JP2015069079A - トナーおよびトナーの製造方法 - Google Patents

トナーおよびトナーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高着色力・高色域を達成しつつ、定着分離性に優れたトナーを提供する。【解決手段】結着樹脂、顔料、離型剤および顔料分散剤を含有するトナーであって、前記顔料が、C.I.PigmentRed31、C.I.PigmentRed122、C.I.PigmentRed150およびC.I.PigmentRed269からなる群より選ばれる1種以上の顔料であり、前記顔料分散剤が、顔料に吸着する吸着成分とポリマー成分とを有する顔料分散剤であり、前記吸着成分が下記式(1)で示される構造を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真および静電印刷などの画像形成方法に用いられる静電荷像を現像するためのトナーおよびトナーの製造方法に関する。
複写機、プリンター、ファクシミリなどに用いられる電子写真技術は発展を続けており、従来以上に高い着色力を有したトナーが注目されている。高着色力トナーにより少ないトナー量で画像形成することで、プリンター本体の小型化、省エネルギー化を達成することが提案されている。しかし、単純に顔料を増量することによって、トナー中の顔料分散は悪化し、高色域・高着色力の両方を満足するに至らず、低温定着性の悪化を引き起こした。
そこで、トナー中の顔料分散を向上させる目的で、顔料に親和性の高い部位と媒体中への分散性を付与するポリマー成分とを有する顔料分散剤が用いられてきた。また、低温定着性を満足するためにはある程度の、離型剤の添加が必須技術となっている。
例えば、トナー用顔料分散剤として、アセトアセトアニリド類の置換体を含むアゾ、またはビスアゾ発色団がポリマーに結合した顔料分散剤を用いた例が開示されている(特許文献1参照)。最近では、トナー結着樹脂と相溶性の高いポリマー成分と芳香族骨格を持った顔料と親和性のある部位を有する顔料分散剤が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、これらの先行技術において近年求められる、高着色力・高色域と低温定着性および耐熱保存性の両立を満足するためには若干の課題を有していることが判った。特許文献1では顔料添加量を増大した際、粉砕トナーの中においては十分な効果を得られるが、水系媒体中で製造されるトナーには十分な顔料分散性が得られなかった。また、特許文献2では、更なる高着色力化を達成するため、顔料を増やすことで、多量の顔料分散剤を添加しなければ十分な効果が得られず、その結果、結着樹脂と離型剤との相溶性をも高めてしまい、定着分離性に悪影響があることが判った。
特許特開2003−255613号公報 特開2010−152208号公報
本発明の目的は、上記課題を解決することにある。すなわち、高着色力・高色域を達成しつつ、定着分離性に優れたトナーを提供すること、及び、トナーの製造方法を提供することにある。
本発明は、結着樹脂、顔料、離型剤および顔料分散剤を含有するトナーであって、
前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 150およびC.I.Pigment Red 269の群から一種以上選ばれる顔料であり、前記顔料分散剤が、顔料に吸着する吸着成分と、ポリマー成分とを有する顔料分散剤であり、前記吸着成分が下記式(1)で示される構造を有することを特徴とするトナー、
Figure 2015069079
[前記式(1)中、Ar、Ar、およびArのいずれかは、単結合または連結基を介して、ポリマー成分と結合する部位を示し、
ポリマー成分と結合しないAr、Ar、およびArは、アリール基を示し、
ポリマー成分と結合するAr、Ar、およびArは、アリール基から水素を1つ脱離して形成される基を示す。
Wは、−CH−または>C=CH−Arを示し、Arは置換基を有してもよいベンゼン環を示す。
前記連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NR−および−NHCH(CHOH)−からなる群より選ばれる2価の連結基であり、Rは、水素原子、アルキル基、フェニル基またはアラルキル基を示す。]
また、本発明は、 結着樹脂、顔料、離型剤および顔料分散剤を含有するトナーの製造方法であって、
前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 150およびC.I.Pigment Red 2からなる群より選ばれる1種以上の顔料であり、
前記顔料分散剤が、顔料に吸着する吸着成分と、ポリマー成分とを有する顔料分散剤であり、
前記吸着成分が前記式(1)で示される構造を有し、
下記i)またはii)に記載の工程を含むことを特徴とするトナーの製造方法。
i)重合性単量体、前記顔料および前記顔料分散剤を含有する重合性単量体組成物を、水系媒体中にて造粒する造粒工程、および造粒された粒子中に含有される重合性単量体を重合することによってトナー粒子を製造する重合工程、
または
ii)前記結着樹脂、前記顔料および前記顔料分散剤を含有するトナー組成物を、有機溶媒中に溶解または分散させた混合溶液を、水系媒体中にて造粒する造粒工程、および造粒された粒子中に含有される有機溶媒を除去することによってトナー粒子を製造する溶媒除去工程。
本発明のトナーは高い着色力と広い色域、低温定着性を有し、従来と比較してトナー消費量の削減によるトナー容器の高寿命化や小型化、環境負荷低減が可能である。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、以下のトナーによって上記の課題を解決できることを見出した。
