JP2018133245A - 非水系二次電池用セパレータ、および、非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池用セパレータ、および、非水系二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】フィラーとバインダ樹脂を含む耐熱多孔質層を備えた非水系二次電池用セパレータにおいて、膜厚変動が少なく、かつ外観良好な非水系二次電池用セパレータを提供する。【解決手段】多孔質基材と、前記多孔質基材の片面又は両面に設けられ、バインダ樹脂、及び六角板状の金属酸化物の粒子を含む耐熱性多孔質層と、を備えた非水系二次電池用セパレータ。【選択図】なし

Description

本発明は、非水系二次電池用セパレータ、および、非水系二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池は高いエネルギー密度、柔軟で軽量な構造、および他の電池よりも長寿命であるという特徴から、移動電源や蓄電目的に広く用いられている。非水系二次電池は、近年、更なる高エネルギー密度化が求められており、それに伴って安全性の確保が重要視されている。
リチウムイオン二次電池等の非水系二次電池における安全性を確保する上で、セパレータは重要な役割を担っている。具体的には、セパレータは、膜自体の耐熱性、及び電池の温度が上昇した場合に膜の細孔が閉塞して電流を遮断するシャットダウン機能をそなえていることが望まれる。耐熱性に関連する技術としては、ポリエチレン微多孔膜の上に水酸化アルミニウム等のフィラー及びメタ型全芳香族ポリアミド等の耐熱性樹脂を含有する多孔質層が形成されたセパレータ(例えば、特許文献1〜2参照)や、ポリオレフィン系微多孔膜の上に水酸化マグネシウム及びポリフッ化ビニリデン系樹脂を含有する多孔質層が形成されたセパレータ(例えば、特許文献3参照)や、ポリオレフィン系微多孔膜の上に無機粒子及び樹脂からなる粒子含有樹脂層が形成されたセパレータ(例えば、特許文献4〜5参照)が提案されている。
国際公開第2008/062727号 国際公開第2008/156033号 国際公開第2014/021293号 国際公開第2015/068325号 国際公開第2015/097953号
上述した従来のセパレータは、フィラーとバインダ樹脂を含む粒子含有塗液をポリエチレン微多孔膜の上に塗布し、溶剤を取り除く工程が必要である。しかし、塗液の状態によってはフィラー同士の凝集が生じることや、フィラーとバインダ樹脂との相互作用により塗液粘度が経時的に増加してしまう場合がある。その結果、セパレータの膜厚変動が大きく、外観が不良になる問題があった。
本発明は、上記に鑑みなれたものであり、膜厚変動が少なく、かつ外観良好な非水系二次電池用セパレータを提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために以下の構成を採用する。
1.多孔質基材と、前記多孔質基材の片面又は両面に設けられ、バインダ樹脂、及び六角板状の金属酸化物の粒子を含む耐熱性多孔質層と、を備えた非水系二次電池用セパレータ。
2.前記金属酸化物の粒子は、酸化亜鉛の粒子である上記1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
3.前記金属酸化物の粒子は、平均粒子径が0.1μm以上1μm以下である上記1〜上記2のいずれか1項に記載の非水系二次電池用セパレータ。
4.前記バインダ樹脂は、フッ化ビニリデン単量体単位とヘキサフルオロプロピレン単量体単位とを含む共重合体であって、前記ヘキサフルオロプロピレン単量体単位は、前記フッ化ビニリデン単量体単位と前記ヘキサフルオロプロピレン単量体単位の総量に対して1.0モル%以上7.0モル%以下であるポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む上記1〜上記3のいずれか1項に記載の非水系二次電池用セパレータ。
5.前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、重量平均分子量が60万以上300万以下である上記4に記載の非水系二次電池用セパレータ。
6.正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間に配置された上記1〜上記5のいずれか1項に記載の非水系二次電池用セパレータと、を備え、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池。
本発明によれば、フィラーとバインダ樹脂を含む耐熱多孔質層を備えた非水系二次電池用セパレータにおいて、膜厚変動が少なく、かつ外観良好な非水系二次電池用セパレータが提供される。
六角形状を説明する模式図
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、実施の形態についての説明及び実施例は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
また、本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
<非水系二次電池用セパレータ>
本開示の非水系二次電池用セパレータは、少なくとも、多孔質基材と、前記多孔質基材の片面又は両面に設けられた耐熱性多孔質層と、を備えている。多孔質基材に設けられた耐熱性多孔質層は、バインダ樹脂、及び六角板状の金属酸化物の粒子を含む。
本開示の非水系二次電池用セパレータは、他の層を更に有していてもよい。
非水系二次電池用セパレータは、従来から電池の耐熱性及び強度を高める等の目的で、フィラーとバインダ樹脂を含む耐熱多孔質層を設けている。しかしながら、フィラーとバインダ樹脂を含む塗工液は、継時的安定性が低下し、均一な耐熱性多孔質を設けることが困難となる場合がある。
上記の状況に鑑みて、本開示の非水系二次電池用セパレータでは、耐熱性多孔質を、バインダ樹脂に加えて特定のフィラーを含む組成にして形成する。具体的には、本開示における耐熱性多孔質層は、フィラーとして、六角板状の金属酸化物を含む。これにより、塗工液の粘度の継時的安定性が向上するため、耐熱性多孔質層の膜厚変動が低減され、外観の良好な非水系二次電池用セパレータを得ることができる。
以下、本開示の非水系二次電池用セパレータについて詳述する。
[多孔質基材]
本開示の非水系二次電池用セパレータは、多孔質基材を備えている。多孔質基材とは、内部に空孔ないし空隙を有する基材を意味する。
多孔質基材としては、微多孔膜、及び繊維状物からなる、不織布、紙等の多孔性シート、並びに、微多孔膜又は多孔性シートに他の多孔性の層を1層以上積層した複合多孔質シートなどが挙げられる。ここで、微多孔膜とは、内部に多数の微細孔を有し、微細孔が互いに連結された構造であることにより一方面から他方面へと気体又は液体が通過可能となっている膜のことを指す。
多孔質基材の材料としては、電気絶縁性を有する材料が好ましく、有機材料及び/又は無機材料のいずれでもよい。
多孔質基材は、多孔質基材にシャットダウン機能を付与する観点から、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。シャットダウン機能とは、電池温度が高まった場合に、材料が溶解して多孔質基材の孔を閉塞することによりイオンの移動を遮断し、電池の熱暴走を防止する機能をいう。熱可塑性樹脂としては、融点200℃未満の熱可塑性樹脂が好ましく、特にポリオレフィンが好ましい。
多孔質基材としては、ポリオレフィンを含む微多孔膜(本明細書において、「ポリオレフィン微多孔膜」という。)が好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜としては、従来の非水系二次電池用セパレータに適用されているポリオレフィン微多孔膜の中から、十分な力学特性とイオン透過性を有するものを選択すればよい。
ポリオレフィン微多孔膜は、シャットダウン機能を発現する観点から、ポリエチレンを含むこと(すなわちポリエチレン微多孔膜)が好ましく、ポリエチレンの含有量としては95質量%以上が好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜は、高温に曝されたときに容易に破膜しない程度の耐熱性を付与するという観点では、ポリエチレンとポリプロピレンとを含むポリオレフィン微多孔膜が好ましい。このようなポリオレフィン微多孔膜としては、ポリエチレンとポリプロピレンが1つの層において混在している微多孔膜が挙げられる。このような微多孔膜においては、シャットダウン機能と耐熱性の両立という観点から、95質量%以上のポリエチレンと5質量%以下のポリプロピレンとを含むことが好ましい。また、シャットダウン機能と耐熱性の両立という観点では、ポリオレフィン微多孔膜が2層以上の積層構造を備えており、少なくとも1層はポリエチレンを含み、少なくとも1層はポリプロピレンを含む構造のポリオレフィン微多孔膜も好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜に含まれるポリオレフィンは、重量平均分子量が10万〜500万のポリオレフィンが好ましい。重量平均分子量が10万以上であると、良好な力学特性を確保できる。一方、重量平均分子量が500万以下であると、シャットダウン特性が良好であるし、膜の成形がしやすい。
