される。吐出された絶縁材料スラリーは、口金100と一定間隔を保って相対的に走行する金属箔上の電極材料スラリーESとの間にビードと呼ばれる溜り部103を形成し、この状態で、電極材料スラリーESが塗布された金属箔の走行に伴って絶縁材料スラリーを引き出すことにより、電極材料スラリーES上に絶縁材料スラリーISを塗布する。
ここで、塗布により消費される絶縁材料スラリーISの量と同量の絶縁材料スラリーISをダイコータDC2のスリット102から供給することにより、電極材料スラリーES上への絶縁材料スラリーISの塗布を連続的に実施する。このとき、絶縁材料スラリーISに含まれる蒸発速度の速い有機溶剤の塗布を安定的に行うために、上述した溜り部103の下流側メニスカス(液面の屈曲)104の形成の安定化が重要となる。この観点から、マニホールド101へ絶縁材料スラリーISを供給する圧力は、スリット102の圧損+口金100の下流側リップ部105の圧損+下流側メニスカス104の圧力を考慮して決定される。
以上のように、関連技術2においては、電極材料スラリーESと絶縁材料スラリーISとを重ねて塗布した後、乾燥室DRYでの加熱工程および乾燥工程を経ることにより、電極材料スラリーESと絶縁材料スラリーISとを同時に乾燥することができる。
このように、関連技術2においては、電極材料スラリーESから電極層を形成し、かつ、絶縁材料スラリーISからセパレータ(絶縁層)を形成している。すなわち、関連技術2では、絶縁材料スラリーISからセパレータを形成する構成を採用し、かつ、電極材料スラリーESと絶縁材料スラリーISが重なるように連続して塗布しているため、電極層とセパレータとを別体ではなく、一体的に形成することができる。このことは、電極層とセパレータ(絶縁層)の間に隙間がない状態で電極加工を実施することができることを意味する。この結果、関連技術2におけるリチウムイオン電池の製造工程においては、電極層とセパレータとの間に金属異物が侵入することによるリチウムイオン電池の内部短絡を防止することができる利点が得られる。
<関連技術2における改善の余地>
ところが、本発明者が上述した関連技術2を検討したところ、以下に示す改善の余地が存在することを見出したので、以下に、この点について説明する。図6は、金属箔EP上に電極材料スラリーESを塗布し、電極材料スラリーES上に絶縁材料スラリーISを塗布した状態を示す模式図である。図6に示すように、電極材料スラリーESと絶縁材料スラリーISとの界面の形状は、波打ったような形状となる。つまり、電極材料スラリーESと絶縁材料スラリーISは、流動性が存在する状態で塗布される。すなわち、まず、金属箔EP上に電極材料スラリーESが塗布されるが、この電極材料スラリーESは乾燥していないため、流動性が存在する状態を維持している。この状態で、電極材料スラリーES上に絶縁材料スラリーISを塗布すると、下層に存在する電極材料スラリーESが流動性を有する状態で形成されており、かつ、絶縁材料スラリーISを塗布するダイコータDC2の塗布圧力によって、電極材料スラリーESの表面に変形が生じることになる。この結果、電極材料スラリーESと絶縁材料スラリーISとの界面の形状は、平坦ではなく、波打った形状になると考えられている。つまり、関連技術2では、図6に示すように、電極材料スラリーESと絶縁材料スラリーISとの界面の表面粗さRGが大きくなる現象が生じるのである。ここで、図6に示す表面粗さRGに対応した層を本明細書では、混合層MIXと呼ぶ場合がある。つまり、表面粗さRGが小さくなると、混合層MIXの厚さは薄くなり、表面粗さRGが大きくなると、混合層MIXの厚さは厚くなるという関係がある。言い換えれば、本明細書において、図6に示す表面粗さRGと混合層MIXの厚さとは一対一の対応関係があることになる。そして、電極材料スラリーESと絶縁材料スラリーISが共に乾燥した後も、電極材料スラリーESが乾燥することにより形成された電極層と、絶縁材料スラリーISが乾燥することにより形成されたセパレータ(絶縁層)との間の界面の形状は、波打った形状を保持することになる。
このように関連技術2で製造されたリチウムイオン電池においては、一体的に形成された電極層とセパレータとの間の表面粗さRGが粗くなる、別の言い方をすれば、電極層とセパレータの界面に混合層MIXが形成されることになる。この結果、例えば、図6の「h」で示すように、絶縁機能を有する絶縁層(絶縁材料スラリーIS)の厚さが本来意図した厚さより薄くなる部分が存在することになり、絶縁層(セパレータ)の絶縁機能が低下することになる。さらには、絶縁層(セパレータ)を薄く形成した際に、絶縁層の上部で電極層が露出してしまうおそれがある。このため、関連技術2で形成される絶縁層の信頼性を充分に確保する観点からは、例えば、混合層MIXの形成による絶縁層の薄膜化を考慮して、絶縁層の厚さを50μm以上とする必要がある。
以上のように、電極層とセパレータ(絶縁層)との間の隙間をなくして、リチウムイオン電池の内部短絡の可能性を抑制する観点から、電極層とセパレータとを一体的に形成する関連技術2が有用である。ただし、上述したように、例えば、生産性の向上や製造装置のコンパクト化やリチウムイオン電池の高性能化を図る観点から、絶縁層(セパレータ)においては、絶縁機能を充分に確保しながら、絶縁層の薄膜化を図る必要がある。この点において、関連技術2においては、電極層とセパレータとの間の表面粗さRGが粗くなる、別の言い方をすれば、電極層とセパレータの界面に形成される混合層MIXの厚さが厚くなるため、関連技術2には、さらなる改善の余地が存在するのである。
今後、リチウムイオン電池の高容量化や小型化に伴い、絶縁層(セパレータ)の薄膜化は重要である。そこで、本実施の形態1では、上述した関連技術2と同様に、電極層とセパレータとを一体的に形成する構成を採用しながら、関連技術2に存在する改善の余地に対する工夫を施している。以下では、この工夫を施した本実施の形態1における技術的思想について説明する。
<プリ固化工程の導入>
本実施の形態1に係るリチウムイオン電池の製造方法は、金属箔上に電極材料スラリーを塗布した後、電極材料スラリーの表面を固化させるプリ固化工程を経て、表面が固化された電極材料スラリー上に絶縁材料スラリーを塗布する。このプリ固化工程によって、電極材料スラリーの表面が流動しない状態で、電極材料スラリー上に絶縁材料スラリーを塗布することができる。このため、ダイコータから印加される塗布圧力で発生する電極材料スラリーと絶縁材料スラリーとの界面の表面粗さの増大、言い換えれば、混合層の厚さの増大を抑制することができる。この結果、本実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造方法によれば、絶縁層(セパレータ)の薄膜化を図りながら、絶縁層の信頼性向上を図ることができるため、リチウムイオン電池の信頼性を向上することができる。