すなわち、結着樹脂、顔料、離型剤および顔料分散剤を含有するトナーであって、
前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 150およびC.I.Pigment Red 269からなる群より選ばれる1種以上の顔料であり、前記顔料分散剤が、顔料に吸着する吸着成分と、ポリマー成分とを有する顔料分散剤であり、前記吸着成分が下記式(1)で示される構造を有することを特徴とするトナーである。
Figure 2015069079
[前記式(1)中、Ar、Ar、およびArのいずれかは、単結合または連結基を介して、ポリマー成分と結合する部位を示し、
ポリマー成分と結合しないAr、Ar、およびArは、アリール基を示し、
ポリマー成分と結合するAr、Ar、およびArは、アリール基から水素を1つ脱離して形成される基を示す。
Wは、−CH−または>C=CH−Arを示し、Arは置換基を有してもよいベンゼン環を示す。
前記連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NR−および−NHCH(CHOH)−からなる群より選ばれる2価の連結基であり、Rは、水素原子、アルキル基、フェニル基またはアラルキル基を示す。]
本発明の効果について得られた真因は不明ではあるが本発明者らは以下のような理由で、本発明の効果が得られていると考えている。
本発明で示すような顔料分散剤は、顔料に吸着する吸着部位と結着樹脂中に分散するポリマー成分により構成されている。この、吸着部位が顔料に吸着する機構は顔料の表面との相互作用性に大きく左右される。相互作用の種類として、吸着部位の平面性に起因するπ−π結合と吸着部位の極性に起因する水素結合による相互作用があると考えている。また、組成や結晶型など顔料のもつ特有の構造によって、どの様な相互作用が大きく作用するかが異なってきていると考えている。
そのため、π‐π結合と水素結合の両方の相互作用性を有することで優れた顔料吸着性を得ることが可能になっていると考えている。このような、高い吸着性を有する吸着成分を有するポリマーを用いることで、高い顔料分散性を示し高着色力・高色域を達成できていると考えている。
上記構造中のアリール基および不飽和結合があることによって、本発明の吸着成分の分子の平面性を高め強いπ―π結合性を示し、式(1)、式(1−a)および式(1−b)のような構造を取ることで強い水素結合性を示すと考えている。その結果、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 150およびC.I.Pigment Red 269のような顔料に特異的に高い吸着性を得ることができていると考えている。
前記式(1)中、Ar、Ar、およびArのいずれかが連結基を介して、ポリマー成分と結合する場合は、2価の連結基であれば特に限定されない。製造の容易性の観点から、ポリマー成分のカルボキシル基と、カルボン酸エステル結合もしくはカルボン酸アミド結合を介して結合することが好ましい。
前記式(1)の吸着成分が、下記式(2)で示される吸着成分であることが好ましい。
Figure 2015069079
[前記一般式(2)中、R〜R11は、それぞれ独立して、水素原子、COOR12基、またはCONR1314基を示し、R12〜R14は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基、フェニル基、またはアラルキル基を示す。Wは、−CH−または>C=CH−Arを示し、Arは、置換基を有してもよいベンゼン環を示す。前記一般式(2)中、L1は、前記ポリマー成分と結合するための2価の連結基を示す。]
また、本発明の顔料分散剤を用いた場合、定着分離性が大きく向上することが判った。これは、本発明の顔料分散剤が顔料分散体の粘度を低下させる効果に優れているため、この顔料分散体を結着樹脂に用いることで、結着樹脂と離型剤の分離性が良化したためと考えている。その結果、定着時に離型剤の定着表面への染み出しが良化して、定着分離性が向上したと考えている。
<吸着成分>
次に、本発明の吸着成分について説明する。前記一般式(1)は平面性が高く、優れたπ−π結合性を示す。また、ArおよびArは置換基の影響を受けにくいため分子の平面性が高い。そのため、一般式(1)の吸着成分を用いることは顔料分散剤の効果を高めるために有効である。上記式(2)中、連結基Lの置換位置はピリダジン系誘導体との結合位置に対して、o−位、m−位、p−位で置換した場合が挙げられる。これらの置換位置の違いによる顔料との親和性は、o−位、m−位、p−位で同等である。
<顔料分散剤>
次に、顔料分散剤の構造について説明する。
上記前記ポリマー成分のサイズ排除クロマトグラフを用いて測定された数平均分子量が、3000以上30000以下であることが好ましい。3000以上であれば、結着樹脂との相溶性がより優れるため、顔料分散性が向上する。また30000以下である場合には、結着樹脂から離型剤を分離させやすくなり、定着分離性が良化する。
顔料分散剤と結着樹脂の相溶性をさらに増す観点から、前記結着樹脂がビニル樹脂を含有する場合は前記ポリマー成分がビニル樹脂を含有し、前記結着樹脂がポリエステル樹脂を含有する場合は、前記ポリマー成分がポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