ポリオレフィン微多孔膜は、例えば以下の方法で製造可能である。すなわち、溶融したポリオレフィン樹脂をT−ダイから押し出してシート化し、これを結晶化処理した後延伸し、さらに熱処理をして微多孔膜とする方法、又は流動パラフィンなどの可塑剤と一緒に溶融したポリオレフィン樹脂をT−ダイからシート状に押し出し、押出された樹脂を冷却し、延伸した後、可塑剤を抽出し熱処理をして微多孔膜とする方法である。
繊維状物からなる多孔性シートとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド等の耐熱性樹脂;などの繊維状物からなる、不織布、紙等が挙げられる。
耐熱性樹脂とは、融点が200℃以上のポリマー、又は融点を有さず分解温度が200℃以上のポリマーをいう。
複合多孔質シートとしては、微多孔膜又は繊維状物からなる多孔性シートに機能層を積層したシートが挙げられる。このような複合多孔質シートは、機能層によってさらなる機能付加が可能となる点で好ましい。機能層としては、例えば耐熱性を付与するという観点では、耐熱性樹脂を含有する多孔性の層、又は耐熱性樹脂及び無機フィラーを含有する多孔性の層が好ましい。耐熱性樹脂としては、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン及びポリエーテルイミドから選ばれる1種又は2種以上の耐熱性樹脂が挙げられる。無機フィラーとしては、酸化アルミニウム等の金属酸化物、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物などが挙げられる。微多孔膜又は多孔性シートに機能層を設ける方法としては、微多孔膜又は多孔性シートに機能層を塗工する方法、微多孔膜又は多孔性シートと機能層とを接着剤で接合する方法、微多孔膜又は多孔性シートと機能層とを熱圧着する方法等が挙げられる。
[多孔質基材の特性]
本開示の多孔質基材の平均孔径としては、20nm以上100nm以下の範囲が好ましい。多孔質基材の平均孔径が20nm以上であると、イオンが移動しやすく、良好な電池性能が得やすくなる。このような観点では、多孔質基材の平均孔径は、30nm以上がより好ましく、40nm以上が更に好ましい。一方、多孔質基材の平均孔径が100nm以下であると、多孔質基材と多孔質層との間の剥離強度が向上し、良好なシャットダウン機能を発現し得る。このような観点では、多孔質基材の平均孔径は、90nm以下がより好ましく、80nm以下が更に好ましい。
なお、多孔質基材の平均孔径は、パームポロメーターを用いて測定される値であり、例えば、ASTM E1294−89に準拠し、パームポロメーター(PMI社製のCFP−1500−A)を用いて測定できる。
多孔質基材の厚さは、良好な力学物性と内部抵抗を得る観点から、3μm以上25μm以下の範囲が好ましい。特に、多孔質基材の厚さは、5μm以上20μm以下の範囲がより好ましい。
多孔質基材のガーレ値(JIS P8117:2009)は、電池の短絡防止や十分なイオン透過性を得る観点から、50秒/100cc以上400秒/100cc以下の範囲が好ましい。
多孔質基材の空孔率は、適切な膜抵抗やシャットダウン機能を得る観点から、20%以上60%以下の範囲が好ましい。
多孔質基材の突刺強度は、製造歩留まりを向上させる観点から、200g以上であることが好ましい。
多孔質基材は、各種の表面処理が施されていることが好ましい。表面処理を施すことで、後述する耐熱性多孔質層を形成するための塗工液との濡れ性を向上させることができる。表面処理の具体的な例としては、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、紫外線照射処理等が挙げられ、多孔質基材の性質を損なわない範囲で処理することができる。
[耐熱性多孔質層]
本開示の非水系二次電池用セパレータは、多孔質基材の上に耐熱性多孔質層を備えている。耐熱性多孔質層は、多孔質基材の片面又は両面に配置され、バインダ樹脂と、六角板状の金属酸化物の粒子を含む多孔質層である。
耐熱性多孔質層は、内部に多数の微細孔を有し、微細孔が互いに連結された構造をなして一方面から他方面へと気体あるいは液体が通過可能となっている。
耐熱性多孔質層は、バインダ樹脂、六角板状の金属酸化物の粒子以外の成分(例えば分散剤等)を含んでいてもよい。
本開示の耐熱性多孔質層は、多孔質基材の片面のみに配置されていてもよく、両面に配置されていてもよい。耐熱性多孔質層が多孔質基材の片面にのみある場合は、セパレータ全体の厚さを抑えることができるため、電池容量の向上に寄与することができ、また、積層数が少ないことで良好なイオン透過性が得られやすい。一方、耐熱性多孔質層が多孔質基材の両面にある場合は、セパレータの耐熱性がより優れ、電池の安全性を高めることができる。また、両面にある場合は、セパレータにカールが発生しにくい。
(バインダ樹脂)
耐熱性多孔質層は、バインダ樹脂の少なくとも一種を含有する。
本開示の耐熱性多孔質層に含まれるバインダ樹脂は、六角板状の金属酸化物の粒子同士を結着させ得るものであれば、特に制限されない。バインダ樹脂としては、極性を持った官能基又は原子団(水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、カルボニル基など極性基)を有するポリマーが好ましく、例えば、全芳香族ポリアミド、フッ素系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、セルロース等を挙げることができる。バインダ樹脂は、一種単独で用いるほか、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
バインダ樹脂としては、電解液に対して不溶性であり、かつ、耐熱性に優れる観点から、フッ素系樹脂、全芳香族ポリアミドが好適である。
フッ素系樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体等のポリフッ化ビニリデン系樹脂が挙げられる。
全芳香族ポリアミドとしては、多孔質層を形成しやすく、耐酸化還元性に優れる点で、メタ型全芳香族ポリアミドであるポリメタフェニレンイソフタルアミドが好適である。また、全芳香族ポリアミドには、例えば少量の脂肪族成分を共重合することも可能である。
本開示のバインダ樹脂としては、粒子状樹脂を用いてもよい。粒子状樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、フッ素系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の樹脂を含む粒子が挙げられる。粒子状樹脂は、水等の分散媒に分散させて塗工液の作製に使用できる。
本開示のバインダ樹脂としては、水溶性樹脂を用いてもよい。水溶性樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。水溶性樹脂は、例えば水に溶解させて塗工液の作製に使用できる。
粒子状樹脂及び水溶性樹脂は、凝固工程を乾式製法にて実施する場合に好適である。
−ポリフッ化ビニリデン系樹脂−
本開示のバインダ樹脂は、電極との接着性により優れる点で、ポリフッ化ビニリデン系樹脂が好ましい。ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含有することにより、電極との接着性向上に伴って電池の強度(セル強度)がより高くなり、例えばソフトパック電池とした場合に必要とされる強度も確保され、品質安定性にも優れたものとなる。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂としては、フッ化ビニリデンの単独重合体(ポリフッ化ビニリデン)、フッ化ビニリデンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体(ポリフッ化ビニリデン共重合体)、これらの混合物が挙げられる。
フッ化ビニリデンと共重合可能なモノマーとしては、例えば、テトラフロロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、トリフロロエチレン、トリクロロエチレン、フッ化ビニル等が挙げられ、1種類又は2種類以上を用いることができる。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂の中では、電極との接着性の観点から、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとを少なくとも共重合した共重合体が好ましい。フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとを共重合し、フッ化ビニリデン(VDF)由来のVDF単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)由来のHFP単位を含む共重合体(VDF−HFP共重合体)は、樹脂の結晶性と耐熱性を適度な範囲に制御できるので、セパレータを電極と接着させる際の熱プレス処理時に耐熱性多孔質層が流動してしまうのを抑制できる。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、構成単位としてVDF単位が93モル%以上含まれているVDF−HFP共重合体が好ましい。VDF単位が93モル%以上含まれている場合、低温等での熱プレス条件においても良好な力学物性と耐熱性を確保できる。