以下に、具体的に説明する。図7は、本実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造装置の構成例を示す図である。図7において、まず、リチウムイオン電池の電極(正極または負極)を形成するための電極材料スラリーESが調整される。そして、調整された電極材料スラリーESは、ローラRL2に対向するダイコータDC1によって、巻き出しロールRL1から供給される金属箔EPの表面に薄く、かつ、均一に塗布される。本明細書では、この工程を第1塗布工程と呼ぶ。次に、電極材料スラリーESが塗布された金属箔EPを固化液噴霧部SD1に搬送し、固化液噴霧部SD1において、噴霧ノズルNZ1から固化液を噴霧することにより、電極材料スラリーESの表面を固化させる。本明細書では、この工程をプリ固化工程と呼ぶ。
続いて、表面が固化した電極材料スラリーESの表面に、ローラRL3に対向するダイコータDC2から供給される絶縁材料スラリーISを薄く、かつ、均一に塗布する。本明細書では、この工程を第2塗布工程と呼ぶ。その後、絶縁材料スラリーISを塗布した金属箔EPは、例えば、熱風乾燥炉から構成される乾燥室DRYに搬入される。そして、乾燥室DRY内では、電極材料スラリーESの溶剤成分および固化液と、絶縁材料スラリーISの溶剤成分とを加熱蒸発させることにより、電極材料スラリーESと絶縁材料スラリーISを共に完全に固化する。これにより、金属箔EP上に電極層と絶縁層(セパレータ)とを一括して形成することができる。本明細書では、この工程を乾燥工程と呼ぶ。
本実施の形態1における電極材料スラリーESは、少なくとも充放電によりリチウムイオンの放出・吸蔵が可能な活物質の粉末と、場合により導電助剤の粉末を含み、さらに、乾燥後に粉末成分間、もしくは、粉末成分と金属箔EPとの間を結着するための結着剤成分(バインダ成分)を含んでいる。
本実施の形態1におけるプリ固化工程で使用する固化液は、電極材料スラリーESに含まれるバインダ成分が不溶である性質を有すると共に、電極材料スラリーES内の溶剤と相互溶解する性質を有することが必要である。固化液が電極材料スラリーESに接触すると、固化液は電極材料スラリーES内の溶剤に溶解しながら電極材料スラリーESの内部に浸透する。このとき、電極材料スラリーESの表面で固化液の濃度が増加すると、結着剤の溶解度が減少するため、結着剤が析出し、電極材料スラリーESの表面だけが固化される。このようにして、本実施の形態1では、第1塗布工程と第2塗布工程の間に、プリ固化工程を導入することにより、電極材料スラリーESの表面が流動しない状態で、電極材料スラリーES上に絶縁材料スラリーISを塗布する第2塗布工程を実施することができる。この結果、本実施の形態1によれば、ダイコータから印加される塗布圧力により発生する界面の表面粗さの増大、言い換えれば、界面に形成される混合層の厚さの増大を抑制することができる。
本実施の形態1における固化液は、電極材料スラリーES中の溶剤および結着剤に対して適切に選択して使うことが重要である。つまり、固化液は、電極材料スラリーES中の結着剤成分の溶解性、溶剤相互の溶解性から選択されるべきである。一般的な溶剤系の電極材料スラリーで使用される溶剤は、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、γ−ブチローラクトンなどに代表される非プロトン性極性溶剤もしくはこれらの混合液を挙げることができる。これらの溶剤に対し相互溶解し、かつ、使用する結着剤の溶解度から、固化液としては、水や、エタノール、イソプロピルアルコールに代表されるアルコール類、もしくは、これらの混合液を選択できるが、ここに挙げた例に限定されるものではない。また、均一に固化液を噴霧するためには、電極材料スラリーESとの濡れ性も考慮して固化液を選択するべきであり、この観点を考慮すると、水とアルコールの混合物を用いることが望ましい。アルコールの濃度としては、例えば、20%〜80%、より好ましくは、40%〜60%にすることが望ましい。
上述したように、本実施の形態1におけるプリ固化工程は、第1塗布工程と第2塗布工程の間に導入される。このプリ固化工程では、電極材料スラリーESの表面に固化液を噴霧することにより、電極材料スラリーESの表面だけを固化する。このとき、噴霧する固化液の量や噴霧する固化液の粒径を適切に選択して使用することが重要である。
さらに、本実施の形態1におけるプリ固化工程においては、電極材料スラリーESに使用する結着剤と固化液の種類によって、適切な固化液の噴霧量を選ぶことが必要である。具体的には、電極材料スラリーES中の結着剤が析出する固化液の濃度以下、より好ましくは40%〜90%とすることが望ましい。噴霧する固化液の量が多すぎる場合は、電極材料スラリーES上に固化液が溜まって、絶縁材料スラリーの塗布が困難となる。一方、噴霧する固化液の量が少なすぎる場合は、電極材料スラリーESの全面に固化液が広がらない可能性がある。したがって、噴霧する固化液の量を調整することは重要である。
そこで、本実施の形態1では、第1塗布工程と第2塗布工程の間にプリ固化工程を導入することを前提として、プリ固化工程で噴霧する固化液の量を調整する工夫を施している。つまり、本実施の形態1における特徴点は、上述したプリ固化工程で噴霧する固化液の量を適切な範囲内に調整する工夫を施す点にある。以下に、この本実施の形態1における特徴点について、図面を参照しながら説明する。
<本実施の形態1における特徴点(構成)>
図7において、本実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造装置は、固化液噴霧部SD1、光照射部LS、撮像部IU、制御部CU、絞り弁SVを有している。
固化液噴霧部SD1は、金属箔EP上に塗布された電極材料スラリーESであって、活物質と結着剤とを含む電極材料スラリーESに対して固化液を噴霧するように構成されている。具体的に、固化液噴霧部SD1は、噴霧ノズルNZ1を有しており、この噴霧ノズルNZ1から、金属箔EP上に塗布された電極材料スラリーESの表面に、固化液が噴霧されるように固化液噴霧部SD1は構成されている。
例えば、噴霧ノズルNZ1の種類としては、液体のみを噴出する一流体ノズルと、液体と気体を混合して噴出する二流体ノズルを使用することができる。特に、噴霧により電極材料スラリーESに水が接触した際の衝撃を軽減する観点から、固化液の噴霧には、より微細な液滴を噴霧できる二流体ノズルを使用することが望ましい。また、噴霧ノズルNZ1から噴霧される粒子の平均粒子径D50を20μm以下、より好ましくは、10μm以下とすることにより、電極材料スラリーESに与えるダメージを抑制することができる。
次に、光照射部LSは、固化液噴霧部SD1により固化液を噴霧した電極材料スラリーESの表面に光を照射するように構成されている。このとき、光照射部LSから電極材料スラリーESの表面に照射される光は、例えば、可視光から構成することができるが、可視光に限定されるものではなく、赤外光などであってもよい。また、光照射部LSから照射される光の偏光状態は特に限定されないが、例えば、直線偏光光のように特定の偏光光であることが望ましい。