前記顔料分散剤中の吸着成分の位置は、ポリマー成分に対してランダムに点在していても、一端に1つもしくは複数のブロックを形成して偏在していてもよい。
前記顔料分散剤の1分子当りの吸着成分の個数が1以上6以下であることが好ましい。前記顔料分散剤中の吸着成分の数は、顔料分散剤一分子当り1以上あれば良いが、多すぎると非水溶性溶剤への親和性が悪化するため好ましくない。
<離型剤>
本発明に係わるトナーに使用可能な離型剤成分としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石油系ワックスおよびその誘導体、モンタンワックスおよびその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素系ワックスおよびその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンワックスおよびその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスなどの天然ワックスおよびその誘導体高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油およびその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、シリコ−ン樹脂が挙げられる。
さらに、この中でもトナーを造粒する上で、ワックスの融点は50℃以上110℃以下の範囲であることが好ましい。
さらに、定着分離性を良化するため、離型剤のトナーの表面への染み出しを良化することが適当であると考えられる。しかし、顔料分散剤は顔料と結着樹脂の相溶性のみならず、結着樹脂と極性を持った離型剤の相溶性をも高めてしまう為、定着分離性を悪化させてしまう。このような観点から、より極性の小さい炭化水素系ワックスを用いることが好ましい。特に、優れた効果を発現するために、上記融点範囲の炭化水素系ワックスが挙げられる。
<結着樹脂>
次に、本発明のトナーの結着樹脂について説明する。本発明のトナーの結着樹脂としては、一般的に用いられているスチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。重合法により直接トナー粒子を得る方法においては、それらを形成するための単量体が用いられる。
これらは、単独、または理論ガラス転移温度(Tg)が、40℃〜75℃の範囲を示すように単量体を適宜混合して用いられる。理論ガラス転移温度が40℃以上の場合にはトナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じにくく、一方、75℃以下の場合はトナーのフルカラー画像形成の場合において透明性が低下しにくい。
本発明のトナーにおける結着樹脂は、ポリスチレンなどの非極性樹脂にポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂などの極性樹脂を併用して用いることで、着色剤や電荷制御剤、ワックスなどの添加剤のトナー内分布を制御することができる。例えば、懸濁重合法などにより直接トナー粒子を製造する場合には、分散工程から重合工程に至る重合反応時に前記極性樹脂を添加する。
前記極性樹脂は、トナー粒子となる単量体単位組成物と水系媒体の極性のバランスに応じて添加する。その結果、前記極性樹脂がトナー粒子の表面に薄層を形成するなど、トナー粒子の表面から中心に向けその樹脂濃度が連続的に変化するように制御することができる。このとき、上記化合物を有する化合物、着色剤および電荷制御剤と相互作用を有するような極性樹脂を用いることによって、トナー粒子中への着色剤の存在状態を好ましい形態にすることが可能である。
<着色剤>
次に、本発明のトナーの着色剤について説明する。本発明の着色剤として、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 150およびC.I.Pigment Red 269の群から一種以上選ばれる顔料を含んでいればよい。また、調色するために、前記群より選ばれる顔料およびまたは他の着色剤を併用しても良い。
本発明のトナーにおいて、前記化合物と顔料との好ましい重量組成比は0.1:100〜30:100、さらに好ましくは0.5:100〜15:100の範囲である。上記範囲であれば、優れた顔料分散性を得ることができる。
上記式(1)の化合物は、公知の方法に従って合成することができる。例えば、上記化合物を合成する具体的な方法としては、まず、アセチルアセトン誘導体とアミノフェノールなどから得られるジアゾニウム塩との反応により中間体1を得る。この中間体1と、ベンズアルデヒド類との反応より吸着成分となる吸着体1が得られる。この吸着体1とポリマー成分との連結を行うことで、上記式(1)および式(2)の化合物を得ることが可能である。
<製造方法>
次に本発明のトナーの製造方法について説明する。
すなわち、結着樹脂、顔料、離型剤および顔料分散剤を含有するトナーの製造方法であって
前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 150およびC.I.Pigment Red 269からなる群より選ばれる1種以上の顔料であり、
前記顔料分散剤が、顔料に吸着する吸着成分と、ポリマー成分とを有する顔料分散剤であり、
前記吸着成分が、前記式(1)で示される構造を有し、
下記i)またはii)に記載の工程を含むことを特徴とするトナーの製造方法である。
i)重合性単量体、前記顔料および前記顔料分散剤を含有する重合性単量体組成物を、水系媒体中にて造粒する造粒工程、および造粒された粒子中に含有される重合性単量体を重合することによってトナー粒子を製造する重合工程、