耐熱性多孔質層中に含まれるポリフッ化ビニリデン系樹脂のフィブリル径は、サイクル特性の観点から、10nm〜1000nmの範囲であることが好ましい。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む耐熱性多孔質層を有するセパレータを備えた電池は、一般に、電極とセパレータを重ね合わせて巻回する過程又は電極とセパレータを交互にスタックする過程を経て電極及びセパレータの積層体を製造し、この積層体を外装材に収容して電解液を注入した状態で熱プレス処理(ウェットヒートプレス)することで製造される。ウェットヒートプレスによると、ポリフッ化ビニリデン系樹脂が電解液と接触して膨潤した状態で熱プレスされるので、電極とセパレータとの間の接着性が良くなり、充放電特性に優れる点で有利である。
ヒートプレスによる接着性には、セパレータに電解液を含浸させた後に電極に接着させるウェットヒートプレスによる接着性と、電解液の含浸前に電極に接着させて仮止めするドライヒートプレスによる接着性とがあり、両者はHFP単位の含有量と、VDF−HFP共重合体の重量平均分子量と、による影響を受けやすい。
ウェットヒートプレスによる接着性を向上するには、適度の流動性、すなわち適当な重量平均分子量を有していることが重要である。また、樹脂に柔軟さを与え、かつ、電解液でセパレータを溶解せず膨潤させるには、HFP単位の比率が適度の範囲にあることが重要である。
VDF−HFP共重合体の共重合成分に着目すると、適当な温度でのヒートプレスによって接着性を向上させる観点から、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位は、フッ化ビニリデン(VDF)単量体単位とヘキサフルオロプロピレン(HFP)単量体単位の総量に対して、1.0モル%以上7.0モル%以下の範囲であることが好ましい。
具体的には、VDF−HFP共重合体におけるHFP単位の共重合比が1.0モル%以上であると、電解液が含浸された際に適度に膨潤し、ウェットヒートプレスによる接着性が向上しやすい。一方、HFP単位の共重合比が7.0モル%以下であると、電解液に溶解しにくく、耐熱性多孔質層に適用することが好適である。
上記同様の観点から、VDF−HFP共重合体におけるHFP単位の含有量は、好ましくは2.0モル%以上6.0モル%以下である。
VDF−HFP共重合体としては、VDF単位及びHFP単位のみからなる共重合体に加えて、フッ化ビニリデンと共重合可能な他の共重合成分が含まれていてもよい。ヘキサフルオロプロピレン以外にフッ化ビニリデンと共重合可能なモノマーとしては、例えば、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、トリクロロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、60万以上300万以下の範囲であることが好ましい。重量平均分子量が60万以上であると、電極との接着時における熱プレス処理に耐え得る力学物性を有する耐熱性多孔質層が得られやすく、電極と耐熱性多孔質層との間の接着性が向上し、特にウェットヒートプレスによる接着性に優れたものとなる。ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量は、上記同様の観点から、80万以上がより好ましく、100万以上がさらに好ましい。
一方、重量平均分子量が300万以下であると、成形時の粘度が高くなり過ぎず、成形性及び結晶形成が良好になり、多孔化しやすい。したがって、成形性及び結晶形成性を良好にし、かつ、接着性を高める観点から、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量は、250万以下が好ましく、200万以下がより好ましい。
なお、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCともいう。)により下記の条件で測定し、ポリスチレン換算して表した分子量である。
<条件>
・GPC:GPC−900(日本分光社製)
・カラム:TSKgel Super AWM-H×2本(東ソー社製)
・移動相溶媒:ジメチルホルムアミド(DMF)
・標準試料 :単分散ポリスチレン〔東ソー(株)製〕
・カラム温度:140℃
・流量:10ml/分
ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、乳化重合又は懸濁重合により得ることができる。
また、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の酸価としては、3mgKOH/g以上20mgKOH/g以下の範囲が好ましい。
酸価は、例えば、ポリフッ化ビニリデン系樹脂にカルボキシル基を導入することにより制御できる。ポリフッ化ビニリデン系樹脂へのカルボキシル基の導入及び導入量は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂であるVDF−HFP共重合体の重合成分としてカルボキシル基を有する単量体(例えば、カルボン酸エステル、マレイン酸、無水マレイン酸)を用い、その重合比を調整することにより制御できる。
−その他の樹脂−
本開示の耐熱性多孔質層は、上記バインダ樹脂以外のその他の樹脂を含んでもよい。
その他の樹脂としては、例えば、フッ素系ゴム、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ビニルニトリル化合物(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)の単独重合体又は共重合体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等)などが挙げられる。
耐熱性多孔質層における、その他の樹脂の総含有量は、耐熱性多孔質層に含まれる樹脂の全量に対して、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、検出限界以下であることが特に好ましい。
(六角板状の金属酸化物)
本開示の耐熱性多孔質層は、バインダ樹脂、及び六角板状の金属酸化物の粒子を含有する。六角板状の金属酸化物の粒子を用いることで塗工液の粘度の継時的安定性が向上するため、耐熱性多孔質層の膜厚変動が低減され、外観の良好な非水系二次電池用セパレータを得ることができる。
六角板状の金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等が挙げられるが、電解液及び電解質の分解に起因するガス発生を抑える観点から、酸化亜鉛が好ましい。酸化亜鉛は、電池内で生じるフッ化水素を取り込み、フッ化水素による電解液及び電解質の分解を抑えているものと考えられる。酸化亜鉛を用いた場合、ガス発生が抑えられることによって、電池を作製した際の電池自体の膨らみや変形を抑制することができる。
本開示の金属酸化物の粒子の平均粒子径としては、0.1μm以上1μm以下の範囲が好ましい。平均粒子径が0.1μm以上であると、ガス発生に対する抑制効果に優れる。また、平均粒子径が1μm以下であると、耐熱性多孔質層を薄膜化しやすい。さらに金属酸化物は一般的に比重が重く、粒径が大きくなるほど塗液内で沈降しやすくなることから、金属酸化物の粒子の平均粒子径は、0.1μm以上0.5μm以下の範囲がより好ましい。
平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定される値であり、例えばシスメックス社製のマスターサイザー2000を用いて測定される。具体的には、金属酸化物の粒子と水(分散媒)と非イオン性界面活性剤(Triton X−100;分散剤)とを混合し分散させた分散液の、体積粒度分布における中心粒子径(D50)を平均粒子径とする。
本開示の金属酸化物の粒子の形状は、六角板状であることが求められる。六角板状の金属酸化物の粒子は、一次粒子が正六角形に近い形状を有し、凝集も少ないものであることから、セパレータ多孔質層を形成する粉体として好適に使用できる。
本開示の六角板状の金属酸化物の粒子は、透過型電子顕微鏡写真における100個の粒子中、(1)(2)を全て満たす粒子が50%以上となる六角形状面を有することを特徴とする六角板状の金属酸化物の粒子である。
(1)六角形状の面を有すること
(2)Lmin/Lmax≧0.7