続いて、撮像部IUは、光照射部LSによって光を照射した電極材料スラリーESの表面を撮像するように構成されており、例えば、偏光フィルタPFと撮像素子CMとから構成されている。偏光フィルタPFは、光照射部LSから照射された光に含まれる特定の偏光光を透過する機能を有する。また、撮像素子CMは、偏光フィルタPFを透過した偏光光を入射するように構成されている。具体的に、撮像素子CMは、光照射部LSによって光を照射した電極材料スラリーESの表面画像を撮像する機能を有し、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサから構成される。
制御部CUは、撮像部IUで撮像された電極材料スラリーESの表面画像に基づいて、固化液噴霧部SD1から電極材料スラリーESに対して噴霧する固化液の噴霧量を制御するように構成されている。例えば、撮像部IUで撮像された電極材料スラリーESの表面画像に基づいて、固化液噴霧部SD1内の噴霧ノズルNZ1と接続されている絞り弁SVの開口度を調整するように構成されている。一例として、制御部CUによる絞り弁SVの制御によって、絞り弁SVの開口度が大きくなった場合には、噴霧ノズルNZ1から電極材料スラリーESの表面に噴霧される固化液の量が増加する。一方、制御部CUによる絞り弁SVの制御によって、絞り弁SVの開口度が小さくなった場合には、噴霧ノズルNZ1から電極材料スラリーESの表面に噴霧される固化液の量が減少する。
本実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造装置の特徴部分は、上記のように構成されており、以下に、この特徴部分のさらなる詳細な構成について説明する。
まず、光照射部LSと撮像部IUとの組み合わせ構成について説明する。上述したように、撮像部IUは、電極材料スラリーESの表面を撮像する機能を有し、この撮像部IUで電極材料スラリーESの鮮明な表面画像が得られるように、光照射部LSによって、電極材料スラリーESの表面に光を照射している。
そして、本実施の形態1において、撮像部IUによって電極材料スラリーESの表面画像を撮像する目的は、撮像部IUで撮像された電極材料スラリーESの表面画像を使用して、固化液の噴霧量を調整することにある。具体的に、本実施の形態1では、電極材料スラリーESの表面画像において、噴霧された固化液が電極材料スラリーESの表面に停留していない未停留領域と、噴霧された固化液が電極材料スラリーESの表面に停留している停留領域との存在分布に基づいて、固化液の噴霧量を調整する構成が採用されている。したがって、撮像部IUで撮像される電極材料スラリーESの表面画像では、上述した未停留領域と停留領域とを明確に区別できることが要求される。このとき、電極材料スラリーESの表面に固化液が存在しない未停留領域としては、例えば、固化液が噴霧されていない未噴霧領域や、噴霧された固化液が電極材料スラリーESの内部に浸透した浸透領域が含まれる。
ここで、例えば、固化液などの透明液体の表面で反射した光は、光の偏光状態が変化することが知られている。すなわち、停留領域に照射された光は、電極材料スラリーESの表面に存在する固化液によって、光の偏光状態が変化するのに対し、未停留領域に照射された光は、電極材料スラリーESの表面に固化液が存在しないため、光の偏光状態が変化しない。したがって、例えば、撮像部IUにおいて、撮像素子CMの前に偏光フィルタPFを設ける構成を採用する場合、停留領域で反射した光の偏光状態は変化するため、特定の偏光光を透過する偏光フィルタPFによって、偏光フィルタPFを透過する光の強度が変化する。一方、未停留領域で反射した光の偏光状態は変化しないため、偏光フィルタPFを透過する光の強度は変化しない。したがって、偏光フィルタPFを設ける構成の場合には、撮像素子CMで撮像された表面画像において、停留領域と未停留領域に対応した明暗分布が強調される。このことは、撮像素子CMで撮像された表面画像において、停留領域と未停留領域との判別感度が向上することを意味している。このように、撮像素子CMで撮像された表面画像における停留領域と未停留領域との判別感度を向上する観点からは、撮像部IUに偏光フィルタPFを設けることが望ましい。さらに、停留領域と未停留領域との判別感度を向上する観点から、光照射部LSから照射される光は、例えば、直線偏光光に代表される特定の偏光状態を有する偏光光であることが望ましい。
ただし、本実施の形態1における技術的思想は、偏光フィルタPFを設けなくても、撮像素子CMで撮像された表面画像における停留領域と未停留領域との判別が可能である場合には、偏光フィルタPFを設けなくてもよい。同様に、撮像素子CMで撮像された表面画像における停留領域と未停留領域との判別が可能である場合には、光照射部LSから照射される光も、様々な偏光状態の光を含むランダム偏光光であってもよい。
次に、制御部CUの詳細な構成について説明する。図8は、制御部CUの詳細な構成を示す機能ブロック図である。図8に示すように、本実施の形態1における制御部CUは、画像入力部IN、判別部DG、噴霧量調整部AJ、OK/NG判断部JGを有している。
画像入力部INは、撮像部IUで撮像された電極材料スラリーESの表面画像を入力するように構成されている。この表面画像は、例えば、停留領域と未停留領域とに対応した明暗分布から構成されている。
判別部DGは、画像入力部INにより入力した電極材料スラリーESの表面画像の明暗分布に基づいて、電極材料スラリーESの表面に固化液が停留していない未停留領域と、電極材料スラリーESの表面に固化液が停留している停留領域とを判別するように構成されている。例えば、判別部DGは、画像入力部INにより入力した電極材料スラリーESの表面画像の明暗分布を画像処理によって2値化し、2値化した明暗分布に基づいて、未停留領域と停留領域とを判別するように構成されている。
具体的に、図9は、固化液噴霧部SD1とダイコータDC2との間を電極材料スラリーESが塗布された金属箔EPが図9の矢印の方向に流れる様子を示す模式図である。図9において、固化液噴霧部SD1とダイコータDC2との間に画像領域IRが設けられている。そして、この画像領域IRにおいて、灰色で示されている領域が停留領域SRであり、白色で示されている領域が未停留領域NSRである。例えば、図9の画像領域IR内に含まれる灰色領域と白色領域が表示された表面画像によって、判別部DGでは、画像領域IR内の明暗分布から未停留領域NSRと停留領域SRとを判別するようになっている。図9においては、固化液噴霧部SD1に近い上流側には、停留領域SRを示す灰色領域が多い一方、ダイコータDC2に近い下流側には、未停留領域NSRが多いことがわかる。これは、固化液噴霧部SD1に近い上流側では、電極材料スラリーESの表面に固化液を噴霧した直後であり、電極材料スラリーESの表面に噴霧されたばかりの固化液が停留している領域が多いと考えることができる。一方、ダイコータDC2に近い下流側では、固化液を噴霧した時点から時間が経っているため、電極材料スラリーESの表面から内部に固化液が浸透している領域が多いと考えることができる。