または
ii)前記結着樹脂、前記顔料および前記顔料分散剤を含有するトナー組成物を、有機溶媒中に溶解または分散させた混合溶液を、水系媒体中にて造粒する造粒工程、および造粒された粒子中に含有される有機溶媒を除去することによってトナー粒子を製造する溶媒除去工程。
本発明の顔料分散剤は有機溶媒中において顔料を分散するものにおいて、優れた効果を発揮するものである。そのため、上記i)またはii)の製造方法によって、得られるトナーによって優れた効果を発揮するものである。
また、前記トナーの製造方法が、i)の方法であって、前記ポリマー成分が、下記一般式(3)で示される単量体単位を含むポリマー成分であることが好ましい。
Figure 2015069079
[式(3)中、R15は水素原子、アルキル基を示す。R16はフェニル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基を示す。]
上記単量体成分を用いることで、顔料分散性と定着時の定着分離性がさらに優れたものを得ることができる。
次に本発明を、実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、文中の「部」および「%」は特に断りのない限り質量基準である。
以下に本実施例で用いられる測定方法について示す。
(1)分子量測定
本発明におけるポリマー成分、吸着成分および顔料分散剤の分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって、ポリスチレン換算で算出される。SECによる分子量の測定は以下に示すように行った。サンプル濃度が1.0質量%になるようにサンプルを下記溶離液に加え、室温で24時間静置した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブレンフィルターで濾過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定した。
Figure 2015069079
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂[東ソー(株)製TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500]により作成した分子量校正曲線を使用した。
(2)組成分析
本実施例におけるポリマー成分、吸着成分および顔料分散剤の構造決定は以下の装置を用いて行った。
ブルカー社製FT−NMR AVANCE−600(使用溶剤 重クロロホルム)
なお、13C NMRはクロム(III)アセチルアセトナートを緩和試薬として用いた逆ゲートデカップリング法により定量化し組成分析を行った。
(3)顔料分散剤中のポリマー成分の数平均分子量算出
本実施例の顔料分散剤中のポリマー成分の数平均分子量Mnは以下の手順により算出した。まず、上記手法に基づき顔料分散剤の吸着基の組成式、顔料分散剤中の個数Nおよび顔料分散剤の数平均分子量Mnを決定した。次に、顔料分散剤の吸着成分の組成式より吸着成分の分子量mを決定した。そして、下記式に示すように、顔料分散剤の数平均分子量Mnから、吸着成分の分子量mと吸着成分の個数Nとを掛け値を減じて算出した。
Mn(ポリマー成分の分子量)=Mn(顔料分散剤の分子量)-[m(吸着成分の分子量)×N(顔料分散剤中の吸着成分の個数)]
下記のようにして合成して本実施例で規定した構造の化合物を得たが、得られた中間体、アセチルアセトン誘導体の分子構造は、NMR(核磁気共鳴装置、ECA400、日本電子(株)製)を使用して確認した。
<吸着成分1の製造方法>
以下のスキームに従い吸着成分1を得た。
Figure 2015069079
4−アミノフェノール11.0部(0.100モル)に希塩酸140部を加えて温度5℃以下に冷却した。この溶液に、19.0%−亜硝酸ナトリウム水溶液37.0部(0.100モル)を氷冷しながら滴下し、ジアゾニウム塩溶液を調製した。次に、アセチルアセトン10.0部(0.100モル)に、エタノール237部、および36.5%−酢酸ナトリウム水溶液126部(0.560モル)を加えて攪拌し、温度5℃以下に冷却した。
この溶液に、先程調製したジアゾニウム塩溶液をゆっくり滴下し、氷冷下で30分、さらに室温で1時間撹拌した。その後、生成した析出物を濾取し、水洗、乾燥して中間体1を得た(収率98%)。
上記で得た中間体1を2.21部(10.0ミリモル)と、ベンズアルデヒド2.23部(21.0ミリモル)を氷酢酸52.5部に溶解し、酢酸ナトリウム15.0部を加えて24時間還流した。還流後、氷冷し冷水500部に投入して、生成した析出物を濾取し、水洗、乾燥させた。アルミナカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、吸着成分1を得た(収率50%)。表2に吸着成分1の構造を示す。
<吸着成分2の製造方法>
以下のスキームに従い吸着成分2を得た。
Figure 2015069079
上記で得た吸着成分1の15.7部(40.0ミリモル)を、ピリジン170部に溶解し、温度5℃以下に冷却した。この溶液に、メタクリロイルクロリド4.21部(40.0モル)をピリジン30.0部に溶解したものを滴下して1時間撹拌した。その後、水200部を添加して反応を停止させ、クロロホルムによる抽出、水洗および濃縮を行なって、先に構造式を示した化合物(1)である吸着成分2を得た(収率96%)。表2に吸着成分2の構造を示す。
<吸着成分3の製造方法>