Lmax:六角板状の金属酸化物の粒子の六角形状面の3本の対角線のうち、最大となる対角線の長さを意味する。
Lmin:六角板状の金属酸化物の粒子の六角形状面の3本の対角線のうち、最少となる対角線の長さを意味する。
Lmin/Lmaxは、Lmaxを正六角形の対角線の長さとしたときに、その正六角形の対角線の長さに対するズレを意味し、値が1に近いほど正六角形に対するズレが小さく、0に近いほどズレが大きい。Lmin/Lmaxは0.7以上であるが、0.9以上であることが更に好ましい。
なお、上記の定義において、3本の対角線とは、六角形状面における六角形の一つの頂点をAとしたときに、Aに隣接する頂点から順にB、C、D、E、Fとした場合に、AとDを結んだ対角線AD、BとEを結んだ対角線BE、CとFを結んだ対角線CFを意味しており、対角線AD、BE、CFのうち、長さが最大となる対角線の長さをLmax、長さが最小となる対角線の長さをLminとした。これらの各パラメータを理解しやすいように、図1に模式図を示した。
上記各パラメータの値の計測は、透過型電子顕微鏡写真に基づいて行い、Lmax、Lminは定規で計測した。
本開示の六角板状の金属酸化物の粒子は、アスペクト比が2.5以上100未満であることを特徴とする。アスペクト比は、2.7以上であることが好ましく、3.0以上であることがより好ましい。
本開示における六角板状の金属酸化物の粒子のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像において、六角板状の粒子の六角形状面が手前を向いている粒子についてはその定方向径(粒子を挟む一定方向の二本の平行線の間隔;画像上の六角形状面が手前を向いている粒子について、一定方向で測定した)で定義される粒子径(μm)を粒子100個分計測した平均値をL、六角板状の粒子の側面が手前を向いている粒子(長方形に見える粒子)についてはその厚み(μm)(長方形の短い辺の長さ)を粒子100個分計測した平均値をTとしたとき、それらの値の比;L/Tとして求めた値である。
本開示の耐熱性多孔質層において、六角板状の金属酸化物の粒子の含有量は、耐熱性多孔質層の固形分に対して、30体積%以上85体積%以下であることが好ましい。
六角板状の金属酸化物の粒子の含有量が30体積%以上であると、耐熱性により優れたものとなる。上記と同様の理由から、六角板状の金属酸化物の含有量は、35体積%以上であることがより好ましく、40体積%以上であることが更に好ましい。
また、六角板状の金属酸化物の粒子の含有量が85体積%以下であると、粒子やフィラーの粉落ちのない取扱性に優れたものとなる。上記と同様の理由から、六角板状の金属酸化物の粒子の含有量は、75体積%以下であることがより好ましく、70体積%以下であることが更に好ましい。
(他のフィラー)
本開示の耐熱性多孔質層には、本発明の効果を損なわない範囲において、六角板状の金属酸化物の粒子に加え、他のフィラーを含有してもよい。他のフィラーとしては、無機物からなる無機フィラー、及び有機物からなる有機フィラーのいずれでもよい。他のフィラーを適宜含有することで、セパレータの滑り性及び耐熱性を制御することが可能である。
他のフィラーを併用する場合、本発明の効果を損なわない範囲で、含有量並びに平均粒子径及び粒度分布を制御することが好ましい。
上記の他の無機フィラーの例としては、アルミナ、チタニア、マグネシア、シリカ、ジルコニア等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化クロム、水酸化ジルコニウム、水酸化セリウム、水酸化ニッケル、水酸化ホウ素等の金属水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸バリウム及び硫酸カルシウム等の硫酸塩、ケイ酸カルシウム、タルク等の粘土鉱物、などが挙げられる。
有機フィラーの例としては、架橋ポリメタクリル酸メチル等の架橋アクリル樹脂、又は架橋ポリスチレン等が挙げられ、架橋ポリメタクリル酸メチルは好適である。
なお、他のフィラーは、一種単独で用いるほか、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、シランカップリング剤等により表面修飾されたフィラーを用いてもよい
本開示の耐熱性多孔質層が、六角板状の金属酸化物の粒子以外の他のフィラーを含む場合には、六角板状の金属酸化物の粒子、及び上記他のフィラーの合計の含有量に対する六角板状の金属酸化物の粒子の含有量は、2質量%以上100質量%未満の範囲であることが好ましい。六角板状の金属酸化物の粒子の含有量の質量比率が2質量%以上であると、塗工液の増粘率の上昇が十分に抑制され、膜厚変動の少ない、外観良好なセパレータを得ることができる。上記と同様の理由から、六角板状の金属酸化物の粒子の含有量は、10質量%以上とすることが好ましく、20質量%以上とすることが更に好ましい。
(他の成分)
本開示の耐熱性多孔質層は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分として、必要に応じて界面活性剤等の分散剤や他の添加物が含有されていてもよい。分散剤を含むことで、分散性、塗工性、及び保存安定性を向上させることができる。
また、耐熱性多孔質層には、多孔質基材との馴染みを良くするための湿潤剤、塗工液へのエア噛み込みを抑制するための消泡剤、酸又はアルカリを含むpH調整剤などの各種添加剤が含まれていてもよい。添加剤は、リチウムイオン二次電池の使用範囲において電気化学的に安定で電池内反応を阻害しないものであれば、残存するものであってもよい。
[耐熱性多孔質層の諸特性]
本開示の非水系二次電池用セパレータにおいて、耐熱性多孔質層を塗工により形成する場合、塗工量としては、多孔質基材の両面の合計として、1.0g/m以上10.0g/m以下であることが好ましい。
「多孔質基材の両面の合計」とは、耐熱性多孔質層が多孔質基材の片面に設けられている場合は、片面の塗工量を指し、耐熱性多孔質層が多孔質基材の両面に設けられている場合は、両面の塗工量の合計を指す。
塗工量が1.0g/m以上であると、耐熱性がより向上する点で好ましい。一方、塗工量が10.0g/m以下であると、イオン透過性がより良好になり、電池の負荷特性がより向上する点で好ましい。塗工量としては、多孔質基材の両面の合計として、1.5g/m以上8.0g/m以下であることがより好ましい。
また、多孔質基材の片面における塗工量としては、0.5g/m以上5.0g/m以下であることが好ましく、0.75g/m以上4.0g/m以下であることがより好ましい。
本開示の耐熱性多孔質層が多孔質基材の両面に設けられている場合、一方面の塗工量と他方面の塗工量との差は、両面合計の塗工量に対して20質量%以下であることが好ましい。塗工量の差が20質量%以下であると、セパレータがカールしにくいので、ハンドリング性により優れたものとなる。
本開示の耐熱性多孔質層の厚さは、多孔質基材の片面において、0.5μm以上6μm以下であることが好ましい。耐熱性多孔質層の厚さが0.5μm以上であると、十分な耐熱性を確保する観点で好ましい。このような観点では、耐熱性多孔質層の厚さは、多孔質基材の片面において1μm以上であることがより好ましい。一方、耐熱性多孔質層の厚さが6μm以下であると、イオン透過性がより良好になり、電池の負荷特性により優れたものとなる。このような観点では、耐熱性多孔質層の厚さは、多孔質基材の片面において、5.5μm以下がより好ましく、5.0μm以下が更に好ましい。
本開示の耐熱性多孔質層の空孔率としては、30%以上80%以下の範囲が好ましい。空孔率が80%以下であると、熱プレス時に耐え得る力学物性の確保が容易である。一方、空孔率が30%以上であると、イオン透過性がより良好になる。
なお、空孔率(ε)は、下記式より求められる値である。
ε={1−Ws/(ds・t)}×100
式中、εは空孔率(%)を、Wsは目付(g/m)を、dsは真密度(g/cm)を、tは膜厚(μm)をそれぞれ表す。
本開示の耐熱性多孔質層の平均孔径としては、バインダ樹脂としてポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いた場合に、10nm以上200nm以下の範囲が好ましい。平均孔径が200nm以下であると、孔の不均一性が抑えられ、接着点が比較的均等に散在し、接着性がより向上する。また、平均孔径が200nm以下であると、イオンの移動の均一性が高く、サイクル特性及び負荷特性がより向上する。一方、平均孔径が10nm以上であると、耐熱性多孔質層に電解液を含浸させた場合に、耐熱性多孔質層を構成する樹脂が膨潤して孔を閉塞することでイオン透過性が阻害される現象が生じにくい。
なお、耐熱性多孔質層の平均孔径(直径、単位:nm)は、窒素ガス吸着量から算出されるポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる耐熱性多孔質層の空孔表面積Sと、空孔率から算出される耐熱性多孔質層の空孔体積Vと、を用い、全ての孔が円柱状であると仮定して下記式より算出される。
d=4・V/S