続いて、噴霧量調整部AJは、判別部DGで判別した未停留領域NSRと停留領域SRとの存在分布に基づいて、固化液の噴霧量を調整するように構成されている。具体的に、図9において、金属箔EPは、第1方向(図9の横方向)に沿って流れるように移動する帯状部材から構成されており、画像領域IRには、第1方向の上流側である金属箔EPの第1領域に対応した第1画像領域R1と、第1方向の下流側である金属箔EPの第2領域に対応した第2画像領域R2とが含まれている。そして、図9に示すように、固化液噴霧部SD1は、金属箔EPの第1領域よりもさらに上流側の噴霧領域において、電極材料スラリーESに対して固化液を噴霧するようになっている。
ここで、噴霧量調整部AJは、上述した第1画像領域R1の画像と第2画像領域R2の画像を使用して、固化液の噴霧量を調整するように構成されている。例えば、図9に示すように、第1画像領域R1は、固化液を噴霧する固化液噴霧部SD1に近い領域に存在する。このことから、通常、第1画像領域R1において、固化液噴霧部SD1から噴霧された固化液は、電極材料スラリーESの表面に停留していると考えられる。すなわち、第1画像領域R1においては、固化液が電極材料スラリーESの内部に浸透する状態にはないと考えられる。したがって、第1画像領域R1においては、固化液が停留している停留領域SRが、第1画像領域R1の全体に存在する状態が正常状態と考えることができる。一方、第1画像領域R1の中に、固化液が停留していない未停留領域NSRが存在する場合には、この未停留領域NSRは、噴霧された固化液が電極材料スラリーESの内部に浸透した浸透領域というよりも、固化液が噴霧されていない未噴霧領域と考えることが自然である。この場合、固化液噴霧部SD1から噴霧される固化液の量が正常範囲よりも少ないと考えることができる。したがって、噴霧量調整部AJは、第1画像領域R1に未停留領域NSRが存在する場合には、第1画像領域R1に未停留領域NSRが存在する場合の固化液の噴霧量よりも、固化液噴霧部SD1からの固化液の噴霧量を増加させるように調整する。例えば、噴霧量調整部AJは、絞り弁SVの開口度を大きくする調整や、噴霧ノズルNZ1への供給圧縮空気の圧力を上げる調整を行なうように構成されている。
また、図9に示すように、第2画像領域R2は、固化液噴霧部SD1から離れた下流側に存在し、かつ、絶縁材料スラリーを塗布するダイコータDC2に近い領域に存在する。このことから、第2画像領域R2において、固化液は電極材料スラリーESの表面から内部に浸透することにより、電極材料スラリーESの表面が固化された状態である必要がある。したがって、第2画像領域R2においては、固化液が電極材料スラリーESの内部に浸透している浸透領域(未停留領域NSR)が、第2画像領域R2の全体に存在する状態が正常状態と考えることができる。このことから、第2画像領域R2の中に、固化液が停留している停留領域SRが存在する場合には、固化液噴霧部SD1から噴霧される固化液の量が正常範囲よりも多いと考えることができる。したがって、噴霧量調整部AJは、第2画像領域R2に停留領域SRが存在する場合には、第2画像領域R2に停留領域SRが存在する場合の固化液の噴霧量よりも、固化液噴霧部SD1からの固化液の噴霧量を減少させるように調整する。例えば、噴霧量調整部AJは、絞り弁SVの開口度を小さくする調整や、噴霧ノズルNZ1への供給圧縮空気の圧力を下げる調整を行なうように構成されている。
なお、実際のリチウムイオン電池の製造工程では、例えば、第1画像領域R1に未停留領域NSRが存在し、かつ、第2画像領域R2に停留領域SRが存在する可能性も考えられる。この場合は、固化液の噴霧量は調整不能状態となる。したがって、固化液の噴霧量が調整不能である場合、噴霧量調整部AJは、例えば、固化液の噴霧量を調整することが困難な状態にある旨を知らせるアラームを発生するように構成される。
次に、図9に示す画像領域IRには、さらに、金属箔EPの第2領域よりもさらに第1方向の下流側である金属箔EPの第3領域に対応した第3画像領域R3が含まれている。そして、制御部CUは、OK/NG判断部JGを有している。このOK/NG判断部JGは、第3画像領域R3に停留領域SRが存在しない場合には、固化液の噴霧が正常範囲内で行なわれていると判断し、かつ、第3画像領域R3に停留領域SRが存在する場合には、固化液の噴霧が正常範囲を逸脱して行なわれていると判断するように構成されている。具体的に、例えば、OK/NG判断部JGでは、固化液の噴霧が正常範囲を逸脱して行なわれていると判断すると、金属箔EPの領域にマーキングを付すことによってOKとNGとが判別できるように構成されている。
ここで、本実施の形態1において、OK/NG判断部JGを設けた理由は、以下の通りである。すなわち、例えば、噴霧量調整部AJによるフィードバック制御は、第1画像領域R1の画像と第2画像領域R2の画像に基づいて行われる。このとき、例えば、図9に示すように、第2画像領域R2では停留領域SRが存在するが、第2画像領域R2よりもダイコータDC2に近い下流側の第3画像領域R3においては停留領域SRが存在しない。したがって、第2画像領域R2でフィードバック制御を行なうとともに、固化液の噴霧量のOK/NGを判断する場合には、図9に示すように、第2画像領域R2で停留領域SRが存在するが、第2画像領域R2よりも下流であって、ダイコータDC2よりも上流側で停留領域SRが消失する場合、本来であればOKと判断されるべきところ、NGと判断されてしまうことになる。
そこで、本実施の形態1では、固化液の噴霧量のフィードバック制御に使用する第2画像領域R2よりも下流側であって、かつ、ダイコータDC2の上流側である第3画像領域R3で固化液の噴霧量のOK/NGを判断するように構成している。これにより、本実施の形態1では、本来であれば固化液の噴霧量がOKと判断されるべきところ、固化液の噴霧量がNGと判断されてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施の形態1における技術的思想は、固化液の噴霧量をフィードバック制御することに主眼が置かれている。このため、必ずしも、固化液の噴霧量のOK/NGを判断するOK/NG判断部JGを備えていなくてもよいが、信頼性の高いリチウムイオン電池を製造する観点からは、上述したOK/NG判断部JGを備えていることが望ましい。
<本実施の形態1における特徴点(動作)>
本実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造装置は、上記のように構成されており、以下に、図7〜図13を参照しながら、その動作について説明する。図10〜図13は、本実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造装置の動作の流れを説明するフローチャートである。
まず、図7に示すように、巻き出しロールRL1から供給される金属箔EP上に、ダイコータDC1を使用することにより、電極材料スラリーESを塗布する(図10のS101)(第1塗布工程)。次に、固化液噴霧部SD1に含まれる噴霧ノズルNZ1から、金属箔EP上に塗布した電極材料スラリーESの表面に、固化液を噴霧する(図10のS102)(プリ固化工程)。