以下のスキームに従い、吸着成分1の製造方法において、4−アミノフェノールを用いたところをアニリンを用いて中間体2を得て、ベンズアルデヒドを用いたところを4−ヒドロキシベンズアルデヒド2.56部(21.0ミリモル)を用いて中間体3を得た。そして、吸着成分1を用いたところを中間体3を用いて、メタクリロイルクロリド(0.040モル)を用いたところをアクリロイルクロリド(0.120モル)を用いた以外は、吸着成分2の製造方法と同様にして吸着成分3を得た。表2に吸着成分3の構造を示す。
Figure 2015069079
<吸着成分4の製造方法>
以下のスキームに従って吸着成分4を得た。
Figure 2015069079
まず、4−アミノフェノールの代わりに4−ニトロアニリンを用いた以外は、吸着成分1の製造方法と同様にして、中間体4−1および4−2を得た。次に、N,N−ジメチルホルムアミド150部に中間体4を7.5部およびパラジウム−活性炭素(パラジウム5%)を0.4部加えて、水素ガス雰囲気下(反応圧力0.1〜0.4MPa)、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を濾別し、濃縮して吸着成分4を得た。
表2に吸着成分4の構造を示す。
<吸着成分5の製造方法>
まず以下のスキームに従い、ベンズアルデヒドを用いる代わりに、4−エトキシベンズアルデヒドを用いた以外は中間体4−2の製造方法と同様にして中間体5を得た。
次に、中間体5を19.7部(50.0ミリモル)と、ベンズアルデヒド5.41部(51.0ミリモル)をエタノール15.8部に溶解し、ピベリジン0.430部を加えて10時間還流した。還流後、氷冷し氷水500部に投入して、生成した析出物を濾取し、水洗、乾燥させた。アルミナカラムクロマトグラフィーを用いて精製し中間体6を得た。
中間体4−2を用いる代わりに、中間体6を用いた以外は吸着成分4と同様の製造方法で、吸着成分5を得た。表2に吸着成分5の構造を示す。
Figure 2015069079
Figure 2015069079
<化合物1の製造方法>
プロピレングリコールモノメチルエーテル50部を窒素置換しながら加熱し液温120℃以上で還流させ、そこへ下記の材料を混合したものを3時間かけて滴下した。
Figure 2015069079
滴下終了後、溶液を3時間撹拌した後、液温170℃まで昇温しながら常圧蒸留し、液温170℃到達後は1hPaで減圧下1時間蒸留して脱溶剤し、樹脂固形物を得た。前記固形物をテトラヒドロフランに溶解し、n−ヘキサンで再沈殿させて析出した固体を濾別することでポリマー成分を得た。
次に、クロロホルム350部にポリマー成分50部を溶解させ、オキサリルクロライドを5.0部を氷冷して温度10℃以下で30分間かけて滴下した。そのまま室温で5時間静置した。
この溶液に吸着成分1を4.6部加えて温度10℃以下に氷冷し、同温度で30分反応させた。さらに、トリエチルアミン3.0部を加え、さらにメタノール15部を加え、温度60℃で5時間反応させた。これをクロロホルムで抽出し、濃縮、精製して、化合物1を得た。表6に化合物1の製造で使用した材料の混合量と物性を示す。
<化合物2〜7の製造方法>
表6のように材料の混合量を変更した以外は、化合物1の製造方法と同様にして化合物2〜7を得た。表6に化合物2〜7の製造で使用した材料の混合量と物性を示す。
<化合物8の製造方法>
化合物1の製造方法で、「メタノール15部を加え、温度60℃で5時間反応させた」ところを、「n-オクタデカノール3.4部加え温度60℃で3時間反応させた後、さらにメタノール15部加えて5時間反応させた」以外は同様にして化合物8を得た。表6に化合物8の製造で使用した材料の混合量と物性を示す。
<化合物9の製造方法>
スチレン84.4部とアクリル酸n-ブチル15.6部を窒素置換しながら加熱し液温120℃以上で還流させ、そこへ下記の材料を混合したものを3時間かけて滴下した。
Figure 2015069079
滴下終了後、溶液を3時間撹拌した後、液温170℃まで昇温しながら常圧蒸留し、液温170℃到達後は1hPaで減圧下1時間蒸留して脱溶剤し、樹脂固形物を得た。これをクロロホルムで抽出し、濃縮、精製して、化合物9を得た。表6に化合物9の製造で使用した材料の混合量と物性を示す。
<化合物10〜14の製造方法>
化合物9の製造方法で表6のように混合量を変更した以外は、同様にして化合物10〜14を得た。表6に化合物10〜14の製造で使用した材料の混合量と物性を示す。
<化合物15の製造方法>
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレープ中に下記の材料を混合し、窒素雰囲気下、常圧下、温度220℃で7.5時間反応を行った。
Figure 2015069079
さらに25〜35mmHgの減圧下で2.5時間反応させ、ポリマー成分を得た。
次に、クロロホルム500部にポリマー成分100部を溶解させ、オキサリルクロライドを5.0部を氷冷して温度10℃以下で30分間かけて滴下した。そのまま室温で5時間静置した。
この溶液に吸着成分1を10.0部加えて温度10℃以下に氷冷し、同温度で30分反応させた。さらに、トリエチルアミン5.0部を加え温度60℃で5時間反応させた。これをクロロホルムで抽出し、濃縮、精製して、化合物15を得た。表6に化合物15の製造で使用した材料の混合量と物性を示す。
<比較用化合物1の製造方法>
化合物1の製造方法で「吸着成分1を4.6部用いた」ところを、「中間体1を2.7部用いた」以外は同様にして比較用化合物1を得た。表6に比較用化合物1の製造で使用した材料の混合量と物性を示す。