式中、dは耐熱性多孔質層の平均孔径(nm)を表し、Vは耐熱性多孔質層の1m当たりの空孔体積を表し、Sは耐熱性多孔質層の1m当たりの空孔表面積を表す。
また、耐熱性多孔質層の1m当たりの空孔表面積Sは、以下の方法で求められる。
窒素ガス吸着法でBET式を適用することにより、多孔質基材の比表面積(m/g)と、多孔質基材及び耐熱性多孔質層を積層した複合膜の比表面積(m/g)と、を測定する。それぞれの比表面積にそれぞれの目付(g/m)を乗算し、それぞれの1m当たりの空孔表面積を算出する。次いで、多孔質基材1m当たりの空孔表面積をセパレータ1m当たりの空孔表面積から減算して、耐熱性多孔質層1m当たりの空孔表面積Sを算出する。
[非水系二次電池用セパレータの諸特性]
本開示の非水系二次電池用セパレータの空孔率は、本発明の効果とセパレータの力学物性を良好にする観点から、30%以上60%以下の範囲が好ましい。
本開示の非水系二次電池用セパレータの、日本工業規格(JIS P8117:2009)に準拠したガーレ値は、機械強度と膜抵抗のバランスに優れる点で、50秒/100cc〜800秒/100ccの範囲が好ましい。
本開示の非水系二次電池用セパレータは、イオン透過性の観点から、多孔化された構造であることが好ましい。具体的には、耐熱性多孔質層を形成した状態の非水系二次電池用セパレータのガーレ値から多孔質基材のガーレ値を減算した値(以下、ガーレ値差)が、300秒/100cc以下であることが好ましく、150秒/100cc以下であることがより好ましく、さらに好ましくは100秒/100cc以下である。ガーレ値差が300秒/100cc以下であることで、耐熱性多孔質層が緻密になり過ぎず、イオン透過性が良好に保たれ、優れた電池特性が得られる。一方、ガーレ値差は、0秒/100cc以上が好ましく、耐熱性多孔質層と多孔質基材との接着力を高める上では10秒/100cc以上が好ましい。
本開示の非水系二次電池用セパレータの膜抵抗は、電池の負荷特性の観点から、1ohm・cm以上10ohm・cm以下の範囲が好ましい。膜抵抗とは、セパレータに電解液を含浸させた際の抵抗値であり、交流法にて測定される。膜抵抗の値は、電解液の種類、温度によって異なるため、膜抵抗の値は、電解液として1M LiBF−プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート(=1/1;質量比)の混合溶媒を用いて20℃にて測定される値である。
本開示の非水系二次電池用セパレータの曲路率は、イオン透過性の観点から、1.5以上2.5以下の範囲が好ましい。
本開示の非水系二次電池用セパレータに含まれる水分量としては、1000ppm以下が好ましい。非水系二次電池用セパレータの水分量が少ないほど、電池を構成した場合において、電解液と水との反応が抑えられ、電池内でのガス発生をより効果的に抑えることができる。これにより、電池のサイクル特性がより向上する。このような観点では、非水系二次電池用セパレータに含まれる水分量は、800ppm以下がより好ましく、500ppm以下が更に好ましい。
本開示の非水系二次電池用セパレータの膜厚は、電池のエネルギー密度及び出力特性の観点から、30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましい。
本開示の非水系二次電池用セパレータの突き刺し強度は、250g以上1000g以下の範囲が好ましく、300g以上600g以下の範囲がより好ましい。
[非水系二次電池用セパレータの製造方法]
本開示の非水電解質電池用セパレータは、例えば、バインダ樹脂、六角板状の金属酸化物の粒子を含む塗工液を多孔質基材上に塗工し塗工層を形成し、次いで塗工層の樹脂を固化させることで、耐熱性多孔質層を多孔質基材上に一体的に形成する方法で製造される。具体的には、バインダ樹脂を含む耐熱性多孔質層は、例えば以下の湿式塗工法によって形成することができる。
湿式塗工法は、(i)バインダ樹脂を適切な溶媒に溶解し、六角板状の金属酸化物の粒子を分散させて塗工液を調製する工程、(ii)この塗工液を多孔質基材に塗工する工程、(iii)当該多孔質基材を適切な凝固液に浸漬させることで、相分離を誘発しつつバインダ樹脂を固化させる工程、(iv)水洗工程、及び(v)乾燥工程を行って、多孔質基材上に耐熱性多孔質層を形成する製膜法である。本発明に好適な湿式塗工法の詳細は、以下のとおりである。
塗工液の調製に用いる、バインダ樹脂を溶解し、六角板状の金属酸化物の粒子を分散させる溶媒(以下、「良溶媒」ともいう。)としては、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の極性アミド溶媒が好適に用いられる。
良好な多孔構造を形成する観点からは、良溶媒に加えて相分離を誘発させる相分離剤を混合させることが好ましい。相分離剤としては、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。相分離剤は、塗工に適切な粘度が確保できる範囲で添加することが好ましい。
溶媒としては、良好な多孔構造を形成する観点から、良溶媒を60質量%以上、相分離剤を40質量%以下含む混合溶媒が好ましい。
塗工液における樹脂の濃度は、良好な多孔構造を形成する観点から、塗工液の合計質量に対して1質量%〜20質量%であることが好ましい。耐熱性多孔質層にその他の成分を含有させる場合は、塗工液中に混合あるいは溶解させればよい。
凝固液は、塗工液の調製に用いた良溶媒と相分離剤、及び水から構成されるのが一般的である。良溶媒と相分離剤の混合比は樹脂の溶解に用いた混合溶媒の混合比に合わせるのが生産上好ましい。水の濃度は40質量%〜90質量%であることが、多孔構造の形成及び生産性の観点から適切である。
本開示の多孔質基材への塗工液の塗工は、マイヤーバー、ダイコーター、リバースロールコーター、グラビアコーターなど従来の塗工方式を適用してよい。耐熱性多孔質層を多孔質基材の両面に形成する場合、塗工液を両面同時に基材へ塗工することが生産性の観点から好ましい。
本開示の耐熱性多孔質層は、上述した湿式塗工法以外にも、乾式塗工法でも製造し得る。乾式塗工法とは、例えばバインダ樹脂と六角板状の金属酸化物の粒子と溶媒を含む塗工液を多孔質基材に塗工し、この塗工層を乾燥させて溶媒を揮発除去することにより、多孔層を得る方法である。ただし、乾式塗工法は湿式塗工法と比べて塗工層が緻密になり易いので、良好な多孔質構造を得られる点で湿式塗工法のほうが好ましい。
<非水系二次電池>
本開示の非水系二次電池は、既述の非水系二次電池用セパレータを備えている。具体的には、非水系二次電池は、正極と、負極と、正極及び負極の間に配置された既述の本開示の非水系二次電池用セパレータと、を備え、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力が得られるようになっている。
非水系二次電池は、正極及び負極の間にセパレータが配置され、これらの電池素子が電解液とともに外装内に封入されている。非水系二次電池としては、リチウムイオン二次電池が好適である。
なお、ドープとは、吸蔵、担持、吸着、又は挿入を意味し、正極等の電極の活物質にリチウムイオンが入る現象を意味する。
正極は、正極活物質及びバインダ樹脂を含む活物質層が集電体上に成形された構造としてもよい。活物質層は、さらに導電助剤を含んでもよい。
正極活物質としては、例えばリチウム含有遷移金属酸化物等が挙げられ、具体的には、LiCoO、LiNiO、LiMn1/2Ni1/2、LiCo1/3Mn1/3Ni1/3、LiMn、LiFePO、LiCo1/2Ni1/2、LiAl1/4Ni3/4等が挙げられる。
バインダ樹脂としては、例えばポリフッ化ビニリデン系樹脂などが挙げられる。
導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛粉末といった炭素材料が挙げられる。
集電体としては、例えば厚さ5μm〜20μmの、アルミ箔、チタン箔、ステンレス箔等が挙げられる。
非水系二次電池において、セパレータの耐熱性多孔質層を正極側に配置した場合、耐熱性多孔質層は耐酸化性に優れるので、4.2V以上の高電圧で作動可能なLiMn1/2Ni1/2、LiCo1/3Mn1/3Ni1/3等の正極活物質を適用しやすく、有利である。
負極は、負極活物質及びバインダ樹脂を含む活物質層が集電体上に成形された構造としてもよい。活物質層は、さらに導電助剤を含んでもよい。
負極活物質としては、リチウムを電気化学的に吸蔵し得る材料が挙げられ、例えば、炭素材料;ケイ素、スズ、アルミニウム等とリチウムとの合金;などが挙げられる。
バインダ樹脂としては、例えばポリフッ化ビニリデン系樹脂、スチレン−ブタジエンゴムなどが挙げられる。
導電助剤としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛粉末等の炭素材料が挙げられる。
集電体としては、例えば厚さ5μm〜20μmの、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔等が挙げられる。また、上記の負極に代えて、金属リチウム箔を負極として用いてもよい。