続いて、固化液を噴霧した電極材料スラリーESの表面に、光照射部LSから光を照射する(図10のS103)。そして、撮像部IUによって、光を照射した電極材料スラリーESの表面を撮像する(図10のS104)。その後、撮像部IUによって撮像された電極材料スラリーESの表面画像は、図8に示す画像入力部INから制御部CUに入力された後、判別部DGにおいて、表面画像の明暗分布に基づき、未停留領域NSRと停留領域SRとの判別が行なわれる(図10のS105)。
そして、噴霧量調整部AJは、判別部DGにおいて判別された未停留領域NSRと停留領域SRとの分布に基づき、まず、図9に示す第1画像領域R1において、未停留領域NSRが存在しないか確認する(図10のS106)。この結果、第1画像領域R1において、未停留領域NSRが存在しない場合には、さらに、図9に示す第2画像領域R2において、停留領域SRが存在しないか確認する(図10のS107)。この結果、第2画像領域R2において、停留領域SRが存在しない場合、噴霧量調整部AJは、固化液噴霧部SD1からの固化液の噴霧量が正常範囲内にあると判断し、固化液の噴霧量を調整しないで維持する(図10のS108)。
その後、図8に示すOK/NG判断部JGは、図9に示す第3画像領域R3において、停留領域SRが存在しないか確認する(図11のS201)。この結果、第3画像領域R3に停留領域SRが存在しない場合、OK/NG判断部JGは、固化液の噴霧が正常に行なわれていると判断する(図11のS202)。一方、第3画像領域R3に停留領域SRが存在する場合、OK/NG判断部JGは、固化液の噴霧が異常に行なわれていると判断して、例えば、金属箔EPにNG領域を示すマーキングを施す(図11のS203)。
次に、図7に示すように、ダイコータDC2を使用することにより、表面が固化した電極材料スラリーES上に絶縁材料スラリーISを塗布する(図11のS204)(第2塗布工程)。続いて、電極材料スラリーES上に絶縁材料スラリーISを塗布した金属箔EPは、乾燥室DRYに搬入され、乾燥室DRYにおいて、電極材料スラリーESおよび絶縁材料スラリーISを加熱して乾燥させる(図11のS205)。これにより、金属箔EP上に電極層と絶縁層(セパレータ)が一体的に形成された電極を製造することができる。
一方、図10のS106において、第1画像領域R1に未停留領域NSRが存在する場合、噴霧量調整部AJは、図9に示す第2画像領域R2において、停留領域SRが存在しないか確認する(図12のS301)。この結果、第2画像領域R2において、停留領域SRが存在しない場合、噴霧量調整部AJは、第1画像領域R1に未停留領域NSRが存在する場合の固化液の噴霧量よりも、固化液噴霧部SD1からの固化液の噴霧量を増加させるように調整する。例えば、噴霧量調整部AJは、絞り弁SVの開口度を大きくする調整や、噴霧ノズルNZ1への供給圧縮空気の圧力を上げる調整を行なう(図12のS302)。これに対し、第2画像領域R2に停留領域SRが存在する場合、固化液の噴霧量は調整不能状態となる。この場合、噴霧量調整部AJは、例えば、固化液の噴霧量を調整することが困難な状態にある旨を知らせるアラームを発生する(図12のS303)。
ここで、噴霧量調整部AJが固化液の噴霧量を増加させるように調整した場合(図12のS302に進んだ場合)、図8に示すOK/NG判断部JGは、図9に示す第3画像領域R3において、停留領域SRが存在しないか確認する(図12のS304)。この結果、第3画像領域R3に停留領域SRが存在しない場合、OK/NG判断部JGは、固化液の噴霧が正常に行なわれていると判断する(図12のS305)。一方、第3画像領域R3に停留領域SRが存在する場合、OK/NG判断部JGは、固化液の噴霧が異常に行なわれていると判断して、例えば、金属箔EPにNG領域を示すマーキングを施す(図12のS306)。
次に、図7に示すように、ダイコータDC2を使用することにより、表面が固化した電極材料スラリーES上に絶縁材料スラリーISを塗布する(図12のS307)。続いて、電極材料スラリーES上に絶縁材料スラリーISを塗布した金属箔EPは、乾燥室DRYに搬入され、乾燥室DRYにおいて、電極材料スラリーESおよび絶縁材料スラリーISを加熱して乾燥させる(図12のS308)。これにより、金属箔EP上に電極層と絶縁層(セパレータ)が一体的に形成された電極を製造することができる。
一方、図10のS107において、図9に示す第2画像領域R2に停留領域SRが存在する場合、噴霧量調整部AJは、第2画像領域R2に停留領域SRが存在する場合の固化液の噴霧量よりも、固化液噴霧部SD1からの固化液の噴霧量を減少させるように調整する。例えば、噴霧量調整部AJは、絞り弁SVの開口度を小さくする調整や、噴霧ノズルNZ1への供給圧縮空気の圧力を下げる調整を行なう(図13のS401)。
その後、図8に示すOK/NG判断部JGは、図9に示す第3画像領域R3において、停留領域SRが存在しないか確認する(図13のS402)。この結果、第3画像領域R3に停留領域SRが存在しない場合、OK/NG判断部JGは、固化液の噴霧が正常に行なわれていると判断する(図13のS403)。一方、第3画像領域R3に停留領域SRが存在する場合、OK/NG判断部JGは、固化液の噴霧が異常に行なわれていると判断して、例えば、金属箔EPにNG領域を示すマーキングを施す(図13のS404)。
次に、図7に示すように、ダイコータDC2を使用することにより、表面が固化した電極材料スラリーES上に絶縁材料スラリーISを塗布する(図13のS405)。続いて、電極材料スラリーES上に絶縁材料スラリーISを塗布した金属箔EPは、乾燥室DRYに搬入され、乾燥室DRYにおいて、電極材料スラリーESおよび絶縁材料スラリーISを加熱して乾燥させる(図13のS406)。これにより、金属箔EP上に電極層と絶縁層(セパレータ)が一体的に形成された電極を製造することができる。
以上のようにして、本実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造装置を動作させることができる。これにより、本実施の形態1によれば、第1塗布工程と第2塗布工程の間にプリ固化工程を導入することを前提として、プリ固化工程で噴霧する固化液の噴霧量をフィードバック制御することができる。この結果、本実施の形態1によれば、固化液の噴霧量が正常範囲を逸脱することを抑制できるため、信頼性の高いリチウムイオン電池を製造しながら、リチウムイオン電池の製造歩留まりも向上することができる。
<実施例1>
次に、本実施例1では、実施の形態1で説明したリチウムイオン電池の製造装置を使用することにより、金属箔上に形成される正極層と、正極層上に形成される絶縁層(セパレータ)を一体的に形成するリチウムイオン電池の製造工程について説明する。