Figure 2015069079
<ポリエステル樹脂1の製造例>
Figure 2015069079
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置および撹拌装置を備えたオートクレーブ中に上記単量体をエステル化触媒とともに混合し、窒素雰囲気下、減圧しながら、常法に従って温度210℃でTgが63℃になるまで反応を行った。トリメリット酸無水物をここへ、12.4部(0.03モル%)加え、1時間反応させポリエステル樹脂1を得た。得られたポリエステル樹脂の物性値は以下のとおりであった。
Figure 2015069079
<ポリエステル樹脂2の製造例>
Figure 2015069079
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置および撹拌装置を備えたオートクレーブ中に上記単量体をエステル化触媒とともに混合した。そして、窒素雰囲気下、減圧しながら、常法に従って温度210℃でTgが58℃になるまで反応を行い、ポリエステル樹脂2を得た。得られたポリエステル樹脂の物性値は以下のとおりであった。
Figure 2015069079
<ポリエステル樹脂3の製造例>
Figure 2015069079
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置および撹拌装置を備えたオートクレーブ中に上記単量体をエステル化触媒とともに混合し、窒素雰囲気下、減圧しながら、常法に従って210℃で反応を行った。サンプリングを行い重量平均分子量が所望の分子量になったことを確認して反応を終了し、ポリエステル樹脂3を得た。得られたポリエステル樹脂3の物性値は以下のとおりであった。
Figure 2015069079
<スチレン系ビニル樹脂1の製造例>
Figure 2015069079
撹拌機、コンデンサー、温度計、および窒素導入管を備えた反応容器に、上記材料を投入し、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液25部を溶解した。次いでトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)[堺化学(株)製](β−メルカプトプロピオン酸類)を0.10部添加して、窒素雰囲気下において温度85℃に昇温して、4時間重合を行った。その後、減圧して脱溶剤したのちハンマーミルにて2mm以下に粗粉砕し、スチレン系ビニル樹脂1を得た。
<トナー1の製造例>
[マスターバッチ調製工程]
Figure 2015069079
上記材料をアトライター(日本コークス工業(株)製)に導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(500部)を用いて200rpm、温度25℃で300分間撹拌を行い、マスターバッチを調製した。
[トナー組成物溶解液調製工程]
Figure 2015069079
上記材料を混合して温度65℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて60分間均一に溶解し分散し、トナー組成物溶解液を得た。
[トナー粒子製造工程]
一方、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットルの四つ口フラスコ中に、イオン交換水1200部に0.1M−NaPO水溶液700部を投入後、TK式ホモミキサーを12,000rpmに調整して温度60℃に加温した。その後、1.0M−CaCl水溶液38.5部を徐々に添加してリン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
次に、トナー組成物溶解液へ重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液25.0重量部を溶解し、十分に混合したのち上記水系媒体へ投入した。これを、温度65℃、N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて12,000rpmで10分間撹拌して重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度75℃に昇温し、5時間重合を行った。その後、昇温速度1℃/分で85℃に昇温し1時間反応させ重合反応を終了した。次いで、減圧下でトナー粒子の残存モノマーを留去し、水系媒体を冷却しトナー粒子の分散液を得た。
トナー粒子の分散液に塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。これを加圧濾過器にて、0.4Mpaの圧力下で固液分離を行い、トナーケーキを得た。次に、イオン交換水を加圧濾過器に満水になるまで加え、0.4Mpaの圧力で洗浄した。この洗浄操作を、三度繰り返したのち乾燥し、トナー粒子を得た。
トナー粒子100質量部へ、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体を1.5質量部(数平均一次粒子径:10nm)添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製)で300秒間混合工程を行いトナー1を得た。トナー1の製造で用いた材料について表16に示す。
<トナー2〜26および比較トナー1〜4の製造例>
トナー1の製造例で、表16のように材料を変更した以外は同様にして、トナー2〜28および比較トナー1〜4を得た。
Figure 2015069079
<トナー27の製造例>