電解液は、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した溶液である。リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO等が挙げられる。非水系溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、フロロエチレンカーボネート、ジフロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びそのフッ素置換体等の鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル;などが挙げられる。非水系溶媒は、一種単独で用いても混合して用いてもよい。
電解液としては、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを20/80〜40/60の質量比(=環状カーボネート/鎖状カーボネート)で混合し、リチウム塩を0.5モル〜1.5モルの範囲で溶解したものが好適である。
外装材としては、金属缶のほか、アルミラミネートフィルム等のソフトパック等が挙げられる。
本開示の非水系二次電池用セパレータに用いられるバインダ樹脂として、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いた構成の場合、例えば、外部からの衝撃、充放電に伴う電極の膨張及び収縮、充放電に伴う帯電などに起因した、電極及びセパレータ間における接着不良に伴う隙間形成が抑制され、充放電特性(サイクル特性)により優れたものとなり、更には電池の強度(いわゆるセル強度)が改善される。また、かかる非水系二次電池用セパレータは、適当な熱プレス温度条件にて良好に電極と接着されるので、ソフトパック電池の品質安定性の向上に寄与する。
電池の形状は、角型、円筒型、コイン型等があるが、既述の非水系二次電池用セパレータはいずれの形状にも好適である。
本開示の非水系二次電池は、例えば非水系二次電池用セパレータのバインダ樹脂としてポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いた構成の場合、正極と負極との間に本開示のセパレータを配置した積層体を製造した後、この積層体を用いて、例えば下記の1)〜2)の製造方法により製造できる。
1)積層体に熱プレス(ドライヒートプレス)して電極とセパレータとを接着した後、外装材(例えばアルミラミネートフィルム製パック。以下同じ)に収容し、そこに電解液を注入し、外装材の上からさらに積層体を熱プレス(ウェットヒートプレス)し、電極とセパレータとの接着と、外装材の封止とを行う。
2)積層体を外装材に収容し、そこに電解液を注入し、外装材の上から積層体を熱プレス(ウェットヒートプレス)し、電極とセパレータとの接着と、外装材の封止とを行う。
上記1)の製造方法によれば、積層体の外装材への収容に先立って電極とセパレータとが接着しているので、外装材に収容するための搬送時に起こる積層体の変形が抑制され、電池の強度及び寸法安定性、並びに電池特性に優れる。
また、ウェットヒートプレスは、電解液の含浸によっていくらか減弱した電極−セパレータ間の接着を回復させる程度の穏やかな条件でよく、つまりウェットヒートプレスの温度を比較的低温に設定できる。よって、電池製造時における電池内での電解液及び電解質の分解に起因するガス発生がより抑制され、電池の強度及び寸法安定性、並びに電池特性に優れる。
また、ポリフッ化ビニリデン系樹脂が電解液に膨潤した状態でさらに積層体が熱プレスされるので、電極とセパレータの接着がより強固になり、電池の強度及び電池特性に優れる。
上記2)の製造方法によれば、ポリフッ化ビニリデン系樹脂が電解液に膨潤した状態で積層体が熱プレスされるので、電極とセパレータがよく接着し、電池の強度及び電池特性に優れる。
本開示のセパレータを適用した非水系二次電池は、例えば上記した製造方法のいずれも選択することができる。電池の大面積化に対応して、積層体の変形を抑制する観点、及び電極とセパレータの剥がれをより抑制する観点からは、上記1)の製造方法が好ましい。
上記1)〜2)の製造方法におけるウェットヒートプレスの条件としては、プレス圧は0.5MPa〜2MPaの範囲が好ましく、温度は70℃〜110℃の範囲が好ましい。また、ドライヒートプレスの条件は、プレス圧は0.5MPa〜5MPaの範囲が好ましく、温度は20〜100℃の範囲が好ましい。
本開示の非水系二次電池用セパレータに用いられるバインダとして、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いた構成の場合、セパレータは電極と重ねることによって接着し得る。したがって、電池製造においてプレスは必須の工程ではないが、電極とセパレータとの接着をより強固にする観点からは、プレスを行うことが好ましい。更に、電極とセパレータとの接着をより強固にする観点から、プレスは加熱しながらのプレス(熱プレス)が好ましい。
積層体を製造する場合、正極と負極との間にセパレータを配置する方式は、正極、セパレータ、負極をこの順に少なくとも1層ずつ積層する方式(いわゆるスタック方式)でもよく、正極、セパレータ、負極、セパレータをこの順に重ね、長手方向に捲き回す方式でもよい。なお、「長手方向」とは、長尺状に製造されるセパレータの長手方向を意味し、セパレータの長手方向と直交する方向が「幅方向」である。
以下、本発明の実施形態を実施例により更に具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[測定及び評価]
以下の実施例及び比較例において、下記の測定及び評価を行った。測定及び評価の結果は、下記の表1に示す。
(ポリフッ化ビニリデン系樹脂のHFP含有量)
ポリフッ化ビニリデン系樹脂におけるヘキサフルオロプロピレン単量体単位(HFP単位)の含有比率(HFP含有量)をNMRスペクトルから求めた。具体的には、ポリフッ化ビニリデン系樹脂20mgを重ジメチルスルホキシド0.6mlに100℃にて溶解し、100℃で19F−NMRスペクトルを測定して求めた。
(ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量)
ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により下記の条件で測定し、ポリスチレン換算して求めた。
<条件>
・GPC:GPC−900(日本分光社製)
・カラム:TSKgel Super AWM-H(2本)(東ソー社製)
・移動相溶媒:ジメチルホルムアミド(DMF)
・標準試料 :単分散ポリスチレン(東ソー社製)
・カラム温度:40℃
・流量:10ml/分
(塗工液の増粘率)
バインダ樹脂、及び六角板状の金属酸化物を含む塗工液の粘度は以下の手順で測定した。B型粘度計(ブルックフィールド社製DV−I PRIME)にて測定スピンドル(SC4―18)を使用して、スピンドル回転数10rpm時の粘度を測定した。なお、塗工液の液温は恒温槽を用いて、20℃に保持したまま粘度測定を実施した。塗工液調整直後の粘度をV0とした。また、塗工液調整直後の塗工液を密閉容器に封入して、25℃恒温条件下でミックスローター(アズワン製VMR−5R)にて70rpmで24時間ミキシングした塗工液の粘度をVmとした。
塗工液の増粘率は下記式により算出した。
塗工液の増粘率=Vm/V0×100
(六角板状の金属酸化物の粒子のアスペクト比)
六角板状の金属酸化物の粒子のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像において、六角板状の粒子の六角形状面が手前を向いている粒子についてはその定方向径(粒子を挟む一定方向の二本の平行線の間隔;画像上の六角形状面が手前を向いている粒子について、一定方向で測定した)で定義される粒子径(μm)を粒子100個分計測した平均値をL、六角板状の粒子の側面が手前を向いている粒子(長方形に見える粒子)についてはその厚み(μm)(長方形の短い辺の長さ)を粒子100個分計測した平均値をTとしたとき、それらの値の比;L/Tとして求めた。
(膜厚)
接触式の厚み計(LITEMATIC,ミツトヨ社製)を用い、セパレータの膜厚を測定した。測定端子は、直径5mmの円柱状のものを用い、測定中には7gの荷重が印加されるように調整して行い、20点の厚みの平均値を求めた。
(耐熱性多孔質層厚みの標準偏差)
セパレータの長手方向に沿うように、接触式の厚み計(LITEMATIC,ミツトヨ社製)を用い、セパレータの膜厚を測定した。測定端子は、直径5mmの円柱状のものを用い、測定中には7gの荷重が印加されるように調整して行い、長手方向に対し10cm毎に100点の厚みを測定し、標準偏差を算出した。
(セパレータの外観評価)
幅が48mm、長さが300mmの市販の透明粘着テープをセパレータの幅方向に対して水平になるように上に置き、柔らかい布を介して強く擦って十分に押し付けた後に、テープをセパレータからはがすことでセパレータの接着性多孔質層を透明粘着テープに転写した。接着性多孔質層が転写されたテープを拡散光のもので観察し、筋状の模様が10本以上確認できる場合を塗工外観が不良とし、筋状の模様が10本未満を塗工外観が良好とした。