正極活物質には、リチウム遷移金属複合酸化物としてのニッケルコバルトマンガン酸リチウムを選択できる。導電助材の黒鉛粉末、および、アセチレンブラックと、結着剤であるとともに固化材としても機能するポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFという)とを重量比で85:8:2:5となる割合で混合した後、さらに、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPという)を逐次添加する。そして、これらの成分をプラネタリーミキサで混練することにより、正極材料スラリー(電極材料スラリーの一例)を調整する。正極材料スラリー中には、固化材としての結着剤がNMPに溶解しており、正極材料スラリーは、高粘度の液体であった。回転粘度計で測定した正極材料スラリーの粘度は約10Pa・sとなる。
このようにして混練した正極材料スラリーを、ローラに対向するダイコータを用いて、ローラから供給されるアルミニウム箔(厚さ20μm、幅200mm)の表面に、塗布厚さが100μmで、塗布幅が150mmとなるように塗布する。この工程が、本実施例1の第1塗布工程となる。
続いて、正極材料スラリーを塗布したアルミニウム箔は、固化室(固化液噴霧部)に導入され、正極材料スラリーの表面に固化液を噴霧することにより、正極材料スラリーの表面を固化させる。この工程が、本実施例1のプリ固化工程となる。
ここで、固化液には、40%エタノール含有水を用いた。噴霧ノズルには、内部混合型の二流体ノズルを用いた。この二流体ノズルから噴霧される噴霧粒子の平均粒子径D50は、10μmであった。噴霧ノズルから正極材料スラリーまでの距離は100mm、噴霧圧力は0.1MPaとし、噴霧打力を1g/cmに調整した。固化液の噴霧量は、PVdFが析出する40%エタノール含有水量の50%となる量とした。
このとき、本実施例1では、実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造装置を使用している。このため、固化液を噴霧した直後には、正極材料スラリーを塗布したアルミニウム箔の幅方向を横断的に途切れなく固化液が噴霧され、かつ、後述する第2塗布工程前には、噴霧された固化液がすべて正極材料スラリーに浸透するように、固化液の噴霧量が調整される。
次に、セパレータを構成する絶縁材料には、シリカ(SiO)粉末を選択した。このシリカと、結着剤となるポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で90:10となる割合で混合した後、さらに、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を逐次添加する。そして、これらの成分をプラネタリーミキサで混練することにより、絶縁材料スラリーを調整する。絶縁材料スラリーは高粘度の液体であり、回転粘度計で測定した絶縁材料スラリーの粘度は約2Pa・sとなる。
このようにして混練された絶縁材料スラリーは、表面を固化した正極材料スラリー上にダイコータを用いて、塗布厚さが80μmで、塗布幅が160mmとなるように塗布する。この工程が本実施例1の第2塗布工程である。
続いて、正極材料スラリーと絶縁材料スラリーとを塗布したアルミニウム箔を熱風乾燥炉(乾燥室)に搬入し、加熱温度が120℃で、かつ、加熱時間が10分間という加熱条件で、正極材料スラリーと絶縁材料スラリーとを乾燥させる。これにより、正極材料スラリーと絶縁材料スラリーとに含まれる溶剤が蒸発することにより、アルミニウム箔上に電極層と絶縁層(セパレータ)が一体的に形成された正極を製造することができる。ここで、乾燥後の電極層の厚さは50μmであり、絶縁層の厚さは40μmであった。
本実施例1で形成された電極層と絶縁層との界面の混合層の膜厚(表面粗さ)の評価は、完成した電極の断面を切り出し、SEMで観察した像から混合層の膜厚(表面粗さ)を算出することにより行なった。図14は、図6に示す断面の概念図(模式図)に基づいて、混合層の膜厚(表面粗さ)を評価した結果を示すグラフである。図14に示すように、本実施例1で製造された正極では、アルミニウム箔の搬送速度によらず、常に、混合層の膜厚(表面粗さ)が5μm以下になっていることがわかる。したがって、本実施例1で製造された正極は、絶縁層(セパレータ)を薄膜化しても、短絡発生の可能性は低くなることがわかった。
本実施例1では、アルミニウム箔の片面に正極材料スラリーおよび絶縁材料スラリーを塗布して、正極を製造する例について説明した。なお、アルミニウム箔の両面に正極材料スラリーおよび絶縁材料スラリーを塗布する構造には、例えば、巻き取りローラに巻き取られた正極を反転させて、再度、上述した工程と同一の工程を実施することにより実現することができる。
<比較例>
ここで、上述した関連技術2で製造される正極を比較例とする。具体的に、比較例においては、正極材料スラリーを、ローラに対向するダイコータを用いて、アルミニウム箔(厚さ20μm、幅200mm)の表面に、塗布厚さが100μmで、塗布幅が150mmとなるように塗布する。そして、正極材料スラリー上に絶縁材料スラリーを、ローラに対向するダイコータを用いて、塗布厚さが20μmで、塗布幅が160mmとなるように塗布する。その後、正極材料スラリーおよび絶縁材料スラリーを塗布したアルミニウム箔を熱風乾燥炉(乾燥室)に搬入し、加熱温度が120℃で、かつ、加熱時間が10分間という加熱条件で、正極材料スラリーと絶縁材料スラリーとを乾燥させる。これにより、正極材料スラリーと絶縁材料スラリーとに含まれる溶剤が蒸発することにより、アルミニウム箔上に電極層と絶縁層(セパレータ)が一体的に形成された比較例における正極を製造する。
比較例で得られた正極の混合層の膜厚(表面粗さ)を評価した結果、図14に示すように、アルミニウム箔の搬送速度により、混合層の膜厚(表面粗さ)が変化していることがわかった。また、図14において、アルミニウム箔の搬送速度が100m/minでも混合層の厚さ(表面粗さ)は10μm以上であった。
<実施例1の効果>
本実施例1のように、正極材料スラリーを塗布した後に、プリ固化工程を実施し、正極材料スラリーの表面を固化させることにより、混合層の厚さ(表面粗さ)が比較例と比べて、5μm以下と小さくなっている。一方、比較例は、実用的なアルミニウム箔の搬送速度でも、混合層の厚さ(表面粗さ)は、10μm以上となっており、絶縁層(セパレータ)を薄膜化するにしたがって、短絡発生の可能性が高くなる。
以上のことから、本実施例1におけるリチウムイオン電池の製造方法によれば、正極と一体的に形成される絶縁層(セパレータ)を薄膜化しても、短絡発生の可能性を低くすることができる。この結果、本実施例1によれば、信頼性の高いリチウムイオン電池を製造することができる。特に、実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造装置を使用しているため、上述した信頼性の高いリチウムイオン電池を製造しながら、リチウムイオン電池の製造歩留まりも向上することができる。