[マスターバッチ調製工程]
Figure 2015069079
上記材料をアトライター(日本コークス工業(株)製)に導入し、半径2.5mmのジルコニアビーズ(500部)を用いて200rpm、温度25℃で300分間撹拌を行い、マスターバッチを調製した。
[トナー組成物溶解液調製工程]
Figure 2015069079
上記材料を混合して30℃に恒温しながら、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて60分間均一に溶解し分散し、トナー組成物溶解液を得た。
[トナー粒子製造工程]
交換水1200部に0.1M−NaPO水溶液700部を投入後、TK式ホモミキサーを12,000rpmに調整して60℃に加温した。その後、1.0M−CaCl水溶液38.5部を徐々に添加してリン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
上記分散液を高速撹拌装置へ投入し、撹拌下において温度65℃で回転数10,000rpmを維持しつつ30分間造粒した。その後、高速撹拌装置から通常のプロペラ撹拌装置に変更し、撹拌装置の回転数を150rpmに維持し、内温を95℃に昇温して3時間保持して分散液から溶剤を除去し、トナー粒子の分散液を調製した。
上記トナー粒子分散液を10L容量の加圧濾過器にて、0.4Mpaの圧力下で固液分離を行い、トナーケーキを得た。その後、イオン交換水を加圧濾過器に満水になるまで加え、0.4Mpaの圧力で洗浄した。これを、イオン交換水1000質量部に0.5質量部のアニオン性界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)と0.1質量部の非イオン性界面活性剤1を溶解した水溶液中に再分散した。24時間静置して、アニオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤をトナー粒子に浸透させた。
上記分散液を再び10L容量の加圧濾過器にて、0.4Mpaの圧力下で固液分離したのち、温度45℃で流動層乾燥を行い、トナー粒子を得た。
このトナー粒子100質量部に対し、BET比表面積の値が130(m/g)の疎水性シリカ1.8質量部を撹拌混合してトナー27を得た。トナー27の製造条件については表19に示す。
<トナー28〜29の製造例>
トナー27の製造例で、表19のように材料を変更した以外は同様にして、トナー28〜29を得た。
Figure 2015069079
上記トナーについてトナー着色力と定着分離性を評価した。評価方法を以下に示す。
<トナー着色力の評価方法>
市販のカラーレーザープリンタSatera LBP5050(キヤノン(株)製)を一部改造して評価を行った。改造は定着機を外し、未定着画像を出力できるように変更し、コントローラーにより画像濃度を調節可能にした。さらに、一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改良した。市販のカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、試験トナー(30g)を充填した。
上記カートリッジをプリンターに装着し、転写材の左上部・右上部・中央・左下部・右下部の5点へ1cm×1cmのパッチ画像を出力し、コントローラーで各パッチのトナー載り量が0.40g/mになるように調節した。その後、定着機を取り付け、上記パッチ画像の定着画像を出力した。このパッチ画像の5つのパッチ部の画像濃度によりトナー着色力を評価した。1.30以上であれば実用上問題ないと判断した。
なお、画像濃度の測定には「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白下地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。5つのA4サイズのCS-814用紙(キヤノン(株)製、81.4g/m)を用いた。
Figure 2015069079
<定着分離性の評価方法>
上記本体を用いて、上端部に3.0mm余白を設けた、トナー載り量が0.60mg/cmの全面ベタ画像を未定着で作成した。
次に、ヒューレッドパッカード社製カラーレーザービームプリンタHP Color LaserJet Enterprise CP4525dnレーザービームプリンタの定着ユニットを改造し、改造定着機を作製した。改造定着機は、未定着画像を定着でき、定着温度とプロセススピードが調整できた。改造定着機によってプロセススピ−ド300mm/秒で、上記未定着画像を定着した。
定着分離性の評価は、200℃から5℃ずつ定着温度を低下させ、巻き付きが発生した温度に5℃加えた温度を定着下限温度とした。
定着画像の転写材は、A4サイズのGF-600用紙(キヤノン(株)製、60g/m)を用いた。評価基準は以下のとおりである。170℃未満であれば実用上問題ないと判断した。
Figure 2015069079
<実施例1〜29>
トナー1〜29について、上記評価基準に基づいて評価した。その結果、いずれの項目も良好な結果であった。評価結果の詳細を表22に示す。
<比較例1〜4>
比較用トナー1〜4について。上記評価基準に基づいて評価した。その結果、比較用トナー1〜3は着色力の点で実用上問題のあるレベルであった。また、比較用トナー1〜4のいずれも定着分離性で実用上問題があるレベルであった。評価結果の詳細を表22に示す。
Figure 2015069079

Claims (8)

  1. 結着樹脂、顔料、離型剤および顔料分散剤を含有するトナーであって、