(耐熱性)
5cm×5cmに切り出したセパレータに先端径φ2mm、先端温度260℃の半田ごての先端部を素直に当て、半田ごての先端部を60秒間当てた際に生じたホールの面積(mm)を測定することで、セパレータの耐熱性を評価した。
(ガス発生試験)
セパレータを600cmの大きさに切り出してサンプル片とし、サンプル片をアルミラミネートフィルムパック中に入れ、パック中に電解液を注入してセパレータに電解液を含浸させた後、封止することで試験セルを作製した。ここで、電解液は、1mol/L LiPF−エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート[質量比3:7]とした。
作製した試験セルを85℃の温度環境下に置き、20日間の熱処理を行った。そして、熱処理前後の試験セルの体積を測定し、熱処理後の試験セルの体積V2から熱処理前の試験セルの体積V1を減ずることでガス発生量V(=V2−V1,単位:ml)を求めた。
(電極とのウェット接着力)
正極活物質であるコバルト酸リチウム粉末91g、導電助剤であるアセチレンブラック3g、及びバインダであるポリフッ化ビニリデン3gを、ポリフッ化ビニリデンの濃度が5質量%となるようにN−メチル−ピロリドンに溶解し、双腕式混合機にて攪拌し、正極用スラリーを調製した。この正極用スラリーを厚さ20μmのアルミ箔の片面に塗布し、乾燥後プレスして、正極活物質層を有する正極(片面塗工)をセパレータと電極とのウェット接着力評価用電極として得た。
上記で得た電極及びアルミ箔(厚さ20μm)をそれぞれ幅1.5cm、長さ7cmにカットし、以下の実施例及び比較例で得た各セパレータを幅1.8cm、長さ7.5cmにカットした。電極−セパレータ−アルミ箔の順に積層して積層体を作製し、積層体に電解液(1mol/L LiBF−エチレンカーボネート:プロピレンカーボネート[質量比1:1])を浸み込ませて、アルミラミネートフィルム製パック中に収容した。次に、真空シーラーを用いてパック内を真空状態にし、熱プレス機を用いてパックごと積層体を熱プレスして、電極とセパレータとを接着した。熱プレスの条件は、圧力1MPa、温度90℃、プレス時間2分間とした。その後、パックを開封して積層体を取り出し、積層体からアルミ箔を取り除いたものを測定試料とした。
測定試料の電極の無塗工面を金属板に両面テープで固定し、金属板をテンシロン(エー・アンド・デイ製、STB−1225S)の下部チャックに固定した。この際、測定試料の長さ方向が重力方向になるように、金属板をテンシロンに固定した。セパレータを下部の端から2cm程度電極から剥がして、その端部を上部チャックに固定し、引張角度(測定試料に対するセパレータの角度)が180°になるようにした。引張速度20mm/minでセパレータを引っ張り、電極からセパレータが剥離する際の荷重を測定した。測定開始10mmから40mmまでの荷重を0.4mm間隔で採取した。同様の測定を3回行い、平均を算出し、電極とのウェット接着力(N/15mm、ウェットヒートプレスによる電極とセパレータの間の接着力)とした。
(電池強度)
正極活物質であるコバルト酸リチウム粉末91g、導電助剤であるアセチレンブラック3g、及びバインダであるポリフッ化ビニリデン3gを、ポリフッ化ビニリデンの濃度が5質量%となるようにN−メチル−ピロリドンに溶解し、双腕式混合機にて攪拌し、正極用スラリーを調製した。この正極用スラリーを厚さ20μmのアルミ箔の片面に塗布し、乾燥後プレスして、正極活物質層を有する正極を得た。
負極活物質である人造黒鉛300g、バインダであるスチレン−ブタジエン共重合体の変性体を40質量%含む水溶性分散液7.5g、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース3g、及び適量の水を双腕式混合機にて攪拌して混合し、負極用スラリーを作製した。この負極用スラリーを負極集電体である厚さ10μmの銅箔に塗布し、乾燥後プレスして、負極活物質層を有する負極を得た。
以下の実施例及び比較例で得た各セパレータを介して上記の正極、負極を重ねて捲回し、リードタブを溶接して電池素子を得た。この電池素子をアルミラミネートフィルム製パック中に収容し、電解液を含浸させた後、圧力1MPa、温度90℃、時間2分間にてヒートプレス(ウェットヒートプレス)を実施し、外装を封止して試験用二次電池(長さ65mm、幅35mm、厚さ2.5mm:容量700mAh)を得た。ここで、電解液は1mol/L LiPF−エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート(質量比3:7)を用いた。
上記で得た試験用二次電池について、ISO−178に準拠して3点曲げ試験を行い、電池強度(セル強度)を求めた。
(サイクル特性)
上記の「電池強度」での製造方法と同様にして試験用二次電池を作製した。
作製した試験用二次電池を用い、25℃の環境下、1Cにて4.2V定電流、定電圧充電を2時間、及び1Cにて3Vカットオフの定電流放電という条件にて充放電サイクルを500サイクル繰り返し、初回サイクルで得られた放電容量を基準として500サイクル後に得られた放電容量の比率を百分率で求め(%;=500サイクル後の放電容量/初回サイクル時の放電容量×100)、求めた値をサイクル特性を評価する指標とした。
[実施例1]
バインダ樹脂であるポリフッ化ビニリデン系樹脂として、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体(VDF−HFP共重合体,VDF:HFP(モル比)=97.6:2.4、重量平均分子量=113万)を用意した。このVDF−HFP共重合体を、濃度が4質量%となるように混合溶媒(ジメチルアセトアミド/トリプロピレングリコール=80/20[質量比])に溶解し、更にフィラーとして、六角板状型酸化亜鉛粒子(XZ−300F、堺化学工業社製、平均粒子径:0.3μm)、を添加して均一に攪拌し、VDF−HFP共重合体と酸化亜鉛粒子との質量比が22:78(=VDF−HFP共重合体:酸化亜鉛粒子)である塗工液を作製した。
作製した塗工液を、多孔質基材であるポリエチレン微多孔膜(膜厚:9μm、空孔率:40%、ガーレ値:152秒/100cc)の両面に塗工し、凝固液(ジメチルアセトアミド/トリプロピレングリコール/水=30/8/62[質量比]、温度40℃)に浸漬して固化させた。
次いで、塗工されたポリエチレン微多孔膜を水洗し、さらに乾燥させることで、ポリエチレン微多孔膜の両面に厚み5μmの耐熱性多孔質層が形成されたセパレータを得た。形成された耐熱性多孔質層において、酸化亜鉛の耐熱性多孔質層中に占める体積比率は53体積%とした。
また、得られたセパレータに対して、上記の測定及び評価を行った。測定及び評価の結果は、下記表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、六角板状型酸化亜鉛粒子(XZ−300F、堺化学工業社製、平均粒子径:0.3μm)を、六角板状型酸化亜鉛粒子(XZ−100F、堺化学工業社製、平均粒子径:0.1μm)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成されたセパレータを得、得られたセパレータに対して測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、六角板状型酸化亜鉛粒子(XZ−300F、堺化学工業社製、平均粒子径:0.3μm)を、六角板状型酸化亜鉛粒子(XZ−1000F、堺化学工業社製、平均粒子径:1.0μm)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成されたセパレータを得、得られたセパレータに対して測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
[実施例4]
バインダ樹脂であるポリフッ化ビニリデン系樹脂として、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフロロプロピレン(HFP)との共重合体(VDF−HFP共重合体,VDF:HFP(モル比)=97.6:2.4、重量平均分子量=113万)を用意した。このVDF−HFP共重合体を、濃度が4質量%となるように混合溶媒(ジメチルアセトアミド/トリプロピレングリコール=80/20[質量比])に溶解し、更にフィラーとして、六角板状型酸化亜鉛粒子(XZ−300F、堺化学工業社製、平均粒子径:0.3μm)、及び水酸化マグネシウム(Mg(OH),協和化学工業社製キスマ5P、平均一次粒子径0.8μm)を添加して均一に攪拌し、VDF−HFP共重合体と酸化亜鉛とMg(OH)との質量比が40:6:54(=VDF−HFP共重合体:酸化亜鉛:Mg(OH))である塗工液を作製した。酸化亜鉛粒子と、Mg(OH)の合計量に対する酸化亜鉛粒子の含有量は、10質量%である。