なお、本実施例1では、正極の製造工程について説明したが、本実施例1の技術的思想は、これに限らず、負極の製造工程にも適用することができ、この場合も本実施例1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
<実施の形態2における特徴>
図15は、本実施の形態2におけるリチウムイオン電池の製造装置の構成例を示す図である。本実施の形態2におけるリチウムイオン電池の製造装置は、前記実施の形態1におけるリチウムイオン電池の製造装置とほぼ同様の構成をしているため、相違点を中心に説明する。
図15に示すように、本実施の形態2の特徴点は、ダイコータDC2の下流側であって、かつ、乾燥室DRYの上流側に、噴霧ノズルNZ2を含む固化液噴霧部SD2を設けている点にある。これにより、乾燥室DRYにおける乾燥時間の短時間化、および、乾燥室DRYのコンパクト化を図ることができる。
以下に、この理由について説明する。図15において、ダイコータDC2よりも上流側に配置される固化液噴霧部SD1からの固化液の噴霧においては、金属箔EP上に塗布されている電極材料スラリーESの表面だけが固化される。言い換えれば、電極材料スラリーESの内部は液体状態となっている。このため、内部が液体状態の電極材料スラリーESを乾燥室DRYに搬入して乾燥させる場合、急激な加熱処理を加えると、電極材料スラリーES内で結着剤成分(バインダ成分)などの移動、すなわち、成分の対流や拡散が生じる。このため、電極材料スラリーESを乾燥させた後に形成される電極層に含まれる成分の分布ばらつきが生じてしまい、電極層の性能低下を招くおそれがある。したがって、内部が液体状態の電極材料スラリーESを乾燥室DRYに搬入して乾燥させる場合、成分の対流や拡散を抑制するために、溶剤の蒸発速度を抑える必要があり、急激な加熱処理を加えることが困難になる。このことは、乾燥時間の長時間化や設備の大型化を招くことを意味し、これによって、リチウムイオン電池の生産性の低下を招くことになる。
これに対し、本実施の形態2におけるリチウムイオン電池の製造装置においては、図15に示すように、固化液噴霧部SD1の他に、ダイコータDC2の下流側であって、かつ、乾燥室DRYの上流側に、噴霧ノズルNZ2を含む固化液噴霧部SD2を設けている。この固化液噴霧部SD2は、固化液噴霧部SD1とは異なり、内部が液体状態の電極材料スラリーESを完全に固化させる機能を有している。この結果、乾燥室DRYに搬入される前段階で、電極材料スラリーESが完全に固化されているため、乾燥中の電極材料スラリー内の成分(バインダ成分)の移動、すなわち、成分(バインダ成分)の対流や拡散を抑制することができる。これにより、本実施の形態2におけるリチウムイオン電池の製造装置においては、電極材料スラリーES内の成分の対流や拡散を抑制しながら、溶剤の蒸発速度を上げることができる。このことは、本実施の形態2によれば、乾燥室DRYにおける加熱時間の短時間化および設備のコンパクト化を図ることができることを意味し、これによって、リチウムイオン電池の生産性を向上することができるのである。
<実施例2>
本実施例2では、実施の形態2で説明したリチウムイオン電池の製造装置を使用することにより、金属箔上に形成される正極層と、正極層上に形成される絶縁層(セパレータ)を一体的に形成するリチウムイオン電池の製造工程について説明する。
前記実施例1と同様に、正極材料スラリーを、ローラに対向するダイコータを用いて、アルミニウム箔(厚さ20μm、幅200mm)の表面に、塗布厚さが100μmで、塗布幅が150mmとなるように塗布する。続いて、正極材料スラリーが塗布されたアルミニウム箔は、固化室(固化液噴霧部SD1)に導入され、正極材料スラリーの表面に固化液を噴霧することにより、正極材料スラリーの表面を固化させる。ここでの固化液および噴霧条件は、前記実施例1と同様である。
このとき、本実施例2では、実施の形態2におけるリチウムイオン電池の製造装置を使用している。このため、固化液を噴霧した直後には、正極材料スラリーを塗布したアルミニウム箔の幅方向を横断的に途切れなく固化液が噴霧され、かつ、後述する第2塗布工程前には、噴霧された固化液がすべて正極材料スラリーに浸透するように、固化液の噴霧量が調整される。
次に、ダイコータを使用して、表面を固化した正極材料スラリー上に、塗布厚さが80μmで、塗布幅が160mmとなるように、絶縁材料スラリーを塗布する。その後、正極材料スラリーおよび絶縁材料スラリーが塗布されたアルミニウム箔を、図15に示す固化室(固化液噴霧部SD2)に搬入し、噴霧ノズルを用いて固化液を絶縁材料スラリー上に噴霧する。これにより、固化液は、絶縁材料スラリーを固化させるとともに、絶縁材料スラリーの下層に形成されている正極材料スラリーにも浸透し、正極材料スラリーも完全に固化させる。このとき、固化液には、40%エタノール含有水を用いた。
噴霧ノズルには、内部混合型の二流体ノズルを用いた。この二流体ノズルから噴出される噴霧粒子の平均粒子径D50は10μmであった。噴霧ノズルから絶縁材料スラリーまでの距離は100mm、噴霧圧力は0.1MPaとし、噴霧打力を1g/cmに調整した。固化液の噴霧量は、正極材料スラリーおよび絶縁材料スラリーを完全に固化させるため、PVdFが析出する40%エタノール含有水量の200%となる量とした。
続いて、正極材料スラリーと絶縁材料スラリーとを塗布したアルミニウム箔を熱風乾燥炉(乾燥室)に搬入し、正極材料スラリーと絶縁材料スラリーとを乾燥させる。これにより、正極材料スラリーと絶縁材料スラリーとに含まれる溶剤が蒸発することにより、アルミニウム箔上に電極層と絶縁層(セパレータ)が一体的に形成された正極を製造することができる。ここで、乾燥後の電極層の厚さは50μmであり、絶縁層の厚さは40μmであった。
本実施例2で形成された電極層と絶縁層との界面の混合層の膜厚(表面粗さ)の評価は、完成した電極の断面を切り出し、SEMで観察した像から混合層の膜厚(表面粗さ)を算出することにより行なった。本実施例2で製造された正極でも、アルミニウム箔の搬送速度によらず、常に、混合層の膜厚(表面粗さ)が5μm以下になった。したがって、本実施例2で製造された正極は、絶縁層(セパレータ)を薄膜化しても、短絡発生の可能性は低くなることがわかった。
<実施例2の効果>
以上のことから、本実施例2におけるリチウムイオン電池の製造方法によれば、正極と一体的に形成される絶縁層(セパレータ)を薄膜化しても、短絡発生の可能性を低くすることができる。この結果、本実施例2によれば、信頼性の高いリチウムイオン電池を製造することができる。特に、実施の形態2におけるリチウムイオン電池の製造装置を使用しているため、上述した信頼性の高いリチウムイオン電池を製造しながら、リチウムイオン電池の製造歩留まりも向上することができる。さらには、本実施例2のように、乾燥工程の前に、正極材料スラリーおよび絶縁材料スラリーを完全に固化させることにより、急激に乾燥させても電極層の成分および絶縁層(セパレータ)の成分の移動を抑制することができるため、乾燥時間の短縮や乾燥設備の小型化を図ることができる。