    前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 150およびC.I.Pigment Red 269からなる群より選ばれる1種以上の顔料であり、
    前記顔料分散剤が、顔料に吸着する吸着成分と、ポリマー成分とを有する顔料分散剤であり、
    前記吸着成分が、下記式(1)で示される構造を有することを特徴とするトナー。
    Figure 2015069079
    [前記式(1)中、Ar、Ar、およびArのいずれかは、単結合または連結基を介して、ポリマー成分と結合する部位を示し、
    ポリマー成分と結合しないAr、Ar、およびArは、アリール基を示し、
    ポリマー成分と結合するAr、Ar、およびArは、アリール基から水素を1つ脱離して形成される基を示す。
    Wは、−CH−または>C=CH−Arを示し、Arは置換基を有してもよいベンゼン環を示す。
    前記連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NR−および−NHCH(CHOH)−からなる群より選ばれる2価の連結基であり、Rは、水素原子、アルキル基、フェニル基またはアラルキル基を示す。]
  2. 前記ポリマー成分のサイズ排除クロマトグラフを用いて測定された数平均分子量が、3000以上30000以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記離型剤が、融点が50℃以上110℃以下のワックスである請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記顔料分散剤の1分子当りの吸着成分の個数が1以上6以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 前記結着樹脂がビニル樹脂を含有する場合は前記ポリマー成分がビニル樹脂を含有し、前記結着樹脂がポリエステル樹脂を含有する場合は、前記ポリマー成分がポリエステル樹脂を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 前記式(1)の吸着成分が、下記式(2)で示される吸着成分である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
    Figure 2015069079
    [前記一般式(2)中、R〜R11は、それぞれ独立して、水素原子、COOR12基、またはCONR1314基を示し、R12〜R14は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基、フェニル基、またはアラルキル基を示す。Wは、−CH−または>C=CH−Arを示し、Arは、置換基を有してもよいベンゼン環を示す。前記一般式(2)中、L1は、前記ポリマー成分と結合するための2価の連結基を示す。]
  7. 結着樹脂、顔料、離型剤および顔料分散剤を含有するトナーの製造方法であって、
    前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 150およびC.I.Pigment Red 2からなる群より選ばれる1種以上の顔料であり、
    前記顔料分散剤が、顔料に吸着する吸着成分と、ポリマー成分とを有する顔料分散剤であり、
    前記吸着成分が下記式(1)で示される構造を有し、
    下記i)またはii)に記載の工程を含むことを特徴とするトナーの製造方法。
    i)重合性単量体、前記顔料および前記顔料分散剤を含有する重合性単量体組成物を、水系媒体中にて造粒する造粒工程、および造粒された粒子中に含有される重合性単量体を重合することによってトナー粒子を製造する重合工程、
    または
    ii)前記結着樹脂、前記顔料および前記顔料分散剤を含有するトナー組成物を、有機溶媒中に溶解または分散させた混合溶液を、水系媒体中にて造粒する造粒工程、および造粒された粒子中に含有される有機溶媒を除去することによってトナー粒子を製造する溶媒除去工程。
    Figure 2015069079
    [前記式(1)中、Ar、Ar、およびArのいずれかは、単結合または連結基を介して、ポリマー成分と結合する部位を示し、
    ポリマー成分と結合しないAr、Ar、およびArは、アリール基を示し、
    ポリマー成分と結合するAr、Ar、およびArは、アリール基から水素を1つ脱離して形成される基を示す。
    Wは、−CH−または>C=CH−Arを示し、Arは置換基を有してもよいベンゼン環を示す。
    前記連結基は、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレア基、アルキレン基、フェニレン基、−O−、−NR−および−NHCH(CHOH)−からなる群より選ばれる2価の連結基であり、Rは、水素原子、アルキル基、フェニル基またはアラルキル基を示す。]
  8. 前記トナーの製造方法が、i)の方法であって、
    前記ポリマー成分が、下記一般式(3)で示される単量体単位を含むポリマー成分である請求項7に記載のトナーの製造方法。
    Figure 2015069079
    [式(3)中、R15は水素原子、またはアルキル基を示す。R16はフェニル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、またはカルボン酸アミド基を示す。]

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