セパレータの作成方法は実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成されたセパレータを得、得られたセパレータに対して測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
[実施例5]
実施例4において、酸化亜鉛粒子と、水酸化マグネシウム(Mg(OH))の合計量に対する酸化亜鉛粒子の含有量を、10質量%から20質量%へ変更したこと以外は、実施例4と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成されたセパレータを得、得られたセパレータに対して測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
[実施例6]
実施例4において、酸化亜鉛粒子と、水酸化マグネシウム(Mg(OH))の合計量に対する酸化亜鉛粒子の含有量を、10質量%から2質量%へ変更したこと以外は、実施例4と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成されたセパレータを得、得られたセパレータに対して測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
[実施例7]
実施例1において、VDF−HFP共重合体を、同様のメタ型全芳香族ポリアミド(メタアラミド樹脂)であるコーネックス(登録商標;帝人テクノプロダクツ社製)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成されたセパレータを得、得られたセパレータに対して測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
[実施例8]
実施例4において、水酸化マグネシウム(Mg(OH))を酸化マグネシウム(MgO,タテホ化学工業社製のPUREMAG(登録商標)FNM−G、平均一次粒子径0.5μm)に代えたこと以外は、実施例4と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成されたセパレータを得、得られたセパレータに対して測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
[実施例9]
実施例1において、VDF−HFP共重合体の重量平均分子量を113万から200万へ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成されたセパレータを得、得られたセパレータに対して測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
[実施例10]
実施例1において、VDF−HFP共重合体におけるヘキサフロロプロピレン(HFP)の共重合比を2.4モル%から5.8モル%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成されたセパレータを得、得られたセパレータに対して、測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
[実施例11]
実施例1において、耐熱性多孔質層中の酸化亜鉛粒子の含有量を53体積%から45体積%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成されたセパレータを得、得られたセパレータに対して測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
[実施例12]
実施例1において、耐熱性多孔質層中の酸化亜鉛粒子の含有量を53体積%から73体積%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成されたセパレータを得、得られたセパレータに対して測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
[比較例1]
実施例4において、六角板状型酸化亜鉛粒子を添加せず、VDF−HFP共重合体とMg(OH)との質量比を40:60とした以外は、実施例4と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成された比較用のセパレータを得た。得られたセパレータに対して、実施例1と同様に上記の測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、六角板状型酸化亜鉛粒子(XZ−300F、堺化学工業社製、平均粒子径:0.3μm)を、不定形酸化亜鉛粒子(FINEX30、堺化学工業社製、平均粒子径:0.03μm)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成された比較用のセパレータを得た。得られたセパレータに対して測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、六角板状型酸化亜鉛粒子(XZ−300F、堺化学工業社製、平均粒子径:0.3μm)を、板状集積型球状酸化亜鉛粒子(CANDY ZINC 1000、堺化学工業社製、平均粒子径:1.0μm)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成された比較用のセパレータを得、得られたセパレータに対して測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
[比較例4]
実施例8において、六角板状型酸化亜鉛粒子を添加せず、VDF−HFP共重合体とMgOとの質量比を31:69とした以外は、実施例8と同様にして、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層が形成された比較用のセパレータを得た。得られたセパレータに対して、実施例1と同様に上記の測定及び評価を行った。測定及び評価の結果を下記表1に示す。
Figure 2018133245
表1に示すように、耐熱性多孔質層に六角板状の金属酸化物の粒子を含む実施例では、塗工液の増粘率が抑えられ、膜厚変動の少ない、外観良好なセパレータを得ることができた。また、六角板状の金属酸化物の粒子として、六角板状の酸化亜鉛の粒子を含むセパレータは良好な耐熱性を示し、電解液等の分解に伴うガス発生が抑えられていた。さらに、バインダ樹脂としてVDF−HFP共重合体を含有する実施例では、他の樹脂であるアラミドを含有する実施例7に比べ、ウェットヒートプレスによる接着性がより良好となり、作製された電池の強度にも優れていた。
これに対して、比較例1及び4のように、六角板状の金属酸化物の粒子以外の無機フィラーのみを含有し、六角板状の金属酸化物の粒子を含まない組成では、塗工液の増粘率は高くなり、またフィラーによる耐熱性及び電池強度の向上効果は現れるものの、電解液の分解に伴う発生ガスが多く確認された。比較例2や比較例3のように、六角板状型でない金属酸化物の粒子を含む塗工液では塗工液の増粘率を抑制する効果は不充分であった。

Claims (6)

  1. 多孔質基材と、前記多孔質基材の片面又は両面に設けられ、バインダ樹脂、及び六角板状の金属酸化物の粒子を含む耐熱性多孔質層と、を備えた非水系二次電池用セパレータ。
  2. 前記金属酸化物の粒子は、酸化亜鉛の粒子である請求項1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  3. 前記金属酸化物の粒子は、平均粒子径が0.1μm以上1μm以下である請求項1〜請求項2のいずれか1項に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  4. 前記バインダ樹脂は、フッ化ビニリデン単量体単位とヘキサフルオロプロピレン単量体単位とを含む共重合体であって、前記ヘキサフルオロプロピレン単量体単位は、前記フッ化ビニリデン単量体単位と前記ヘキサフルオロプロピレン単量体単位の総量に対して1.0モル%以上7.0モル%以下であるポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  5. 前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、重量平均分子量が60万以上300万以下である請求項4に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  6. 正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間に配置された請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の非水系二次電池用セパレータと、を備え、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池。
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