なお、本実施例2では、正極の製造工程について説明したが、本実施例2の技術的思想は、これに限らず、負極の製造工程にも適用することができ、この場合も本実施例2と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
前記実施の形態では、リチウムイオン電池を例に挙げて、本発明の技術的思想について説明したが、本発明の技術的思想は、リチウムイオン電池に限定されるものではなく、正極、負極、および、正極と負極とを電気的に分離するセパレータとを備える蓄電デバイス(例えば、電池やキャパシタなど)に幅広く適用することができる。
100 口金
101 マニホールド
102 スリット
103 溜り部
104 下流側メニスカス
105 下流側リップ部
AJ 噴霧量調整部
CAP 電池蓋
CM 撮像素子
CR 軸芯
CS 外装缶
CU 制御部
DC1 ダイコータ
DC2 ダイコータ
DG 判別部
DRY 乾燥室
EP 金属箔
ES 電極材料スラリー
IN 画像入力部
IR 画像領域
IS 絶縁材料スラリー
IU 撮像部
JG OK/NG判断部
LIB リチウムイオン電池
LS 光照射部
MIX 混合層
NAS 負極活物質
NEL 負極
NEP 負極板
NR 負極集電リング
NSR 未停留領域
NT 負極リード板
NTAB 負極集電タブ
NZ1 噴霧ノズル
NZ2 噴霧ノズル
PAS 正極活物質
PEL 正極
PEP 正極板
PF 偏光フィルタ
PR 正極集電リング
PT 正極リード板
PTAB 正極集電タブ
RG 表面粗さ
RL1 巻き出しロール
RL2 ローラ
RL3 ローラ
RL4 巻き取りロール
R1 第1画像領域
R2 第2画像領域
R3 第3画像領域
SD1 固化液噴霧部
SD2 固化液噴霧部
SP1 セパレータ
SP2 セパレータ
SR 停留領域
SV 絞り弁
WRF 電極捲回体

Claims (12)

  1. (a)金属箔上に塗布されたスラリーであって、活物質と結着剤とを含む前記スラリーに対して固化液を噴霧する固化液噴霧部、
    (b)前記固化液を噴霧した前記スラリーの表面に光を照射する光照射部、
    (c)前記光を照射した前記スラリーの表面を撮像する撮像部、
    (d)前記撮像部で撮像された前記スラリーの表面画像に基づいて、前記固化液噴霧部から前記スラリーに対して噴霧する前記固化液の噴霧量を制御する制御部、
    を備える、蓄電デバイス製造装置。
  2. 請求項1に記載の蓄電デバイス製造装置において、
    前記撮像部は、
    (c1)前記光に含まれる特定の偏光光を透過する偏光フィルタ、
    (c2)前記偏光フィルタを透過した前記偏光光を入射する撮像素子、
    を有する、蓄電デバイス製造装置。
  3. 請求項2に記載の蓄電デバイス製造装置において、
    前記光照射部から照射される前記光は、直線偏光光である、蓄電デバイス製造装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス製造装置において、
    前記制御部は、
    (d1)前記撮像部で撮像された前記スラリーの前記表面画像を入力する画像入力部、
    (d2)前記画像入力部により入力した前記表面画像の明暗分布に基づいて、前記スラリーの表面に前記固化液が停留していない未停留領域と、前記スラリーの表面に前記固化液が停留している停留領域と、を判別する判別部、
    (d3)前記未停留領域と前記停留領域との存在分布に基づいて、前記固化液の噴霧量を調整する噴霧量調整部、
    を有する、蓄電デバイス製造装置。
  5. 請求項4に記載の蓄電デバイス製造装置において、
    前記金属箔は、第1方向に沿って流れるように移動する帯状部材から構成され、
    前記表面画像には、前記第1方向の上流側である第1領域に対応した第1画像領域と、前記第1方向の下流側である第2領域に対応した第2画像領域と、が含まれる、蓄電デバイス製造装置。
  6. 請求項5に記載の蓄電デバイス製造装置において、
    前記固化液噴霧部は、前記第1領域よりもさらに上流側の噴霧領域において、前記スラリーに対して前記固化液を噴霧する、蓄電デバイス製造装置。
  7. 請求項5または6に記載の蓄電デバイス製造装置において、
    前記噴霧量調整部は、前記第1画像領域に前記未停留領域が存在する場合には、前記固化液噴霧部からの前記固化液の噴霧量を増加させる、蓄電デバイス製造装置。
  8. 請求項5または6に記載の蓄電デバイス製造装置において、
    前記噴霧量調整部は、前記第2画像領域に前記停留領域が存在する場合には、前記固化液噴霧部からの前記固化液の噴霧量を減少させる、蓄電デバイス製造装置。
  9. 請求項5または6に記載の蓄電デバイス製造装置において、
    前記噴霧量調整部は、前記第1画像領域に前記未停留領域が存在し、かつ、前記第2画像領域に前記停留領域が存在する場合に、前記固化液の噴霧量が調整不能であると判断する、蓄電デバイス製造装置。
  10. 請求項4に記載の蓄電デバイス製造装置において、
    前記金属箔は、第1方向に沿って流れるように移動する帯状部材から構成され、
    前記表面画像には、前記第1方向の上流側である第1領域に対応した第1画像領域と、前記第1方向の下流側である第2領域に対応した第2画像領域と、前記第2領域よりもさらに前記第1方向の下流側である第3領域に対応した第3画像領域と、が含まれ、
    前記制御部は、前記第3画像領域に前記停留領域が存在しない場合には、前記固化液の噴霧が正常範囲内で行なわれていると判断し、かつ、前記第3画像領域に前記停留領域が存在する場合には、前記固化液の噴霧が正常範囲を逸脱して行なわれていると判断するOK/NG判断部を有する、蓄電デバイス製造装置。
  11. (a)金属箔上に塗布されたスラリーであって、活物質と結着剤とを含む前記スラリーに対して固化液を噴霧する工程、
    (b)前記固化液を噴霧した前記スラリーの表面に光を照射する工程、
    (c)前記光を照射した前記スラリーの表面を撮像部で撮像する工程、
    (d)前記撮像部で撮像された前記スラリーの表面画像に基づいて、前記スラリーに対して噴霧する前記固化液の噴霧量を制御する工程、
    を備える、蓄電デバイスの製造方法。
  12. (a)正極、
    (b)負極、
    (c)前記正極と前記負極とを電気的に分離し、かつ、少なくとも、前記正極あるいは前記負極のいずれかの電極と一体的に形成されたセパレータ、
    を備え、
    前記セパレータと一体的に形成された前記電極は、
    (d1)金属箔、
    (d2)前記金属箔上に形成された活物質と結着剤とを含む電極層、
    を含み、
    前記電極層と接するように前記セパレータが形成された蓄電デバイスであって、
    前記電極層と前記セパレータとの界面の表面粗さは、5μm以下である、蓄電デバイス。
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